第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営方針

当社グループは、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionの下、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というVisionを掲げ、4つのドメインにおいてプラットフォームサービス事業を展開しております。

 

(2)経営環境及び経営戦略

当社グループの主な事業モデルは、サービスの利用に応じて収益を計上する、いわゆるSaaSモデルとなっています。導入時に売上の全額が計上されるモデルに比べ、黒字化までに時間を要する一方、解約率が低く、中長期では非常に収益性が高いのが特徴です。

市場環境としましては、当社グループの事業運営に追い風となるような様々な動きが活発化しております。主なものとしては、リモートワークや副業など新たな働き方の広がりとともにクラウドサービス導入のニーズが一層高まっていることに加え、2022年1月の改正電子帳簿保存法の施行、2023年10月からのインボイス制度導など企業のバックオフィス業務の電子化に向けた法的な整備が進んでいます。また、決済領域においても国内メガバンクにより小口の資金決済のための新たな決済インフラの設立が進められるなどキャッシュレス決済の普及を後押しする動きも見られることに加え、給与支払いのデジタル化や資産所得倍増など個人のお金の課題解決に向けた政府の取り組みも見られます。

このような事業モデル、市場環境を踏まえ、当社は特に成長の著しいBusinessドメインの法人向けバックオフィスSaaS事業を中心に先行投資を行い、新規ユーザーの獲得及び新たな市場のニーズに応えるイノベーティブなサービスの開発に注力しております。同時に、他のドメインは成長を継続しつつも収益性の改善を優先させることで全社としての収益性の改善と成長を両立することを目指しております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、上記「(2)経営環境及び経営戦略」に記載のとおり、中長期的なキャッシュ・フローの現在価値最大化を最重視し、経営の意思決定を行っております。経営指標としましては、売上高及びEBITDAを重視しております。また、当社のビジネスモデルにおいて重要な指標であるSaaS ARR(注)について見通しの開示も実施しています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは創業以来、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionを掲げ、世の中からお金に関する課題や悩みをなくすことを目指しております。お金は人生において道具にすぎませんが、正しい知識がないためにお金に振り回され、やりたいことにチャレンジできない人や企業が多く存在しています。当社グループは、サービスや事業を通じて一人ひとりの人生に寄り添い、人々の生活を飛躍的に豊かにすることで、チャレンジできる社会をつくりたいと考えております。

当社グループが目指す社会を実現し、持続的に企業価値を向上させるため、当社グループは、3つの重点テーマ(マテリアリティ)を設定し、これを支える土台である経営基盤とあわせて、具体的な取り組みを進めてまいります。

これらの取組を全社一体として推進していくため、サステナビリティ担当責任者として執行役員でありCoPA(Chief of Public Affairs)の瀧俊雄を任命しております。また、サステナビリティ委員会を設置しており、同委員会においてサステナビリティに関する事項を審議するとともに、サステナビリティ関連施策の遂行状況をモニタリングし、取締役会へ報告しております。サステナビリティ委員会は、取締役会が選任した委員により構成され、代表取締役社長CEOが委員長を務めます。また、必要に応じて、事業部門の責任者や社外取締役の出席を要請することで、サステナビリティ施策の有効性及び実効性を担保します。

本委員会及び取締役会での審議を経て決定された各種施策については、本委員会事務局メンバーが、当社グループ内の関連コーポレート及び事業部門に任命するサステナビリティ担当者との連携や情報収集を通じて、全社における取組みをさらに推進します。

 

①重点テーマ(マテリアリティ)

<User Forward:ユーザーの人生をもっと前へ。>

●多様なユーザー(企業、個人事業主、個人)に向けて、お金の課題を解決するサービスを提供

日本の企業や個人事業主は、労働人口の減少、低い労働生産性、煩雑なバックオフィス業務、資金繰りなど、様々な課題を抱えております。これらの課題に対し、当社グループは、『マネーフォワード クラウド』などのビジネス向けサービスを通じて、バックオフィス業務の効率化や生産性向上を実現し、中長期的な企業価値の向上と持続的成長に貢献してまいります。

また近年、少子高齢化や老後2,000万円問題などにより、個人の将来に関する漠然としたお金の不安は増す一方となっております。当社が提供する『マネーフォワード ME』をはじめとする個人向けサービスを通じて、お金の流れや現在の状態を見える化し、家計の改善や将来に向けた資産計画の作成に繋げることで、不安を解消することが可能になります。

当社グループは、今後も多様なユーザーに寄り添ったサービスを提供し、お金に関する課題や悩みを解決してまいります。

 

●ユーザーの課題をテクノロジー×デザインで解決

変化のスピードが速く不確実性が高い時代において、世の中が求めるよりも早く課題を見出し、解決できるようなイノベーションを創出していくためには、テクノロジーの力が不可欠と認識しております。また、社会とテクノロジーの間には大きなギャップがあることから、それをデザインにより埋める必要があると考えております。当社グループは、先端テクノロジーによって将来の課題を予測して、解決に向けたアクションを提案するため、「自律化・ユーザビリティ」を注力領域として研究開発を推進し、ユーザー視点を取り入れたサービスをリリースしてまいります。

 

●安心してご利用いただくためのセキュリティへの投資促進

当社グループが提供するサービスにおいては、ユーザーのお金に関する様々な情報を多く預かっており、その情報管理を継続的に強化していくことが重要であると考えております。情報セキュリティ及び個人情報保護、第三者からの不正アクセス防止に関しては、CISO(Chief Information Security Officer、最高情報セキュリティ責任者)を設置しております。また、「情報セキュリティ基本方針(セキュリティポリシー)」、「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」その他社内規程を策定し、これらに基づいた管理を徹底しています。2022年3月には「パーソナルデータステートメント」を制定し、個人情報・個人データといった個人を識別できるデータのほか、クッキー情報・ IP アドレス・端末識別 ID などの識別子情報及び位置情報、閲覧履歴といったインターネットの利用にかかるログ情報などの個人に関する情報の取り扱いに対する当社の理念を宣言しました。

セキュリティ等に関しては、CISOより代表取締役及びCTOへ毎月活動報告を行い、その活動が内部監査によりモニタリングされるとともに、取締役会に四半期に1回及び随時報告がなされています。

 

<Society Forward:社会をもっと前へ。>

●多様なパートナーとの共創により、社会のDX化に貢献

近年、ビジネス環境が激しく変化するなか、企業の競争力を高め、生産性を向上させるデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが、加速しています。当社グループでは、全国の金融機関、士業事務所、事業会社、商工会議所等、多様な事業パートナーとともに事業を進めております。今後も、既存の事業パートナーとの提携の強化、新たな事業パートナーの拡大によって、強固なエコシステムを構築し、多様なパートナーとの共創により、社会のDX化への貢献を目指してまいります。

 

●より良い社会システムの実現を目指した活動

当社グループは、マネーフォワード Fintech研究所での調査研究・情報発信や官庁設置の会議等における政策提言、当社グループにおける具体的取組の公表といった様々な活動を通じて制度的改革をリードしております。また、Fintech協会や電子決済等代行事業者協会などの業界団体における勉強会や交流会などの活動の運営を通じてエコシステムの拡大を図っております。加えて、世代や年齢を超えて一人ひとりがお金と向き合うきっかけを提供するため、お金に関する課外授業やイベント、ユーザー向けコミュニティイベントを実施しております。今後もこのような活動を積極的に行い、経済的格差などの社会問題の解決にも取り組むとともに、個人の人生の可能性を広げる後押しをすることで、より良い社会システムの実現を目指してまいります。

 

●環境に配慮した経営の実践

当社グループは、リモートワークを基本とした新しい働き方を導入し、社内稟議、経費精算、契約締結などの業務をクラウド上で行うことにより、ヒトやモノの移動、紙資源の利用の削減に取り組んでおります。また、当社が提供している『マネーフォワード クラウド』は、バックオフィスのペーパーレス化を促進できるサービスであり、当社サービスの提供を通じて社会のDXに貢献することで、さらに環境にやさしい社会を実現することができると考えております。当社グループは、今後も社内業務の見直しや事業の成長などを通じて、世の中のヒトやモノの移動、紙資源の利用削減をさらに促進し、環境に配慮した経営を実践してまいります。

 

 

<Talent Forward:社員の才能をもっと前へ。>

●メンバーの可能性を引き出す多様な成長機会の創出

当社グループでは、グループ従業員が失敗を恐れず果敢にチャレンジする目標設定を推奨し、きめ細かい1on1の機会を設けて、個々人への期待値を伝え、適切かつ明確なフィードバックをする文化を大切にしております。また、当社グループは、年齢、社歴、学歴などに関係なく実力や希望に見合う機会を提供し、組織や事業の都合だけでなく、個人の情熱や適性を尊重した配置や異動を行っております。今後も、当社グループを横断した異動・配置の機会を設けることで、従業員の成長機会を幅広く進めるとともに、人事担当部署が主導する教育研修だけでなく、組織を構成する全従業員が一丸となって人材育成に取り組めるような仕組みを構築してまいります。

 

●マネジメントによる、メンバー育成へのコミットメント

当社グループのMissionやVisionを実現するためには、「人」の成長が最も大切であると考えております。そのためには、人事担当部署による育成のみならず、経営陣みずからが従業員に向き合い、従業員一人ひとりが持つ可能性を引き出し、成長にコミットする必要があると認識しております。当社グループは、従業員のパフォーマンス向上だけでなく、モチベーションの維持・向上やキャリア、働き方までを含めて、経営陣が積極的に携わってまいります。

 

●性別・国籍・年齢・宗教・学歴などに関係なく、多様な視点を受容する環境づくり

当社グループは、当社グループが大切にするValueの1つである「Fairness」を徹底し、性別・国籍・宗教・年齢・学歴等で制限しない採用方針を掲げております。入社後も、こうしたバックグラウンドの違い、育児や介護などのライフステージの変化も含めて、多様な状況下にある従業員が働きやすい・働きがいのある職場環境づくりに取り組んでおります。従業員それぞれの個性や成長意欲を尊重し、一人ひとりの能力とアウトプットを最大限化し、新たな価値創造を実現するためにも「多様な視点の実現」を人事戦略のベースに位置づけ、ダイバーシティとインクルージョンを重視する各種人事施策を推進してまいります。ダイバーシティ&インクルージョン担当責任者として取締役執行役員CTOである中出匠哉を任命し、People Forward本部、経営企画本部を中心としたプロジェクトチームを発足させ、取り組みを進めております。

 

②3つの重点テーマを支える土台(経営基盤)

<マネーフォワードのMission/Vision/Value/Cultureの浸透>

当社グループが目指す社会を実現するためには、各従業員が当社のMission、Vision、Value、Cultureを共有することが重要と認識しております。当社では、経営陣を中心に、グループ全体に向けてこれらを繰り返し発信している他、半期に1回のMVP表彰では成果が当社のValueの発揮に繋がっていることを必須の選出基準とし、Cultureを体現した従業員を四半期毎に「Culture Hero」として選出するなど、これらのコンセプトの浸透を図っており、今後も推進してまいります。

 

<攻めと守りを両立させるガバナンス>

当社グループが目指す社会を実現するためには、当社グループの事業成長が必要であり、そのためにはコーポレート・ガバナンスの充実が重要と認識しております。当社グループでは、迅速な意思決定やリスクテイクを促す「攻め」の機能と、過度なリスクテイクの回避や透明性・公正性を確保するための牽制を目指す「守り」の機能の両面を充足したバランスの取れたコーポレート・ガバナンスの整備・運用に取り組んでまいります。

 

(注)SaaS ARR

ARRは「Annual Recurring Revenue」の略称。期末時点におけるBusinessドメイン、Homeドメイン、Xドメイン、FinanceドメインのMRR(対象月の月末時点におけるストック収入合計額)を12倍して算出。Business ドメインは『マネーフォワード クラウド』、『STREAMED』、『Manageboard』、『V-ONEクラウド』、『HiTTO』、『マネーフォワード 公認メンバー制度』等サービスの課金収入。Homeドメインはプレミアム課金収入、Financeドメインは『マネーフォワード ケッサイ』における月額基本料、決済手数料及び付随する手数料を含む。なお、各事業のフロー売上高及びスマートキャンプ社の売上は含まない。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)事業環境に関する事項

①インターネット関連市場について

当社グループはプラットフォームサービス事業を主力事業としておりますが、当社グループ事業の発展のためには、インターネット利用者数の増加や関連市場の拡大が必要であると考えております。

しかしながら、当社グループが事業環境の変化に適切に対応できなかった場合、又は、新たな法的規制の導入等の予期せぬ原因によりインターネット関連市場の成長が鈍化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②SaaS市場の動向について

SaaS市場は近年大きく成長しており、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年度版」によると、国内SaaS市場は、2026年度には1兆6,681億円(2021年度比180.0%)に達すると見込まれております。当社グループは、SaaS市場が今後も成長傾向を継続するものと見込んでおり、SaaS領域でのサービスを多角的に展開する計画であります。

しかしながら、今後、国内外の経済情勢や景気動向等の理由によりSaaS市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③技術革新等について

当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社グループにおいても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。

しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④他社との競合について

当社グループは『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』を中心としたプラットフォームサービス事業を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては多くの企業が事業展開をしております。当社グループは、最適なユーザビリティを追求したサービスの構築、登録会員の訪問頻度向上を目指した特色あるサービスやコンテンツの提供、メディア利用時の安全性の確保やカスタマーサポートの充実等に取り組み、競争力の向上を図っております。

しかしながら、当社グループと同様のサービスを展開する企業等との競争激化や、十分な差別化が図られなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤Apple Inc. 及び Google Inc.の動向について

当社グループは、ユーザーにスマートフォン向けアプリを提供しており、Apple Inc.及びGoogle Inc.の両社が運営するプラットフォームにアプリを提供することが現段階の当社の事業の重要な前提条件であります。これらプラットフォーム事業者の事業戦略の転換及び動向によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、国内外の景気減速に伴う消費活動の停滞や先行き不透明感を背景として顧客企業での検討が遅れた場合や、当社従業員や取引先に感染が広がり事業活動を縮小する事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループでは、従業員の感染防止対策を実施し、従業員の安全、健康を第一に考えながら、業務への支障を可能な限り抑えつつ感染症拡大防止に寄与する取り組みを実施しております。

 

(2)業績変動等に関する事項

①経営成績の変動について

当社グループが取り組む事業領域は、市場規模が急速な進化・拡大を続けながらもまだ歴史が浅く、競合環境、価格動向、ビジネスモデルへの規制等には、不透明な部分が多くあります。このような環境下において、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を図るため、当社グループのノウハウを活かした収益性の高い新規事業の創出に積極的に取り組んでまいりますが、事前に十分な検討をしたにもかかわらず、期待した成果があがらない場合や予想困難なリスクの発生により当初の事業計画を達成できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②四半期毎の業績の変動について

イベントの開催、金融機関向けサービスリリース等による一時的な売上の発生、新プランリリースやプラン変更等により、当社の売上高成長は、年間を通じて平準化されずに、四半期決算の業績が著しく変動する可能性があります。

なお、2021年11月期及び2022年11月期における売上高及び営業損益は次のとおりであります。

 

(2021年11月期)

(単位:千円)

 

第1四半期連結会計期間

(自 2020年12月1日

至 2021年2月28日)

第2四半期連結会計期間

(自 2021年3月1日

至 2021年5月31日)

第3四半期連結会計期間

(自 2021年6月1日

至 2021年8月31日)

第4四半期連結会計期間

(自 2021年9月1日

至 2021年11月30日)

連結会計年度

(自 2020年12月1日

至 2021年11月30日)

Business

ドメイン

2,356,697

2,566,926

2,618,230

3,017,235

10,559,090

Home

ドメイン ※1

547,888

608,100

638,779

619,572

2,414,340

X

ドメイン ※1

370,250

620,441

383,447

507,636

1,881,776

Finance

ドメイン

190,174

197,672

189,700

191,167

768,715

その他 ※2

1,836

308

2,856

3,676

8,678

売上高合計

3,466,847

3,993,448

3,833,015

4,339,289

15,632,601

営業利益又は

営業損失(△)

80,574

△36,205

△445,514

△661,117

△1,062,262

※1 2022年11月期よりドメインの区分方法を見直し、2021年11月期までHomeドメインに含まれていた売上高の一部をXドメインに移管しております。2021年11月期の四半期毎の売上高についても、変更後の区分方法により作成しております。

2 講演料及び寄稿料等の売上高であります。

 

(2022年11月期)

(単位:千円)

 

第1四半期連結会計期間

(自 2021年12月1日

至 2022年2月28日)

第2四半期連結会計期間

(自 2022年3月1日

至 2022年5月31日)

第3四半期連結会計期間

(自 2022年6月1日

至 2022年8月31日)

第4四半期連結会計期間

(自 2022年9月1日

至 2022年11月30日)

連結会計年度

(自 2021年12月1日

至 2022年11月30日)

Business

ドメイン

※1  3,434,115

3,661,452

3,909,204

4,466,616

15,471,388

Home

ドメイン

681,398

721,563

※2  841,114

901,597

3,145,673

X

ドメイン

377,417

387,294

395,264

502,795

1,662,772

Finance

ドメイン

256,115

309,318

300,659

302,180

1,168,273

その他 ※3

6,738

5,608

8,824

7,915

29,085

売上高合計

4,755,785

5,085,238

5,455,066

6,181,104

21,477,195

営業利益又は

営業損失(△)

△1,638,822

△2,157,253

△2,510,706

△2,162,513

△8,469,297

※1 子会社化したHiTTO株式会社の損益について2022年1月度より連結を開始しております。

2 子会社化した株式会社Next Solutionの損益について2022年6月度より連結を開始しております。

3 講演料及び寄稿料等の売上高であります。

 

③業績の達成確度に関する不確実性について

(ア)プラットフォームサービス事業における先行投資について

当社グループが提供するプラットフォームサービス事業は、開発人員及び営業人員の採用、広告宣伝活動等の先行投資を必要とする事業であり、結果として当社は創業以来営業赤字を継続して計上しております。今後も「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というVisionのもと、より多くの顧客の獲得をめざし、営業や開発等における優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動、ユーザー獲得のためのマーケティングコスト投下等を効果的に進め、売上高拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていく方針であります。しかしながら、想定通りの採用・育成が進まない場合、マーケティングPR等活動の効果が得られない場合等には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(イ)社歴が浅いことについて

当社は2012年5月に設立されており、社歴の浅い会社であります。したがって、当社グループの過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

 

(ウ)広告宣伝活動により想定通りユーザー数が増加しない可能性について

当社グループの事業にとってユーザー数の増加は非常に重要な要素であり、テレビCM、インターネットでのプロモーション等を用いた広告宣伝活動を積極的に実施しユーザー数の増加を図っております。広告宣伝活動については、『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』を中心とした各サービスにおいて、ユーザー獲得効率を勘案の上、都度、最適な施策を実施しておりますが、必ずしも当社グループの想定通りに推移するとは限りません。

また、当社グループは『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』において、ユーザー数拡大及びサービスの認知度向上を目的として、複数回テレビCMを実施いたしましたが、今後の広告宣伝活動の方針によってはテレビCMを実施しない可能性があります。

これらの要因により、当社が提供しているサービスのユーザー獲得が計画通りに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(エ)Businessドメインの事業運営において業績に影響を与えうる要因について

『マネーフォワード クラウド』は、当社グループ営業人員による会計事務所・事業会社等への直接販売を行っておりますが、営業人員一人あたりの成約金額又は営業人員の獲得が計画通りに推移しない可能性があります。また、インターネットを通じた販売においては、複数のプロダクトの利用(クロスセル)等により将来における1ユーザーあたりの単価について一定の上昇を見込んでおりますが、想定単価が計画通りに推移しない可能性があります。これらの要因により、Businessドメインの事業運営が計画通りに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(オ)Homeドメインの事業運営において業績に影響を与えうる要因について

プレミアム課金売上について、ユーザー数の増加が計画通りに推移しない場合、又はプレミアムサービスに係る課金率が想定通りに増加しない場合、結果としてプレミアム課金売上が計画通りに増加しない可能性があります。メディア/広告収入においては、インターネット広告市場は市場拡大傾向にあり、当社グループではメディアの媒体価値の向上を図っておりますが、企業の広告宣伝活動は景気動向の影響を受ける傾向があり、また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競争状態が継続していくと考えられることから、今後これらの状況に変化が生じた場合、結果としてメディア/広告収入が計画通りに増加しない可能性があります。これらの要因により、Homeドメインの事業運営が計画通りに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(カ)ユーザーの継続率について

当社グループの事業にとって、獲得したユーザーのサービスの利用継続率は非常に重要な要素であり、取り扱う情報やサービスの充実等の施策を通じて、継続率の維持、向上を図っております。何らかの施策の見誤りやトラブル等で継続ユーザーが減少した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④事業領域の拡大に伴うリスクについて

当社グループの収益は、『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』による売上の影響を大きく受けている状況であるため、当社グループは、多角的観点から新たな収益源を常に模索し、事業の拡大と安定化に取り組んでおります。例えば、『マネーフォワード Pay for Business』サービスにおいて、2022年7月から「あと払い機能」の正式な提供を新たに開始いたしました。また、2022年7月から金融機関の法人顧客のDXを支援するサービスである『Mikatano』シリーズの提供に注力しております。

今後も、事業領域を拡大し、現在の領域と異なる分野にも進出する可能性があり、新たに進出した分野において収益化が進まない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤投融資について

当社グループでは、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。

投融資については、リスク及び回収可能性を十分に事前評価し決定してまいりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融資額を回収できなかった場合や減損の対象となる事業が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)法的規制等に関する事項

①電子決済等代行業について

当社は、電子決済等代行業を営むため、銀行法等に基づく電子決済等代行業者として登録を受け(関東財務局長(電代)第3号)、銀行法等の適用を受けております。当社では、内部管理統制の構築・運用等により銀行法等の遵守を徹底しており、本書提出日現在において取消原因となるような事象は発生しておりません。しかしながら、仮に当社が銀行法等に違反して、登録等の取消し(銀行法第52条の61の17)、若しくは改善に必要な措置等(銀行法第52条の61の16)を命じる行政処分が発せられた場合、又は法解釈等の違いにより監督当局からの行政指導や行政処分を受けた場合には、『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』等において、銀行等の預貯金取扱金融機関(以下「銀行等」という。)のアカウントアグリゲーションが困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、銀行法等では、電子決済等代行業者に対して、銀行等との間で電子決済等代行業に関する契約締結義務を定めており、当社は各銀行等と契約を締結しておりますが、当該銀行等との間で契約を維持できなくなった場合には、『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』等において、銀行等のアカウントアグリゲーションが困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

なお、電子決済等代行業登録の状況の概況は次のとおりであります。

 

取得年月

2018年10月1日

登録の名称

電子決済等代行業

所管官庁等

金融庁

登録の内容

銀行法に定める電子決済等代行業を営むこと

顧客の委託を受けて、銀行等の口座に係る送金指示を、銀行に対して伝達する業務

顧客の委託を受けて、銀行等の口座情報を取得し、顧客に提供を行う業務

有効期限

なし

法令違反の要件及び

主な登録取消事由

・登録拒否事由に該当することとなったとき

・不正の手段により登録を受けたとき

・銀行法に基づく処分に違反したとき

・電子決済等代行業の業務に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき

 

②銀行法等の適用を受けない金融機関等のアカウントアグリゲーションについて

当社グループの『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』は金融機関や事業会社(以下「金融機関等」という。)のインターネット上の口座と自動連携するアカウントアグリゲーション技術によって成り立っており、銀行法等の適用を受けない金融機関等については、顧客から直接金融機関等の口座情報等にアクセスする権利の付与を受ける形となっております。したがいまして、金融機関等が当社グループサービス経由での口座情報へのアクセスを拒絶した場合、情報の取得ができなくなる恐れがあります。

当社グループにおいては、一部の金融機関等と電子決済等代行業と同様に口座情報へのアクセスに関する契約を締結しております。また、金融機関等のシステムへの負荷を最小限とできるよう配慮したシステム設計を行っており、一部の金融機関等からは、当社グループの接続元IPアドレスを開示する等の特別なアクセスの許可を得ている他、金融機関等からの照会にも迅速に対応することで、金融機関等とは良好な関係を維持しておりますが、何らかの事象により金融機関等が当社グループサービス経由での口座情報へのアクセスを拒絶した場合、金融機関等の情報の取得ができなくなる結果、『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』等の一部機能の提供が困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③二月払購入あっせんについて

当社は、『マネーフォワード Pay for Business』サービスにおいて、「あと払い機能」を提供することにより、割賦販売法第35条の16第2項に定める二月払購入あっせんに係る事業を営んでおり、クレジットカード番号等の適切な管理に関する規制の適用を受けるほか、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が定める特定事業者に該当しております。当社は、『マネーフォワード Pay for Business』サービスを提供するに際し、同法に基づき所定の書類等をユーザーから徴求し、本人確認を実施するとともに本人確認書類及び取引記録を保存しています。また、当社においては、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止のための基本方針を定め、特定事業者としての業務の適切性及び健全性の確保に努めております。

 

しかしながら、当社の内部管理態勢が同法に適合していない事態が発生した場合や、今後新たな法的規制が設けられた場合、『マネーフォワード Pay for Business』サービスの一部機能の提供が困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④子会社の請求代行・売掛金回収事業及び売掛債権の買取事業について

当社グループでは子会社のマネーフォワードケッサイ株式会社及び株式会社Biz Forwardで請求代行・売掛金回収事業(取引先への請求から代金回収までを一括で請け負い、売掛金の回収を保証する決済サービス)並びに売掛債権の買取事業(売掛金早期資金化サービス)を行っております。これらマネーフォワードケッサイ株式会社及び株式会社Biz Forwardのサービスを利用する債権売却事業者及びその取引先は比較的小規模で相対的に与信リスクの高い企業及び事業主が多く、与信管理が重要になります。債権売却事業者及びその取引先からの代金回収方法としては、当社グループのマネーフォワードホショウ株式会社の保証を受けることで回収の確実化を図っており、また保険によりリスクを保険会社に移転しております。当社グループ全体としては債権売却事業者及びその取引先に対する与信リスクを一部負担していることになります。当社グループでは、中小企業決済に関する与信管理のノウハウを十分持っていると認識しておりますが、想定以上の保証履行が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

また、当該事業は、「割賦販売法」上の包括信用購入あっせん、「貸金業法」上の貸金業及び「銀行法」上の為替取引のいずれにも該当せず、いわゆる業法上の法的規制の対象とはなっておりません。しかしながら、今後新たな法律の制定や現行法の解釈に変化があった場合には、これらの事業が法的規制の対象となる可能性があり、その場合、マネーフォワードケッサイ株式会社及び株式会社Biz Forwardにおける事業の継続に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑤個人情報保護について

当社グループでは、金融機関等へのウェブサイトログイン情報等の個人情報を取得しているため、当社グループは「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者に該当しております(ただし、当社グループでは金融機関等にログインを行うためのパスワードの取得に留まっており、また、『マネーフォワード ME』では生年月日や住所、電話番号も取得しておりません。)。当社グループにおいては、個人情報保護方針を定め、個人情報の取得の際には利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用するとともに、個人情報の管理につきましても、役員及び従業員を対象とした個人情報の取扱いに関する社内研修や、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、データセンターでの適切な情報管理、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。また、日本シーサート協議会に加盟し、さまざまなインシデント関連情報、脆弱性情報、攻撃予兆情報等を収集することで、個人情報を含む当社グループの情報資産の保護に取り組んでおります。

しかしながら、外部からの不正アクセス、社内管理体制の瑕疵、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、損害賠償請求を受ける可能性や当社グループの社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥訴訟等について

当社グループは、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、このような事態が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑦知的財産権について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)組織体制、内部管理体制等に関する事項

①特定人物への依存について

当社の代表取締役社長CEOである辻庸介は、当社設立以来当社グループの事業に深く関与しており、また、Fintechに関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社グループは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人材の獲得、育成について

当社グループが、今後とも企業規模を拡大していくためには、当社グループのMission、Vision、Valueに共感し、当社グループのCultureに適合する高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。

当社グループは、規模拡大やサービス向上に必要な優秀な人材の確保のため、今後も必要に応じて採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材が十分に獲得できなかった場合や人材流出が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、重点テーマ(マテリアリティ)として、<Talent Forward:社員の才能をもっと前へ。>を設定し、「メンバーの可能性を引き出す多様な成長機会の創出」「マネジメントによる、メンバー育成へのコミットメント」「性別・国籍・年齢・学歴等に関係なく、多様な視点を受容する環境づくり」に取り組んでおります。

 

③内部管理体制について

当社グループは今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針でありますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④システムの安定性について

当社グループの運営するサービスはシステムへの依存度の高いサービスとなっていることから、システムの安定的な稼動が当社グループの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社グループでは継続的な設備投資を実施するだけではなく、サービスで使用するサーバー設備やネットワークを常時監視し、障害の兆候が見られた場合にはシステム担当の役職員に対し自動でメールが送信される等、システム障害の発生を未然に防ぐことに努めております。

しかしながら、アクセスの急増、ソフトウエアの不備、コンピューターウイルスや人的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、当社グループの想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の喪失を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社グループが社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤不正アクセスについて

当社グループの主力事業であるプラットフォームサービス事業において個人情報を扱っていることから、データを不正に取得することを目的とした悪意の第三者によるシステムへの不正アクセス等を受ける可能性があります。当社グループでは、サービスを提供するシステムや社内情報システム等に対して、開発時のレビューやファイアウォールの設置、外部のセキュリティ診断会社から第三者評価を行う等により、外部からの不正アクセスの予防を図っております。また、入出金履歴等重要な個人データはすべて暗号化し、データの送受信もすべて暗号化する等適切なセキュリティ対策を実施したうえで監視体制を強化しております。これに加えて、外部からの攻撃はインターネットからだけではなく悪質なボットを通じた社内端末を経由した攻撃等複数の経路があることから、従業員端末のウイルス対策ソフトの導入や、個人情報を取り扱う保守作業を行う専用の環境をネットワーク的に隔離する等様々な対策を行うことにより、リスクを低減しております。

しかしながら、不正アクセスによるシステムへの侵入が発生し、ユーザーの個人情報や口座情報等の重要なデータが消去又は不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には損害賠償請求を受ける可能性や社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループでは金融機関等にログインを行うためのパスワードの取得に留まっており、また、『マネーフォワード ME』では生年月日や住所、電話番号は取得しておりません。

 

 

(5)その他

①税務上の繰越欠損金について

2022年11月期末時点で、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりませんが、今後当社の業績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合は、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社グループの業績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

②固定資産の減損リスクについて

当社グループは、のれんやソフトウエア等の固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」により、当社グループが保有する固定資産が、収益状況の悪化等の事由により、減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③投資有価証券の減損リスクについて

当社グループは、業務提携及び投資育成を目的として、SaaS及びFintech領域や主にインターネットやテクノロジーに関する事業を展開するスタートアップ企業に対して投資を行っておりますが、投資先企業の事業の成長性や収益性が期待通り実現せず減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、現在当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することにより、更なる事業拡大を目指すことが株主に対する利益還元につながると考えております。

将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

⑤株式価値の希薄化について

当社グループでは、株主価値の最大化を図るための中長期的なインセンティブを与え、株主との一層の価値共有を目的として、役員、従業員等に対する新株予約権によるストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。

これらの新株予約権について行使が行われた場合や譲渡制限付株式報酬制度に基づき新株式が発行された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2)経営成績等の概況及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①経営成績の概況及び経営者の視点による分析・検討内容

当社グループが提供するサービス領域は、Fintech(注1)市場と呼ばれており、近年では、Embedded Finance(埋込型金融)などと呼ばれる、金融以外のサービスを既存サービスに組み込み、一体として提供する形が注目されるなど様々なビジネスが活発に生まれております。当社グループの主要サービスである『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』は、近年急速な成長が見込まれる、SaaS(注2)という形態にてサービスを提供しております。SaaS市場は近年大きく成長しており、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年度版」によると、国内SaaS市場は、2026年度には1兆6,681億円(2021年度比180.0%)に達すると見込まれております。加えて、2022年1月の改正電子帳簿保存法の施行、2023年10月からのインボイス制度導入など企業のバックオフィス業務の電子化に向けた法的な整備が進み、決済領域においても国内メガバンクにより小口の資金決済のための新たな決済インフラの設立が進められるなど、キャッシュレス決済の普及を後押しする動きが見られます。

今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、わが国経済は景気の見通しが不透明になる一方、クラウドサービス導入及びキャッシュレス化のニーズや、個人や企業におけるお金に関する新たな不安が増している状況で、当社グループの提供サービスへのニーズはより一層高まっているものと認識しております。

このような環境において、当社グループは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionの下、法人向けサービスを提供するMoney Forward Businessドメイン、個人向けサービスを提供するMoney Forward Homeドメイン、金融機関・事業会社のお客様向けにサービス開発を行うMoney Forward Xドメイン、新たな金融ソリューションの開発を行うMoney Forward Financeドメインの4つのドメインにおいて、事業を運営してまいりました。

Businessドメインでは、バックオフィス向けの業務効率化クラウドソリューション『マネーフォワード クラウド』において、特に法人向けのプロダクトに関してSEO対策をはじめとしたウェブマーケティングの強化に加えて、大規模な士業事務所向けでのセールス・導入支援体制を強化した結果、新規ユーザーが順調に増加いたしました。また、中堅企業向けのプロダクトの継続的な機能改善やプロダクト間の連携強化に加えて、営業・マーケティング体制の拡充を進めた結果、複数プロダクトでの導入やより大規模な企業での導入が進み、ARPA(注3)についても向上しております。さらに、今後のインボイス制度導入に伴う需要増加を見越し、中堅・エンタープライズ企業向けの請求書受領サービス『マネーフォワード クラウドインボイス』の提供を開始しております。

スマートキャンプ株式会社の売上についても『BOXIL』におけるリード件数の増加や、オンライン展示会『BOXIL EXPO』の開催等により、好調に推移しております。

Homeドメインにおいては、自動でオンラインバンキング等から金融機関データの取得・分類を行うPFM(注4)サービス『マネーフォワード ME』において、プレミアム課金ユーザーが40万人を突破し、プレミアム課金売上が順調に推移しました。メディア/広告売上に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響でオフラインイベントは制限されたものの、イベントやセミナーのオンライン化や、ファイナンシャルプランナーに家計や資産形成の相談ができる『マネーフォワード お金の相談』や様々な固定費の切り替えができる『マネーフォワード 固定費の見直し』等の新規サービスの増収により、好調に推移しました。また、2022年6月に連結開始した株式会社Next Solutionの売上も増収に貢献しております。

Xドメインにおいては、金融機関やそのお客様のDX推進に資するサービスの開発に努めており、これに伴って、プロジェクト単位でフロー収益を上げるビジネスモデルからDX推進ツールをOEMとして提供するストック型収益への転換を進めております。直近では『Mikatano』シリーズの提供に注力しており、金融機関の法人顧客である地域の中小企業のDXに貢献するとともに、金融機関がデータを活用しながら中小企業の事業価値向上を実現するための支援を行うことを目指しています。

Financeドメインにおいては、企業間請求・決済代行サービス『マネーフォワード ケッサイ』において大型の顧客での活用が進んだ他、売掛金早期資金化サービス『マネーフォワード アーリーペイメント』において申し込み件数が好調に推移しました。

また、投資に関しては、特に成長の著しい法人向け『マネーフォワード クラウド』の拡販のための広告宣伝の投資を進めつつ、翌連結会計年度からの収益改善の実現に向けて投資領域の選択と集中を進めてまいります。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高21,477百万円(前年同期比37.4%増)、EBITDA(注4)△6,029百万円(前年同期は429百万円のEBITDA)、営業損失8,469百万円(前年同期は1,062百万円の営業損失)、経常損失9,581百万円(前年同期は1,432百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失9,449百万円(前年同期は1,482百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当社が重視している経営指標である売上高及びSaaS ARRは、期初の業績見通しの範囲で着地しております。また、当連結会計年度末のSaaS ARRについては、前年同期比+45%と、前連結会計年度末の同+33%から大きく成長が加速しております。

各ドメインのSaaS ARR(注6)及びBusinessドメインにおける課金顧客数とARPAの推移は以下のとおりであります。

各ドメインにおけるSaaS ARR

(単位:百万円)

 

2019年

11月期末

2020年

11月期末

2021年

11月期末

2022年

11月期末

前年同期比(%)

Business

4,645

6,238

8,466

12,811

51.3

うち法人

3,827

5,381

7,374

11,435

55.1

うち個人事業主

818

857

1,092

1,375

26.0

Homeプレミアム課金

1,100

1,380

1,724

2,007

16.4

Xストック売上高

474

635

755

1,021

35.2

Financeストック

売上高

99

186

283

460

63.0

合計

6,319

8,439

11,227

16,299

45.2

(注)上記表中のSaaS ARRの額は、百万円未満を四捨五入しております。

 

Business 法人ARRの内訳

(単位:百万円)

 

2019年

11月期末

2020年

11月期末

2021年

11月期末

2022年

11月期末

前年同期比(%)

法人

3,827

5,381

7,374

11,435

55.1

うち中小企業

3,584

4,316

5,367

7,388

37.6

うち中堅企業以上

243

1,065

2,007

4,048

101.7

(注)上記表中のSaaS ARRの額は、百万円未満を四捨五入しております。

 

Business ドメインにおける課金顧客数、ARPA

 

 

 

2019年

11月期末

2020年

11月期末

2021年

11月期末

2022年

11月期末

前年同期比(%)

課金顧客数

(顧客数)

法人

56,007

69,713

88,548

114,384

29.2

 

個人事業主

61,637

72,501

94,755

121,414

28.1

 

合計

117,644

142,214

183,303

235,798

28.6

ARPA(円)

法人

68,337

77,189

83,281

99,974

20.0

 

個人事業主

13,274

11,821

11,523

11,328

△1.7

 

全体

39,448

43,864

46,187

54,330

17.6

(注)上記表中のARPAの額は小数点以下第1位を四捨五入しております。

 

(注1)Fintech

Finance と Technology を組み合わせた概念で、金融領域におけるテクノロジーを活用したイノベーションの総称をいいます。

(注2)SaaS

「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウェア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態を指します。一般的に初期導入コストを抑えた月額課金のビジネスモデルとなります。

(注3)ARPA

「Average Revenue per Account」の略称であり、各期最終月のBusinessドメインのSaaS ARRを課金顧客数で割った値となります。

(注4)PFM

「Personal Financial Management」の略称であり、個人の金融資産管理、家計管理をサポートするサービスをいいます。

(注5)EBITDA

「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略称。営業利益+償却費+営業費用に含まれる税金費用+株式報酬費用。

(注6)SaaS ARR

ARRは「Annual Recurring Revenue」の略称。各期末時点におけるBusinessドメイン、Homeドメイン、Xドメイン、Financeドメインの各期末の月末時点における月次ストック収入合計額(Monthly Recurring Revenue, MRR)を12倍して算出したものをいいます。

 

②財政状態の概況及び経営者の視点による分析・検討内容

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は38,815百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,210百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が9,507百万円減少したことによるものであります。固定資産は27,171百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,254百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が8,278百万円、ソフトウエアが2,239百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は65,986百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,044百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は23,964百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,688百万円増加いたしました。これは主に未払金が3,563百万円、短期借入金が3,540百万円増加したことによるものであります。固定負債は6,939百万円となり、前連結会計年度に比べ4,605百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が4,226百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は30,903百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,294百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は35,082百万円となり前連結会計年度末に比べ7,250百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が7,938百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は49.4%(前連結会計年度末は71.1%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの概況及び経営者の視点による分析・検討内容

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ9,711百万円減少し、26,309百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は4,124百万円(前年同期は2,327百万円の使用)となりました。主な増加要因は、未払金の増加額3,207百万円、契約負債の増加額1,259百万円、持分法による投資損失922百万円等であり、主な減少要因は、先行投資を積極的に実施したことによる税金等調整前当期純損失の計上9,615百万円、買取債権の増加1,231百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は14,780百万円(前年同期は5,199百万円の使用)となりました。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出7,948百万円、無形固定資産の取得による支出3,935百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は9,074百万円(前年同期は34,797百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入6,981百万円、短期借入金の増加額3,540百万円等であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出2,455百万円等であります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

当社グループが事業を展開しているFintech市場及びクラウド市場は、近年急速な成長を続けております。このような環境の中、既存事業の成長を継続させるため、主に自己資金及び金融機関からの借入資金を広告宣伝費及び人件費に充当しております。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

当社グループは、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」に記載のとおりプラットフォームサービス事業の単一セグメントであります。

①生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

②受注実績

当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

③販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

ドメインの名称

当連結会計年度

(自 2021年12月1日

至 2022年11月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

Businessドメイン

15,471,388

146.5

Homeドメイン

3,145,673

130.3

Xドメイン

1,662,772

88.4

Financeドメイン

1,168,273

152.0

その他

29,085

335.2

合計

21,477,195

137.4

(注)1.当社グループの事業セグメントは、プラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、ドメイン別の販売実績を記載しております。

2.当連結会計年度よりドメインの区分方法を見直し、前連結会計年度までHomeドメインに含まれていた売上高の一部をXドメインに移管しております。前年同期比は変更後の区分方法により作成した前年度売上高との比率です。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業活動、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、市場のニーズに合ったサービスの普及拡大、優秀な人材の確保及び育成、内部管理体制の強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社は創業以来、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をMissionとして、すべての人のお金の課題を解決すべく、データの見える化を通じて、幅広いサービスを提供しております。

当連結会計年度における研究開発費は155百万円となり、主な研究開発活動は以下のとおりです。

データをテクノロジーの力でさらに利活用することにより、すべてのユーザーへ、より良い価値を提供すべく、2019年3月にMoney Forward Labを設立いたしました。以来、同Labでは、「お金のメカニズムを解き明かすことで、人生に笑顔と驚きを。」をMissionとし、テクノロジーとデータを駆使して、すべてのユーザーのお金に対する漠然とした不安や課題を解決することを目指して研究開発を推進しております。

当連結会計年度は、AI技術を応用して、テキスト領域の事前学習・抽出を不要とするOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)の技術開発に取り組みました。また、ユーザーの金融行動から深い洞察を得て、思い描いた家計/経営の安心・安全・快適な実行を支援することを目的とした研究開発を推進すべく、研究者の採用を積極的に行いました。

先端テクノロジーによって将来の課題を予測して、解決に向けたアクションを提案するため、「自律化・ユーザビリティ」を注力領域として研究開発を推進し、ユーザー視点を取り入れたサービスをリリースしてまいります。