第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

 当社は、「わが社は誠実と創造をもって事にあたり 建設を通じ社会に貢献します」を社是に掲げ、「わが社は挑戦する企業体質のもと 人間と環境を大切にし 感動的価値の創造をめざします」を経営理念に据えております。

 また当社グループにおいては、グループ全体の総合力を結集して社会の発展に貢献していくことを目指しており、当社グループ全体の共通精神として、フクダグループスピリット「100年先も誠実」を掲げております。

 

(2) 経営環境

 今後のわが国経済は、経済活動の正常化に伴い景気は回復し、新型コロナの水際対策が昨秋に大きく緩和されたことを受けて、インバウンド需要の本格的回復が見込まれます。しかし、景気回復やインバウンド需要回復が本格化することで人手不足はさらに深刻化して、雇用情勢は改善傾向となり、人材確保のために大企業を中心に賃上げを行う動きが生じるものと考えられます。個人消費においてもコロナ禍の影響が小さくなるにつれ、サービス関連を中心に増加することが見込まれます。物価高は購買意欲の押し下げ圧力となるものの、政府の物価高対策により一時的には緩和されるものと思われます。

 建設業界におきましては、公共建設投資においては、引き続き国土強靱化のための予算執行に加え、資材価格高騰を踏まえた事業予算を投ずるものと思われることから、金額的増加が見込まれるものの、発注量としては変わらないものと思われます。一方、民間建設投資においては、企業の設備投資で増加基調が続くものと思われ、特に脱炭素化に向けた環境投資や省力化を目的とする情報化投資等、多様性に富んだ事業活動が広く推し進められております。

 これに伴い、当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの水際対策が昨秋に大きく緩和されたことを受けて、インバウンド需要や民間設備投資が回復基調のなか、コロナ後を見据えた投資需要が一層活発化するものと予想されます。また、公共工事においては、国土強靭化のための予算が一定程度確保される見通しで、発注量としては、大きく変動しないものと思われます。その一方、人手不足や資材価格高騰といった大きな課題を抱えており、先行きに不透明さが残ります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、当社は以下のものを掲げております。

 1.安定した受注量の確保:事業環境の変化が著しい中でも誠実な対応と全社一丸での取り組みで安定した受注量と収益を確保しなければならない。

 2.安全・品質管理の強化:「安全」「品質」はFUKUDAの信用。全社員が労災・施工不具合防止に責任をもって誠実に取り組まなければならない。

 3.働 き が い と 成 長:企業は人で成り立っている。社員一人ひとりが働きがいをもって働き、成長できなければ企業の発展はない。

(4) 経営戦略等

 当社グループは、2016年2月に公表した10年ビジョン「長期ビジョン2025(100年の歴史の伝承と次の100年に向けた挑戦)」の最終フェーズとなる中期経営計画2025(2022年~2025年)の2年目となる今年度は、「一人ひとりの『誠実』と『信頼』が明日の福田組を創る~持続的成長企業へ~」を経営スローガンに掲げ、重点実行項目として「数値目標の達成」、「労働災害・不具合防止の強化」と「働き方改革の推進」、そして「人材育成力の強化」の4つの柱を確実に実行して参ります。

 また、建設業界全体の課題である働き方改革については、2024年の時間外労働の上限規制適用に向けて、2023年度が最終フェーズとなります。ICTの導入や業務の効率化、生産性の向上を推し進め、労働環境の改善に取り組んで参ります。

 目まぐるしく変化する社会だからこそ、施策を確実に実行し、地域に根差し、地域を超えたバランスの取れた事業活動を通じて、サステナブルな成長を実現し、マルチ・ステークホルダーとの関係性を一層強化して参ります。

 

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(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは経営上の目標の達成状況を判断する指標として、企業の本業における業績能力を示す「売上高」及び「営業利益」、財政状態の健全性を示す「自己資本比率」、資本効率や収益性を示す「ROE(自己資本利益率)」を採用しており、環境の変化に対応出来る強固な経営基盤を築き、安定的な成長を持続していくことを目標としております。なお、中期経営計画最終年度に当たる2025年連結会計年度における計画値は、売上高1,850億円、営業利益84億円、自己資本比率50.0%、ROE(自己資本利益率)8.0%であります。

 

 

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(6) 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界的に落ち着きを取り戻しつつありますが、当社グループは引き続き感染症防止対策を徹底しております。

 「三つの密」の回避、人と人との距離の確保、手洗い等の衛生管理及び体調管理、作業所や事務所の換気等、今後も継続して実施してまいります。また、マスクの着用については、個人の判断に委ねることを基本方針としておりますが、医療機関の受診時や、通勤時などの混雑を回避できない場合など、マスク着用の推奨シーンをあらかじめ決めております。

 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による経営成績への影響は僅少であり、今後も当社グループにおける影響を最小限に抑えながら経営活動を行っていく所存であります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  建設投資の動向

 国及び地方公共団体の財政状態の変化により一層、公共建設投資が減少した場合や、国内外の経済情勢の変化に伴い民間建設投資が縮小した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、本支店長会議にて、建設事業における受注状況や案件量を毎月確認し、中長期的な市場動向も考慮しながら、適宜に必要とする対策に取り組んでおります。

 

(2)  開発事業の展開

 当社グループは、建設投資事業分野の変化に対応する施策の一つとして、十分な検討を踏まえたうえで開発事業を展開しておりますが、開発許認可の遅れや販売不振等の想定外の要因により事業が計画どおりに進展しない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、事業リスクや環境変化の兆候を把握することに努め、計画どおりに進展しない場合は、適宜に事業計画の点検と見直しを実施することでリスクの低減を図っております。

 

(3)  信用リスク

 取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の全額回収が困難となることにより、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、取引先の与信管理のみならず、継続的な情報収集や工事代金入金状況の管理も徹底することで、債権保全に努めております。

 

(4)  建設資材及び労務単価の価格変動

 建設工事のために調達している建設関連資材及び労務単価の急激な価格変動が生じた場合は、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、工事請負契約の締結にあたって、労務賃金・建設物価の変動に基づく請負代金の変更に関する規定(スライド条項等)を採用するよう、発注者との協議に努めております。

 また、労務状況の確認や資材の市場価格調査を行いつつ、先行的に調達を行ったり代替工法案を提案して対応する場合もあります。

 

(5)  保有資産の価格・収益性の変動

 販売用不動産、事業用不動産及び投資有価証券等の保有資産の時価が著しく下落した場合、又は収益性が著しく低下した場合等には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、販売用不動産や事業用不動産については、毎期保有意義を再検証し、保有メリットが低いものと判断した場合は早期売却することでリスク低減を図っております。また投資有価証券については、毎期取締役会にて保有の是非について検証を行っており、保有の合理性があると判断された場合に限り保有することとしており、価格・収益性変動リスクの低減を図っております。

 

(6)  労働災害

 当社グループの売上高の9割以上は建設事業であり、重大な労働災害を起こした場合は、関係諸官庁から行政処分を受けることなどにより、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、未然に防止するために様々な安全対策の徹底を図っており、定期的な現場安全パトロールや協力業者を含めた安全教育の実施等を行っております。

 

(7)  法的規制等

 当社グループの事業は、企業活動に関して、建設業法等さまざまな法的な規制を受けております。これらの法律の改廃や新設、適用基準の変更等、並びに法令違反により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、影響を及ぼす可能性のある法律の改廃や新設、適用基準の変更等については、適宜に対応しなければならない為、関連規程や規則を整備したり、各種会議体やイントラネット掲載等による社内周知、社内教育や研修を実施しております。

 また、法令違反については、コンプライアンス体制の充実を図っており、コンプライアンスマニュアルを作成し、配布やイントラネット掲載等による社内通知、研修による通達等を通じて役職員への周知を行っております。

 

(8)  訴訟等

 係争中の事案や将来の訴訟等において、当社グループの主張や予測と相違する結果となった場合は、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、予測と相違する結果にならない為にも、顧問弁護士と連携しながら訴訟解決を目指して取り組む体制にしております。

 

(9)  施工等の瑕疵

 設計、施工などの各面で重大な瑕疵があった場合や、人身、施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、当社は、施工難易度等の指標により、重点的に管理する工事を指定し監視しております。また、営業、設計、施工、アフターケアの各段階で顧客満足の向上に向けた生産活動に取組んでいますが、瑕疵が発生した場合は、各本支店に設置しているサービスセンターを中心に、営業、施工の各部門と連携して迅速に対応する体制を整えており、原因の特定、評価及び再発防止の徹底に努めております。

 

(10) 自然災害等

 大規模な自然災害等が発生した場合、従業員や保有資産に対する損害があるほか、施工中の工期遅延や追加費用の発生により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、事業活動を継続ないしは速やかに復旧し、必要な体制を構築できるよう事業継続計画(BCP)の整備や災害対策用備蓄品の確保を行っております。また、大規模な災害が生じた際の対応方法として災害行動マニュアルを配布、もしくはイントラネット掲載による社内周知を行っております。

 

(11) 繰延税金資産

 将来の課税所得等の見積りの変動や税率変更等の税制改正によって、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり、基準とした利益計画の実現可能性について慎重に検討を行い、合理的に見積った課税所得についてのみ繰延税金資産を計上することとしております。

 

(12) 人材確保

 少子高齢化及び「建設業」という業種イメージの影響により、建設業に携わる者の減少が顕著に生じており、優秀な人材の確保が困難になる恐れ、並びに人員不足による受注機会の損失が生じることにより、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、建設技術者及び技能労働者不足の深刻化が進まないように、社員の教育・育成及び技術伝承に力を注ぐとともに、「働き方改革」を推進させることで労働環境の改善を高めることで人材確保に努めております。

 

(13) 新型コロナウイルス感染症拡大

 現在は新型コロナウイルス感染数が減少しており、経済活動の正常化に戻りつつあるものの、完全なる絶滅方法が生まれない限り、新たなる変異株の発生により、再び経済情勢が悪化による建設市場が縮小、特に民間企業の事業計画縮小による受注機会の減少、並びに他社との価格競争激化による工事採算の悪化等が生じた場合は、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員及び協力業者が感染した際は、工事を中断せざるを得ない事態となり、これによる工事損益に影響を及ぼす可能性もあります。

 当該リスクへの対応策として、同感染症に関する最新動向やこれによる景気状況に注視しながら、適宜に必要とする感染防止対策に取り組んでおります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大から、徐々に正常な活動を取り戻しつつある一方、ウクライナ情勢の緊迫化や、中国の「ゼロコロナ政策」によるサプライチェーンの寸断が輸入物価の高騰を招き、国内需給が逼迫する状況となりました。企業業績におきましては、海外に展開する企業や、サービス業を中心とした非製造業では高い水準を維持していますが、製造業では、原材料価格の高騰や半導体の不足などにより、企業業績が低調に推移いたしました。中小企業においては、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準近くに回復している企業もある一方で、原材料価格の高騰や人手不足などの要素が重なり、先行きの不透明感が残る状況となりました。また、個人消費は、新型コロナウイルスワクチン接種の浸透などから人の流れが活発化し、サービス消費は緩やかながら回復傾向となりましたが、生活必需品などの物価上昇により、消費活動が縮小する結果となりました。

 建設業界におきましては、公共建設投資で引き続き防減災対策や設備の老朽化に伴う維持更新の需要が堅調に推移しました。また、民間建設投資でも、新型コロナウイルス感染症対策を継続しながらも、徐々に経済活動が回復傾向となったことにより、企業の設備投資が積極姿勢へと転換し始めました。しかしながら、資材価格高騰が建設コストの増加を招き、採算面を押し下げる結果となりました。

 このような情勢のもと、当社グループは新型コロナウイルス感染症の対策を徹底したことで、経営に大きな影響を与えるような工事の中止・中断が発生することなく事業活動を続けてまいりましたが、「中期経営計画2025」の初年度となる当連結会計年度の業績目標に対しては、売上・利益ともに未達成となりました。そのうち、特に営業利益においては、受注競争の激化により採算性の高い工事が減少したこと、建設コストの増加に伴う粗利益率の低下も影響し、当初掲げた業績目標を達成することが出来ませんでした。

 

 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ35億円余増加の1,343億円余となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億円余増加の558億円余となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億円余増加の785億円余となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績におきまして、受注高は前年同期比15.4%増の1,700億円余、売上高は同14.2%減の1,543億円余となり、利益については、営業利益は前年同期比41.4%減の52億円余、経常利益は同40.4%減の54億円余、親会社株主に帰属する当期純利益は37.7%減の36億円余となりました。

 

 セグメント別の経営成績、並びに新型コロナウイルス感染症拡大による影響は次のとおりであります。

(建設事業)

 売上高は前年同期比13.7%減の1,507億円余となり、セグメント利益も前年同期比43.6%減の47億円余となりました。

 また、感染症拡大による工事の中止・中断も無く順調に進捗が図られたため、施工に関する損益の影響はありませんでしたが、お客様への訪問や面談の中止による発注の遅れから、前期受注高が低調となり、当期の売上高の減少に影響を与える結果となりました。

(不動産事業)

 売上高は前年同期比32.0%減の30億円余となり、セグメント利益は前年同期比1.6%増の5億円余となりました。

 また、感染症拡大による大きな影響額はありませんでした。

(その他)

 売上高は前年同期比1.6%減の6億円余となり、セグメント利益も前年同期比7.7%減の4千万円余となりました。
 また、コロナ禍による稼働率の低下が一部の事業で生じたものの影響額としては軽微であります。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べて期首残高が増加しており、さらに増減額全体も48億円余増加しているため、前連結会計年度末から20.9%増加の281億円余となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主たる要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 未成工事受入金は増加したものの、売上債権や税金等調整前当期純利益が減少したことに伴い、営業活動によるキャッシュ・フローは50億円余の収入超過となりました(前年同期は、78億円余の収入超過)。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資有価証券の取得による支出が前年と比べて減少したことから、投資活動によるキャッシュ・フローは11億円余の支出超過となっております(前年同期は、15億円余の支出超過)。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 借入れによる収入が影響し、財務活動によるキャッシュ・フローは9億円余の収入超過となりました(前年同期は、61億円余の支出超過)。

③生産、受注及び販売の実績

a.受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自2021年1月1日

  至2021年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自2022年1月1日

  至2022年12月31日)

(百万円)

建設事業

142,730

163,312(14.4%増)

不動産事業

4,345

6,490(49.3%増)

報告セグメント計

147,076

169,802(15.5%増)

その他

270

217(19.7%減)

合計

147,346

170,020(15.4%増)

 (注) セグメント間取引については相殺消去しております。

b.売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自2021年1月1日

  至2021年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自2022年1月1日

  至2022年12月31日)

(百万円)

建設事業

174,789

150,746(13.8%減)

不動産事業

4,393

2,959(32.6%減)

報告セグメント計

179,183

153,706(14.2%減)

その他

662

652( 1.6%減)

合計

179,846

154,358(14.2%減)

 (注) セグメント間取引については相殺消去しております。

なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。

なお、参考のため提出会社単独の状況は次のとおりであります。

 

受注高(契約高)及び施工高の実績

a.受注高、売上高、繰越高及び施工高

期別

種類別

前期繰越高

(百万円)

当期受注高

(百万円)

(百万円)

当期売上高

(百万円)

次期繰越高

当期施工高

(百万円)

手持高

(百万円)

うち施工高

(%)

(百万円)

第95期

(自2021年1月1日

至2021年12月31日)

建設事業

 

 

 

 

 

 

 

 

建築

73,626

63,499

137,126

78,418

58,707

0.5

314

78,299

土木

52,232

18,316

70,549

32,027

38,521

1.0

383

31,824

125,859

81,815

207,675

110,446

97,228

0.7

698

110,124

不動産事業

108

2,626

2,734

2,667

67

合計

125,967

84,442

210,409

113,113

97,296

第96期

(自2022年1月1日

至2022年12月31日)

建設事業

 

 

 

 

 

 

 

 

建築

58,707

73,340

132,047

61,442

70,605

0.3

182

61,311

土木

38,521

26,674

65,195

25,446

39,748

0.5

197

25,260

97,228

100,014

197,243

86,889

110,354

0.3

380

86,571

不動産事業

67

4,769

4,837

1,305

3,532

合計

97,296

104,784

202,080

88,194

113,886

 (注)1. 前期以前に受注したもので、契約の変更により契約金額の増減がある場合は、「当期受注高」にその増減額を含んでおります。

2. 「次期繰越高」の「うち施工高」は支出金により建設事業手持高の施工高を推定したものであります。

3. 「当期施工高」は(当期建設事業売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第95期

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

建築工事

39.8

60.2

100

土木工事

41.3

58.7

100

第96期

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

建築工事

37.9

62.1

100

土木工事

31.4

68.6

100

 (注) 百分比は請負金額比であります。

c.売上高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

第95期

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

建設事業

 

 

 

建築工事

5,077

73,341

78,418

土木工事

19,356

12,671

32,027

24,433

86,013

110,446

不動産事業

2,667

2,667

合計

24,433

88,680

113,113

第96期

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

建設事業

 

 

 

建築工事

2,717

58,724

61,442

土木工事

13,664

11,782

25,446

16,382

70,507

86,889

不動産事業

1,305

1,305

合計

16,382

71,812

88,194

 (注)1. 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第95期 請負金額15億円以上の主なもの

浦和美園特定目的会社

(仮称)DPL浦和美園新築工事

大和ハウス工業㈱

(仮称)春日井SCプロジェクト新築工事

イオンタウン㈱

(仮称)イオンモール能代新築工事

宮城県

折立河川外災害復旧工事

第96期 請負金額10億円以上の主なもの

大和ハウス工業㈱

(仮称)流山おおたかの森B35街区商業プロジェクト新築工事

住友商事㈱

(仮称)元白川小学校跡地再開発計画新築工事

東京都下水道局

森ヶ崎水再生センター(西)水処理施設耐震補強及び合流改善施設建設工事

東京都水道局

多摩北部給水所(仮称)築造工事

 

2. 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであ
ります。

第95期

該当する相手先はありません。

第96期

該当する相手先はありません。

 

 

d.手持高(2022年12月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

建設事業

 

 

 

建築工事

1,128

69,476

70,605

土木工事

14,520

25,228

39,748

15,648

94,705

110,354

不動産事業

3,532

3,532

合計

15,648

98,237

113,886

 手持工事のうち請負金額60億円以上の主なものは、次のとおりであります。

㈱相鉄アーバンクリエイツ

(仮称)ゆめが丘大規模集客施設新築工事

2024年3月完成予定

㈱国際総合計画・

日生不動産販売㈱

新潟駅南口西地区優良建築物等整備事業に係る施設建築物新築工事

2026年2月完成予定

中部地方整備局

平成30年度 東海環状岐阜山県第一トンネル東地区工事

2023年3月完成予定

東京電力ホールディングス㈱

柏崎刈羽原子力発電所 特定重大事故等対処施設建屋新設工事(大湊側)

2024年6月完成予定

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

 (資産合計)

 資産の部におきましては、流動資産では、未収債権の回収が順調に進んだことから、受取手形・完成工事未収入金等が減少し、現金預金が増加したため、前連結会計年度末に比べて36億円余増加の990億円余となりました。固定資産では、有形固定資産及び無形固定資産の大きな変動はなく、繰延税金資産の増加があったものの、退職給付に係る資産の減少等により、前連結会計年度末に比べて2千万円余減少の352億円余となりました。以上により、資産合計は、前連結会計年度末に比べて35億円余増加の1,343億円余となりました。

 (負債合計)

 負債の部におきましては、期末における稼働工事量の水準が低下したため、仕入債務は減少したものの、未成工事受入金等や借入金の増加等により、負債合計は前連結会計年度末に比べて15億円余増加の558億円余となりました。

 (純資産合計)

 純資産におきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したため、前連結会計年度末に比べて20億円余増加の785億円余となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 売上高におきましては、コロナ禍による工事の大幅な遅延等はなく、工事の進捗が図られたものの、前年の受

注高が低調だったことから、当連結会計年度の繰越手持工事高が減少し、前年同期比14.2%減の1,543億円余と

なりました。

(営業利益)

 売上高の減少に加え、不採算工事の発生や、建設資材等の価格上昇による粗利益率の低下により、売上総利益は前年同期比19.1%減の151億円余となり、販売費及び一般管理費の増加も影響し、営業利益は前年同期比41.4%減の52億円余となりました。

(経常利益)

 受取配当金の計上等があったものの、前年と大きな変動はなく、経常利益は前年同期比40.4%減の54億円余となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 前連結会計年度に計上していた関係会社株式評価損が当連結会計年度では発生しなかったことや、減損損失の計上額が減少したこと、加えて税金等調整前当期純利益の低下に伴う法人税等の税金費用が減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比37.7%減の36億円余となりました。

 また、当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、懸念されていた新型コロナウイルス感染症拡大における影響は少なかったものの、前期からの繰越工事高が減少したことや、ウクライナ情勢の緊迫化等による資材価格の高騰が、採算面を押し下げる結果となりました。当初計画との比較におきましては、そのような状況が影響し、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益全てにおいて下回る結果となりました。しかし、当期受注高におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まり、民間工事における受注環境が正常化しつつあることから、前連結会計年度を上回ることができました。

 

 経営成績に影響を与える大きな要因としては、建設需要や建設コストの変動による事業環境の変化、及び工事の進捗管理が考えられます。当連結会計年度におきましては、ウクライナ情勢の緊迫化を初めとした様々な世界情勢の不安材料が、建設資材の価格高騰やサプライチェーンの分断などを招き、建設コストを大きく引き上げました。さらに、建設業界の慢性的な人手不足による受注競争の激化も相まって、さらに収益性の悪化を招く結果となりました。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大が、前連結会計年度と比較し落ち着きを取り戻しつつあり、今後、行動制限の緩和等も拡大されることから、民間事業投資の押し上げが期待されております。

 また、工事の進捗管理においては、競争の激化による、より短期間での工期設定などの懸念材料はあるものの、働き方改革や建設DXなどによる生産性の向上、並びに人手不足の解消などを目的とした動きが活発化しております。

 このような環境のもと、当社グループは更なる企業価値追求のため、工事施工の効率化や情報通信技術を利用した生産性の向上などに取り組んでおり、経営成績を向上し続けたいと考えております。

 

c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(建設事業)

 売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大による工事の大幅な遅延等はなく、工事の進捗が順調に図られたものの、前年の受注高が低調だったことから、当連結会計年度の繰越手持工事高が減少し、前年同期比13.7%減の1,507億円余となり、セグメント利益も売上高の減少が大きく影響して、前年同期43.6%減の47億円余となりました。

 資産は、受取手形・完成工事未収入金等の減少が影響して、前連結会計年度末に比べ49億円余減少の987億円余となりました。

(不動産事業)

 売上高は、不動産販売案件が大きく減少したことが影響して、前年同期比32.0%減の30億円余となり、セグメント利益については、採算性の高い販売売上高が増加したことにより、前年同期比1.6%増の5億円余となりました。

 資産は、販売用不動産の減少があったものの、販売による現金預金収入や不動産事業支出金が大きかったことから、前連結会計年度末に比べ12億円余増加の170億円余となりました。

(その他)

 売上高は福祉施設運営子会社の売上高減少により、前年同期比1.6%減の6億円余となり、セグメント利益についても、福祉施設運営子会社の採算性が低下し、前年同期比7.7%減の4千万円余となりました。

 資産は、現金預金の減少及び固定資産の償却が影響して、前連結会計年度末に比べ1億円余減少の9億円余となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運転資金として、建設事業に係る材料費・労務費・外注費・経費と不動産事業に係る固定資産購入や賃貸事業運営費用、各事業についての一般管理費等があります。また設備資金としては、事業所拡大投資や機械装置の購入等があります。

(財務政策)

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、効率的な資金運用の観点から、適時に各社単位で資金計画書を作成・更新しながら、最小限の有利子負債になるよう管理しております。

 また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると共に、グループ合計85億円のシンジケート方式によるコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応可能となっております。

(株主還元)

 株主還元については、安定かつ継続的に配当を実施することを目標としており、当連結会計年度においては純資産配当率1.3%、配当性向28.0%となっております。

 引き続き、安定的な配当に努めるとともに、業績、財務状況及び経営環境を勘案した株主還元を行っていく所存であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2022年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

売上高におきましては、コロナ禍による工事の大幅な遅延等はなく、工事の進捗が図られたものの、前年の受注高が低調だったことから、当連結会計年度の繰越手持工事高が減少し、計画比6億円余減少(0.4%減)となりました。

営業利益におきましても、売上高の減少に加え、不採算工事の発生及び建設資材等の物価上昇により粗利益率が低下したこと、さらに販売費及び一般管理費が増加したことなどから、計画比9億円余減少(16.0%減)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益は減少しているものの、前連結会計年度計上していた関係会社株式評価損が発生しなかったことや、減損損失の計上額が減少したこと、加えて税金等調整前当期純利益の減少に伴う法人税等の税金費用が減少したことなどから、計画比4億円減少(11.0%減)にとどまりました。
 自己資本比率は、現金預金の増加から資産合計が増加しているものの、同様に未成工事受入金や借入金の増加に伴う負債合計の増加から、前連結会計年度より横ばいの57.9%(前連結会計年度も57.9%)となり、ROE(自己資本利益率)は親会社株主に帰属する当期純利益の減少により、前連結会計年度より3.2ポイント減少の4.8%(前連結会計年度は8.0%)となりました。

 

指標

2022年度(計画)

2022年度(実績)

2022年度(計画比)

売上高

155,000百万円

154,358百万円

642百万円減( 0.4%減)

営業利益

6,200百万円

5,208百万円

992百万円減(16.0%減)

親会社株主に帰属する

当期純利益

4,100百万円

3,650百万円

450百万円減(11.0%減)

自己資本比率

57.9%

ROE(自己資本利益率)

4.8%

(注)2022年度は中期経営計画の経過年であるため、2022年度(計画)の自己資本比率及びROEについては、公表しておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

 

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。

 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。

 なお、当連結会計年度は研究開発費として、179百万円を投入しております。

 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。

 

  ( 建設事業 )
(1) 当社

① RCS構造に対する取り組み

 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造(RCS構造)は、剛性が高く、高い軸方向支持力を持つRC柱と軽量で曲げ耐力が高く、大スパンが可能な鉄骨梁とのハイブリッド構造であり、以前より存在した構造でありますが、RC造や鉄骨造に比べると普及しているとは言い難い状況でした。しかし、近年、大スパンかつ積載荷重の大きな倉庫等の用途でニーズが高まっており、設計施工での採用に向けて、継続的に調査、研究、試設計などに取り組んでおります。

 

② 施工(現場)でのBIMモデル活用

 鉄骨アンカーボルトと鉄筋、免振装置と鉄筋など基礎部分の配筋検討、又はSRCや形状が複雑な地上階の配筋納まり検討などを継続的にしております。形状が複雑な建物をBIMモデル化し、そこへ協力会社からの3Dデータをインポートした「統合モデル」を使用して、各部材の納まり検討・打合せ・調整をしたり、足場組立の計画をするなど幅広く活用しております。また、3Dモデルからの2D図面化、コンクリートや面積などの数量算出など、現場が必要としている部分についての対応などもしております。ハード面での取り組みとしては、全国どこの作業所でもインターネットに繋げることで、仮想デスクトップ環境を使用してBIMソフトを操作できるよう整備しております。

 

③ 既存建築物の改修技術の研究

 既存建築物の耐震性向上や、耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。

 

④ 橋梁維持更新(吊足場)

 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進めてまいりました。今期、「フライングステージを用いたつり棚足場」の名称で、仮設工業会のシステム承認を得ました。展示会への出展、受注現場での実用改善、機能を付加する開発を進めてまいりました。橋梁維持更新工事に活用してまいります。

 

⑤ コンクリート構造物の延命化工法

 社会経済活動の基盤である土木コンクリート構造物は、高度経済成長期以降に集中的に整備されており、今後、建設から50年以上経過して劣化が進む割合が加速度的に増加することが予想されています。そこで、これらの土木コンクリート構造物を計画的に維持管理することを目的とした、劣化構造物の延命化工法の開発に取組んでおります。長岡工業高等専門学校と他2社との共同研究として取り組んでおり、国立研究開発法人からの助成研究に採択されました。助成を活用した実験計測を行っております。

 

⑥ デュアルシールド工法の自動測量システム

 当社はデュアルシールド工法で下水道トンネル工事を行っておりますが、施工精度を確保するために毎日測量を行って精度確認をしていく必要があります。現状では、2人で測量を行っております。加えて昼夜交代で工事を行う場合には、交代のために1現場で4人の測量人員を確保する必要があります。これからも多くの受注が見込まれることから、複数の工事を同時に行える体制を整えることが急務となっています。そこで、1人の技術者で、1つの工事を進めていくことを主目的に、測量を自動で行えるシステムの開発を行ってまいりました。この自動化システムの完成で、省人化の他、より短時間で必要な時期に測量確認ができることによって、シールド掘進機の適切な操作判断が行え、施工精度の向上に資すると考えております。

 

⑦ 動画とAIを活用した山岳トンネル掘削時の地山状況判定

 山岳トンネル工事では、日々の切羽観察によって岩盤の良し悪しを判定し、適切な支保パターンの決定や補助工法の要否を判断しております。この際、トンネル技術者は標準的に行う切羽観察に加えて、掘削時の地山の崩れ方、音、既施工区間との変化等も同時に観察しております。特に崩落岩塊の動的な挙動(崩落の仕方、規模等)は、地山の土砂化の程度や補助工法の要否に関連すると考えられ、この説明資料として動画が活用され始めていますが、現状では主観的な活用にとどまっています。このような動的挙動を客観的に評価するためAI(人工知能)の導入に取り組んでおります。昨年、実現場での試験運用を実施し、技術の有効性について確認致しました。今後も精度や実用性の改善のために検証を継続して行う予定でおります。

https://www.fkd.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/359085e52270f215cd2195c430f3cc2b.pdf

※リンク先:福田組ホームページ内

 

⑧ 初期変位を用いた逆解析システム

 トンネル工事をはじめとする地下構造物を建設する際、適切なトンネルの支保構造や、工法等を検討することが重要です。しかしながら、施工前及び施工時に得られる地質調査データは、必ずしも十分ではないため、掘削時において坑内変位等の計測データを用いた逆解析により、地山物性値を推定し、以降の施工に活用することが行われております。この逆解析は、時間がかかり実用に問題がございます。そこで、掘削直後の初期変位から、パラメータの逆解析を行い、当該位置の最終変位を推測することで、対策検討の実用に資するシステム開発を行っております。

 

⑨ 地球温暖化防止技術・環境保全技術

 工事では多種多様な製品を調達し、燃料や電力を使用しております。カーボンニュートラルの実現に向けた第一歩として、工事現場における電力消費量の見える化と、主要設備の最適運転により電力消費量を削減しようとするエネルギーマネジメントシステムの開発を進めております。また、再生可能エネルギーの活用に資する取り組みを強化しました。さらに、環境保全技術として、工事における換気粉塵対策技術と、騒音対策技術の向上が必要と判断して、取り組んでおります。

 

⑩ i-Construction、CIMへの取組

i-Constructionへの取り組みは、受注・契約条件として必須です。取組むための機器・ソフトの運用と検証を進め、一般効率的な業務ツールとなるよう全社への展開を進め、より効率的な運用となる改善を進めております。

 

(2) 福田道路㈱

1.技術開発

① アスファルト舗装の長寿命化についての研究(NEXCO総研との共同研究)

 高速道路の老朽化が進み、更新期に差し掛かるにあたり、舗装全層を改良し、長寿命舗装を構築する新しい技術開発を行いました。次期も引続き取り組む予定でおります。

 

② 橋面舗装の遮水性能向上についての研究(土木研究所との共同研究)

 道路構造令が改定される前に建設された橋梁の老朽化による、コンクリート床版の「砂利化」が深刻な問題となっております。土木研究所との共同研究により、端部防水工を提案し、検証を行っております。

 

③ カーボンニュートラルに向けたフォームドアスファルトへの取り組み

 地球温暖化が進む中、2050年カーボンニュートラルに向けて、As混合物を低温で製造するためのフォームド装置を令和3年12月に千葉共同アスコンに導入しました。今期は、施工性改善を目的とした、混合物の性状の把握に努め、実施工まで実施致しました。また、低温製造に関しても、試験練を実施し、室内試験により所定の性能を発揮することを確認するとともに、機械設備面でのデータ収集も行いました。

 

④ DXの推進

 精度の問題から、ICT技術の普及に難がある舗装修繕工事にMMS(モービルマッピングシステム)と、GNSSマシンコントロール切削機の連携による現場計測ゼロへの取り組みを検討致しました。3工事にて試行的に取り組んでおり、精度的にも実用上問題ないことが確認できました。

 

⑤ 「ファインPET-S(高耐久合材)」のリリース

 舗装インフラの長寿命化が強く要求されるなか、耐流動性・耐油性に優れたアスファルト合材「ファインPET-S」をリリースしました。今期は3例の施工実績を積み上げ、更にデータを収集して完成度を高める予定です。廃PETボトルを有効活用しており、環境に優しい工法でもあり、今後も需要が見込まれることから、用途開発にも取り組んでまいります。

 

⑥ 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」のシステム改良

 AIを用いた路面診断技術である「マルチファインアイ」は、開発から5年が経過し調査実績も着実に増加しておりますが、一方で計測機器の陳腐化に伴う改良や精度のさらなる向上など、バージョンアップが必要です。今期は画像取得や路面プロファイルの取得システムの改良に取り組みました。

 

⑦ 「メジテープ(成型目地材)」の形状改良

 成型目地材のメジテープは舗装端部止水で実績を伸ばしてきましたが、地方自治体様よりL型形状の要望がありました。所用の性能を満足した製品を供給すべく、形状改良の検討を行っております。

 

⑧ 開発技術の広報活動

 開発した技術のアピールと、新たな技術開発の促進を行うために、報文発表や技術フェアーに参加して成果を広報しております。

 令和4年5月 北陸道路舗装会議 5編発表

 令和4年6月 EE東北出展

 令和4年10月 建設技術フェアーIN中部出展

 令和4年11月 建設技術展近畿出展

 令和4年11月 ハイウェイテクノ出展

 

(3) ㈱興和

① ICT施工、BIM/CIMへの取組み

 2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択され、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組み、さらに2020年のICT法面工(吹付法枠工)の基準類制定を受け、国土交通省発注法面工事において全国に先駆けてICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「令和2年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞しました。2023年はLidar(光を用いたリモートセンシング技術)に着目し更なる生産性向上・業務効率化を目指し、ICT施工、BIM/CIMに積極的に取り組んでまいります。

 

② 集水井点検カメラ

 砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検ではクレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となっておりました。そのため、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な「立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)」を開発し、2件の特許を取得しました。この技術により、これまで国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、800基超の集水井で、また県外においても岩手、山形、福島、群馬、宮崎で点検を行ってまいりました。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞しました。また受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。今後も砂防関係施設点検の効率化を実現するため、BIM/CIMの活用により維持更新の省力化を目指します。

 

③ 裏山雨量計プロジェクト

 裏山雨量計プロジェクトは、土砂災害の危険性が高い地域の裏山に雨量計を設置するとともに、地域住民が理解しやすいデータの見せ方として「がけ崩れおっかない指数」を算出し、そのデータをweb提供することで、地域住民の早めの避難と防災力の強化を図ることを目的としております。本プロジェクトは2015年に新潟県から寺泊山田地区のフィールドを提供いただき、地域住民の方々の意見を取り入れながらシステムの運用、改良を行っております。これらの取り組みについてまとめた報文は、「2019年(公社)日本地すべり学会賞(技術報告賞)」を受賞致しました。2022年8月には、国土交通省の道路土工構造物点検及び防災点検の効率化技術として選定され、2023年は宮崎県にて実証実験を行う予定です。今後もシステムの改良や機能追加を行い、土砂災害が懸念される地域の安全・安心に向けた取り組みを行ってまいります。

④ 下水熱利用への取組み

 下水熱は外気に比べて季節間の温度変化が少ない特長があり、都市部における未利用エネルギーとして注目されております。下水道管の底部に採熱管を設置して、熱を取り出す下水熱利用システムの開発に取り組んでおります。特に融雪分野では、融雪温度(循環水温度)が低くても融雪能力を発揮できることから、循環水温を昇温するヒートポンプ等を用いない融雪システムを開発し、2015年には新潟市のバスターミナルの歩道に融雪設備の施工を行いました。さらに2018年には、国土交通省の「平成30年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択され、車道部に融雪システムを設置し実証研究を行いました。この成果は、国土技術政策総合研究所資料第1158号に導入ガイドライン(案)としてまとめられております。今後も融雪分野のトップランナーとして新潟県内外を問わず、また融雪分野にとどまらず下水熱利用システムの普及に貢献してまいります。

 

⑤ 長距離配管気水洗浄工法

 上・下水道、工業用水道、温泉送湯管等のパイプラインにおいて、管内面にスケール等が付着し、本来の通水能力が低下した場合、一般には洗浄治具を挿入したり、薬品や研磨剤などを用いて管内の洗浄を行いますが、特殊機械の使用や薬品等の大量使用と、廃棄によるコスト増大や洗浄後の薬品等の残留の懸念等の課題がありました。そこで従前より、水と圧縮空気しか使わず1.5km程度までの長距離配管を洗浄可能な本工法を開発し現場実証を続け、2015年にMade in 新潟新技術登録を行いました。本格的なインフラ維持管理の時代に突入し、安価で安全な本工法による洗浄工事の依頼も増えていく中、さらに国内の管更生工事業者等8社で「日本気水洗浄工法研究会」を2021年に立ち上げました。安全・安心な社会インフラを守るため、さらなる普及を目指してまいります。

 

➅ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー)

 従前より、フィールドでの計測・監視技術で得た省電力の特長を生かした融雪施設の遠隔制御装置を販売しており、さらに下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発し、販売を行っております。最近では、光ファイバーや無線通信でのネットワークの構築のノウハウも生かしながら、北陸地整管内の一級河川等の樋門・水門監視にこれら機器の活用が広がってきております。これら機器は、2005年からの累計で約1,300台の販売実績があり、今後も融雪や下水道、河川管理関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ等に販売が見込まれております。

 

⑦ 老朽化したモルタル斜面の維持修繕技術

 モルタル斜面は、昭和30年代後半より施工されてきており、施工後50年以上経過し老朽化したモルタル斜面の施設数は膨大な数となっています。更新にあたり、法面作業員の不足、産業廃棄物処理問題、鉄さびによる構造物の劣化進行 と抱える課題は多い現状です。これらの課題を解決するため、環境負荷の少ない天然鉱物補強繊維の導入や軽くて錆びない繊維ボルトによる作業軽減、鉄材からの脱却を目指し開発を行っております。この技術は、2022年に新潟県補助金制度を利用し試験施工を実施しました。今後、ゲリラ豪雨や地震等の外的要因が発生した場合においても、斜面の安定を確認することができれば、斜面防災の維持修繕において大きな改善、効果が期待できます。

 

(4) ㈱レックス

 社会インフラの長寿命化対策や現場の生産性向上(建設DX)等をはじめとして、当社や建設業が抱える課題や社会的ニーズを踏まえ、それらに資する新技術や新工法等の開発を進めております。

 

① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発

 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物の補修・補強工法であり、鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布面に、炭素繊維シート補強材を接着可能とすることで、鉄筋腐食抑制と補強を両立させる技術です。従来技術においては、含浸材施工面への炭素繊維シートの施工は、付着性等の問題から不可能でした。そこで、材料メーカーとの共同研究により、付着性能及び施工性の問題をクリアする専用プライマーを開発し、2018年に新工法として上市致しました。

本技術は、2019年にMade in新潟 新技術普及制度に登録、2021年3月には、特許(特許第6861190号)に登録されました。加えて、2022年11月には国土交通省のNETISにも登録(HR-220007-A)され、新技術として今後の活用が見込まれます。

 

② 高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」の開発

 夜間道路工事用のLED矢印板の板面に、高輝度反射シートを付加することで、従来品と比較し、あらゆる条件下において、視認性・安全性の向上を図った新製品を開発しました。矢印板全体の視認性が向上する他、故障やバッテリー切れ等によるLED消灯時でも視認性を保持することができます。また、高輝度反射シート面が損傷した際などには、容易に交換が可能となっております。

 本製品は、2021年9月にMade in 新潟新技術普及制度に登録され、当社のレンタル事業・販売部門からユーザーに提供され、好評を頂いております。

 

③ 「吹付け・コテ塗り併用型靱性モルタル(靱性モルタルNA)」の開発

 コンクリート構造物の断面修復や表面被覆に使用される靱性モルタルは、一般的なポリマーセメントモルタルと比較し、ひび割れ防止や耐久性等の性能に優れる一方で、専用施工機械が必要であり、コテ塗り施工ができない等、施工上の制約がありました。従来製品の材料や配合の見直しを行い、コテ塗りや汎用機械施工が可能な新製品「靱性モルタルNA」を開発致しました。

 本技術は、2016年にMade in新潟 新技術普及制度に登録され、農業用水路の表面被覆工事等、農業水利施設補修工事において50,000m2以上の実績があります。現在はその優れた材料特性を活かし、土木コンクリート構造物メンテナンス(補修・補強)分野への適用について、検討を進めております。

 

④ 現場の生産性向上に資する技術の開発

 施工現場の生産性向上や課題解決のため、ICTやAI技術等の活用により、現場のDX化や生産性向上に寄与する技術の開発に取り組み始めております。昨年より、断面修復工の出来形測定の効率化及び補修図面の自動データ化等の技術開発に向けた検討を行っております。

 

  ( 不動産事業及びその他 )

 研究開発活動は、特段行われておりません。