第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「市場と顧客に対し、常に第一級の商品とサービスを創造し、日本及び海外市場に広く提供することによって、人類の豊かな生活の実現に寄与する」ことを経営理念として掲げ、ステークホルダー(お客様、株主の皆様、お取引先様、社員、社会)に対し、常に新しい価値創造に努め社会的責任を果たすことを目指した企業活動を基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、継続的な「売上高」「利益」の成長と「ROE」の向上により、持続的な成長の土台形成やグローバル競争に勝ち抜くことができる資本効率の高い経営体質の構築を目指しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2021年1月から2023年12月の3ヵ年を期間とする第11次中期経営計画を現在遂行しております。その内容は、2021年2月15日に公表した「2020年12月期 決算説明資料」に記載しております。

当該決算説明資料は、次のURLからご覧いただけます。

(当社ウェブサイト)

https://www.unicharm.co.jp/ir/library/investors/index.html

 

(4)会社の対処すべき課題

COVID-19は、国内外において経済活動に大きな影響を及ぼし、人々の行動様式にも様々な変化をもたらしながら、現在のところ先行きの不透明な状況の解消には至っておりません。海外においては、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格や資源価格の高騰などによる世界経済への影響が不透明であり、COVID-19の影響以外にも当社グループが事業展開している国・地域における地政学的リスク、経済、金融、為替変動などが、当該国・地域などの景気に少なからず影響を及ぼし、売上の停滞、輸入原材料価格や物価変動などに波及する恐れがあります。

国内においては、ウェルネスケア関連商品やペットケア関連商品への引き合いは強いものの、景気の先行き不透明感に加え、競争が激しい販売環境のなか、為替や原油価格に起因する輸入原材料価格の上昇が懸念されるとともに、パーソナルケア業界においては、ベビーケアやフェミニンケア関連商品の対象人口減少が今後も見込まれております。

こうした課題を背景に、当社グループは経営理念に則り、常に新しい市場創造及び価値創造に努め、日本製需要の最大化、並びに、アジアでの急速な高齢化への対応、感染症予防関連や顧客インサイトに応える商品ラインアップの拡大をスピーディーに進めることで、海外ではリスク管理を強化しながら積極的なエリア展開と成長市場におけるカテゴリーリーダーとしての地位確立により、国内では市場の活性化による業界総資産拡大、並びに、「共生社会」の実現を目指し、業績の向上に努めてまいります。

今後もより一層の企業変革に努め、全ての事業において、絶え間ない商品革新による価値向上に一層注力するとともに、原価低減と経営資源の効率的活用をさらに強力に推進してまいります。

一方、非財務面においても、環境(E)社会(S)ガバナンス(G)を中長期的かつ持続的な企業価値向上のための重要な基盤と位置付け、環境への配慮やガバナンス体制の強化等の施策推進を継続してまいります。また、企業経営の健全性と透明性をより高めるために、子会社の内部統制体制について、業務プロセスの適正性を検証する手続きの改善を推し進め、ガバナンスの強化を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループ(以下、本項目においては当社と総称)は、経営の基本方針(1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針をご参照下さい)としております企業活動の遂行・達成に影響を及ぼす様々なリスクを適切に把握し、その未然防止及び発生時の影響最小化と再発防止を、経営における重要な課題と位置付けております。その上で、当社全体のリスクマネジメント体制を構築し、その実践を推進するとともに継続的に事業等のリスク管理の見直し、改善を実施しております。

取締役会では、行動規範、倫理規程を監督すると同時に各部門長より報告されるリスクを分析・評価することによって改善策を審議し決定しております。監査等委員は、法令で定められた任期中、各種の監査等を実施することで責務を果たしております。

また、ESG委員会で当連結会計年度末現在においては事業上リスクとなる可能性があると考えられる主な12の事項を定め、同委員会で討議し必要に応じて適切な対応を行っております。この事項に該当しない喫緊のリスクを認識した場合は、ESG委員会で速やかに討議し対応することになっております。さらに、重大な事業等の危機が発生した場合には、危機管理に係る規程として制定した「クライシスコミュニケーションマニュアル」に基づき、「危機管理対応委員会」を設置し、迅速かつ適切な対応と早期復旧に努めることとしております。

以下の12の主要なリスクは、当有価証券報告書提出日(2023年3月27日)時点において当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している重要な事業上のリスク事項ですが、様々な対応策等の効果もあって現在のところいずれも経営に重大な影響を与えるまでのリスクの顕在化には至っておりません。また、今後顕在化する可能性の程度や時期は未確定です。なお、記載している主要なリスク以外にもリスクは存在し、将来当社が影響を受ける可能性があるリスクはここに掲げた事項に限定されるものではありません。

 

リスク事項

リスクの内容・当社への影響

当社の主な対応策等

競争下の販売環境に関するリスク

当社の主要商品の国内及び海外市場での競争は、景気や市場環境によっては、価格及び商品ラインの両面において、さらに厳しいものになる可能性があります。

消費者向けの商品という性格上、当社の主要商品は常に厳しい競争にさらされており、競合他社からも新商品が次々と発売されております。販売環境は、当社の製造コスト及び経費節減やマーケティング等の努力の如何にかかわらず、顧客の消費行動の変化や競合会社の対応によっても左右されます。

こうした販売環境に対し当社が適切に対応できない場合、売上や損益等に悪影響を与える可能性があります。

個々の国・地域の生活実態や消費実態を徹底的にリサーチし、文化や生活環境に合わせた商品開発を行い、景気の影響を受けにくい商品提供に努めております。こうしたリサーチや市場分析手法を展開エリアや国・地域の拡大にも活用し、安定した業績拡大を図っております。

また、生産面では調達コスト低減や生産効率の改善でコストを抑制し、営業面ではオンラインチャネルも含めた販売先の拡充に努めるとともに、デジタル技術を活用した顧客視点に立った売り方や買い方を小売店に提案することによって営業力を強化し、競争力の維持向上に努めております。

さらに、海外の現地子会社に権限委譲を進め、顧客の消費行動の変化に迅速に対応できる態勢作りを行っております。

 

 

リスク事項

リスクの内容・当社への影響

当社の主な対応策等

人口動態の変化に関するリスク

日本では、出生数の減少が長期間継続しており、乳幼児と月経期間のある女性の人口は減少傾向にあります。また、当社が事業展開している海外の一部の国・地域においても同様の傾向が見られます。こうした人口構成の変化により、当社の中核事業であるベビーケア関連商品並びにフェミニンケア関連商品の当該国・地域における需要は減少する可能性があります。

また、当社では事業遂行に必要な優秀な人材確保・育成に継続して努める必要があると考えております。一方で少子高齢化社会の進行に伴い、人材の確保は激しさを増しております。人材確保や育成が計画通り進まない場合、事業活動に影響を与える可能性があります。

世界中の人々が平等で不自由なく、その人らしさを尊重し、やさしさで包み支え合う、心つながる豊かな社会である「共生社会」の実現に寄与することをミッションとし、赤ちゃんからお年寄りまで全ての生活者と、パートナーアニマル(ペット)が抱える様々な負担からの解放を促し、生きる楽しさを満足することに貢献する商品とサービスを世界のあらゆる国・地域の中でバランスよく展開することで人口動態の影響を受けにくい企業活動を目指しております。また、市場の成長ステージに応じた商品戦略により、対象人口が減少してもラインアップ多様化や商品価値訴求で需要の維持拡大に努めております。

労働力人口減少の対策として、国籍・性別・年齢・障がいの有無に関わらず多様な人材が、強みを活かしていきいきと活躍でき働きがいを実感する職場環境づくりを推進しております。具体的には、個々のキャリアビジョン・キャリアプランに基づいた育成計画や適材適所の人員配置、四半期評価・階層別研修を実施することで成長機会を提供し、自ら課題設定し解決できる人材の輩出を目指しております。また、働き方や働きがいは自分で決めることを促すために、リモートワークの導入やコアタイムを撤廃、働く場所や時間の選択肢を増やし、創造性・生産性を高める柔軟な働き方を進めております。さらにシニア人材の活性化、女性活躍推進等にも積極的に取り組んでおります。

海外事業リスク

当社は、中国、インドネシア、タイ、インド、中東地域、ブラジル等で商品の製造を行っております。海外における事業展開では、為替相場の変動により原材料価格や設備費用へ相当の影響を受ける可能性があります。当該国・地域の規制、経済環境及び社会的・政治的情勢によっては、市場が大きく変化し当社の事業活動や保有資産の価値に影響を与える可能性もあります。また、在外連結子会社の当該国・地域通貨建での財務諸表は、連結財務諸表作成に際し円に換算されるため、円高時には当社の財政状態及び経営成績にマイナスの影響を与えます。

貿易取引では、製造拠点の稼働状況や為替等による収益性の観点から、場合によって出荷拠点を変更することで安定的な輸出入や収益の確保を図っております。為替変動に対しては、原材料仕入を含めた外貨建取引や保有債権・債務を総合的に勘案した為替ヘッジにより、リスクの最小化に努めております。また、安定的な株主還元や当社内資金循環にも寄与するよう、投資予定を上回る資金を保有する在外連結子会社からは配当を積極的に実行し、在外資産の円高でのマイナス影響を抑制する仕組みを構築しております。

 

 

リスク事項

リスクの内容・当社への影響

当社の主な対応策等

原材料価格変動リスク

当社は製造業者として、原材料価格の変動リスクに直面しております。現在、多くの仕入先からクロスボーダーで原材料を購入しており、特にパルプなどの原材料は、海外の仕入先から調達し、その取引は通常ドル建てになっております。為替の変動幅次第では、原材料費用が増大する可能性があります。また、石油・ナフサ・パルプなどの粗原料市況価格の変動も材料価格へ影響を与えます。

主要な原材料価格の動向分析や将来価格の予測を行い、仕入の調整や原価見通しを定期的に改定して収益管理に反映しております。輸入が中断する不測の事態に備え、為替の輸入価格への変動リスクを抑制するためにも、現地・特恵関税国での調達先を絶えず開拓し、総合的な視点で安定的な原材料の仕入に努めております。また、海外事業リスクの事項で記載した為替ヘッジにより、為替による原材料費用の増大にも備えております。また、原材料の使用量を減少させ素材の機能性を高めるような研究も進めております。

環境問題に関するリスク

資源の枯渇の懸念や海洋プラスチックなどによる海洋汚染、生態系の破壊など地球的な規模で環境課題が増大し、環境保全や環境負荷低減などの取り組みが世界的に推進されております。紙おむつや生理用品などの使い捨て商品を製造する当社にとって、地球環境に配慮したモノづくりは、おろそかにできない重要な課題であります。また、当社は国内及び海外の環境法規制の遵守に努めておりますが、廃棄物等の管理が不適切で法令や規程に反することがあれば、生産制限等の法的な措置を受けたり、当社の社会的信用に影響を及ぼしたりする可能性があります。

循環型モデルとして、2015年から使用済み紙おむつの再資源化プロジェクトに取り組み、パルプとSAP(高分子吸収材)の再資源化とリサイクルパルプを使用した紙おむつ等の実証実験に成功しました。また、2020年10月に公表した中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」の重要取り組みテーマ「地球の健康を守る・支える」と、「環境目標2030」において環境問題に対する数値目標を設定し、これを達成するために具体的な取り組みを策定し、実行しております。このほか、当社行動憲章において、環境基本方針、環境行動指針を制定し全社員で読み合わせなどを実施することで、環境活動への取り組みを強化するとともに、全社員の環境意識を高めることで環境法規則の遵守につなげております。

気候変動に関するリスク

年々高まる気候変動の影響が深刻度を増し、パリ協定では世界の平均気温の上昇を抑制することが合意事項になり、2021年11月に開催された「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」(COP26)では、1.5℃目標が設定されました。また、金融安定理事会(FSB)が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は企業の気候関連財務情報の開示を促す提言を行っております。国内においてもプライム市場移行の際には、TCFD提言に沿った開示が必須になるなど情報開示の必要性が増しております。

世界的に平均気温上昇抑制等の気候変動に対する緩和策と適応策が取られなかった場合、当社商品の主要原材料である森林由来の原料価格の高騰やエネルギー価格の大幅な変動等が予測され、当社が注力しているアジアも大きな影響を受ける可能性があります。

また、当社が気温上昇抑制につながるCO₂の削減等の取り組みやその開示が不十分な場合、当社の社会的信用の低下に至る可能性があります。

当社は、パリ協定の2℃シナリオに貢献するべく、2018年6月にSBT(Science-Based Targets/科学的根拠に基づく目標)イニシアチブより2050年までの削減計画に対する認定を受けております。また、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures/気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同表明を行い、枠組みに則った報告を実施しております。

一方、「2050年CO₂排出ゼロ社会」の実現に向け、代表取締役社長執行役員が主体的に目標設定と進捗管理の指揮をとり、中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」で打ち出した、事業展開に用いる全ての電力に占める再生可能電力比率100%達成を目指します。その他、プロダクトライフサイクル全体を通じた排出量の抑制につながるよう、サプライチェーンに携わる全ての関係者への積極的な働きかけを行っております。

商品の信頼性に関するリスク

当社は消費者向け商品の製造・販売業者として、創業以来、商品の品質や安全性に関連して経営に大きな影響がある多額の補償金問題などは経験したことはございません。しかしながら、商品の製造・販売時に予期しなかった重大な品質や安全性等に関する問題が発生した場合には、当社商品の信頼性が大きく低下する可能性があります。

当社の商品は直接肌に触れるものが多く、安心してご使用いただけるよう、商品の品質と安全性の向上を図るとともに、正しい情報の伝達のための適正な表記に努めております。また、原材料の調達から開発、製造、物流、販売、使用後の商品の廃棄にいたるまで全ての工程において、関連法規を遵守するだけでなく自社で厳しい基準を設定して商品の品質や安全性のチェックを行っております。当社商品に関するクレームがあった場合は、その多少にかかわらず、迅速な原因究明や改善対処をし、商品の信頼性が低下しないよう体制を整えております。

法令の遵守違反に関するリスク

当社や当社社員が、国内及び海外の独占禁止法や不正競争防止法、税法などの法令に違反して、例えば、取引に際して不当な要求をしたり、公的手続のため贈賄を行なったりして、公的な罰則等を受けた場合、当社の企業業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

当社行動憲章に、各ステークホルダーへの誓いを実現するために心掛ける行動に対する法令遵守を記載して、不正な行為の防止等のコンプライアンス意識を向上させるとともに、毎年の社員意識調査でもモニタリングを実施しております。また、法令遵守に関する意識向上と問題の発生を未然に防止することを目的に、コンプライアンスに関するテーマをカリキュラムに含む新入社員研修や海外赴任者向け研修、取締役と執行役員を対象としたコンプライアンス勉強会、コンプライアンスに関する講座を設けた全社員対象のeラーニングを実施して、法令遵守を徹底しております。

 

リスク事項

リスクの内容・当社への影響

当社の主な対応策等

特許、商標など知的財産権に関するリスク

当社の保有する知的財産権に関して、第三者等が何らかの侵害を行った場合、期待される収益が失われるなど多大な損害を被る恐れがあります。一方で、当社が認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害した場合、多額の損害賠償責任を負う可能性や当社の事業活動が制限される可能性があります。

第三者等の侵害、不当な権利行使に対しては訴訟など断固とした姿勢で臨み、当社内で密接に協働するとともに、各国政府とも連携を図り、権利侵害品や模倣品を排除しております。一方、特許や商標、景品表示法などに関する社内コンプライアンス教育ではOFF-JTやOJT、eラーニングを組み合わせることで、当社及び他社の知的財産の保護・尊重を浸透させております。

災害や事故に関するリスク

当社は、大地震や大規模自然災害、火災、事故等によって生じる製造や販売の中断による損失を最小限に抑えるため、事業継続計画(BCP)に基づき、製造や物流拠点間での連携や迅速な情報システム、管理機能回復が可能な体制を整えております。2020年6月の当社インドの工場火災ではBCPが機能して、インドの国内工場だけでなく、他国の工場からの供給体制を迅速に整え、火災による販売の落ち込みを最小限にとどめることができました。しかしながら、予測を上回る災害や事故等の発生により、製造の継続、原材料の確保、商品の安定供給などに支障が生じる可能性があります。

事業継続計画(BCP)は、(1)基本要件、(2)社員及びその家族の安全確保と安否確認、(3)事業を継続させるための具体的な対策、(4)事業継続とともに対応すべき重要事項、(5)運用していくために必要な対策、から構成されております。このうち(5)に定めている訓練として、シナリオに基づく緊急事態を想定した避難訓練を継続的に実施しております。また、国内では、リスク分散や代替拠点として九州工場を新たに建設し、2019年度から稼働しております。

買収、提携、事業統廃合等に関するリスク

当社は、常に保有する経営資源の効率的運用を考え、企業価値の最大化を追求するように努めております。将来もこの過程において、他社事業の買収や他社への出資、他社との提携、事業の統廃合や合理化・独立化等の施策を実行することが考えられます。しかしながら実行後、市場の変化や施策の成果が予想を下回ることなどで、のれんなどの保有リスク資産の価値下落による損失等が発生する可能性があります。

買収、提携、事業統合の検討を行う際には、十分な情報を収集し、将来の回収計画を綿密に立てて、計上する資産であるのれんや他の固定資産が将来減損される可能性が小さいことを関係部門で十分に確認した後に取締役会で決定しております。実行後は、適時に減損兆候の判定を行って減損等のリスクを把握、計画を下回っている対象事業会社はその原因を分析し必要に応じて事業計画の見直し等で計画収益が回収できるように努めております。

 

 

 

 

 

リスク事項

リスクの内容・当社への影響

当社の主な対応策等

情報漏洩リスク

当社は社内で発生するものだけではなく、お客様など取引先の同意や機密保持契約に基づいて取得した個人情報を含む多くの情報を保有しております。万が一、何らかの情報漏洩が発生した場合には、情報管理に関する法的責任を問われる可能性や当社への信頼性が低下する可能性があります。

情報セキュリティポリシー、情報管理セキュリティ規程を制定し、取得した個人情報については、個人情報保護規程や特定個人情報取扱規程を定め、厳重な管理と漏洩防止に努めております。規程の厳格な運用のために、情報管理セキュリティ委員会を設置し、社内横断の情報管理セキュリティ対策企画と社員教育、モニタリングを継続実施しております。

一方、端末の紛失・盗難に伴う情報漏洩を防止する物理的な対策として、データを保管できないパソコンを採用し、データやシステムはサーバ上でしか利用できないクラウド環境を完備しております。

公開Webサイトなどへの外部からのサイバー攻撃対策については、外部の専門家と連携して、適切なサーバ構築を始め、フィッシング対策、ウィルス対策、パスワード・ID管理、セキュリティ対策機器導入・監視等の各種セキュリティ対策を講じております。

また、情報漏洩などのインシデントが発生した際に、迅速に実態把握と影響を最小限にする対応ができるよう、全社クライシスコミュニケーションマニュアルに組み込み、備えをしております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループは2017年12月期より、財務情報の国際的な比較可能性と経営管理の品質向上を目指して、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しております。

また、コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

782,723

898,022

115,299

14.7

コア営業利益

122,482

119,566

△2,917

△2.4

税引前当期利益

121,977

115,708

△6,268

△5.1

親会社の所有者に帰属する当期利益

72,745

67,608

△5,137

△7.1

基本的1株当たり当期利益(円)

121.78

113.61

△8.17

△6.7

 

当連結会計年度の業績は、売上高898,022百万円(前連結会計年度比14.7%増)、コア営業利益119,566百万円(前連結会計年度比2.4%減)、税引前当期利益115,708百万円(前連結会計年度比5.1%減)、当期利益78,375百万円(前連結会計年度比6.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益67,608百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(a)パーソナルケア

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高(注)

672,039

764,908

92,869

13.8

コア営業利益

107,322

100,863

△6,458

△6.0

(注)外部顧客に対する売上高

 

●ウェルネスケア関連商品

海外においては、日本以上のスピードで高齢化が進み、大人用排泄ケア用品の対象人口が多い中国では、現地のニーズに合った新商品の発売と積極的なマーケティング投資により、大人用排泄ケア用品の認知拡大と普及促進に取り組んでまいりました。大人用排泄ケア用品の需要が高まっているタイ、インドネシア、ベトナム、マレーシアといった東南アジア地域では、商品ラインアップの拡充と、日本で確立したケアモデルの普及促進を図り、引き続き高い成長を実現いたしました。

高齢者人口の増加により拡大が続く国内市場においては、COVID-19禍の生活環境に慣れてきたことや、ワクチン接種が進み行動制限が緩和されたことなどもあり、市場は回復へ転じました。そのような中、中度のパンツ型紙おむつでは、足腰の負担を軽くする「骨盤サポートフィット」を機能強化するなどの価値向上に努め、安定的な成長を実現いたしました。

また、マスクの使用が日常的に定着したことで、安心・安全の面から日本メーカー製のマスクの需要が高まる中、『超快適』、『超立体』両ブランドの安定供給と消費者ニーズを捉えた新商品でラインアップを充実させ、市場の活性化に努めてまいりました。

感染対策としてマスクが欠かせなくなった一方、口元や表情が見えず、コミュニケーションに不安を抱えている方に向けては、ウイルス飛沫を対策しながら、口元や顔の表情が視認できる『unicharm 顔がみえマスク』を発売し、全ての人々が平等で不自由なく暮らせる「共生社会」=Social Inclusionの実現に向けて取り組んでまいりました。

マスク市場はCOVID-19との共存の中、マスクの使用習慣の変化に伴い市場成長の鈍化が予測されるものの、今後も新商品などの発売で市場の活性化と市場シェアの拡大に努めてまいります。

●フェミニンケア関連商品

沿岸部の都市を中心に、販売エリアや、取り扱い店舗数の拡大、eコマースにおける新プラットフォームの活用による販売強化に取り組んでいる中国においては、ゼロコロナ政策の継続による断続的なロックダウンにより、供給面で影響を受けましたが、若年層をターゲットに継続的な新価値提案を実施した結果、高付加価値商品であるショーツ型ナプキンなどを中心に、引き続き成長を実現いたしました。

タイ、インドネシア、ベトナムといった東南アジア地域においても、新コンセプトである、清涼感のあるつけ心地を実現したクールナプキンなどの高付加価値商品が好調に推移いたしました。また、中東では、現地の習慣を捉えたオリーブオイルを配合した新商品などの積極的なマーケティング投資により、サウジアラビア国内販売に加え、サウジアラビアから近隣中東諸国への輸出も進めた結果、安定的な成長を実現いたしました。

対象人口が減少傾向の国内においては、健康意識と安心志向が高まる中、女性のライフスタイルに合わせた高付加価値商品展開やSNSなどを活用した消費者とのコミュニケーションなどでブランド価値の向上に努めた結果、シェアを拡大し高い成長を実現いたしました。

 

●ベビーケア関連商品

COVID-19の拡大の影響で、市場の二極化が進んでいたタイにおいては、2018年に買収したDSG (Cayman) Ltd.とのシナジーを活かし、幅広いお客様のニーズに応えてまいりました。新興国のなかでも紙おむつの普及率が低いインドでは、インド北部の工場再稼働と既存工場の生産増強、近隣諸国からの輸入でパンツ型紙おむつの普及促進を図りながら販売エリアと市場シェアの回復に努めた結果、高い成長を実現いたしました。ローカル企業の台頭や少子高齢化が進む中国では、ゼロコロナ政策の継続による断続的なロックダウンにより、供給面で影響を受け、売上高が伸び悩みましたが、収益性の高い中国製プレミアム商品『ムーニー』ブランドへのシフトを加速させるため、日本製プレミアム商品の在庫調整を進め、収益性の改善に努めてまいりました。

少子高齢化が進み、市場が縮小傾向の国内においては、『ムーニー』や『マミーポコ』の2ブランドで、新たな付加価値を搭載した商品ラインアップで価値転嫁を進め、引き続き笑顔あふれる育児生活の実現に取り組んでまいりました。

 

●Kireiケア関連商品

物理的な美しさや清潔さだけでなく、人の内面まで包含する美しさをあえて表音文字であるアルファベットで「Kirei」と表記することで、日本だけでなく、全世界に広い概念と共通の表現として発信し、「すべての人々が安心・安全でKireiな生活が送れる環境を目指す」という思いを込めて、ウェルネスケア関連商品とベビーケア関連商品のワイプス、化粧用コットンを統合し、「Kireiケア関連商品」といたしました。

国内においては、ウェットティッシュ『シルコット』ブランドの安定供給と、市場シェアの拡大に努めた結果、安定的な成長を実現いたしました。今後は日本だけではなく世界的にも同様に衛生意識の高まりと使用の定着が見込まれることから、世界中の全ての人々が安心・安全でKireiな生活を送ることができる環境を目指してまいります。

 

この結果、パーソナルケアの売上高は764,908百万円(前連結会計年度比13.8%増)、セグメント利益(コア営業利益)は100,863百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。

 

(b)ぺットケア

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高(注)

104,541

125,312

20,771

19.9

コア営業利益

14,619

18,352

3,733

25.5

(注)外部顧客に対する売上高

 

国内においては、2020年からのCOVID-19拡大の影響下で在宅時間が増えたことなどによりペットとの接触機会が増えてきたなか、新商品とリニューアル商品でラインアップの充実と価値転嫁を進め、急激なコスト上昇に対応してまいりました。ペットフードにおいては、猫用では健康志向の高まりに応えた商品などで、消費者の満足度向上に努めてまいりました。また、犬用では犬種ごとの身体の特徴や年齢に合わせた商品、新コンセプト商品である筋肉の健康を維持するカラダづくりフードなどの販売を強化してまいりました。ペットトイレタリーにおいては、犬用ペットシートや猫用システムトイレなどが堅調に推移した結果、安定的な成長を実現いたしました。

北米市場においても、COVID-19拡大の影響で、ペットの飼育頭数とペットとの接触機会が増える環境下、昨今の急激なコスト上昇に対応した販売価格とし、日本の技術を搭載した新たなコンセプトの猫ウェットタイプ副食や、高品質な犬用トイレタリーシートなどの販売が好調に推移した結果、高い成長と収益性の改善を実現いたしました。

北米に次ぐ世界第2位の市場規模を誇る中国では、江蘇吉家寵物用品有限公司(以下JIA PETS社)と資本業務提携を締結しました。日本の消費者に支持された当社グループの製品技術及び生産管理ノウハウとJIA PETS社が保有する生産体制や研究開発、E-Commerceチャネルにおける販売力などを活用することにより、中国市場におけるペットケア事業の飛躍的な拡大を目指してまいります。

 

この結果、ペットケアの売上高は125,312百万円(前連結会計年度比19.9%増)、セグメント利益(コア営業利益)は18,352百万円(前連結会計年度比25.5%増)となりました。

 

(c)その他

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高(注)

6,143

7,802

1,659

27.0

コア営業利益

542

351

△191

△35.2

(注)外部顧客に対する売上高

 

不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野において、産業用資材を中心に販売を進めてまいりました。

 

この結果、その他の売上高は7,802百万円(前連結会計年度比27.0%増)、セグメント利益(コア営業利益)は351百万円(前連結会計年度比35.2%減)となりました。

 

当期の財政状態の概況は次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

資産合計

987,655

1,049,218

61,563

負債合計

352,217

340,605

△11,612

資本合計

635,438

708,613

73,175

親会社所有者帰属持分比率(%)

56.5

59.0

 

当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が1,049,218百万円と前連結会計年度末に比べ61,563百万円増加いたしました。主な増加は、現金及び現金同等物29,606百万円、棚卸資産27,780百万円、売上債権及びその他の債権23,604百万円、主な減少は、預入期間が3ヶ月を超える定期預金等のその他の金融資産29,339百万円によるものです。負債合計は、340,605百万円と前連結会計年度末に比べ11,612百万円減少いたしました。主な増加は、仕入債務及びその他の債務3,794百万円、主な減少は借入金11,292百万円、リース負債等のその他の金融負債6,603百万円によるものです。資本合計は、708,613百万円と前連結会計年度末に比べ73,175百万円増加いたしました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する当期利益67,608百万円、在外営業活動体の為替換算差額等のその他の資本の構成要素30,975百万円、主な減少は、親会社の所有者への配当金の支払い22,059百万円によるものです。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の56.5%から59.0%となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

105,253

92,216

△13,037

投資活動によるキャッシュ・フロー

△79,837

△7,145

72,692

財務活動によるキャッシュ・フロー

△45,180

△61,652

△16,472

現金及び現金同等物の期末残高

187,547

217,153

29,606

 

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は217,153百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,606百万円増加しております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られたキャッシュ・フローは、92,216百万円の収入(前連結会計年度は、105,253百万円の収入)となりました。主な収入は、税引前当期利益、減価償却費及び償却費、主な支出は、法人所得税の支払、売上債権及びその他の債権の増加によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用したキャッシュ・フローは、7,145百万円の支出(前連結会計年度は、79,837百万円の支出)となりました。主な収入は、定期預金の払戻による収入、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却及び償還による収入、主な支出は、定期預金の預入による支出、有形固定資産及び無形資産の取得による支出、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得による支出、償却原価で測定する金融資産の取得による支出によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用したキャッシュ・フローは、61,652百万円の支出(前連結会計年度は、45,180百万円の支出)となりました。主な支出は、親会社の所有者への配当金支払額、長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

セグメントの名称

生産高

(百万円)

前年同期比

(%)

パーソナルケア

793,311

12.2

ペットケア

131,818

13.9

その他

8,266

28.4

合計

933,395

12.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

 

(b)受注実績

受注生産を行っていないので、該当事項はありません。

 

 

(c)販売実績

セグメントの名称

販売高

(百万円)

前年同期比

(%)

パーソナルケア

764,908

13.8

ペットケア

125,312

19.9

その他

7,802

27.0

合計

898,022

14.7

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループをとりまく経営環境は、ウクライナ情勢などの悪化による地政学リスクの高まりを受け、資源価格の高騰や為替変動などの影響で、インフレーションの加速懸念が強まり、予断を許さない状況が続いております。また、国・地域間で新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)への対応の違いを背景に景気の回復ペースは大きく異なっております。

海外においては、タイやインド、インドネシアなどの主要参入各国でCOVID-19の拡大による景気の悪化からは持ち直しの動きがみられています。一方、中国では、12月初旬にゼロコロナ政策が大幅に緩和されたものの、COVID-19の再拡大によって不透明な経済状況が続いています。そのような中、当社商品は生活必需品であることから安定供給に向けて取り組み、北米や、インドネシアなどの地域において、新商品とリニューアル商品の上市による価値転嫁で、急激なコスト上昇への対応を進めてまいりました。

国内においても、景気の持ち直しの動きが続く中、高付加価値商品の需要を喚起するための新価値提案を継続的に実施しながら価値転嫁を進め、市場シェアの拡大に努めてまいりました。

このような経営環境の中、当社グループは、“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづけます”の基本方針に基づき、独自の不織布加工・成形技術と消費者ニーズを捉えた商品の開発に努め、世界中の人々が平等で不自由なく、その人らしさを尊重し、やさしさで包み支え合う、心つながる豊かな社会である「共生社会」=Social Inclusionの実現に向けて取り組んでまいりました。

 

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高898,022百万円(前連結会計年度比14.7%増)、コア営業利益119,566百万円(前連結会計年度比2.4%減)、税引前当期利益115,708百万円(前連結会計年度比5.1%減)、当期利益78,375百万円(前連結会計年度比6.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益67,608百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。

 

(b)経営成績に重要な影響を与える要因

「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(c)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度においては、一部海外連結子会社において為替リスク軽減等の観点から外部借入を行った以外は、営業キャッシュ・フロー(当連結会計年度は92,216百万円のプラス)を主要な財源としております。また、事業活動や投資、自己株式取得を含めた株主還元を目的とした資金需要はできる限り自己資金で対応できるように資金の流動性を十分確保するように努めております。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

2023年度の設備投資資金についても、自己資金をもって充当する予定であります。

 

(d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

前連結会計年度から始動した第11次中期経営計画が目標とする主な指標の状況は次のとおりであります。

2年目となる当連結会計年度は、物流費や原材料価格の高騰する中、価値転嫁や収益性の高い商品構成への対応を進めたものの、コスト上昇の影響を補いきれず、コア営業利益率は中期経営計画の目標に対して未達となりました。ROEについては、コア営業利益の減益に加え、金融費用が増加したことで、前連結会計年度比で悪化しました。次期連結会計年度は、原材料価格高騰の長期化や市場環境の変化が想定されるなか、持続的な高成長へ向け消費者ニーズに即した新商品開発及び市場創造を通した価値転嫁に努めるとともに、高収益、高成長市場であるウェルネスケア、ペットケアへの経営資源投下を促進し、事業構造の変革を図って中期経営計画の目標達成を目指してまいります。

 

前連結会計年度

(2021年度)

当連結会計年度

(2022年度)

第11次中期経営計画

目標(2023年度)

売上高

782,723百万円

898,022百万円

888,000百万円

売上高成長率

7.6%

(前年度比)

14.7%

(前年度比)

(注)6.9%

CAGR

(年平均成長率)

コア営業利益率

15.6%

13.3%

15.5%

ROE

(親会社所有者帰属持分

当期利益率)

13.8%

11.5%

15.0%

(注)第11次中期経営計画の売上高CAGR(年平均成長率)は、為替変動の影響を除いた数値を目標としております。

 

(e)戦略的現状と見通し

当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢などの地政学的リスク、COVID-19の新たな変異株の出現、新興国経済の動向、金融市場の変動など依然として先行きに不確実性が見られますが、当社が事業展開しているアジア各国・地域においては、景気は緩やかに回復していくと想定しております。国内においても同様に、長期化する原材料価格の高騰や諸物価上昇の懸念はあるものの、景気回復基調に転じると想定しております。

このような経営環境のなかで、海外では、各国・地域のニーズを捉えた商品の提供と、積極的な販売活動を通じて、市場を上回るスピードで成長し、活性化を図ってまいります。国内では、パーソナルケアにおいては、消費者ニーズを捉えた高付加価値商品の提供による価値転嫁を推進し、市場の活性化をリードし収益性の改善に努めてまいります。

 

(f)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。

なお、重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(江蘇吉家寵物用品有限公司の持分の取得)

2022年10月8日に、当社の100%連結子会社である尤妮佳(中国)投資有限公司は、中国ペットフード企業大手である江蘇吉家寵物用品有限公司(以下、JIA PETS社)と資本提携を行うことを決定しました。また、2022年11月30日に当社の連結子会社である尤妮佳生活用品(中国)有限公司とJIA PETS社との業務提携を行うことを決定しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記 37.後発事象」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、“尽くし続けてこそNo.1”の理念のもと、“テクノロジーイノベーションで新たな価値を創造し続ける”を基本に、香川県観音寺市のテクニカルセンター及びエンジニアリングセンターを中心として、不織布技術、特殊高分子吸収技術、紙並びにパルプに関するノウハウの開発と改良を絶え間なく行い、カテゴリーNo.1製品の育成と製品開発から市場導入までのリードタイム短縮による効率化に取り組んでまいりました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、8,270百万円(連結売上高比0.9%)であり、主な成果は下記のとおりであります。

 

(1)パーソナルケア

●ウェルネスケア関連商品

大人用排泄ケアブランド『ライフリー』より、パンツタイプカテゴリーにおいて、股下のごわつき感を改良して快適なはき心地を実現した『ライフリー 超うす型 下着の感覚パンツ(2回吸収 M/L)』を改良発売し、新たに4回吸収の『ライフリー 超うす型 下着の感覚パンツ(4回吸収 M/L)』をラインナップに追加して新発売いたしました。ウエスト部分の厚みを約2分の1※1の薄さにすることで、腰回りがゴワつかない軽いはき心地を実現しております。下着のようなはき心地の商品を提供することで、毎日いきいきと生活する意欲を支え、フレイル※2対策につながると考え、製品開発に努めてまいりました。

軽失禁カテゴリーにおいては、女性用軽失禁ケア用品の『チャームナップ 吸水さらフィⓇ』から、天然カテキンを配合した抗菌シートに消臭機能を搭載した『チャームナップ 吸水さらフィⓇ消臭タイプ(15㏄/70㏄)』を新発売いたしました。

海外においては、タイにて、高いフィット性と一晩中の尿でもモレない吸収力を搭載した夜用パンツとして、『LIFREE NIGHT PANTS(ADL1~3)(M/L/XL)』を新発売し、一晩中安心して過ごせるよう、快適性の向上に努めてまいりました。また、中国にて、パンツタイプカテゴリーにおいては、『楽互宜軽爽舒肌内袴型成人紙尿袴(M/L』を改良発売するとともに、『楽互宜軽爽舒肌内袴型成人紙尿袴(XL/XXL)』を新発売いたしました。テープタイプカテゴリーにおいては、『楽互宜安心干爽成人紙尿袴(厚型)(M/L/XL)』を新発売し、各国の開発拠点にて現地のニーズにあった製品開発を行い、ラインアップの拡充を図るなど市場の活性化に努めてまいりました。

 

※1 吸収体を含まない腰まわり不織布のうすさ。当社の同じ吸収回数の製品比

※2 「フレイル」とは、健康な状態から要介護状態になるまでの中間の段階

 

マスクカテゴリーにおいては、長引くコロナ生活で定着したマスク生活において、小学校高学年のお子様の顔にぴったりフィットする『超快適®マスク 高学年専用タイプ』を新発売いたしました。この度成長期の小学校高学年の顔にぴったりフィットする高学年専用タイプの追加によって『超快適®マスク』ブランドのラインアップの拡充を図ることで、お客様満足度の向上とともに、マスク市場の拡大に努めてまいりました。

また、ウイルス飛沫の感染を対策しながら、口元や顔の表情が視認できることで好評な『unicharm 顔がみえマスク』において、口元が見えるよう曇り止め機能を向上させて改良発売いたしました(ユニ・チャーム ダイレクトショップ(オンラインショップ)限定)。透明フィルム部分の曇り止め機能を高めて、顔の70%※1を視認できるようになり、聴覚に障がいのある方をはじめ、教育現場や接客業、報道機関などでの使用課題の解決に取り組んでまいりました。

 

※1 目の真ん中から下の顔を100とした場合当社製品比

 

●Kireiケア関連商品

ウェットティッシュカテゴリーにおいて、シートに植物由来の成分を配合※1して、拭くだけで24時間菌の増殖を抑制できる『シルコットⓇ99.99%除菌※2抗菌Plus※3』を新発売いたしました。新型コロナウイルスの流行の影響もあり、より高機能なウェットティッシュが求められる中で、ニーズに応えたラインナップの拡充を図ることで、お客様満足度の向上とともに、ウェットティッシュ市場の拡大に努めてまいりました。

 

※1 植物由来であるカプリル酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、リシノレイン酸グリセリルの3種類と抗菌剤を配合しています

※2 全ての菌を除菌するわけではありません

※3 ウエットティッシュで拭いた面の菌の増殖を抑制。全ての菌を抗菌するわけではありません。

 

●フェミニンケア関連商品

生理用品ブランド『ソフィ』から、夜もナプキンのズレやヨレを気にせずに、一晩中安心してぐっすり眠れると、発売以来多くの方よりご好評頂いております、ナプキンとショーツ一体型の「超熟睡ショーツ」から、デリケートゾーンに「肌にやさしいオーガニックコットン」を用いたショーツ型ナプキン『ソフィ 超熟睡ショーツ ORGANIC®』を新発売いたしました。

また、コロナ禍によるおうち時間の増加に伴い、癒しを求めて生活の中に“香り”を取り入れる方が増えています。そのようなニーズにお応えして、『ソフィ®センターインコンパクト1/2』『ソフィ®Kiyora』『ソフィ®Kiyora贅沢吸収』から、ふんわりと香る癒しの“ホワイトリリーの香り”、秋の訪れを感じさせる“金木犀の香り”を期間限定発売いたしました。また、ふんわりとやさしく香るゼラニウムを配合した『ソフィ®センターインコンパクト1/2(ナチュラルフローラルの香り/リラックスサボンの香り)』を改良発売いたしました。

海外においては、アラブ地域において「オリーブオイルは肌にやさしい」という文化が根付いていることを踏まえ、肌に接するシートの表面にオリーブオイルを配合したナプキン『SOFY Olive(Regular/Large)』をサウジアラビアにて新発売いたしました。また、インドにて、菌の増殖をさらに抑え防臭機能をアップさせた『SOFY Antibacteria(Extra Long/Super XL+)』、香料により長時間使用しても嫌な臭いを抑える機能をアップさせた『SOFY Body Fit(Regular/Extra Long)』をそれぞれ新発売いたしました。インドネシアにおいては、生理用品ブランド『CHARM』より、肌に触れる表面シート部分、パッケージや個包装にサトウキビ由来の“BIO MATERIAL”※1を配合した『CHARM Herbal Ansept+ Bio(23cm wing)』を、世界環境デーに合わせて期間限定発売いたしました。海洋プラスチックごみ問題は世界共通の課題であり、これに対応するためにインドネシアの開発拠点を中心に製品開発を行い、“持続可能な開発目標(SDGs)”で定めた目標の貢献にも努めてまいりました。

 

※1 “BIO MATERIAL” とは、プラスチック素材の一部をバイオマスプラスチックに変えた素材

 

●ベビーケア関連商品

紙おむつ『ムーニー』ブランドから、赤ちゃんの肌に触れるふわふわのシート(トップシート)に、 お肌に安心な“無添加※1弱酸性”シートを搭載した、『ムーニー(NB3000g/NB5000g/S/M/L)』 『ムーニーマン(S/M/Mたっち/L/Big/Bigより大)』を改良発売いたしました。ムーニー新生児5000g/S/Mサイズに関しては、従来品で背中側に搭載しご好評頂いている“ゆるうんちストッパー”を足まわりにも搭載し、品質機能面での改良を図ってまいりました。

また、多くの方にご愛用頂いている「ドラえもんデザイン」の紙おむつ『マミーポコ』ブランドから、夜専用の紙おむつ『マミーポコパンツ 夜用』を新発売いたしました。吸収力を強化し、5回分のおしっこを吸収する夜専用の紙おむつで、夜間のモレに対するお客様満足度の向上を図ってまいりました。

海外においては、中国にて、吸収体の厚みがわずか0.26cmの薄型吸収体を搭載した紙おむつ『moony殿堂薄紗 Tape(NB/S/M/L/XL)』、『moony殿堂薄紗 Pants(L/XL/XXL)』をそれぞれ新発売いたしました。また、タイにて、お手頃価格のスタンダードパンツの吸収力を8時間吸収から9時間吸収へさらに強化した紙おむつ『MamyPoko Happy Pants Day & Night(S/M/L/XL/XXL)』を改良発売し、赤ちゃんとお母さんに安心して使用いただけるよう、品質機能面での改良を図ってまいりました。ベトナムにおいては、おむつの内側の表面シートに天然ライスオイルを配合した紙おむつ『Bobby Tape(XS/S/M/L/XL/XXL)』、『Bobby Pants(S/M/L/XL/XXL/XXXL)』をそれぞれ改良発売いたしました。このほか、各国の開発拠点を中心に、進出している各国において現地のニーズにあった製品開発を行い、お客様満足度の向上を図ってまいりました。

 

※1 石油由来の油剤、香料、ラテックス、合成着色料の4つの成分を使用していません

 

●研究成果

日本睡眠学会第47回定期学術集会にて、“ねんねリズム”が親子にもたらす有効性について、広島大学・滋賀大学との共同研究から、赤ちゃんの“ねんねリズム”を整える育児サポートコンテンツを開発し、『チームムーニーポイントプログラム』アプリ※1に追加された機能を使用することによって、ねんね予報に合わせて寝かしつけることで赤ちゃんが一定の時間に寝てくれるという検証結果を発表いたしました。赤ちゃんとママやパパの笑顔があふれる子育て社会の実現のために、客観的で科学的なデータに基づいた育児のソリューション提案を通じて、育児に関する社会課題の解決に努めてまいりました。

 

※1 「ムーニー」「ムーニーマン」「ムーニーナチュラル」「ムーニーマンナチュラル」などの対象商品のポイントを集めて素敵なギフトへ交換できる管理アプリ

 

以上の結果、当連結会計年度のパーソナルケアにおける研究開発費は、6,907百万円となりました。

(2)ペットケア

ペットケアにおける研究開発活動は、事業理念である“ペットの健康で幸せな毎日を一生を通じてサポートする”を基本に、ペットフード製品は兵庫県伊丹市にある当社工場内にて、ペットトイレタリー製品は香川県観音寺市にて、開発を行っております。

ペットフード製品においては、ペットが健康で長生きするため、年齢・体格といったそれぞれのペットの特徴に応じて必要な栄養バランスを実現しながら、よりペットに喜ばれるおいしさを実現した製品の開発に取り組んでおります。

犬用フードにおいて、本物素材を彩り良く使い、味、食感、栄養バランスの全てにこだわった『グラン・デリ』ブランドに、遠赤外線で焼き上げた粒とフリーズドライの素材を脱酸素剤入りでアルミ蒸着包装することで、いつでも美味しさを実感できる『グラン・デリ Frecious(フレシャス)』シリーズから、『パピー子犬用 チキン&ビーフ入り』、『アダルト成犬用 超小型犬用 チキン&ビーフ入り』、『アダルト成犬用 低脂肪設計※1 チキン&小魚入り』をそれぞれ新発売いたしました。また、100%国産鶏肉を使用した、とっても美味しい素材感が楽しめる愛犬用おやつ『グラン・デリ とりぷる~ん』シリーズからは、『ジュレ チーズ入り』、『ムース チーズ入り』、『ゼリー チーズ入り』の大容量パックを新発売し、犬のフード市場の拡大に努めてまいりました。

猫用フードにおいて、着色料・香料不使用で、食事の吐き戻し軽減を中心とした7つの機能で健康をサポートする『All Well』ブランドから『早食いが気になる猫用』、『健康免疫サポート※2』、『成猫の腎臓の健康維持用』をそれぞれ新発売し、ラインアップの拡充を図ってまいりました。また、『銀のスプーン』ブランドより、厳選した国産の生かつおを使用した粒をたっぷりブレンドし、ネコちゃんが喜ぶかつお本来の味や香りが楽しめる『銀のスプーン 国産生かつおin』、『銀のスプーン 三ツ星グルメ お魚味クリーム』から「いろいろな味を食べさせたい」といったご希望にお応えし『ほたて味レシピ3種のアソート』、高齢のネコちゃんが食べやすく、健康維持に配慮した『15歳頃から』をそれぞれ新発売いたしました。また猫用フードに対する「安全・安心」への関心の高まりにお応えし、『銀のスプーン パウチ』 『銀のスプーン 三ッ星グルメ パウチ』から無添加※3シリーズを新発売し、ペットの健康で幸せな毎日をサポートできるよう取り組んでまいりました。

 

※1 Freciousアダルト成犬用比、脂肪分約20%カット

※2 抗酸化成分含有で、身体の健康維持により免疫力を保つ

※3 調味料・着色料不使用

 

ペットトイレタリー製品においては、猫砂の粒の大きさが現行品の約30%※1と小さく、ネコちゃんが気持ちよく排泄できる『デオトイレ 消臭・抗菌サンド 小粒』を新発売いたしました。猫砂の粒の大きさが現行品よりも小さいことでネコちゃんが慣れやすく、また、猫砂の粒が小さいため、ウンチを覆いやすく、ウンチの消臭効果が高いことが特長です。

また、「ネコちゃんが使いやすいトイレを選びたい」というニーズにお応えして、本体形状を大幅に改良した『デオトイレ(ハーフカバー/フード付き)』の2アイテムを改良発売いたしました。コロナ禍において在宅時間が増すなか、飼い主さんは、消臭機能とネコちゃんが快適に排泄できる機能を兼ね備えたシステムトイレのニーズを持っており、飼い主さんとネコちゃんの両方に快適に過ごしていただける製品のご提案に取り組んでまいりました。

また、ペットシートにおいて、愛犬がペットシートにオシッコをして発生する足ぬれトラブルを軽減する『デオシートしっかり超吸収(無香消臭タイプ レギュラー/ワイド)(ホワイトフローラル&グリーングラスの香り レギュラー/ワイド)』を改良発売いたしました。改良した瞬間吸収体によりオシッコの広がりを35%※2低減しました。ワンちゃんの足ぬれトラブルが軽減することで、家族の一員であるペットと室内でより快適に一緒に生活ができるような製品のご提案に取り組んでまいりました。

 

※1 デオトイレ消臭・抗菌サンド(鉱物タイプ)体積比

※2 当社従来品比、ユニ・チャーム調べ(レギュラー:30cc、ワイド:80cc人工尿の評価)

 

以上の結果、当連結会計年度のペットケアにおける研究開発費は、1,360百万円となりました。

 

(3)その他

不織布・吸収体の技術を活かした業務用製品分野の製品ラインを拡充いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度のその他における研究開発費は、3百万円となりました。