第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループは、中長期的な成長及び企業価値の向上を図るべく、出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育事業等において、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さらにテクノロジーをより一層活用することで、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略としております。

 

当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高1,897億27百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益194億29百万円(前年同期比51.7%増)、経常利益215億88百万円(前年同期比52.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益121億59百万円(前年同期比27.1%増)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間における各セグメントの業績は、以下のとおりです。なお、成長・重点領域としての事業の重要性が今後さらに高まると見込んでいるため、第1四半期連結会計期間より、従来「その他」に含めておりました「教育」を報告セグメントとして記載する方法に変更しております。

 

[出版事業]

出版事業では、書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間約5,000タイトルにおよぶ新作を継続的に発行しており、蓄積された豊富な作品アーカイブが当社グループ成長の原動力となっております。

電子書籍・電子雑誌は、市場全体の成長が継続していることに加え、当社が得意とする異世界ジャンルのコミックやメディアミックス作品等を中心に他社ストア向け販売・自社ストア売上が好調に推移し、増収となりました。

書籍・雑誌では、北米の戦略子会社であるYEN PRESS, LLCを中心とした海外事業における高成長が継続しました。国内では、新刊点数の増加や継続的な返品率改善を実現したものの、市場全体の縮小影響が大きく、減収となりました。新刊では、『陰の実力者になりたくて!(8)』、『ダンジョン飯(12)』(コミック)、『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』(児童書)等の販売が好調に推移しました。権利許諾収入は増収となりました。

費用面では、中長期的な成長を見据えた人材やコンテンツへの投資、インフレによる紙書籍の資材費や物流費等が増加しました。

この結果、当事業の売上高は1,035億34百万円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益(営業利益)は98億91百万円(前年同期比24.7%減)となりました。

 

なお、さらなる返品削減、製造コスト削減、利益率の向上に向け、埼玉県所沢市において2021年4月より書籍製造ラインの稼働を開始し、文庫やライトノベル、新書、コミックス等のデジタル印刷による小ロット・適時製造を行っております。現在、製造ライン拡張を推進していることに加え、物流設備についても将来の稼働に向け、準備を進めております。

 

[映像事業]

映像事業では、実写映像及びアニメの企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売等を行っております。

アニメでは新作本数の増加に加え、メディアミックス作品である『オーバーロードⅣ』や『陰の実力者になりたくて!』等の国内向け配信売上や海外向け売上が伸長し、引き続き力強く成長しました。実写映像ではスタジオ事業における前期からの反動減の中、劇場新作の貢献により増収となりましたが、第2四半期に一部の作品において一過性の評価減が発生しました。

この結果、当事業の売上高は310億92百万円(前年同期比25.7%増)、セグメント利益(営業利益)は11億11百万円(前年同期比20.5%減)となりました。

 

[ゲーム事業]

ゲーム事業では、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。

記録的大ヒットとなったゲーム作品である『ELDEN RING』が増収増益に大きく貢献しました。なお同作は海外ゲームアワード「The Game Awards 2022」において「Game of the Year」を受賞しました。また、共同・受託開発事業や㈱スパイク・チュンソフトの新作も増収に貢献しています。

この結果、当事業の売上高は234億16百万円(前年同期比206.4%増)、セグメント利益(営業利益)は90億71百万円(前年同期比2,133.0%増)となりました。

 

[Webサービス事業]

Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。

動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が12月末には134万人となり、前年12月末からは減少となりましたが、動画にアイテムを贈る「ギフト」や広告等の伸長により増収となりました。各種イベントの企画・運営では、今後のクリエイター投稿とユーザー視聴のさらなる増加を企図した『ニコニコ超会議2022』をリアル会場でも開催しました。コロナ禍ながら9.6万人が来場したことにより、チケット・物販売上が増収に貢献しましたが、大規模開催のための費用増加により、全体では減益となりました。

この結果、当事業の売上高は173億75百万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益(営業利益)は18億20百万円(前年同期比9.6%減)となりました。

 

[教育事業]

教育事業では、専門学校運営及びオンライン教育のための教育コンテンツ・システム提供等を行っております。

クリエイティブ分野の人材育成スクールを運営する㈱バンタンでは、前期の新コース設立及び展開地域拡大や、ゲームクリエイターを多く輩出する「バンタンゲームアカデミー」等の生徒数が引き続き増加したことにより、増収増益に貢献しました。また、インターネットによる通信制高校であるN高等学校・S高等学校でも通学コース向け新キャンパスの開設等により生徒数が順調に増加しており、同校等に教育コンテンツ・システムの提供を行う㈱ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移しました。

この結果、当事業の売上高は92億82百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益(営業利益)は16億72百万円(前年同期比25.6%増)となりました。

 

[その他事業]

その他事業では、IP体験施設の運営、キャラクターグッズ等の企画・販売を行うMD事業等を行っております。

IP体験施設の運営では、不安定な事業環境の中、ところざわサクラタウンにおける施設横断的なイベント展開が好評を博したことでレジ通過者数や来場者一人当たりの購買回数が増加し、増収となりました。MD事業においても増収となりました。

この結果、当事業の売上高は126億61百万円(前年同期比47.6%増)、セグメント損失(営業損失)は27億95百万円(前年同期 営業損失34億24百万円)となりました。

 

 

 

東京2020オリンピック・パラリンピックのスポンサー選考にかかり、当社役職員が贈賄の容疑で逮捕・起訴されました問題につきましては、関係するすべての皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。

当社は、2023年1月23日付「東京五輪における当社役職員の贈賄容疑に関するガバナンス検証委員会の調査報告書公表のお知らせ」にて公表しましたとおり、本件に関する事実関係の調査、本件を生じさせた当社のガバナンス、内部統制を含めた根本的な原因の究明や再発防止策の提言を目的として設置されたガバナンス検証委員会より、同日付で調査報告書を受領しております。

当社はガバナンス体制をより強化するため、2023年2月2日開催の取締役会において、2023年6月開催予定の第9期定時株主総会において承認されることを前提に、指名委員会等設置会社へ移行すること、及び取締役会構成につき社外取締役を過半数とすることを決議いたしました。また、本報告書を真摯に受け止め、ガバナンス検証委員会のすべての提言項目に対応すべく、再発防止に向けた検討課題を具体化し、迅速に実行してまいります。

 

 

(2)財政状態の分析

①資産、負債、純資産の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて512億16百万円増加し、3,765億35百万円となりました。これは主に連結子会社における第三者割当増資により現金及び預金が増加したことや、売上の伸長等による売上債権の増加によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べて54億70百万円増加し、1,550億48百万円となりました。これは主に未払金が減少した一方、支払手形及び買掛金並びに契約負債が増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べて457億46百万円増加し、2,214億87百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや、連結子会社における第三者割当増資により資本剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権及び契約資産の増加や法人税等の支払があった一方、税金等調整前四半期純利益の計上等により、56億70百万円の収入(前年同期は64億74百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得や定期預金の預け入れ等により、165億43百万円の支出(前年同期は69億42百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、連結子会社における第三者割当増資等により、311億77百万円の収入(前年同期は267億68百万円の収入)となりました。

以上の結果、為替換算差額も含めて225億75百万円の収入となり、現金及び現金同等物の当四半期末残高は、1,201億54百万円となりました。

当社グループの短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。

また、複数の金融機関と総額150億円のコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。なお、当第3四半期連結会計期間末の借入実行残高はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当社グループでは、主にゲーム事業におけるパッケージゲーム開発等において研究開発をしております。当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は168百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。