文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
《不安定感強まる世界経済》
世界では、新型コロナウイルスの感染拡大で各国のロックダウンが出口の見えにくい状況が続き、ワクチン接種が始まったものの、いまだ収束が見えない状況です。米国政権交代後も米中問題は依然残り、欧州でも英国のBrexitリスクは改善傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の変異ウイルスの出現などで経済活動は不透明感が残り、世界経済は不安定感が高まっています。
《新中期経営計画》
2018年から2021年までとしていた当初のマスタープランステージⅢの対象期間を2023年まで延長し、「新中期経営計画2021-2023」を策定しました。理由は以下のとおりです。
・米中貿易摩擦が未だ解消されていない。
・新型コロナウイルス感染症の収束が見えず、今後の見通しが不確実である。
・上記により市場低迷が2020年と同程度で継続すると予測。
1.当初のマスタープランⅢの振り返り
2018年から開始となったマスタープランステージⅢにおいては、ステージⅡから交渉を続けてきたPontiac Coil Inc.の株式を2018年6月に取得、EV/xEV向けの主力製品の開発も完了し、更なる成長と多様性の実現に向けて邁進しておりました。しかしながら2018年第1四半期頃から米中貿易摩擦が激化し始め、2019年末から新型コロナウイルス感染症の拡大により当社グループを取り巻く環境が大きく変化しました。このため、当初策定したステージⅢの数値目標達成条件である市場状況が前提と大きく変化したため、今回対象期間を2023年まで延長しました。このような状況下においても、経営陣の若返りは当初の予定通り行い、新体制にて新中期経営計画を策定しました。
2.2023年数値目標
売上収益:1,080億円 営業利益:70億円 ROIC:6.39% CCC:70日 ROE:10.83%
ネットDEレシオ:1.10
※コーポレート・ガバナンスコードを踏まえ、資本コストとの比較に馴染むROICを中期経営計画上のモニタリング指標に追加しました。
3.新中期経営計画の前提条件
新型コロナウイルス感染症の世界的流行の収束の兆しが見えないことから、2020年の市場環境の不確実性を考慮し、本中期経営計画ではM&Aを数値目標に織り込みませんでした。しかしながら、M&A対象会社の選定と検討は積極的に継続し、良い候補先が見つかった場合は、実行していきます。
4.重点取り組み事項
1)市場:
車載関連は、SDGsへの貢献としてEV/xEV関連市場に全力を注ぎ、マーケットリーダーを目指します。EV/xEV市場の2021年からの3年間の成長率は27%と予測しており、当社の成長率は、約40%を達成すべく邁進していきます。
インダストリー・家電関連は、脱炭素化、デジタル化の急速に拡大することから当社グループの多種多様なコイル・トランス製品をマーケットに提案し提供していきます。また、医療関連のアプリケーションも当社のグループの高品質製品を中心に提供し続け更なる成長を目指します。
2)研究開発:
オープンイノベーションによる大学等との共同開発を継続し、コイル、ノンコイルの分野における技術提携を推進し、新製品開発に注力します。現在進行中の案件もあり、2023年までに新製品をマーケットに提供します。
3)業務プロセス:
ITシステムを最大限活用し、諸経費を最小化することにより、業務効率を改善します。
4)M&A:
更なる成長のため、M&A対象先の選定・検討を継続していきます。
5)SDGs:
持続可能な開発目標実現への貢献を目指し、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを今まで以上に積極的に行っていきます。
《2020年12月期連結会計年度の活動内容》
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・CSR外部評価機関の基準をベースに持続可能な社会貢献と調達方法を精査 ・当社グループの行動指針とISO26000に関するガイドラインの見直しを実施 ・ISO26000に基づく現在のESG活動の評価と改善を実施 ・CSR委員会を設置し、今後の活動計画の見直しを実施 |
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環境 |
社会 |
ガバナンス |
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・スミダグループ全工場によるISO14001に基づく環境評価の確認と継続改善活動の実施 ・設備更新により大幅な消費電力の削減を達成 ・ドイツにおける社用車を電気自動車へ変更したことによる二酸化炭素排出量の削減 ・コロナ禍においても正常な業務を継続することを目指し、在宅勤務を大幅に導入し、出張による交通機関の使用削減をした結果、二酸化炭素排出量を削減 ・中国・東莞勝美達(太平)電機有限公司において代替エネルギーによる電力使用を開始することを決定 ・ドイツの開発拠点における太陽光発電システムの導入と効果を確認 |
・新型コロナウイルス感染症対策の徹底と社員の健康と安全を守るための活動を継続 ・継続的なISO45001の要求事項と当社グループ(アジア地域の工場において)の現在の状況を確認し改善を実施 ・各四半期においてスミダグループ活動内容の共有を実施 ・スミダグループ全拠点において延べ7,669人の参加による当社の行動指針の再教育を実施 ・在宅勤務対応の推進のためのクラウドサービスの利用拡大 ・ベトナム・クアンガイ工場とその地域における台風被害の復旧サポート |
・法令順守徹底に関する教育を取締役と執行役に実施 ・贈賄とカルテルに関する教育を実施 ・インサイダー取引規制に関する教育を実施(日本地域) ・ハラスメントに関する教育を実施(日本地域) ・四半期ごとにリスクマネジメント委員会を開催しリスクの評価とその対策を講じる ・当社ウェブサイトにてクッキーポリシーを規定しプライバシー保護を明確化 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、代表執行役CEOがリスク管理の最高責任者であるチーフ・リスクマネジメント・オフィサーとして、リスク管理を統括するリスクマネジメント委員会を設置し、リスクの把握・対策の実施・被害の最小化に向けた取り組みを継続的に行っています。同委員会ではリスク管理規程を整備するとともに、海外を含むグループの主要事業拠点にリスクマネジメント・モニターを配置し、グローバルな観点から、将来予想されるリスクを洗い出し、分析し、リスク対応策を策定・管理します。万一リスクが発生した場合には、損失を最小化するための対応方法を検討します。執行役ならびに当社グループの社内・社外取締役および従業員はリスク管理規程に従って業務遂行に努めています。なお、2020年12月期にはリスクマネジメント委員会は4回開催され、新型コロナウイルス感染症対応等について対策を検討しました。
1.新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は感染の収束時期が見通せない状況です。感染蔓延はグローバルに事業展開する当社グループの事業活動に大きく影響しています。
当社グループまたは当社グループの事業活動に関係する調達、生産、物流等の取引先企業において、感染が拡大した場合、原材料の調達ならびに製品生産の遅れ、顧客企業の事業活動が停滞し大きく需要が減少することが想定され、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループでは新型コロナウイルス感染症の感染予防、感染拡大防止のため、在宅勤務や時差出勤の活用、不要不急の出張の禁止やWeb会議システムの積極的活用などにより接触を抑える対策等により社員の健康と安全を確保するとともに、当社グループの事業活動への影響が出来るだけ小さくなるよう取り組みました。
製造拠点を除く拠点については、新型コロナウイルス感染拡大が発生したとしても継続した事業運営が行える環境を整えました。当社グループの製造拠点は、各国政府のロックダウンが行われない限り、継続した事業運営が行えるよう、徹底した感染予防措置を講じるとともにより一層の強化をしていきました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響を最小限に留めるため、当社グループでは、銀行団のオープン・コミットメント・ラインを86億円から171億円へ増額する等、不確実性の増大により大幅な業績変動や急な資金需要に備えて調達余力を充実させて、適切な手元資金を保有し、資金流動性を確保することによる安定的な事業運営の中で、固定費、経費等の削減に取り組み業績の改善を進めています。
2.地政学上のリスク(米中経済摩擦)
当社グループは、中国、ヨーロッパ等海外に多くの生産拠点を持ち、海外営業拠点を通じて製品をグローバルの顧客に供給しています。そうした中、米中貿易摩擦、米国国防権限法の動向等より生産、物流、営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各国の関税の引上げや安全保障貿易管理に基づく輸出規制、新興技術等に対する取引制限等の政策に対して分析を行い、必要に応じて取引形態やサプライチェーンの見直し等も行うことにより、事業への影響の低減を図っています。また、複数の生産拠点で製品を生産することでリスクの分散を図っています。
中長期的には、製造拠点と販売拠点を同一地域にて対応できるよう地産地消の方針で製造拠点を見直していきます。輸出拠点となる中核製造拠点は、今後、上記のようなリスクを回避できるよう、中国依存率を低下させていくため、タイ・ベトナムにおいての製造能力を増強していく予定です。
3.車載事業、大口顧客への依存度が高い
当社グループの売上収益のうち、約60%が車載関連のビジネスであり、車載関連の顧客への依存度が高くなっています。また、上位10社が占める当社グループの売上比率は約40%であり、当該顧客の動向により売上収益が大きく変動する可能性があります。
欧米や中国をはじめ、世界中が地球環境保全、省エネ化の動きを強め、ガソリン車からxEVへとシフトする機運の中、車載関連の売上収益比率が高いことは当社グループの強みでもあります。しかし、新車販売台数の低迷等車載関連の事業環境の変化等によって当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、大口顧客グループとの長期にわたる緊密な取引関係を通じ、生産及び販売の見通し、事業戦略に関する方向性を共有することで、当社グループの投資・事業戦略の判断に活用し、業績向上に取り組んでいます。
4.技術革新と価格競争、競合環境の変化
当社グループ製品は、コイルとその応用部品であります。現在までのところ民生機器、産業機器及び車載機器の電源周りに多く使用されています。特に車載機器は、使用されるコイルの数が著しく多くなることが予想され、今後拡大が予想されるxEVにおいても数多く使用されることが予想されます。その結果、当社グループの製品に求められる技術要素は、今まで以上に高い耐電圧の要求を満たし、小型化を実現し、高い品質基準を確保することが求められています。当社のグループとしましては、今まで培った要素技術をさらに強化させ、顧客に当社グループの製品を選んで頂けるように対応していきます。
xEV化の市場が拡大していることから競合他社も多く参入しきています。約10年前より、中国・台湾企業が参入してきており、価格についても競争環境が厳しくなってきています。
当社グループとしては、製品品質の向上とグローバル体制の強化を図り競合他社との差別化を図っています。また、顧客の初期開発段階から当社グループが参入し、顧客と共に製品開発を行っていくというビジネスモデルの構築も進めています。家電製品市場では、顧客の製品採用基準が、製品品質よりは価格重視へ変容してきていることから、最適価格での提供を目指し、製品設計は当社グループで担当し、製造委託先の活用も行い厳しい価格競争においても最適な販売価格で対応できる体制の構築も行っています。
5.M&Aにより認識したのれんの減損リスク
当社グループは技術力の強化や販売網の拡充を目的に、当社グループ以外の会社との事業提携、合併および買収(以下M&A等)を行うことにより、中期経営計画の達成を目指しています。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の収束の兆しが見えないことから、2020年の市場環境の不確実性を考慮し、中期経営計画ではM&A等を数値目標に織り込みませんでした。しかしながら、M&A等対象会社の選定と検討は積極的に継続し、良い候補先が見つかった場合は、実行していきます。
M&A等の実施にあたっては事前に相乗効果の有無を見極めてから実施を決定し、完了後は相乗効果を最大にするように経営努力をしています。しかしM&A等の完了後に、対象会社との経営方針のすりあわせや業務部門における各種システムおよび制度の統合等に当初想定以上の負担がかかることにより、予想されたとおり相乗効果が得られない可能性があります。また、M&A等に係る費用等が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループはM&A等に伴うのれん及びその他の無形資産などの資産を有しています。のれん及びその他の無形資産についても、少なくとも年に一度、あるいは減損の兆候が認められる場合はその都度減損テストを行っています。M&Aにより発生したのれんと無形資産は年次で減損テストを実施していますが、予想した相応効果が得られない場合、減損損失の発生により財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年12月末現在におけるのれんの総額は4,122百万円となっています。
6.品質管理
当社グループは常に製品の品質向上に尽力し、製品の品質確保に万全を期していますが、当社グループ製品の要求仕様への不一致や欠陥により供給先である顧客の製造ラインが停止する事態や、欠陥を含んだ当社グループの製品を利用した電子機器に不具合が生じる事態も考えられます。欠陥またはその他の問題が発生した場合は、当社グループの売上収益の減少、市場シェアの低下、当社グループブランドに対する信頼または評価の低下、市場認知度、開発などへの重大な影響が影が生じる可能性があり、また顧客からの法的手段による賠償の請求の可能性もあり、そのため当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.公的規制とコンプライアンス
当社グループは、国内および諸外国・地域において、法規制や政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けています。こうした公的規制に違反した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、さらには事業活動の停止に至るリスクや企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜等のリスクがあります。
当社グループでは、公的規制の対象領域ごとに主管する部門を決めて対応しています。また、公的規制に対応した社内ルールを定め、未然に違反を防止するための対応をとっています。これらの取組みに加え、法令遵守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、遵守すべき倫理規範等を「スミダの経営に関する諸原則・行動規範」として制定し、当社および関係会社における行動指針の遵守ならびに法令違反等の問題発生を全社的に予防するとともに、コンプライアンス上の問題を報告する内部通報制度を設けています。また、法令順守の周知徹底の機会を設けると共に、カルテル等の反競争的行為や贈賄をはじめ、企業倫理・コンプライアンスに関して、役員および従業員への定期的な研修等を行っています。しかし、グローバルに事業を展開するなかで、国や地域において、公的規則の新設・強化及び当社グループが想定しない形でこれらが適用されること等により、当社グループが公的規制に抵触することになった場合には、事業活動が制限されたり、公的規制の遵守に係る費用が増加する等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
8.中国の賃金上昇
当社グループは、日本のほか、アジア、ヨーロッパ、北米等に生産拠点を有し、グローバルに事業展開していますが、中国での生産が相当程度占めています。
中国で行う当社グループの生産は労働集約的生産の側面があり、人件費、社会保険料の上昇や制度変更等による生産コストアップが当社グループの事業展開、業績に影響を与える可能性があります。そのため、中国における生産においては自動化を進めることで従業員数を削減し、労働集約的生産はベトナム等に移管することにより中国における賃金上昇の影響を最小限に留めるよう取り組んでいます。
9.銅価格等、原材料価格の高騰
当社グループは多くの原材料を外部調達しており、主要な原材料である銅、鉄、原油等の価格は国際市況に連動しています。その購入価格を決定する際の取引価格は、国際的な需給だけでなく投機的取引の影響も受けながら常に変動していて、市況の変動に伴い業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは価格変動の激しい銅価格の変動によるリスクを最小限に抑えるため、計画的に安定調達を行うとともに、銅価格にスライドした販売価格の設定を行っています。また、顧客との契約に銅価格連動の仕組みを折り込む等価格変動による影響を最小限にするよう努めていますが、製品価格への転嫁が困難な場合や相場が大きく下落する局面では損失が発生し、当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
10.サイバーセキュリティ
コンピューターウイルスの高度化や巧妙化が進み、ますます脅威が高まっているサイバー攻撃等により、当社グループの技術上、営業上等の秘密情報が流出や改ざん、生産設備等が被害を受け生産に影響が生じる等のリスクがあります。また、盗難・紛失などを通じて第三者が不正流用する可能性もあります。
当社グループではInformation Security Officeを組織し、セキュリティ方針や計画を策定しています。ウイルス対策ソフトの利用、強固なパスワードの利用、多要素認証の導入(予定)、各システムへのアクセス権限管理に加え、フィッシング対策などの啓発、入社時研修、BCP対策、社員とのNDA締結等を行っています。
時流を踏まえて今後も必要な対策を行ってまいりますが、不測の事態によってこれらの情報の漏洩やインシデントが発生する可能性を完全に回避することは困難であり、また想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等などにより、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。
このような事態が発生した場合は、追加対応や損害賠償等の多額の費用負担により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
11.大規模災害
当社グループは、中国・アジアをはじめとして海外にも生産拠点を持ち、各国の営業拠点等を通じて製品をグローバルの顧客に供給していますが、大地震、洪水、津波、竜巻などの自然災害、感染症などの疾病の流行、戦争及びテロ、内乱、現地従業員のストライキ等の労働問題、電力やエネルギーの使用制限に加え、近年の気候変動に伴う想定を超える災害の大規模化や、これまでに類を見ない、対応策に決めてのない感染症の発生などによる広い範囲での社会機能の停止などの発生も考えられます。これらが発生した場合には、原材料や部品の調達、生産、販売に遅延や停止を生じる可能性があり、そうした混乱などが当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、2013年6月にドイツにおいてドナウ川の氾濫により工場の一部が冠水し、操業を停止したことがありましたが、現在は災害防止対策として洪水から工場全体を護るため洪水防護壁を設けております。
(1)経営成績等の状況の概要
2020年の世界経済は新型コロナウイルス感染症の流行に翻弄されました。上半期には各国はロックダウンや移動制限等により経済活動が制限されました。制限解除後、新型コロナウイルス感染症が最初に流行した中国は政府の積極的関与で成長軌道に戻り、欧米も各国が打ち出した経済政策により回復に向かいましたが、欧米主要国において新型コロナウイルスの感染者数の増加傾向が続いており、これを受けて欧州各国においては外出制限や店舗の営業停止措置などが再導入され、社会・経済活動は再び抑制される状況になっています。
当社グループは新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、各拠点の状況に合わせて在宅勤務を実施するなど、全ての拠点で新型コロナウイルス感染防止策を徹底し、通常の稼働を維持するための体制を確保しました。コロナ禍でも生産性を落とすことなく業務を遂行するため、業務プロセスの見直しを進めたほか、生産体制の地産地消対応とともに、デザイン、開発のグローバル化に柔軟に対応できるグローバル技術体制の構築を進めました。また、在宅勤務が定着する中でオフィス・スペースの有効活用を進め、本社オフィスと新富町オフィスを統合しました。
①財政状態および経営成績の状況
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は98,063百万円となり、前連結会計年度末比1,502百万円増加しました。営業債権及びその他の債権、在庫削減に取組み棚卸資産等が減少したものの、手元流動を確保するため現金及び現金同等物が増加し、流動資産は441百万円増加しました。また、のれん、無形資産の償却が進んだものの、有形固定資産、工場の生産キャパシティの拡充のため使用権資産等が増加したことにより、非流動資産は1,060百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は63,505百万円となり、前連結会計年度末比1,538百万円増加しました。また、ネット有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ822百万円減少しました。
1年内返済予定又は償還予定の長期有利子負債、短期有利子負債等が減少したことから、流動負債が656百万円減少しました。リース債務等が減少したものの、長期有利子負債等が増加したため、非流動負債が2,194百万円増加しました。
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し先行きの不透明感が増す中で、当社グループでは、6か月先までのローリング・フォーキャストを毎月実施し、資金管理を行いました。また、銀行団のオープン・コミットメント・ラインを86億円から171億円への増額、永久劣後ローンの見直し等に取り組み、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は新型コロウイルス感染症拡大前の前連結会計年度末から822百万円減少しました。相対的に金利水準の高い外貨建て借入金の割合が借入金全体の95%以上となっているため、借入金の平均金利は1.7%となっています。当連結会計年度は円安/中国人民元高が大きく進行したため、円建て製品原価が上昇し、また、資金需要が旺盛な中国人民元転による為替差損が発生しました。なお、当社グループの有形固定資産の内95%が国外の有形固定資産となっています。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は前連結会計年度末比36百万円減少し、34,557百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益が828百万円あったものの、負の在外営業活動体の換算差額が216百万円増加したこと等によりその他包括利益を△370百万円計上したこと、配当金162百万円、その他資本性金融商品の所有者への分配を172百万円支払ったこと等があったためです。その結果、親会社の所有者に帰属する持分合計は32,990百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の34.2%から当連結会計年度末は33.6%となりました。
b. キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末比1,950百万円増加し、5,237百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,107百万円(前連結会計年度は8,732百万円の収入)となりました。税引前当期利益1,470百万円、減価償却費及び償却費5,947百万円、営業債権及びその他の債権の減少957百万円等の収入があったことによるものです。
在庫削減に取り組むことに加え、改善傾向にある需要を受け仕入を増加させたことにより、運転資本が縮小しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は6,669百万円(前連結会計年度は8,133百万円の支出)となりました。有形固定資産の売却による収入108百万円等があったものの、生産設備拡充のため積極的な設備投資で有形固定資産の取得による支出5,989百万円、無形資産の取得による支出776百万円等の支出があったことによるものです。
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大の影響で取引先の都合によるプロジェクトの延期があり、機械装置等への設備投資額は前連結会計年度に比べ1,364百万円縮小し、5,989百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は447百万円(前連結会計年度は1,261百万円の支出)となりました。有利子負債が1,018百万円純増したことによる収入があったものの、その他資本性金融商品の所有者に対する分配の支払額203百万円、リース債務の返済による支出948百万円等の支出があったことによるものです。
新型コロナウイルス感染症による不透明な事業環境下において手元流動性を確保するため、有利子負債を増加させたことで、現金及び現金同等物を前連結会計年度末と比べて1,950百万円増やし5,237百万円としました。ネット有利子負債残高は822百万円減少しました。
なお、永久劣後特約付ローンは、元本の弁済の定めがなく利息の任意繰延が可能なことなどから、「資本性金融商品」に分類されるため、永久劣後特約付ローンによる調達額から発行費用を控除した額4,850百万円を「その他資本性金融商品の発行による収入」として計上しています。
②経営成績
当連結会計年度の当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により第1四半期連結会計期間には春節前後からの中国において実施された経済活動の制限や移動制限の影響で中国において生産活動を行うことが出来ず、また、アジアのサプライチェーンも機能が低下しました。第2四半期連結会計期間に入ると中国における生産活動は回復し、アジアのサプライチェーンも機能してきましたが、欧米における新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるロックダウン、顧客工場の操業停止等で車載関連の売上収益が大幅に落ち込みました。
第3四半期連結会計期間に入ると欧米において経済活動が再開され、車載関連の売上も回復を見せ、順調に稼働している中国工場での生産が売上収益を下支えしました。第4四半期連結会計期間に入っても車載関連の売上収益は順調な回復が続きました。
家電製品向けは米中関係悪化により一部顧客向け製品が減少したものの、PC、タブレットはテレワークの普及により需要拡大、インダストリー分野は太陽光発電向け、医療分野及び家電生産設備向けが好調に推移する等、年間を通して家電製品関連、インダストリー分野は堅調に推移しましたが、車載関連では年前半の落ち込みをカバーすることは出来ず、2020年12月期連結会計年度の売上収益は前年同期比10.5%減の84,417百万円に留まりました。車載関連は上半期北米、欧州が低迷していたものの、下半期は回復傾向が見え、EV、HEV向け製品の売上が伸びました。
収益面では、第1四半期連結会計期間は中国で、第2四半期連結会計期間は欧米で工場の操業度が大きく落ち込んだことで固定費負担が収益を圧迫しました。第3、第4四半期連結会計期間には操業度も回復を見せましたが、年前半での落ち込みをカバーするまでには至りませんでした。
年間を通じて固定費削減、販売管理費の節減に取り組み、収益性の改善に努めました。また、新型コロナウイルス感染症の関連で生産拠点を中心に当社グループ会社が所在する地域の幾つかにおいては、当該地域の法制度により法人が負担すべきとされる社会保険料や休業手当などの一時的減免等の1,204百万円の政府補助を受けました。また、中国の土地リース解約によるリース債務の解消により550百万円の利益を計上しました。
一方で、売上の好調なスマートフォン関連において、一部の顧客取引先の戦略変更があったため、生産設備の減損損失474百万円を計上しました。
その結果、営業利益は前年同期比19.9%減の2,838百万円となりました。税引前当期利益は同32.7%減の1,470百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同47.7%減の828百万円となりました。また、ROEは前連結会計年度の4.7%から当連結会計年度は2.5%となりました。
なお、為替レートの年間平均は1ドル=107.02円、1ユーロ=121.44円、1人民元=15.40円、銅価格の年間平均は1トン当たり5,895米ドルでした。また、2020年度の四半期ごとの業績は以下のとおりでした。
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
2020年度合計 |
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売上収益 |
20,573 |
17,588 |
22,325 |
23,930 |
84,417 |
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営業利益 |
△260 |
△954 |
1,331 |
2,721 |
2,838 |
(報告セグメントの状況)
当連結会計年度における報告セグメントの状況は次のとおりであります。
1)アジア・パシフィック事業
アジア・パシフィック事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で上半期大きく需要が落ち込んだことから、当連結会計年度の売上収益は前期比10.6%減の53,725百万円になりました。減収の影響、セールス・ミックスや操業度低下等の影響で、セグメント利益は同27.1%減の1,933百万円となりました。
2)EU事業
EU事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響でロックダウン、工場操業停止等があり、車載関連の受注が上半期に大きく落ち込んだため、当連結会計年度の売上収益は前期比10.3%減の30,691百万円となりました。減収の影響、セールス・ミックスや操業度低下等の影響でセグメント利益は同23.5%減の1,097百万円となりました。
(単位:百万円)
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2019年12月期 |
2020年12月期 |
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事業区分 |
売上収益 |
セグメント利益 |
売上収益 |
セグメント利益 |
|
アジア・パシフィック事業 |
60,073 |
2,651 |
53,725 |
1,933 |
|
EU事業 |
34,210 |
1,435 |
30,691 |
1,097 |
|
合 計 |
94,283 |
4,087 |
84,417 |
3,031 |
(市場別の状況)
車載関連は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で、第1四半期連結会計期間には春節前後からの中国において実施された経済活動の制限や移動制限の影響で中国において生産活動を行うことが出来ず、第2四半期連結会計期間に入ると中国における生産活動は回復したものの、欧米における新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるロックダウン、顧客工場の操業停止等で車載関連の受注が大幅に落ち込みました。第3四半期連結会計期間に入ると欧米において経済活動が再開され、車載関連の売上も回復を見せ、順調に稼働している中国工場での生産が売上収益を下支えしました。第4四半期連結会計期間に入っても車載関連の売上収益は順調な回復が続きました。また、EV/xEV関連売上はコロナ禍においても堅調に推移しましたが、上半期の落ち込みが大きく、車載関連の売上収益は前連結会計年度比15.2%減の48,289百万円に留まりました。
家電製品関連では、巣ごもり需要の効果もあり、白物家電、ノートパソコン、タブレット、データセンター用の分野の売上は堅調、特に下半期からの受注は好調に推移しましたが、一部主要顧客の戦略変更、および米中関係の悪化により、前連結会計年度比7.1%減の19,110百万円の売上収益となりました。
一方、インダストリー分野も車載同様新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で厳しい環境の中、脱炭素化の動きもあり欧米の太陽光発電用設備が好調に推移し、メディカル関連も堅調に推移したことから前連結会計年度比1.6%増の17,017百万円の売上収益になりました。
(市場別売上の内訳)
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
アジア・パシフィック事業(百万円) |
53,719 |
91.2 |
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EU事業(百万円) |
30,683 |
89.4 |
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合計(百万円) |
84,403 |
90.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度末 (2020年12月31日現在) |
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受注高 |
前年比(%) |
受注残高 |
前年比(%) |
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アジア・パシフィック事業(百万円) |
54,785 |
106.5 |
7,889 |
115.5 |
|
EU事業(百万円) |
30,735 |
95.2 |
9,439 |
100.5 |
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合計(百万円) |
85,521 |
102.1 |
17,329 |
106.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
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売上収益 |
前年同期比(%) |
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アジア・パシフィック事業(百万円) |
53,725 |
89.4 |
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EU事業(百万円) |
30,691 |
89.7 |
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合計(百万円) |
84,417 |
89.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループの売上収益の10%以上を占める顧客グループが存在しており、当該顧客グループから生じた売上収益は以下のとおりです。
(単位:百万円)
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2019年12月期 |
2020年12月期 |
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売上収益 |
割合(%) |
売上収益 |
割合(%) |
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アジア・パシフィック事業およびEU事業 |
13,883 |
14.7% |
11,614 |
13.8% |
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アジア・パシフィック事業 |
9,746 |
10.3% |
8,498 |
10.1% |
(2)重要な判断を要する会計方針および見積り
(のれんおよび識別された無形資産、および有形固定資産の減損)
過去に行われた企業結合から生じたのれんおよび識別された無形資産、および有形固定資産については、年1回連結会計年度末または減損の兆候が表れたと判断された時点で減損の判定を行います。減損の兆候が表れたと判断されるのは、当初想定・設定された事業計画の大幅な下方修正や市況の重大な変化が生じた場合であり、当社グループ経営者は的確な判断に必要な内部・外部の情報については、タイムリーに関係事業部門から収集し、定期的にそれら収集した情報を討議検討する体制を取っております。
のれんおよび識別された無形資産、および有形固定資産の減損テストでは、回収可能価額を合理的に見積り帳簿価額と回収可能価額の比較を行います。資産、資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額で算定しております。使用価値の算定においては経営者の判断が必要となりその判断に重要な影響を与えます。経営者は見積りにあたり見積り時点で把握しうる経営計画、内部・外部に存在する情報、社内に蓄積された経験を総合的に勘案したうえで達成可能性が十分に高い事業計画を基礎として、見積りの不確実性も考慮したうえで、合理的な価額を算定します。
のれんおよび識別された無形資産の使用価値は将来5年間の割引キャッシュ・フローおよび永続価値の合計額で設定され、割引率は当該資産固有のリスクを反映したものを用い、3年目以降のキャッシュ・フロー及び永続価値は不確実性を考慮し成長率をゼロとして見積りを行っております。
当連結会計年度においては、のれんおよび識別された無形資産については回収可能価額が帳簿価額を超えているため減損損失の認識を行いませんでした。
当社グループが保有する有形固定資産の使用価値は、当該資産、資金生成単位または資金生成単位グループにおいて主要な資産の耐用年数を元にした将来割引キャッシュ・フローにより算定されます。
当第2四半期連結会計期間において家電製品市場向け一部製品群につき、顧客の経営戦略変更により当製品群の製造に特化した製造機械設備のキャッシュ・インフローが見込めなくなったため、帳簿価額を現時点で見込まれる回収可能価額まで904百万円減額いたしました。
減損損失の認識を受けて当該製品群を供給していた顧客と当社グループ間で損失負担につき相対による協議を行っておりましたが、減損した一部の機械設備を再活用する形で当社から顧客への新たな製品を供給することにつき合意がなされたため、当第4四半期会計期間に再活用可能と判断された機械設備に係る減損損失の戻入429百万円を行いました。
当社グループは引き続き、残りの機械設備の損失負担に係る協議を顧客と継続しており、回収が可能となった時点で回収可能相当額を収益として認識する予定であります。
(リース資産およびリース債務)
当社グループは、借手としてのリース取引について、リース開始日またはリース期間の延長が見込まれた時点で使用権資産およびリース債務を認識しております。使用権資産およびリース債務の簿価の算定においては、当社が当該リース資産を使用すると想定される期間を合理的に見積り、その期間に支払うリース料を追加借入利子率により割り引いた現在価値で測定しております。
このリース期間の見積りには経営者の判断が伴います。経営者は当該リース資産の使用目的・使用状況、リース契約の諸条件、金融市場および原資産を調達する市況等に係る内部・外部の情報、過去から蓄積された経験を総合的に勘案し、合理的なリース期間を見積っており、当社グループのリース期間は1年-50年と見積もられています。
当連結会計年度において新たに契約した、またはリース期間の延長によりリース期間が見積もられて計上されたリース資産および債務の額は1,440百万円であり、前連結会計年度から繰り越されたものも含め、当連結会計年度末のリース債務の合計残高は4,081百万円であります。
(繰延税金資産)
当社グループの繰延税金資産は、会計上の資産および負債の帳簿価額と税務上の資産および負債の金額との一時差異に基づいて、期末日に施行または実質的に施行される法律に従い一時差異が解消される時に適用されることが予測される税率を用いて算定し、将来減算一時差異、繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。
繰延税金資産の回収可能性の評価においては、将来予定される重要な繰延税金負債の取り崩し、予想される将来課税所得およびタックスプランニングを考慮しております。
予想される将来課税所得およびタックスプランニングの算定には経営者の判断が伴います。経営者は外部・内部の取得可能な情報を元に5年若しくは7年間の達成可能性が十分に高い事業計画を基礎として、過去の課税所得水準、見積りの不確実性も考慮したうえで合理的に算定し、予想される将来課税所得およびスケジューリングを行います。このスケジューリングにより将来利用できないと判定された将来減算一時差異については、評価性引当金を計上しております。
過去および当連結会計年度において発生した繰越欠損金につき、スケジューリングにより当連結会計年度末において評価性引当金の対象とされた繰越欠損金の残高は2,900百万円であります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、アジア・パシフィック事業およびEU事業ともに家電製品関連分野では、機器開発におけるアナログ回路設計と電源設計の技術およびその関連分野の開発を進めました。車載関連では、ハイブリッド・電気自動車向けモーター、オルタネータの制御回路、ECU制御用途向けに、高対恒性のインダクタ、トランスの製品・ユニット開発を進めました。インダストリー分野ではハイブリッド自動車・電気自動車向け各種トランスおよび大電流コイル、産業機器、通信機器向け一次電源用トランスおよびコイル、家電・産業機器・医療機器向けの高周波トランスおよびリアクトル等を中心とした製品の開発を進めています。さらに製品の開発に必要不可欠な素材の研究も重要と考えております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の金額はアジア・パシフィック事業