文中の将来に関する事項は、現時点において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く経営環境は新型コロナウイルス感染症予防に関する行動制限が減少し社会活動の正常化とともに一部景気回復の傾向がみられました。しかしながら、増減はあるものの新規感染者数が一定水準で推移したこと、ウクライナ危機を背景とした原材料価格やエネルギー価格の上昇、為替水準の大きな変動など依然として先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況において、当社グループは生活上必要不可欠な容器-カタチ(容)あるウツワ(器)-をつうじて、お客様の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその価値と個性化を高め「世界の器文化に貢献」することを使命とし、お客様の求める商品価値の創造とより高い満足を目指して、Standoutなパッケージングソリューションを提供しております。
また、当社グループは自然に還りやすい「生分解性樹脂」の容器を開発して以来、植物由来のバイオマス原料やリサイクル原料を使用した製品、付替・詰替機能の付加により繰り返し使用できる製品、樹脂原材料の使用量を削減した製品など、資源循環型パッケージングカンパニーを目指して幅広くラインナップするとともに新たな容器開発も進めております。
このような状況のもと、当社グループは、「お客様の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその価値と個性化を高め世界の器文化に貢献」することを会社の使命と認識し、「お客様の求める商品価値の創造とより高い満足を目指し、Standoutなパッケージングソリューションを提供すること」を中長期の目標としています(Standoutは「際立つ・優れた」の意味です)。
当社グループでは、お客様の商品へ際立った価値を提供する「Standout」の更なる強化が重要と認識しており、世界的に環境問題への意識が高まる中、「資源循環型パッケージングカンパニー」を目指した「2030年ビジョン」を設定しております。
この2030年ビジョンでは、「スタンダードボトルを中心に、アジア(日本、中国、インドを含む)、欧米で販売を伸長させ、グループの年間取引社数を7,500社、金型数を5,740型として、売上高300億円を目指す」という具体的な数値目標を設定しております。
このビジョン達成のためには、「①圧倒的なスピードの実現」でお客様に提供する製品の開発から納品までの期間を短縮すること、並びに「②資源循環型パッケージングを対象とする開発提案力の強化」の二点が必要不可欠であり、この二点を重点課題としてグローバルでの事業展開を進めていく方針です。
対処すべき課題は、以下のとおりです。
① 圧倒的なスピードの実現
お客様に対しては「価値ある体験」を提供しつつ、顧客間口の拡大と利便性向上による売上拡大、社内業務の工程改善によるコスト削減のため、マーケティングから製品開発、製造、デリバリーまで当社の特徴でもある一貫体制全般において、「デジタル戦略」を積極的に活用し以下の施策を進めていきます。
(ア) WEBマーケティング(Eコマース)の強化
「ローカル・グローバルと幅広い接点を持つ」「お客様の利便性を高める」必要性があることから、WEBマーケティングの強化を掲げています。
現時点での取り組みとして、EU向けに「資源循環型パッケージング」専用のECサイトを開設する準備を進めております。TAKEMOTOが擁する「資源循環型パッケージング」の品揃え、対応力などの観点でブランド認知度を向上し、顧客間口を拡大することを狙いとしています。
さらに、環境問題に関心の高いEUで成功体験を積み、日本、インド、米国などの地域での横展開を視野に入れたノウハウの蓄積も狙いの一つです。
(イ) 短納期への更なる取り組み
一貫体制の連携強化:お客様の商品ライフサイクルの短縮化に伴い、提供する製品の開発から納品までの期間短縮がますます重要となっております。
当社グループでは容器の企画・開発、製造、カスタマイズから販売まで社内で一貫生産を行うことで効率的な生産活動を行い、それぞれの連携をさらに強化することでお客様の短納期要望のニーズに対応してまいります。
即納体制の充実:さらに当社グループでは2030年までにアジア、欧米市場に向けて製品在庫数を5,500製品とする目標を設定し当社グループで一定の在庫を確保することで即納体制を充実し更なる短納期を実現してまいります。
(ウ) TOGETHER LABの活用推進
当社グループでは企画、開発段階でのお客様の幅広いニーズに対応するため、製品の機能やデザインの充実を含めた開発提案をスピーディーに行うことが重要であると認識しております。
2020年4月に設置した「TOGETHER LAB」をお客様と共に価値を生み出す「共創開発拠点」と位置付け、お客様の要望をCADや3Dプリンターを活用することで、容器模型の作製、調色、印刷試作までスピーディーに行い、その場で、手に取って確認できる態勢を構築しています。
今後もお客様のアイデアを即座に具現化することで迅速な製品開発につなげる機能を持つ拠点として活用を推進してまいります。
② 資源循環型パッケージングを対象とする開発提案力の強化
「カーボンニュートラル(脱炭素)」や「サーキュラーエコノミー(資源循環経済)」など、環境に配慮した取り組みが世界的に浸透する潮流をふまえ、当社グループでは「資源循環型パッケージング」の市場が急激に伸びていくことを想定しております。
このような外部環境認識のもと、2030年ビジョンにおいて「資源循環型パッケージングカンパニー」を目指すことをコンセプトの中核として掲げました。
このコンセプトは、資源循環に適した素材(Materials)を積極的に活用することを軸としており、具体的には、Renewable(再生可能原料)、Recycling(リサイクル原料)、Replace(石化代替原料)などの原料活用を実現していく方針です。
このMaterialsを活用するための取組みとして、様々な素材の調査、原料調達に関する新規開拓、調達網の確保・整備など原料調達の安定確保に向けて一層の態勢強化を図ってまいります。
上記Materialsの取組みに加えて、Reuse(付替/詰替)やReduce(軽量化)などのイノベーティブなコンセプトを組み合わせることも、環境問題に貢献する取組みと捉えております。また、当社グループの手がけるスタンダードボトル用の金型は、金型開発期間の短縮によりお客様の求める容器をスピーディーに提供する手法として広くご利用いただいており、金型開発強化による製品ラインナップの増加は、お客様の金型投資負担の軽減や利便性の向上にも繋がります。
このReuseやReduceを推進するための取組みとして、2030年までに金型保有数を現在の3,803型から5割増の5,740型まで増加させる計画で、金型の投資金額ベースにおいても、ReuseやReduceを含めて累計で約65億円規模を予定しております。
このように金型の品揃えの点においても「資源循環型パッケージングカンパニー」として、お客様ニーズに的確に応えられる態勢を構築してまいります。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他の投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、以下に記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、現時点において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1)スタンダードボトルの競争力低下に関するリスク
当社グループの競争力の源泉であるスタンダードボトルについては、常に顧客のニーズに応えうるべく基礎研究並びに新たなスタンダードボトルの開発を進めているものの、社会情勢の変化、競合相手によるより魅力的な包装容器の開発などにより、当社グループが保有するスタンダードボトルの競争力が低下した場合には当社グループ業績に大きな影響を与える可能性があります。
(2) 日本が事業の中心となっているリスク
当社グループの売上高の80%は日本国内で生産された製商品の販売によるものであります。当社グループにおける新製品開発は本社事務所及び結城事業所を中心に行っているほか、当社ではチューブ製品を除く包装容器本体ならびにキャップ等の付属品は茨城県の結城事業所、埼玉県の吉川事業所、岡山事業所および北海道に所在するジェイ・プラ事業所とプラスコ事業所で、チューブ製品については、富山県所在のジェイ・トム事業所でそれぞれ生産しております。
現在当社グループでは、生産拠点のある中国、インドでの生産能力の増強とともに、販売拠点のある中国、アメリカ、タイ、オランダ、インドでの営業力強化を推進していますが、今後、日本国内の新製品開発拠点、営業拠点又は生産拠点を直撃する自然災害や新型コロナウイルス感染症を含む伝染病被害の発生などの要因による何らかの事象が発生し生産活動の停止を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 内製化の進行に係るリスクについて
当社グループでは、結城事業所を開設する以前は容器およびその付属品といった取扱アイテムの全てを協力メーカーを始めとした他社から仕入れておりましたが、1989年の結城事業所の開設以来自社生産体制の強化を行ってきた結果、当連結会計年度においては売上金額の大半は当社グループ内で生産したアイテムとなっております。顧客からの納期と品質に対する要求を充足し、生産ライン全体としてのコスト低減を図るべく、今後も一定水準まではこの割合を高めていく方針であります。
一方、他社が知的財産権を保有している場合や当社グループの製造ラインでは取り扱えない素材を使用している場合など特殊な取扱アイテムも存在するため100%の内製化は難しいと考えているほか、当社グループとしては受注量が短期的に大きく変動した際の調整弁として、今後も協力メーカーからの仕入れを一定割合は継続する方針です。
現時点で、当社グループ内で製造できないアイテムについては、代替となる製品の製造について研究開発を行っておりますが、短期的に外部のアイテム供給者からの商品提供が難しくなった場合は当社の営業動向に影響を与える可能性があります。また、内製化が進行した後に、受注量が当社グループの想定を上回って変動した場合、又は受注量が著しく減少した場合には、短期的に供給量又は供給能力との不一致が生じる可能性があり、結果として当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 原材料に係るリスク
当社グループの製品である容器の原材料となる合成樹脂は、原油から精製されるナフサを主原料としております。したがって、原油消費量のほとんどを輸入に依存しているわが国において、原油価格は需給バランスや市況により変動するため、原材料価格に直接影響を受けます。また、当社グループは資源循環型パッケージングの原料としてリサイクル素材やバイオマス素材の調達も行っており、サーキュラーエコノミー、カーボンニュートラルの浸透により需給にアンバランスが生じると、調達価格に影響を受けます。当社グループでは原材料価格の動向についての情報収集を積極的に行い、原材料価格の価格上昇が見込まれる場合には仕入先と協議の上、一定期間の使用量をあらかじめ購入するなどの方策を取っていますが、原材料価格が急激に高騰し、かつ、製品価格への転嫁が遅れる、又はできない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 市場環境による影響について
当社グループの販売先は大半が一般企業でありますが、当社グループ製品である包装容器は、最終消費財を構成するものであり、流行や嗜好の変化等による消費低迷や景況感の悪化や環境意識の高まりなど市場環境の変化を受けることとなります。特に、化粧・美容関連製品に係わる販売先への売上高が多く、同業界の動向に影響を受けることがあります。
当社グループでは、日本市場及び中国市場に対するマーケティング活動や、2022年12月期において4,401社の顧客との取引実績を基に、新たなデザインの設計や機能開発などの製品改良を重ね、ボトル、キャップ、ディスペンサーにいたるまで2022年12月期においては128型のスタンダードボトル用金型を開発することで、市場環境の変化に対応しておりますが、販売先の需要動向の変化等により当社グループへの発注が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 品質不良等に係るリスク
当社グループは、総合的な品質管理のための活動としてFSSC22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を結城事業所の食品用プラスチック容器の製造(印刷製品は除く)及び岡山事業所の食品用プラスチック容器の製造で取得し、全社で同様の管理手法を準用することで多様な顧客ニーズへ対応するための品質管理とスリム化、合理化を同時に進める活動を行っています。FSSCにおいて社内の品質管理に関する事項の標準化を進め、恒常的に品質向上に取り組むことで、品質不良に起因するクレーム発生の可能性を低減していることに加え、製造物責任賠償に関してはPL保険に加入しております。しかしながら、当社グループの想定を超えるほどの大規模なクレームや製造物責任につながる事態が発生した場合には、これらのクレームに対する補償、対策が製造原価の上昇又は当社グループに対する信用の低下を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 知的財産権に係わるリスク
当社グループは、自社で研究開発された知的財産について特許権等取得に努める一方、他社の保有する知的財産を侵害しないよう努めております。しかしながら、今後第三者より知的財産権侵害の訴えを受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 法的規制について
当社グループの事業は、食品安全基本法、食品衛生法、合成樹脂製の器具又は容器包装の規格基準、「容器包装に係る分別収集および再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」、2022年4月施行の「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」等の様々な法的規制を受けております。これらの法的規制の強化、変更、又は新たな法規制の導入により、それに対応するための費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に「容器包装に係る分別収集および再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」に関して、同法の目的は、消費者・地方自治体・事業者がそれぞれ役割を分担して容器包装廃棄物の再商品化(リサイクル)を促進することとされ、家庭ごみ(一般廃棄物)の中で多くの割合を占める容器包装廃棄物(トレー・レジ袋・包装紙等)についてその減量化を図り循環型社会を実現するための法律であります。当社グループは同法の適用を受ける事業者に該当し、リサイクル義務の対象となるプラスチック容器・ガラス瓶・ペットボトル等の総量の生産量を総額で計算し、再商品化義務量を算出します。これに財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託する単価を乗じて費用を負担することが義務付けられております。当社グループはこれらの法規制の対象となり、毎年度再商品化実施委託料を負担していますが、本規制が変更となり再商品化実施義務負担が重課された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 環境規制による影響について
当社グループは、国内の各生産工場において環境関連法令に基づき、環境汚染防止に努めておりますが、関連法令の改正によっては、当社グループにおいて新たな環境対策費用、設備投資等の負担が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 海外での事業活動に潜在するリスク
当社グループの今後の事業拡大においては、成熟した国内市場や欧米市場での顧客への営業力を強化するほか、経済発展途上であり、今後とも内容物の商品の価値や個性を強める容器に対する需要が増大すると見込まれる中国並びにアジア地域への事業地域の拡大が必要であると考えており、2016年度にタイ並びにインドに子会社を設立するなどアジア地域におけるマーケティング活動を強化しております。
当社グループにおける中国・アジアを中心とした海外での事業活動は、一般的に、予期しない法律や規則の変更、新型コロナウイルス感染症を含む伝染病被害の拡大による混乱やその他の要因による社会的又は政治的混乱、さらには日本との政治的関係の変化等によるカントリーリスクが存在します。特に中国においては、労働者不足、労働者賃金の上昇が顕著となっており、また労使関係に問題が生じた場合は訴訟等が提訴されるリスクが存在します。当社グループの進出先地域では地元政府自治体との連携を密にし、また現地従業員の活用を図るなど進出地域との融和を進めることによるリスクコントロールを図っておりますが、海外地域における独自の事情により、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11) 為替相場の変動について
当社グループは、海外においても事業活動を行っております。実取引においては取引見込み金額の範囲内で為替予約を行うなど為替変動への対処は行っているものの、特に連結会計年度内における外国為替レートの大きな変動は、 外貨建てで取引されている売上高、仕入高並びに海外資産及び負債の評価額の換算結果に影響し、円建てで表示している当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12) 与信リスクについて
当社グループは、取引先について社内規程による与信管理体制を整え健全な取引先の構築に注意を払っております。しかし、かかる努力にもかかわらず、今後の社会情勢、景気の動向及び企業収益の状況の変化等により、売上代金の回収率が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13) 人材獲得と人材育成に関するリスク
当社グループは、継続的に事業を発展させるために、短時間労働者を含めた人材の獲得及び育成が重要な課題となります。当社グループでは、中途社員の採用や、海外での現地スタッフの人材育成など、人材の確保、育成に注力しておりますが、国内の労働人口の減少等や中国における雇用環境の変化により、人材獲得や育成が計画通りに進まなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループにおいては多くの短時間労働者を雇用しておりますが、今後社会保険、労働条件などに係る諸制度に変更がある場合は、人件費の増加となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 情報システムのトラブルについて
当社グループは、業務の効率的な処理を目的として多数のコンピュータ機器を利用しており、業務に関わるデータのバックアップ体制を堅持するために、ネットワークを利用したサーバーでの保管、補助記憶装置への定期的な保存、主要機器への無停電装置の取付け等により、データ保存機能を充実させるとともに、セキュリティーの高度化や情報システムのデータ保守・管理に万全を尽くしております。
しかし、ソフトウエア及びハードウエアの不具合によるデータ破壊、コンピュータ・ウィルスによる情報システムの停止、大規模な災害・停電又は回線の障害等による影響等、完全に予防又は軽減できる保証はありません。
サーバーを設置している事業拠点間やクラウドサービスでのバックアップ等、当社グループ内での一般的なリスク分散は実施しているものの、万一これらの事故が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15) 新規顧客開拓について
当社グループにおける新規顧客の開拓活動は、各地域で開催される展示会等への出展による接触、既存顧客からの紹介、国内各営業拠点への来店が主な手段となっています。また、これまでアプローチが難しい地域の顧客に対して当社グループの少量多品種の包装容器について体感してもらえるよう、当社グループのホームページにおいて製品の検索機能を強化するとともに、顧客が独自に容器と付属品の組み合わせ、着色などを行う製品のカスタマイズシミュレーション機能を提供しています。インターネット環境を活用することで、これまでは接触が難しかった顧客層へのアプローチも可能となるため、国内海外を問わず営業力の強化につながるものと考えています。
しかしながら、従来の新規顧客開拓活動並びにインターネットを活用したカスタマイズシミュレーション機能に関しても基本的に顧客側からの接触行動が必要であり、当社グループのサービス内容が的確に理解されないなどの理由により、新規顧客開拓活動が停滞した場合、当社グループの事業計画の達成に影響を与える可能性があります。
(16) 原材料の仕入れについて
当社グループが使用するプラスチック原材料について、日本国内において食品用器具・容器包装に使用できる原材料は食品衛生法に基づき厚生労働省が作成するポジティブリストにおいて定められており、同種類の規制が米国ではFDA(米国食品医療品局)、EU域内ではREACH(欧州化学品規制)により規定されております。また、その他の地域でも使用可能又は使用不可とする物質についての規制が存在し、その内容は都度更新されています。
当社グループでは当社グループにおける活動地域の規制内容について把握すると共に、原材料の仕入れに関してはこれらの規制に適合した材質であることに留意しておりますが、これら規制の変更により、一時的にでも当社グループの事業活動に必要な原材料の仕入れが困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(17) EUによるプラスチック製品の使用に関する規制化について
近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な問題として認識されたこともあり、プラスチック廃棄物の発生削減を目指して、2018年5月にはEUの欧州委員会がストロー、スプーン等使い捨てプラスチック製品の使用を制限する方針を発表しています。また、使用禁止対象品目以外のプラスチック製品については、包装廃棄物の再資源化率を2030年までに75%とする目標を立てています。
EUの規制に関しては、当社製品が含まれる包装容器を含めたプラスチック製品の全面廃止を目的とするものではなく、限られた資源を有効活用し、さらに再生産して持続可能な形で経済成長を目指す「循環型経済」へ移行するための取組と当社では認識しています。
当社グループとしては、EU以外の地域も含めて検討されている規制の内容について情報収集を行い、規制に対応した包装容器の開発を行っていく方針ですが、規制に応じた製品開発が計画通りに進まない場合には当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症予防に関する行動制限が減少し社会活動の正常化とともに一部景気回復の傾向がみられました。しかしながら、増減はあるものの新規感染者数が一定水準で推移したこと、ウクライナ危機を背景とした原材料価格やエネルギー価格の上昇、為替水準の大きな変動など依然として先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況において、当社グループは生活上必要不可欠な容器-カタチ(容)あるウツワ(器)-をつうじて、お客様の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその価値と個性化を高め「世界の器文化に貢献」することを使命とし、お客様の求める商品価値の創造とより高い満足を目指して、Standoutなパッケージングソリューションを提供しております。
また、当社グループは自然に還りやすい「生分解性樹脂」の容器を開発して以来、植物由来のバイオマス原料やリサイクル原料を使用した製品、付替・詰替機能の付加により繰り返し使用できる製品、樹脂原材料の使用量を削減した製品など、資源循環型パッケージングカンパニーを目指して幅広くラインナップするとともに新たな容器開発も進めております。
業績面では資源循環型パッケージングのラインナップ、品揃えの充実をお客様から評価いただき、資源循環型パッケージング売上高は13億85百万円(前年同期比16.0%増)となりました。また、インドでは化粧品市場が大きく伸長し、新規顧客が増加したことにより売上高は2億70百万円(前年同期比86.3%増)となりました。一方、スタンダードボトルを軸とした開発提案型の営業活動を継続して行い新規案件の獲得にも努めたものの、化粧品市場の本格回復には至らず、国内売上高は113億90百万円(前年同期比5.1%減)となりました。また、中国国内においても、ゼロコロナ政策によるロックダウンが実施されたほか、12月初旬のゼロコロナ政策解除後も消費行動が著しく減退したことなどにより売上高は31億65百万円(前年同期比10.7%減)となりました。
また、損益面では、売上高の減少により、自社生産拠点の稼働率が低下し固定費負担率が上昇したこと、原油価格をはじめとした資源価格の値上がりに加えて、為替レートが一昨年比で円安に振れたことから、原材料価格、水道光熱費等の負担が増加しました。当社製品の販売価格見直しにも着手しましたが、当事業年度においてコスト増の影響を吸収するには至らず、営業利益は大幅に減少しました。一方で、為替レートが一昨年比で円安に振れたことから外貨建債権の為替換算の影響により為替差益が生じました。さらに中国子会社からの配当実施に関する経営方針の決定に伴い中国子会社の留保利益を対象として繰延税金負債を計上したことから法人税等調整額が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は148億85百万円(前年同期比5.6%減)、連結営業利益は8億36百万円(前年同期比52.4%減)となりました。連結経常利益は9億8百万円(前年同期比50.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億68百万円(前年同期比69.1%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、63億68百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、12億64百万円(前年同期比29.2%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益9億7百万円、減価償却費9億95百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額5億74百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、8億3百万円(前年同期比50.9%増)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出8億20百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、7億32百万円となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入5億円であり、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出7億93百万円、配当金の支払額4億38百万円であります。
当社グループは、容器事業の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の状況」につきましてはセグメント別の記載を省略しております。
(a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を生産品目の分類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の受注実績を販売先の主要事業内容ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記区分は当社グループの販売品目である容器類について、販売先の主要事業内容により分類したものであります。販売先における容器等の用途と区分名称は異なる場合があります。
当連結会計年度の販売実績を販売先の主要事業内容ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の区分は当社グループの販売品目である容器類について、販売先の主要事業内容により分類したものであります。販売先における実際の用途と上記区分名称は異なる場合があります。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積が必要な事項につきましては、会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積を行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 財政状態の分析
(a)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末と比較して1億2百万円減少の117億18百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金が59百万円減少、受取手形及び売掛金が71百万円減少、商品及び製品が19百万円増加、原材料及び貯蔵品が48百万円増加したことによるものであります。
(b)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末と比較して2億56百万円減少の69億円となりました。主な変動要因は、建物及び構築物(純額)が、1億87百万円減少、機械装置及び運搬具(純額)が1億97百万円減少、建設仮勘定が3億55百万円増加し繰延税金資産が1億30百万円減少したことによるものであります。
(c)流動負債
流動負債は、前連結会計年度末と比較して4億47百万円減少の40億19百万円となりました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金が68百万円減少、電子記録債務が98百万円増加、未払法人税等が1億86百万円減少、流動負債の「その他」のうち、未払費用が1億94百万円減少したことによるものであります。
(d)固定負債
固定負債は、前連結会計年度末と比較して2億19百万円減少の33億10百万円となりました。主な変動要因は、長期借入金が2億40百万円減少したことによるものであります。
(e)純資産
純資産は、前連結会計年度末と比較して3億7百万円増加の112億88百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金が3億68百万円増加、為替換算調整勘定が3億60百万円増加、剰余金の配当が4億38百万円であったことによるものであります。
③ 経営成績の分析
(a)売上高
当連結会計年度の売上高は、お客様の環境問題への意識の高まりから資源循環型パッケージングの伸長したことやインド国内の化粧品市場の拡大により新規顧客の増加もあったものの、日本国内においては新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限や第7波、第8波などの影響もあり化粧品の本格回復には至らなかったこと、また、中国国内においても、ゼロコロナ政策によるロックダウンにより消費活動が著しく減退したことにより、148億85百万円(前年同期比5.6%減)となりました。
(b)売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、連結売上高の減少により自社生産拠点の稼働率が低下し固定負担率が上昇したこと、原油価格の値上がりや円安の影響を受け原材料価格や水道光熱費の負担が増加したことにより41億7百万円(前年同期比17.5%減)と大きく減少し、売上総利益率は前連結会計年度の31.6%から27.6%と4.0ポイント減少いたしました。
(c)営業利益
当連結会計年度の営業利益は粗利額が減少し、販売費及び一般管理費が32億71百万円(前年同期比1.5%増)と増加したことなどにより8億36百万円(前年同期比52.4%減)となりました。また、営業利益率は前連結会計年度の11.1%から5.6%と5.5ポイント減少いたしました。
(d)経常利益
当連結会計年度の経常利益は受取利息24百万円(前年同期比15.9%減)、助成金収入13百万円(前年同期比3.4%増)、為替差益18百万円などの営業外収益合計が89百万円(前年同期比10.1%減)となるとともに、支払利息14百万円(前年同期比2.1%減)などの営業外費用合計が16百万円(前年同期比1.2%減)となった結果、9億8百万円(前年同期比50.5%減)となり、経常利益率は前連結会計年度の11.6%から6.1%と5.5ポイント減少いたしました。
(e)親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の減少により法人税、住民税及び事業税が3億87百万円(前年同期比38.5%減)と減少したものの、海外子会社の配当方針の変更により中国子会社の留保利益を対象として繰延税金負債を計上したことから、3億68百万円(前年同期比69.1%減)となりました。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中長期的な視点で企業価値を向上することが重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高営業利益率、EBITDAマージン、及びROE(自己資本利益率)を主要な経営指標と位置付けております。当社グループでは、容器の企画、開発、スタンダードボトルを軸とした提案活動を積極的に展開するとともに、当社グループが提供可能な製品ラインナップをより一層拡充し新規案件の確保に努めましたが、化粧品市場の本格回復には至らず、当連結会計年度の売上高伸長率は前連結会計年度比5.6%減少となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度比5.5ポイント減少の5.6%となりました。さらに、金型をはじめとする生産設備への投資も減少したため減価償却費が減少し比EBITDAマージンは前連結会計年度比5.2ポイント減少の12.3%となりました。
また、ROEは親会社株主に帰属する当期純利益の大幅な減少により、前連結会計年度比8.4ポイント減少の3.3%となりました。今後も引き続き企業価値向上に努め、これらの指標を向上させるべく対応してまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「第2.事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金の源泉については、営業キャッシュ・フロー及び金融機関による長期借入(当連結会計年度では500百万円)であります。また、資金需要のうち、主なものは運転資金、設備投資資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税の支払いであります。
該当事項はありません。
(1) 研究開発活動の方針
当社の研究開発活動は以下の事項を基本方針としています。
①商品の価値や個性を強める容器の研究開発
②内容物を安全に包み、保存する容器の研究開発
③地球環境に配慮し、持続可能な成長を実現するための容器開発
(2) 研究開発体制
研究開発専任の担当者を4名置くとともに、プロジェクトに応じて企画開発部、技術部のメンバーが研究開発テーマを担当する体制としています。
(3) 研究開発活動
当連結会計年度において実施した研究開発については、(1)研究開発活動の基本方針で記載した基本方針に基づき、化粧品容器、食品容器、医薬容器のカテゴリーに区別したうえで、内容物に対する機密性や保護性の高い容器、使用後の体積を減少させやすい容器、利便性を高めた各種ディスペンサーなどの研究開発を実施しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は