第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、企業価値の源泉である社是「仕事を楽しむ」を掲げ、経営理念「わたしたちは『独創の技術』『信頼の品質』『万全のサービス』を信条に、自由に着想し、グローバルな事業活動を通して界面価値創造を実現することで豊かで潤いのある社会と環境づくりに貢献します。」を基本方針として事業を展開しております

 

それぞれの人生で大切な時間をかける仕事を、精一杯楽しみ、どのような仕事も自分たちのこととして真剣に取り組み、その成果が人々の豊かな暮らしに役立つ。私たちは、仕事を楽しむ自分たちの手で楽しい社会の実現に寄与し、自らの心豊かで幸ある人生と、明るく楽しい社会への貢献を同時に追い求めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、連結ベースにおける事業経営を念頭に置き、積極的に事業の拡充、技術力の向上を図っております。それにより、独創的で価値が高く市場ニーズに合った製品を開発し続け、これまで培ったコア技術を、IoT端末を始めとする電子機器の高機能化、信頼性向上に貢献しております。世界中のどの地域の顧客に対しても高付加価値で高品質な製品を生産し、営業を行うことで事業の拡大を目指し、また、企業価値向上や株主への積極的な利益還元、持続的成長に取り組んでおります。

2022年12月期を初年度とする2024年12月期までの3ヵ年を対象期間とした中期経営計画「2030年ビジョン Phase 1」における目標は次のとおりです。

 

(経営指標)

営業利益率

20%以上

ROE(自己資本利益率)

10%以上

 

 

(資本政策)

研究開発に関する投資

毎年 連結売上高の約10%

設備投資

3年累計 約50億円

株主還元

1株当たり年間配当金の維持・成長

(連結配当性向:30%目標)

自己株取得は状況に応じて機動的に実施

 

 

当社グループは、持続的な成長に向け、収益性の観点からは、営業利益率を重要視しており、具体的には当社連結営業利益率を主要指標と定め、その向上に努力しております。

また、効率性の観点からは、資本コストを的確に把握した上で、ROE(自己資本当期純利益率)を意識した経営を行っております。

 

詳細は、当社ウェブサイトに掲載しております「中期経営計画策定に関するお知らせ」(2022年2月14日発表)をご覧ください。

 

 

(3)経営環境

当社グループの主要事業は、電子基板・電子部品製造用薬品の開発・製造販売および関連機械、資材の販売であり、その薬品の売上および営業利益がいずれも9割超を占めております。  

また、主な顧客は世界中の電子基板・電子部品メーカーであり、当社および「3 事業の内容(1)当社グループの事業内容について」に記載した連結子会社6社でそれらの市場を包括できる体制を取っております。

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス業界は、技術革新のスピードが速く、昨今、積極的な研究開発・設備投資が行われております。IoTやAI、5G、クルマの電動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)の進展等の社会的動向を背景に新しい社会が出現する転機を迎える等、技術革新が進んでおり、中長期的に当社関連市場は拡大すると予測しております。

 

(4)経営戦略と対処すべき課題

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場は、IoTやAI、5G、クルマの電動化やDX・GXの進展等の技術の広がりを背景に、技術革新が進んでおります。

当社グループは、エレクトロニクス関連の界面処理を核とする技術開発力を最大の特長として、高付加価値のある製品をグローバルに顧客に提供する研究開発型企業です。市場のニーズに的確に応え、革新的なテクノロジーの実用化に貢献できるようなシーズを生み出し育めるよう、独創的な技術開発力にさらに磨きをかけるとともに、エレクトロニクス業界および関連する業界、参入が可能な事業領域についてのグローバルな動向把握と潜在需要の掘り起こしに努め、高い品質の製品と技術サービスの提供を図ります。また、環境・安全への配慮とワーク・ライフ・バランスの実現等により、事業推進力の強化を図ってまいります。

また、さらなる成長路線を実現すべく、当社グループは、企業価値の源泉である社是「仕事を楽しむ」を掲げ、経営理念「わたしたちは『独創の技術』『信頼の品質』『万全のサービス』を信条に、自由に着想し、グローバルな事業活動を通して界面価値創造を実現することで豊かで潤いのある社会と環境づくりに貢献します。」を基本方針とし、中期経営計画に沿って、次のとおり、各種施策に取り組んでおります。

 

2030年への指針

「創造と変革」

 ~「つくる」を変える~ 

 ~「うる」を変える~ 

 

目指す企業像

・独創の技術で新たな価値を創造する真のグローバルカンパニーになる

・研究開発型企業であり続ける

・独創のAI企業としての顔を持つ

 

目指す人財像と組織

(人財像)

・各自自立自走し、連帯できる人財を目指す

・熱意をもち、挑戦を続ける人である

・基本的なデジタルリテラシーをもつ

(組織)

・役割に応じて優秀な人財の確保を行い、適正に配置し、十分に活躍できる環境を準備するよう最善を尽くす

 

 

対処すべき課題は、次のとおりです。

 

① 技術・マーケティングならびに生産・ロジスティクスの強化

従来、当社グループの顧客はその大半が電子基板・電子部品メーカーです。技術・マーケティングの強化が製品開発の迅速化にも寄与すると考えております。当社のコア技術をより全面に出したグローバルなマーケティングにより、技術変化への対応や既存技術の応用展開を強化してまいります。また、新規市場への進出、新規事業の創出に取り組んでまいります。

生産・ロジスティクスに関しましては、「優れた人財」「グローバル生産ネットワークの拡充」「高度な品質・化学物質管理」「SDGs観点での取り組み」による強みのシナジーで圧倒的な優位性を発揮すべくグローバル生産戦略を構築し、安定した調達、生産、供給体制の確立に努めてまいります。

② 経営戦略と人事戦略の連動

競争力があり、社会に価値を生み出し続ける企業であるためには人財が非常に重要であると認識しております。「人的資源マネジメント」に加えて「人的資本マネジメント」による人事戦略を実行することで、短期・中期・長期の視点で、経営に資する人的価値創出を図ってまいります。

 

③ ESGの推進

E:Environment環境、S:Social社会、G:Governance企業統治の頭文字からなるESG戦略は、会社事業の礎となるものです。

当社グループは、「独創の技術で新たな価値を創造し、お客様とともに持続可能な社会の実現に挑戦する」という2030年ビジョンのもと、事業活動を通して界面価値創造を実現することで豊かで潤いのある社会と環境づくりに貢献するために、事業運営にとって大切な6つのマテリアリティ(重要課題)を策定し、事業が関わるSDGsからの観点を見据えながら進めております。6つの重要課題「未来を切り拓く研究開発」、「適正な調達、生産、物流」、「環境保全」、「品質と安全」、「多様な人財の活用」、「経営基盤の強化」の取り組みの成果がお客様の利益や生産工場にもつながっていくと考えています。

さらには、気候変動問題を重要な経営課題と位置づけ、気候変動を含めた環境対応への取り組みをよい強化してまいります。

当社は化学薬品事業会社として、これらマテリアリティに対する取り組みを通じ、着実にESGを推進し、社会と産業全体、お客様の持続可能な発展に寄与してまいります。

 

当社グループは、これらの課題を克服することにより、オンリーワンまたはナンバーワンの領域を複数保有する地位の獲得を目標とし、継続的に高い成長を実現し続けるべく全力を尽くしてまいります

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 電子基板業界への依存度の高さについて

当社グループは電子基板・部品資材事業を行っておりますが、電子基板向けの比重が大きいため、電子基板業界の動向に大きく影響されます。このため、今後の電子基板の生産動向によっては、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

(2) 研究開発費について

当社は、電子基板製造用薬品を中心に積極的な新製品開発を行っております。電子基板製造における技術革新は著しく、これに対応した製品を供給するためには充分な研究開発活動が不可欠であり、そのため当社は連結売上高の約10%を目安として研究開発投資を行っております。

今後も当社は、研究開発の成果である新製品の販売については、需要の喚起や販売の強化を図る方針でありますが、十分な収益を上げるに至らなかった場合は、研究開発費の負担が当社の損益に影響を与える可能性があります。

また、研究開発活動について当社が市場ニーズの分析を誤ることにより市場動向への対応が遅れたり、技術革新に対応できない場合には、製品の販売減に繋がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3) 海外事業展開に関するカントリーリスクについて

当社グループは、当社および連結子会社6社で構成され、世界の主要な電子基板市場を包括すべく体制を整備しております。

近年中国における事業の重要性が増しており、同地区における様々なカントリーリスクがより一層顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

(4) 人材の確保・育成について

当社グループは研究開発体制のさらなる強化と海外展開をはじめとする販売力の強化に重点を置き、従来から優秀な人材の採用と教育研修・配置・ローテーションを含めた『戦略人事』に積極的に取り組んでおりますが、今後当社の求める人材を十分に確保・育成できない場合には、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。

(5) 為替変動の影響について

当社グループは、日本国内だけでなく世界的に事業活動を展開しており、海外売上高の比率は過半数を占めます。そのため、為替相場の変動は損益に影響を与える可能性があります。

一般に円高は減収・減益の要因となります。

(6) 原油・素材の価格高騰および調達リスクについて

当社グループの主要製品である電子基板・部品製造用薬品の主な原料は無機材料でありますが、一部薬品には原油をベースとする材料と銅をベースとする材料を使用しております。

さらに当社グループの薬品の運搬に原油価格に影響されるポリエチレン容器を使用しております。

当社グループは製品原材料の見直しや一括大量購入等様々な製品コストダウンに取り組んでおりますが、原材料価格が高騰した場合、あるいは原料素材の世界的需要増加等にともなう枯渇状況が発生した場合には、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。

(7) 知的財産について

当社ではリスクマネジメントの観点から知的財産管理が経営上重要であるとの認識をもっており、社内に専任部署を設置し、当社の知財戦略に基づいて各国において権利を取得・管理しておりますが、当社の想定の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張されることが全く無いとは言い切れません。そのような場合には、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。

(8) 情報セキュリティについて

当社グループは、事業運営に関する顧客情報、個人情報および技術上の秘密情報を保有しております。これらの情報の秘密保持、情報管理には細心の注意を払い、社内規程の整備、従業員教育等の対策、また、コンピューターウイルスへの感染、サイバー攻撃等による不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩および滅失等を防ぐための管理体制を構築し、安全措置を講じております。しかし、故意、過失の如何に関係なく、外部に情報が流出する事故が起きた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 法的規制について

当社グループの電子基板・部品製造用薬品は様々な化学物質を使用しております。日本をはじめ世界中には、化学物質による人の健康や環境への影響を最小化するための法規制があります。

当社グループでは、このような法規制を確認し順守に努めておりますが、改正等による法規制への対応や当社グループの製品開発が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。

(10) 自然災害、事故、感染症等の影響について

当社グループは、地震、洪水等の自然災害、事故、感染症の流行およびその他の災害により生産活動が妨げられないようにするために、生産拠点を分散して設置し、被災時の影響を最小化するべくBCP(事業継続計画)を策定するなど、活動を行っておりますが、災害等による影響を受けた場合、またサプライチェーンの分断により電子機器等の最終製品の生産量が減少し、電子基板・部品もその影響を受けた場合には、当社グループの損益および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前連結会計年度と売上高の会計処理が異なっておりますが、影響が軽微であることから、経営成績に関する説明におきましては増減及び前期比はそのまま比較表記しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における世界・日本経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)の抑制と経済活動の両立が進み、行動制限が緩和されるなか、世界的な物価高騰や金融引き締め、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やエネルギー問題、原材料・原油価格の高騰等さまざまな課題に直面し、景気下振れのリスクをはらむ予断を許さない状況が続きました。

エレクトロニクス業界は、個人消費の停滞により、パソコンやスマートフォン、ディスプレイ、タブレットPC等、コンシューマー向け電子機器の需要は低調に推移し、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資や新しい生活様式への対応等の影響を受け堅調であったデータセンターも調整局面となりました。

当社グループの関係市場である電子基板・部品業界は、エレクトロニクス業界の影響を受け、当社と関連が深い半導体を搭載するパッケージ基板において需要は拡大基調にあるものの、在庫循環的な調整局面となりました。

このような環境のもと、当社グループは高密度電子基板向け製品の開発、販売に注力いたしました。前期と比較した主要製品の売上動向としましては、半導体を搭載するパッケージ基板向けに高いシェアを持つ超粗化系密着向上剤「CZシリーズ」は、半導体市況の影響を受けたものの、パッケージ基板の大型・高多層化により堅調に推移し、売上増加に寄与しました。多層電子基板向け密着向上剤「V-Bondシリーズ」は、関連する自動車やスマートフォンの減産によりほぼ横ばいとなり、ディスプレイ向け「SFシリーズ」、「EXEシリーズ」は、消費マインドの冷え込みや在庫調整等の影響を受け、関連する電子機器の需要が低調で大きく減少しました。

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

資産は、増収による現金及び預金や棚卸資産の増加等により、前期末に比べ21億93百万円増加し、274億99百万円となりました。

負債は、主に未払法人税等の減少等により、前期末に比べ2億3百万円減少し、41億73百万円となりました。

純資産は、利益剰余金や円安による為替換算調整勘定が増加等により前期末に比べ23億96百万円増加し、233億25百万円となりました。

以上の結果、自己資本比率は84.8%、ROEは13.8%となりました。また、連結配当性向は27.9%となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は163億29百万円(前期比12億90百万円8.6%増)となりました。販売費及び一般管理費は57億99百万円(同4億15百万円7.7%増)となり、営業利益は40億4百万円(同64百万円1.6%増)、売上高営業利益率は24.5%、前期の26.2%と比較し1.7ポイント低下しました。経常利益は42億46百万円(同1億42百万円3.5%増)となりました。税金等調整前当期純利益は42億24百万円(同1億32百万円3.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は30億64百万円(同1億15百万円3.9%増)となりました。

売上高の内訳は、薬品売上高は160億42百万円(前期比12億85百万円8.7%増)、機械売上高は1億70百万円(同2百万円1.7%増)、資材売上高は1億8百万円(同16百万円18.4%増)、その他売上高は8百万円(同14百万円65.0%減)となりました。

海外売上高比率は60.7%となり、前期の57.5%に比べ、3.2ポイント増加しましたなお、日本国内代理店経由で販売した海外顧客への売上を海外売上高比率に含めた場合は、78.8%となり前期の76.6%と比べ2.2ポイント増加しました。

株主の皆様への還元といたしましては、年間配当金を45円とし、連結配当性向は27.9%となっております。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

日本

日本では、サーバーに関連する製品が堅調であったものの、後半に在庫循環的な調整局面となり、また、ディスプレイの在庫調整により関連する製品も影響を受けました。日本代理店経由で販売している韓国向けの売上においても、ディスプレイの需要動向を受け、当連結会計年度の売上高は66億47百万円(前期比15百万円0.2%減)、セグメント利益は26億93百万円(同3億94百万円12.8%減)となりました。

台湾

台湾では、感染症の影響により顧客における一時的な稼働低下の影響があったなか、サーバーに関連する製品が堅調であったものの、後半に在庫循環的な調整局面となり、また、ディスプレイの需要動向を受け、当連結会計年度の売上高は34億92百万円(前期比4億10百万円13.3%増)、セグメント利益は4億71百万円(同70百万円17.5%増)となりました。

香港(香港、珠海)

香港、珠海では、自動車やスマートフォンの生産が鈍化し関連する製品の需要が減速し、当連結会計年度の売上高は19億73百万円(前期比81百万円4.3%増)、セグメント利益は3億30百万円(同1億6百万円24.4%減)となりました。

中国(蘇州)

中国(蘇州)では、サーバーやスマートフォンの生産が比較的堅調に推移したものの、後半に需要の鈍化が見られ、当連結会計年度の売上高は28億12百万円(前期比3億67百万円15.0%増)、セグメント利益は3億22百万円(同67百万円17.4%減)となりました。

 

欧州

欧州では、高いインフレ率のなかにあるものの、顧客の生産活動には持ち直しの傾向にあり、当連結会計年度の売上高は8億6百万円(前期比1億62百万円25.2%増)、セグメント利益は79百万円(同34百万円75.1%増)となりました。

タイ

タイでは、今後拡大する東南アジア市場を深耕するため、2019年9月から稼働を開始いたしました。日本からタイへの当社製品生産地変更が進んだことや、基板メーカーの東南アジアにおける設備投資が活発化するなか、新規顧客の生産が立ち上がりつつあり、当連結会計年度の売上高は5億97百万円(前期比2億84百万円90.9%増)、セグメント利益は82百万円(前期は43百万円の損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は前連結会計年度末に比べて21億56百万円増加し、77億76百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、38億10百万円(前期比7億97百万円増)となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益が42億24百万円、減価償却費が7億59百万円、売上債権の減少が5億92百万円あったものの、法人税等の支払額が13億51百万円計上されたこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、9億39百万円(前期比1億78百万円減)となりました。

これは主に有形固定資産の取得による支出が5億72百万円、投資有価証券の取得による支出が2億73百万円計上されたこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、8億円(前期比1億15百万円減)となりました。

これは主に配当金の支払が7億85百万円計上されたこと等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日本

3,719,019

101.1

台湾

2,035,177

123.9

香港(香港、珠海)

1,117,306

118.5

中国(蘇州)

1,070,391

101.6

欧州

343,690

143.7

タイ

242,745

142.6

報告セグメント計

8,528,330

110.4

 

(注) 1 金額は、電子基板用薬品の製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

当社グループ製品は見込生産を主体としており、総販売高に占める受注生産の割合は僅少のため受注実績の記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日本

6,647,146

99.8

台湾

3,492,345

113.3

香港(香港、珠海)

1,973,177

104.3

中国(蘇州)

2,812,729

115.0

欧州

806,585

125.2

タイ

597,121

190.9

報告セグメント計

16,329,105

108.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。経営陣は、重要な会計方針の一部、具体的には貸倒引当金、賞与引当金、投資の減損、繰延税金資産、退職給付費用等に関する見積りおよび判断に対して、過去の実績や決算日現在の状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当社グループの当連結会計年度の財務状態は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

今後も更なる会社の財産の有効な活用に取り組む所存であります。

具体的には連結ROEは、10%をベースに持続的改善を図り、連結配当性向については30%を中期的目標といたします。

 

b.経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりでありますが、損益区分ごとの分析は以下のとおりであります。

 

売上高

当連結会計年度の連結売上高は163億29百万円となり、前期に比べ12億90百万円(8.6%)増となりました。そのうち薬品売上高は160億42百万円で、前期に比べ12億85百万円(8.7%)増となりました。主な要因は、堅調なサーバー需要を背景に関連製品の売上が増加したこと等によるものであります。機械売上高は1億70百万円、前期に比べ2百万円(1.7%)増となりました。

売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は98億3百万円となり、前期に比べ4億80百万円(5.2%)増となりました。売上総利益率は60.0%となり、前期に比べ2.0ポイント減少しました。主な要因は、薬品の出荷数量や利益率の高い製品の売上が減少したこと、原材料費が増加したこと等によるものであります。

販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は57億99百万円となり、前期に比べ4億15百万円(7.7%)増となりました。主な要因は、人件費や発送運賃、旅費交通費の増加等によるものであります。

営業利益

当連結会計年度の営業利益は40億4百万円となり、前期に比べ64百万円(1.6%)増となりました。売上高営業利益率は、24.5%となり、前期に比べ1.7ポイント低下しました。

 

③ 資本の財源および資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

また、当連結会計年度を含む5期間のキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。

 

回次

2018年

12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

2022年

12月期

自己資本比率(%)

81.5

80.5

81.2

82.7

84.8

時価ベースの自己資本比率(%)

109.2

143.6

200.3

300.8

143.7

債務償還年数(年)

0.4

0.3

0.2

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

1,425.5

855.2

1,839.8

3,698.6

3,836.1

 

(注) 自己資本比率          :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率    :株式時価総額/総資産

債務償還年数          :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。

3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を2019年12月期の期首から適用しており、2018年12月期のキャッシュ・フロー指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費、研究開発費および荷造運搬費等であります。また、これ以外に納税資金、利益配当金等も特定の時期に必要となります。

財務政策

当社グループは、運転資金および経常的な設備投資資金については手持資金で賄っており、工場建設等の大規模投資に関しましては、案件ごとに市場の金利情勢等に応じていくつかの選択肢から適切に資金調達を行う考えであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

(1) 当社グループの研究開発体制

 当社グループは、電子基板や電子部品向け等を中心とする関連市場のニーズを先取りし、研究開発へ積極的に反映させ、迅速に製品化することによって、エレクトロニクス製品の進化・高度化に寄与していくことを基本姿勢と しております。当社グループにおける研究開発活動は、電子基板や電子部品向け製造用薬品の新製品開発・既存製 品改良を中心としておりますが、同時に既存以外の新事業分野に進出するための開発も進めております。 当社グループでは、提出会社従業員数(2022年12月31日現在253名)の約3割を研究開発業務に配員して、研究開発機能を提出会社に集中させることにより、研究開発活動の効率化を図っております。 

 

(2) 提出会社における研究開発体制

 提出会社では79名が薬品の開発およびその関連業務に当たっております。

 提出会社の研究開発体制は、主に4つのグループが製品開発業務に当たっております。既存の製品の改良や技術サポートを行うグループ、新しい領域の開発を行うグループ、配線パターン形成用薬品の開発を行うグループ、金属と樹脂との接合技術を開発するグループであります。また薬品使用に適した機械・自動分析装置の開発業務を行うグループがあります。

このように、研究開発体制においては、テーマの進捗および市場ニーズの変化に適した組織により、迅速かつ柔軟に市場動向に対応できる体制を整えております。

 

(3) 研究開発活動の概要および成果

当連結会計年度の研究開発費総額は1,330百万円であり、すべて提出会社におけるものであります。

研究開発活動の基本方針は、様々な顧客ニーズに適した製品開発と品質向上を目指すことであり、その対象は高機能・高付加価値製品から顧客ニーズに合致した製品、あるいはコスト重視の製品開発まで多岐に渡っておりま す。特に、スマートフォンやタブレット端末向けの電子基板やディスプレイ関連の製造用薬品、今後大きく拡大すると期待されるIoTや自動運転の分野での高密度や高い信頼性が求められる電子基板向け製品の開発に注力しており、 最先端の技術に対応するよう研究開発活動を進めております。

当社の表面処理技術は、従来から当社が関わってきた分野のみならず、環境負荷低減を意識した他分野にも応用展開が可能と考えております。

今後も様々なニーズを敏感に捉え、さらなる用途拡大に向け、力を尽くしてまいります。 また、今後は基礎研究も進め、将来の表面処理に関する様々なニーズに対応する所存であります。