ここに記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいて当社グループが判断したものであり、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営方針
当社グループは、「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションを掲げ、医療ヘルスケア領域において事業を展開しております。インターネット技術等を活用して医療ヘルスケア領域のデジタルトランスフォーメーションを推進し、患者と医療従事者の双方にとって納得できる医療を実現することを目指しております。
(2) 経営戦略及び経営上の目標達成状況を判断するための経営指標等
当社グループは、長期フリーキャッシュ・フローの最大化を重視しており、現在はその源泉となる売上高及び売上高総利益を大きくするフェーズであると考えております。具体的には売上高を「顧客事業所数」×「ARPU(注)」に分解し、「顧客数の最大化」と、「ARPUの継続改善」に取り組んでおります。当社グループは、中期目標として、2025年売上高230億円というマイルストーンを設定しておりましたが、2022年度12月期通期決算において、当マイルストーンの達成時期を2024年とすることを発表いたしました。これらのために、継続的な顧客獲得に加え、当社グループの顧客によるサービス利用率の向上や、プロダクトラインナップの強化に積極的な投資を行っていきます。
(注)ARPU(Average Revenue Per User)とは、当社グループの顧客事業所当たりの売上額を指します。
(3) 経営環境及び市場戦略
当社グループの事業が対象とする市場は、医療ヘルスケア領域の人材市場及び医療システム市場です。当社グループは、医療ヘルスケア領域の人材市場の市場規模を約3,700億円(注1)、医療システム市場の市場規模を約4,700億円(注2)と推計しております。それぞれの市場規模は巨大ですが、一般産業界における人材市場やシステム市場と比較すると、顧客の事業規模が小さいことから顧客当たりの売上が低単価となる傾向にあります。そこで当社グループでは、このような市場環境下において多数の顧客を獲得するため、人材プラットフォーム事業において低単価な人材採用システム「ジョブメドレー」を提供することにより、顧客事業所数及び医療ヘルスケア領域の従事者会員数の拡大に取り組んでまいりました。今後もかかるコストリーダーシップ戦略を継続し、顧客基盤の強化を図ってまいります。
さらに、当社グループでは、ジョブメドレーの提供を経て獲得した業界最大級の29.2万事業所(注3)の顧客基盤を活用する形で、医療プラットフォーム事業の展開を行っております。医療システム市場においては、業界特性としてオンプレミス型のシステムが未だに多く利用されている状況ですが、医療機関の業務を効率化し、医療情報の利活用を促進して患者の負担軽減を実現するためには、医療機関に開かれたクラウド型のシステムの普及が非常に重要であると考えております。近年では規制緩和等を背景に医療システムのクラウド型への移行が進んでおり、クラウド型の医療システム市場は拡大が見込まれておりますが、当社グループはジョブメドレーの顧客基盤を活用し、病院、診療所、歯科診療所及び調剤薬局等の事業所に向けて様々なラインナップのSaaSを自社サービスや他社連携サービスとして提供していくことを戦略としています。
また、当社グループは、医療情報提供サービス「MEDLEY」等の患者向けサービスを提供していくことで、医療ヘルスケア領域の顧客事業所と患者の双方にアクセスを持つことをその戦略としております。かかる戦略の下で、医療ヘルスケアに関するデータの利活用を促進させ、医療に対する患者の様々なハードルを下げ、「患者が医療を使いこなせる未来」ひいては「納得のできる医療」を実現することを目指しております。
(注) 1.医療ヘルスケアの従事者人口のうち、2019年度雇用動向調査結果の「医療・福祉」「生活関連サービス」に該当する職種の年間平均入職率(「医療・福祉」約16%、「生活関連サービス」約25%)に基づいた入職者数に対して、各職種におけるジョブメドレーの平均採用単価を乗じた場合、約3,700億円の市場規模となります。
2.出典:株式会社富士経済「2020年医療ITのシームレス化・クラウド化と医療ビッグデータビジネスの将来展望」
3.2022年12月末日現在。
(4) 対処すべき課題
上記を踏まえ、当社グループは以下の8項目を対処すべき課題として認識しており、これに対処してまいります。
当社グループでは、高い売上高成長率の継続のために、既に収益化している既存事業への成長投資のみならず、新規事業開発に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えております。
経営の安定性の観点から、全社での黒字を確保できる範囲内であることを原則とした積極的な成長投資を実行しております。新規事業開発においては、当社グループの既存事業とのシナジーを活かすことを重視しております。各事業への投資に関しては、複数の分析指標を用いて費用対効果及び投資回収期間などの評価を行うとともに、ユニットエコノミクスが健全化したプロダクトについては、プロダクト毎に黒字化のタイミングを設定しております。
今後も、高い売上高成長率の継続のため、規律ある成長投資を実行してまいります。
当社グループは、長期フリーキャッシュ・フローの最大化のために、事業連携及びM&Aの取り組みが有用であると認識しております。当社グループが有する顧客基盤やプロダクトラインナップの活用等のシナジーを重視した事業連携及びM&Aを積極的に実施することで、全社としての収益力強化に取り組んでまいります。
当社グループは、顧客基盤の拡大、サービスの利便性向上及び新規サービスの開発等の多面的な取り組みにより高い売上高成長率を継続していくため、医師・エンジニアをはじめとする多様なバックグラウンドを有する優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると認識しております。当社グループの経営理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が高いモチベーションを持って働ける就業環境や人事制度の整備を行うことで、組織力の強化を目指してまいります。
当社グループは、インターネット技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が極めて重要であると認識しております。このため、当社グループは、利用者の増加、取扱データ容量拡大に応じたサーバーの増強を含め、システム安定化のための人員確保及び継続的なシステム強化に取り組んでまいります。
当社グループは、医療ヘルスケア領域のデジタルトランスフォーメーションに取り組む中で、エンドユーザー(求職者や患者等)の個人情報を中心とした情報資産を当社グループのシステム上に多く保有しております。かかる個人情報を中心とした情報資産の管理を強化していくことが、当社グループミッションの達成に向けた当社グループへの社会からの信頼性構築のために非常に重要であると考えております。個人情報やインサイダー情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内研修の実施、セキュリティシステムの整備、及び各種セキュリティ認証の取得等により、情報管理体制の強化徹底を図ってまいります。
当社グループは、現在成長段階にあり、継続的な成長を続けることのできる強固な組織基盤の確立に向けて、コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の更なる強化が経営上の重要な課題であると認識しております。特に、事業連携及びM&A等を実施しながら事業拡大を行っていくことを前提に、子会社管理体制を強化し、連結グループとしての財務報告の信頼性確保並びにコンプライアンス体制及び内部管理体制の強化を図ってまいります。
当社グループでは、顧客数の最大化と、ARPUの継続改善に今後も取り組んでいく中で、事業領域を継続的に拡大し、サービスの機能を拡充していくことを企図しています。そのような中で、顧客やエンドユーザー(求職者や患者等)からのクレーム対応や、新たに発生する想定リスクを堅実に管理していく体制を強化することが重要であると認識しております。このため、当社グループではリスク管理を統括する内部組織としてリスク管理委員会を設置し、リスク管理体制の強化を図っております。リスク管理委員会は、当社グループの経営及び事業運営にリスク管理の視点を定着させることをミッションとし、取締役会においてその活動報告を行うこととなっている等、より実効的なリスクマネジメント体制を構築することを基本方針としています。また、2018年1月に内部監査部門を新設しておりますが、今後とも当社グループではリスク管理を含めた内部管理体制の強化に努めてまいります。
当社グループは、運営するサービスの飛躍的な成長にとって、医療ヘルスケア領域の事業所のみならず、エンドユーザー(求職者や患者等)における健全な知名度の向上が必要であると考えております。また、当社グループの知名度の向上は、他企業との提携等も含めた事業展開をより有利に進めることや、サービスを支える優秀な人材を採用・確保することに寄与すると考えております。そうした考えから、当社グループでは、各サービスの知名度の向上を目指した広告宣伝活動に加え、全社的な広報活動を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針です。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
当社グループはインターネット関連サービスを主力事業としており、事業の継続的な拡大発展のためには、更なるインターネット環境の整備、インターネットの利用拡大が必要と考えております。総務省発表の「令和4年版情報通信白書」によれば、2021年末のインターネット利用率は82.9%であり、また、「令和3年通信利用動向調査報告書(世帯編)」によればスマートフォン保有率は74.3%とインターネット利用シーンは変化しながら拡大しております。しかしながら、インターネットの環境整備やその利用に関する新たな規制の導入や技術革新等の要因により、今後のインターネット関連市場が大きな変革を迫られ、当社グループがかかる変革に適時に対応することができなかった場合には、当社グループの提供するサービスが他サービスと比較して魅力や競争力を失うこととなり、結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクシナリオが顕在化する可能性については比較的低いものと考えておりますが、かかるリスクに対応するため、当社グループでは技術革新等に対応できるようなエンジニア人材を中心とした優秀な人材を社内で確保するとともに、市場の動向についての情報収集に努めており、当該リスクが当社グループに実際に大きな影響を及ぼす可能性は限定的と考えられます。
2.医療ヘルスケア市場について
当社グループは収益の多くを医療ヘルスケア領域で獲得しております。当領域においては、高齢化等により今後も市場の成長が見込まれますが、何らかの理由により、市場の成長が停滞、あるいは市場が縮小した場合や、市場動向に当社グループが対応できない場合には、当社グループが目標としている売上高の継続的な高成長に悪影響を及ぼし、その結果として当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
各種統計・予測情報によれば、予防医療や健康管理、生活支援サービスの充実、医療・介護技術の進化などの要因により我が国の医療ヘルスケア市場は2030年頃まで急速な拡大が続くことが予想されており、上記のリスクシナリオが顕在化する可能性については中期的には低いものと想定しておりますが、当社グループでは、医療ヘルスケア領域における市場の拡大に合わせて各種サービスのラインナップを充実させていけるよう優秀な人材の確保・組織力の強化に努めております。また、グローバル市場においても収益源を確保してカントリー・リスクを分散させることができるよう、当社グループのグローバル展開についても中長期的に検討を行っており、2022年には米国でのテストマーケティングを開始しております。
また、2022年度診療報酬改定において政府方針としてオンライン診療の更なる利用促進が推進されておりますが、今後の政策転換その他の理由により、オンライン診療市場の動向が大きく変化した場合には、当社グループの医療プラットフォーム事業におけるオンライン診療サービスの収益性に変化が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、我が国の医療政策がICT技術の活用による効率化を志向している現状においては、政策転換に伴い当該リスクシナリオが顕在化する可能性は比較的低いものと考えられます。当社グループとしては、政策動向に関する情報収集体制を継続的に強化するとともに、政府官公庁に対するオンライン診療の必要性に関する適切な情報提供を通じて、かかるリスクに適切に対応してまいります。
3.他社との競合について
当社グループは、医療ヘルスケア領域におけるインターネットサービスの提供を主たる事業領域としておりますが、同様の事業領域における競合企業は多く存在しています。当社グループでは、インターネット業界で活躍してきたエンジニアと臨床現場で活躍してきた医師の双方がサービスの開発に関わる開発体制に加え、約29.8万の顧客事業所数を有する顧客基盤を活かして他社との差別化を図ることで、市場における優位性を構築してまいりました。今後も、当社グループの各サービスの規模拡大と質的な充実を図ることにより、一層の競争力強化を推進していく方針ですが、他の有力企業等による新規参入等の影響により競争が激化した場合には、人材プラットフォーム事業における広告宣伝費・販売促進費の増加や医療プラットフォーム事業における顧客単価の減少等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクシナリオが顕在化する可能性の程度や時期について具体的に予測することは困難ですが、医療ヘルスケア産業が就業者数ベースで国内最大の産業になっていくことが予測されているため、競争環境が激化した場合においても、市場自体の拡大により事業及び業績への影響は限定的となる可能性もございます。また、かかるリスクに対応するため、当社グループでは顧客ニーズにあったサービスラインナップの拡充と、オペレーショナル・エクセレンスの追求による組織力の強化に取り組んでまいります。
人材プラットフォーム事業ジョブメドレーでは、求職者が求人を出している顧客事業所に入職した時点で当社グループの売上高として成果報酬が計上されるため、顧客である事業所から適切な採用結果の申告を受けることによりサービスが成立しております。当該サービスでは、採用した求職者の職種と雇用形態に応じた成果報酬を事業所から受領しておりますが、成果報酬の支払基準を満たしても事業所が採用の事実を隠ぺいする等の不正行為が一定程度の割合で発生しています。かかる不正行為の発生割合が将来的に増加していくような事象が発生した場合には、人材プラットフォーム事業ジョブメドレーの売上高成長に一定の影響を及ぼす可能性がありますが、現時点での不正行為の発生確率は非常に低いものと考えられ、当社グループの事業及び業績への影響は限定的です。
当社グループでは、このような不正行為に対して、利用規約での禁止やユーザーへの啓発活動を積極的に行うとともに、違反事実の調査及び違反者には違約金支払請求を行う等の厳正な措置を講じておりますが、これに加えて事業所と求職者のデータの突き合せ、採用フローの進捗確認の徹底、勤続支援金制度(注)を活用した求職者による入職報告の促進等を行うことで不正が発生しづらい環境構築に努めております。
(注)当社グループは、ジョブメドレーを通じて採用された求職者に対し勤続支援金を進呈しており、その要件のひとつに入職報告があるため、勤続支援金制度には求職者の入職報告を促す効果があると考えております。
2.人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおける早期退職返金について
人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおいては、求人事業所との間でシステムの利用を開始する前に、利用規約により成果報酬額及び早期退職による返金の取り決めを行っており、入職者が自己都合により早期に退職した場合、成果報酬の一部を返金しております。かかる返金は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)の適用に伴い、2022年12月期連結会計年度より売上高に対するマイナスとして計上しております。入職者の早期退職率は今後も一定の水準で推移するものと見込んでおりますが、医療ヘルスケア領域における人材流動性の高まり等の要因により早期退職率が想定より上昇した場合には、当社グループの人材プラットフォーム事業ジョブメドレーにおける売上高が想定どおりに伸長しない等、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.オンライン診療の医療上の信頼性について
医療プラットフォーム事業では、対面診療が原則であった医療の現場に、オンライン診療という新たな医療体験を提供する点で、医師・患者双方にとって有益な仕組みを提供しています。しかし、万一、CLINICSを利用する医師等が不適切なオンライン診療を行い、医療上何らかの問題が発生した場合、オンライン診療という新たな医療提供方法自体に対する信頼性、適切性に社会からの疑義がもたらされ、オンライン診療の浸透速度が鈍化する可能性があります。そのような事業環境の変化が生じた場合には、当社グループの収益性向上に遅れが生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクシナリオが顕在化する可能性については中長期では一定程度の確率で存在するものと考えられ、オンライン診療サービスに対する影響度は相当程度高くなる可能性がございます。当社グループでは、かかるリスクに対応するため、医療プラットフォーム事業のサービスラインナップの多角化(例:電子カルテ、かかりつけ薬局支援システム、クラウド歯科業務支援システムの提供等)に努めるとともに、医療機関により適切なオンライン診療が実施されるための情報提供及び啓発活動等に取り組んでおります。
4.医療情報の提供における安全性及び健全性の維持について
当社グループでは、医療プラットフォーム事業の一環として、患者及びその家族に向けた医療情報提供サービスの「MEDLEY」を運営しております。MEDLEYの掲載記事については、当社グループの定めた編集ガイドラインに従っており、当社グループ所属の医師による編集や協力医師による指摘によって、医療情報を適切に提供できる体制構築に努めております。また、医療に関する情報提供は診療行為・治療行為に相当するものではなく、提供情報に基づくユーザーの医療その他に関わる判断・言動について当社グループでは一切の責任を負わない旨を利用規約内で明示しております。しかしながら、ユーザーがこれらの情報に基づき一定の判断をした結果として何らかの不利益を被った場合には、ウェブサイトに対するユーザー等の支持が低下し、又はサイト運営者としての当社グループの何らかの責任が問われ、社会的信頼性の毀損等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
現時点での医療情報提供サービスの利用のされ方、及び当社グループにおけるMEDLEYサービスの売上高が僅少であること等を踏まえると、当社グループとしてはかかるリスクシナリオが当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす形で顕在化する可能性は低いと考えておりますが、今後とも医療情報を適切に患者及びその家族に提供する体制を真摯に構築していくことで、かかるリスクに対応してまいります。
5.M&A及び業務提携
当社グループは、自社で行う事業開発に加えて、M&A及び他社との業務提携を通じた事業展開を推進しています。M&A及び提携にあたっては、当社グループ戦略との整合性やシナジーを勘案して対象企業の選定を行い、当該企業の財務内容、契約関係、事業の状況等についてデューデリジェンスを実施した上で、取締役会において細心の注意を払って判断を行っております。しかしながら、これらのM&Aや提携が期待通りの効果を生まず戦略目的が達成できない場合、投資後に未認識の債務や問題が判明した場合等には、対象企業の株式価値や譲り受けた事業資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが過去に実施したM&Aに伴い、のれん及び無形固定資産を計上しておりますが、今後、これらのグループ企業の収益性が著しく低下し、株式取得時の業績計画が達成できない見込みとなり減損損失の計上が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクシナリオが顕在化した場合の当社グループの業績及び財務状態への影響度は、各会計期間において計上されるのれん及び無形固定資産の総額を上限としたものとなります。今後、当社グループでは適切なデューデリジェンスの実施及びグループ企業の戦略目的の達成のために適切な人材を配置し組織体制を整備することで、かかるリスクに対応してまいります。
6. 提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク
当社は、2021年4月に、オンライン診療の適切な普及の加速及びユーザー向け新サービスの展開を目的として株式会社NTTドコモと資本業務提携契約を締結しております。この資本業務提携は、特に当社の医療プラットフォーム事業におけるユーザー数拡大等の観点で事業戦略上重要である一方、当該提携先が事業上の問題に直面した場合、何らかの事由によって戦略を転換した場合、又は双方にとって提携の意義が失われることとなった場合などには、当社との業務提携が解消される、又は提携内容が変更される可能性があります。その結果、同社との提携により見込んだ効果が実現されない場合、当社の業績への好影響が見込めなくなります。現時点において、株式会社NTTドコモとの資本業務提携に基づき、株式会社ミナカラの株式の共同取得やCLINICSの共同運営の開始によるCLINICSアプリユーザーの増加、及びお薬手帳サービスの統合によるPharmsの顧客数増加等が実現しており、協業は順調に推移しております。
当社グループが事業拡大を進めていくには、優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。しかしながら、人材獲得競争の激化等により優秀な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存の優秀な人材の社外流出等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に相当程度の影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当社グループでは、インセンティブプランの強化や継続的な事業拡大を見据えた人事制度の導入の検討、獲得競争が激化しているエンジニアの採用費の投資強化等、優秀な人材を確保し、適切に育成・配置していくための施策を実行し、当該リスクシナリオの顕在化の可能性を低減させることに努めております。
2.内部管理体制について
当社グループでは、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの徹底を図るための様々な施策を実施しております。また、業務の適正化及び財務報告の信頼性確保のため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、グループ企業の急激な増加や事業の急速な拡大等により、グループ全体での内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループがM&Aによる売上高成長を重要な経営課題の一つと捉えている現状を踏まえると、適切な対策を講じない限りはこのようなリスクシナリオが顕在化する可能性が高くなるものと考えられます。企業集団全体での内部統制及び内部管理体制の適切な整備は中長期的な企業価値の維持・向上に不可欠な要素であることから、管理部門における優秀な人材確保に積極的に取り組むことで、当該リスクシナリオの顕在化の可能性を低減させることに努めております。
当社グループは顧客事業所及びユーザーに対してシステム提供を行うことが各事業の中心的な役務内容となっていることから、当社グループが運営するサービスにおいて大規模なシステムトラブルの発生は、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性のあるリスクとなっています。そのため当社グループでは、運営サービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。
また、当社グループのサービスは、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービス「AWS」(Amazon Web Services)を主な基盤として運営しています。そのため、AWSの安定的な稼働が当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。当社グループではAWSが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社グループの役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。なおAWSは、世界中に点在する複数の地理的リージョン(注1)及びアベイラビリティゾーン(注2)で運用されており、FISC安全対策基準(注3)を満たす安全性を備えております。
しかしながら、大規模なプログラム不良や大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、その他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。そのような支障が長期にわたった場合、当社グループの顧客や利用者との信頼関係に悪影響を及ぼし、賠償責任の発生等によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1.地理的に独立したサーバーの設置エリアのことをいいます。各リージョン同士は完全に独立しているため1つのリージョンで障害が発生しても他のリージョンには影響が出ない設計となっております。
2.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のことをいいます。
3.金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことをいいます。
(5) 法務に関するリスク
当社グループは、人材プラットフォーム事業において求職者の求人案件への応募に関連して取得する個人情報、医療プラットフォーム事業において患者がオンライン診療を受診するために入力・提供する個人情報を取得利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。特に、医療プラットフォーム事業においては個人情報保護法に定めるいわゆる要配慮個人情報を取得することもあり、当社グループではCLINICS、Pharms及びDentisについてISMS国際認証を取得しており、その他機密情報の外部への不正な流出を防止するため、情報の取扱いに関する社員教育、セキュリティシステムの改善、情報へのアクセス管理等、内部管理体制の強化に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループや委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、これらの情報が流出又は消失する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、競争力の低下、損害賠償やセキュリティ環境改善のための多額の費用負担等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.各種規制について
当社グループの主要な事業である人材プラットフォーム事業は、職業安定法が定める募集情報等提供事業として、提供する情報の的確な表示や個人情報の適切な管理等の義務が課されております。今後、人材プラットフォーム事業を適用対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には事業運営が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、医療プラットフォーム事業においては、医師法・薬剤師法・医療法・医薬品、薬機法、健康保険法その他これらに関連する政令・省令・通達、ガイドライン等の解釈適用が重要であるため、何らかの理由によりこれらの内容が変更される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの法令、政省令等の内容に変更が生じた場合には、当社グループが顧客医療機関に提供するサービスの内容に追加の変更が必要となる恐れがあり、その場合には、当社サービスにおいて追加のシステム開発費用の発生や顧客医療機関獲得の低迷等、当社グループの業績に影響が発生する可能性がございますが、当社グループはもとより継続的にシステム改善を行っていくことを前提としたSaaS型の事業モデルを採用していることに加え、オンライン診療・オンライン服薬指導システムにおいて国内最大規模の導入実績を有する企業として、医療機関に対して適切な活用方法を促進する活動を展開しているため、その影響は限定的と考えられます。
また、かかるリスクシナリオの顕在化による当社グループへの影響度を低減させるために、政府官公庁との情報連携や政策動向の注視に平時から努めていることから、リスクに対する一定の対応策が取れているものと考えております。なお、当社グループが認識している限りでは、当社グループの医療プラットフォーム事業における法令、政省令等の違反に該当する事実及びそのおそれはありません。
その他、インターネット関連分野においては、現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等の適用を受けます。近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきておりますが、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には事業運営が制約を受け、例えばユーザーに対するマーケティング効率が低下して当社グループのマーケティング費用が増大する等の影響により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような、各種規制の改正・変更に伴うリスクが顕在化する可能性については正確な見通しが困難な領域ではありますが、当該リスクが顕在化した場合でも、当社グループの事業及び業績への影響を最小限のものとすべく、法務コンプライアンス部が主導する形で、当社グループが関連する事業領域における法規制の改正・変更に関する情報収集の体制並びに外部専門家からのアドバイスを受けられる体制の整備に努めております。
3.訴訟について
当社グループでは、コンプライアンス規程の制定及びコンプライアンス研修の継続的な実施により、役職員に対してコンプライアンスを遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループを構成する企業及びその役職員の法令違反等の有無に関わらず、ユーザーや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。また、知的財産についても訴訟発生リスクが存在します。当社グループに対して訴訟が提起された場合には、その訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、役職員に対するインセンティブを目的とした譲渡制限付株式制度及びストック・オプション制度を採用しております。また、今後においても譲渡制限付株式制度及びストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、譲渡制限付株式の付与又は現在付与している新株予約権等及び今後付与される新株予約権等についての行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は681,600株であり、発行済株式総数32,706,800株の2.08%に相当しております。
新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)を含む感染症の発生及び流行拡大については、当社グループのリスク管理施策により抑制できるものではありませんが、当社グループでは、全社員に対して感染疑いや体調不良時の就業に関する対応方針を周知徹底し、事業活動を継続しつつ感染拡大防止のための措置を講じております。しかしながら、今後COVID-19について不透明な状況が継続した場合又は新たな感染症の発生により外出自粛や営業自粛で国内経済の停滞が長期化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
もっとも、2020年4月の緊急事態宣言の発出以降、医療プラットフォーム事業においてオンライン診療の時限的な規制緩和が実施されたことを背景にCLINICSオンライン診療の利用増加は継続しており、また2022年の診療報酬改定によって一層増加することが期待されています。また、人材プラットフォーム事業においては、求職者に対するワクチン接種対応や従事者自身の接種による職場の負担増加等を理由として一部の顧客事業所で見られた採用プロセスの遅延等も解消しております。したがって、現時点においては、当社グループの事業展開及び経営成績に重大な影響はみられません。
また、当社グループでは、COVID-19の感染拡大の長期化に伴うリスクに対応するため、事業運営体制におけるリモートワーク環境の整備・強化及びオンラインでの社内コミュニケーションの促進に努めるとともに、人材プラットフォーム事業における採用プロセスの遅延等の影響を軽減する措置として、WEB面接機能・動画選考機能の追加開発及び顧客事業所への案内強化等に取り組んでおります。
COVID-19については、徐々に経済・社会活動の再開が進んでいる状況ではありますが、引き続き、COVID-19を含む感染症の発生及び流行拡大が当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性について注視してまいります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において、増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。
なお、当該会計基準等の適用が経営成績及び財政状況に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載の(収益認識に関する会計基準等の適用)及び「注記事項(セグメント情報等)」に記載の「2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」に記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、医療や介護の提供体制を担う人材の不足や財源問題が引き続き継続し、医療ヘルスケア領域における有効求人倍率も全産業平均と比較して高い水準で推移いたしました。また、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)については、2022年7月の感染拡大以降、感染者数の減少傾向が継続しておりましたが、2022年10月以降は感染が再拡大しました。なお、感染拡大による当社グループの業績への影響額は減少傾向にあり、当連結会計年度においては軽微な水準となっております。
このような事業環境のもと、当連結会計年度における人材プラットフォーム事業の売上高は、人材採用システム「ジョブメドレー」において顧客事業所数及び従事者会員数が引き続き順調に増加したことに加え、オンライン研修システム「ジョブメドレーアカデミー」においても顧客事業所数が伸長したことにより増収となりました。なお、前連結会計年度においては医療機関のワクチン接種対応に伴う採用プロセスの遅延による業績への影響が一部見られたものの、当連結会計年度においては同様の影響は限定的となりました。医療プラットフォーム事業においても、各プロダクトの顧客への導入が堅調に推移したことにより、利用医療機関数が増加し、増収となりました。売上高が伸長する一方で、事業規模拡大に向けて人材プラットフォーム事業におけるマーケティング活動やオンライン研修システムへの成長投資、並びに医療プラットフォーム事業における人員の増強を継続し、中長期的な成長を見据えた投資を積極的に実施しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高14,185百万円(前連結会計年度は売上高10,863百万円)、EBITDA1,919百万円(前連結会計年度はEBITDA1,218百万円)、営業利益1,290百万円(前連結会計年度は営業利益733百万円)、経常利益1,526百万円(前連結会計年度は経常利益743百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,017百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益563百万円)となりました。
なお、人材プラットフォーム事業においては、当社グループのサービスを利用して入職した求職者が求人事業所に入職した日付を基準として売上高を計上しているため、一般的に年度の始まりとされている4月に入職が増え、同月に売上高が偏重する傾向があります。そのため、当社グループの業績は、第2四半期連結会計期間に売上高が偏重する傾向があります。
セグメントごとの業績を示すと、以下のとおりです。
なお、セグメント間取引消去額及び各セグメントに配賦されていない全社共通費用の総額は2,374百万円(前連結会計年度は1,956百万円)です。
a. 人材プラットフォーム事業
当連結会計年度においては、前連結会計年度において見られた人材採用システム「ジョブメドレー」 におけるCOVID-19のワクチン接種による入職時期の遅延等の影響が限定的となったことに加え、利便性の向上に向けたサービスサイトの機能改善を継続的に実施し、人材プラットフォーム事業全体の顧客事業所数は前連結会計年度末比15.3%増の29.4万件となりました。「ジョブメドレー」における応募数は引き続き増加しており、掲載求人数についても前連結会計年度末比22.1%増の30.9万件となりました。
以上の結果、セグメント売上高は10,131百万円(前連結会計年度はセグメント売上高7,878百万円)、全社共通費用配賦前のセグメント利益(営業利益)は4,275百万円(前連結会計年度は全社共通費用配賦前のセグメント利益(営業利益)3,188百万円)となりました。
b. 医療プラットフォーム事業
当連結会計年度においては、医療プラットフォーム事業全体の利用医療機関数は前連結会計年度に引き続き増加し、前連結会計年度末比33.5%増の14,165件となりました。主たる要因としては、かかりつけ薬局支援システム「Pharms」の機能拡充に伴うシステム活用機会の増加により、既存顧客内での利用店舗の増加が進んだこと等が挙げられます。
以上の結果、セグメント売上高は3,729百万円(前連結会計年度はセグメント売上高2,676百万円)、全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は535百万円(前連結会計年度は全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)457百万円)となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、人員の増強やプロダクトの継続開発等、中長期的な成長に向けた投資等が挙げられます。
c. 新規開発サービス
当連結会計年度においては、介護施設検索サイトの「介護のほんね」はCOVID-19の影響により、引き続き施設見学の延期や制限等が継続しましたが、コンテンツ拡充及び紹介可能施設数の拡充のための積極的な営業活動を継続的に実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は326百万円(前連結会計年度はセグメント売上高308百万円)、全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は75百万円(前連結会計年度は全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)41百万円)となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、「介護のほんね」の最適な収益構造の確立に向けた投資を実施していることが挙げられます。また、米国において拠点を設立し、市場調査及びテストマーケティングを開始しております。
② 財政状態及びその分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は16,198百万円となり、前連結会計年度末に比べ657百万円増加いたしました。これは主に売掛金が417百万円、現金及び預金が127百万円、商品及び製品が115百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は5,578百万円となり、前連結会計年度末に比べ977百万円増加いたしました。これは投資その他の資産が717百万円、無形固定資産が137百万円、有形固定資産が122百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は21,810百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,602百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,087百万円増加いたしました。これは主に契約負債が862百万円、未払金が382百万円、未払費用が337百万円、預り金が170百万円、買掛金が162百万円増加した一方で、前受金が539百万円、1年以内返済予定の長期借入金が161百万円、未払法人税等が69百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は2,211百万円となり、前連結会計年度末に比べ605百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が568百万円、繰延税金負債が100百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は6,640百万円となり、前連結会計年度末に比べ481百万円増加いたしました。
なお、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、前連結会計年度末の連結貸借対照表において「流動負債」に表示していた、「前受金」は「契約負債」として表示しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は15,170百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,120百万円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金が新株予約権の行使に伴いそれぞれ52百万円増加し、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより1,017百万円増加し、その他有価証券評価差額金が292百万円増加した一方で、収益認識に関する会計基準等の適用に伴う期首残高の調整として301百万円減少したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ333百万円増加し、当連結会計年度末には14,351百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、2,013百万円(前連結会計年度は1,038百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,523百万円に、減価償却費386百万円、受取和解金303百万円、のれん償却費181百万円、売上債権の増加額242百万円、未払金の増加額327百万円、未払費用の増加額333百万円、預り金の増加額166百万円、契約負債の増加額862百万円、前受金の減少額1,000百万円、法人税等の支払額496百万円、及び和解金の受取額227百万円等を調整したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、751百万円(前連結会計年度は3,294百万円の支出)となりました。これは主として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出388百万円、敷金及び保証金の回収による収入426百万円、敷金及び保証金の差入による支出422百万円、投資有価証券の取得による支出334百万円、定期預金の払戻による収入383百万円、定期預金の預入による支出116百万円、無形固定資産の取得による支出232百万円、及び有形固定資産の取得による支出146百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、927百万円(前連結会計年度は2,220百万円の獲得)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1,024百万円、及び株式の発行による収入104百万円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る販売実績については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。これにより、前年同期比は記載しておりません。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
4.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主に、人材プラットフォーム事業において人材採用システム「ジョブメドレー」の顧客事業所数及び従事者会員数が引き続き順調に増加したことに加え、オンライン研修システム「ジョブメドレーアカデミー」の顧客事業所数が伸長したことや、医療プラットフォーム事業において各プロダクトの顧客への導入が堅調に推移したことにより、利用医療機関数が増加したことによるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的と考えられる金額を計上しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、見積もった数値と実際の結果は異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度において、売上高は14,185百万円となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業において顧客事業所数及び従事者会員数が順調に推移し、セグメント売上高が10,131百万円と伸長したことに加え、医療プラットフォーム事業において、クラウド診療支援システム「CLINICS」、かかりつけ薬局支援システム「Pharms」及び歯科向けのクラウド業務支援システム「Dentis」の利用医療機関数の増加や、中小病院向けの電子カルテ「MALL」の受注が順調に推移したこと等を受け、セグメント売上高が3,729百万円となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度において、売上原価は4,464百万円となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業の売上原価として計上している従事者会員獲得のための広告宣伝費が増加したことによるものです。この結果、売上総利益は9,720百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は8,430百万円となりました。主な要因は、事業拡大に伴う人件費等の増加及び成長投資、並びにマーケティング活動のための広告宣伝費の増加によるものです。この結果、営業利益は1,290百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益が337百万円及び営業外費用が100百万円となりました。この結果、経常利益は1,526百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度において、特別利益が0百万円及び特別損失2百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は1,523百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税が527百万円となりました。また、当連結会計年度及び今後の業績見通し等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を計上することとし、当連結会計年度において、法人税等調整額△25百万円を計上しました。加えて、非支配株主に帰属する当期純利益として4百万円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,017百万円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、組織体制の整備、リスク管理体制の強化、情報管理体制の強化、成長事業領域への継続投資等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業におけるシステム開発及び事業拡大のための人件費、ソフトウェア開発のための設備投資、並びに認知度の向上及びユーザー数の拡大のための広告宣伝費及び販促費等となっております。当社グループの資金需要については、自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティ・ファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
また、資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,351百万円であり、それに加え、複数の取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結し、資金調達手段を確保することにより、四半期ごとに変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。
当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針です。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略及び経営上の目標達成状況を判断するための経営指標等」に記載のとおり、売上高を重要な経営指標と位置づけ、売上高を「顧客事業所数」×「ARPU(注1)」と捉えて高い売上高成長率の継続に向けた事業展開を行っております。顧客事業所数及びARPUの進捗については、下表のとおり継続的に増加しており、当連結会計年度末時点における顧客事業所数は前年同期比15.7%増、ARPUは前年同期比で22.0%増となっており、売上高成長率の継続に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
(注) 1.ARPU(Average Revenue Per User)とは、当社グループの顧客事業所当たりの売上額を指します。
2.人材プラットフォーム事業及び医療プラットフォーム事業の顧客事業所数の合計であり、新規開発サービスの顧客事業所数は含んでおりません。ただし、2019年12月期期末より、両プラットフォーム事業における重複顧客事業所は、1事業所として算出しております。
3. 当社グループでは、人材プラットフォーム事業の売上高が第2四半期に偏重するため、ARPUも第2四半期に偏重しております。また、2021年以前は新基準ベースの売上高を用いて計算しております。
資本業務提携契約
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
当社グループは、「医療ヘルスケアの未来をつくる」をミッションに掲げ、医療ヘルスケア領域において社会の実需に対応した事業展開をするための研究開発活動を行っております。
セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりであります。
当セグメントにおいては研究開発活動を行っておりません。
当セグメントの研究開発費の金額は
当セグメントにおいては研究開発活動を行っておりません。