第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、ヘアデザイナーを通じて、美しい生き方を応援する事業を展開しております。

 顧客と長期的な信頼関係を結ぶため、当社グループは顧客との約束をコーポレートステートメントに表し、

その象徴としてスローガンを制定しております。

 

―コーポレートステートメント―

 

すべては、美しく生きるために。

 

私たちは、一人ひとりに、

自分らしさ、心の豊かさ、人生の彩りを価値にして届けます。

ヘアデザイナーと向き合い、ともに教え育み、

今を超えようと、磨き上げた結晶から、生まれ落ちる美しさ。

それは、私たちだけが創れる確かな価値。

美しい髪を自信に、新しい世界にはばたけるよう、

私たちは、今ここにない未来を創り続けます。

 

 

―コーポレートスローガン―

 

                『美しさを拓く。』 Find Your Beauty

 

 当社グループにとって企業価値の源泉は、以下の①から③と考えています。

 

①販売力=フィールドパーソンシステム
 当社グループは、美容室とヘアデザイナーを支援するために、独自の営業体制を確立しています。単なる商品販売ではなく、美容室、エンドユーザーの声を真摯に聴き、課題を発見、対処法を考え提案します。美容室への教育活動を中核に、美容室の増収・増益に貢献します。当社グループでは、そのような活動を行う営業部員をフィールドパーソンと呼んでいます。
 フィールドパーソンを育てるために、9ヶ月間に及ぶ社内研修を実施しています。ヘアケアやカラーリング、パーマなどの基本的な美容技術に加え、美容業界の幅広い知識・経営分析・企画立案などの様々なスキルを習得しています。競合他社が真似のできない、当社グループ独自のビジネスモデルとなっています。

 

②商品開発力=TAC製品開発システム
 美容室の現場で成功しているヘアデザイナー、さらにエンドユーザーに学びながら、美容ソフトと製品を開発するのが当社グループ独自の「TAC(Target Authority Customer)製品開発システム」です。
 ヘアカラー客が他店と比べて飛びぬけて多い美容室、ヘアケア客が飛びぬけて多い美容室など、テーマによって顧客からダントツの人気を集めている美容室・ヘアデザイナーには、成功技術(哲学、考え方、ヘアデザイン、美容技術)が存在しています。その成功技術を一般の美容室でも使えるように標準化し、それをサポートする製品を創ります。

 

③市場戦略=フィールド活動システム
 どのような市場環境においても、成長する美容室は存在しています。当社グループでは、成長している、または、成長する可能性の大きい美容室にフィールドパーソンの活動を集約することで、市場環境が悪化しても、当社グループも一緒に成長できるマーケティングを展開しています。

 

(2)中期事業構想(2022-2026)

 当社グループは、2022年度(第63期)より、次の未来を見据えた中期事業構想(2022-2026)「Stage for the Future」を策定し、2022年2月10日に公表いたしました。

 中期目標として「本質的な社会・生活者視点での“プロフェッショナル価値”を生み出し、グローバルメーカーとしての企業体を創造し、アジアNo.1、世界ベスト5をめざす」と掲げました。

 また、中期目標の実現に向けて、グローバル戦略においては、グローバル市場を7つのリージョン(日本、韓国、中華圏、ASEAN、北米、EU,中東)として捉え、長期のグローバル戦略として、リージョン毎の開発・生産体制の構築に取り組み、髪質や文化・価値観の違いに対応し、地域の美容産業の発展に貢献します。

 一方、日本市場においては、事業基盤の強化から、時代に呼応した美容室のあり方改革「サロンソーシャルイノベーション」を掲げ、美容室の新たな形「ビューティプラットフォーム構想」と、美を通じた心の豊かさの実現を中核とした「サステナビリティコミットメント5つの最重要課題」の推進を連動させ、実現していきます。

 「ビューティプラットフォーム構想」においては、デジタルとリアルが融合した顧客体験の場をつくる「スマートサロン戦略」、そして、ヘアケア・スキンケア・ビューティヘルスケアという3つのケア構想による「ビューティライフケア戦略」の推進によりこれを実現していきます。

 「サステナビリティ5つの最重要課題」においては、①美しさを通じた心の豊かさの実現、②再生・循環型の生産・消費活動、③人にやさしい調達活動、④公正かつ柔軟な経営体制、⑤働きがいのある職場環境、の5つを最重要課題として設定し、取り組みを進めてまいります。

 そして、これらの実現の先に、美容室と共に地域の人々の美しい生き方を応援し、未来に繋がる豊かな社会と、住み続けられる街づくりの創造を目指しております。

 

<中期目標>

本質的な社会・生活者視点での“プロフェッショナル価値”を生み出す

グローバルメーカーとしての企業体を創造し、アジアNo.1、世界ベスト5をめざす。

 

<中期方針>

Stage for the Future

「サロンソーシャルイノベーション」×「サステナビリティコミットメント」

ミルボンは美容室と共に、地域の人々の美しい生き方を応援し、未来につながる豊かな社会と、

住み続けられる街づくりをめざします。

 

0102010_001.png

①美しさを通じた心の豊かさの実現

②再生・循環型の生産・消費活動

③人にやさしい調達活動

④公正かつ柔軟な経営体制

⑤働きがいのある職場環境

 

(3)対処すべき課題

経済環境の先行きは、社会活動や経済活動の動き、また各種政策の効果により、消費活動を中心に持ち直しが見込まれるものの、ウクライナ情勢や、エネルギーコストの上昇・物価高などを背景に、不透明な状況となっております。

このような状況のもと、当社グループは中期事業構想(2022-2026)を進めています。

グローバル市場においては、市場を7つのリージョン(日本、韓国、中華圏、ASEAN、北米、EU、中東)として捉え、地産地消体制の推進を通じて、地政学リスクなどを最小限に留め、リージョンごとの価値観や髪質に対応した製品提供を目指します。

国内市場においては、人口減少トレンドや、社会環境としてのデジタル化の加速、またコロナ禍を経て変化した生活者の消費意識への対応が重要な課題であると認識しております。そのような中、国内戦略の軸である、美容室の新しいあり方を目指す「ビューティプラットフォーム構想」の実現に向けて、「スマートサロン戦略」、「ビューティライフケア戦略」の2大戦略について具体策を推進していきます。

「スマートサロン戦略」については、リアルとデジタルを融合した様々なコンテンツを通じた新しい商品購入体験ができるサロン業態「Smart Salon」が2023年1月よりスタートします。このミルボンが提唱する新たなサロン業態に賛同いただいた美容室との協働展開プロジェクトとして、順次全国に展開を予定しております。

「ビューティライフケア戦略」については、ヘアケアにとどまらず、2019年よりスタートしているスキンケアに加え、ビューティヘルスケアの分野へ進出します。この分野においては、独自の技術・知見を有する他社との協業体制を活用しながら、美容室の新たな製品・サービスを創造していきたいと考えております。

これらと並行して、引き続き「サステナビリティコミットメント5つの最重要課題」の実現に向けた取り組みを推進し、社会課題解決にも取り組んでまいります。

当連結会計年度の実績と中期事業構造の最終年度(2026年度)の目標は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2022年度

実績

2026年度

中期末目標

金額

構成比

(%)

金額

構成比

(%)

売上高

国内

海外

45,238

35,334

9,904

100.0

78.1

21.9

58,000

43,700

14,300

100.0

75.3

24.7

売上総利益

29,509

65.2

38,160

65.8

販管費

21,957

48.5

27,360

47.2

営業利益

7,551

16.7

10,800

18.6

経常利益

7,829

17.3

10,810

18.6

親会社株主に帰属する当期純利益

5,577

12.3

7,670

13.2

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。

 

当社グループでは、経営理念の実現及び事業継続に多大なる負の影響を及ぼす事項を「リスク」と定義し、この発生可能性を低減し、リスクが顕在化し危機発生した場合の損害の拡大を防止することをリスクマネジメント基本方針と定め、リスクマネジメントの推進体制や仕組みの整備・改善に取り組んでおります。

この方針に基づいて、各部門及び子会社は、当社グループで発生しうるリスクをまとめた「リスク事項一覧表」の見直しを行い、また業務の遂行によって発生した事象を把握・対応し、社内取締役、常勤監査役及び執行役員から構成される経営会議にて四半期毎に報告しております。当連結会計年度においては主に、新型コロナウイルス感染症の世界的流行、個人情報保護、製品品質の確保、消費者への適切な情報発信、原材料の調達難やコスト増などのリスクに対し、管理部及び各部門が連携し、リスク低減のための体制の整備、ルールの明確化及び改善、社員に対する研修などの活動を実施しております。

 また、当社グループは、代表取締役社長を委員長とし、社内取締役、常勤監査役及び執行役員を委員とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、原則として年3回開催することとしております。この委員会では、当社グループを取り巻くリスクのうち、重要度と優先度、リスクの顕在化の可能性や時期、中期事業構想の達成を阻害する可能性と影響度等を踏まえ、全社で対応を進めるべきリスクである「全社リスク」を特定し、リスクマネジメント委員会の委員の中から各全社リスクの責任者を選任し、全社で対策を進めております。全社リスクの対応の進捗等は、リスクマネジメント委員会より、半期に一度取締役会に報告し、同委員会が取締役会の監督・モニタリングを受ける体制を整えております。

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 当連結会計年度において、当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があり、特に全社で検討すべきとしてリスクマネジメント委員会にて決定され対策を検討した全社リスクは以下のとおりです。

 

リスク

リスクの内容

主な取り組み

秘密情報管理に関するリスク

 当社グループは、事業活動を通じて、事業に関する取引情報や秘密情報などの重要情報を有しております。これらの情報に関して、盗難・紛失などによる第三者の不正利用、法規制違反、そのほか不測の事態によって、重要データの廃棄や改ざん、情報漏洩、システム停止などのインシデントが発生する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、情報漏洩などのリスクが顕在化した場合には、迅速に対応するとともに、必要に応じて当該事象の公表を行うなど、当社グループの信用の維持に努めています。

 当連結会計年度においては、社内規程の見直しと整備、秘密情報の取り扱いに関する社内ルールの明確化を行いました。

 

 

リスク

リスクの内容

主な取り組み

海外子会社のガバナンスに関するリスク

 当社グループにおいて、グループ戦略立案及びグループ会社の監視・監督等といったグループ・ガバナンス体制の構築が不十分となり、グループ会社管理による効果が十分発揮されなかった場合、当社グループの経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、海外子会社が進出している各国法規制の情報の収集を行うとともに、事業を進める上での課題を抽出し、必要に応じて子会社と連携・共有し対応しています。

 当連結会計年度においては、親会社と子会社のスムーズな情報共有のために、各子会社固有の課題を親会社が定期的に把握する体制を整えました。

消費者への適切な情報発信に関するリスク

 当社グループは、各種法令を遵守し、顧客・消費者のニーズにかなう安全かつ高品質な商品・サービスを開発・提供し、安全に安心して使用して頂ける正しい情報を提供することによる顧客・消費者からの信頼の獲得に努めています。しかし、当社グループの広告などにおいて不適切な表現や誤った情報を発信した場合、当社グループに対する信用を低下させ、当社グループの経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、不適切な情報発信などのリスクが顕在化した場合には、迅速に対応するとともに、必要に応じて当該事象の公表を行うなど、当社グループの信用の維持に努めています。

 当連結会計年度においては、広告及びSNS活用時の不適切表現を防止するための取り組みとして、社内教育の強化、事前のチェック体制の見直しを行いました。

大規模震災・事業継続に関するリスク

 大規模な地震などの自然災害が発生した場合や不測の事態により事業継続に危機が生じた場合、当社グループの工場・研究所・事業所などの機能停止、当社グループの人的資産の損失、当社製品の生産・出荷の遅れ、新製品開発の遅れ、美容室へ当社製品を提供できないことによる製品売上の減少などにより、当社グループの経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、大規模な地震などの自然災害が発生した場合や不測の事態により事業継続に危機が生じた場合に備えて、迅速な生産・物流の復旧をめざす事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な見直しを実施しています。

 当連結会計年度においては、生産本部において生産・物流に関するBCPの見直しを行い、緊急時により実効性のある内容に改善しました。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

①売上高及び売上総利益

 当連結会計年度の売上高は452億38百万円(前期比8.8%増)となりました。この主な要因は、国内市場において、幅広い年代においてブリーチオンカラーなどのダブルカラーの人気が広がったこと、これに合せてヘアケアニーズが高まったことによるものであります。ヘアケア用剤部門では、プレミアムブランドの「オージュア」、「グローバルミルボン」が引続き順調に推移しました。染毛剤部門では「オルディーブアディクシー」に加え、6月に投入した新ブランド「エノグ」がデザイン性を重視する新たな層を取り込んだことで、売り上げが大きく伸長しました。海外市場においては、中国がロックダウンの影響により売り上げが伸び悩んだものの、代理店と共に直接現場に赴き、サロン同行するなどの市場活動が評価されたことなどにより、米国、韓国の売上が大きく伸長しました。

 売上総利益は295億9百万円(同7.3%増)となりました。売上高に対する比率は、原材料価格高騰の影響を受けたものの、国内工場の生産性向上や円安の影響により65.2%(同0.9%減)となりました。

 

②販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、219億57百万円(同11.6%増)となりました。これは主に、人員増及び昇給に伴う人件費の増加や中国、タイのR&D拠点の稼働開始に伴い研究開発費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は75億51百万円(同3.4%減)となりました。

 

③営業外損益、経常利益

 当連結会計年度の営業外収益は3億99百万円、営業外費用は1億21百万円となりました。この結果、経常利益は78億29百万円(同9.4%増)となりました。

 

④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の特別利益は1百万円、特別損失は7百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は55億77百万円(同9.2%増)となり、1株当たり当期純利益金額は171円49銭となりました。

 

 品目別売上高、国内海外別売上高及び生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

 

(品目別売上高)

(単位:百万円)

 

品目

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

ヘアケア用剤

24,466

58.8

26,312

58.2

1,846

7.5

染毛剤

14,813

35.6

16,631

36.7

1,817

12.3

パーマネントウェーブ用剤

1,449

3.5

1,450

3.2

0

0.0

化粧品

579

1.4

572

1.3

△7

△1.3

その他

273

0.7

272

0.6

△1

△0.5

合計

41,582

100.0

45,238

100.0

3,656

8.8

 

 

(国内海外別売上高)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

国内売上高

33,643

80.9

35,334

78.1

1,690

5.0

海外売上高

7,938

19.1

9,904

21.9

1,965

24.8

合計

41,582

100.0

45,238

100.0

3,656

8.8

 

(生産、受注及び販売の実績)

①生産実績

 当連結会計年度の品目別内訳を示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

品目

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

増減率(%)

ヘアケア用剤

31,732,862

8.6

染毛剤

17,591,814

19.7

パーマネントウェーブ用剤

1,679,159

8.3

その他

254,724

△7.1

合計

51,258,561

12.1

(注)金額は販売価格で表示しております。

 

②受注実績

 当社グループは見込み生産を行っておりますので、該当する事項はありません。

 

③販売実績

 当連結会計年度の品目別内訳を示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

品目

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

増減率(%)

ヘアケア用剤

26,312,862

7.5

染毛剤

16,631,187

12.3

パーマネントウェーブ用剤

1,450,096

0.0

化粧品

572,085

△1.3

その他

272,146

△0.5

合計

45,238,377

8.8

(注)1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社トピー商事

4,532

10.9

4,804

10.6

株式会社ガモウ

3,628

8.7

3,810

8.4

株式会社BICホールディングス

3,194

7.7

3,396

7.5

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して45億21百万円増加の527億60百万円となりました。

 流動資産は前連結会計年度末と比較して17億97百万円増加の266億98百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金が10億50百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が5億82百万円、商品及び製品が17億81百万円、原材料及び貯蔵品が6億38百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 固定資産は前連結会計年度末と比較して27億24百万円増加の260億61百万円となりました。主な変動要因は、人材開発センターの建設地購入などに伴う土地の増加14億57百万円によるものであります。

 流動負債は前連結会計年度末と比較して6億85百万円増加の79億96百万円となりました。主な変動要因は、未払金が5億26百万円増加したことによるものであります。

 固定負債は前連結会計年度末と比較して41百万円増加の7億72百万円となりました。

 純資産は前連結会計年度末と比較して37億94百万円増加の439億91百万円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が30億40百万円、円安により為替換算調整勘定が9億15百万円、それぞれ増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の83.3%から83.4%となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,236円41銭から1,352円52銭となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末と比較して10億54百万円減少し、122億58百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は50億8百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益78億23百万円の計上、減価償却費20億80百万円、持分法による投資損失1億12百万円、売上債権の増加額5億46百万円、棚卸資産の増加額21億48百万円、法人税等の支払額24億56百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は38億65百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出30億61百万円、無形固定資産の取得による支出7億61百万円と投資有価証券の償還による収入2億円、差入保証金の差入による支出2億85百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は25億78百万円となりました。これは主に株主への配当金支払額25億34百万円によるものであります。

 

(4)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。

 連結財務諸表の作成に際し、決算日現在における資産・負債の報告事項及び偶発債務の開示並びに連結会計期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。ただし、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。

 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。

 

(5)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備投資需要であります。

 運転資金需要のうち主なものは、当社グループの原材料の仕入れ等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。また、設備投資需要につきましては、主に新拠点設立、既存拠点の移転・増強、生産設備の取得等に伴う固定資産の購入によるものであります。なお、一般的な余剰資金の運用につきましては、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行っております。

 

(7)経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営方針等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課

題等(1)経営方針」に記載しております。

 2022年度の実績につきましては、売上高452億38百万円(目標比3.0%増)、営業利益75億51百万円(同0.0%増)、経常利益78億29百万円(同5.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益55億77百万円(同6.6%増)となりました。

 

 2023年度の計画につきましては、売上高492億円(前期比8.8%増)、営業利益83億円(同9.9%増)、経常利益82億50百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益58億円(同4.0%増)を計画しております。

 2022年度の計画、実績及び2023年度の計画につきましては以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2022年度

計画

構成比

(%)

2022年度

実績

構成比

(%)

増減額

増減率

(%)

2023年度

計画

構成比

(%)

売上高

国内

海外

43,900

35,150

8,750

100.0

80.1

19.9

45,238

35,334

9,904

100.0

78.1

21.9

1,338

184

1,154

3.0

0.5

13.2

49,200

38,021

11,179

100.0

77.3

22.7

売上総利益

29,140

66.4

29,509

65.2

369

1.3

32,160

65.4

販管費

21,590

49.2

21,957

48.5

367

1.7

23,860

48.5

営業利益

7,550

17.2

7,551

16.7

1

0.0

8,300

16.9

経常利益

7,410

16.9

7,829

17.3

419

5.7

8,250

16.8

親会社株主に

帰属する

当期純利益

5,230

11.9

5,577

12.3

347

6.6

5,800

11.8

 

 中期事業構想につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中期事業構想(2022-2026)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、顧客から支持されるヘアデザイナーなど、高い美容のノウハウを持つ方に、顧客の代表として参画していただく「TAC製品開発システム」という仕組みで製品開発を行っています。ヘアデザイナーのデザインづくりなど、感性的な美容のノウハウを科学的な手法で解明し、製剤化技術によって製品に反映させることで製品を創り出しています。

 当連結会計年度におきましては、基礎・基盤研究に注力することでヘアケア分野を強化し、サステナビリティの観点から環境に配慮した研究開発活動に取り組みました。また、新たに2つの研究開発拠点を中国およびタイに開設致しました。日本の中央研究所、2021年度設立の米国拠点と合わせ、グローバル4拠点体制となりました。

 今後は新型コロナウイルス感染拡大の影響により加速した世の中の変化に対応するため、海外市場に向けては、従来の日本発のグローバル製品に加えて、各地の特性に合わせたローカル製品の開発に取り組み、世界の美容師、その先の顧客に喜ばれる製品を創り出したいと考えています。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は2,074百万円(売上高に占める割合は4.6%)であり、主な研究開発活動とその成果は次のとおりであります。

 

(1)ヘアケア分野

 最新の毛髪研究成果と革新的な製剤開発技術の融合によってサロン品質を実現し、美容師の施術によって悩みを本質的に解決するサロンケア製品と、お客様の価値観やライフスタイルに合わせた美しい髪の実現を提案するホームケア製品の開発に取り組んでいます。

 近年では、高明度ヘアカラーデザインの流行に伴って、ブリーチ処理によって引き起こされた毛髪ダメージに着目した製品を開発しています。ブリーチ毛の絡まりを瞬時にほどく、リキッド系トリートメント「ミズリセ」、ブリーチ毛が簡単かつキレイに染まる「カラーガジェット カラーシャンプー」を発売しました。また、うねった髪を、日々のアイロン施術でまとまりのある髪に導くトリートメント「マイフォース ヒートメモリーケア」も発売しました。プレミアムブランド、オージュアからは、日々の微粒子汚れによるダメージから髪を守り、キューティクルを補修し、ツヤのあるなめらかな髪へ導く「オージュア エクスシールド」を発売しました。「グローバルミルボン」からは、5つの脱毛要因にアプローチする「エンハンシング ビバシティ」を発売しました。

 

(2)ヘアカラー分野

 顧客に新たなヘアカラーデザインを提供する追加アイテムの開発と、最新の毛髪研究成果に基づいた付加価値の高い製剤開発に取り組んでいます。

 ヘアカラーブランド「オルディーブ」においては、透明感のある深みを表現する色味により、自分らしく輝く印象を高める「グローライン」を発売しました。「ヴィラロドラ カラー」からは、ブラウン味を抑えた透明感と鮮やかな色味表現を可能にする「パレットシリーズ」を発売しました。また、自分だけのヘアカラーデザインを創造したい美容師へ向け、絵具のように自在な色味コントロールを可能とする新たなヘアカラーブランド「エノグ」を発売しました。

 

(3)基礎研究分野

 最先端の研究を製品開発に応用するため、毛髪や細胞をナノレベルで観察できる大型放射光実験施設「SPring-8」の利用や、大学との共同研究を積極的に進めています。これらの成果は、オージュアや「グローバルミルボン」などのヘアケアブランドの新製品開発に活かされています。また、ビューティライフケア戦略における、重点分野の一つであるビューティヘルスケア商品の研究も進めています。