文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「技術と人の架け橋」であるべく、我々の想像力に富んだアイディアを実現し、当社グループのお客様に、人々の生活の質を向上し、安全に、健康に、楽しく、環境にやさしい製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供し続けることをミッションとしています。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
① 中期経営計画の推進
当社グループは、2021年初頭に中期経営計画を策定し、経営基盤の強化とESG関連の対応を掲げました。
《新ビジネスプラン(2021~2023年度)の目標値》
・当社グループは、2021年初頭に中期経営計画を発表しました。本中期経営計画は、計画期間を2021年から2023年の3年間とし、数値目標数値として2023年度の売上収益1,080億円、営業利益70億円を設定しました。
・事業環境の変化を踏まえ、2022年初頭に中期経営計画の目標数値を上方修正し、2023年度の売上収益1,270億円、営業利益75億円としました。
・2022年度の経営成績は、売上収益1,386億円、営業利益81億円となり、上方修正後の2023年度目標数値を1年前倒しで達成いたしました。
・2023年度は、売上収益1,440億円、営業利益86億円を計画しております。
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中期経営計画 |
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損益計算書 |
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(億円) |
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2023年度目標 |
2022年度実績 |
2023年度計画 |
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売上収益 |
1,270 |
1,386 |
1,440 |
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営業利益 |
75 |
81 |
86 |
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2023年度目標 |
2022年度実績 |
2023年度計画 |
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車載関連 |
825 |
810 |
895 |
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インダストリー関連 |
230 |
284 |
328 |
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家電関連 |
218 |
291 |
217 |
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合計 |
1,270 |
1,386 |
1,440 |
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KPIs |
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2023年度目標 |
2022年度実績 |
2023年度計画 |
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CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル) |
87日 |
106日 |
94日 |
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ROIC |
6.08% |
6.5% |
6.4% |
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WACC |
- |
5.3% |
- |
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EVA spread (ROIC -WACC) |
- |
1.1% |
- |
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ROE |
10.69% |
12.0% |
10.5% |
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Net D/E ratio |
1.02 |
1.08 |
0.89 |
《新ビジネスプラン(2021~2023年度)の進捗状況》
◇地域、製造戦略
・2021年末に、北米子会社2社を合併しました。
・ベトナム、クアンガイ第2及び第3工場の増築が完了し、量産を開始しました。
・青森工場を約1.5倍に拡張することを決定しました。2023年第4四半期に量産を開始する予定です。
◇EV/xEV市場での成長
・EV/xEV関連の当社売上収益は、2021年度に対前年170%、2022年度に対前年190%と、順調に成長しております。
・EV/xEV関連の当社売上収益は、2022年度に総売上収益の18.3%を占めました。
◇ESG関連の対応
・ドイツの2工場、スロベニア工場、ルーマニア工場及びメキシコ工場で太陽光パネルを設置済み、もしくは設置を予定しています。
・環境非営利団体CDPが実施する気候変動に関する質問に回答しました。2021年度までは、Scope1とScope2の算出のみとなっていましたが、2022年度よりScope3の算出を行いました。
・科学的根拠に基づく目標による温室効果ガス排出量の削減目標を設定するため、当社グループの過去2年間の二酸化炭素排出量を把握し、目標値設定へ向け確実に準備を行っています。
② ESGへの貢献
当社グループは、より良い社会の形成と企業の持続可能な発展のため、社会からのESG(環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance))に対する期待や要請に対し、「誠実」、「規律」、「常識」に基づいて事業を遂行し、社会的責任を果たしていきます。環境問題に対して、前項「① 中期経営計画の推進」にて記載した取り組みを行っております。また、社会問題に対して、法務・コンプライアンス機能の強化等様々な取り組みを積極的に行っていきます。コーポレートガバナンスの強化に向けては、2003年に経営と監督の分離を明確にするために日本の上場企業として第1号で委員会等設置会社に移行しました。当社の取締役は、9名のうち7名が多様な専門知識をもつ社外取締役で、1名が女性、2名が欧州や中国といったビジネスの比重が高いエリアからの外国人となっています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会を設置し、リスクの把握・対策の実施・被害の最小化に向けた取り組みを継続的に行っています。
以下のリスクについては、リスクの発生の可能性、損害の大きさ、事業の継続性の観点から分析評価し、その対応としてリスクの軽減、移転後の残余リスクを把握し、その大きさの絶対的な順序ではありませんが、比較的大きいと考えるリスクを上位に記載しました。
(1)車載事業、大口顧客への依存度が高い
当社グループの売上収益のうち、車載関連の顧客への依存度が高く(売上収益の約58%)、当該顧客の動向により売上収益が大きく変動する可能性があります。
欧米や中国をはじめ、世界中が地球環境保全、省エネ化の動きを強め、ガソリン車からEV/xEVへとシフトする機運の中、車載関連の売上収益比率が高いことは当社グループの強みでもあります。しかし、新車販売台数の低迷等車載関連の事業環境の変化等によって当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、大口顧客グループとの長期にわたる緊密な取引関係を通じ、生産及び販売の見通し、事業戦略に関する方向性を共有することで、当社グループの投資・事業戦略の判断に活用し、業績向上に取り組んでいます。
(2)技術革新と価格競争、競合環境の変化
当社グループ製品は、コイルとその応用部品であります。現在までのところ民生機器、産業機器及び車載機器の電源周りに多く使用されています。特に車載機器は、使用されるコイルの数が著しく多くなることが予想され、今後拡大が予想されるEV/xEVにおいても数多く使用されることが予想されます。その結果、当社グループの製品に求められる技術要素は、今まで以上に高い耐電圧の要求を満たし、小型化を実現し、高い品質基準を確保することが求められています。当社グループとしましては、今まで培った要素技術をさらに強化し、顧客に当社グループの製品を選んで頂けるように対応していきます。
EV/xEV化の市場が拡大していることから競合他社も多く参入してきており、価格についても競争環境が厳しくなってきています。
当社グループとしては、製品品質の向上とグローバル体制の強化を図り競合他社との差別化を図っています。また、顧客の初期開発段階から当社グループが参入し、顧客とともに製品開発を行っていくというビジネスモデルの構築も進めています。家電製品市場では、顧客の製品採用基準が、製品品質よりは価格重視へ変容してきていることから、最適価格での提供を目指し、製品設計は当社グループで担当し、製造委託先の活用も行い、厳しい価格競争においても最適な販売価格で対応できる体制の構築も行っています。
(3)製造拠点の賃金上昇
当社グループは、日本のほか、アジア、ヨーロッパ、北米、南米等に生産拠点を有し、グローバルに事業展開しています。
当社グループの生産は労働集約的な側面があり、人件費、社会保険料の上昇や制度変更等による生産コストアップが当社グループの事業展開、業績に影響を与える可能性があります。そのため、生産においては自動化を進めることで労働生産性の向上に継続的に取り組んでいます。
(4)地政学上のリスク(米中経済摩擦等)
当社グループは、中国、ヨーロッパ等海外に多くの生産拠点を持ち、海外営業拠点を通じて製品をグローバルの顧客に供給しています。そうした中、米中貿易摩擦、米国国防権限法の動向等より生産、物流、営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各国の関税の引上げや安全保障貿易管理に基づく輸出規制、新興技術等に対する取引制限等の政策に対して分析を行い、必要に応じて取引形態やサプライチェーンの見直し等も行うことにより、事業への影響の低減を図っています。また、複数の生産拠点で製品を生産することでリスクの分散を図っています。
中長期的には、製造拠点と販売拠点を同一地域にて対応できるよう地産地消の方針で製造拠点を見直していきます。輸出拠点となる中核製造拠点は、今後、上記のようなリスクを回避できるよう、中国依存率を低下させていくため、タイ・ベトナムにおいての製造能力を増強していく予定です。
(5)銅価格、原材料価格等の変動、インフレ等による物流費、エネルギー価格の高騰
当社グループは、多くの原材料を外部調達しており、主要な原材料である銅、鉄、原油等の価格は国際市況に連動しています。その購入価格を決定する際の取引価格は、国際的な需給だけでなく投機的取引の影響も受けながら常に変動していて、市況の変動に伴い業績に影響を与える可能性があります。
また、経済状況により、物流コンテナ不足や世界の港湾における流通の混乱からの物流費高騰や、急激なインフレによる原油・電力等のエネルギー価格の高騰は当社グループの業績に影響をもたらす場合があります。
当社グループは、価格変動の激しい銅価格の変動によるリスクを最小限に抑えるため、計画的に安定調達を行うとともに、銅価格にスライドした販売価格の設定を行っています。また、顧客との契約に銅価格連動の仕組みを織り込む等価格変動による影響を最小限にするよう努めていますが、製品価格への転嫁が困難な場合や相場が大きく下落する局面では損失が発生し、当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、地産地消を進め、物流費を抑制するとともに、再生可能エネルギー等の活用で急激なインフレによるエネルギー価格高騰の影響を最小限に留めるための取組みを進めていますが、その進捗によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質管理
当社グループは、常に製品の品質向上に尽力し、製品の品質確保に万全を期していますが、当社グループ製品の要求仕様への不一致や欠陥により供給先である顧客の製造ラインが停止する事態や、欠陥を含んだ当社グループの製品を利用した電子機器に不具合が生じる事態も考えられます。欠陥又はその他の問題が発生した場合は、当社グループの売上収益の減少、市場シェアの低下、当社グループブランドに対する信頼又は評価の低下、市場認知度、開発などへの重大な影響が生じる可能性があり、また顧客からの法的手段による賠償の請求の可能性もあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)サイバーセキュリティ
コンピューターウイルスの高度化や巧妙化が進み、ますます脅威が高まっているサイバー攻撃等により、当社グループの技術上、営業上等の秘密情報が流出や改ざん、生産設備等が被害を受け生産に影響が生じる等のリスクがあります。また、盗難・紛失などを通じて第三者が不正流用する可能性もあります。
当社グループは、Information Security Officeを組織し、セキュリティ方針や計画を策定しています。定期的なデータバックアップ、ウイルス対策ソフトの利用、強固なパスワードの利用、送信ドメイン認証の活用、多要素認証の導入、各システムへのアクセス権限管理に加え、フィッシング対策などの啓発を目的とした継続的なe-ラーニング、入社時研修やBCP対策を行っており、近年増加しているランサムウェアに対しても有効な対策を講じています。
(8)大規模災害
当社グループは、中国・アジアをはじめとして海外にも生産拠点を持ち、各国の営業拠点等を通じて製品をグローバルの顧客に供給していますが、大地震、洪水、津波、竜巻などの自然災害、感染症などの疾病の流行、戦争及びテロ、内乱、現地従業員のストライキ等の労働問題、電力やエネルギーの使用制限に加え、近年の気候変動に伴う想定を超える災害の大規模化や、これまでに類を見ない、対応策に決め手のない感染症の発生などによる広い範囲での社会機能の停止などの発生も考えられます。これらが発生した場合には、原材料や部品の調達、生産、販売に遅延や停止を生じる可能性があり、そうした混乱などが当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)公的規制とコンプライアンス
当社グループは、国内及び諸外国・地域において、法規制や政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けています。こうした公的規制に違反した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、さらには事業活動の停止に至るリスクや企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜等のリスクがあります。
当社グループでは、公的規制の対象領域ごとに主管する部門を決めて対応しています。また、公的規制に対応した社内ルールを定め、未然に違反を防止するための対応をとっています。これらの取り組みに加え、法令遵守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、遵守すべき倫理規範等を「スミダの経営に関する諸原則・行動規範」として制定し、当社及び関係会社における行動指針の遵守並びに法令違反等の問題発生を全社的に予防するとともに、コンプライアンス上の問題を報告する内部通報制度を設けています。また、法令遵守の周知徹底の機会を設けると共に、カルテル等の反競争的行為や贈賄をはじめ、企業倫理・コンプライアンスに関して、役員及び従業員への定期的な研修等を行っています。しかし、グローバルに事業を展開する中で、国や地域において、公的規則の新設・強化及び当社グループが想定しない形でこれらが適用されること等により、当社グループが公的規制に抵触することになった場合には、事業活動が制限され、公的規制の遵守に係る費用が増加する等、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)M&Aにより認識したのれんの減損リスク
当社グループは、技術力の強化や販売網の拡充を目的に、当社グループ以外の会社との事業提携、合併及び買収(以下M&A等)を行うことにより、中期経営計画の達成を目指しています。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の収束の兆しが見えないことから、市場環境の不確実性を考慮し、中期経営計画ではM&A等を数値目標に織り込みませんでした。しかしながら、M&A等対象会社の選定と検討は積極的に継続し、良い候補先が見つかった場合は、実行していきます。
M&A等の実施にあたっては事前に相乗効果の有無を見極めてから実施を決定し、完了後は相乗効果を最大にするように経営努力をしています。しかしM&A等の完了後に、対象会社との経営方針のすりあわせや業務部門における各種システム及び制度の統合等に当初想定以上の負担がかかることにより、予想されたとおり相乗効果が得られない可能性があります。また、M&A等に係る費用等が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループは、M&A等に伴うのれん及びその他の無形資産などの資産を有しています。のれん及びその他の耐用年数を確定できない無形資産についても、少なくとも年に一度、あるいは減損の兆候が認められる場合はその都度減損テストを行っています。M&Aにより発生したのれんと耐用年数を確定できない無形資産は年次で減損テストを実施していますが、拡販施策に伴う将来収益拡大の計画は不確実性を伴い、予想した相乗効果が得られない場合、減損損失の発生により財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、2022年12月末現在におけるのれんの総額は4,916百万円となっています。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績
①経営成績の概要
ポストコロナにシフトする世界経済は回復に向けて動き出した直後、ロシアのウクライナ侵攻等からエネルギー価格等が上昇し、世界各国はインフレが加速しました。欧米では金融引き締めを実施し、インフレ抑制の姿勢を鮮明にしました。また、サプライチェーンの混乱等世界経済の先行きには大きな不安要素が残りました。
電子部品市場では、中国のゼロコロナ政策に伴うロックダウン等の影響から、一部の電子部品及び半導体における需給逼迫等供給網の混乱を懸念した顧客による前倒し発注により、顧客が在庫を積み増す動きが見られました。半導体不足による自動車減産は緩和の兆しが見えてきましたが、地政学リスクの増大やインフレの加速等による欧米、中国の景気下振れ懸念が強まり、先行き不透明感が広がっています。加えて、為替の円安進行や自動車需要の回復、原材料市況のピークアウト等の追い風がありつつも、巣ごもり需要の一服や、海外景気の減速といった逆風も強まりました。そうした中、自動車のカーボンニュートラルに向けた動きは加速しており、EV/xEV関連の需要は堅調に推移しました。
当連結会計年度の当社グループは、売上収益面は半導体供給不足の影響等で自動車生産台数が伸び悩む中、EV/xEV関連が堅調に推移しました。また、半導体関連設備投資、再生可能エネルギー関連の太陽光発電関連設備等も好調に推移しました。利益面では銅、プラスチック成型材料等の原材料価格の上昇による当社の製品価格への影響と当社グループの顧客で問題となっている半導体供給不足による生産調整等の影響が見られました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比32.1%増の138,600百万円、営業利益は同53.8%増の8,189百万円、税引前当期利益は同67.6%増の6,534百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同94.0%増の5,099百万円となりました。
《前連結会計年度対比》
当連結会計年度は2021年度の一時的な要因として427百万円の損失の他、賃金の上昇、研究開発費の増加382百万円等があったものの、増収効果、生産効率の向上、為替変動の影響等により、営業利益の純増は2,863百万円となりました。
《増益要因として》
・売上増により2,480百万円
・生産効率の向上により1,367百万円
・為替変動による増益が1,062百万円
《減益要因として》
・賃金の上昇により1,243百万円
・研究開発費用の増加により382百万円
◎参考:期中平均為替レート
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2021年度 |
2022年度 |
|
米ドル/円 |
109.23 |
130.24 |
|
ユーロ/円 |
129.83 |
137.21 |
|
人民元/円 |
16.89 |
19.37 |
資本コストを意識した経営が求められる中、資本コストとの比較に馴染むROIC(投下資本利益率)を中期経営計画上のモニタリング指標としています。ROICの実績及び目標は以下のとおりです。
▶ROIC
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度目標 |
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5.03% |
6.5% |
6.08% |
当連結会計年度末現時点での資本コストは5.3%と見ています。
2023年度計画の売上収益、営業利益が達成されることでROICは6.4%の達成が見込まれます。
また、支払利息、為替差損益等の財務費用が親会社の所有者に帰属する当期利益に与える影響も大きく、親会社の所有者に帰属する当期利益は配当額の算定に使用するため、ROEも引き続き重要なモニタリング指標だと考えています。ROEの実績及び目標は以下のとおりです。
▶ROE
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度目標 |
|
7.40% |
12.00% |
10.69% |
2023年度計画の目標達成時のROEは10.5%を見込んでいます。
②報告セグメントの概況
当連結会計年度における報告セグメントの概況は次のとおりであります。
1)アジア・パシフィック事業
アジア・パシフィック事業では、車載関連においてはEV/xEV向け、家電関連ではスマートフォン向け、インダストリー関連では再生可能エネルギー向け等が堅調に推移し、売上収益は前連結会計年度比38.2%増の94,710百万円となりました。原材料価格高騰の影響等があったものの、増収効果に加え、為替市場が円安/米ドル高で推移したこと等から、セグメント利益は同37.9%増の6,350百万円となりました。
2)EU事業
EU事業では、車載関連では、半導体不足等の影響で新車生産台数が伸び悩んだものの、EV/xEV関連売上が順調に伸び、また、再生可能エネルギー向け等インダストリー関連が堅調に推移したことから、売上収益は前連結会計年度比20.6%増の43,889百万円となりました。原材料価格、エネルギー価格高騰の影響等があったものの、増収効果に加え、円安/ユーロ高で推移したこと等から、セグメント利益は同40.0%増の2,527百万円となりました。
③市場別の概況
当連結会計年度における市場別の概況は次のとおりであります。
1)車載関連
世界的な半導体不足、サプライチェーンの混乱が続いたことで新車生産台数が伸び悩む中、EV/xEV関連売上が堅調に推移したこと、為替市場が円安で推移したこと等から、車載市場の売上収益は前連結会計年度比29.1%増の81,031百万円となりました。
2)インダストリー関連
脱炭素化の動きから欧米の太陽光発電用設備関連が好調であり、また医療機器関連も堅調に推移したことから、インダストリー市場の売上収益は前連結会計年度比36.0%増の28,429百万円となりました。
3)家電関連
巣ごもり需要が一服したものの、スマートフォン関連が堅調であったこと、為替市場が円安で推移したこと等から、家電市場の売上収益は前連結会計年度比37.0%増の29,139百万円となりました。
(単位:億円)
④販売地域別の概況
当連結会計年度における販売地域別の概況は次のとおりであります。なお、経営管理においては、各営業所の活動に実質的な責任を有する販売地域別に売上を再集計しております。このため、本項に記載する販売地域別の売上と、「第5 経理の状況」の連結財務諸表注記に記載する数値との間には不一致が生じます。
1)アジア(中国/台湾除く)
半導体や原材料不足の影響が徐々に緩和される中で、EV/xEV関連売上が好調であり、また家電製品向けや医療機器向けも堅調に推移したこと、及び為替市場が円安で推移したこと等から、アジア(中国/台湾除く)の売上収益は前連結会計年度比17.6%増の25,865百万円となりました。
2)中国/台湾
新エネルギー車に対する政府補助金を追い風に、EV/xEV関連ビジネスが大きく成長しました。2023年の春節が例年よりも早い1月に予定されていたことから、2022年末の需要が伸びたこと等もあり、中国/台湾の売上収益は前連結会計年度比59.7%増の41,691百万円の売上収益となりました。
3)欧州
太陽光発電用設備関連が大きく伸びたこと、また車載向けアンテナ関連や白物家電関連が好調であったことから、欧州の売上収益は前連結会計年度比20.2%増の47,303百万円となりました。
4)北米/その他
スマートフォン関連の需要が非常に強く、またEV/xEV関連及び太陽光発電用設備関連が好調であったことから、北米/その他の売上収益は前連結会計年度比35.8%増の23,739百万円となりました。
(単位:百万円)
なお、当社グループは、需要の動向や顧客の要求、市場の変化等に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産実績および受注実績は販売実績に類似しています。このため、生産実績は以下「⑤生産地域別の概況」として記載し、受注実績は記載を省略しております。
⑤生産地域別の概況
当連結会計年度における生産地域別の概況は次のとおりであります。
1)アジア(中国除く)
ベトナム・クァンガイ工場の第2棟、第3棟の増設を行い、2022年度中に生産を開始しました。アジア(中国除く)で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比36.5%増の9,027百万円となりました。
2)中国
中国は当社グループの主たる生産拠点です。2022年にはゼロコロナ対策により、上海はじめ複数の都市が封鎖され、当社グループの周辺でも操業を停止する工場が相次ぎました。こうした中、当社グループでは現地マネジメントのリーダーシップ及び従業員の協力のもと、工場への出入りを完全に管理下に置きながら生産を継続しました。加えて、材料の供給リスクのあるサプライヤーを事前に察知して安全在庫を積み増したこと、物流ルートを一時的にトラックから船に変更したこと、また物流ルート自体を変更したこと等も安定的な生産活動に寄与しました。結果として、年間を通じて高操業度を維持することができ、急増する需要にも対応することができました。中国で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比43.3%増の85,039百万円となりました。
3)欧州
欧州においても、新型コロナウイルスの感染拡大により拠点間の往来が制限を受けました。こうした中、3Dやスマートグラス等のITを活用し、設備の設置前トレーニングや設備のリモートコントロール、並びに設備のメンテナンス教育等を行い、生産停止リスク回避及び効率向上を図りました。欧州で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比17.1%増の34,854百万円となりました。
4)北米/その他
米国では2022年に署名された大統領令により、米国産品の購入が奨励されています。当社グループにおいても、北米地域の顧客から米国内での生産に対する引き合いを受けています。北米/その他で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比4.8%増の9,680百万円となりました。
(単位:百万円)
(2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は134,846百万円となり、前連結会計年度末比17,121百万円増加しました。当社の保有資産の約94%は外貨建てですが、当期に進行した円安の影響で、外貨建て資産の評価額が大きくなったことから全体に資産残高が増加しました。
流動資産は10,840百万円増加しました。手元資金については、国内外連結子会社が35社にのぼり各社で資金が滞留することで資金効率が落ちるリスクがあるので、主要子会社の最低手持資金額を設定し毎月その設定額と実際手持資金を比較しグループ全体手持資金のモニタリングを実施し、余剰資金を削減し借入金の圧縮に努めています。前連結会計年度末は、新型コロナウイルス感染症の流行により世界経済の見通しが不明確な状況で手元流動を確保するため現金及び現金同等物を手厚くしましたが、当連結会計年度末では現金及び現金同等物が1,292百万円減少しました。流動資産の増加は、ビジネスの拡大に伴って営業債権及びその他の債権が増加したことも一因です。
非流動資産は6,280百万円増加しました。生産設備の購入や、工場の生産キャパシティ拡充のため使用権資産等が増加したことによります。なお、当社グループの有形固定資産のうち約96%が国外の有形固定資産となっています。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は85,969百万円となり、前連結会計年度末比8,344百万円増加しました。1年内返済予定又は償還予定の長期有利子負債、短期有利子負債等が増加したことから、流動負債が15,709百万円増加しました。リース債務等が増加したものの、長期有利子負債等が減少したため、非流動負債が7,364百万円減少しました。
当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は、現地通貨ベースで見ると1,998百万円減少しました。しかしながら一方で、当連結会計年度に進行した円安の影響により外貨建て負債の評価額が大きくなったことから、日本円ベースの有利子負債残高は前連結会計年度末から3,355百万円増加しました。資金管理については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束しない中で、3ヶ月先までのローリング・フォーキャストを毎月実施しました。また、銀行団のオープン・コミットメント・ラインは164億円を維持しました。
当社グループの有形固定資産のうち約96%が国外の有形固定資産となっているため、相対的に金利水準の高い外貨建て借入金の割合が借入金全体の約87%となっています。そのため、借入金の平均金利は2.7%~3.3%となっています。なお、ネットDEレシオは前連結会計年度末の1.2倍から当連結会計年度末は1.1倍となりました。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末比8,776百万円増加し、48,877百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益5,099百万円に加え、当連結会計年度に進行した円安の影響により3,910百万円増加しました。その結果、親会社の所有者に帰属する持分合計は46,829百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の32.6%から当連結会計年度末は34.7%となりました。
《資本政策の基本的な方針》
・財務体質の健全性の観点から、Net DEレシオを1.1倍以下にガイドラインとして設定しています。
・各銀行による当社の信用格付けの維持向上の為、各銀行に情報提供を目的として定期的に対話の機会を設けています。
・中期的に収益性の向上と財務体質の強化に取り組み、信用格付けを取得し、資金調達の方法についての選択肢を増やす目標を持っています。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末比1,292百万円減少し、2,944百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は10,566百万円(前連結会計年度は600百万円の収入)となりました。ビジネスが拡大する中で、運転資本の増加を抑制できたことが営業キャッシュ・フローの改善に寄与しました。
B-to-BビジネスなのでDSO(売上債権回転日数)の短縮、つまり営業債権の回収期日の短縮は顧客からの値引き交渉に繋がりメリットが出ません。また、DPO(買掛債務回転日数)についての取り組みも仕入先からの値上げ交渉に繋がります。従って、DIO(棚卸資産回転日数)の管理が現実的な取り組みとなっています。DIOは地域別、会社別に毎月モニタリングを実施しています。前連結会計年度末に108日でしたが、半導体の供給逼迫により一部の客先の生産にブレーキがかかり、それが当社製品の納品の延期に繋がったこと等から2022年6月末に116日まで伸びました。地域別、会社別に在庫金額の目標値を定め、モニタリング頻度を週次に高めた結果、当連結会計年度末に92日まで短縮しました。
運転資本をモニターするKPIとしてCash Conversion Cycle(CCC)を採用しています。CCCの実績及び目標は以下のとおりです。
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実績 |
増減 |
目標 |
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2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
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DSO(売上債権回転日数) |
76 |
78 |
2 |
78 |
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DIO(在庫回転日数) |
108 |
92 |
△16 |
80 |
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DPO(仕入債務回転日数) |
66 |
64 |
△2 |
64 |
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Cash Conversion Cycle |
118 |
106 |
△12 |
87 |
当連結会計年度末のCCCは106日で、前連結会計年度末から12日短くなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は8,174百万円(前連結会計年度は6,712百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における設備投資は、EV/xEVを中心に承認数、承認金額ともに計画通りに推移しました。前連結会計年度中に承認し、当連結会計年度に実行した案件もあり、設備投資額は8,204百万円となりました。
当社グループでは、顧客からの受注に基づき設備投資をしています。車載事業については量産が始まる2、3年前に設備投資が必要ですが、事業サイクルが長いため投資回収リスクは家電事業に比べて低くなります。対照的に家電事業は設備投資後1年内に量産が始まりますが、事業サイクルが短く投資回収リスクが相対的に高くなります。設備投資については、新製品、増産、生産効率改善、更新と目的別に計画を立て、規模の大きい設備投資については、モンテカルロシミュレーションなどの手法を採用したNPV分析を行い、その採算性について検討後、設備投資を決定しています。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は4,130百万円(前連結会計年度は4,751百万円の収入)となりました。有利子負債が1,988百万円純減したことに加え、リース債務の返済による支出1,233百万円、配当金の支払いによる支出680百万円、その他資本性金融商品の所有者に対する分配の支払額227百万円等の支出があったためです。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.重要な会計方針 3.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、アジア・パシフィック事業及びEU事業ともに家電製品関連分野では、機器開発におけるアナログ回路設計と電源設計の技術及びその関連分野の開発を進めました。車載関連では、ハイブリッド・電気自動車向けモーター、オルタネータの制御回路、ECU制御用途向けに、高対恒性のインダクタ、トランスの製品・ユニット開発を進めました。インダストリー分野ではハイブリッド自動車・電気自動車向け各種トランス及び大電流コイル、産業機器、通信機器向け一次電源用トランス及びコイル、家電・産業機器・医療機器向けの高周波トランス及びリアクトル等を中心とした製品の開発を進めています。さらに製品の開発に必要不可欠な素材の研究も重要と考えております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の金額はアジア・パシフィック事業