第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指して、「2021-2025 長期経営構想」及び「2022- 2025 中期経営計画」を策定いたしました。長期経営構想については、当社グループの企業理念である「共生」の考え方に基づき、事業活動を通じ社会課題を解決することが、社会と当社グループ双方の持続的な発展、いわゆるサステナビリティ経営そのものであるとした上で、策定しております。

中期経営計画については、長期経営構想における基本戦略に基づき、2025年ビジョン及び経営指標の実現に向けた実行計画として推進いたします。

(2025年ビジョン)

 社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ

(基本戦略)

 1.事業を通じた社会課題解決による、持続的な企業価値の向上

 2.高収益企業グループの実現

  ・ITソリューション事業を成長の中核とした事業変革

  ・顧客基盤を活かした顧客層別営業体制の強化

  ・キヤノン製品事業の付加価値向上と更なる高収益化

 3.経営資本強化による、好循環の創出

  ・人材の高度化・エンゲージメント向上による事業成長の加速

  ・戦略的事業投資による事業成長の加速

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

わが国の経済は回復傾向になることが見込まれるものの、新型コロナウイルスの変異株をはじめ感染症による内外経済への影響や、半導体不足やサプライチェーンの混乱による供給制約、ウクライナ情勢等による原材料やエネルギー価格の動向等により、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。

このような経済環境のもと当社グループは、キヤノン製品事業については、更なる収益性の強化を図っていくことが課題と捉えております。一方で、市場の拡大が見込まれるIT ソリューション事業については、収益性の向上を伴った売上の拡大を図っていくことが課題と捉えております。

また、当社グループは、2021年4月に発表しました2021-2025 長期経営構想で掲げたビジョン「社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ」の実現に向けて、2022-2025 中期経営計画を策定しました。2022-2025 中期経営計画で定めた、以下4つの基本方針の実行を通じて、業容の拡大と業績の向上に努めてまいります。

【2022-2025 中期経営計画 基本方針】

① 利益を伴ったITソリューション事業拡大

顧客層別のITソリューション戦略の実行を加速させるとともに、お客さまに継続してサービス提供を行う、サービス型事業モデルによるストックビジネスの拡大を図ります。

② 既存事業の更なる収益性強化

キヤノン製品事業の更なる高収益化を図るとともに、顧客層に応じた販売戦略を展開します。

③ 専門領域の強化・新たな事業の創出

産業機器事業の更なる成長を実現させるとともに、新たな事業の創出を図ります。

④ 持続的成長に向けたグループ経営

人材の高度化に向けた投資を積極的に行い、それをお客さまへの提供価値向上に繋げる「エンゲージメント向上ループ」の確立を図るとともに、当社グループの持続的な成長に向けた事業投資を加速させます。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月29日)現在において、当社グループが判断しております。

 

(1) 市場の競合及び変動による影響

オフィスMFPでは本体は、オフィスの統廃合や入替サイクルの長期化による出荷台数の減少が継続する可能性があります。保守サービスは、ペーパーレス化やテレワークの定着によるオフィスにおけるプリントボリュームの減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。レーザープリンターのトナーカートリッジは、第三者により代替品が販売されており、その販売量が拡大した場合、キヤノン純正品の収益の圧迫要因となります。

レンズ交換式デジタルカメラは、一眼レフカメラからミラーレスカメラへ市場が移行する一方で、レンズ交換式デジタルカメラ全体の市場縮小が続く可能性があります。また、インクジェットプリンターは、カラープリントの減少等によるプリントボリュームの低下に伴い、インクジェットプリンター本体及びインクカートリッジの売上減少が加速する可能性があります。

産業機器においては、半導体製造装置や検査計測装置が半導体やデバイスメーカーの設備投資の状況に受注面で大きな影響を受けます。これらのメーカーの設備投資が低下した場合、業績が低迷する可能性があります。

医療では、医薬品医療機器等法(薬機法)や医療情報保護に関する各種ガイドラインにより、法令順守体制の整備と品質管理の徹底、及び情報セキュリティ対策等が要求されております。当社グループは法規制等に対し万全の体制を整えておりますが、想定外のリスクが発生し、要求事項を正常に運用できなかった場合、医療機関や医療機関向け販売業者との取引が減少する可能性があります。

また、親会社のキヤノン(株)をはじめ、多数の取引先からの商品及びサービスの提供を受けているため、自然災害や重大事故の影響等、取引先の何らかの事情により十分な供給を受けられない等のリスクが発生する可能性があります。その場合には、販売活動の円滑な推進ができず、業績に影響を与える懸念もあります。

 

(2) システム開発

当社は、様々なソリューションをお客さまに提供するため、幅広い分野でのシステム受託開発を行っております。案件を進めるにあたっては、社内での審議体制の構築、プロジェクト管理、綿密な作業工数管理を行い、不採算案件が発生しないように、リスクの低減に努めております。

しかしながら、顧客との仕様・進捗に関する認識の不一致等により、多大な追加工数が発生した場合にコストが増大する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) データセンター事業

当社グループでは、西東京データセンターを設立し、データセンターサービスやクラウドサービス、システム運用サービス等のストック型ITサービス事業を行っております。データセンターについては、建物や設備、セキュリティ、運営品質等の各要素において、高度な水準が求められるため、安定した地盤に建設し、高性能なファシリティと厳重なセキュリティを備えております。また、長年のデータセンター運営で蓄積した知見・ノウハウをもとに、2017年に「M&O認証※」を取得しており、第三者機関が証明するグローバル基準の運営品質を備えております。

しかしながら、地震、大規模な水害、火災等の災害や感染症、運用ミス、サイバー攻撃などが発生した場合、施設・システムの運用の停止や重要な顧客情報の漏洩により、取引先等の関係者に損害等を発生させる場合があり、また、その信用の低下等から当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

※米国の民間団体「Uptime Institute」が定めているデータセンターの運営品質に関するグローバル基準

 

(4) 情報管理

当社グループは、さまざまなグループ経営に関する重要情報を有しているほか、お客さまに対するソリューションの提供等を通して、法人・個人に関する機密情報を多数保有しております。これらの情報管理については、「情報セキュリティ基本方針」・「情報セキュリティ基本規程」を策定しており、社員に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策の実施と対策状況の確認を行う等、情報セキュリティに関するマネジメント体制を整え、運用しております。業務委託先についても選定基準や安全管理措置の確認方法等を定めたルールや管理体制を整備し、適切な管理・監督を行っております。

また、サイバーセキュリティ専門組織Canon MJ-CSIRT※によるサイバー攻撃の予防・検知・発生時対策の実施体制を整備しております。

しかしながら、これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃等により重要な情報が外部に漏洩した場合には、取引先等の関係者に損害等を発生させる場合があり、また、その信用の低下等から当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

※CSIRT:Computer Security Incident Response Team

 

(5) 自然災害等

当社グループが事業活動を展開する地域において、地震や台風等の自然災害及び重大な感染症の流行等が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社は設備や情報システムに対してのバックアップ体制を整えておりますが、これによって災害等による被害を十分に回避できる保証はなく、発生時には当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症については変異株による感染が拡大していましたが、各地でワクチン接種が進み、経済活動の再開や回復が続いております。しかしながら、新型コロナウイルスの感染が再拡大・長期化し、世界経済・当社グループの事業活動が停滞する状況や取引先の事業活動や投資意欲の減退等が発生する場合、また政府の要請により当社グループの事業活動が制限される事態においては、当社グループのビジネス、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループ関連市場において、リモートワークの進展により、オフィス機器のプリントボリュームが当社グループの想定ほど回復しない状況等が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、依然として、サプライチェーンや生産活動に混乱をきたしており、キヤノン(株)をはじめとする取引先への影響によっては、商品及びサービスの提供を十分に受けられない可能性があります。

 

(6) 貸倒れリスク

当社グループでは、商品及びサービスの提供後に代金を回収する取引が多いことから、予測できない貸倒損失が発生する可能性があります。このため、外部信用調査機関の信用情報等を活用して徹底した与信管理を行うとともに、ファクタリング等の活用によりリスクヘッジを行っております。また、債権の回収状況等により個別に貸倒引当金を設定し将来の貸倒れリスクに備えております。しかしながら、予期せぬ事態により多額の回収不能額が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 親会社との関係

当社は、キヤノン(株)の子会社(2022年12月31日現在の同社の議決権保有比率58.5%)であり、キヤノン(株)がキヤノンブランドを付して製造するすべての製品(半導体露光装置・液晶基板露光装置・医療機器を除く)を日本国内において独占的に販売する権利を有しております。当連結会計年度における同社からの仕入高は当社全体の仕入高において依然として高い水準となっております。

これらの事情から、キヤノン(株)の経営方針、事業展開等に大幅な転換があった場合には、当社グループの事業活動や業績、財務状況に大きな影響が及ぶ可能性があります。また、関連業界におけるキヤノン製品の優位性が、何らかの理由により維持できなくなった場合には、当社グループの業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

(1) 業績

当期におけるわが国の経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進む中で、緩やかな持ち直しの動きが続きました。個人消費は、旅行や外食等のサービス消費で緩やかな持ち直しが見られました。企業の設備投資は、海外経済の緩やかな回復や国内の経済・社会活動の正常化が進み、持ち直しの動きが見られました。特にIT投資については、製造業や金融業で投資意欲が高い状態にあり、好調に推移しました。一方で、半導体不足やサプライチェーンの混乱による供給制約、ウクライナ情勢等による原材料価格の上昇、為替の変動等により、一部の企業で弱さが見られました。

 

このような経済環境のもと、当社グループはキヤノン製品の供給制約解消による売上拡大、企業の積極的なIT投資を背景としたSIサービスやセキュリティ関連の製品・サービスの売上拡大、国内の半導体メーカーの活発な投資を背景とした半導体製造関連装置等の売上拡大により、売上高は5,881億32百万円(前期比6.5%増)となりました。

利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は499億47百万円(前期比25.8%増)、経常利益は509億91百万円(前期比24.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は355億52百万円(前期比20.8%増)となりました。

 

各報告セグメントの業績は以下のとおりです。増減に関する記載は、前期との比較に基づいています。

 

コンスーマ

レンズ交換式デジタルカメラについては、2021年末に発売した「EOS R3」や6月に発売した「EOS R7」、7月に発売した「EOS R10」、12月に発売した「EOS R6 Mark II」等のEOS Rシステム搭載のミラーレスカメラ等が増加したことや、EOS Rシリーズのユーザーの増加によりRFマウントの交換レンズの販売が拡大し、売上は大幅に増加しました。

 

インクジェットプリンターについては、高単価製品が好調に推移したこと等により、売上は増加しました。インクカートリッジについては、カラープリントボリュームの減少等による市場の縮小に伴い、売上は減少しました。

 

ITプロダクトについては、PCの周辺機器等が供給不足の影響を受けましたが、ゲーミングPC等が好調に推移し、売上は微増となりました。

 

これらの結果、当セグメントの売上高は1,366億12百万円(前期比5.5%増)となりました。セグメント利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加により、139億40百万円(前期比2.7%増)となりました。

 

エンタープライズ

主要ビジネス機器については、第2四半期まで製品の供給不足の影響を大きく受けたものの、第3四半期に供給が回復したことにより、オフィスMFP、レーザープリンターの売上は大幅に増加しました。オフィスMFPの保守サービス、レーザープリンターカートリッジについては、大手企業を中心にテレワークが継続し、オフィスにおけるプリントボリュームが減少したことにより、売上は減少しました。

 

ITソリューションについては、製造業向けや金融業向けのSI案件の売上が増加していることに加え、セキュリティやデータセンター2号棟の売上が順調に推移したこと等により、売上は大幅に増加しました。

 

これらの結果、当セグメントの売上高は2,027億30百万円(前期比6.4%増)となりました。セグメント利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加に加え、販管費の削減に努めたことにより、170億72百万円(前期比23.2%増)となりました。

 

エリア

主要ビジネス機器については、第2四半期まで製品の供給不足の影響を大きく受けたものの、第3四半期に供給が回復したことにより、オフィスMFP、レーザープリンターの売上は増加しました。オフィスMFPの保守サービスについては、大都市圏を中心にテレワークが継続したこと等により、オフィスにおけるプリントボリュームが減少し、売上は減少しました。一方、レーザープリンターカートリッジについては、価格改定を見据えた駆け込み需要等により、売上は増加しました。

 

ITソリューションについては、標的型攻撃やフィッシングなど情報セキュリティに対する脅威が高まっていることを背景に、IT支援クラウドサービス「HOME」やウイルス対策ソフト「ESET」等のセキュリティの売上が増加しました。また、お客さまのIT機器等の保守サービスや運用サービスについては、獲得に引き続き注力し、受注件数を伸ばしたこと等により売上が増加し、ITソリューション全体の売上は増加しました。

 

これらの結果、当セグメントの売上高は2,265億60百万円(前期比2.6%増)となりました。セグメント利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加に加え、販管費の削減に努めたことにより、155億63百万円(前期比29.2%増)となりました。

 

プロフェッショナル

(プロダクションプリンティング)

プロダクションプリンティング事業では、主に印刷業向けに、高速連帳プリンター及び高速カット紙プリンター等を提供しています。また、小売業向けにPOP制作関連のビジネスも提供しています。当期は、印刷業のお客さま向けに連帳プリンターが堅調に推移したこと等により、売上は微増となりました。

 

(産業機器)

産業機器事業では、主に半導体メーカー向けに製造関連装置、検査計測装置等を提供しています。当期は、国内の半導体メーカーの投資が引き続き活発であることを背景に、半導体製造関連装置や保守サービスが好調に推移し、売上は大幅に増加しました。

 

(ヘルスケア)

ヘルスケア事業では、主に病院・診療所・調剤薬局・健診施設向けに、電子カルテなど医療情報システム等を提供しています。当期は、病院向けの電子カルテ及び医療IT基盤の構築等にかかる複数の大型案件に加え、診療所や調剤薬局向けにオンライン資格確認の導入案件があったこと等により、売上は大幅に増加しました。

 

これらの結果、当セグメントの売上高は416億70百万円(前期比32.1%増)となりました。セグメント利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加に加え、販管費の削減に努めたことにより、52億40百万円(前期比110.6%増)となりました。

 

(注)各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものであります。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は、377億25百万円(前連結会計年度は327億56百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は、101億7百万円(前連結会計年度は158億94百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は、112億59百万円(前連結会計年度は91億60百万円の減少)となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ166億3百万円増加して、846億32百万円となりました。

 

 

2.生産、受注及び販売の状況

当社グループの事業形態は主に国内外から仕入を行い、国内での販売を主要業務としているため、生産実績及び受注実績に代えて仕入実績を記載しております。

(1) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

コンスーマ(百万円)

101,355

107.1

エンタープライズ(百万円)

83,369

113.6

エリア(百万円)

116,049

105.5

プロフェッショナル(百万円)

20,893

104.1

報告セグメント計(百万円)

321,668

107.9

その他(百万円)

合計(百万円)

321,668

107.9

 

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

コンスーマ(百万円)

136,574

105.5

エンタープライズ(百万円)

191,507

106.4

エリア(百万円)

215,019

102.8

プロフェッショナル(百万円)

40,377

134.3

報告セグメント計(百万円)

583,479

106.3

その他(百万円)

4,652

138.8

合計(百万円)

588,132

106.5

 

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.総販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。

 

3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月29日)現在において、当社グループが判断しております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当社グループにおける実質的資金である現金及び預金、有価証券、短期貸付金の合計額の増加166億12百万円、商品及び製品の増加33億18百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度は受取手形及び売掛金)の増加30億64百万円等により、前連結会計年度末より236億25百万円増加し、4,197億8百万円となりました。

なお、売掛債権の保有日数は、前連結会計年度末と比べて3日短くなり、68日となっております。

また、在庫回転日数は、前連結会計年度末と比べて1日長くなり、24日となっております。

 

(固定資産)

保有上場株式の時価評価等による投資有価証券の減少40億41百万円、繰延税金資産の減少20億70百万円等により、前連結会計年度末より63億4百万円減少し、1,240億32百万円となりました。

なお、有形固定資産は、新規取得による増加81億63百万円、減価償却による減少78億31百万円等により、前連結会計年度末より1億22百万円増加し、852億76百万円となりました。

また、無形固定資産は、新規取得による増加9億1百万円、減価償却による減少17億60百万円等により、前連結会計年度末より5億35百万円減少し、59億95百万円となりました。

 

(流動負債)

支払手形及び買掛金の増加10億53百万円等により、前連結会計年度末より9億53百万円増加し、1,080億62百万円となりました。

 

(固定負債)

退職給付に係る負債の減少87億71百万円等により、前連結会計年度末より93億26百万円減少し、353億5百万円となりました。

 

(純資産)

親会社株主に帰属する当期純利益による増加355億52百万円、配当金の支払110億22百万円、退職給付に係る調整累計額の増加36億円、その他有価証券評価差額金の減少26億70百万円等により、前連結会計年度末より256億95百万円増加し、4,003億72百万円となりました。

 

これらの結果、総資産は前連結会計年度末より173億21百万円増加し、5,437億40百万円となりました。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

売上高は、キヤノン製品の供給制約解消による売上拡大、企業の積極的なIT投資を背景としたSIサービスやセキュリティ関連の製品・サービスの売上拡大、国内の半導体メーカーの活発な投資を背景とした半導体製造関連装置等の売上拡大により、前連結会計年度と比べて6.5%増加し、5,881億32百万円となりました。

詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

(売上原価)

売上原価は、開発部門及びサービス部門の人件費が含まれます。前連結会計年度と比べて7.5%増加し、3,888億42百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上総利益は、前連結会計年度と比べて4.7%増加し、1,992億89百万円となりました。

また、売上総利益率は、前連結会計年度と比べて0.6ポイント減少し、33.9%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、グループとして経費削減に努めたこと等により、前連結会計年度と比べて0.8%減少し、1,493億41百万円となりました。

 

(営業利益)

営業利益は、徹底した販管費の削減を継続して行うと共に、主にキヤノン製品の供給制約解消による売上拡大に伴う売上総利益の増加等により、前連結会計年度と比べて25.8%増加し、499億47百万円となりました。

また、営業利益率は、前連結会計年度と比べて1.3ポイント上昇し、8.5%となりました。

詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

(営業外損益)

営業外損益は、前連結会計年度の13億96百万円の利益から、10億44百万円の利益となりました。

 

(経常利益)

経常利益は、前連結会計年度と比べて24.1%増加し、509億91百万円となりました。

 

(特別損益)

特別損益は、前連結会計年度の19億98百万円の利益から、5億31百万円の利益となりました。主に、投資有価証券売却益を7億29百万円、固定資産除売却損を1億24百万円計上したことによるものであります。

 

(税金等調整前当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べて19.6%増加し、515億23百万円となりました。また、売上高に対する比率は、前連結会計年度と比べて1.0ポイント上昇し、8.8%となりました。

 

(法人税等)

法人税等は、前連結会計年度の135億98百万円から、当連結会計年度は158億96百万円となりました。なお、実効税率は、30.9%でした。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて20.8%増加し、355億52百万円となりました。

また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より47円28銭増加し、274円16銭となりました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度と比べて1.0ポイント上昇し、9.2%となりました。

 

なお、セグメント別業績の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ166億3百万円増加して、846億32百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は377億25百万円(前連結会計年度は327億56百万円の増加)となりました。税金等調整前当期純利益515億23百万円、仕入債務の増加9億85百万円等による資金の増加と、棚卸資産の増加32億80百万円、売上債権の増加28億94百万円、法人税等の支払138億20百万円等による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は101億7百万円(前連結会計年度は158億94百万円の減少)となりました。有形固定資産の取得による支出88億89百万円、無形固定資産の取得による支出8億94百万円等による資金の減少と、投資有価証券の売却による収入13億30百万円等によるものであります。

 

これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計した、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローの資金の増加は、276億18百万円(前連結会計年度は168億62百万円の増加)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は112億59百万円(前連結会計年度は91億60百万円の減少)となりました。配当金の支払110億20百万円等によるものであります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フローによっております。また、当社と連結子会社間におけるグループファイナンスの実施により、グループ内資金の有効活用を図っております。

運転資金、設備資金等、通常の資金需要につきましては、原則として営業活動によるキャッシュ・フローによる自己資金で充当することとしております。

 

 

(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

当社グループは、「中期経営計画(2022年~2025年)」を策定し、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として下記の項目を掲げております。

指標

2021年度

(実績)

2022年度

(計画)

2022年度

(実績)

前年比

計画達成率

売上高

(百万円)

552,085

580,000

588,132

106.5%

101.4%

営業利益

(百万円)

39,699

40,500

49,947

125.8%

123.3%

営業利益率

(%)

7.2

7.0

8.5

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

29,420

29,500

35,552

120.8%

120.5%

自己資本利益率(ROE)

(%)

8.2

7.7

9.2

 

 

当連結会計年度の計画に対しては、キヤノン製品の供給制約解消による売上拡大や、企業の積極的な投資を背景としたSIサービス、セキュリティ関連の製品・サービス、半導体製造関連装置などの売上拡大により、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益において当初の目標を達成いたしました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(提出会社)

販売権基本契約

当社はキヤノン(株)(その関係会社を含む)が製造し、キヤノン(株)がキヤノンブランドを付して販売するすべての製品(半導体露光装置・液晶基板露光装置・医療機器を除く)を日本国内において独占的に販売する契約をキヤノン(株)との間で締結しております。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発活動状況は以下のとおりであります。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は712百万円であります。

 

(コンスーマ)

 フォト関連のWEBサービス等の研究開発活動を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は1百万円であります。

 

(エンタープライズ)

市場販売目的ソフトウェアの制作を行っており、製品マスター完成を目的とした研究開発活動を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は640百万円であります。

 

(エリア)

市場販売目的ソフトウェアの制作を行っており、製品マスター完成を目的とした研究開発活動を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は33百万円であります。

 

(プロフェッショナル)

プロダクション印刷機器、医療機器/システム、ヘルスケア関連商品等の研究開発活動を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は37百万円であります。