(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、自社の企業理念を踏まえて、2021年2月に発表した2030年を最終年度とする長期ビジョンの実現に向け、2022年を初年度とする3カ年の中期経営計画を策定しました。
(企業理念)
(長期ビジョン)
(中期経営計画基本方針)
2024年度の目指す姿の実現に向けて、次の方針の下、戦略を実行していきます。
(2) 中期経営計画での目標
当社グループは2022年度から2024年度の中期経営計画の目標を、以下のとおり設定しました。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
2030年をゴールとする長期ビジョンの目指す姿である「未来の “欲しい” に挑戦し続けるイノベーションリーダー」の実現に向け、本中期経営計画では、「変革への挑戦」「創造への挑戦」「世界への挑戦」の3つの挑戦を推進します。
① 「変革への挑戦」
■チャレンジを楽しむ企業風土へ
~失敗を許容する価値観で行動する企業への変革~
・“自分を変える” 現在の行動指針を再定義します。
・“会社を変える” イノベーション制度を導入します。
■“新しいモーションコントロール”へ
~DX/電動化/システム化による新しい価値を創出・提供~
・電動化/システムインテグレーションで、新しい“モノ”を創出します。
・IoT/データを活用したソリューションによる新しい“コト”を提供します。
・自動化とDXによる高効率と地球にやさしいものづくりを実現します。
② 「創造への挑戦」
■創造的思考とアクションへ
~外部とのコラボレーションを推進し、新ビジネスモデルを創造・構築~
・コア価値を活かしたオープンイノベーションを推進します。
・CVC/M&Aを活用した新ビジネスを創出します。
・セグメント間のコラボレーションを加速し、新領域へ展開していきます。
③ 「世界への挑戦」
■世界のナブテスコをつなぐ
~グローバル経営体制の再構築~
・海外統括拠点を強化していきます。(マーケティング/R&D/MRO/シェアドサービス)
・グローバル人事制度を導入し、経営の現地リーダーを確保・育成します。
・未進出地域のマーケティングを強化します。
・グローバルサプライチェーンの再構築を行います。
当社は経営マテリアリティの実現のために中期経営計画の着実な推進により、下記の課題解決に取り組みます。
・ 全役員・従業員の“変える”意欲を高め、“挑戦”を楽しむ価値観の醸成
・ 最適なワークライフバランスを実現する働き方改革を通じた従業員エンゲージメントの向上
・ 「未来の“欲しい”」を実現する製品・サービスで新しい価値を創造
・ 環境負荷の低減とデジタル技術を活用したスマートなものづくりを実現
・ グローバル経営体制の再構築とリーダーの確保・育成
・ 強靭なグローバルバリューネットワークの構築
・ ガバナンス強化とリスクマネジメント力の向上
2023年度における経営環境は、コンポーネントソリューションセグメント事業において、精密減速機は、前期に引き続きEV関連への旺盛な設備投資が継続し、産業用ロボット向けで高い需要が見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通しです。建設機械向け油圧機器は、中国市場において需要低迷が続くとともに、競合環境の激化も想定され、売上高は前期比で減少の見通しです。
トランスポートソリューションセグメント事業において、鉄道車両用機器は、引続き国内で新車向け投資の抑制が見込まれ、売上高は前期比で減少の見通しです。航空機器は、民間航空機向け、防衛省向けともに需要の回復が見込まれ、売上高は前期比で増加の見通しです。商用車機器は、顧客の減産影響が緩和すること、東南アジア市場の需要が引き続き堅調に推移することを見込み、売上高は前期比で増加の見通しです。舶用機器は、引き続き造船・海運市場が好調に推移することを見込み、売上高は前期比で増加の見通しです。
アクセシビリティソリューションセグメント事業において、自動ドア事業は、電子部品不足の影響が解消され、国内市場において都市再開発による大型商業ビル向け需要の拡大が見込まれることやプラットホームドアでコロナ影響による需要停滞からの回復も見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通しです。
その他において、包装機は製品売上・MROとも自動化・省人化ニーズを受け好調な需要を見込み、電子部品不足による影響の緩和も見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通しです。
(注) 本有価証券報告書における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手している情報に基づき当社が判断したものであり、実際の業績等は、「2 事業等のリスク」に挙げた事項等により、異なる結果となる可能性があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済、市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は、国内外の自動車、建設機械、鉄道、建築、産業機械等の各産業分野に直接的又は間接的に関わっています。これら産業の景気変動及び設備投資動向等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、成長性・収益性の追求のため、アジア、北米、欧州を中心に積極的な事業展開を図っています。このため、各国の経済・市場の動向に関するリスクだけでなく、テロ、戦争その他の要因による社会的混乱の発生、政治的変動や予期できない法律、規制等の改正が行われる場合があり、各種製品の市場が影響を受け、その結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大規模災害に関するリスク
当社グループは、地震、風水害、パンデミック等各種災害及びテロ、戦争その他の要因による社会的混乱に対して、発生時の損失を最小限に抑えるため、事業継続計画の策定、人的危機事態対応規程の制定、緊急連絡体制の整備や訓練の実施等を進めています。その中でも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「グループ対応方針」及び「グループ従業員へのガイドライン」を作成し、各地域の感染拡大状況に応じて、テレワーク、輪番制勤務、時差出勤、不急の出張自粛等、社内外への感染防止と従業員の安全確保を目的とした対応を行っています。しかし、このような災害による人的・物的被害の発生や資材調達の停滞及び物流網の寸断により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、これらによる損害が損害保険等で十分にカバーされるという保証はありません。
(4) 為替相場の変動に関するリスク
当社グループの海外売上高は、年々高まっています。原材料の海外からの輸入もあり、外貨建て取引に関しては為替予約によるリスクヘッジを行っていますが、当社グループの業績及び財務状況は為替変動による影響を受けています。また、在外子会社の業績及び財務状況についても、円換算にあたり為替変動による影響を受けています。
(5) 調達に関するリスク
当社グループは、原材料、構成部品等の複数購買を推進することにより安定的な調達を図っていますが、部材価格の高騰や一部の部品について供給が滞り代替の調達先が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品品質に関するリスク
当社グループは、各種製品について、欠陥が発生しないように万全な品質管理基準のもとに製造しています。しかしながら、万一リコールや製造物責任につながるような重大な欠陥が発生した場合には、多額のコストの発生につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競合に関するリスク
当社グループは、国内外において高い市場占有率を誇る製品を多数保有しており、顧客のニーズを捉えたコスト競争力のある差別化製品の開発に取り組んでいます。しかしながら、新製品開発の遅れ又は他社が画期的な新製品を開発する等により、各種製品の市場占有率が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報に関する管理体制の強化と社員教育を展開し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じています。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産に関するリスク
当社グループは、特許を含む知的財産権により自社技術の保護を図り、これら知的財産権を厳しく管理するとともに、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合、又は当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法令・規制に関するリスク
当社グループは、世界各地域において事業活動を展開しており、各地域の法令、規制の適用を受けます。当社グループは、事業活動に関連する法令・規制の遵守の徹底はもとより、より高い基準の倫理規範を制定し、コンプライアンス教育の実施、内部通報窓口の整備・運用を通じて、コンプライアンス体制の強化を図っています。しかしながら、これらの対策を講じても、個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することは出来ず、重大な法令違反等を起こした場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境に関するリスク
当社グループは、事業活動による地球環境への影響を常に認識し、商品の企画・開発・設計にあたっては、エネルギー効率、省資源、有害物質の削減、リサイクル性の向上に努め、商品の生産・販売・物流・サービスにおいては、環境先進技術を積極的に採用し、また工夫することにより、CO2排出量の削減、資源の有効利用、ゼロ・エミッションへの挑戦等環境負荷の低減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動により環境汚染が生じた場合には、汚染除去費用や損害賠償費用等の発生及び信用の低下により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 企業買収等に関するリスク
当社グループは、企業買収を通じて、国内外における製品の生産、販売・サービス体制の拡充や技術基盤の強化を図っています。企業買収の検討段階では、対象企業のデューデリジェンスを行い、買収後の対象企業の運営について検証を行っています。しかしながら、企業買収当初に期待した効果が買収後に得られない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産等の固定資産を保有しています。経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人材の確保に関するリスク
当社グループは、製造・開発・販売、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っています。しかしながら、人材の獲得競争の激化や社員の退職等によって十分な人材の確保及び育成ができなかった場合、競争力の低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
① 経営成績
当社グループの当連結会計年度の業績は、建設機械向け油圧機器において中国市場での需要が大幅に減少したものの、産業用ロボット向け精密減速機において高い需要が継続したことに加え、円安による為替効果もあり、連結売上高は308,691百万円となりました。
一方、営業利益は、油圧機器での減収による減益に加え、コンポーネントソリューション事業における原材料費高騰、アクセシビリティソリューション事業における電子部品不足や海外プラットホームドア案件でのコスト増加等の影響を大きく受けた結果、18,097百万円となりました。また、株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ(以下、「ハーモニック社」という。)の株価変動に伴う評価損を計上したこと等により、税引前当期利益は15,763百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は9,464百万円となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度のセグメント別概況は次のとおりです。
[売上高]
(単位:百万円)
[営業利益]
(単位:百万円)
② 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は295,524百万円、非流動資産は163,768百万円であり、その結果、資産合計は459,293百万円と前連結会計年度末比22,425百万円の減少となりました。主な増加要因は、現金及び現金同等物の増加11,642百万円、棚卸資産の増加7,330百万円、及び設備投資による有形固定資産の増加7,062百万円です。主な減少要因は、ハーモニック社株式の売却に係る資産の減少61,506百万円(売却目的で保有する資産の減少10,488百万円、その他の金融資産(流動)の減少6,499百万円、その他の金融資産(非流動)の減少44,519百万円)です。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は172,577百万円、非流動負債は23,488百万円であり、その結果、負債合計は196,064百万円と前連結会計年度末比30,659百万円の減少となりました。主な増加要因は、営業債務の増加4,144百万円、及びその他の債務の増加8,474百万円です。主な減少要因は、ハーモニック社株式の売却に係るその他の金融負債の減少30,595百万円、繰延税金負債の減少9,868百万円、及び未払法人所得税の減少8,054百万円です。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は263,228百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分合計は248,696百万円と前連結会計年度末比8,786百万円の増加となりました。主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益9,464百万円に伴う利益剰余金の増加、及び在外営業活動体の換算差額等によるその他の資本の構成要素の増加7,682百万円です。主な減少要因は、配当による利益剰余金の減少9,385百万円によるものです。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する持分比率は54.1%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,071.87円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、主に設備投資、ハーモニック社株式の売却に係る収入及び支出、配当金の支払により、124,413百万円と前連結会計年度末比11,642百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは7,717百万円の資金の増加となりました。主な増加要因は、当期利益、減価償却費及び償却費によるものです。一方、主な減少要因は、棚卸資産の増加、及び法人所得税の支払によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは13,231百万円の資金の増加となりました。主な増加要因は、ハーモニック社株式の売却に係る収入(投資有価証券の売却による収入、敷金及び保証金の回収による収入)です。一方、主な減少要因は、ハーモニック社株式の売却に係る支出(投資有価証券の売却価格の精算による支出)、及び有形固定資産の取得による支出です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは13,456百万円の資金の減少となりました。主な減少要因は、配当金の支払です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと以下のとおりです。
(注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと以下のとおりです。
(注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと以下のとおりです。
(注) 1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 注記3.重要な会計方針 及び 注記4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 売上高
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前期比3.0%増加し308,691百万円となりました。これは建設機械向け油圧機器において中国市場での需要が大幅に減少したものの、産業用ロボット向け精密減速機において高い需要が継続したことに加え、円安による為替効果もあり前期比増加したものです。
2) 営業利益
営業利益は、前期比39.7%減少し18,097百万円となりました。売上高営業利益率は5.9%となりました。
3) 税引前当期利益
金融収益は、主に受取利息及び受取配当金等により708百万円となりました。金融費用は、主にハーモニック社株式の評価損(引続き保有する同社株式について当連結会計年度末の株価で評価したことに伴う評価損10,488百万円、及び一部売却完了に伴う評価益4,872百万円の純額)により5,828百万円となりました。持分法による投資利益は2,787百万円となりました。
その結果、税引前当期利益は15,763百万円と前期比84.5%減少となりました。また、前期比減益となった主な要因は前期においてハーモニック社の持分法適用除外に伴う評価益(金融収益)125,107百万円を計上していたこと、及び同社の株価変動に伴う評価損(金融費用)が同48,795百万円減少したことによります。
4) 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、法人所得税費用4,376百万円及び非支配持分に帰属する当期利益1,923百万円を差引いた親会社の所有者に帰属する当期利益は、9,464百万円と前期比85.4%減少となりました。
また、基本的1株当たり当期利益は同455.80円減少し、78.87円となりました。
当連結会計年度のセグメントの業績の状況は次のとおりです。
コンポーネントソリューション事業の受注高は、前期比4.3%増加し146,870百万円となりました。売上高は、同1.8%増加し140,629百万円、営業利益は、同30.5%減少し15,919百万円となりました。
精密減速機は、主にEV関連への旺盛な設備投資を背景に、産業用ロボット向けで高い需要が継続したことにより売上高は前期比で増加となりました。
建設機械向け油圧機器は、中国市場での大幅な需要減少により、売上高は前期比で減少となりました。
(トランスポートソリューション事業)
トランスポートソリューション事業の受注高は、前期比19.0%増加し78,476百万円となりました。売上高は、同4.7%増加し70,950百万円、営業利益は、同19.5%増加し6,714百万円となりました。
鉄道車両用機器は、MRO(Maintenance, Repair, Overhaul)は堅調に推移したものの、国内及び海外市場において新車向け需要が低迷し、売上高は前期並みとなりました。
航空機器は、防衛省向けでの輸入調達品納入遅延等の影響があったものの、民間航空機向けで需要回復もあり、売上高は前期比で増加となりました。
商用車用機器は、国内において顧客の減産影響を受けたものの、東南アジア市場での需要拡大により、売上高は前期比で増加となりました。
舶用機器は、造船・海運市場が好調に推移したことにより、売上高は前期比で増加となりました。
(アクセシビリティソリューション事業)
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前期比15.3%増加し86,839百万円となりました。売上高は、同4.6%増加し78,561百万円、営業利益は、同63.0%減少し2,830百万円となりました。
自動ドア事業は、国内での建設需要の端境期であったことに加え、電子部品不足の影響を受けたものの、海外での円安効果もあり、売上高は前期比で増加となりました。
(その他)
その他の受注高は、前期比19.6%減少し17,513百万円となりました。売上高は、同1.4%減少し18,551百万円、営業利益は、同45.8%減少し1,484百万円となりました。
包装機は、製品売上・MROともに電子部品調達難の影響を受けたものの、売上高は前期並みとなりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、営業活動においては、生産活動に必要な運転資本(原材料、人件費等)、受注獲得のための販売費、既存事業の競争力強化や新商品や新事業の創出のための研究開発費等があります。投資活動においては、製品の増産対応のための新規投資や設備更新を中心とした設備投資があります。当社グループは2023年12月期において、コンポーネントソリューションセグメントにおける精密減速機の新工場建屋の建設及び油圧機器の工場建屋の更新等を中心に39,400百万円の設備投資を予定しています。
当社グループの事業活動に必要な資金は、主として自己資金の活用、金融機関からの借入等により調達しており、親会社所有者帰属持分比率やROE等の指標を注視しながら、最適な資金調達方法を選択しています。当連結会計年度末において、ハーモニック社株式の売却に関連して資金が25,295百万円増加しています。また、当連結会計年度末の借入金の残高は20,309百万円と前期比2,722百万円の増加となりました。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度を初年度とする中期経営計画における経営目標として、ROIC 10%以上、連結配当性向 35%以上という財務目標を設定しています。本中期経営計画期間中の各指標の推移は以下のとおりです。
(1) 技術等導入に関する契約
(注) 上記契約に対する対価として、一定額又は売上高の一定率を支払っています。
(2) 技術供与に関する契約
(注) 上記契約に対する対価として、一定額又は売上高の一定率を受け取っています。
当社グループは、「独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供します」との企業理念のもと、利益ある成長の姿を研究開発活動のゴールに設定し、事業戦略と連携した研究開発計画を立案して研究開発に取組んでいます。
研究開発投資については、既存事業の競争力強化や収益力強化につながる事業戦略上の開発テーマと、成長分野における新商品や新事業の創出・育成のための開発テーマに資源を集中させています。研究開発の推進体制は、技術本部を統括部門として、企画・実行をカンパニー各社、連結子会社を中心として技術本部もその一部を担当しています。開発活動で重視していることは、顧客とエンドユーザーのニーズに直結した独創性のある競争力の高い製品を提供することです。また、持続可能な社会を実現するため、製品重量減や効率向上等気候変動に関する環境配慮製品の開発を進めています。
なお、当連結会計年度の研究開発のための費用は
セグメントごとの研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりです。
(1) コンポーネントソリューション事業
精機カンパニー、パワーコントロールカンパニーが中心となって、精密減速機及び同システム、建設機械用油圧機器及び同システム等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、産業用ロボット向けRV-Zシリーズの機種開発(Nabtesco ECO PRODUCT認証)、「精密減速機RV」をベースにした一般産業用途向けギヤヘッドシリーズの開発、AGV駆動ユニットのシリーズ開発、建設機械用省エネポンプ・バルブシステムの上市、建設機械用走行/旋回ユニットのラインアップ強化、建設機械用コンパクト・高出力密度VCシリーズモータモデルの上市、建設機械のICT化・電動化に対応した機器の研究等です。当事業に係る研究開発費は、
(2) トランスポートソリューション事業
鉄道カンパニー、航空宇宙カンパニー、舶用カンパニー及びナブテスコオートモーティブ㈱が中心となって、鉄道車両用ブレーキ装置及び同ドアシステム、航空機用飛行制御機器及び同システム、舶用エンジン制御システム、商用車用ブレーキや乗用車用クラッチの各種装置・機器の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、グローバル市場向け鉄道車両用ブレーキ制御装置・機器の開発、環境に配慮した材料を用いた制輪子の開発、フライトコントロール用電動アクチュエータの開発、船陸通信等のセキュリティやネットワークを強化した舶用主機関向け新型リモコン(M-800-Ⅶ)、最新の環境規制に対応した出力制限搭載の主機ガバナの開発、船用機器における東京計器株式会社との共同開発、従来の商用車用エアブレーキ機器の開発に加え車両の電動化に対応した電動コンプレッサーの開発、既存バスの安全性向上に寄与する後付け非常ブレーキシステム(EDSS)の開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(3) アクセシビリティソリューション事業
住環境カンパニーが中心となって、建物用自動ドア、プラットホーム用可動柵やスクリーンドア、福祉機器等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、高付加価値自動ドアの開発、デジタルサイネージ付き自動ドアの開発、鉄道駅舎プラットホーム向けの可動式ホーム柵及び高付加価値スクリーンドアの開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(4) その他
PACRAFT㈱、シーメット㈱、及びティーエス プレシジョン㈱が中心となって、自動充填包装機、光造形システム(3Dプリンター)、金属塑性加工機械等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、包装容器の変化に対応する製品、生産性向上要求に応える包装機及び周辺の省人化・自動化装置の開発、新大型高速光造形システムの研究開発及び廉価高性能樹脂「TSR-851」の上市、多品種・工程集約・省スペース・環境対応のCVJ複合加工機の開発、遠隔保守、予防保全等のIoT機能に対応可能なフォーミングマシンの開発、EV関連部品(モーターコイル、バスバー等)の生産効率改善に関する加工技術研究、海外製風力発電機用CMFS機器の開発、風力発電機用スマートセンサーを開発するオーストリアのスタートアップeologix社との事業提携等です。当事業に係る研究開発費は、
(5) コーポレート部門
コーポレート部門では、グループ全体に共通する基盤要素技術や新事業分野に係る研究開発活動、大学・研究機関及び他企業と共同研究開発活動等を積極的に行っています。コーポレート部門に係る研究開発費は、1,745百万円です。