第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、経営理念を「愛」とし、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を存在意義として事業展開しております。当社グループはこの考えに基づき、「世界の赤ちゃんとご家族に最も信頼される育児用品メーカー(Global Number One)」を中長期的な「ビジョン(到達したい姿)」としております。

 当社グループでは、これら「存在意義(Purpose)」及び「ビジョン(Vision)」、さらに業務上で社員個々が大切にする3つの「基本となる価値観(Values)」、すべての行動のベースでありガイドとなる5つの「行動原則(Action Principles)」から構成される『Pigeon Way』を制定しております。

 

(2)経営環境

 当連結会計年度では、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続し、外出自粛による消費の低迷や、一部市場ではロックダウンによる営業活動の縮小を余儀なくされる等の厳しい状況となりましたが、「総合育児用品ブランド」としての強みと高いブランド力を活かし、グループ事業の拡大と経営品質の向上を目指しております。

 

①日本事業

 新型コロナウイルス感染症拡大による訪日外国人の消滅により、インバウンド需要が大きく、かつ利益率が高い商品である哺乳びん等の売上が大きな影響を受けております。また国内需要においては、前年見られた衛生管理用消耗品特需の一巡や、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う影響等を受け、厳しい状況となっております。

 その一方で、哺乳びんを含む基幹商品の市場シェア(当社調べ)は拡大しております。

 

②中国事業

 中国経済は、全体としては新型コロナウイルス感染症の影響から早期に回復しておりますが、前年の特需状況が落ち着いたことや、E-コマースでの市場競争の激化、また一部実店舗ルートではコロナ禍の影響が継続した事もあり、経営環境は厳しさを増しております。

 

③シンガポール事業

 当社グループが事業を展開するASEAN地域及びインドでは、断続的にロックダウンが実施され、経済の停滞や営業活動の自粛など、依然としてコロナ禍による影響を受けております。当事業の展開国・地域における育児および女性向け用品市場では、オフライン(実店舗)での販売を主とする市場も多いため、他の事業と比較しますと、外出規制や小売店の店舗休業・閉店といった経営環境の変化が経営成績に与える影響は大きいと言わざるを得ません。

 

④ランシノ事業

 主要な市場である北米は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、主力商品である乳首クリーム等のE-コマースチャネルにおける販売が堅調に推移している状況です。その一方で、消耗品類の小売価格引き下げによる競争激化や、コロナ禍による物流の混乱および輸送コスト高騰等が経営環境の課題となっております。

 

(3)経営戦略等

 当社グループは、「第7次中期経営計画(2020年12月期~2022年12月期)」において、以下の3つのテーマを掲げ、グループの事業拡大と経営品質向上を目指してまいります。

① Pigeon Wayをベースとしたブランド戦略と事業戦略の一体化を推進することで、経済価値の最大化と同時に、育児に関する社会課題の解決に向けた取組みを強化し、「商品を買ってもらう」から、「ビジネスに共感し、選んでもらう」ブランドへの進化を目指す。

② グローバルで自社の優位性を活かせる基幹商品カテゴリでの成長を加速させ、競合他社との一層の差別化を図り、強固な収益基盤を構築する。

③ 4事業体制及び各事業への権限移譲を推進し、現場での意思決定を迅速化することで、各地域の市場特性に合わせた「開発・生産・販売」サイクルを構築し、スピード感を持った事業運営を行う。

 

なお、各事業戦略の概要は、下記のとおりであります。

また、売上高目標については、新収益認識基準を考慮後の数値となっております。

「日本事業」

売上高目標 38,900百万円(2022年12月期)

・ベビーカー市場でトップシェア奪取

・スキンケアカテゴリ強化のための投資

「中国事業」

売上高目標 41,000百万円(2022年12月期)

・「こだわり」のモノづくりで高価格化

・Ssenseでの新ビジネスモデル構築

・最新トレンドを掴むための「深圳Creative Studio」創設

「シンガポール事業」

売上高目標 12,400百万円(2022年12月期)

・インドネシア工場拡大による生産能力の増加と取扱品目の拡大

・新興市場での現地調達品の拡充(インド・インドネシア)

「ランシノ事業」

売上高目標 14,600百万円(2022年12月期)

・"Breastfeeding"から"Maternal health"へブランド拡張

・さく乳器リーダーとしての地位確立(病産院向け商品、臨床研究の拡充)

 

(目標とする経営指標)

 当社グループは、2020年12月期を初年度とする第7次中期経営計画に沿った取組みを着実に実行していくことで、最終年度である2022年12月期の到達目標水準、売上高987億円、営業利益142億円、親会社株主に帰属する当期純利益95億円としております(※)。また収益性、資本効率の一層の改善を図るために、PVA(Pigeon Value Added)・ROICなどを経営指標として重視し、さらなる向上を目指してまいります。

 ※なお、2020年2月13日に発表いたしました「第7次中期経営計画(2020年12月期~2022年12月期)」につきましては、2020年12月期の業績及び新型コロナウイルス感染症動向を踏まえ、2021年2月10日に定量目標の修正を行っております。

 また、2022年2月15日に発表いたしました当社グループの2022年12月期業績予想につきましては、当連結会計年度の業績を踏まえ、上記の数値としています。

 また、各目標値については、新収益認識基準を考慮後の数値となっております。

 

(4)対処すべき課題

 当社グループの経営環境は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に加え、中国における成長鈍化への懸念や日本国内でのインバウンド需要低迷や少子化、また欧米を中心とした世界経済の動向等不透明な状況が続くものと予想されますが、中国でのE-コマース拡大を主とした消費動向は依然として堅調であり、またアジア各国やその他新興国の経済成長が一時的に鈍化する中でも、E-コマースの浸透・発達等による成長は十分期待できるものと考えております。

 そのような状況の中、当期を初年度とする「第7次中期経営計画(2020年12月期~2022年12月期)」において新たに掲げた3つのテーマおよび各事業戦略に基づく諸施策を確実に実行してまいります。「日本事業」におきましては、既存カテゴリの市場シェア向上および新規商品カテゴリの育成、また、引き続き成長分野として位置付けております海外市場に関しましては、「中国事業本部」、「シンガポール事業本部」および「ランシノ事業本部」の3つの事業本部体制を一層推進し、各事業運営上の迅速な意思決定を促すとともに、海外既存市場での事業拡大、深耕に加えて、新規市場への積極的参入や各市場に合わせた商品ラインアップの拡充を図ることで、業績のさらなる拡大を目指してまいります。

 加えて、さらなる企業価値向上のため、当社グループ全体を統括するグローバルヘッドオフィス(GHO)の機能をさらに強化してまいります。これにより、地域別に事業の運営と成長を担う4つの事業部門(日本事業、中国事業、シンガポール事業およびランシノ事業)の役割と責任を明確にし、グローバルヘッドオフィスと連携することで、永続的な成長の実現を図ってまいります。

 なお、当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。

 また、当社では、Pigeon ESG/SDGs基本方針を設定し、環境(E)や社会(S)、ガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求するとともに、製品やサービスの提供による新たな価値の創造により、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献すべく事業活動を展開してまいります。当社の事業活動を通してステークホルダーの皆さまとの信頼関係の構築に努め、企業価値を向上させることで、持続可能な社会の発展に貢献していくことを目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)出生数の減少

 当社グループの主力事業である育児用品の製造及び販売事業は、国内及び海外での出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。

 

(2)経済動向・社会・制度等の変化に関するリスク

 現在、当社グループは日本をはじめ、タイ、中国、トルコ、インドネシア、インドで商品を製造し、さらに日本、アジア、オセアニア、中近東、北米、ヨーロッパを中心に国内外で事業を展開しております。日本事業・中国事業・シンガポール事業・ランシノ事業が持つリスクとしては以下のものが考えられます。当社グループも各事業におけるリスクに対しては可能な限りのリスクヘッジを講じてはおりますが、予期できない様々な要因によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・当社グループにとって影響を及ぼす法律の改正、規制の強化

・テロ・戦争の勃発、既知および未知の感染症・伝染病の流行による社会的・経済的混乱

・地震等の自然災害の発生

・予測を超える為替の変動

 

(3)天候・自然災害

 当社グループの主力商品である育児および女性向け用品、介護用品は天候からの影響は比較的軽微と考えられますが、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故の影響で、製造、物流設備等が損害を被り、資産の喪失、商品の滞留等による損失計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 とりわけ、気候変動は世界共通の取り組むべき課題と認識し、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、枠組みに則った情報開示をしています。

 

(4)原材料価格の変動

 当社グループの使用する主要な原材料には、原油価格やパルプ価格等の市場状況により変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰することにより、製造コストが高騰し、また、市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製造委託先での事故

 当社グループの主力商品である育児および女性向け用品、介護用品の一部は外部に製造委託を行っております。品質には万全を期しておりますが、事前の予想を越えた品質事故が起った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)子育て支援に関するリスク

 当社グループは、働きながら子育てをするご両親のため、保育、託児、幼児教育事業を展開し、多くの乳児、幼児をお預かりしております。そのため、安全には万全の配慮をしておりますが、乳児、幼児は予期しないケガをする可能性を秘めております。これまで当社グループの事業運営に影響を与えるような事故や補償問題は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)製造物責任に関するリスク

 生活者向け商品のメーカーとして、商品の品質や安全性、商品の原料に関する評価は非常に重要であります。当社グループは商品の設計段階から量産に至るまで、品質、安全性の確保に万全を期しておりますが、商品に欠陥が発生した場合、もしくは予期せぬ事故が発生した場合には、商品回収等に伴う損失の計上や、顧客の流出による売上の減少など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)訴訟に関するリスク

 当社グループは、会社設立以来、多額の補償金問題など大きなクレーム又は訴訟等を提起されたことはございません。しかし、国内海外を問わず事業を遂行していくうえでは、訴訟提起されるリスクは常に内包しております。

 万一当社グループが提訴された場合、また、その結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)情報システムのリスク

 当社グループは、販売促進キャンペーンや赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン等多数のお客様の個人情報を保有しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含めて情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超えた出来事により、情報システムの崩壊、

停止又は一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)個人情報漏洩のリスク

 当社グループは、生活者向け商品とサービスの提供を行っており、多くの個人情報を保有しております。日頃より全社員には個人情報保護の重要性の認識を徹底させ、社内教育の義務付け、顧客情報の管理の強化に努めておりますが、何らかの原因にて個人情報が外部に漏洩する可能性があります。個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)信用リスク

 当社グループは、国内外の取引先と商取引を展開しており、取引先の経営破綻又は信用状況の悪化により当社グループが保有する債権が回収不能になるリスクがあります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、多少の持ち直しの動きもみられました。日本を含む世界経済においても、社会経済活動の正常化が徐々に進行している一方、断続的な感染再拡大及び都市封鎖等が発生しており、未だ感染症終息の目途が立たない中、経済の先行きについても当面の間は不透明な状況が続くことが見込まれます。

 このような状況の中、当社グループは、2020年2月に策定した「第7次中期経営計画(2020年12月期~2022年12月期)」において3つの基本戦略(ブランド戦略、基幹商品戦略、地域戦略)を掲げており、その2年目としてこれらの基本戦略を軸とし、事業の成長はもちろん、私たちの存在意義である「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を実現させるため、各施策の実行に取り組んでまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ45億70百万円増加し、980億42百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億85百万円増加し、212億32百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ41億84百万円増加し、768億10百万円となりました。

b.経営成績

 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。

 当連結会計年度の業績は、売上高は930億80百万円(前期比6.3%減)となりました。利益面におきましては、売上減少の一方、新商品投入に伴う積極的な販売促進費・広告宣伝費等の使用や、将来に向けた商品力強化を目指した研究開発費の拡充等もあり、営業利益は133億36百万円(同12.9%減)、経常利益は146億48百万円(同9.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は87億85百万円(同17.5%減)となりました。

 なお、当連結会計年度の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。

・米ドル:109.85円(106.77円)

・中国元:17.03円(15.47円)

注:( )内は前年同期の為替換算レート

 当社グループの報告セグメントは2020年12月期より「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」、及び「ランシノ事業」の計4セグメントとしております。

 各セグメントにおける概況は以下のとおりです。

 なお、以下の前年同期比較については、収益認識に関する会計基準等を当連結会計年度の期首から適用している関係で、「日本事業」及び「中国事業」セグメントにつきましては、基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第5(経理の状況)(注記事項)(セグメント情報等)」をご参照下さい。

 

「日本事業」

 当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業の全体の売上高は収益認識に関する会計基準等を適用した事もあり382億64百万円(前期比14.9%減)、セグメント利益は売上高の減少に伴う総利益の減少等により、20億65百万円(前期比31.3%減)となりました。

 育児及び女性向け用品につきましては、訪問外国人によるインバウンド需要消滅に加え、洗浄消毒関連商品やウェットティッシュ等のコロナ禍関連特需の一巡、全国的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、売上高が前年同期を下回っております。一方、当社が注力しているさく乳器に関しては、引き続き好調に推移しております。なお、7月におうち時間をもっと家族の幸せな時間にし、家族の幸せの輪をはぐくむバウンサー「Wuggy(ウギー)」、9月には企業限定の大人気ベビーカーシリーズ「BASIS(ベイシス)」の第5弾として「BASISポルカドットデニム」をそれぞれ新発売し、ご好評いただいております。続いて、12月には家庭それぞれで異なる育児や家事のやり方を、動画や画像・テキストでパートナーに共有し、新たに始まった育児生活を支援する育児・家事共有サポートアプリ「我が家のトリセツ」の提供を開始するなど、商品・サービス両面の拡充に取り組みました。

 また、ダイレクト・コミュニケーションの一環として、当連結会計年度において、取引先様とのセミナー共同開催や当社商品の特徴をわかりやすくお伝えするSNSライブ配信を行い、合計で5,000名以上の方にご視聴いただいた他、妊娠中のママを対象としたおっぱいカレッジには1,300名を超える方にオンラインでご参加いただきました。

 

withコロナ時代のママやパパの不安を和らげるため、WEBやSNSを通じたサポートコンテンツの充実にも継続して取り組んでおり、妊娠・出産・育児シーンの女性を応援するサイト「ピジョンインフォ」の内容におきましても、お客様に寄り添った一層の改善を進めてまいります。

 ヘルスケア・介護用品につきましては、前年の衛生管理商品の特需が一巡したことや、取扱商品の見直し実施等により売上高は減少しております。一方、当社の口腔ケアシリーズを「クリンスマイルシリーズ」へ一新し、2月に販売を開始した他、8月には風味や見た目が損なわれず、本来の食事を楽しめるとろみ調整食品「液体とろみかかるだけ」を新発売するなど、積極的な商品投入を行っております。今後もさらなる小売店及び介護施設等への営業活動強化、介護サービスの品質向上など施策実行を徹底してまいります。

 子育て支援につきましては、当連結会計年度において事業所内保育施設等64箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら事業を展開してまいります。

 

「中国事業」

 当事業の売上高は収益認識に関する会計基準等を適用した事もあり372億39百万円(前期比1.3%減)、セグメント利益は117億92百万円(前期比6.4%減)となりました。

 中国本土では前年の高需要が一服したことや、実店舗では新型コロナウイルス感染症影響が残ったこともあり、現地通貨ベースの売上高は前年同期を下回りました。なお、9月には、60年以上にわたる哺乳研究から生まれた日本・中国で市場シェア第1位(当社調べ)の哺乳器「自然実感」(日本における商品名:母乳実感®)シリーズをリニューアルし、中国市場から先行発売を開始しております。スキンケア商品においては、温泉の成分に着目したシリーズの新発売や、既存商品のリニューアル実施などにより、順調に売上を伸ばしています。

 利益面におきましては、商品販売構成の変化に加え、ブランド力強化の取り組み、また拡大が急加速しているE-コマースでの販売強化及び実店舗における販売底上げ等の積極的な活動と費用投下もあり、前年同期を下回る結果となりました。

 SNSやライブ配信等を活用した直接的な消費者とのコミュニケーションの活性化及びコロナ禍での育児情報支援、実店舗での店頭販売促進や新商品の配荷促進、病産院活動等の強化も引き続き実施し、お客様との接点を増やし、事業拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

 

「シンガポール事業」

 当事業の売上高は126億19百万円(前期比3.6%増)、セグメント利益は18億11百万円(前期比10.0%増)となりました。

 当事業が管轄するASEAN地域及びインドでは、各地で緊急事態宣言の発出や都市封鎖によって営業活動が制限されるなど、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく残った他、中東・東南アジア向けの輸出販売鈍化等もあり、厳しい状況となっております。商品においては、注力しているスキンケアカテゴリにおいて、8月に成分の90%以上が植物由来であり、加えて容器の一部には再生原料を使用することで地球環境にも配慮した「ボタニカルスキンケアシリーズ」を新発売しております。今後も、上位中間層向け商品の開発・投入を推進するとともに、当社ブランドの市場浸透を目指して積極的な営業・マーケティング活動を展開してまいります。

 

「ランシノ事業」

 当事業の売上高は133億20百万円(前期比6.8%増)、セグメント利益は9億53百万円(前期比30.4%減)となりました。

 北米、欧州では新型コロナウイルス感染症が拡大する中、主にE-コマースチャネルにおける販売が堅調に推移しており、売上高は前年同期を上回りました。特に北米においては、物流の混乱による商品入荷及び出荷遅延傾向が継続しているものの、乳首ケアクリームや新商品カテゴリである産前・産後ケア商品の売上が堅調に推移しております。

 利益面につきましても、海上輸送費をはじめとした物流費高騰が続いている他、新商品発売に向けた研究開発費など積極的な販売管理費の使用もあり、前年同期を下回っております。今後は、北米に加えて、欧州や中国等での一層の事業拡大に向け、商品ラインアップの拡充やE-コマースの強化、マーケティング活動、ブランド強化等の取り組みを進めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18億32百万円減少し、352億18百万円となりました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、108億93百万円(前年同期は184億円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益135億31百万円、減価償却費39億97百万円、売上債権の減少額4億69百万円の増加要因に対し、

仕入債務の減少額15億11百万円、たな卸資産の増加額4億66百万円、法人税等の支払額55億65百万円等の減少要因によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、55億93百万円(前年同期は38億15百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出56億59百万円に、無形固定資産の取得による支出2億34百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、86億93百万円(前年同期は92億31百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額87億41百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 前年同期比(%)

日本事業(百万円)

9,473

90.2

中国事業(百万円)

12,839

112.3

シンガポール事業(百万円)

6,655

105.2

ランシノ事業(百万円)

1,332

107.3

合計(百万円)

30,301

102.7

(注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(受注実績)

 当社グループは、主として見込みにより生産及び商品仕入を行っており、一部受注による商品仕入れを行っておりますが、受注額は僅少であります。

(販売実績)

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 前年同期比(%)

日本事業(百万円)

38,264

85.1

中国事業(百万円)

37,239

98.7

シンガポール事業(百万円)

12,619

103.6

ランシノ事業(百万円)

13,320

106.8

内部売上高消去(百万円)

△8,363

104.7

合計(百万円)

93,080

93.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ピップ株式会社

17,405

17.5

16,528

17.8

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は下記のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

1)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ45億70百万円増加し、980億42百万円となりました。

 流動資産は10億23百万円増加し662億54百万円、固定資産は35億47百万円増加し317億88百万円となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が19億44百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が11億67百万円、商品及び製品が4億66百万円、原材料及び貯蔵品5億90百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 固定資産の増加の主な要因は、無形固定資産のソフトウエアが2億82百万円減少したものの、有形固定資産の建物及び構築物が19億13百万円、工具、器具及び備品が5億65百万円、土地が12億62百万円それぞれ増加したことによるものです。

(負債)

 当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べ3億85百万円増加し、212億32百万円となりました。

 流動負債は5億92百万円減少し150億72百万円、固定負債は9億78百万円増加し61億59百万円となりました。

 流動負債の減少の主な要因は、未払費用が3億60百万円増加、その他が10億67百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が6億70百万円、未払金が4億74百万円、未払法人税等が7億25百万円それぞれ減少したことによるものです。

 固定負債の増加の主な要因は、繰延税金負債が1億78百万円、その他が6億54百万円増加したことによるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、768億10百万円となり、前連結会計年度末と比べ41億84百万円増加となりました。

 その主な要因は、利益剰余金が43百万円、為替換算調整勘定が39億35百万円増加したことによるものです。

2)経営成績

(売上高及び売上原価)

 当連結会計年度における売上高は、930億80百万円となりました。

 セグメント毎に分析しますと、当社グループの主力セグメントである日本事業は、新型コロナウイルス感染症再拡大による訪日外国人によるインバウンド需要消滅に加え、洗浄消毒関連商品やウエットティシュ等のコロナ禍関連特需の一巡等があり382億64百万円、中国事業は、E-コマースでの市場競争の激化、また一部実店舗ルートではコロナ禍の影響が継続した事もあり372億39百万円となりました。

 当連結会計年度における売上原価は、490億8百万円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、307億35百万円となりました。

 販売費及び一般管理費の効率的な活用に努めた結果、売上高比率は1.8ポイント減少し、営業利益は133億36百万円となりました。

(営業外損益、特別損益、経常利益及び税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度の営業外損益は、受取利息を1億79百万円、助成金収入を7億22百万円計上したことにより、13億11百万円の利益となりました。

 特別損益は、投資有価証券売却益を54百万円計上しましたが、減損損失2億29百万円、製品自主回収関連費用8億85百万円計上したことにより11億17百万円の損失となりました。

これらの結果、経常利益は146億48百万円、税金等調整前当期純利益は135億31百万円となりました。

(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の法人税等は45億52百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は1億93百万円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は87億85百万円となりました。

 

 各セグメント毎の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

1)財政状態

(日本事業)

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金が5億29百万円減少したものの、土地の増加12億6百万円等により、前連結会計年度末に比べ1億71百万円増加の229億52百万円となりました。

(中国事業)

 セグメント資産は、商品及び製品の増加7億43百万円、受取手形及び売掛金の増加9億80百万円等により、前連結会計年度末に比べ49億76百万円増加の207億85百万円となりました。

(シンガポール事業)

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金の増加4億61百万円、建物及び構築物の増加7億97百万円等により、前連結会計年度末に比べ6億円増加の97億47百万円となりました。

(ランシノ事業)

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金の増加6億9百万円、商品及び製品の増加3億9百万円等により、前連結会計年度末に比べ15億36百万円増加の77億円となりました。

 

2)経営成績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b. 経営成績」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

1)資金需要

 当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。

運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用に係るものであります。また、設備資金需要としましては、主に生産設備の取得に伴う建物や機械装置等固定資産購入に係るものであります。

2)財務政策

 当社グループは、堅固なバランスシートの維持、事業活動のための適切な流動性資産の維持を財務方針とし、主たる資金需要である運転資金及び設備資金につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金によっておりますが、日本におけるグループ会社の資金不足は当社からの貸付けで、海外グループ会社の資金需要につきましても主に当社からの外貨建て貸付けにて対応しております。また、当社における手元資金は事業投資の待機資金であることを前提に流動性・安全性の確保を最優先に運用しております。

 当社グループは、健全な財務体質、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も海外事業を中心とする成長性を確保するために現在の手元流動性を超える投資資金需要が発生した場合でも、必要資金を調達することが可能であると考えております。

 なお、2022年12月期の設備投資資金等の長期資金需要につきましては、内部資金をもって充当する予定であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りは、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。

 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、以下に
掲げる会計方針は、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えておりますので、特に記述いたします。

・固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損損失の認識にあたり使用する回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローを適正な割引率で割り引いた使用価値等様々な仮定を用いております。なお、当連結会計年度においては減損損失を229百万円計上しております。

 

 なお、当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業の1つである国内育児用品の販売事業は、出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。また、景気悪化による個人消費の冷え込みや訪日外国人によるインバウンド消費の減少等に起因する、流通在庫圧縮の動きも懸念されます。このような市場環境の下、これまで60年以上にわたる育児研究から生まれた競争優位性を発揮できる新商品の開発及び発売、カテゴリー拡大による新規事業の確立に努めてまいります。

 また海外市場におきましては、海外各国における経済、社会情勢の変化、為替変動、新興国の経済成長に伴う原材料需給状況の変化等により売上高、利益額の減少が生じる可能性が考えられます。当社グループの事業成長継続のため、各市場に合わせた商品の開発と供給体制の整備・充実、及び、ブランド力強化と販売活動の一層の拡大が重要と考えております。

 また、当社グループは、保育、託児、幼児教育事業及び高齢者通所介護(デイサービスセンター)事業を展開し、多くの乳幼児及び高齢者をお預かりしております。このような子育て、介護支援サービズ事業は予期せぬ事故が発生する可能性があります。これまでには、震災などの自然災害によるものを含め、業績に影響を与えるような事故等は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの経営成績に与える可能性があります。

 

(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

 第64期(2020年12月期)を初年度とし、第66期(2022年12月期)を最終年度とする第7次中期経営計画にて目標に掲げた主な指標は次のとおりであります。

 

 

第64期

(2020年12月期)

第65期

(2021年12月期)

中期経営計画目標

(2022年12月期)

売上高(百万円)

99,380

93,080

98,700

営業利益(百万円)

15,316

13,336

14,200

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

10,643

8,785

9,500

PVA(百万円)

(Pigeon Value Added)

7,144

5,600

6,099

EPS(円)

88.93

73.44

79.41

ROE(%)

15.5

12.2

12.9

ROIC(%)

15.0

12.5

12.9

(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。

 第64期及び65期の数値は実績値を記載しております。

 なお、第66期の計画値については、新収益認識基準を考慮後の数値を記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発の基本姿勢は、妊娠、出産から子育て、そして高齢者、介護などの生活シーンにおいて生活者の研究を核に新たなニーズを掘り起こし、技術シーズの裏付けを持った新しい商品およびサービスを生み出すことにあります。

 中央研究所を拠点とする開発本部では、グループの各開発部門と連携しながら、効率的かつ迅速な商品開発の実現を図ることでグローバル市場での競争優位性の実現を目指しております。特に、当社の中核となる哺乳・授乳商品カテゴリにおいては専任の開発組織の設置等を通じ、グローバルに展開し、永続的に開発可能な体制の強化を図っております。

 また、同研究所には開発本部とともに購買・品質管理本部も設置し、新商品開発時における商品評価及び量産化後の品質管理を担っております。研究開発から量産化に至る一貫した商品開発体制を備えることにより、同研究所は各拠点の現地開発体制も含めたグループ全体の商品開発機能の中枢を担っております。

 なお、2019年1月より、事業部門を地域別に4つに分割し、日本事業、中国事業、シンガポール事業及びランシノ事業として、その役割と責任を明確にしております。そのうえで、商品企画だけでなく、商品開発、品質管理も現地で完遂する仕組みを構築し、さらなるスピードアップを目指しております。

 今後も、グローバルに安心・安全な商品の提供を目指し、グループ全体の研究開発体制をさらに強化してまいります。

 なお、研究開発に携わる人員の総数はグループ全体で259名となっており、当連結会計年度における研究開発費の総額は3,603百万円となっております。事業セグメント別の研究開発活動状況は以下のとおりです。

 

(日本事業)

 日本市場では、おうち時間をもっと家族の幸せな時間にし、家族の幸せの輪をはぐくむバウンサー「Wuggy(ウギ―)」や、企業限定の大人気ベビーカーシリーズ「BASIS(ベイシス)」の第5弾として「BASIS ポルカドットデニム」をそれぞれ新発売しております。加えて、家庭それぞれで異なる育児や家事のやり方を、動画や画像・テキストでパートナーに共有し、新たに始まった育児生活を支援する育児・家事共有サポートアプリ「我が家のトリセツ」の提供も開始しております。また、60年以上にわたる基礎研究のもとに開発された哺乳器である2代目(従来型)「母乳実感®」をさらにアップグレードし、従来型に比べ、より“赤ちゃんが自然に飲める”3代目「母乳実感®」の発売に向けた活動を積極的に行いました。

 この結果、当連結会計年度の研究開発費は1,808百万円となりました。

 

(中国事業)

 中国市場では、先行して3代目となる哺乳器「自然実感(日本名:母乳実感®)」シリーズを発売しております。また、他社との技術コラボレーションにより、赤ちゃんの「自分で飲む」練習をサポートするベビー用ステンレス製保温カップを発売しました。さらに、継続的な赤ちゃんのお肌に関する基礎研究を活かし、ベビースキンケアカテゴリにおいて、低刺激で敏感肌の赤ちゃんも使用できる「温泉シリーズ」を発売したほか、ベーシックシリーズについても全面リニューアルを行っております。

 この結果、当連結会計年度の研究開発費は822百万円となりました。

 

(シンガポール事業)

 東南アジアやインド等の市場に対して、グループで培った技術をベースとし、サステナブルな製品を選好傾向があるジェネレーションZやミレニアル世代に向け、自然由来で赤ちゃんの肌にやさしく、地球環境にもやさしい新スキンケアシリーズ「ナチュラル・ボタニカル・ベビー」を新発売しました。また、中間所得層のお客様をターゲットとした高品質かつお買い求めやすい価格のおしゃぶり、歯ブラシ等オーラルケア商品の発売に向けた研究開発に取り組みました。

 この結果、当連結会計年度の研究開発費は288百万円となりました。

 

(ランシノ事業)

 ランシノ事業では新規商品カテゴリである産前・産後ケア商品を新発売しており、更なる商品ラインアップ拡充に向けた活動を行いました。また、さく乳器の進化・改良や、新規商品カテゴリへの拡大に向けた活動など、多様なニーズのある市場に向けて積極的な活動を行いました。

 この結果、当連結会計年度の研究開発費は585百万円となりました。

 

 

(全社)

 当社の中核となる哺乳・授乳商品カテゴリへ特化し、グローバル市場での競争優位を実現するための活動を実施しました。

 特に、商品開発段階において、商品の新たな評価手法の検討をはじめ、基礎研究成果の学会発表等にも積極的に取り組みました。

 この結果、当連結会計年度の研究開発費は99百万円となりました。

 今後も市場ニーズに的確に応える商品の開発に努めるとともに、基礎研究により培われた成果を中長期的視野での商品開発に繋げていくことにも注力してまいります。