第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

①当期の経営成績

売上高は266億96百万円(前年同期比33.7%減)となりました。

遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」は、販売数量は増加しましたが、2022年4月の薬価改定の影響を受けました。同じく薬価改定があった腎性貧血治療薬は減収幅が大きかったものの、2021年5月に薬価収載された「イズカーゴ®点滴静注用10mg」が大きく寄与したことなどにより、主力製品の売上合計は前年同期と同水準となりました。主力製品以外では、契約金収入の減少およびアストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチン原液の国内製造の受託を予定どおり終了したことなどにより、売上高合計は前年同期に比べて減収となりました。

営業利益は49億53百万円(前年同期比73.0%減)、経常利益は52億91百万円(前年同期比71.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は35億68百万円(前年同期比72.4%減)となり、いずれも減益となりました。

積極的な研究開発活動の結果、研究開発費は26.2%増加し64億17百万円(前年同期比13億31百万円増)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間における減収減益は、期初予想通りの傾向です。

 

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2021年4月1日

至 2021年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

売上高

40,270

26,696

△33.7

営業利益

18,356

4,953

△73.0

経常利益

18,724

5,291

△71.7

親会社株主に帰属する四半期純利益

12,921

3,568

△72.4

 

②主な売上

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2021年4月1日

至 2021年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

ヒト成長ホルモン製剤

 グロウジェクト®

9,990

9,320

△6.7

ムコ多糖症Ⅱ型治療剤

 イズカーゴ®点滴静注用

2,045

3,380

65.2

腎性貧血治療薬

 エポエチンアルファBS注「JCR」

 ダルベポエチンアルファBS注「JCR」

4,755

2,251

2,504

3,573

2,084

1,489

△24.9

△7.4

△40.5

再生医療等製品

 テムセル®HS注

2,648

2,560

△3.3

ファブリー病治療薬

 アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」

533

835

56.7

契約金収入

7,667

5,010

△34.7

AZD1222原液

12,553

1,931

△84.6

 

③研究開発の状況

[ライソゾーム病治療薬]

・当社では現在、17種類を超えるライソゾーム病治療薬について、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の研究開発に重点的に取り組んでおります。また、J-Brain Cargo®技術の様々なモダリティへの応用可能性を広げる研究にも注力しております。

 

・血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤パビナフスプ アルファ(開発番号:JR-141)については、2021年5月に日本での販売を開始しております(製品名「イズカーゴ®点滴静注用10mg」)。また、米国では米国食品医薬品局(FDA)より2021年2月にFast Track(※1)および2022年12月にRare Pediatric Disease(※2)の指定を、欧州(EU)では2021年10月に欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(※3)の指定をそれぞれ受けております。2022年2月にはグローバル臨床第3相試験において最初の被験者への投薬が開始されております。なお、2020年12月にブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)に製造販売承認申請を行っておりましたが、2022年8月に非承認となりました。現在実施中のグローバル臨床第3相試験の結果を用いて再度申請を行うことを予定しております。

 

・血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤lepunafusp alfa(開発番号:JR-171)については、現在、日本・ブラジル・米国での臨床第1/2相試験において、2022年3月に計画した全例の登録を完了し、最終解析を実施しております。なお、2021年2月にFDAより、2021年3月に欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けております。また、2021年9月にFDAよりFast Trackの指定を受けており、米国における臨床開発の迅速化、優先審査や早期承認が期待されます。

 

・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢA型治療酵素製剤(開発番号:JR-441)については、2022年1月にECよりオーファンドラッグの指定を受けており、欧州(EU)領域における開発促進のための様々なインセンティブを受けることができます。現在、2023年上半期のグローバル臨床試験開始に向けた取り組みを進めております。

 

・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬(ポンペ病治療薬(開発番号:JR-162)、スライ症候群治療薬(開発番号:JR-443)、サンフィリッポ症候群B型治療薬(開発番号:JR-446)、GM2ガングリオシドーシス治療薬(開発番号:JR-479)についても、研究開発を順次行うとともにグローバル展開を推進してまいります。なお、フコシドーシス治療薬(開発番号:JR-471)につきましては、2022年10月に締結した実施許諾契約に基づき、株式会社メディパルホールディングスに対し、日本を除く全世界における研究・開発、製造および販売などの事業化に関する再実施許諾権付の独占的実施権を許諾いたしました。本治療薬を創出した企業としてライセンサーの立場で参画し、本治療薬の早期事業化に貢献いたします。

 

[再生医療等製品]

・「テムセル®HS注」の新たな適応拡大として新生児低酸素性虚血性脳症(開発番号:JR-031HIE)に対する臨床第1/2相試験を実施しております。

 

・帝人株式会社との共同開発であった他家(同種)歯髄由来幹細胞(DPC)を用いた急性期脳梗塞を適応症とする再生医療等製品(開発番号:JTR-161/JR-161)については、2022年4月に共同開発を終結することで合意いたしました。

 

[ヒト成長ホルモン製剤]

・「グロウジェクト®」へのSHOX異常症(開発番号:JR-401X)の効能追加については、2022年7月に製造販売承認申請を行いました。

 

・遺伝子組換え持続型成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の臨床第2相試験を実施しており、予定していた被験者の組み入れを完了しております。

 

 

※1 FDA Fast Track制度

重篤な疾患を治療するために、アンメットメディカルニーズを満たす治療薬の開発を促進し、審査を迅速化することを目的とした制度。ファストトラック制度に指定された医薬品は、開発計画についてFDAと頻繁にミーティングを行うほか、関連する基準を満たす場合に優先審査および早期承認の対象となる。

※2 Rare Pediatric Disease指定

希少小児疾患の予防と治療のための新薬および生物製剤の開発を促進することを目的としているもの。今後の米国における製造販売承認のための優先審査バウチャーを取得できる可能性がある。

※3 EMA PRIME (PRIority MEdicines)

アンメットメディカルニーズを対象とした医薬品の開発支援を強化するために開始したスキーム。PRIMEによって早期かつ積極的な支援を受けることで医薬品の申請を迅速に行うことが可能となり、また迅速審査の対象になる可能性がある。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は917億28百万円(前連結会計年度末比54億5百万円減)、負債合計は394億18百万円(前連結会計年度末比66億26百万円減)、純資産合計は523億9百万円(前連結会計年度末比12億20百万円増)となりました。

流動資産は、棚卸資産および未収入金が増加した一方で、売掛金及び契約資産および現金及び預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ162億89百万円減少して458億99百万円となりました。固定資産につきましては、繰延税金資産が減少した一方で、有形固定資産および関係会社株式が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ108億83百万円増加して458億29百万円となりました。

流動負債は、未払法人税等、未払金および短期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ82億50百万円減少して338億3百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ16億24百万円増加して56億14百万円となりました。

純資産につきましては、配当金の支払があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ12億20百万円増加して523億9百万円となりました。

これらの結果、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.1ポイント上昇して55.9%となりました。

現時点では当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響は受けておりませんが、今後の世界情勢の見通しが立たない中、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、総額155億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は64億17百万円(前年同期実績50億85百万円)であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況は、(1)経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

(6)従業員の状況

 当第3四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、生産および販売実績が著しく減少しました。

 これは、アストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチン原液の国内製造の受託を予定どおり終

了したことなどによるものであります。

 

(8)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画中であった重要な設備の新設につきましては、以下のとおり変更しております。

 

会社名

事業所名

所在地

セグメントの

名称

設備の内容

着手及び完了予定年月

完成後の増加能力

着手

完了

当社

神戸サイエンス

パークセンター

神戸市西区

医薬品事業

製造設備

2021年8月

2024年3月期

第1四半期

医薬品製造能力の増強

(注)変更箇所には下線を付して表示しております。

 

 なお、当該設備は2022年11月に竣工しており、2024年3月期第1四半期に稼働を開始する予定です。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。