第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1)経営方針

当社は「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」をミッションに掲げ、クリエイターがテキストやマンガ、写真、音声等のコンテンツを自由に投稿・販売することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援・購読できるメディアプラットフォーム「note」を中心とした事業を展開し、あらゆる分野のクリエイターの、いちばん基本的な活動の場所となることを目指しております。

 

(2)経営環境

当社を取り巻く経営環境については、スマートフォンアプリ等を通じての個人間取引やサブスクリプション型ビジネス、インターネット上でサービスを提供するSaaSのトレンドが引き続き拡大しているなか、特に新型コロナウイルス感染症の流行拡大以降に見られる社会的な変化が後押しとなり、あらゆる人がオンラインでコンテンツや商品を発表・販売する動きが広まり、クリエイターエコノミーが拡大している状況であると認識しています。

こうした環境において、当社はメディアプラットフォーム事業として、あらゆる人がインターネット上で文章等のコンテンツを投稿・販売できるプラットフォーム「note」と、企業の情報発信をDX(デジタルトランスフォーメーション)する「note pro」を提供しており、個人・法人問わず創作活動・情報発信の場として、需要は引き続き拡大しているものと考えております。

 

当社の「note」が対象とする市場は、文章やマンガ、写真、音声、動画等のコンテンツに関する市場です。総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査(2022年6月)」によれば、オンライン化されたコンテンツについては、2020年のテキストコンテンツの市場規模は1.5兆円、音声や映像も含めると4.8兆円とされており、2016年~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は9.8%と堅調に成長しています。また、オンライン化されていないコンテンツも含めたデジタルコンテンツとしては、2020年の市場規模は8.5兆円、2016年~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は2.8%となっており、オンライン化されたコンテンツに牽引されながら、成長を続けています。

当社は「note」のTAM、SAM及びSOMを次のように推計しており、今後コンテンツのオンライン化・デジタル化が浸透していくことに伴い、デジタルコンテンツ市場はさらに拡大していくものと考えております。

 


 

※1 出典:総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査(2022年6月)

市場規模は2020年のもの。

※2 出典:経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課「コンテンツの世界市場・日本市場の概観」

市場規模は2018年のもの。

※3 SOM:現在アプローチしている市場規模、SAM:獲得を目指す市場規模、TAM:獲得しうる最大の市場規模

※4 2022年11月期の数値。

 

 

当社の「note pro」が対象とする市場は、Webサイト構築に関する市場です。「note pro」は独立したWebサイトをノーコードで開発できる特徴から、「note」のプラットフォームを基盤に企業の情報発信をDX(デジタルトランスフォーメーション)することにより、国内法人向けWebサイト構築市場の獲得を目指します。そして、さらに機能強化を進めることにより、あらゆる企業のインターネットにおけるビジネス活動の拠点となるべく、全ての国内法人をターゲットとする市場にアプローチしていくため、「note pro」のTAM及びSAMを次のように推計しております。

 


 

※1  Total number of Websites - Internet Live Stats; 国内は、世界のウェブサイトの数にWordpressの日本語のサイトシェア5.6%を乗じて推計したもの(https://wordpress.org/about/stats/)。数値は2021年4月1日に抽出。

※2  中小企業358万社(中小企業庁「2020年版中小企業白書」)と、フリーランス462万人(内閣官房「フリーランス実態調査」(2020年))を合算した数値。

※3  note proのARR=50,000円/月 x 12ヶ月=600,000円として計算。

※4  Webサイト構築サイトの市場シェアデータ"Historical yearly trends in the usage statistics of content management systems” (https://w3techs.com/technologies/history_overview/content_management/all/y)を参照し、None及び商品性が異なるWordpressとECサイト構築のShopifyを除外した上位サービス(Joomla、Squarespace、Wix、Drupal)のシェア合計から、7%を獲得可能と設定。

 

(3)経営戦略

当社の「note」は、CtoC(個人から個人へ)の情報発信メディアであり、かつ有料記事による課金ができる「CtoC × 課金」のモデルで、電子書籍・電子新聞やWebメディア、ブログ等の他のメディアと比べてもユニークなポジションを形成しています。加えて、クリエイティブ・デザイン・テクノロジーの3つが一体となった当社の強みを活かしたプロダクト開発力を活かし、クリエイターや読者からの要望やフィードバックを適時に吸い上げ、速やかに機能改善・拡充等に反映することでつくり上げてきた優れたUI/UXが高く評価されており、クリエイターの裾野は拡大してきています。

また、株式会社日本経済新聞社、株式会社文藝春秋などのメディアや、EコマースのBASE株式会社等さまざまな企業との提携によって、「note」に投稿された作品がマルチチャネルでさらに拡がり、クリエイターサクセスが促進されることで、オンライン・オフラインを問わずクリエイターの創作活動を後押し、既存メディアにとっては新しいクリエイターを発見する場となっております。

 

「note」はこうした取り組みにより、クリエイターにとって創作活動がしやすく、また創作活動の継続に必要な経済的対価を還元できる仕組みを構築し、クリエイターが増え、コンテンツが増えると読者が集まり、コンテンツが売れてさらにクリエイターが集まる、というクリエイター・読者・コンテンツの相互作用によるネットワーク効果がはたらくことで、広告宣伝費をかけずに自律的に拡大するグロースモデルによって、競争優位性を獲得してきました。今後も以下のグロースモデルに沿って、クリエイターの創作活動を支援し、最適なコンテンツを最適な読者に届けることで、プラットフォームとしての魅力を高め、競争優位性を高めていきます。

 


 

 

「note pro」については、独自ドメインを持つオリジナルWebサイトを、HTML等に関する知識がない人でもノーコードで開発でき、さらに「note」からの集客ができるという独自性を持つメディアSaaSとして、採用・ブランディング・プロモーション等幅広い場面で活用されてきました。

今後はまずはマーケティングやCtoCの「note」からの集客機能を強化していくことにより利用企業数を増やし、その後さらに機能拡充を進めることにより、「note pro」でつくられた企業のWebサイトが、ビジネスを行うための機能と集客力を備えた、インターネットにおけるビジネスの本拠地となることを目指しており、以下のようなターゲットの拡大を想定しております。

 


※1  総務省・経済産業省「2021年情報通信業基本調査(2020年度実績)」の情報通信企業のうち、電気通信業/ソフトウェア業/情報処理・提供サービス業を除いた企業数の合算。

※2  中小企業358万社(中小企業庁「2020年版中小企業白書」)と、フリーランス462万人(内閣官房「フリーランス実態調査」(2020年))を合算した数値。

※3  Total number of Websaite-internet Live Status;世界のウェブサイトの数にWordpressの日本語のサイトシェア5.6%を乗じて推計したもの(https://wordpress.org/about/stats/)。数値は2021年4月1日に抽出。

 

当社は「note」というプラットフォームをインターネット上の「街」と捉えており、個人・法人に関わらずあらゆる人が集まり、インターネットにおける創作・ビジネスをはじめとしたあらゆる活動の本拠地となることを目指します。その中において、機能強化により「note」の価値が高まれば高まるほど「note pro」がもつ集客力の価値も高まり、企業向けにおいてもネットワーク効果が働くと考えています。そのため、まずはCtoC「note」のプラットフォームをさらに拡大することで「note」の「街」にさらに積極的に法人を呼び込み、その上でBtoBの「note pro」において決済機能、業務発注・受注機能、CRM機能(注)1、人材採用機能等の機能拡充や各種サービス連携の強化をおこなっていくことで顧客ターゲットを拡大し、「note」と「note pro」によるハイブリッドなグロース戦略によるさらなる成長を目指します。

 

そのため当社は、強みであるクリエイティブ・デザイン・テクノロジーの3つを循環させ、ミッションを果たすべく、2022年を初年度とする3ヵ年の中期経営計画をスタートしております。

今後1~2年の具体的な成長戦略としては、「note」は機能性向上によるコンテンツ創作支援のほか、新サブスク機能「メンバーシップ」によるユーザー層の拡大、コンテンツを最適な読者に届けるレコメンド機能の向上により、更なる会員登録数の拡大とクリエイター収益機会の増加に取り組み、エディタ(注)2開発や各種カイゼンによる良質なコンテンツの創作支援、レコメンド機能の向上等により、購読者数・平均購入金額の増加を図っていきます。特に、新サブスク「メンバーシップ」の導入により、より幅広いクリエイターがサブスクを運営しやすくなるため、ユーザー層の拡大につなげるべくサービスの認知・活用拡大に取り組む予定です。

「note pro」は、機能拡充やそれに伴うサービスラインナップの拡充、認知拡大のためのセールス&マーケティング強化や、カスタマーサクセスによる活用サポート等を進め、契約数の増加・平均単価の引き上げを図る予定です。

このようにプラットフォームとしての魅力をさらに高めるため、エンジニアを中心とする人件費や「note pro」の認知拡大のためのマーケティングに投資していく方針です。

 

(注)1.顧客の情報を収集・分析して、最適で効率的なアプローチを行い、自社の商品やサービスの競争力を高めることを指しております。

2.「note」上で記事を投稿・編集する際に使用する編集画面のことを指しております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社では、財務指標のうち成長投資の源泉となる売上総利益を最重視し、最大化を目指しています。

事業上の重要指標として、「note」については流通総額を、「note pro」についてはARRを設定し、各事業の売上高の継続的かつ累積的な増加を目指しています。

そのほか、プラットフォームの更なる拡大のため、累計ユニーククリエイター数、累計会員数、公開コンテンツ数といったメディアプラットフォームに関する各種指標についても推移を注視しています。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

コンテンツ配信業界を取り巻く環境は、底堅く推移しております。こうした中、この業界で課題とされるコンテンツの充実や読者へのレコメンド機能をはじめとしたサイトの最適化等システムへの対策が急務となっております。

当社はこうした課題に対して、2022年を初年度とする3ヵ年の中期経営計画において、「note」の事業活動を強化し、新サービスを始めとしたサブスクリプション型のサービスの提供の増加やクリエイターのビジネス上の継続基盤を強化するとともに、「note pro」の事業活動を強化し、導入企業の増加を図るなど、今後も事業の強化を図ってまいります。

 

以上の取り組みにおいては、それぞれ次のような課題があると認識しております。

 

① 「note事業」「note pro事業」のさらなる拡大

「note」については、累計ユニーククリエイター数、累計会員登録者数、公開コンテンツ数といったメディアプラットフォームとしての各種指標を継続的に伸ばすほか、多くのユーザーを抱える影響力の大きなプラットフォームとしての健全性を重要な課題として認識しております。またクリエイターの継続的な創作活動を後押しするため、「note」上で継続的に購読されるコンテンツの割合を増加させるために、クリエイターと読者のコミュニケーションの充実と、クリエイターの創作意欲を喚起することが必要と考えており、エディタの機能刷新やコンテストを実施しております。その結果、ユーザー数及び流通総額は着実に積み上げられております。

 

また、「note pro」については、セールス&マーケティングの強化や機能拡充により、有料契約数を飛躍的に増加させることが重要と考えております。 具体的には、「note pro勉強会」などのマーケティング目的のイベントや「note pro」のサクセス事例を増やすこと等を通じ、「note」を利用する法人を中心とする幅広い企業に対し認知拡大を図るほか、決済機能、業務発注・受注機能、CRM機能、人材採用機能といった新たな機能の導入や各種サービス連携の強化を行うことにより顧客ターゲットを拡大し、有料契約数を増加させることが重要と考えております。

 

 

② 優秀な人材の確保と育成、それに合わせた組織体制の構築

コンテンツ配信業界においてインターネットに関する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それらに対応した新商品及びサービスが常に生み出されております。これらの最新ニーズ及び新商品並びにサービスを的確に察知し、迅速な意思決定を行える体制を整え、常に市場をリードしていくことが当社の成長につながります。これを実現するために、国内のニーズを的確に察知できる人材の確保が可能な体制を構築してまいります。

当社の経営理念に共感し、意欲、業務推進能力を兼ね備えた人材の中途採用を実施することはもちろんのこと、事業拡大及びサービス品質の向上等により知名度を上げることで採用力を強化し、当社が必要とする優秀な人材を継続的に確保・育成するべく取り組むと同時に、拡大する人員に合わせ、効率的な組織体制の構築に取り組んでまいります。

 

③ 内部管理体制の強化

当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社が効率的に拡大できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化を重要な課題として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に伴って人的補充を行い、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員監査の実施によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行っていく方針です。

 

④ 情報管理体制の強化

当社は、事業推進上、利用動向等の個人情報や機密情報を保持しております。このような情報が流出した場合や不適切な取り扱いがなされた場合、当社の信頼性や企業イメージが低下し、契約獲得や今後の事業展開への影響が生じるおそれがあります。

そのため、個人情報等の機密情報を取り扱う際の業務フロー、社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を行ってまいります。

 

⑤ 業務の効率化による生産性向上

需要拡大に備えた増員は、一方で人件費等のコストアップにつながり当社の利益圧迫要因となります。当社では全業務のプロセスの見直しを行い、無駄を削減し業務の効率化を図ってまいります。また、基幹システムを中心にシステム投資を強化し、インフラ面を改善するとともに業務の省力化による生産性向上を図ってまいります。

 

⑥ 業務基幹システムの維持・強化

当社の業務は、お客様を個別にかつ的確に管理し、必要な時に迅速に情報把握をできることが業務遂行上重要であり、その管理の根幹をなす当社の基幹システムを安定的に稼働させることが経営戦略上非常に重要な課題です。昨今の事業拡大、事業の継続的発展に伴い当該システムに対する負荷は、比例的に増大いたしますので、機能の拡充を継続的に実施していく方針です。

 

⑦ 財務上の課題について

当社は、現状先行投資が必要なフェーズであると捉えており、当事業年度まで営業損失かつ営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続しております。

今後においてもこれまで以上に優秀な人材の採用・育成を行うことでサービスの機能を継続的にアップデートするとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動等を積極的に進めるため先行的な投資を継続する方針であり、一定期間において費用が先行する可能性がありますが、プラットフォームの流通総額向上に伴うストック売上高の継続的な向上により、黒字化を目指しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社は、「リスク管理規程」を定め、代表取締役CEOを委員長とするリスク管理委員会を設置し、個別リスクの把握と評価、対応すべき優先度、リスク管理方法等を審議するとともに、定期的なモニタリングを行い、体制の整備、見直しを行っております。また、リスクが顕在化した場合、事件・事故が発生した場合又はリスクが顕在化する恐れがある場合、事件・事故に発展する可能性がある場合を緊急事態とし、代表取締役CEOを緊急対策本部長とする緊急対策本部を設置し、迅速に対応することとしております。

本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は以下のとおりです。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に係るリスク

① インターネット関連市場の動向について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社は、インターネット上におけるメディアプラットフォーム「note」の運営を主な事業基盤としており、インターネット及び関連サービス等のさらなる発展が、当社が今後成長を図る上で重要であると考えております。現状、国内におけるインターネットの人口普及率は82.9%(出所:総務省「令和4年版情報通信白書」、令和4年7月公表)に達しており、一般的に普及していると言えるなか、スマートフォン及びタブレット端末や高速通信手段の普及が急速に進むなど、インターネットの利用環境は年々改善されており、今後についても同様の傾向が続くと思われます。当社は、インターネット関連市場の動向が経営戦略の根幹に影響するものと位置付け、日々その動向を注視しながら、適宜当社の経営戦略に織り込んでまいります。

しかしながら、インターネット利用に関する新たな規制やその他予期せぬ要因により、インターネット利用環境が急激な変化に見舞われ、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合、当社の事業展開に支障が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新型コロナウイルス感染症の影響について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中

新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況や収束時期は不透明であり、今後数年にわたり拡大が続いた場合には、当社サービスへの需要の減少や当社サービスに関連する活動への支障等が生じ、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況等を注視しながら、当社サービスへの影響度を見極めつつ、社会的なニーズの変化に対応し、適宜事業戦略に織り込んでまいります。

 

(2)事業に係るリスク

① 競合優位性について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社は、優良なクリエイターが配信する質の高いコンテンツを提供することによって、コンテンツ産業において独自のポジションを確立し、競争優位性を有した事業展開を図っております。しかしながら、今後、高い資本力や知名度を有する企業等が参入した場合や同種の機能で価格優位性に優れたサービスが登場した場合には、競争の激化とユーザーの流出等が生じ、当社の競合優位性が薄れ、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

こうしたリスクに備え、今後もサービス・機能を継続的にアップデートすることによりプラットフォームの価値を高め、クリエイターはさらに創作活動が続けやすく、読者は魅力的なコンテンツに出会いやすい環境をつくることにより、さらに競争優位性を高めてまいります。

 

② 解約リスクについて

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

「note」による収益はプラットフォーム利用料が、「note pro」による収益は月額利用料がそれぞれ主となっており、その後、顧客や購読者の意思に従って契約の更新や継続的な購入又は解約がなされます。当社としては、できる限り各サービスの利用が継続されるよう、「note」のプラットフォームのUI/UXの向上、「note pro」の充実したカスタマーサポートの提供を通じた顧客ニーズの継続的な把握及び当該ニーズを反映するための機能改善開発に取り組んでおります。かかる取り組みに加え、各サービスを利用しているユーザー数はそれぞれ、2022年11月末時点で、「note」の累計会員登録者数5,853千人、「note pro」の有料契約数635社にのぼり、且つ、「note pro」の顧客属性は採用広報、リード獲得、ブランディング、コンテンツ販売目的など、分散していることから、解約数が急激に増加するリスクは低いと考えておりますが、万が一解約数が急激に増加した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ サイト運営の健全性等について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社が運営する「note」では、クリエイターが自由にコンテンツを投稿できる他、「note」上のコンテンツに対してユーザーがコメントを投稿できる仕組みとなっております。したがって、健全性を欠いたり、他者を誹謗中傷したりするようなコンテンツやコメントが投稿される可能性があります。

当社では、クリエイターやユーザー向けに利用規約やガイドラインを策定しサイト上に明示することや、著作権への配慮や不適切なコンテンツの拡散抑止など安全・安心に利用いただくための「コミュニティガイドライン」の策定や、クリエイターが安心して創作するために著作権等の法律知識や知っておくべき情報に関する研修を「安心創作勉強会」として実施することによって、サービスの適切な利用を促すよう努めております。また、AI/機械学習及び専任のカスタマーサポートチームを併用したパトロールや、ユーザーからの通報に基づく対応を実施し、投稿内容等が利用規約で禁止している行為に該当する場合には、コンテンツ又はコメントの削除、利用の停止、検索結果からの除外などを行うことによって、健全なサイト運営を維持しております。また、パトロールにあたっては、社内マニュアル・基準を策定し、定期的に見直しを実施しております。

以上のような健全性確保のための体制を構築しておりますが、不適切な投稿に対して当社が十分な対応ができない場合には、クレームやネット上の拡散、通報等に端を発した炎上等によるレピュテーションリスクが発生する可能性があり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 特定のカテゴリー収益について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社は、多様なカテゴリーのコンテンツから収益を獲得しておりますが、当事業年度の売上構成比率において、競馬等の公営競技や、ビジネス・投資・IT等といったユーザーの経済的利益に直結しやすいカテゴリーに係る流通総額はより比重が高いものとなっております。今後、何らかの事由により当該カテゴリーの流通総額が減少した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社としては、上記のような特定カテゴリーの比率を下げるために、「note」のトップページにて積極的にユーザーに知ってもらいたい多様なカテゴリーのコンテンツやユーザーにマッチするであろうコンテンツについて今日の注目記事としてピックアップしたり、おすすめコンテンツとして表示したりするなど、閲覧コンテンツの多様性及び収益化機会の確保に向けた取り組みを行っているほか、note pro事業や法人向けサービス事業の収益拡大に取り組んでおります。

 

⑤ 先行投資から見込まれる効果が期待どおりに実現しないリスクについて

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社のビジネスモデルは、プラットフォームのUI/UXの向上のための投資を行い、当該プラットフォーム上でのコンテンツの流通量の拡大に伴う収益の増加により、投資回収を図る形態のため、当社のサービスを拡大していくための開発人員の採用・育成にかかる先行投資が発生いたします。また、継続的な事業成長のためには、信頼性の面でより優れたプラットフォーム基盤の構築やさらなる認知度の向上及び顧客拡大に取り組んでいかなければならないと考えております。

当社では設立以来、これらの取り組みを積極的に進め、開発人員を中心とした優秀な人材の採用等の継続的な投資を行ってきたこともあり、営業損失が継続しており、前事業年度及び当事業年度において、営業キャッシュ・フローがマイナスとなっております。

当社は今後、これまで採用・育成した人材を中心にサービスの機能を継続的にアップデートし、より多くのユーザーを獲得するとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動等を進めることを想定しております。

しかしながら、事業環境の急激な変化等により、想定どおりに事業展開が進まず、これらの先行投資が当社の想定する成果につながらなかった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 税務上の繰越欠損金について

発生可能性:高、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:小

当事業年度末時点において、税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の業績が事業計画に比して順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当社の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業運営体制について

① 特定人物への依存について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社代表取締役CEOである加藤貞顕は、創業者であり、2011年の創業以来代表を務めております。同氏は、出版・コンテンツ業界に関する豊富な知識と経験、人脈を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

当社は、取締役会及びその他の会議体における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合は、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 優秀な人材の確保について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社が事業拡大を進めていくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最重要課題であると認識しております。当社では、将来に向けた採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。

当社は今後もこれらの施策を継続していく予定ではありますが、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合や、採用後の人材流出が進んだ場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社では、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しますように、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの徹底を図るための様々な施策を実施しております。また、業務の適正化及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。

しかしながら、事業の急速な拡大等により、各事業の予算管理・資金繰り管理・業務プロセス等内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システム障害について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社の事業はインターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセスなどによって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能などのシステム障害が発生する可能性があります。当社では、システム障害の発生防止のために、システムの冗長化、脆弱性検査、不正アクセス防御等の対策を講じております。しかしながら、これらの対策を講じているにも拘らず、障害が発生した場合には、当社に直接的損害が生じるほか、当社のサーバーの作動不能や欠陥等に起因するサービスの停止等については、当社のシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制について

① 情報の管理について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社サービスでは、多種多様かつ大量の企業情報及び個人情報を取り扱っており、これらの情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社員教育の徹底と管理体制の構築を行っております。

当社は、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行うとともに、第三者による脆弱性診断を受けておりますが、何らかの理由で利用者のプライバシー又は個人情報が漏洩する可能性や不正アクセス等による情報の外部への漏洩又はこれらに伴う悪用等の可能性があり、そのような事態が発生した場合には、当社の事業展開、経営成績、財政状態及び企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社が事業を運営する各法域における利用者のプライバシー及び個人情報の保護に係る法規制に改正等があった場合にも、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社が事業活動を行うに当たり、第三者が保有する商標権、著作権、特許権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払い、著作権に関する社内研修の実施や弁護士に随時相談する体制の構築などの対策を行っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者より、損害賠償請求、使用差止請求、ロイヤリティの支払い要求等が発生する可能性があり、実際に当該事象が発生した場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネットにおける法的規制について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

現在のところ当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、インターネット関連分野においては「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」、「電気通信事業法」等が存在します。近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきておりますが、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の制定又は既存法令等の解釈変更がなされた場合には、当社の事業運営が制約を受け、事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、新法令や法令の解釈変更に対して、積極的に情報を得る体制の強化、一般社団法人クリエイターエコノミー協会を通じた法改正への関与及び顧問弁護士等の専門家との協力体制の構築を行っております。

 

④ 請負業務について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

請負契約の下で行われる業務委託においては、労働関係法令に則った適切な対応が求められます。当社では、コンテストの参考作品の作成依頼など、請負業務に関する外注管理規程を制定し全社的な問題意識の共有化・定着化を図り、適正な業務委託の徹底に努めております。このような取り組みにもかかわらず、請負業務の趣旨から逸脱して業務が遂行され、偽装請負等の問題が発生した場合には、当社の信用を失い、事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 訴訟について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社では、コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させること、法令遵守や社会倫理に関する研修を行うことで、法令違反などの発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、ユーザーや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。また、ユーザーは即時にコンテンツを公開できるため、ユーザーによるコンテンツの公開によって名誉毀損を受けたとして、第三者から当社が訴訟などを受ける可能性があります。知的財産権の侵害についても前述のとおり訴訟発生リスクがあるものと考えております。提起された訴訟の内容及び結果によっては、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用や企業ブランドイメージの悪化等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

(5)その他

① 配当政策について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社は、更なる財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置づけております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資を積極的に行っていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討してまいる方針ですが、現時点において配当実施の可能性及び、その実施時期につきましては未定です。

 

② 新規事業及びM&Aを伴う業容拡大について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中

当社は、ミッションである「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」ために、非連続な成長を目指していくことを経営方針としております。新規事業開始や資本業務提携に加え、今後はM&A(企業や事業の合併及び買収)を含む積極的な業容拡大を進めてまいりますが、これらの新規事業開始や業容拡大等がもたらす影響について、当社が予め想定しなかった結果が生じ、結果として当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、これら新規事業開始や業容拡大等は、その性質上、多額の買収対価や投資資金を必要とする場合があります。そのため、株式交換やエクイティファイナンスにより新株を発行する場合や、金融機関からの借入や社債の発行等により資金調達する場合があります。多数の新株発行や多額の借入又は社債の発行により、株式希薄化や負債比率増加に伴う財務安定性の棄損を招くリスクがあり、かかる場合においては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、業容が拡大していく中で、事業の取捨選択方針を誤り、限られた経営資源が分散し、成長事業に十分な資源の投下ができないリスクや、多角化により管理コストが増大するリスクを招く可能性があります。

このようなリスクに対応するため、資本業務提携やM&Aを含む新規事業への進出においては、決められた期間において達成すべき業績指標(KPI)を設け取締役会において、各事業をモニタリングしてまいります。また、当社の企業規模を勘案しつつ、株主への還元等の機動性確保の観点から、必要に応じて資本金の減少等も実施してまいります。

 

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:1年以内、影響度:小

当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社の役員及び従業員に対して新株予約権(インセンティブを目的とした新株予約権(ストック・オプション)を含む)を付与しております。また、今後においても当社役員及び従業員の士気向上や優秀な人材の確保を図るため、継続的にストック・オプションなどの株式報酬制度を実施・導入する可能性があります。当事業年度末現在において、これら新株予約権による潜在株式数は1,694,000株であり、発行済株式総数14,617,900株の11.59%に相当します。

当社では、権利行使期間において段階的に行使が可能となる条件を付与することで、希薄化の影響が分散するようにしております。なお、新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりです。

今後、これら新株予約権が行使された場合には、将来的に既存株主が保有する株式価値の希薄化や需給関係に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ベンチャーキャピタル等の当社株式保有割合について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:1年以内、影響度:中

当事業年度末現在における当社の発行済株式総数は14,617,900株であり、このうちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が保有する株式数は5,986,100株と、当社株式の公募増資前の発行済株式総数に対する割合は40.95%となっております。VC等が保有する当社株式の一部又は全部を市場にて売却した場合には、当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、2022年11月17日付で公表いたしました「有価証券届出書」のとおり、2022年12月21日にVC等の保有株のうち889,300株が売り出されており、当該リスクの一部は解消しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態の状況

(資産) 

 流動資産は前事業年度末に比べ1,563,221千円増加し、3,195,693千円となりました。これは主に、第三者割当増資などにより現金及び預金1,316,565千円、「note」の流通総額の伸長などにより未収入金228,221千円増加したことなどによります。

 固定資産は前事業年度末に比べ10,756千円減少し、107,386千円となりました。これは主に、減損損失を11,282千円計上したことなどによります。

 この結果、資産合計は前事業年度末に比べ1,552,465千円増加し、3,303,080千円となりました。

(負債) 

 流動負債は、前事業年度末に比べ308,813千円増加し、1,325,318千円となりました。これは主に、「note」の流通総額の伸長などによりクリエイター向けの預り金が増加したため、預り金が275,460千円増加したことなどによります。

 固定負債は前事業年度末と同じく160,000千円となりました。

 この結果、負債合計は前事業年度末に比べ308,813千円増加し、1,485,318千円となりました。

(純資産) 

 純資産は、前事業年度末に比べ1,243,651千円増加し、1,817,761千円となりました。これは、当期純損失の計上により利益剰余金が減少した一方で、第三者割当増資により資本金が1,000,070千円、資本剰余金が1,000,070千円増加したことなどによります。なお、2022年11月の欠損填補を目的とした減資により、資本金が1,000,070千円減少し、利益剰余金が1,000,070千円増加しております。

 以上により当事業年度末の自己資本比率は55.0%となりました。

 

② 経営成績の状況

当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症が経済活動に与える影響は正常化に向かっている一方で、米国を中心としてインフレが急速に進行した結果、資本市場は依然不透明な状況が続いています。

このような状況の下、当社は、note事業(クリエイターがユーザーとコミュニケーションをとりながらデジタルコンテンツを創作・公開・販売できるプラットフォーム「note」の運営)、note pro事業(法人向け情報発信SaaS「note pro」の運営)、法人向けサービス事業(「note」上での企業協賛型コンテストの実施など)を主要な事業として展開してまいりました。

「note」は継続的な機能改善によって順調にユーザー数が増加しており、2022年11月末時点で会員登録者数は580万人を突破しております。また、2022年11月単月の流通総額は1,000百万円(前年同月比138.1%)となり、課金チャネルの拡充や機能改善を通したユーザーの購入体験の向上によって引き続き高水準で推移しています。「note pro」については、noteのサービス成長に伴う企業からの認知度向上により順調に契約数を伸ばしており、2022年11月末時点で有料アカウント数は630を超えています。法人向けサービス事業については、「note」のユーザー数増加などにより、「noteコンテスト」案件が堅調に推移しております。

 その結果、当事業年度の売上高は2,317,088千円(前事業年度比23.0%増)となりました。内訳は、note売上高1,829,467千円(前事業年度比28.0%増)、note pro売上高312,995千円(前事業年度比46.7%増)、法人向けサービス売上高105,317千円(前事業年度比5.5%増)、その他売上高69,308千円(前事業年度比50.9%減)です。一方、自社サービスを拡大するため人材採用やプロダクトの開発コストが先行した結果、営業損失は732,056千円(前事業年度は456,540千円の営業損失)、経常損失は742,479千円(前事業年度は433,474千円の経常損失)、当期純損失は756,488千円(前事業年度は436,174千円の当期純損失)となりました。

 なお、当社はメディアプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末より1,316,565千円増加し、2,188,649千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の減少は、660,122千円前事業年度は646,869千円の支出)となりました。これは主に、「note」の流通総額の伸長によってクリエイター向けの預り金が増加したことなどによる預り金の増加額275,460千円により資金が増加した一方で、自社サービスを拡大するため人材採用やプロダクトの開発コストが先行した結果発生した税引前当期純損失753,788千円、「note」の流通総額の伸長などによる未収入金の増加額228,221千円により資金が減少したことなどによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は、23,451千円前事業年度は5,349千円の支出)となりました。これは主に、業務用PCなどの有形固定資産の取得による支出22,978千円などによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増加は、2,000,140千円前事業年度は収支なし)となりました。これは、第三者割当増資による株式の発行による収入2,000,140千円によります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

メディアプラットフォーム事業

2,317,088

123.0

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

2.当社は、メディアプラットフォーム事業の単一セグメントのためセグメント別の記載はしておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定をしております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

a.経営成績の状況の分析

(売上高)

売上高の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況 ② 経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は216,445千円(前事業年度比11.5%減)となりました。これは、開発部門の人件費が主なものになりますが、業務委託の内製化によるコスト削減や一部事業の見直しによる関連費用の減少などによります。この結果、売上総利益は2,100,643千円(前事業年度比28.1%増)となりました。


(販売費及び一般管理費、営業損失)

販売費及び一般管理費は2,832,700千円(前事業年度比35.1%増)になりました。これは、事業拡大に伴い人員採用を積極的に行ったことによる人件費の増加、サービス拡大に伴うインフラ基盤の増強による関連費用の増加や決済手数料の増加などによります。この結果、732,056千円の営業損失(前事業年度は456,540千円の営業損失)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

営業外収益は、サービス運営に伴う違約金収入の減少などにより11,047千円(前事業年度比63.9%減)となりました。営業外費用は、上場関連費用や円安進行に伴う為替差損の発生などにより21,470千円(前事業年度比185.2%増)となりました。この結果、742,479千円の経常損失(前事業年度は433,474千円の経常損失)となりました。


(特別損益、当期純損失)

当事業年度においては、固定資産等の減損損失11,282千円及び固定資産除却損25千円の特別損失が発生しました。また、法人税、住民税及び事業税2,700千円を計上した結果、756,488千円の当期純損失(前事業年度は436,174千円の当期純損失)となりました。

 

b.財政状態の分析

財政状態の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況 ① 財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の資金需要として主なものは、事業の拡大に伴う人件費、プロダクトの開発費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等です。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。

また、一時的な資金の不足については、金融機関との間で500,000千円の当座貸越枠を設定しており、必要資金を適時に確保する体制を整えております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑥ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は売上総利益を最重視するとともに、事業上の重要指標として、「note」については流通総額を、「note pro」についてはARRを設定しております。

当事業年度においては、売上総利益2,100,643千円(前事業年度比28.1%増)、「note」の流通総額11,195,890千円(前事業年度比32.6%増)、「note pro」のARR362,960千円(前事業年度比39.7%増)となりました。

前事業年度から引き続き、消費者のオンラインコンテンツに対する消費時間増加を背景に「note」のユーザー数・コンテンツ数が増加していること、「note」の成長に伴い企業からの認知度向上を背景に「note pro」の契約数が順調に拡大していることから、当事業年度において全ての指標が伸長しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。