文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営理念・経営戦略
当社グループは、「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに、事業及び組織の両面で革新的な仕組みを作り、それを広げていくことを目指しています。具体的には、事業面ではBNPL決済サービスソリューションを提供することで、関わる全てのステークホルダーが「手間」なく「信用リスク」なく商取引を実現できるように貢献しており、組織面では当社グループ従業員の成長、モチベーションの維持及びパフォーマンスの向上を目的として、従業員個々人が自律的に役割を考え業務遂行する「ティール組織」を採用し、現場担当者の意見を尊重した意思決定の実現を図っています。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの決済ソリューション事業のビジネスフローは、①当社サービス利用による商品売買高(取扱高)と加盟店ごとに設定された手数料率に基づく収益計上、②購入者からの代金回収に大別されます。そのため、当社の経営上の重要指標はそれぞれ、①は年間取扱高、②は購入者による未払い率となっており、社内では各数値を継続的に確認しています。
経営上の目標としては、当社は2021年6月10日付で「2021年度-2025年度 中期経営計画」(以下、「中期経営計画」という。)を策定しており、その中で当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高を掲げています。
(3)経営環境
当社グループの主力サービスである「NP後払い」はEC市場における決済ソリューションを提供しています。ECの国内市場規模については、経済産業省「令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)(2021年7月公表)」によりますと、BtoC市場が2020年で19.3兆円(前年比0.4%減)、BtoB市場が334.9兆円(前年比5.1%減)、CtoC市場が1.9兆円(前年比12.5%増)となっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、プラットフォーム型ビジネスの展開を事業コンセプトに据え、決済ソリューション事業として、BtoC取引向けサービスである「NP後払い」、「atone」及び「AFTEE」並びに、BtoB取引向けサービスである「NP掛け払い」のサービス構築及び普及を目指し、下記の課題に全社一体となって取り組んでまいります。
① 収益基盤の拡大
積み上げ型のビジネスを展開する当社グループにとって、大口加盟店を獲得すること及びサービスの稼働促進を実現し収益基盤を拡大させることは、業容の拡大を目指す上で継続的かつ重要な課題です。当連結会計年度におきましては、大手加盟店候補との接点を増やし稼働促進するべく、主に以下の点に注力しました。
・新規加盟店候補先の経営層への接触力をより高めるため、その業界に知見・ネットワークを有する外部人材を活用
・既存加盟店を継続フォローする観点から構築したカスタマーサクセスチーム体制を発展させた営業活動の外部化
・BNPL以外の決済・他金融、リテール等の分野で国内トップクラスのネットワークを有するパートナーとの各種アライアンスの強化
具体的には以下のようにアライアンスの強化に努めてまいりました。
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2019年6月 |
リコーリース株式会社との資本業務提携 |
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2021年2月 |
株式会社ジェーシービーとの資本業務提携 |
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2021年7月 |
SBペイメントサービス株式会社との業務提携 |
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2021年8月 |
株式会社オリエントコーポレーションとの業務提携 |
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2021年9月 |
Boku,Inc.との業務提携 |
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2022年2月 |
株式会社セールスフォース・ジャパンとの業務提携 |
営業環境は良好である一方、引き続き人的なリソースは限られており、効率的に加盟店を獲得していく必要があるため、引き続き営業体制の強化及びアライアンス先等の外部資産の活用等を行い、収益基盤の更なる拡大を図ってまいります。合わせて、NP掛け払い・atone・AFTEEの新規ビジネスを推進することで特定業界に依存しない事業ポートフォリオの最適化を図ります。
② 「NP掛け払い」の推進
当社グループは2011年4月に企業間取引向けのBNPL決済サービスである「NP掛け払い」を開始以降、EC事業者、卸売り・業務用販売商品を取り扱う事業者、大手企業からITベンチャーなど様々な業種・規模のBtoB決済での様々なニーズに応えられる決済サービスの構築に注力してきました。その結果現在の「NP掛け払い」は、加盟店それぞれの月次締め日及び支払日に対応できるソリューションを提供しています。
リコーリース株式会社、株式会社ジェーシービーを始めとしたパートナーとの強化を図ることで、更なる強固な顧客基盤の構築を推進してまいります。
③ 「atone」ブランドの推進
2017年6月にリリースした「atone」については、会員登録を要するスマートフォン決済型のBNPL決済サービスを提供することで、「NP後払い」の利用層及びEC物販等の対象市場に加えて若年層及び実店舗やデジタルコンテンツでのBNPL決済ニーズの獲得を目的にサービス展開を行っています。スマートフォンでの利用に最適化したサービスによりクレジットカードを保有しない若年層の取り込みがスムーズとなり、また会員制にすることで当社グループにて取得可能な情報を増やし、リスク管理の精度を高めることを可能にしています。本サービスについては「NP後払い」に加えて利用者及び利用シーンが拡大するため、将来的には当社のBtoC向けBNPL決済サービスの主力ブランドとなるものと考えています。
④ 海外事業展開の推進
当社グループでは今後の成長拡大を図るため、国内の決済ソリューションを海外市場にも展開することを検討しており、そのための第一歩として2018年8月付で台湾でのスマートフォンBNPL決済サービス「AFTEE」をリリースし、順調に売上を拡大しています。
⑤ 独自与信システムの深化
当社グループでは、少額決済に特化した独自の与信システムを構築してきました。過去から蓄積した膨大な取引データを活用することにより、高い与信通過率と低い未回収(貸倒れ)率を両立しています。今後も、高い与信通過率、低い未回収率を維持しつつ、自動判断を行える範囲を広げ、様々な業種業態に最適な与信を行えるよう、継続した改善を加えてまいります。
⑥ 人材の高度化
当社としてBtoC・BtoBの両事業領域で高いサービス品質を維持・向上させながら全事業成長を目指す新しいステージに進みつつある中、権限の委譲を図って事業スピードを向上させるべく、人材の高度化に注力します。具体的には組織の一体化、判断の基準となる理念・価値観の共有・深化を図り、加えて次世代リーダー育成に必要となる制度・仕組みに磨きをかけてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
① 経済環境、特にEC市場の成長鈍化リスク
当社グループの提供する決済サービスは、BtoC及びBtoBそれぞれにおける経済活動に付随するものです。従って、国内を中心とした経済活動が停滞する場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社サービスのうち特に「NP後払い」はECを対象としたサービスです。足許はEC市場の拡大により順調に成長していますが、今後EC市場の成長が鈍化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う経済環境への影響については後記「⑥ 自然災害等」をご参照ください。
② BNPL決済市場の成長鈍化リスク
当社グループの提供する決済サービスは「後払い」を強みとしたものであり、売り手である加盟店には販売代金の早期回収を、購入者には購入代金支払いタイミングの長期化を提供することで、商流の活性化を促していると認識しています。一方で決済手段には、従来の現金決済、プリペイド方式及びデビットカード等の消費者がすぐに取引プロセスを完了できる方法や、クレジットカード及びQRコード決済等の消費者が支払いを先延ばしにできる方法が存在し、BNPL決済は両方の方法での競争に直面し続けることになります。当社グループの提供するサービスは上述の通り、購入者は商品到着後、内容を確認してから代金を支払えるため、商品に係るトラブルを避けることができ、加盟店はその購入者ニーズを満たすことで新規注文及び追加注文等を期待でき売上拡大に寄与するとの観点から、購入者及び加盟店双方の利用者に付加価値のあるものであり、商品到着前に支払いを完了する必要がある他の決済サービス対比で十分競争力のあるものであると判断していますが、今後決済手段としてほかの方式が拡大することで当社対象市場が奪われるような事態になれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ BNPL決済市場における競争の激化
足許、世界的なBNPL決済サービスの拡大もあり、当社グループの提供するBNPL決済方式と類似のサービスを提供する事業者が増加しているものと認識しています。当社グループは当該市場にいち早く進出し、与信判断システムや決済オペレーションフロー等の独自の仕組みを構築することで、業界最高水準の与信通過率と最低水準の未払い率を実現しており、利便性と収益性を兼ね備えている点において、高い競争力を有していると認識しています。しかしながら今後、新規参入する他社との競争が激化し、手数料の減額や顧客離れが生ずる場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法規制強化の可能性
BNPL決済サービスの関係する法令には、「貸金業法」「資金決済法」「割賦販売法」「債権回収業に関する特別措置法」「弁護士法」「犯罪による収益の移転防止に関する法律」等がありますが、当社グループの現在のビジネスフローでは、いずれの法令における規制にも該当する事項はないことを、顧問弁護士及び(顧問弁護士を通じて)監督官庁に確認しています。しかしながら当社グループの提供するサービスは我が国では新しいとされる「フィンテック」ビジネスに該当すると考えられるため、今後これら法令の改正や法解釈の変更、あるいは新しい法令の制定により何らかの規制が加わる場合には、現行のままでのサービス提供が困難となる可能性があります。そうした場合は、オペレーションの変更やサービス内容の変更等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 「atone」事業に係るリスク
「atone」は、購入者が自身の保有するスマートフォン等で無料の会員登録をすることで、EC及び実店舗にてキャッシュレスでの売買(BNPL決済)を可能とするサービスですが、会員登録が必要である点で、「NP後払い」に比べ購入者の獲得のためのハードルが高くなります。また、デジタル商品の購入に利用可能な「atone」は、購入者が実際の住所を入力しない可能性が高くなるため、詐欺的な取引が発生する可能性が高まります。また、「atone」を利用する購入者はNP後払いに比べて若年層となる傾向があり、一般的に不払いのリスクが高まると共に、与信審査の精度が低くなる傾向があります。これらの要因により「atone」事業において予想以上の貸倒れが発生する場合や、詐欺的取引の未然防止が想定通りの結果とならない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 自然災害等
当社グループでは、自然災害及び事故等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めていますが、大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限、混乱等の不測の事態が発生した場合には、当社グループによるサービス提供の継続が困難となる可能性があり、ひいては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大に伴い、国内及び海外主要各国において、経済活動が停滞するような深刻な経済的影響が生じる事態となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)提供サービスに係るリスク
① 貸倒れ及び詐欺的取引発生リスク
当社グループの提供するBNPL決済サービスは、商行為における売り手(加盟店)に対して購入代金支払いを行い、購入者に対する債権を当社グループが買い取ることで成立しています。こうしたビジネスモデルから当社グループの提供するサービスを利用した商行為にかかる債権の貸倒れリスクを全て当社グループが負うと共に、詐欺的な取引が発生する可能性があるため、事業継続上高い個別与信判断能力が求められます。当社グループでは2002年より本ビジネスを展開し蓄積した情報を最大限活用し、全ての取引について商材の特性や購入者の情報等をベースに詐欺的取引目的でないか等を判断した上で与信判断を行い詐欺的取引の未然防止を図ると共に、未払い率をモニタリングすることにより事後的に速やかに検知の上対応できるように努めていますが、予想以上の貸倒れが発生する場合や、詐欺的取引の未然防止が想定通りの結果とならない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 加盟店獲得に係るリスク
「NP後払い」をはじめとする当社のBtoC向け取引サービスの成長は、当社の決済サービスを提供する加盟店の数を増やし、当社の決済サービスを利用した販売量を増加させることができるかどうかにかかっています。従って、加盟店獲得が想定通りの結果とならない場合や主要な加盟店との関係が悪化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社のBtoB向け取引サービスである「NP掛け払い」の成長は、債権を管理する売り手(加盟店)の数の増加に依存していますが、加盟店獲得が想定通りの結果とならない場合や主要な加盟店との関係が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外展開におけるリスク
当社グループでは現在、台湾に恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)を設立し台湾現地でのBNPL決済サービスを開始しています。現在のところオペレーションにおいて大きな問題は発生しておらず、今後の業容拡大に備えて外注先の活用も含めて対応する人員の拡充を計画していますが、用意が間に合わない場合や、用意できたとしてもオペレーション量に対して十分な育成が間に合わないような場合は、オペレーションが滞ったり、人為的なミスが発生したりすることで当社グループのレピュテーションが悪化し、ひいては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは2022年4月にベトナムに子会社法人Công ty TNHH Net Protections Vietnam(Net Protections Vietnam Co., Ltd.)を設立し、ベトナムにおける事業開始に向けて準備を進めています。
これらの海外展開先の経済情勢及び政治情勢の悪化、法律・規則、税制、外資規制等の差異及び変更、商慣習や文化の相違、自然災害や感染症の発生、為替変動等の可能性があり、これらの要因により事業の遂行及び推進が困難になる場合には、当社グループの経営戦略が変更となることに加え、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現状において台湾、ベトナム以外の具体的な展開予定国は決まっていません。
④ 郵送費、収納費等の原価上昇リスク
当社グループの提供するBNPL決済サービスでは、購入者に対する請求にあたって請求書の郵送を行ったり、購入者からの入金にあたって収納代行を利用したりするなど、債権の回収にあたって必要なサービスを利用しており、これらによって生じる原価費用があります。当社グループが購入者から債権を回収するにあたり必要とするサービスにつき、当社グループでは、当該サービスを提供する事業者と交渉を行う等原価上昇の抑制に努めていますが、当該サービス提供料が上昇する場合には、当社グループの事業において生じる原価費用が上昇し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、昨今の人手不足等を背景として、コンビニエンスストア業界が収納代行サービスに係る手数料の値上げを予定しており、当社グループの事業において生じる原価が上昇する見込みです。これに対応するため、2022年9月より「NP後払い」「NP掛け払い」サービスにおける価格改定を予定しています。この結果、当社の収益性への影響は限定的と見込んでいますが、当該価格改定によって新規加盟店獲得もしくは当社取扱高への影響が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業に係るリスク
当社グループにおける事業は主にBNPL決済サービスに焦点を当ててきましたが、これまでの各決済サービスにおける取引データの蓄積は、必ずしもBNPL決済サービスや一般的な決済サービスとは関係のない、新しいサービスを開発する機会につながり得ると考えています。現時点で追加のサービスを導入する予定はありませんが、新規のサービスは、当社グループの従来の専門分野とは異なる可能性があり、また、BNPL決済サービス市場における当社の知識や経験が、これらの新規サービスとは特に関連しない可能性があります。従って、当社グループはこれらの新規サービスが直面する可能性のある課題を予測することができない可能性があり、また、そのような課題に効率的に対処するための十分な能力を有していない可能性があります。
(3)情報システム及び情報管理に係るリスク
① システムトラブル
当社グループのBNPL決済サービスは、SaaS(Software as a Service)形式で提供しています。また、当社グループ内の与信判断システムは過去の蓄積データ等との照合において大部分がシステム化されています。当社グループでは、外部のデータセンター及びクラウドインフラにサーバーを配置し複数のサーバーを使用することによる分散化を図り、定期的にサーバーデータのバックアップを取得すると共に、現状のシステムの稼働状況について適時確認し、システムの冗長化により、不備等が発生しないよう万全の注意を払っています。障害が発生した場合に備え、社内マニュアルを整備の上、リアルタイムのシステムの稼働状況及びサーバーのログチェックを確認する体制を構築しています。しかしながら、自然災害又は事故・外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入・コンピュータウイルス・サイバー攻撃等により、通信ネットワークの切断やアプリケーションの動作不良、クラウドサーバーの利用停止など、今後何らかのシステムトラブルが発生する場合には、当社グループのレピュテーションが悪化すること(注1)に加え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)企業に対する批判的な評価や評判が広まることで、ブランド価値や企業の信用が低下し、損失を被ることをいいます。
② 情報漏洩リスク
当社グループでは、過去の取引情報や請求先情報等、様々な個人情報並びに企業情報を保有しています。当該情報については、外部からのアクセスを隔離すると共に社内アクセスについても重要情報には対象者を限定した上でアクセス制限を付す等適切なウォールを敷く等の対応により漏洩を防止しています。当社グループでは、プライバシーマークやPCI DSS(注2)といったセキュリティ基準に準拠しながらサービス提供・組織運営を行うと共に、システム部署において情報セキュリティにおける国際標準規格であるISO27001(ISMS認証)の認定も受けています。更に、情報セキュリティに係る社内規程を整備し、役職員等に対して定期的に研修を実施することで情報漏洩と不正使用を未然に防止するよう努めています。しかしながら、当社グループ及びその委託先における人為的なミスや内外からの何らかの不正な方法でこれらの顧客情報が外部に流出する場合、当社グループのレピュテーションが悪化することに加え、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注2)PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)は国際的なクレジット産業向けのデータセキュリティ基準です。
③ システム開発と陳腐化リスク
前述の通り、当社グループの決済サービスはSaaS形式での提供となっており、特にECにおいては、ユーザーインターフェースとなるカート事業者とのシステム連携が円滑になされることが重要な要素となります。当社グループではカート事業者各社のシステム改修や新サービス等によってこの連携が損なわれることのないよう、継続的に必要なシステム開発・改修を行っています。しかしながら、今後全く新しいカート事業者が導入され、当該システムに対応できない場合等技術革新に対応できない場合においては、当社グループのこれまでのシステム開発が陳腐化すると共に、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに係るリスク
① 貸倒引当金の計上方法
当社グループでは、支払期日までに支払がなされない未収入金に対して、所定の期間にわたり所定の督促業務を実施した後に、回収不能であった未収入金について貸倒損失又は債権売却損を計上しています。貸倒損失又は債権売却損の計上前の未収入金の残高に対して過去の回収実績を勘案した貸倒引当率を乗じることで貸倒引当金を計上しています。具体的には、貸倒引当率は過去における月別での経過年月別未収入金に対する平均貸倒実績率を計算することで算出し、これを期末の経過月別の未収入金残高に乗ずることで貸倒引当金を算定しています。
当社グループでは、これまでの利用実績データを用いた詐欺等の貸倒懸念先の排除や、貸倒実績のある顧客の利用禁止、支払遅延先への外部業者も活用した回収促進によって、貸倒の発生の低減に努めています。しかしながら会計処理としては、期末時点での直近の貸倒実績を踏まえた引当金を計上するため、新規サービス・顧客の増加により一時的に貸倒実績が増加する場合等において、結果的に過年度の実績や当社の想定以上に貸倒引当金額を計上する可能性があります。そのような場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② のれんの減損リスク
当社グループは、のれんや無形資産を含む資産を連結財政状態計算書に計上していますが、急激な景況の悪化や事業環境、競合状況の変化、法規制の変更、当社の事業戦略の変更等により、当社グループの経営計画が悪化した場合に、減損を認識することにより経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループののれんは、2016年7月に株式会社AP53(現株式会社ネットプロテクションズ)が実施した株式会社ネットプロテクションズの株式取得により発生しています。
当社グループにおいては、のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めており、与信システムの深化等継続的なサービスの品質の向上、営業体制及びアライアンスの強化を通じ、取扱高及び営業収益の拡大に取り組んでまいります。
③ 借入金、金利の変動及び財務制限条項
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し借入を行っています。当該借入金の支払利息の大部分は変動金利となっているため、市場金利が上昇する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが締結している借入契約の中には、財務制限条項が付されているものがあります。かかる財務制限条項については、純資産維持等の具体的な数値基準が設けられており、これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となる可能性があります。
④ 配当について
当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけています。現時点では、当社グループは成長力を維持するために、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えています。足許では、当面の間は内部留保の充実を図る方針です。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。
(5)その他
① 株主の状況
当社グループは、アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドから、純投資を目的とした出資を受けており、当連結会計年度末現在、投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズⅤ号、AP Cayman Partners Ⅲ-Ⅰ, L.P.、AP Cayman Partners Ⅲ, L.P.、Japan Fund Ⅴ,L.P.、アドバンテッジパートナーズ投資組合67号が合計で当社株式を22,157,000株(発行済株式総数対比22.97%)を保有しています。また、当社社外取締役かつ監査等委員である市川雄介は、アドバンテッジパートナーズより派遣されています。アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドは当社株式の上場時において、所有する当社株式の大半を売却しましたが、上場後においても一定の当社株式を保有しています。当社ではアドバンテッジパートナーズより、当該株式の将来的な処分時期や方法については未定であるものの、市場価格への影響を極力抑えた形で対応する旨聴取していますが、今後の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの経営その他の事項に関するアドバンテッジパートナーズの利益は、ほかの株主の利益とは異なる可能性があります。
② 当社グループ組織特性に合致した従業員の採用・成長が果たせないリスク
当社グループのBNPL決済サービスの開発や推進のためには、特定の専門知識を有する熟練した従業員を雇用し、雇用を維持する必要があり、また、当社グループの経営は経験豊富な経営陣に支えられています。これらの人材が確保できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、従業員一人一人が個人の特性や希望に合わせた自己実現を仕事を通じて果たしていくことこそが、各人の業務へのモチベーション、ひいては当社グループとしての経営成績の最大化を図る上で最適であると判断しており、「ティール組織」を採用しています。本組織では、従業員それぞれが将来の経営幹部候補として、リーダーシップと責任を持って自発的な業務遂行を行っている一方で、必要に応じて組織の枠を超えた協力体制を取ることも可能となっており、「自立・分散・協調を実現」する組織運営が可能と考えています。
しかしながら、当該組織運営の継続的な遂行のためには、現在の社風に合致した人材を厳選して採用し、教育していくことが不可欠です。こうした背景から、業容の拡大に伴い必要な人材を十分確保できないリスクがあり、その場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 企業買収及び事業提携リスク
当社グループは、事業の拡大・成長に向けた手段のひとつとして、企業買収や事業提携を実施することがありますが、企業買収及び事業提携の適切な機会を見出せない場合や対象先との間で企業買収等に係る条件に合意できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、企業買収及び事業提携においては、対象先の経営状況、事業内容、財務内容、法令遵守や契約関係等について詳細な事前調査を行い、リスクを吟味した上で決定してまいりますが、事前調査にて検出されなかった問題が生じた場合や買収後の統合作業において当初見積もっていた以上の経営資源の集中や期間を要する必要性が生じた場合、買収時点では予期していなかった事業環境の変化や買収時ののれん等の減損処理を行う必要が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 内部統制に係るリスク
当社グループは、財務報告の適正性と信頼性を確保するための内部統制システムを構築していますが、様々な要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 中期経営計画
当社グループは2021年6月に中期経営計画を策定しており、BNPL決済サービス総合プラットフォーマーとして個人及び企業から取得・蓄積してきたユニークなデータを有機的に活用することで、市場のBNPL決済ニーズを満たすことで更なる成長を目指し、その結果取得・蓄積する膨大な決済関連データを有機的に活用することで金融サービス、販売促進、広告等の決済領域に近接するバリューチェーン上の事業者との更なる連携を推進し、インフラとしての地位強化・事業領域の拡大を目指すことを掲げています。
しかしながら、中期経営計画を策定するための各種の前提(EC市場の成長予測、既存加盟店の平均成長率、郵送費・収納費等の原価等)が変化した際に、当社グループがかかる変化に対応した成長戦略又は事業運営を立案又は実行することができない場合には、中期経営計画を達成できない可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社が属するECの国内市場規模は、経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)(2021年7月公表)」によりますと、BtoC市場が2020年で19.3兆円(前年比0.4%減)、BtoB市場が334.9兆円(前年比5.1%減)、CtoC市場が1.9兆円(前年比12.5%増)となっています。このような状況の下、当社はプラットフォーム型ビジネスの展開を事業コンセプトに据え、決済ソリューション事業として、BtoC取引向けサービスの「NP後払い」、「atone」及び「AFTEE」、並びにBtoB取引向けサービスの「NP掛け払い」のサービス構築及び普及に力を注いでまいりました。
営業活動におきましては、新規加盟店の獲得を目的に、大手EC事業者及び他決済プラットフォーマーとのサービス連携を積極的に推進してまいりました。また、BNPL(Buy Now Pay Later)以外の決済・他金融、リテール等の分野で国内トップクラスのネットワークを有するパートナーとのアライアンスを戦略の主軸に据え、提携の拡大に取り組んでまいりました。ディープラーニングを活用した即時に与信判断が可能な与信システムを開発したことで、新規案件の獲得は順調に進んでいます。
当社グループでは、経営上の重要指標として、年間取扱高(GMV:当社グループ決済サービスの流通取引総額)を掲げており、過去2年間におけるサービス別の年間取扱高の推移は以下の通りです。
(サービス別年間取扱高)
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サービスの名称 |
第3期連結会計年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) |
第4期連結会計年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
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BtoC取引向け サービス |
取扱高(百万円) |
362,871 |
374,606 |
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前年同期比(%) |
120.0 |
103.2 |
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BtoB取引向け サービス |
取扱高(百万円) |
75,281 |
97,982 |
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前年同期比(%) |
127.1 |
130.2 |
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当社グループ 全体 |
取扱高(百万円) |
438,152 |
472,589 |
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前年同期比(%) |
121.1 |
107.9 |
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当社グループの加盟店数は数万社にわたるため、特定加盟店への依存度が低い一方で、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっています。
BtoC取引向けサービスにつきましては、当社加盟店が主に属する美容・健康・衣料関連業界において、前期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたEC消費の大幅増加がございましたが、当期においてはその反動により一時的な消費の鈍化が生じました。加えて当期下半期において、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の一部改正に伴い美容・健康関連業界の加盟店が新規広告出稿を急速に抑制したため、当社取扱高の成長が一時的に鈍化しました。
BtoB取引向けサービスにつきましては、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の影響を受けた業界の加盟店の取引は一時的に停滞したものの、成長著しいIT・ベンチャー企業等での取引が順調に拡大しました。
上記の結果、当期における当社グループ全体の年間取扱高は472,589百万円(前期比7.9%増、34,436百万円増)となりました。
かかる状況下において、当社グループでは与信・督促業務の改善及び効率化に努め、各種取引費用及び貸倒関連費用の抑制に取り組んだ結果、当期における売上総利益(non-GAAP指標)は7,469百万円(前期比10.6%増、716百万円増)となりました。また、当社株式の東京証券取引所への新規上場を好機とし、広告宣伝及びその実行に必要となる人材採用・業務委託等の先行投資を本格化しました。新規上場に伴う上場準備費用として当期に272百万円を計上しています。更に、金利負担及び財務制限条項の緩和軽減を目的として、借入金のリファイナンスを当期末に完了しています。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は18,665百万円(前期比3.1%増、559百万円増)、営業利益は897百万円(前期比34.7%減、477百万円減)、税引前利益は630百万円(前期比27.8%減、243百万円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は235百万円(前期比59.1%減、339百万円減)の増収減益となりました。
EBITDA(non-GAAP指標)は2,246百万円(前期比12.4%減、316百万円減)となりました。EBITDAに上場準備費用及びマーケティング関連費用を足し戻した調整後EBITDA(non-GAAP指標)は3,000百万円(前年同期比8.3%増、230百万円増)となりました。
当社は投資家にとって当社グループの業績を評価するために有効であると考える指標として、当社が適用する会計基準であるIFRSにおいて規定されていないnon-GAAP指標を追加的に開示しています。
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non-GAAP指標 |
指標の内容 |
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GMV |
当社グループ決済サービスの流通取引総額 |
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売上総利益 |
売上収益より、営業費用のうち貸倒関連費用及び請求にかかる費用(印刷代、収納代行費用、郵便料金)等を減じた額 |
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EBITDA |
営業利益+減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損+減損損失-減損損失戻入益 |
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調整後EBITDA |
EBITDA+上場準備費用+マーケティング費用※ |
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※マーケティング費用 |
販売促進費(代理店手数料を除く)+広告宣伝費 |
なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
② 財政状態の状況
a.資産
当連結会計年度末における資産合計は、53,037百万円(前連結会計年度比8,117百万円増加)となりました。
流動資産は34,631百万円(同6,894百万円増加)となりました。これは主に、当期の財務活動に伴い現金及び現金同等物が3,814百万円増加したこと、また取扱高の増加等に伴い営業債権及びその他の債権が2,861百万円増加したことなどによるものです。
非流動資産は18,405百万円(同1,222百万円増加)となりました。これは主に、貸倒引当金の増加等に伴い繰延税金資産が648百万円増加したこと、また本社オフィス等に関する賃貸借契約の更新に伴い使用権資産が増加したことにより有形固定資産が578百万円増加したことなどによるものです。
b.負債
当連結会計年度末における負債合計は、34,394百万円(前連結会計年度比15百万円減少)となりました。
流動負債は29,039百万円(同996百万円増加)となりました。これは主に、取扱高の増加等に伴い営業債務及びその他の債務が2,971百万円増加した一方で、負債性金融商品の償還等によりその他の金融負債が2,070百万円減少したこと、またタームローンの返済により短期借入金が500百万円減少したことなどによるものです。
非流動負債は5,354百万円(同1,012百万円減少)となりました。これは主に、リファイナンスの実施により長期借入金が1,310百万円減少したことなどによるものです。
c.資本
当連結会計年度末における資本の残高は、18,642百万円(前連結会計年度比8,132百万円増加)となりました。これは主に、第三者割当増資の実施等に伴い、資本金が3,995百万円増加、資本剰余金が3,867百万円増加し、また当期利益の計上により利益剰余金が235百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,814百万円増加の12,119百万円となりました
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は951百万円(前連結会計年度比5,397百万円減少)となりました。
これは主に、営業債務及びその他の債務の増加額2,971百万円(前年同期比1,798百万円減少)が前連結会計年度と比較して低水準に留まった一方で、資金の減少要因となる営業債権及びその他の債権の増加額2,861百万円(前年同期比2,038百万円増加)及び法人所得税の支払額890百万円(前年同期比888百万円増加)については前連結会計年度と比較して増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は767百万円(前連結会計年度比126百万円減少)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出799百万円(前年同期比105百万円増加)及び差入保証金の回収による収入52百万円(前年同期比49百万円増加)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は3,625百万円(前連結会計年度比5,519百万円増加)となりました。
主な増加要因としては、株式の発行等による収入7,854百万円(前年同期比1,953百万円増加)及びリファイナンスに伴う長期借入金による収入5,000百万円(前年同期比1,855百万円減少)によるものです。主な減少要因としては、リファイナンスによる長期借入金の返済による支出6,855百万円(前年同期比1,000百万円減少)、負債性金融商品等の取得による支出1,994百万円(前年同期比299百万円増加)、リース負債の返済による支出379百万円(前年同期比11百万円増加)等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は以下の通りです。なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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決済ソリューション事業 |
18,224 |
103.7 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要な会計方針及び注記4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。
(貸倒引当金)
当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上していますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っています。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
第4期連結会計年度における財政状態とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しています。
(経営成績)
第4期連結会計年度における経営成績とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しています。
(キャッシュ・フロー)
第4期連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(資本の財源及び資金の流動性)
a.資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。
b.財務政策
主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載します。
a.年間取扱高
第4期連結会計年度末におけるBtoC取引向けサービスの年間取扱高は374,606百万円(前期比3.2%増)、BtoB取引向けサービスの年間取扱高は97,982百万円(前期比30.2%増)となりました。主な増加要因は、BNPL以外の決済・他金融、リテール等の分野で国内トップクラスのネットワークを有するパートナーとのアライアンス戦略を主軸に据え、大手EC事業者及び他決済プラットフォーマーとサービス連携を行うことに加え、ディープラーニングを活用した即時に与信判断が可能な即時与信システムを開発することでコンペにおける新規案件獲得増加に寄与したことによるものです。今後は再構築した営業体制の強化及びアライアンス先等の外部資産の活用、マーケティング投資の実行等を引き続き行うことにより、更に取扱高を拡大してまいります。
b.未払い率
NP後払いサービスに係る未払い率(18か月を超えて未払いとなった取引額の割合(貸倒処理前のものを含む))は0.52%(前期は0.65%)となりました。主な減少要因は、与信・督促業務の改善によるものです。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、更なる低減を図ってまいります。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出されたEBITDA、調整後EBITDAを重要な経営指標として位置づけており、各指標の過去2期間における推移及び今後の見通しは以下の通りです。
(単位:百万円)
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決算期 |
第3期連結会計年度 |
第4期連結会計年度 |
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(自2020年4月1日 至2021年3月31日) |
(自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
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営業収益 |
18,106 |
18,665 |
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営業利益 |
1,374 |
897 |
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+減価償却費・償却費 |
1,242 |
1,315 |
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+株式報酬費用 |
13 |
8 |
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+固定資産除却損 |
26 |
25 |
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-減損損失戻入益 |
△93 |
- |
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EBITDA |
2,563 |
2,246 |
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(調整額) |
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+上場準備費用(注4) |
15 |
272 |
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+マーケティング費用(注5) |
190 |
481 |
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調整額小計 |
205 |
753 |
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調整後EBITDA |
2,769 |
3,000 |
|
対営業収益比率 |
15.3% |
16.1% |
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損-減損損失戻入益
2.調整後EBITDA=EBITDA+上場準備費用(注4)+マーケティング費用(注5)
3.EBITDA、調整後EBITDAはIFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当該財務指標は、上場後には発生しないと見込まれる費用や非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しています。分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるEBITDA、調整後EBITDAは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
4.上場準備アドバイザリー費用、上場のためのIFRS導入・適時開示体制構築に関する費用、上場準備に関する弁護士報酬等の上場関連の一時的な費用です。
5.マーケティング費用=販売促進費(代理店手数料を除く)+広告宣伝費
当社グループでは、2022年3月期以降、新規加盟店の獲得を主な目的とした大規模なマーケティング施策を段階的に実施していく計画を有しています。当該マーケティング施策については、2022年3月期以降に見込む費用規模が2021年3月期以前の実績値と比較しても大きく、また当該施策が営業収益の獲得に結びつくまでに一定の期間を要する先行投資の要素を持つ施策であると当社グループでは認識しています。そのため、当該施策の影響を除外した評価指標を提供することを目的に、調整後EBITDAの調整項目にマーケティング費用を含めています。
(株式会社三井住友銀行等との借入契約)
当社の連結子会社である株式会社ネットプロテクションズと、株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社りそな銀行は、2022年3月28日付で、株式会社三井住友銀行をアレンジャー兼エージェントとして、シンジケーション方式によるタームローン及びコミットメントラインに関する「シンジケートローン契約書」を締結しています。
① 契約の相手先
株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社りそな銀行
② 貸付極度額及び借入金額(2022年3月31日現在)
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タームローン |
コミットメントライン |
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組成金額 |
5,000百万円 |
7,000百万円(貸付極度額) |
③ 返済期限
(ア)タームローン元本弁済
2026年9月30日
(イ)コミットメントライン満期日
2026年9月30日
④ 当社の主な義務
(ア)純資産維持
各決算期末における当社グループの連結ベースでの資本の部の合計金額を、2022年3月期末日における当社グループの連結ベースでの資本合計の金額の75%以上に維持すること
(イ)調整後EBITDA維持
各決算期末における当社グループの連結ベースでの調整後EBITDAを2回連続で負の値にしないこと
該当事項はありません。