第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「世界中にあらゆる『人が活きるカタチ』を創造することで、人々の幸せと社会の持続的発展を実現する」というパーパスの下、最重要資産である人的資本への投資を進め、その価値を高めることで、さらなる社会への貢献と高い成長を目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、人材教育ビジネス・不動産ビジネス・情報通信ビジネス・農業公園ビジネス等の複数事業に亘るポートフォリオにより、経済環境の変化に柔軟に対応できる強い経営基盤を構築し、時流を的確に捉えた経営戦略を進めることで安定成長を図っております。

次期以降のわが国経済の見通しとしては、世界経済の減速に伴い事業環境が厳しくなることも想定し、慎重な事業計画を策定の上進めてまいりますが、当社の強みであるこの“複数事業によるポートフォリオ”により、景気変動に柔軟に対応してまいります。

基幹ビジネスである人材教育ビジネスにおいては、DX化による販管費の削減等を進めながら、足下での大口オーダー対応やさらなる拡大に向けた採用投資を引き続き積極的に進めるとともに、複数業種でのポートフォリオ強化を進め、安定的な成長を図ってまいります。

不動産ビジネスにおいても、慎重な事業展開を進めながらも、強みである不動産M&Aや事業用地の創出ノウハウ等を駆使し着実に物件確保を進めております。引渡しにおいては、当初の計画に基づきながらも、時流を捉えた引渡しを行っていくことでさらなる成長を見込んでおります。

両事業を軸にあらゆる変化に対応し安定的な成長を図ることで、今後も「中期経営計画2026」の達成に向け邁進してまいります。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2023年度の目標である売上高2,013億円、営業利益99億円の達成に向け努めてまいります。また、「中期経営計画2026」の最終年度である2026年度には、売上高2,750億円、営業利益150億円を目指しております。

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 

ESG/SDGsの取り組み

当社は、「世界中にあらゆる『人が活きるカタチ』を創造することで、人々の幸せと社会の持続的発展を実現する」というパーパスの下、複数事業による幅広い分野において、ESG/SDGsの観点からも、多様な人々の活躍の場や、活き活きと生活できる環境の創出を通じ、より生きやすく活力あふれた社会の創造を進めております。

しかし、当社の持続的な企業価値向上の為には、ESG/SDGsの取り組みをより一層深化させる必要があると考えております。今後も『人が活きるカタチ』の種類・深さ・量を見定め、より一層の事業成長を図ることで、事業を通じて社会問題の解決に繋げ、社会の持続的発展に貢献してまいります。

 

新型コロナウイルス感染症による影響

新型コロナウイルス感染症に関して、一旦は落ち着きを見せておりますが、未だ再流行の兆しもあり、その与える影響は未知数であると考えております。

このような状況下、当社グループは、感染防止策の徹底はもちろんながら、従前から戦略的に構築してきた複数の事業ポートフォリオによりリスク分散を図り、経営環境の変化に柔軟に対応してまいります。また、この数年間にわたるコロナ禍で様々に変化したニーズを好機と捉え、幅広い事業を持つ強みを活かして、変化したニーズに的確に応えていくことでさらなる事業成長に繋げてまいります。

 

人材教育ビジネスにおける主な課題

人材教育ビジネスにおいては、市況変動や地政学的リスクに伴う顧客ニーズの変化や、働き方改革等が進んだことによる雇用形態の変化、またICT・デジタル技術やロボット化による産業構造の変化、及び働く事に対する志向の多様化等への対応を主な課題と捉えております。

当社グループでは、これらの課題に対し、強みである「請負力」を活かし人材業界での独自ポジションを確立することで業界での優位性を発揮し市況変動に柔軟に対応してまいります。また、「教育」に重点を置くことで社員のリスキリングを進めスキル向上を図り、あらゆる顧客ニーズと産業構造の変化に対応してまいります。加えて、プロダクツHRとサービスHRという幅広い業種をカバーする「人材プラットフォーム」によって、働く人の志向の多様化に確実に対応し、業界でのプレゼンス向上を図るとともにさらなる成長に繋げてまいります。

 

不動産ビジネスにおける主な課題

不動産ビジネスにおいては、不動産価格の高止まり状況の継続や金利上昇リスク等の市況動向への対応を主な課題と捉えております。

当社グループでは、これらの課題に対し、好機を見定めた適正規模での“無理をしない”事業展開を進めることでそれらのリスクを最小限化することに加え、強みである不動産М&Aや事業用地創出ノウハウを活かし、業界での独自ポジションを確立することで安定成長を図ってまいります。

 

情報通信ビジネスにおける主な課題

情報通信ビジネスにおいては、関連当局指導による通信キャリアの料金の引下げ・オンライン専用プランの提供等による、携帯電話代理店の実店舗の役割変化や再編の加速等への対応を主な課題と捉えております。

当社グループでは、これらの課題に対し、モバイルショップ事業と、もうひとつの柱である法人ソリューション事業のノウハウを融合することで業界内での差異化を図り、残存者メリット享受に向けた優良店舗網の構築を進め、地域のトータルソリューションパートナーを目指すことで課題解決に繋げてまいります。

 

農業公園ビジネスにおける主な課題

農業公園ビジネスにおいては、屋外志向の高まり、地方自治体等の管理施設の民間委託(指定管理)の加速や天候不良・自然災害等のビジネス環境の変化への対応を課題と捉えております。

当社グループでは、これらの課題に対し、多くの施設が屋外施設であるという圧倒的な強みを活かしたポストコロナでの屋外施設の有用性を訴求するとともに、これまでの事業再生実績と自社施設保有の強みを活かした新たな指定管理施設の獲得による立地と業態の多様化を進めることで、天候不良や自然災害のリスクを最小限化し、さらなる成長を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)戦略に関するリスク

① 人材教育ビジネスに関するリスク

人材教育ビジネスにおいては、市況変動及び米中貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢にかかる地政学的リスク等の海外情勢の変化に伴い、顧客企業における生産計画の低減等があった場合、人材需要が減少し業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ICT・デジタル技術やロボット導入等が一層進展していくなか、多くの業界において産業構造の転換が起きており、それによる人材需要の変化に対応できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

そうした状況で、少子高齢化や働き方の変化に伴う社会的な人手不足等がさらに進んだ場合は、人材確保が円滑に進まなくなることも想定され売上機会の損失や原価率の上昇等、業績に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当事業は、労働基準法、労働者派遣法及びその他関係法令等による法的規制を受けておりますが、社会環境の変化に伴い法令等の制定・改正による規制強化が実施され、事業運営に制限が加わった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、研究開発・設計開発・製造・リペア等の「ものづくり領域」を担うプロダクツHR事業と、ロジスティクス・ツーリズム・接客販売等の「サービス領域」を担うサービスHR事業により、幅広い領域にて事業を展開することで、あらゆる市況の変化に柔軟に対応してまいります。また、社員のキャリア形成の幅を広く持つ強みを活かし、人材企業としての魅力をさらに高め“選ばれる”会社となることで優秀な人材確保に繋げ、さらなる成長を図ってまいります。

 

② 不動産ビジネスに関するリスク

不動産ビジネスにおいては、景気動向の影響を受けやすいため、大きな市況変動が起こった場合は、業績に様々な影響を及ぼす可能性があります。具体的には、金利上昇による消費者購買意欲の低減、物件価格下落による販売用不動産の評価損、顧客都合による引渡し時期のズレ、競争激化や景気過熱による用地取得コストの上昇・建築コストの上昇等の影響が想定されます。

また、当事業は、宅地建物取引業法、国土利用計画法、建築基準法、都市計画法、宅地造成等規制法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、土壌汚染対策法等の法的規制を受けており、法令等の制定・改正による規制強化が実施され、事業運営に制限が加わった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、デベロップメント関連だけでなくリノベーション関連等の幅広い領域での事業展開を行うことで景気変動に柔軟に対応していくとともに、当不動産ビジネスにおいては“無理をしない”慎重な事業展開でリスクを最小限に抑え、景気動向を的確に見極めていくことで安定成長を図ってまいります。

 

③ 情報通信ビジネスに関するリスク

情報通信ビジネスにおいては、主たる事業が携帯電話販売代理店事業という特性上、総務省による各携帯電話キャリアへの料金規制等の影響を大きく受ける可能性があります。加えて、販売代理店の競争激化、業界全体での店舗の統廃合等が続いており、競争優位性が確保できない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当事業は、電気通信事業法、独占禁止法、景品表示法、携帯電話不正利用防止法等の法的規制を受けており、法令等の制定・改正による規制強化が実施され、事業運営に制限が加わった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、人材育成と店舗改良等によりホスピタリティの高い優良店舗網の構築を進め、他社との差別化を図ることで競争優位性を確立し、残存者メリット享受に向け事業展開してまいります。

 

④ 農業公園ビジネスに関するリスク

主たる事業が屋外施設の農業公園運営という特性上、気候変動の影響を大きく受ける可能性があります。また、当事業は、食品衛生法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、酒税法、動物の愛護及び管理に関する法律等の法的規制を受けており、法令等の制定・改正による規制強化が実施され、事業運営に制限が加わった場合は、業績への影響を受ける可能性があります。

当社グループとしては、安心・安全な施設運営を最優先に事業展開することで、お客様が安心してご利用いただける憩いの場としての社会的役割を果たし、地域での存在価値を高め、安定運営に努めてまいります。

 

⑤ M&A、資本提携等に関するリスク

当社グループでは、新規事業開拓のためのM&A、資本提携や企業再生を実施することがありますが、M&A等の実施後の事業・経営の統合プロセス及び事業推進が想定通りに進捗しない場合に、投下資本の回収が困難になる可能性、のれんの減損リスクが発生する可能性があります。

当社グループとしては、専任組織を設置し、十分な経験を積んだ担当者が案件の調査、交渉、買収後の事業計画策定等を行い、買収後も定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、業績向上を目指した経営を行っております。

 

⑥ 多様な人材の確保・育成に関するリスク

上記「人材・教育ビジネスに関するリスク」に記載のほか、当社グループにおいて事業環境の変化や新たな社会的課題等に対応するための多様な人材の確保や育成に困難をきたした場合には、当社グループの競争優位性が確保できず、事業や業績に影響を受ける可能性があります。

当社グループとしては、人的資本への投資として、専門性や創造性などを有する人材の育成を目的とした様々な研修や、他の事業会社へのジョブローテーションなどを積極的に行い、従業員の成長、能力向上を図っております。また社員のキャリア形成の幅を広く持つ強みを活かし、グループとしての魅力をさらに高め優秀な人材確保に繋げてまいります。

 

⑦ ファイナンスに関するリスクについて

当社グループは、販売用不動産の用地取得資金を主に金融機関からの借入により調達していることから、今後の金融環境の変化、経済情勢・市中金利動向により、金利や手数料等が著しく上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような事態に備えて当社グループでは、主要取引金融機関2行と総額20,000百万円、期間3年間のコミットメントライン契約を締結しており、予め定めた条件下での安定的且つ機動的な資金調達ができる体制を確保しております。

また、当社グループのコミットメントライン契約及びシンジケートローン契約には、一定の財務制限条項が付されており、条項に抵触した場合は、事業継続に必要な資金の調達が行えないことが想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、取引金融機関への定期的な財政状態及び経営成績の開示をはじめ、事業計画及び資金計画の報告を行うことで、安定的な関係性の構築に努め、資金調達の安定化を図っております。

 

(2)業務に関するリスク

① 感染症リスクについて

世界的に拡大した新型コロナウイルス等の感染症は、一旦の落ち着きを見せておりますが、未だ当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性もあります。感染症の拡大により、人と人との接触が制約を受けるという特性上、営業活動や採用活動への影響、消費者購買意欲の低下による販売数の減少、顧客企業の生産計画の低減による取引の縮小や終了等、様々な影響が考えられます。一方、ワクチン接種の進展や行動制限の緩和に伴い、経済活動が再開し人の生活や行動が変化していく環境においては、変化に柔軟かつ適切に対応できない場合には、機会損失により業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、新型コロナウイルス緊急対策室を設置し、まずは社員の安全確保・雇用維持を最優先に対策を実施し引き続き感染拡大防止に努めてまいります。また、従来から戦略的に構築してきた複数領域に亘る事業ポートフォリオを持つ強みを活かし、リスク分散と環境変化に応じた戦略的な資本投下を進めることで、感染症リスクの影響を最小限に抑えつつさらなる事業成長に繋げてまいります。

 

② 自然災害リスクについて

大規模な地震、暴風雨、洪水その他の天災地変等により、当社及び取引先等が事業を通常通り行うことが困難となり、収益を逸失するリスク及び収益機会が先送りされるリスクが発生する場合があります。各セグメントにおける営業機会の逸失の他、人材教育ビジネスにおいては顧客企業の生産計画低減によるオーダーの減少等、不動産ビジネスにおいては工期の延長による計上時期のズレや保有不動産の毀損又は滅失等、情報通信ビジネスにおいては在庫の毀損又は滅失、及び店舗の毀損又は滅失等による運営継続難等、農業公園ビジネスにおいては施設の毀損による運営継続の困難、及び特に屋外施設であることから天候不良による入園者数減等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、様々な災害の発生を重要な社会課題と認識し、災害対策マニュアル、復旧対策マニュアル等を策定し、有事に備えて事業継続のための体制を整備しております。

 

 

③ 地政学的リスク・カントリーリスクについて

当社グループは、事業活動拠点を国外にも展開しておりますが、国外の国・地域にて、政治的、軍事的、社会的な緊張が高まり、政治活動の混乱や経済活動の悪化、治安の不安定化やテロ、戦争の勃発及び予期せぬ疫病等が発生した場合は、当該地域で展開する当社グループの事業活動に直接支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、サプライチェーンの混乱等による燃料・原材料価格の高騰やその他事業環境の変化が生じることにより、当社グループの顧客企業の生産等の事業に影響があった場合には、当社グループの事業に対して影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、復旧対策マニュアル等を策定し、また有事のシナリオを想定した事業継続計画を予め検討するなど、有事に備えて事業継続のための体制を整備しております。

 

④ 法務・コンプライアンスリスクについて

当社グループの社員や事業活動において、上記各事業に関するリスクに記載する法令等に抵触する事態が発生した場合には、行政処分や訴訟等も想定され、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下に加え、業績と財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクについては当社のグループ法務部を主管部署とし、コンプライアンスを実現するための活動計画の策定・推進など、グループ各社においてコンプライアンス体制を構築し、コンプライアンス経営の徹底に努めております。

 

⑤ 情報セキュリティリスク・サイバーセキュリティリスクについて

当社グループは、顧客企業の生産計画や新製品の開発に関わる情報、あるいは個人情報を知りうる立場にあり、不測の事由により情報の漏洩が発生した場合は、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、高度化・巧妙化するサイバー攻撃により、個人情報の流出、データ改ざん及びシステムの停止等が発生した場合は、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクについては、プライバシーマークの取得や、社員へのセキュリティ教育の実施に加え、情報監視室を設置し組織的に監視体制の強化を図り、情報の漏洩及びサイバー攻撃を未然に防ぐよう努めております。

 

⑥ 気候変動リスク

気候変動にかかる物理的リスクとして、気候変動に起因する自然災害により当社グループの拠点及び保有する不動産、並びに顧客企業が被災し稼働停止等に至った場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性があります。また移行リスクとして、脱炭素への取組強化に関する規制強化や社会的な要求が高まることにより、当社グループ及び顧客企業の事業においてその対応に要するコスト負担が上昇し、さらには産業構造の転換に至る場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、気候変動リスクへの対応を重要な経営課題と位置づけ、脱炭素社会実現に向けたグループとしての対応の検討を進めてまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化していたコロナ禍の影響から全体としては回復傾向にあったものの、年度末に再び新規感染者が急増したことや、ロシア・ウクライナ情勢等にかかる地政学的リスクと、それに伴う資源価格・物流費の高騰、さらには円安の進行や歴史的なインフレ等により経済活動の停滞感が強く、先行きの不透明さが続く状況にありました。

このような状況下、当社グループは、これまで造り上げてきた“複数事業・複数業種によるポートフォリオ”で変化に的確に対応し、中でも基幹ビジネスである人材教育ビジネスが好調に推移し全体を牽引したことで、グループ全体で増収増益となりました。また、新たな5ヵ年計画である「中期経営計画2026」の初年度として順調なスタートとなり、売上・営業利益ともに期初計画よりも大幅に上振れし過去最高の業績となりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は123,591百万円となり、前連結会計年度末と比較して26,322百万円の増加となりました。負債につきましては、負債合計が86,395百万円となり、前連結会計年度末と比較して22,353百万円の増加となりました。純資産につきましては、純資産合計が37,195百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,969百万円の増加となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は183,640百万円(前期比18.7%増 / 計画比8.8%増)、営業利益は8,929百万円(前期比19.3%増 / 計画比43.0%増)、経常利益は8,933百万円(前期比15.4%増 / 計画比47.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,341百万円(前期比15.5%増 / 計画比38.3%増)となりました。(上記及び下記に記載の「計画比」は、2022年2月9日に公表いたしました期初計画に対する増減比となります)

 セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の期首より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 プロダクツHR事業は、売上高は88,598百万円(前期比25.4%増 / 計画比13.4%増)、セグメント利益は4,054百万円(前期比31.3%増 / 計画比64.5%増)となりました。

 サービスHR事業は、売上高は44,282百万円(前期比29.0%増 / 計画比14.9%増)、セグメント利益は1,125百万円(前期比23.2%増 / 計画比92.9%増)となりました。

 不動産事業は、売上高は38,044百万円(前期比2.9%増 / 計画比1.0%減)、セグメント利益は3,181百万円(前期比6.8%増 / 計画比57.0%増)となりました。

 情報通信事業は、売上高は8,399百万円(前期比10.3%減 / 計画比13.8%減)、セグメント利益は125百万円(前期比6.3%増 / 計画比44.6%減)となりました。

 農業公園事業は、売上高は4,314百万円(前期比28.1%増 / 計画比9.2%増)、セグメント利益は158百万円(前期はセグメント損失20百万円 / 計画比0.3%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は35,078百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,329

百万円の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは4,765百万円の支出となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益8,455百万円、未払費用の増加額1,596百万円、未払消費税等の増加額713百万円、法人税等の還付額472百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、売上債権の増加額1,615百万円、販売用不動産の増加額12,075百万円、法人税等の支払額2,638百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは5,990百万円の支出となりました。主なプラス要因は、貸付金の回収による収入13百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、有形固定資産の取得による支出1,670百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,165百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは15,064百万円の収入となりました。主なプラス要因は、短期借入金の純増減額1,254百万円、長期借入れによる収入24,583百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出9,316百万円、配当金の支払額1,388百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

プロダクツHR事業(百万円)

88,598

125.4

サービスHR事業(百万円)

44,282

129.0

不動産事業(百万円)

38,044

102.9

情報通信事業(百万円)

8,399

89.7

農業公園事業(百万円)

4,314

128.1

合計(百万円)

183,640

118.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

当連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アマゾンジャパン(同)

27,437

17.7

27,305

14.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は123,591百万円となり、前連結会計年度末と比較して26,322百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加額4,341百万円、受取手形及び売掛金の増加額3,102百万円、仕掛販売用不動産の増加額14,270百万円、のれんの増加額3,467百万円等によるものであります。

 

(負債)

負債につきましては、負債合計が86,395百万円となり、前連結会計年度末と比較して22,353百万円の増加となりました。これは主に短期借入金の増加額5,348百万円、未払費用の増加額3,788百万円、未払法人税等の増加額996百万円、長期借入金の増加額11,394百万円等によるものであります。

 

(純資産)

純資産につきましては、純資産合計が37,195百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,969百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加額3,953百万円等によるものであります。

 

 b.経営成績の分析

(売上高)

基幹事業「人材・教育ビジネス」が主に関わる人材事業では、緻密なマーケティングの下で推し進めてきた事業ポートフォリオの適正化により順調に推移し、売上高は132,880百万円(前期比26.6%増 / 計画比13.9%増)となりました。不動産事業は、未だ不動産価格の高止まりが続く中、慎重な事業展開を進めておりますが、的確な売却タイミングを捉え、主にデベロップメント分野でのマンション及び事業用地の販売・引渡しを期初計画以上に進めたことで売上高は38,044百万円(前期比2.9%増 / 計画比1.0%減)となりました。情報通信事業は、各通信事業者の携帯電話料金の値下げやそれに伴う新プランの登場等により、販売代理店業界が再び大きな変革期にある中、一ユーザーあたりの単価の減少や手数料条件の改定等で手数料収入の減少により、売上高は8,399百万円(前期比10.3%減 / 計画比13.8%減)となりました。農業公園事業は、コロナ禍に加え休日を中心とした天候不良、及び資源価格の高騰等の影響もありましたが、密にならない屋外公園施設という圧倒的な強みを活かしたプレゼンス向上や、「堺・緑のミュージアムハーベストの丘」で開始した“夜間イルミネーション”をはじめとした適切な誘引施策等により売上高は4,314百万円(前期比28.1%増 / 計画比9.2%増)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は151,953百万円(前期比18.6%増)となり、販売費及び一般管理費は22,758百万円(前期比18.8%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は5,341百万円(前期比15.5%増)となりました。

 

 c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(プロダクツHR事業)

プロダクツHR事業は、ロシア・ウクライナ情勢やコロナ禍による中国でのロックダウン等の影響があったものの、緻密なマーケティングの下で推し進めてきた事業ポートフォリオの適正化により順調に推移し、前年同期比で増収増益となりました。業種別の動きとしては、年度後半には、電気電子部品やスマートフォン関連等のオーダーが前年までに比べ減少傾向にありましたが、年間を通して半導体関連やFA機器関連が好調だったことに加え、新たに自動車関連に進出したこと等が業績の底上げに繋がりました。さらには、強みである「請負」「チーム派遣」による生産量増加、大型案件の獲得や高単価案件へのシフト、DX化による販管費の削減等が利益面の向上に寄与いたしました。

在籍数については、歴史的な人手不足で採用難が続いておりますが、本年度は「中期経営計画2026」の初年度として投資の年と位置付けた通り、採用投資を進めることで順調に増加したことに加え、社員の人材育成やキャリア形成体制の充実化を図ることで定着も改善したこと等により、過去最高の在籍数を更新しております。

以上の結果、売上高は88,598百万円(前期比25.4%増 / 計画比13.4%増)、セグメント利益は4,054百万円(前期比31.3%増 / 計画比64.5%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して10,225百万円増加の28,961百万円となりました。

 

 

(サービスHR事業)

サービスHR事業は、「中期経営計画2026」で公表した通り、人材教育ビジネスの新たな柱としての確立を進めておりますが、サービス分野の中でも特にロジスティクス関連・ツーリズム関連・接客販売関連に集中し成長を図ったことで、期初計画以上に順調な立ち上がりとなりました。

主力であるロジスティクス関連は新拠点の受注・立ち上げが順調に進み、ツーリズム関連においてもJTBグループとの連携案件が着実に進みました。また、2月に株式会社ディンプルがグループインしたことで接客販売関連の垂直立上げが進んだことや、さらには年度前半で行政関連の特需案件を確実に対応できたこと等により全体として売上利益ともに堅調に推移し、前期比で増収増益となりました。

以上の結果、売上高は44,282百万円(前期比29.0%増 / 計画比14.9%増)、セグメント利益は1,125百万円(前期比23.2%増 / 計画比92.9%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して731百万円増加の13,294百万円となりました。

 

(不動産事業)

不動産事業は、未だ不動産価格の高止まりが続く中、慎重な事業展開を進めておりますが、的確な売却タイミングを捉え、主にデベロップメント分野でのマンション及び事業用地の販売・引渡しを期初計画以上に進めたことで増収増益となりました。

仕入れに関しては潮目の変化を見極めつつ慎重に進めておりますが、強みである不動産M&Aや事業用地の創出ノウハウ等を駆使し着実に物件確保を行いました。

また、新たなデベロップメント案件として、福岡県福岡市の「レジデンシャル原ブランシエラ」、宮城県仙台市の「レジデンシャル青葉広瀬川」、そして、東京都豊島区で木造住宅密集地域解消の防災街区整備事業として進めてきた「レジデンシャル池袋本町」等の販売が順調に進みました。加えて、福岡県北九州市が進める“コクラ・クロサキリビテーション”に呼応した第1号案件となるオフィスビル「BIZIA小倉」も着工するなど、来期以降の準備も着実に推し進めました。

以上の結果、売上高は38,044百万円(前期比2.9%増 / 計画比1.0%減)、セグメント利益は3,181百万円(前期比6.8%増 / 計画比57.0%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して14,260百万円増加の65,734百万円となりました。

 

(情報通信事業)

情報通信事業は、各通信事業者の携帯電話料金の値下げやそれに伴う新プランの登場等により、販売代理店業界が再び大きな変革期にある中、一ユーザーあたりの単価の減少や手数料条件の改定等で手数料収入が減少し、売上が減収となりました。

業界における店舗の役割が変化する中、引き続き、残存者メリット享受に向け、地域に根差した優良店舗網の構築、及び法人向けソリューション事業をはじめとしたポートフォリオ強化を進めております。

以上の結果、売上高は8,399百万円(前期比10.3%減 / 計画比13.8%減)、セグメント利益は125百万円(前期比6.3%増 / 計画比44.6%減)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して197百万円減少の3,121百万円となりました。

 

(農業公園事業)

農業公園事業は、コロナ禍に加え休日を中心とした天候不良、及び資源価格の高騰等の影響もありましたが、密にならない屋外公園施設という圧倒的な強みを活かしたプレゼンス向上や、「堺・緑のミュージアムハーベストの丘」で開始した“夜間イルミネーション”をはじめとした適切な誘引施策等でコロナ禍以前の入園者数の水準に戻り増収増益となりました。

また、これまで培った施設管理運営ノウハウを活かし、4月に指定管理案件として「大芦高原国際交流の村」の運営を開始したほか、来期以降の新たな管理施設獲得に向けた準備を着実に推し進めました。

以上の結果、売上高は4,314百万円(前期比28.1%増 / 計画比9.2%増)、セグメント利益は158百万円(前年同期はセグメント損失20百万円 / 計画比0.3%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して110百万円増加の3,019百万円となりました。

 

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 1)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 2)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループにおける資金需要は、主として不動産事業における事業用地購入資金、建物建築資金及びM&A資金であります。これらの必要資金は主に金融機関からの借入金により調達しております。また、今後の事業展開における資金需要に対して、2020年9月に主要取引金融機関1行と借入極度額10,000百万円、期間3年のコミットメントライン契約を締結したことに加えて、2020年12月に主要取引金融機関1行と借入極度額10,000百万円、期間3年のコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な資金調達に備えております。

 当連結会計年度末の短期借入金の残高30,798百万円のうち不動産関連資金が27,781百万円、子会社株式取得資金が912百万円、長期借入金の残高25,149百万円のうち不動産関連資金が14,460百万円、子会社株式取得資金が5,043百万円となっております。

 今後も不動産関連資金及び子会社株式取得資金の調達が見込まれる中、金融市場の動向を的確に把握するとともに低利かつ有利な資金の調達を図ってまいります。

 

③重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっての会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

① 情報通信事業における一次代理店との契約については、以下のとおりであります。

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約締結日

契約期間

契約内容

㈱ワールドスタイル

㈱ジェイ・コミュニケーション

東京都豊島区西池袋一丁目4番10号

2017年

12月27日

1年毎の自動更新

代理店基本契約書

㈱ネットワークソリューション

テレコムサービス㈱

東京都豊島区西池袋一丁目4番10号

2005年

12月29日

1年毎の自動更新

代理店基本契約書

 

② 金融機関とのコミットメントライン契約については、以下のとおりであります。

契約会社名

相手先の名称

借入極度額

契約締結日

契約期間

契約形態

㈱ワールドホールディングス

㈱福岡銀行

10,000百万円

2020年

9月30日

2020年9月30日

~2023年9月30日

相対型

㈱ワールドホールディングス

㈱西日本シティ銀行

10,000百万円

2020年

12月30日

2020年12月30日

~2023年12月30日

相対型

 

③ 当社は、2022年1月6日開催の取締役会において、㈱ディンプルの90%の株式を取得し子会社化することを決議し、同日で株式譲渡契約を締結いたしました。また、2022年2月28日付で、同社の90%の株式を取得し、子会社といたしました。

  詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りです。

 

5【研究開発活動】

 記載すべき事項はありません。