第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、お客様が社会課題を解決するための価値ある商品を提供できるよう、計測・解析・制御ツールを通し、社会に貢献することを使命としております。

また当社グループでは、2030年に下記社会の実現を目指し、貢献できる技術を磨き、成長と共創で強みを伸ばし、「確かさ」と「豊かさ」を提供してまいります。

 

①安心して暮らせる社会  ②人間らしく生活できる社会  ③共創・共存し持続可能な社会

 

MISSION(私たちの使命)

『産業のマザーツールで社会に貢献します』

 

VISION(私たちの目指す姿)

 『お客様と共創し、社会に安心を提供します』

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの経営課題は、いかなる状況においても利益を確保できる体質に改善していくということであります。そのために、中期的には「売上高営業利益率15%以上」、「フリー・キャッシュ・フローを改善し、財務体質を強化」を目標とし、ROEにつきましても10%以上となることを目指します。

なお、2022年から2024年までの中期経営計画「Challenge StageⅢ」では、現状の業績水準から、以下の経営目標を掲げております。

連結売上高

連結営業利益

ROE

海外売上高比率

140億円

10億円

5%以上

27%

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、

 

長期経営戦略

・ モノ→コト→モノの循環による顧客価値創出

 

を掲げております。デジタル化、モジュール化、及び技術のコモディティ化がグローバルで進行するなか、これまでの機能、性能、品質といった「製品(モノ)の機能的価値」の追求から、体験や主観的価値、またはソリューションをはじめとした「サービス(コト)による付加価値」への転換が図られております。こうした「モノからコト」への流れに加え、お客様との共創のなかで得た知見を、再び技術や製品へフィードバックすることで、更なる顧客価値の創出を行います。

 また、これらの実現へ向けた取り組みとして、2022年から2024年までの中期経営計画「Challenge StageⅢ」におきまして、以下の方針、テーマを掲げ、推進してまいります。

 

 基本方針:事業再生(Reborn)

  テーマ① 成長戦略 「環境」「社会的課題の解決」を通した成長の実現

  テーマ② 業績伸長 アジア地域を中心とした海外市場の強化による収益の拡大

  テーマ③ 構造改革 DXとオープンイノベーションの推進による改革の実現

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症による、生活様式やそれに伴う人々の意識の変化、またSDGsに代表される環境、社会、人権等への意識の高まり、加えて当社グループの主要顧客である自動車業界において提唱されております「100年に1度の変革期」など、CASE(Connected、Autonomous、Shared/Service、Electric)やMaaS(Mobility as a Service)に代表される変革が、これまでにない早さで進行しており、当社を取り巻く事業環境は大きく変化することは避けられないと予想されます。

当社グループでは、大きく変化する事業環境に対応し、更なる成長を遂げ、また当社グループが描くビジョン(ありたい姿)を実現するため、新中期経営計画「Challenge StageⅢ」を策定し、2022年1月28日に公表しました。本中期経営計画におきましては、コロナ禍によって大きな影響を受けた業績の回復を目指し、「事業再生」の方針を掲げて推進いたします。

成長戦略としましては、「環境」「社会的課題の解決」を通した成長の実現を掲げております。音環境に関する新しい取り組みとしましては、株式会社Sound Oneを設立し、これまでコンサルティング業務で培ってきた音の感性評価と、計測機器事業の音響解析の技術を組み合わせたWebサービスを提供するクラウド事業領域に進出いたしました。今後もお客様との価値共創を目指し、広く社外との連携を深め、新たな技術の創造による新商品、新サービスの開発に取り組みます。また、計測、解析、課題解決、ベンチ運用等をエンジニアリングすることでサービスによる収益を確立し、同時にそこから得られる市場情報を、いち早く商品開発へとフィードバックする体制を整えてまいります。既存の製品群につきましては、最新の技術によるアップデートを行うとともに、グリーンイノベーションへの対応等に向け、アプリケーションの充実に取り組みます。

業績伸長への取り組みとしましては、アジア地域を中心とした海外市場の強化による収益の拡大を掲げております。今期は中国におけるコロナ対策の影響もあり、販売増に繋がる十分な活動ができませんでした。今後は海外現地法人との連携をより一層強化し、サービス体制の拡充とともに、グローバル市場での拡販を図ってまいります。また、Web展示会やウェビナーなど、DXをより一層進展させ、これをマーケティング分野にも応用することで、新市場の開拓に取り組んでまいります。

構造改革への取り組みとしましては、DX とオープンイノベーションの推進による改革の実現を掲げております。人財の育成に取り組み、従業員エンゲージメントの向上を目指すとともに、DX や社外との連携により変革を加速させてまいります。また、当社社員全員が、必ず新たな「挑戦」をする施策を進めてまいります。

これらの活動を通じまして、持続的な成長と中長期での企業価値向上を目指してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の経営成績、財政状態、及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループにおきましては、これらのリスクに関しまして、社内にリスク管理委員会を設置し、適切に管理を行い、対策について協議しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、これらに限定されるわけではありません。

(1) 設備投資動向によるリスク

当社グループは、自動車業界関連、電機・電子業界関連が主要なユーザであります。当社グループの業績は、これらの業界の研究開発投資動向並びに生産動向に影響を受けております。将来におきましても、特定業界からの需要の落ち込みにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 資産の保有リスク

有価証券等の金融資産を保有しており、定期的に時価や取引先企業の財務状況をモニタリングしておりますが、時価の変動等により当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 生産・製造設備の老朽化

当社グループでは事業活動に関連し、建物及び建物附属設備、生産設備等多くの固定資産を所有しておりますが、老朽化に伴う生産への影響や、更新及び維持費用の増大、安全への影響等、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 繰延税金資産や減損処理の影響

当社グループは、事業用の資産として様々な有形・無形固定資産や繰延税金資産等を計上しております。これらの資産については、事業計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 重要な訴訟等

当社グループの事業活動に関連し、様々な事由により、当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があり、その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 海外展開

当社グループでは、海外市場における事業の拡大を図っております。海外事業においては、それぞれの国や地域において、法令や商習慣の相違等による不確実性が存在するほか、海外進出や経済状況の変化、地域紛争の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 原材料の動向によるリスク

当社グループの主要原材料は、電気、電子部品、及び金属、プラスチック等の材料部品であります。電子回路部品については、半導体市場の動向によって需要が大きく変化し、またその変化のスピードが速いことが特徴であります。このことに対応するため、複数の入手経路を確保しておりますが、半導体の市場動向により、原材料の調達等に影響を及ぼす可能性があります。

また、原材料に対する法的規制等による部品供給の停止、原材料の変更に伴う設計変更や、その対応等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティ上のリスク

当社グループの事業活動に関連し、技術情報や顧客情報等の重要な情報を保有しております。当社グループでは社内規程の整備や情報保護のための施策の徹底を図っております。また、当期より新たにクラウド事業領域に進出したことにより、国際規格ISO/IEC 27001(ISMS認証)の取得を行いました。しかしながら、コンピューターウイルスの感染や不正アクセス等の事態により、外部への漏洩が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害、及び感染症蔓延のリスク

  大規模地震の発生や、気候変動などに起因する落雷や水害等の自然災害の発生、火災等の事故、また感染症の拡大により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 気候変動に関するリスク

  近年、気候変動の影響を受け、環境関連法規制の強化により、脱炭素社会に向けた地球環境保全に関連する費用の増加や、脱炭素社会移行への要求の高まりに対して当社グループの対応が遅れた場合には、販売機会の損失等による企業価値低下が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人財確保に関するリスク

当社グループでは人材を「人財」として捉え、多様な人財が挑戦し続ける場の創出に努めております。当社グループの事業活動では専門性を有した社員により支えられており、継続的に教育や研修を行い人財育成の強化に努めておりますが、優秀な人財の確保及び育成が想定通りに進まない場合、あるいは人財の社外流出があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 (1) 経営成績

(事業環境)

当連結会計年度のわが国経済は、新たな変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大、世界的な半導体部品等の供給不足や、ウクライナ情勢の長期化、エネルギー価格の高騰、急速な円安の進行、さらには中国における対コロナ政策による物流等への影響など、引き続き不透明な状況が継続しました。

当社グループの主要顧客である自動車業界においては、急速に進行する電動化対応を強化する一方、半導体不足等による生産の落ち込みが解消に至らない状況が継続しております。

 

(受注高、売上高及び受注残高の状況)

このような事業環境のなか、受注高は11,201百万円前期比0.4%減)となりました。一部に回復の傾向も見られますが、依然としてお客様の設備投資に対する姿勢は慎重であり、回復は緩やかであります。

売上高は、10,928百万円前期比10.9%増)となりました。第2四半期から第3四半期にかけては、部品供給不足の影響により、受注残高を売上へ結びつける事が難しい状況が生じておりましたが、第4四半期に入り、一部の欠品部品が調達できたことから生産が回復し、ほぼ想定どおりの売上高を計上することができました。

これらの結果、当連結会計年度末の受注残高は、5,418百万円前期比5.3%増)となりました。

 

(損益の状況)

損益面では、営業利益は55百万円前期は859百万円の営業損失)、経常利益は211百万円前期は685百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は246百万円前期は1,271百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

生産の効率化に向けた取組みなどを継続したことから、売上原価率は52.0%前期は56.1%)と改善することができました。原材料価格の上昇があるものの、販売価格の適正化に努めております。

販売費及び一般管理費は、全体的な費用の見直しを進めました。研究開発費は、部品の長納期化に対応した設計変更を含め121百万円増加する一方、減価償却費の減少や、費用圧縮等により収益性が改善され、営業利益を計上することができました。また、保険商品の変更等による保険解約返戻金80百万円、政策保有株式の見直しに伴う投資有価証券の売却益44百万円により、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が増加いたしました。

なお、当連結会計年度より、収益認識に関する会計基準等の適用を行っております。これによる影響額は「第5経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

当社グループでは、大きく変化する事業環境に対応し、更なる成長を遂げ、また当社グループが描くビジョン(ありたい姿)を実現するため、新中期経営計画「Challenge StageⅢ」を策定いたしました。本中期経営計画におきましては、コロナ禍によって大きな影響を受けた業績の回復を目指し、「事業再生」の方針を掲げて推進いたします。また、クラウド事業領域に進出する事を目的として、株式会社Sound One(本社横浜市、資本金90百万円)を設立し、9月より業務を開始しました。当該子会社の設立による当期業績に与える影響は軽微であります。これらの詳細につきましては、2022年1月28日公表の「中期経営計画「Challenge StageⅢ」策定に関するお知らせ」、及び2022年8月30日公表の「子会社設立のお知らせ」をご参照ください。

(当社ホームページhttps://www.onosokki.co.jp)

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

<計測機器>

「計測機器」は、受注高は3,886百万円前期比5.0%減)、売上高は3,959百万円前期比5.1%増)、セグメント損益は119百万円の利益前期は309百万円の損失)となりました。

回転速度分野、寸法変位分野など生産ライン関連商品や、音響・振動関連のセンサ類、半導体製造ライン向けの厚さ計等が好調に推移しました。一方、データ処理分野につきましては、部品の長納期化等を踏まえた昨年度中の前倒し発注の反動等により想定を下回り、微増にとどまりました。

当社の製品は多品種少量生産であることから、部品の長納期化の影響は広範囲の製品に及びます。当社としましては、部品の在庫確保や先行発注等を行っているものの、一部の部品欠品による生産遅延が発生し、受注や売上に影響がありました。部品の長納期化については、緩和の兆しが見えつつあり、今後の改善に期待するものです。

また、中期経営計画の施策として、計測機器のグローバル市場での拡販を掲げておりますが、中国におけるコロナ対策の影響もあり、販売増に繋がる積極的な活動が出来ませんでした。

 

<特注試験装置及びサービス>

「特注試験装置及びサービス」は、受注高は7,302百万円前期比2.3%増)、売上高は、6,956百万円前期比14.5%増)、セグメント損益は63百万円の損失前期は549百万円の損失)となりました。

期首受注残高が大きく増加しておりましたが、部材の供給不足や他社納入品の遅延に伴い、売上予定であった案件が先送りとなるなど、第3四半期まで影響が顕著に表れておりました。期末に向けて生産、出荷、現地調整等に注力し、相当量の案件の売上計上が出来たものの、先送り案件をすべて解消するには至りませんでした。

なお、修理・校正などのアフターサービスや受託試験などのエンジニアリング領域は、堅調に推移いたしました。

 

<その他>

「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、損害保険代理業務及び当社が所有する土地・建物の管理業務、その他当社からの委託業務等を行っております。

当区分の売上高は157百万円前期比1.2%増)、セグメント利益は31百万円(前期比12.2%増)となりました。なお、当区分の外部顧客に対する売上高は12百万円(前期比1.7%増)であります。

 

 

 

(生産、受注及び販売の実績)

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

計測機器

3,625

△1.3

特注試験装置及びサービス

6,861

25.8

その他

合計

10,487

14.9

 

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

計測機器

3,886

△5.0

748

△8.9

特注試験装置及びサービス

7,302

2.3

4,669

8.0

その他

157

1.2

 (調整額) (注)1

△144

合計

11,201

△0.4

5,418

5.3

 

(注) 1 (調整額)はセグメント間取引消去であります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

計測機器

3,959

5.1

特注試験装置及びサービス

6,956

14.5

その他

157

1.2

 (調整額) (注)1

△144

合計

10,928

10.9

 

(注) 1 (調整額)はセグメント間取引消去であります。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

本田技研工業㈱

1,494

15.2

1,349

12.3

トヨタ自動車㈱

962

9.8

1,056

9.7

 

 

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当連結会計年度末における資産合計は21,109百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,662百万円増加しました。主な内訳は、現金及び預金の増加、売掛金の増加、原材料の増加、投資有価証券の増加であります。

 

② 負債の部

当連結会計年度末における負債合計は7,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ997百万円増加しました。主な内訳は、短期借入金の増加であります。

 

③ 純資産の部

当連結会計年度末における純資産は13,386百万円となり、前連結会計年度末に比べ665百万円増加となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加、投資有価証券の時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加であります。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ250百万円増加(12.3%)し、2,276百万円となりました。

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、230百万円の支出(前期は498百万円の支出)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益255百万円、減価償却費543百万円、売上債権の増加額912百万円、棚卸資産の増加額131百万円、未払消費税等の増加額125百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、160百万円の支出(前期は2百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出278百万円、無形固定資産の取得による支出186百万円、保険積立金の解約による収入267百万円であります。 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、569百万円の収入(前期は374百万円の支出)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加額600百万円、長期借入金の返済による支出28百万円であります。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は長期借入金を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,103百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,276百万円となっております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

当社グループの連結財務諸表作成において、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、将来を見据えた基礎的な計測制御技術の研究と、ユーザのニーズに応じた新製品の開発活動を並行に進めていくことを基本方針としております。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は1,298百万円でありました。特に音響・振動に関わる計測及びデータ処理についてのニーズや、自動車開発用の各種試験機についてのニーズは相変わらず多く、これらの分野に関する新製品を継続して開発するとともに、将来の技術シーズの獲得のための基礎的研究も強化してまいりました。

当連結会計年度におけるセグメントごとの主な研究開発成果は、次のとおりであります。

<計測機器>

当社グループでは従来から多岐にわたる機械・物理特性を計測する計測器を開発しており、その対象は各種センサ類、回転・速度、寸法・変位、音響・振動、トルク、自動車関連、ソフトウェア等の分野に広がっております。

当連結会計年度においても、新しい計測ニーズに対応するためのシーズ技術の研究、計測・解析技術の高度化のためのアルゴリズムの研究、センシングの高精度化、高分解能化のためのハードウェアの開発等に取り組みました。

当連結会計年度の主要な成果としましては、音響・振動計測分野において、計測プラットフォームであるDS-5000に、スマートフォンやタブレットからリモートコントロールを行い、PCレスでデータ取得が可能な単独収録機能を搭載しました。主力ソフトウェア製品であるO-Solutionについては、音質評価・変動音解析・変動音シミュレーターをリリースし、音響解析機能の強化を図りました。また、周波数応答計測ソフト(サーボ解析)をDS-5000に対応することで、演算の高速化、最大計測チャンネル数の増加などの機能向上を図りました。これらの機能追加により、EV/HEV等のバッテリーのインピーダンスも高分解能で測定可能となりましたので、電池開発、評価の分野への拡販を進めてまいります。

自動車性能分野においては、トランスミッション等の生産ラインでギアノイズを判定するGN-1100について、EV/HEV用途のモータや減速機などの異常検査の要求に応える機能と性能を強化しました。トルク計測分野では、小型高剛性トルク検出器RHシリーズをモータ試験装置MTシリーズに標準搭載し、高周波数領域までのトルク挙動解析を含めたモータ性能試験を可能とするなど、ラインナップ増強を進めました。また、AI領域の研究も継続的に進めており、エンジン放射音からノッキング音や筒内圧を深層学習により推定する手法は、第72回自動車技術会賞の論文賞受賞の成果に結び付きました。引き続きAI領域の研究を進め、製品への搭載を図り付加価値向上を図ってまいります。

当社グループにおいては、常に品質向上を目指して開発プロセスにCMMI(Capability Maturity Model Integration)、ISO9001を適用すると共に、高品質なものづくりを可能とするような製造プロセスを実現するための地道なプロセス改善も続けております。今後もこれらの活動を継続し、翌連結会計年度も複数の分野においてユーザニーズに応えるような新製品開発(センサ、カウンタ、計測器およびソフトウェア)を継続して実施し、完成次第順次市場投入する予定としております。

当セグメントにおける研究開発費の金額は、786百万円であります。

 

<特注試験装置及びサービス>

特注試験装置の主なユーザは自動車メーカ及びその関連メーカ、関連機関となります。当連結会計年度では、多様化する台上試験機(EV/HEV、FCV、駆動系、内燃機関等)の試験ニーズに迅速にかつ柔軟に対応するため、主力の特注試験装置(FAMS-R5シリーズ)の後継機種開発に注力いたしました。本開発により、システムの付加価値向上を実現し、既存市場での拡販、新市場へのアプローチを強化してまいります。

また、EV/HEV等の完成車試験装置RC-S(Real Car System)の超低速度領域の制御性向上を図り、台上で実路と同等の始動試験を可能とするなど付加価値を高めることで、新規特注試験装置の受注に貢献いたしました。

自動車試験用の実験棟(栃木県宇都宮市)においては、継続して自動車開発における各種試験の受託業務を実施し、そこで得られる各種情報のフィードバックも取り込みながら新たな付加価値の創造を目指したシーズ技術の探求や、計測・制御技術の高度化のための研究開発を実施しております。

当セグメントにおける研究開発費の金額は、512百万円であります。

 

 

第3 【設備の状況】

1 【設備投資等の概要】

当社グループは、長期的に成長が期待できる製品分野及び研究開発分野に重点を置き、かつ、競争激化に対応し製品の原価低減と品質向上を図り、また、利益獲得のための拡販を目指すため、有形固定資産及び無形固定資産に対し投資を行っており、当連結会計年度は全体で455百万円の設備投資を実施いたしました。

「計測機器」においては、194百万円の設備投資を行いました。

「特注試験装置及びサービス」においては、260百万円の設備投資を行いました。
 

2 【主要な設備の状況】

(1) 提出会社

2022年12月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

その他

合計

本社・ソフトウェア開発
センター
(神奈川県横浜市港北区)

計測機器、特注試験装置及びサービス

本社機能研究生産設備

1,179

0

1,823

(0)

187

3,191

122〔22〕

横浜テクニカルセンター
(神奈川県横浜市緑区)

計測機器、特注試験装置及びサービス

研究生産設備

769

26

2,932

(16)

140

3,869

221〔47〕

宇都宮テクニカル&プロダクトセンター
(栃木県宇都宮市)

計測機器、特注試験装置及びサービス

研究生産設備

1,354

287

591

(28)

52

2,285

134〔81〕

 

(注) 1 帳簿価額の「その他」には、無形固定資産を含めております。

2 従業員は就業人員であり、臨時従業員は〔 〕内に年間の平均雇用人員を外数で表示しております。

 

 

(2) 在外子会社

2022年12月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

その他

合計

オノソッキ
テクノロジーインク

本社
(米国イリノイ州)

計測機器、特注試験装置及びサービス

その他
設備

3

0

3

5〔-〕

上海小野測器測量技術有限公司

本社
(中華人民共和国

上海市)

計測機器、特注試験装置及びサービス

その他
設備

11

11

22

10〔-〕

 

(注) 従業員は就業人員であり、臨時従業員は〔 〕内に年間の平均雇用人員を外数で表示しております。

 

3 【設備の新設、除却等の計画】

(1) 重要な設備の新設等

特記すべき事項はありません。

 

(2) 重要な設備の除却等

特記すべき事項はありません。