第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、経営理念「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」を掲げ、人々の健康と快適な生活の実現に真摯に向き合い、高品質な商品を提供し続けることで、社会と共に着実な成長を遂げております。また、経営理念の実現に向け、以下の行動様式(アースポリシー)及び価値観(アースバリュー)を定めております。

(アースポリシー)

 ・ お客様目線による市場創造

 ・ 熱意・創意・誠意

 ・ すぐやる・必ずやる・最後までやる

(アースバリュ-)

 ・ 全員参画

 ・ コミュニケーション

 ・ 人がすべて

 

(2) 経営環境

当社グループを取り巻く経営環境を以下のように認識しております。

 

[家庭用品事業]

国内においては、ウィズコロナ下での経済活動の再開が進む一方で、ウクライナ侵攻や資源・エネルギー価格の高騰、急激な円安進行等によって、2022年度は当社グループの事業に大きな影響を与えました。また、急激な物価高騰に対する消費者の節約意識が高まりつつあり、個人消費の回復が低迷しています。今後も原材料価格の高騰、為替影響、加えて国内の消費動向は不透明な状況が続くものと考え、当社グループへの影響を注視する必要があります。一方、海外においては、中国ではゼロコロナ政策により経済活動の低迷は続きましたが、今後は規制緩和が進み、経済活動が再開するものと考え、当社グループの優位性を活かした製品の投入などを進め、同国での成長回復につなげていきます。また、東南アジアでは新型コロナウイルス感染症からの経済回復が早く、旺盛な内需等を背景に経済成長が進んでいます。同エリアにおいては今後も当社グループとの取り組みがマッチし、高い成長が維持されると推察しています。

 

[総合環境衛生事業]

主要な顧客層である食品関連業界をはじめ、医薬品関連業界、包材関連業界において異物混入対策などの衛生管理対策ニーズは高水準であり、全体的な事業環境は好調を持続すると考えています。しかし、新型コロナウイルス感染症のまん延やウクライナ危機による原料や資源の価格高騰に伴い、これまで締結している契約内容の縮小もしくは解約を要望する顧客側の動きなど、事業成長を一時的に抑圧する要因も抱えています。

 

(3) 優先的に対処すべき課題

当社グループは経営理念「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」のもと、社会課題の解決と事業収益拡大の両立を中核に据えた2021年~2023年(3ヵ年)の中期経営計画「Act For SMILE-COMPASS 2023-」を2021年2月に公表しております。本中期経営計画では、資本効率を意識し、収益性を一層高める経営を進めていくこととし、その達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)は営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROE(いずれも連結ベース)としています。最終年度である2023年の目標値は営業利益140~160億円、親会社株主に帰属する当期純利益100億円、ROE13%以上としておりますが、昨今の資源・エネルギー価格の上昇による原材料価格の高騰、為替影響などにより達成が困難な状況にあることから、KPIの見直しを図ります。ただし、本中期経営計画の施策に対する成果が出始めていることを受け、本計画の方向性や戦略は変更せず継続してまいります。加えて、以下に記載する課題を優先的に対処しつつ、変化に対応できる、より柔軟で筋肉質な体制へと強化し、持続可能な企業価値の向上へ取り組んでまいります。

 

 

[アジアにおける収益基盤の拡大]

当社グループは、アジアにおける収益基盤の拡大を中期経営計画における最重要戦略の一つに位置付けております。ウィズコロナの経済活動を再開したASEANは堅調な成長率を維持している一方、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中国は不透明な状況が続いています。各国の状況を注視し、適切に経営資源を配分し、展開基盤の強化を図っています。

 ASEANでの展開については、同じASEANであっても各国で異なる気候・文化・嗜好・法規制などへ適切に対応するため、今後の成長が見込める国に拠点を設け、各国のニーズに見合った製品開発や販促施策を行い、収益拡大を目指しています。タイの現地法人Earth (Thailand) Co., Ltd.では、マーケティング費用の効率的な活用などによって収益構造の改善が進んでおります。今後も営業施策を強化し、ブランド認知度を向上させ、さらなるシェア拡大を目指すと同時に安定した収益基盤を構築してまいります。ベトナムの現地法人Earth Corporation Vietnamでは、活発な市場環境を背景に積極的に新製品を投入しシェア拡大を目指すとともに、収益性の向上を図ってまいります。加えて、同国の地理的優位性を活かし、中長期的な海外展開の主要な生産拠点として投資を継続してまいります。マレーシアの現地法人EARTH HOME PRODUCTS (MALAYSIA) SDN.BHD.では、コロナ禍からの経済回復が進んでいる環境下において、営業施策の見直し・強化を図り、虫ケア用品や芳香剤を投入し収益拡大に努めてまいります。また、2022年に買収したフィリピンの現地法人EARTH HOMECARE PRODUCTS (PHILIPPINES), INC.では、高い成長を続けている経済環境のもと、芳香剤や虫ケア用品を市場投入し、ブランド認知度の拡大に取り組んでまいります。今後も展開エリアの新規開拓によりASEANでのさらなる事業規模の拡大を図ってまいります。

 中国での展開については、コロナ禍の経済低迷によって主力のECチャネル向け販売が停滞傾向にあります。主要ECチャネル以外の新興ECチャネルも積極的に活用し、虫ケア用品や洗口液、掃除用品など当社グループの優位性を活かした製品の投入により収益効率を高めてまいります。

 輸出・越境ECでの展開については、各国における現地代理店との強固なパートナーシップによりきめ細かなマーケティング活動を展開し、国ごとに異なるニーズに見合う製品の開発と投入、高収益製品への注力を図り、将来的な展開国拡大に向けた基盤づくりを進めてまいります。 

 

[ESG・オープンイノベーションの推進]

当社グループは「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」という経営理念のもと、国連が提唱するSDGsの達成に向けて、ESGの視点を組み込み、外部との連携によるオープンイノベーションの推進を通じ社会課題の解決を目指しております。
 E(Environment:環境)の視点では、バリューチェーン全体に関連する気候変動を含む環境問題に配慮することは当社グループ全体の事業の持続可能性に直結し、中長期的な企業価値に係わる課題と認識しています。省エネルギーの取り組みや再生可能エネルギーへの転換、TCFDの枠組みに沿った情報開示の推進など、脱炭素社会への移行に貢献する活動の他、製品のライフサイクル全体の環境負荷に配慮した製品開発、製品づくりへの3R視点(リデュース・リユース・リサイクル)の活用、当社独自の環境基準「アースECO基準」の設定など、環境負荷低減に向けた取り組みを継続してまいります。

S(Social:社会)の視点では、アースバリュー「人がすべて」の価値観に基づき、多様な人財が活躍できる職場の実現を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を行ってまいります。従業員の健康と安全に配慮した職場環境のために健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組んでいます。2022年は当社の取り組みが優良であると認められ、経済産業省と日本健康会議が共同で選ぶ「健康経営優良法人2022ホワイト500」へ2年連続の認定を果たしました。これからも従業員の健康管理の促進、長時間労働の是正など、職場環境整備を継続してまいります。また、虫ケア用品のリーディングカンパニーとしての経験と知見を活かし、日本発の革新的触媒技術「MA-T System® (Matching Transformation System®)」の普及を通して、MA-T System®の社会的信用の向上や産業創造による経済効果の拡大、社会課題解決の可能性を探ることを当社のミッションと考えております。2022年は、MA-T System®を活用した医科歯科向け口腔ケア用品の開発、販売をするとともに、当社が加盟する日本MA-T工業会とパシフィックリーグマーケティング株式会社と公式衛生パートナーシップ契約を締結し、パ・リーグ6球団の衛生対策サポートを行うことになりました。当社は、今後も日本MA-T工業会をプラットフォームとして企業・研究機関その他の各種団体と連携し、幅広い産業でのMA-T System®の活用と価値向上へ取り組んでまいります。

G(Governance:企業統治)の視点では、あらゆるステークホルダーから信頼され、持続可能な経営を推進するために、透明性を持ったガバナンス、リスクマネジメントを行ってまいります。当社は2022年4月に株式会社東京証券取引所の新市場区分における「プライム市場」へ移行いたしました。今後もコーポレートガバナンス推進委員会の活動を通じて、2021年に改訂されたコーポレートガバナンス・コードに準拠し、企業価値の向上に資するようダイバーシティの推進や実効性のあるガバナンス体制を構築してまいります。

 

 

[グループ経営資源の活用によるシナジーの創出]

当社グループは、グループのコアである国内事業基盤をさらに盤石にするために、「一緒にやった方が合理的なものは一緒に、そうでないものは単独で」の考え方のもと、バックグラウンドの異なるグループ各社がお互いを認め合いながら、マーケティング・研究・調達・生産・物流・販売・システムなどバリューチェーン全方位での連携を強化し、シナジー創出を図っております。
 具体的な取り組みとして、各社が持つユニークな視点や発想、独自の技術やノウハウを積極的に共有し、イノベーティブな商品開発を促進する技術交流会「INSPIRE ONE EARTH」を定期的に開催し、一社では成し得ない新商品のスピーディーな開発・発売を行っております。また、当社グループが市場をけん引する粉末入浴剤市場のさらなる活性化を目指し、『バスクリン』と『バスロマン』の容器の全面リニューアルを行っています。サステナブルな紙容器に統一したことで生産ラインの一本化に成功し、環境配慮だけでなく生産性向上を実現しています。その他、システム統合による業務の共有化と標準化の促進、原材料・包装資材の共同調達によるスケールメリットを活かしたコスト削減、キャッシュマネジメントシステムの適切な運用による効率的な資金管理などに取り組んでおります。
 今後も生産物流拠点の合理化、グループ調達やグローバル調達の拡大、大規模なシステム投資による購買システムなどのITインフラの刷新、グループ間の人財流動化などにより、シナジーを生み出してまいります。

 

[独創的な環境衛生サービスの提供]

食品や医薬品、医療についての安全基準に対する国際的な調和の流れや、国内における法改正などを背景に、衛生管理の自社運用が強化されるなか、主要なお客様である食品関連業界や医薬品関連業界、包材関連業界においては、当社グループが専門的な知識や技術、ノウハウをもって提供する高品質な衛生管理サービスへのニーズが高まっている状況です。

こうした状況のもと、より高品質なサービスを提供するため、お客様のニーズに速やかに対応できる社内体制やネットワークシステムの構築を進めてまいります。また、今後の業容拡大に向けて、教育訓練用細胞培養加工施設の活用など、彩都総合研究所(大阪府茨木市)を拠点とした研究・技術開発や人財の教育訓練を継続するとともに、IoT・AIなどのデジタル技術を活用したサービスなど、お客様へのサービス向上、業務効率改善を目的とした投資を進めてまいります。

 

[業績評価・投資判断における評価軸の設定と収益管理]

当社グループは、成長力とともに収益性を高めるにあたり、資本効率を意識し、営業利益を最重要経営指標とした経営に取り組んでまいります。グループ各社で統一された業績評価基準の整備・明確化を進め、働き方改革の推進による労働生産性の向上へ向けて、基幹システムやグループICTインフラの刷新など過去最大規模のIT投資を行っており、これらを通じた経営資源の適切な配分によって、利益・キャッシュを効率的に創出してまいります。

具体的な取り組みとして、事業部別・カテゴリー別に評価単位を細分化し、利益管理指標を段階的に設け収益性を綿密に管理するとともに、投資案件ごとに資本コストを意識したハードルレートを設定し、投資効率を高めてまいります。

 

(4) 2023年12月期の業績計画及び達成に向けた取り組み

当社グループが成長ドライバーとして最も重視する海外での展開においては、主要な展開エリアであるASEAN・中国に現地法人を配し、経営資源を積極的に配分することで収益性の向上・収益基盤の構築を図ります。加えて、将来的な成長が見込める地域・国を調査し、新たな展開国の開拓も進めてまいります。また、輸出・越境ECにおいては、各国のニーズに見合う製品の開発と投入、高収益製品への注力を図ることで、収益貢献を目指します。

日本国内の展開については、気候変動やコロナ禍に伴う外部環境の変化の中、収益力を向上させるため、製品・サービスの投入や見直し、プロモーションの実施及び新たな販売チャネルの開拓を続けてまいります。また、虫ケア用品のリーディングカンパニーとしての経験と知見を活かし、日本発の革新的触媒技術「MA-T System® (Matching Transformation System®)」の普及を行ってまいります。MA-T System®の社会的信用の向上や産業創造による経済効果の拡大、社会課題解決の可能性を探ることを当社のミッションと考え、日本MA-T工業会をプラットフォームとして幅広い企業・研究機関・各種団体と連携し、幅広い産業でのMA-Tの活用と価値向上へ取り組んでまいります。

こうした活動による成果の評価基準として、事業部別・カテゴリー別に評価単位を細分化し、利益管理指標を段階的に設け収益性を綿密に管理するとともに、投資案件ごとに資本コストを意識したハードルレートを設定し、投資効率を高めてまいります。また、働き方改革の推進による労働生産性向上に向けて、基幹システムやグループICTインフラ刷新などの大規模なシステム投資を積極的に進めてまりいます。

これらの取り組みを踏まえ、2023年12月期の通期連結業績予想を売上高1,600億円(前期比5.0%増)、営業利益80億円(前期比7.6%増)、経常利益83億円(前期比2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益54億円(前期比1.8%増)としています。

 

[家庭用品事業]  ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース

当事業におきましては、巣ごもり需要は落ち着きを見せているものの、ウィズコロナに向けた新しい生活様式が定着しつつあり、当社グループが取り扱う製品群への需要は継続するものと予測しております。一方で、原材料価格の高騰や円安による影響は当面継続すると見込んでいます。こうした状況において持続的な成長に必要な適正収益の確保を目指し、売上成長はもとより、原材料価格高騰の影響を考慮した製品価値に見合う適正価格での販売、経営資源の適切な配分、コスト効率の向上に取り組んでまいります。

当社グループの収益源である国内虫ケア用品については、コロナ禍で変容した市場を通じて、新たに掘り起こされたお客様の需要は今後も継続するものと予測しています。その中で、「予防」をコンセプトにした高単価・高付加価値製品の拡充、製造コストの低減、SNSなどを利用した効果的なプロモーションの実施、販売コストの効率化、年間定番製品の拡大などによる返品率の低減などを進めてまいります。日用品については、口腔衛生用品、入浴剤、消臭芳香剤など主たるカテゴリーにおいて、規模と収益を確保すると共に、新市場を創造していきます。これらに向けて、高付加価値新製品の投入・プロモーションの実施による話題提供、ECなど新たな販売チャネルの開拓を進めてまいります。

海外展開においては、各国で異なる気候・文化・嗜好・法規制などへ適切に対応するため、各国のニーズに見合った製品開発や販売施策を行ってまいります。タイの現地法人では、マーケティング費用の効率的な活用などによる収益構造の改善が進む中、当社グループの優位性を活かせるカテゴリーへの注力やブランド認知度の向上を通して、更なる成長を目指してまいります。ベトナムの現地法人では、積極的に新製品を投入し、シェア拡大を目指すと共に収益性の向上を図ってまいります。加えて、同国の地理的優位性を活かし、中長期的な海外展開の主要な生産拠点として投資を継続してまいります。マレーシアの現地法人では、営業施策の見直し・強化を図り、虫ケア用品や芳香剤を投入し、収益拡大に努めます。フィリピンの現地法人では、主に虫ケア用品の導入数を拡大しブランド認知度の向上に取り組んでまいります。

中国においては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続すると予想される中、新たな販路を開拓し、虫ケア用品や洗口液、掃除用品など当社グループの優位性を活かした製品の投入により収益効率を高めてまいります。

また、製造コストダウンや販売にかかる費用の低減、返品削減、マーケティング費用のコントロールの継続により、適正な利益を確保します。
 以上により、当事業における業績見通しを、売上高1,421億56百万円(当期比4.2%増)、セグメント利益(営業利益)67億50百万円(当期比14.3%増)としております。

 

[総合環境衛生事業]  ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース

当事業におきましては、彩都総合研究所を拠点に研究・技術開発や人財教育を進めるとともに、IoT・AIなどのデジタル技術を活用したサービスの提供、食品安全に関する監査業務の拡大、ライフサイエンス分野での展開の強化を図り、年間契約件数の増加による安定した収益拡大を目指します。

以上により、当事業における業績見通しを、売上高285億円(当期比1.9%増)、セグメント利益(営業利益)14億50百万円(当期比1.4%増)としています。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の季節性

家庭用品事業の主力である虫ケア用品の需要期は主として毎年4月~8月の約5ヵ月であり、例年、年間の市場販売額のおよそ8割がこの期間に集中するため、家庭用品事業の売上高もこの期間に占める割合が高くなります。虫ケア用品は、需要期を控えた3月から製品の出荷が始まり7月頃にはそのピークを迎え、その後12月にかけて取引先からの返品が生じます。このため、当社グループの業績については、第3四半期(1月~9月)までに収益が集中する一方、第4四半期(10月~12月)の収益は低下します。また、虫ケア用品は季節性が高く、当該期の天候等の影響で市場規模が収縮した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (連結)                                                                               (単位:百万円)

 

2022年12月

第1四半期
連結会計期間

第2四半期
連結会計期間

第3四半期
連結会計期間

第4四半期
連結会計期間

当連結会計年度

売上高

38,603

50,702

35,140

27,893

152,339

売上総利益

17,367

22,566

13,149

9,385

62,468

営業損益

5,323

6,617

71

△4,579

7,434

経常損益

5,648

7,066

185

△4,766

8,133

 

 

(2) 原材料価格の変動

当社グループは、複数の国・地域から原材料を購入しております。気候変動、為替変動、国際的な需要拡大等による需給動向の変化、また地政学的リスクなどに伴い、原材料の購入価格が高騰した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの取り扱う製品の原材料は石油化学製品の占める比率が高く、原油価格の動向には注視が必要です。

このようなリスクを認識した上で、当社グループでは処方の変更、複数社購買、グローバル調達などによる継続的なコストダウンに取り組むなど、リスク回避に努めています。

 

(3) M&A等の実施による影響

当社グループは、将来に向けて持続的な成長を図るため、M&A等を通じた事業領域及び展開エリアの拡大を推進しております。これらについて、事後に発生した想定外の事象や環境変化によって、想定した成果が得られない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料の代替性

虫ケア用品は殺虫原体という化学品を主成分とし、多くの虫ケア用品もこれを基幹原料として生産されております。殺虫原体は主要なユーザーが限定されており、毎年の需要と供給並びに市場価格は安定して推移しております。

殺虫原体の多くは国内外のメーカーから購入しておりますが、一部についてメーカーが限定されており、当該メーカーとの取引が継続困難となった場合や、仕入価格に大きな変動が起こった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(5) 海外展開におけるリスク

当社グループは、海外展開の強化を最優先課題に掲げ、タイ・ベトナム・マレーシア・フィリピン・中国の現地法人を中心にアジア地域での積極的な展開を進めておりますが、外国政府による規制や海外情勢、経済環境の変化など、想定しなかった事態が起きた場合、計画に対しての進捗が遅れる可能性があります。また、在外子会社の売上高、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しますが、換算時の為替レートにより、円換算後の数値が大幅に変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 事業に関する法的規制

家庭用品事業では、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器に該当する製品を取り扱っており「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の規制を受けております。また、農薬に該当する製品については農薬取締法の規制、肥料に該当する製品については肥料取締法の規制をそれぞれ受けております。事業を行うにあたっては、薬事品目に係わる製造販売業許可、各工場での製造業許可、各支店での医薬品卸売販売業許可の取得の他、各支店での農薬販売届を行っております。また、製品毎に製造販売承認や農薬登録を受けております。

総合環境衛生事業では、防虫・防鼠施工業務や建築物清掃業務などについては建築物における衛生的環境の確保に関する法律の適用を、また医薬品や劇物等の取り扱いについては薬機法及び毒物及び劇物取締法などの適用を受けます。こうした法規制により各支店において建築物ねずみ昆虫等防除業、建築物清掃業及び毒物劇物一般販売業などの許可を取得して事業を行っております。

これらの法的規制については、現在のところ問題なく対応しておりますが、今後改正や規制強化が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、特に家庭用品事業において許可の取り消しや業務停止等の処分を受けた場合は、当社グループの事業展開に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害・感染症による影響

当社グループは、地震等の自然災害に対してBCP(事業継続計画)のもと、BCM体制を構築しております。しかしながら、万が一大きな災害が発生した場合、生産設備の損壊、原材料調達や物流の停滞などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループでは、時差通勤やテレワークの推奨、ウェブ会議等を利用した社内外のコミュニケーションの実施、マスクの着用や事務所に消毒液を設置するなど感染予防対策を実施し、社員の健康管理を徹底したうえで事業を継続しております。しかしながら、収束までの期間が長期化した場合、社員・取引先への感染やサプライチェーンの混乱などにより、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 財政状態の状況

事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

a. 事業全体の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末より37億74百万円増加1,244億89百万円となりました。

流動資産の残高は、前連結会計年度末より56百万円減少739億62百万円となりました。これは主に、お客様への製品提供の機会ロスを防ぐために製品在庫を厚くしたことにより、現金及び預金が62億54百万円減少した一方、棚卸資産が47億50百万円増加したことなどによるものです。

固定資産の残高は、前連結会計年度末より38億30百万円増加505億27百万円となりました。これは主に、設備投資に伴い建設仮勘定が18億60百万円、退職給付に係る資産が12億21百万円増加したことなどによるものです。

(負債)

当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末より3億52百万円増加し、564億70百万円となりました。

流動負債の残高は、前連結会計年度末より10億40百万円増加533億41百万円となりました。これは主に、仕入債務が30億75百万円、返金負債が10億10百万円増加したものの、未払金が32億44百万円、未払法人税等が10億94百万円減少したことなどによるものです。

固定負債の残高は、前連結会計年度末より6億88百万円減少31億29百万円となりました。これは主に、長期借入金が12億円減少したことなどによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末より34億21百万円増加680億18百万円となりました。これは主に、利益剰余金が19億68百万円増加したことなどによるものです。

 

b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況

(家庭用品事業)

当連結会計年度末におけるセグメント資産の残高は、前連結会計年度末より56億60百万円増加1,305億79百万円となりました。これは主に、製品在庫を厚くしたことにより、現金及び預金が63億1百万円減少したものの、棚卸資産が48億95百万円増加したことに加え、建設仮勘定が18億60百万円増加したことなどによるものです。

 

(総合環境衛生事業)

当連結会計年度末におけるセグメント資産の残高は、前連結会計年度末より7億89百万円増加177億48百万円となりました。これは主に、退職給付に係る資産が4億80百万円増加したことなどによるものです。

 

(2) 経営成績の状況

① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明については、前連結会計年度と比較しての前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

 

 

a. 事業全体の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済について、国内景気は新型コロナウイルス感染症の感染拡大と収束が繰り返される中、ウィズコロナ下での経済活動の再開が進みました。一方で、ウクライナ侵攻や資源・エネルギー価格の高騰、急激な円安の進行等は企業活動に大きく影響を与えています。加えて、コスト増を背景に過去に類を見ない勢いで物価上昇が進んでいることで個人消費へも影響し、経済回復に影を落としています。

 また、当社グループが展開に注力するアジア地域においては、中国では長期ロックダウンの解除後、一時は経済回復の兆しが見られたものの、厳しいゼロコロナ政策は続けられました。その後、当該政策の撤廃が発表されましたが感染者数が増加し、同国の先行きは不透明感がぬぐえない状況となっています。一方、東南アジアではコロナ禍からの経済活動が再開され、旺盛な内需等を背景に経済回復が続いています。

このような経済状況の中、経営理念「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」のもと2021年2月に、「モノサシ・インフラの刷新」、「アジア収益基盤の拡大」、「ESG・オープンイノベーション」、「コストシナジーの創出」を基本方針とする中期経営計画「Act For SMILE-COMPASS 2023-」を公表いたしました。当連結会計年度もこれらの重点施策の遂行に取り組んでまいりました

当連結会計年度における当社グループの業績については、新型コロナウイルス感染症の蔓延による需要の増加が一段落する状況の中、主たる収益源の国内虫ケア用品では、高価格帯の新製品が売上に寄与したものの、全体的には夏場の天候不順などにより低調でありました。一方、中期経営計画の最重要戦略に位置付ける海外展開については当期も引き続き成長し、また総合環境衛生事業が衛生管理サービスのニーズの高まりを背景とした年間契約数の増加により伸長した結果、売上高1,523億39百万円となりました。利益については、原材料価格の高騰や為替変動、売上構成の変化により売上原価率が前期を上回ったこと、販促費の増加などが影響し、営業利益74億34百万円経常利益81億33百万円親会社株主に帰属する当期純利益53億3百万円となりました。

 

b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況  ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース

(家庭用品事業)

家庭用品事業におきましては、新製品投入による新規ユーザーの開拓、既存製品のリニューアルによる製品価値の向上とともに、広告宣伝や魅力ある売場づくりなどお客様とのコミュニケーション施策を通じて、市場の活性化に努めました。また、製造コストや販売にかかるコストの低減を図り、収益性の改善に努めました。海外では、東南アジアを中心に経営資源を積極的かつ有効に投入し、展開を拡大する取り組みを実施し、タイ・ベトナムを中心に売上を伸ばしました。

当連結会計年度における当事業の業績については、主力の虫ケア用品は付加価値の高い新製品による新しい需要の開拓によってシェアは増加したものの、前期に比べて日本国内の夏場の気温が低く、天候不順によって低調に推移しましたが、消臭芳香剤や掃除用品の売上増、海外における売上の伸長などにより、売上高は1,364億86百万円となりました。利益面では、原材料価格の高騰や為替変動に伴う影響に加え、売上構成の変化により売上原価率が前期を上回ったことが影響し、セグメント利益(営業利益)は59億9百万円となりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

連結会計年度

連結会計年度

(参考)

当連結会計年度-

会計基準変更影響を

除く

会計基準

変更影響を除く

前年比増減率

売 上 高

188,493

136,486

193,204

2.5%

セグメント利益(営業利益)

9,944

5,909

7,583

△23.7%

 

(注) 1.売上高にはセグメント間及びセグメント内の内部売上高又は振替高が含まれており、金額は前連結会計年度では11,804百万円、当連結会計年度では11,957百万円です。

   2.当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、売上高は56,718百万円減少、セグメント利益は1,677百万円減少しております。

 

 

部門別の主な売上高の状況は次のとおりであります。

 

虫ケア用品部門

国内においては、出荷最盛期の5月から6月前半にかけて前期より気温が低めに推移したこと、夏場を通して断続的に天候不順が続いたことによって、虫ケア用品の主力カテゴリーであるハエ・蚊用やゴキブリ用製品の売上が減少し、市場規模も前期を下回りました。一方、近年伸長を続けるダニ用や不快害虫用のカテゴリーにおいて、高付加価値・高価格帯の新製品『マモルーム』・『イヤな虫 ゼロデナイト』を投入したことにより、市場シェアは56.3%(自社推計、前期比0.4ポイント増)となりました。

海外においては、中国ではゼロコロナ政策の影響によって営業活動が制限され、売上が伸び悩みましたが、経済回復が進むタイ・ベトナムなどASEANで増収を確保しました。
 以上の結果、当部門の売上高は593億68百万円となりました。

 

日用品部門

口腔衛生用品分野においては、競争環境が厳しい中、洗口液の『モンダミン』が市場の成長に沿って売上を伸ばし、売上高は81億91百万円となりました。

入浴剤分野においては、新型コロナウイルス感染症によって拡大した市場規模は維持され、「お風呂を楽しむ」意識が定着する中、お客様が入浴剤に求めるニーズが多様化しています。こうした中、粒剤タイプの『きき湯』、分包タイプの『日本の名湯』、子供向けタイプの『あわっぴー』などが好調に推移し、売上高は269億46百万円となりました。

その他日用品分野においては、節電需要などを受け保冷剤や保温剤が前期を上回りました。また、消臭芳香剤『スッキーリ!』シリーズや掃除用品『らくハピ』シリーズなども売上に寄与し、売上高は331億37百万円となりました。

以上の結果、当部門の売上高は682億75百万円となりました。

 

ペット用品・その他部門

ペット用品分野においては、在宅時間の増加によりペット飼育頭数が増加し、ペットと過ごす時間が増えています。こうした状況下、ペットが快適に過ごせるように、タオル・クリーナーなどのペットケア用品が売上を伸ばしました。また、ペットケアのアンテナショップ『あーす・ぺっとはうす』の出店などの積極的な販売施策により、売上高は88億43百万円となりました。

 

 

(総合環境衛生事業)

総合環境衛生事業におきましては、食品や医薬品、医療についての安全基準に対する国際的な調和の流れや、国内における法改正などを背景に、衛生管理の自社運用が強化されるなか、主要な顧客層である食品関連工場や医薬品関連工場、包材関連工場においては、当社グループの専門的な知識や技術、ノウハウをもって提供する高品質の衛生管理サービスへのニーズが高まる状況でありました。一方で、経常的に発生する人件費や資機材の価格高騰はウクライナ危機により加速しました。

このような状況の中、人財育成、業務効率の改善を目的としたシステムの導入・開発など、お客様のニーズに対応できる社内体制構築に向けた投資を積極化するとともに、産学官連携の共同研究も含め、技術開発力の強化により差別化された衛生管理サービスを提供することで、契約の維持・拡大と適正な利益の確保を図りました。その中でも、医薬品業界・再生医療業界へ向けた種々の取り組み、食品安全マネジメントに関する監査・コンサルタント業務の強化を継続してまいりました。

 

当連結会計年度における当事業の業績については、原価率の上昇や人財への積極投資に伴う人件費の増加などの一方、年間契約件数の増加により伸長した結果、売上高は279億73百万円、セグメント利益(営業利益)は14億30百万円となりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

連結会計年度

連結会計年度

(参考)

当連結会計年度-

会計基準変更影響を

除く

会計基準

変更影響を除く

前年比増減率

売 上 高

27,234

27,973

27,981

2.7%

セグメント利益(営業利益)

1,114

1,430

1,437

29.0%

 

(注) 1.売上高にはセグメント間及びセグメント内の内部売上高又は振替高が含まれており、金額は前連結会計年度では138百万円、当連結会計年度では163百万円です。

   2.当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、売上高は7百万円減少、セグメント利益は7百万円減少しております。

 

c. 目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは、中期経営計画「Act For SMILE-COMPASS 2023-」を2021年2月に公表しております。当該中期経営計画の最終年度である2023年度の目標値を、売上高1,570億円(2022年12月期の期首より適用する「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等の適用後の売上高)、営業利益140億円~160億円、当期純利益100億円、ROE13.0%以上としておりました。しかしながら、昨今の資源・エネルギー価格の上昇による原材料価格の高騰、為替影響に加え、国内の天候不順などが重なったことにより、当連結会計年度の売上高は1,523億39百万円、営業利益は74億34百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は53億3百万円、ROEは8.6%となりました。こうした状況を踏まえ、本中期経営計画の目標値を見直すことといたしましたが、取り組みに対する成果は出始めており、掲げる方向性や戦略は継続してまいります。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

家庭用品事業

148,617

+0.1

合計

148,617

+0.1

 

(注) 1. 金額は、販売実績に基づいた価格によっております。

2. 総合環境衛生事業はサービス事業であるため、生産実績はありません。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

家庭用品事業

50,083

+4.8

総合環境衛生事業

2,076

+1.7

合計

52,160

+4.6

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 金額は、仕入実績に基づいた価格によっております。

 

c. 受注状況

当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

家庭用品事業

124,529

総合環境衛生事業

27,809

合計

152,339

 

(注) 1.当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため、2022年12月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前年同期増減率は記載しておりません。

               2. セグメント間取引については、相殺消去しております。

 3. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱PALTAC

42,459

20.8

39,209

25.7

㈱あらた

35,971

17.7

37,414

24.6

アルフレッサ ヘルスケア㈱

19,385

9.5

19,422

12.7

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

① 現金及び現金同等物

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて62億54百万円減少し、147億72百万円となりました。

 

② 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、増加した資金は39億1百万円(前期は48億14百万円の増加)となりました。この主な内容は、税金等調整前当期純利益80億57百万円(前期は109億63百万円)、棚卸資産の増加42億66百万円(前期は51億14百万円)、売上債権の増加13億38百万円(前期は1億61百万円)、仕入債務の増加29億97百万円(前期は6億68百万円)、のれん償却額4億29百万円(前期は18億36百万円)、法人税等の支払額28億30百万円(前期は55億62百万円)であります。

 

③ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、減少した資金は62億66百万円(前期は32億20百万円の減少)となりました。この主な内容は、有形固定資産の取得による支出48億93百万円(前期は26億16百万円)、無形固定資産の取得による支出9億99百万円(前期は2億86百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出7億22百万円(前期はゼロ)、投資有価証券の売却による収入5億39百万円(前期は68百万円)であります。

 

④ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、減少した資金は44億64百万円(前期は46億10百万円の減少)となりました。この主な内容は、配当金の支払額26億円(前期は25億36百万円)、長期借入金の返済による支出10億21百万円(前期は13億14百万円)であります。

 

 

⑤ キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,814

3,901

△912

投資活動によるキャッシュ・フロー

△3,220

△6,266

△3,046

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,610

△4,464

145

現金及び現金同等物に係る換算差額

327

447

120

現金及び現金同等物の増減額

△2,688

△6,381

△3,693

現金及び現金同等物の期末残高

21,027

14,772

△6,254

 

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、営業活動から得られる自己資金、金融機関からの借入などを資金の源泉としております。また、当社及び国内連結子会社間でキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中して一元管理を行うことで、資金の流動性の確保と資金効率の最適化に努めております。

設備投資やM&Aなどに伴う長期的な資金需要については、資金需要が見込まれる時点で、内部留保に加え、金融機関からの長期借入及びエクイティ・ファイナンスなどを活用して対応しております。また、運転資金など短期の資金需要については、自己資金及び短期借入を充当しております。

今後の中長期的な成長に向け、アジア収益基盤の拡大、ESG・オープンイノベーション、ICTインフラ刷新・DX推進などをターゲットに、資本コストを上回る選択的な投資によってキャッシュ・フローの拡大を目指してまいります。

 

⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いられた仮定が特に重要な影響を及ぼすと考えられる、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りは、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき合理的に判断し実施しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当第4四半期連結会計期間において、当社は、株式会社TWOの展開する「BARTH」ブランドに関する事業の譲り受けについて2022年11月8日開催の取締役会にて決議し、同日付で同社との間で事業譲渡契約を締結しました。当契約に基づき2023年3月1日に事業の譲受を完了いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」を経営理念に、めまぐるしく変わる国内外の市場環境や消費者志向に対応すべく、常に「お客様目線」に立ってニーズを発掘する姿勢、提供のタイミングを逃さない開発スピードを念頭におき、クオリティの高い安全な高付加価値製品を創造しております。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費は3,217百万円でありました。

報告セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。

 

(1) 家庭用品事業

① 基本方針

当事業では、お客様の生活空間の質向上を目的に、基礎的な研究を充実させ、お客様目線を第一に、独創的で高品質な製品を他社に先駆けて、提供することを目指しております。

この方針のもと、お客様や小売店様からの要望、国内外の市場動向、技術動向などに関する情報の入手・調査・分析を行い、スピーディに、新製品開発および既存製品の改良に取り組んでおります。

 

② 虫ケア用品にかかる研究

ハエ・蚊・ゴキブリ・ダニ・ノミ・マダニ・シラミなど健康被害を及ぼす衛生害虫や、アリ・ハチ・ムカデなどの不快害虫の駆除あるいは忌避を目的とした虫ケア用品の研究開発を行っております。近年の傾向として、特定害虫専用の駆除剤、忌避・予防製品、殺虫成分を含まない製品、さらには使用時の不快感を取り除くため、香りを重視した製品の需要が高まっており、これら特定製品のニーズの高まりにも応えるべく取り組んでおります

当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、「おうち時間」が増えるとともに、屋内にすでにいる虫を駆除するのではなく、外からの虫の侵入を防ぐことがこれからの虫ケア用品に求められることであるととらえ、部屋丸ごと予防できる『マモルーム蚊用』『マモルームダニ用』を発売いたしました。特に『マモルームダニ用』は、スイッチ一つでダニを無力化し、アレル物質(ダニの糞)を生み出しにくい空間を作り出す日本初の製品となります。また、三井化学アグロ㈱開発の「テネベナール®」を有効成分とした新しい虫ケア用品である『イヤな虫 ゼロデナイト6~8畳用』『イヤな虫 ゼロデナイト 1プッシュ式 スプレー 60回分』を発売いたしました。1度使用するだけで1年間効果が持続し、従来では効果が表れにくい虫にも効果が期待できるというもので、これも予防の新たなアプローチとして注目される製品となります。

 

③ 日用品にかかる研究

お客様の健康や、居間・浴室・トイレ・キッチンなどの居住空間の質向上に役立つ製品の提供を目指し、口腔衛生用品、入浴剤、消臭芳香剤、防虫剤、住居関連用品、ネズミ用駆除剤、脱臭・消臭剤、育毛剤、ペット用品などの研究開発を行っております。

当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。

入浴剤関連では、新型コロナウイルス感染拡大を契機に「おうち時間」のQOLを高める一つとして入浴剤、特に子ども向け入浴剤ニーズの高まりに着目し、昨年発売した『温泡Kids』シリーズを拡充するとともに、新たに『遊べる入浴 あわっぴー』を発売し、親子でワクワクするお風呂時間を提供しております。

消臭芳香剤においては、家で過ごす時間が増え、外の空気を吸えないという精神的な疲労を感じているお客様が増えていること、また生活空間の香りに対する関心が高まっているという調査結果から、森を感じるナチュラルな香りで、且つ持続時間が長く、最後まで香りが弱くならない『Sukki-ri! CORK+STICK -Puriture-』を発売いたしました。香りだけでなくインテリアとしてもスタイリッシュでお部屋を上品な空間にする製品です。

㈱バスクリンからは、香りがはじけて広がり、全身で香りを楽しめる入浴料『バスクリンアロマスパークリング』シリーズを拡充いたしました。“リラックス気分”、“リフレッシュ気分”それぞれを極めた2タイプのアソート製品『バスクリンアロマスパークリングリラックスセレクト』『バスクリンアロマスパークリングリフレッシュセレクト』を発売、「おうち時間」の充実に一役買っております。

白元アース㈱からは、日常的にマスクを着用することが増え、マスク姿を美しく見せたいという方が増えていること、さらにベージュ系を好まれる傾向があることから『ビースタイル ミルクティーベージュ 5枚入』『ビースタイル プリーツタイプ ミルクティーベージュ 5枚入』を発売いたしました。

アース・ペット㈱からは、愛猫とのかけがえのないひと時を過ごすために、夢中で遊んでしまう愛猫用おもちゃ『ねこモテシリーズ』を発売いたしました。

 

④ 園芸用品にかかる研究

虫ケア用品で培ってきた技術やノウハウを活かし、“安全”、“優れた効果”、“使いやすい”、“わかりやすい”を基本理念に、園芸愛好家の方から初心者の方まで幅広くご使用いただける園芸用品の研究開発を行っております。

当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。

家庭園芸において、お客様がそのまま使用できるAL剤(applicable liquid)のニーズが高まってきております。その中で、花を栽培する消費者が多い一方で、これまでのAL剤では、花に使用してよいのかがわかりにくいというお客様の声が多いこともわかりました。そこで、花の虫や病気に適した4種の有効成分を配合し、且つパッケージも花用であることをわかりやすく伝えた『アースガーデン花いとし1000mℓ』を発売いたしました。また、野菜を育てたいというお客様に向けては適用病害虫と適用作物の種類が広く、対象植物が初心者でもわかりやすいAL剤である『アースガーデン野菜うまし1000mℓ』を発売することでさらに家庭園芸市場を活性化させております。

 

当連結会計年度における家庭用品事業の研究開発費は3,049百万円となりました。

 

(2) 総合環境衛生事業

① 検査・検定にかかる研究

当事業では、契約先からの各種検査・分析や異物検定要請に正確かつ迅速に対処するために、彩都総合研究所内の分析センター西日本ラボ(大阪府茨木市)と分析センター東日本ラボ(千葉県鎌ヶ谷市)、および晴海分室を設置しております。

それぞれの分析センターでは、契約先の製造環境(施設・設備、機械・器具、空調、使用水、作業員)や原料・製品などの微生物検査、混入異物(動・植物性異物、有機化合物、無機化合物)の目視検定、機器(FT-IR、蛍光X線分析装置)による化学的分析、比較検査を併用した同定、遺伝子を用いた昆虫・微生物の同定、昆虫の加熱履歴判別を行う凍結切片法(カタラーゼ代替)へのAI技術の導入、微生物検査報告をスピードアップするための迅速検査法の本格導入を行っております。また、契約先の品質管理担当者や検査員を対象とした教育訓練、お客様ごとにオリジナルプロトコールを作成した上での異物混入・微生物汚染に関する受託試験も行っております

 

② 調査・施工等にかかる研究

調査技術・調査機器・施工技術などの研究開発は、研究開発センター、分析センター(彩都総合研究所)、学術部、技術部が相互に連携を取りながら行っております。捕虫、殺虫、調査装置についての新技術の開発、ホルマリン代替法としての各種殺菌・消毒に関する技術構築、MA-Tを活用した除菌システムの確立に取り組んでおります。

また、社内のみならず、公的機関及び大学、民間企業など社外との共同研究開発にも積極的に取り組んでおります。

 

③ 今後の方針

各企業では衛生管理への積極的な取り組みが行われているものの、依然として製品への異物混入や微生物による汚染は起こっており、検査や同定の依頼や対策のニーズは増しております。契約先の顧客満足度を向上させるためには、検査精度の充実及び危害物質による汚染や異物混入を防止するための技術開発が重要と考え、ISO17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項を規定した国際標準規格)の維持と更なる精度管理の強化、産官学との連携の強化及び分析機器や社内システムのレベルアップについて更なる推進を図ってまいります。

また、彩都総合研究所では既存技術の改良やニュービジネス及び新技術の確立、科学的根拠に繋がる基礎データの蓄積と解析評価の実現に加え、時代に合わせた教育支援のニーズにも応えられるよう、独自性の高い研修サービスを拡充してまいります

 

当連結会計年度における総合環境衛生事業の研究開発費は167百万円となりました。