文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「ビジュアル・コミュニケーション・テクノロジーの創造」をビジネステーマに、「人々の暮らしを快適にする情報文化の創造」を存在意義と定めており、技術力、情報力を駆使し、「競争力と独自性を有した世界三大インキメーカーになること」を目標としております。また、新規市場の開拓や既存の事業分野を越えた新規事業の創出など“新たな挑戦”と社内改革の実現を積極的に推進してまいります。さらに、当社グループは世界全体の共通アジェンダとなった“SDGs”にうたわれている、地球環境をはじめとした様々な課題にも取り組み、サステナブルな社会の実現に貢献していきながら、ESG経営を実践してまいります。
(2)事業環境認識
近年の当社グループを取り巻く事業環境の主な変化について、次の通り認識しております。新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、今後も世界的に感染拡大と縮小の波を繰り返すと思われますが、多くの国と地域において防疫と経済活動の両立が進むと考えております。また、ウクライナとロシアの問題などを起因とした世界的な原材料高やインフレが、コストの増加要因としてしばらく続くと認識しています。また、国内においては少子高齢化の加速による労働力の不足、国内市場の縮小、経済成長の遅れが懸念されます。
印刷インキ関連事業については、デジタル化の加速により、紙媒体向けの製商品(主に印刷情報関連の印刷インキ)の需要が先進国を中心に、さらに減少していくことが見込まれるものの、主力のパッケージ関連の印刷インキは、食品、飲料及び衛生用品などの生活必需品の供給を支える事業という観点から、環境配慮型製品をはじめとして需要は中長期的に増加していくものと予想されます。機能性材料事業については、競合他社との競争環境が年々厳しくなりつつあるものの、デジタル印刷の用途拡大や画像表示材料の高品質化などにより、市場は今後も拡大すると見込んでいます。
*少子高齢化の進行など人口動態の変化
・労働力人口の減少
・国内市場の縮小
・経済成長の遅れ
*国内・海外での市場・競争環境変化
・紙離れによるインキ需要の低迷
・新興国市場における競争の激化
・脱プラスチック等環境対応ニーズの変化と高まり
*デジタル化によるバリューチェーンの変化
・デジタル媒体の大幅な増加
・印刷の多様化・カスタマイズ化
*環境制約・社会課題への対応
・長期的なサステナビリティ配慮、SDGsに向けた取り組みの重要性の高まり
・資源制約・原料価格高騰リスクの高まり
・ESG投資の影響力増大
(3)中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年に長期ビジョンとそれに基づく中期経営計画を策定いたしました。
当社は、1896年の創業から今年で127年を迎え、これまで着実に成長してまいりました。一方で、近年はデジタルメディアの急激な普及や気候変動をはじめとした環境対策の必要性がより一層高まるなど、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、今後さらに非連続的な変化が起こりうる状況にあります。
このような事業環境の変化の中で、当社グループが社会から求められる企業として持続的に成長していくためには、柔軟性を持ち、長期的な視点に立って、将来のあるべき姿と、そこに至る道筋や施策を策定し、常にグループ全体でそれらを共有・推進していくことが重要であります。サステナブルな社会の実現に貢献するため、様々な社会課題の解決に向けた一翼を担いつつ、当社グループのさらなる発展を果たしてまいります。
長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』の概要
1.企業理念
ビジネステーマ 『ビジュアル・コミュニケーション・テクノロジーの創造』
存在意義 『人々の暮らしを快適にする情報文化の創造』
2.ビジョン
“Create and Innovate, Care for the Earth, Color for Life”
~あなたと、つくる、価値ある、あした~
新たな領域への挑戦によって“イノベーション”を生み出し、“地球”にやさしい技術で、“人生”を快適かつ豊かに彩り、世界中に笑顔があふれる未来を創る企業
3.戦略の方向性
*地球環境と地域社会を重視したESG・サステナビリティの取り組み強化
・地球環境と人々の豊かで健康的な生活の向上に貢献し、世界が目指すサステナブルな社会の一翼を担う
・当社マテリアリティに対する各取組方針の実施を通じて、持続可能な社会の実現に貢献
*印刷インキ事業・機能性材料事業の拡大
・主力のパッケージ印刷分野を中心に、より一層の環境経営を推進(印刷インキ)
・社会トレンドを捉えた高付加価値製品をグローバルに展開(機能性材料)
*新しい事業領域への挑戦
・4つの注力分野
『環境/バイオケミカル』、『エナジーケミカル』、
『エレクトロニクスケミカル』、『オプトケミカル』
4.変革プロジェクト
*グローバル連結経営のさらなる強化
*ステークホルダーとの関係強化
*人材育成の強化・組織風土の改革
5.ESG・サステナビリティへの取り組み
重要課題(マテリアリティ)と目指す社会
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持続可能な地球環境を 維持するための活動 |
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地球環境を保護し、人々に安全と健康を |
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安心・安全な製品の供給
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快適さ、利便性とともに、循環型社会の実現を |
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研究開発・技術力の強化
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豊かな生活、新しいライフスタイルの創造を |
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コーポレートガバナンス、 コンプライアンスの強化 |
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ステークホルダーとの良好な信頼関係を |
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人権の尊重、 ダイバーシティ・エクイティ &インクルージョンの推進 |
>>> |
人権、人格、多様性を尊重し、働きやすい労働環境を |
『中期経営計画2023(CCC-I※)』の概要
当社グループの長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』をバックキャスティングし、基盤構築に取り組む最初の3年間として『中期経営計画2023(CCC-I)』(以下、中計)を2021年に策定しました。
<印刷インキ事業・機能性材料事業の拡大>
パッケージ用インキ事業においては、インキの一部に植物由来の材料を使用した「ボタニカルインキシリーズ」を2016年より日本で販売を開始し、年々拡販が進んでいます。脱炭素社会が世界的に謳われる中で、各国政府による環境規制の強化とともに、消費者やブランドオーナーにおいてSDGsや環境保全などに対応した製品や取り組みへの関心も高まっています。今後、国内のみならず海外においてもサステナビリティを軸として、ボタニカルインキブランドをはじめとした環境配慮型インキの拡充を進めていきます。また、同じく環境への配慮として、パッケージの「紙化」という動きが注目されています。紙のパッケージは環境にやさしいというイメージがある反面、フィルムのパッケージと同等の性能を持たせることは、現在の技術では非常に難しい状況です。紙パッケージの性能向上に寄与するような各種コーティング剤の開発と展開を図り、ボタニカルインキと合わせサステナブルなパッケージの構築を戦略の中心に据えていきます。当社グループがトップシェアを持つ金属缶用インキについては、環境意識の高まりとともに、リサイクルがしやすい素材としてアルミ缶の需要が増加しており、それに伴ってインキの販売量も増えています。こうしたパッケージ用のインキの需要に応え、今後のさらなる成長に向けた拡販を進めるべく、海外を中心に設備拡充のための投資や未進出地域への進出を進めていきます。
情報メディア向けインキについては、デジタル化による紙メディア減少の影響を受けており、販売量の減少が続いています。一方で、紙メディアの特性を活かしたコミュニケーションツールとして、今後も一定の需要が見込まれるものもあり、新興国ではまだ伸びている地域もあります。情報メディア向けインキは、それらの情報媒体を支える重要な事業と捉えています。生産や物流の効率化と、環境への配慮を両立させた高機能・高品質なインキを提供し、安定的な収益の確保に努めていきます。
機能性材料については、主力の産業用インクジェットインキにおいて、広告をはじめとした紙媒体の需要に加え、今後、衣食住を中心とした成長産業分野でも用途が広がり、世界的に市場が拡大していくと見込んでいます。当社グループ間でのグローバルな連携と展開を強化していきます。また、パネルディスプレイ市場では、ハイエンドモデルをターゲットとした高付加価値なカラーフィルター用顔料分散液の開発を進めるとともに、タッチパネル市場などの周辺分野における機能性製品の事業展開にも注力していきます。
<新しい事業領域への挑戦>
「安心・安全」、「便利快適」、「健康維持」、「低炭素社会」、「サステナビリティ」を戦略キーワードに、4つの注力分野を掲げ新規事業開発に取り組んでいます。「環境/バイオケミカル」分野では、温室効果ガス抑制に貢献するバイオマス系機能性材料や健康増進効果を持つ植物由来機能性素材、「エナジーケミカル」分野では、太陽電池などの再生可能エネルギー用途を想定した半導体・増感材料、「エレクトロニクスケミカル」分野では、ⅠоTやモビリティ領域での活用が期待される導電性材料、絶縁性材料、導電性接合剤、低誘電材料など、そして「オプトケミカル」分野では、デジタルデータの活用で今後大幅な需要増が見込まれるセンサー材料や、光取り出し効率向上に寄与する屈折率調整材料、LED封止材料などに注力しています。これらを早期実現化するために、当社のコアコンピタンスを発展させ、リーンスタートアップによる製品開発を進めるとともに、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいます。今中計(CCC-Ⅰ)は基盤構築期間として、様々な可能性を探索しており、研究の初期段階のものから、すでに具体化しているものまで多岐にわたっています。例えばプリンテッドエレクトロニクス分野では、新しい部品接合技術を有する株式会社ワンダーフューチャーコーポレーション、当社の持分法適用会社でありEMS大手のシークス株式会社、そして素材開発を担う当社が協業し、新しいモノづくりの提案や様々な用途への応用を進めており、自動車部品や電機部品などへの採用をターゲットとして展開を進めています。また、環境・バイオケミカル分野では、大阪公立大学小島研究室が取り組む植物由来機能性素材の事業化を目的とした株式会社サルース研究所に共同出資をしています。2030年には当社グループを支える新たな柱とするべく、数百億円規模の売上を目標とした、新規事業の構築を進めています。
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(※)CCC-I : |
今中計を長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』の「第一期・フェーズI」とし、長期ビジョンのキャッチフレーズ「Create and Innovate, Care for the Earth, Color for Life」の頭文字からCCC-Iと表記しました。 |
(4)ESG・サステナビリティへの取り組み
当社グループは、長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』における戦略の方向性として、「地球環境と地域社会を重視したESG・サステナビリティの取り組み強化」を掲げております。2030年のSDGsの目標達成に向け、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を定めており、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでおります。
「持続可能な地球環境を維持するための活動」においては、目指す社会を「地球環境を保護し、人々に安全と健康を」としており、気候変動・自然環境保全の全てに関わる活動、責任あるサプライチェーンの構築に取り組んでおります。気候変動に関わる活動においては、当社の日本国内における温室効果ガス(Scope1,2)削減目標を2013年度比50%削減、2050年に実質ゼロと定め、生産効率化の推進、省エネルギー活動の推進などを継続して実施しており、ボタニカル度(植物由来成分の比率)を高めたインキの開発、ボタニカル製品のラインナップ拡充なども進めております。また、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明し、TCFDが提言する開示フレームワーク(気候関連のリスク及び機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った情報開示を進めております。自然環境保全に関わる活動においては、廃プラスチックによる海洋汚染の問題に対し、紙のパッケージが大きなトレンドになると考え、パッケージの紙化への対応にも注力しております。また、海洋プラスチック問題を解決するための企業イニシアティブである「CLОMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)」や、2030年までに自国の陸域・海域の少なくとも30%を保全・保護することの達成を目指す「30by30アライアンス」に参加し、問題解決に向け取り組んでおります。責任あるサプライチェーンの構築においては、サカタインクスグループの調達基本方針・調達ガイドラインを制定いたしました。また、サプライヤーにCSR調達アンケートを実施するなど強固なサプライチェーンマネジメントの構築を進めております。
「人権の尊重、DE&Iの推進」においては、目指す社会を「人権、人格、多様性を尊重し、働きやすい労働環境を」としており、人権重視とDE&Iの推進、働きがいのある職場・組織風土の実現などに取り組んでおります。人権重視とDE&Iの推進においては、これまでサステナビリティ基本方針や倫理行動基準などで記載していた人権に関する内容を、人権方針として明確化いたしました。また、国連グローバルコンパクトの署名企業として「人権の保護」「不当な労働の排除」「環境への対応」「腐敗防止」に関わる国連グローバルコンパクト10原則を支持しております。さらに、グローバルに広がっている個性溢れた社員の多様な文化や規範、スキル・経験・価値観などをお互いに認め合い、活かすこと、そして、どんな状況に置かれていても活躍できる環境が重要と考え、社員の力を最大限に活かし、新たな発想や価値を生み出すためDE&I基本方針を制定いたしました。今後は、人権への負の影響を特定し、予防、軽減など対応を実施する人権デューディリジェンスへの取り組みを進めてまいります。働きがいのある職場・組織風土の実現においては、企業活動の全てにおいて、働く人の安全と心身の健康を守ることは重要な経営課題の一つであるとの方針のもと、健康経営を推進しており、健康経営優良法人2022に認定されました。また、長期ビジョンに掲げております2030年の国内女性管理職比率15%の達成に向けた基盤づくりや、教育研修体系の策定、海外研修制度の実施など自らのキャリアを描き、自律的に自身の能力や技術を磨いて、成長へとつなげられるよう働きがいのある職場の構築を進めております。
サカタインクスグループは企業理念「マインドインマインド」に定めるビジネステーマ『ビジュアル・コミュニケーション・テクノロジーの創造』を掲げ、「人々の暮らしを快適にする情報文化の創造」をパーパスとし、創業以来、数多くの資産を築いてきました。
2021年1月よりスタートした長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』の目標達成に向けた戦略として打ち出した変革プロジェクトに「人材育成の強化」を表明しています。また昨今の外部環境変化(デジタル化、少子高齢化、価値観の変化、グローバルな競争激化等)を当社も課題と捉えており、企業理念である「マインドインマインド」の考えを基に、『人材』を経営戦略上、重要な『資本』としてとらえる「人的資本経営」へ取り組んでいきます。
人的資本経営を進める中で、当社の目指す姿として、すべての社員が生き生きと個の力を発揮し、長期ビジョン達成に向けて新たな発想や価値を創造している組織と設定しました。
その目指す姿を実現するための求める人物像として、グローバルな視点を持ったうえで、自ら変革を起こし、周囲とともに挑戦を楽しめる人材を必要としています。
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そのために必要な人材育成や社内環境整備に 関する方針を2023年2月に制定いたしました。
具体的な当社の人的資本経営の取り組みとして、 「当社独自の取り組み」 ・人材育成 ・エンゲージメント ・採用
「定量比較可能な取り組み」 ・多様性(DE&I) ・健康経営 について今回、開示します。 |
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「当社独自の取り組み」
サカタインクスグループは、人材育成・社内環境整備方針に基づく人的資本経営を取り組んでいきます。
<人材育成>
・組織風土改革
社員間のコミュニケーション活性化や一人一人が持つ価値観の相互理解のために部署や年齢、役職の異なる社員同士の対話会を実施しています。対話を通じて、社員の仲間意識醸成や互いを認め合うことを目的とし、今後、様々な意見や新たなモノを創出できる組織へ変えていくことを目指しています。
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・研修制度 長期ビジョンの達成や求める人材像へ向けて、研修内容の追加・刷新を行い、計画的に展開しています。 DE&Iやコンプライアンス研修を始め、ジェンダーイクオリティの観点から女性管理職輩出を見据えた「ジェンダーイクオリティ関連研修」や社員が育児や介護の状況下においても継続的に働くことができるよう育児・介護に関するセミナーなども実施しています。 また、グローバル人材育成・創出のための「海外研修」や「海外研修生受け入れ」などの研修も実施しています。今後は、次期幹部のリーダー育成プログラムや次期経営幹部候補者育成プログラムも展開していきます。 |
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・人事制度
社員のチャレンジ精神を重視し、年齢に関わらず成果を上げた者が昇給/昇格機会を得ることができ、さらに手挙げによって様々な仕事に挑戦できる制度(社内公募・社内副業等)作りを進めています。また、自身のキャリアプランを描けるよう1оn1ミーティングを今後、拡充していきます。
<エンゲージメント>
エンゲージメントの調査については「従業員意識調査」という形で年1回実施しています。2022年の調査では、社員の7割程度は満足していると回答ありましたが、その回答の中で一部、人事制度に関してやキャリアプランについての意見がありました。そのため、社員の成長やエンゲージメントのさらなる向上を目指し、制度面などを含めた改善活動を実施していきます。
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・社員の経営参画意識(持株会参加率) 社員が自社株を保有する際に加入する「持株会」ですが、毎年加入率が上昇しています。概ね、社員のエンゲージメントは約7割と比較的満足度が高く、その結果として持株会にも反映されておりますが、さらに社員のエンゲージメントを高めるべく努めていきます。 |
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<採用>
「定量比較可能な取り組み」
<多様性(DE&I)>
・人権/DE&Iに関する取り組み
当社は事業活動における人権尊重への取り組みの指針として、「サカタインクスグループ 人権方針」を制定しました。
人権は、人が生き、幸福と生活の向上を追求するうえで欠かせないものであり、本方針の遵守を働きかけ、公正で社会から信頼される企業を実現していきます。
また、当社はグローバルに広がる個性溢れる社員の多様な文化や、規範、スキル・経験・価値観などを認め合い、活かし、かつ、どのような状況下でも活躍できる環境が重要であるという基本的な考えの下、社員が最大限の力を発揮し、新たな発想や価値を生み出すことをダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の実践と捉えています。その取り組みの指針として社員と組織が多様な個性を尊重し、成長し続けるために「サカタインクスグループ ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)基本方針」を制定しました。
社員に対しては、先の研修制度でも挙げた通り人権やDE&Iに関する研修を行い、理解とその実践を推進しています。
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・育児休業取得率 2030年までに男女ともに育児休業取得率100%達成の目標に向け、社員の意識醸成など啓発活動を行い、ワークとライフ双方の充実のため育休取得率の向上を目指しています。 |
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また2022年には、イクボス企業同盟に加盟。育児に関わる社員へのサポートを含めて部下育成に関し「サカタインクス イクボス宣言」を制定しました。
・男女の賃金の差異
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・ジェンダーイクオリティ 2017年に「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」の認証を取得、男女ともに活躍できるよう働きやすい職場環境を整えていきます。 また、長期ビジョンにある2030年までのKPIとして「国内女性管理職比率15%以上」を目指し、環境整備のため、ジェンダーイクオリティ関連研修の実施や自身のキャリアプランを描けるよう個別面談などの施策も推進しています。 |
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<健康経営>
「サカタインクス健康経営宣言」において、企業活動の全てにおいて、働く人の安全と心身の健康を守ることは重要な経営課題の一つであるという方針の下、社員が心身ともに生き生きと働けるよう健康の保持増進と快適な職場環境づくりを重要課題と位置づけており、健康経営を通じて、社員のワーク・エンゲージメントの向上に努め、持続可能な社会の構築と企業価値の向上を目指しています。
・健康経営優良法人取得について
当社は、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」への取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」にて2021年、2022年、2023年と3年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を取得しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。ただし、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループは、以下のような事項の発生及び顕在化の可能性を認識し、その発生の抑制や回避、また発生時においては業績、財政状態に与える影響を最小化するべく努めてまいります。
(1)気候変動について
当社グループは、気候変動に伴うリスクや機会を経営上の最重要課題であると捉え、事業に大きな影響を及ぼすものと認識しております。当社グループはTCFD提言に賛同するとともに、TCFD提言のフレームワークに基づき、気候変動が事業に及ぼす影響の分析、対応策の検討を進めております。
産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるシナリオにおいては、低炭素、脱炭素社会への移行に伴い、各種法規制の強化や市場の変化によるコスト増、売上減少が事業に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、当社は、温室効果ガス(Scоpe1,2)削減目標を2013年度比50%削減、2050年に実質ゼロと定め、生産効率化の推進、エネルギーの見える化、省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギーの導入など継続して実施しております。また、低炭素、循環型社会に貢献するボタニカルインキや、パッケージ用ガスバリア剤などの機能性コーテイング剤の製品の需要拡大は当社グループにとって事業拡大の機会であると捉えております。
産業革命以前にくらべ世界の平均気温の上昇が4℃となるシナリオにおいては、異常気象による台風や豪雨、洪水などによる自然災害により工場の停止や損傷、サプライチェーンの分断など物理リスクによるコスト増が事業に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、当社はグローバルなBCPの強化を進めております。また、熱中症の拡大による飲料水需要の増加に伴うパッケージ用インキの需要拡大や感染症の増加に伴う抗菌、抗ウィルス製品の需要拡大は、当社グループにとって事業拡大の機会であると捉えております。
このように、当社グループは、気候変動をリスクだけでなく機会と捉え、事業活動を通じて社会課題を解決することを目指してまいります。
(2)自然災害・事故等について
大規模な地震やその他の自然災害、事故等により、当社グループの各事業所、製造拠点が被害にあった場合には、操業中断による生産能力の低下や設備の修復に伴う費用の増加等により、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルスなどの感染症の影響により、事業活動の中断や著しい縮小を余儀なくされた場合や、一部の製商品の需要が著しく減少する場合には、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらには、上記に起因して電力や原材料の供給不足などが発生し、サプライチェーンに大きな障害が生じた場合には生産活動の制限により、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、従業員やお取引先の皆様等の安全を最優先に感染拡大を防ぐため、徹底した衛生管理、テレワークやWeb会議の導入、出張制限や勤務形態の見直し等を実施し事業活動の継続に取り組んでおります。事業環境に与える影響への対応につきましては、「(4)事業環境の変化について」及び「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照下さい。また、原材料の供給不足に伴う影響及び製造拠点の被害に伴う影響への対応につきましては、「(3)原材料市況等の影響と調達活動について」及び「(5)海外への事業展開について」をご参照下さい。
(3)原材料市況等の影響と調達活動について
当社グループの主要販売製品である印刷インキなどの原材料は、石油化学製品への依存度が高いため、原油価格及び為替相場に異常な変動が生じた場合などには、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料を製造している国において、自然災害・事故あるいは法律又は規制の予期しない変更などが生じ、安定調達が困難になるリスクや、需給関係の悪化に伴う相場の異常な変動が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウクライナ情勢に起因する原燃料の供給懸念及び価格高騰、中国における環境規制の強化などに伴い、原材料価格が上昇するリスクを事業環境に照らして認識しておりますが、当社グループでは原材料の価格動向に注意を払うとともに調達先の集中や長期契約の締結等により、原材料の価格変動リスクの影響を緩和する工夫を行い、安定して原材料が調達できるように努めております。また、現地法人相互での互換化を進めており、複数購買やグローバル調達等も進めることで当社グループ全体における原材料費の低減や安定調達を図っております。
さらには、当社グループの「調達基本方針」を定め、公正・公平で誠実な調達活動を通じ、サプライチェーン全体に関わる地球環境の保護・保全、資源保護や、労働安全性、人権など社会へ配慮し、企業としての社会的責任を果たします。
全ての調達取引先は、より良い製品・商品・サービスを提供するための大切なパートナーと認識し、相互信頼を築きつつ共存共栄と持続可能な社会の実現を目指してまいります。
(4)事業環境の変化について
近年の当社グループを取り巻く事業環境の主な変化について、「少子高齢化の進行など人口動態の変化」、「国内・海外での市場・競争環境変化」、「デジタル化によるバリューチェーンの変化」、「環境制約・社会課題への対応」を認識しております。その変化による影響に対して、「地球環境と地域社会を重視したESG・サステナビリティの取り組み強化」、「印刷インキ、機能性材料事業の拡大」、「新しい事業領域への挑戦」を戦略の方向性とし、対応してまいります。詳細は、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照下さい。
(5)海外への事業展開について
当社グループは、米州をはじめアジア、欧州などの世界各国にグローバル展開しております。このため、カントリーリスクが顕在化した場合、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場に異常な変動が生じた場合は、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは当社主導のもと、グループネットワークを生かしてリスク情報を収集し、事業に相当程度の影響を与えうるカントリーリスクを発見・特定した上で、その対応を図ることとしております。当社グループは、事業を展開するほとんどの国・地域において、製造拠点を有しており、有事の際には周辺国における代替生産をはじめとして、事業の継続を図ってまいります。
上記は、当社グループの事業に関し、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の落ち込みから持ち直しの動きが続いたものの、ウクライナ問題や中国におけるゼロコロナ政策の影響による資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱による影響が長期化したことに加え、下半期においては世界的にインフレの加速及び金融引き締めによる景気の減速感が顕著となり先行きが懸念される状況で推移いたしました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じたこともあり、価格が高騰しその後も高止まりが続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組むとともに、販売価格の改定に取り組みました。機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進んだことや、販売価格の改定が進んだことに加え、急激な円安により為替換算の影響を大きく受けたことなどから、2,155億3千1百万円(前期比18.8%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加が寄与したものの、原油価格の高騰などによる印刷インキの原材料高が長期化していることや、米州では物流コストや人件費、欧州ではそれらに加え、電気・ガスといったユーティリティコストが著しく増加するなど、販売価格の改定が原材料価格及び諸費用の上昇に追い付かない状況が続いております。以上のことから、営業利益は41億2千5百万円(前期比44.4%減少)となりました。経常利益は49億6千1百万円(前期比41.7%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことなどから、45億5千5百万円(前期比7.7%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
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第1四半期 連結会計期間 |
第2四半期 連結会計期間 |
第3四半期 連結会計期間 |
第4四半期 連結会計期間 |
連結会計年度 |
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2022年12月期 |
116.20円 |
129.57円 |
138.37円 |
141.59円 |
131.43円 |
|
2021年12月期 |
105.90円 |
109.49円 |
110.11円 |
113.71円 |
109.80円 |
(注)連結会計年度の期中平均為替レートは、1月~12月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
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(単位:百万円) |
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売上高 |
営業利益又は営業損失(△) |
|||||||
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前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
(※)実質 |
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
|
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印刷インキ・ 機材(日本) |
50,444 |
51,436 |
991 |
2.0% |
2.0% |
1,366 |
407 |
△959 |
△70.2% |
|
印刷インキ (アジア) |
38,574 |
48,050 |
9,476 |
24.6% |
7.8% |
2,244 |
1,745 |
△498 |
△22.2% |
|
印刷インキ (米州) |
54,930 |
73,889 |
18,959 |
34.5% |
12.0% |
1,464 |
360 |
△1,104 |
△75.4% |
|
印刷インキ (欧州) |
15,929 |
19,486 |
3,556 |
22.3% |
15.1% |
△188 |
△571 |
△383 |
- |
|
機能性材料 |
14,328 |
15,508 |
1,179 |
8.2% |
1.1% |
1,901 |
1,584 |
△316 |
△16.6% |
|
報告セグメント計 |
174,207 |
208,372 |
34,164 |
19.6% |
7.5% |
6,788 |
3,526 |
△3,261 |
△48.0% |
|
その他 |
17,229 |
14,046 |
△3,182 |
△18.5% |
△18.5% |
350 |
336 |
△13 |
△3.9% |
|
調整額 |
△9,949 |
△6,887 |
3,061 |
- |
- |
275 |
261 |
△13 |
- |
|
合計 |
181,487 |
215,531 |
34,043 |
18.8% |
7.2% |
7,414 |
4,125 |
△3,289 |
△44.4% |
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
感染症による社会経済活動の制限緩和が続き、各地で人出の増加や大型イベントの開催などにより経済活動が活発化したこともあり、全般としてパッケージ関連の需要が高まりました。グラビアインキは内食関連の需要が堅調に推移したことに加え、レジャー消費やコンビニエンスストアの需要の高まりなどもあり好調に推移いたしました。フレキソインキは産業資材関係が低迷したものの日用品や加工食品、青果物関係が堅調だったことに加え、紙袋関係の需要も回復が続くなど全体として堅調に推移いたしました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響による広告需要の低迷が長引いていることなどから、新聞インキ、オフセットインキともに低調に推移いたしました。以上のことから、印刷インキ全体では前期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料、機械販売ともに前期を下回りました。これらの結果、売上高は514億3千6百万円(前期比2.0%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響に対する販売価格の改定効果が遅れていることに加え、印刷情報関連の印刷インキの販売が低調に推移したことなどから、営業利益は4億7百万円(前期比70.2%減少)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、ベトナムなどを中心に全般的に堅調に推移いたしました。印刷情報関連では、インドでは感染症の影響による需要減からの回復が続きました。一方、ロックダウンの影響を受けた中国では、政府のコロナ政策の影響もあり景気が低迷したことにより、全般的に販売は低調に推移いたしました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから480億5千万円(前期比24.6%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加に加え、販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響を受けたことなどから、営業利益は17億4千5百万円(前期比22.2%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、上半期までは旺盛な需要を背景として、フレキソインキ及びグラビアインキが好調に推移したものの、第4四半期には、金融引き締めによる市況の悪化から在庫調整の動きなどもあり販売は落ち込みました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっていることもあり、好調に推移いたしましたが第4四半期ではやや伸び悩みました。印刷情報関連であるオフセットインキは、全体としては伸び悩みました。売上高は、販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから、738億8千9百万円(前期比34.5%増加)となりました。
利益面では、販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響や、物流コスト及び人件費などを中心に経費が大きく増加したことに加え、第4四半期において販売が落ち込んだこともあり、営業利益は3億6千万円(前期比75.4%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移いたしました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、194億8千6百万円(前期比22.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、ユーティリティコストや物流コスト・人件費など経費が大きく増加した影響もあり5億7千1百万円の営業損失(前期は1億8千8百万円の営業損失)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは中国におけるコロナ政策の影響はあるものの、販売が堅調に推移し前期を上回りました。一方、カラーフィルター用顔料分散液はパネルディスプレイの需要減の影響もあり、販売が伸び悩み前期を下回りました。トナーは、海外向けの販売が好調に推移したことなどから前期を上回りました。これらの結果に加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから、売上高は155億8百万円(前期比8.2%増加)となりました。
利益面では、デジタル印刷材料の販売が増加したものの、原材料高の影響を受けたことに加え諸経費が増加したことから、営業利益は15億8千4百万円(前期比16.6%減少)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
印刷インキ・機材(日本) |
34,318 |
5.3 |
|
印刷インキ(アジア) |
46,615 |
22.4 |
|
印刷インキ(米州) |
74,345 |
36.0 |
|
印刷インキ(欧州) |
19,748 |
23.5 |
|
機能性材料 |
14,423 |
4.6 |
|
その他 |
697 |
31.5 |
|
合計 |
190,148 |
22.2 |
(注)生産金額については期中平均販売価格により表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
② 受注実績
印刷用インキの生産は主として見込生産によっております。
小口ロットのものについて受注生産を行っているものもありますが、特に受注高及び受注残高として示すほどのものはありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
印刷インキ・機材(日本) |
51,426 |
2.0 |
|
印刷インキ(アジア) |
47,842 |
24.9 |
|
印刷インキ(米州) |
72,587 |
34.1 |
|
印刷インキ(欧州) |
18,533 |
22.5 |
|
機能性材料 |
15,432 |
8.1 |
|
その他 |
9,708 |
5.2 |
|
合計 |
215,531 |
18.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金が減少したものの、売上高の増加に伴う売上債権や棚卸資産の増加、無形固定資産の増加に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比105億4百万円(6.3%)増加の1,774億3百万円となりました。
負債は、実質的には仕入債務が減少したものの、借入金が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比100億1千6百万円(13.5%)増加の844億5千万円となりました。
純資産は、自己株式の消却を行ったことにより利益剰余金が減少したものの、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比4億8千7百万円(0.5%)増加の929億5千2百万円となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、次の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加、棚卸資産の増加、仕入債務の減少、及び法人税等の支払などがあったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費などにより、49億4千5百万円の資金の増加となりました。前連結会計年度に比べ26億1千1百万円の減少となりましたが、主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少、運転資本の増加であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入などがあったものの、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出などにより、16億6千6百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度に比べ36億8千6百万円の増加となりましたが、主な要因は、投資有価証券の売却による収入によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などがあったものの、自己株式の取得による支出や配当金の支払などにより、38億9千7百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度に比べ10億2千1百万円の減少となりましたが、主な要因は、自己株式の取得による支出、借入金の増加であります。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は117億2千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億9千3百万円の減少となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次の通りであります。
|
|
2018年 12月期 |
2019年 12月期 |
2020年 12月期 |
2021年 12月期 |
2022年 12月期 |
|
自己資本比率(%) |
51.1 |
51.7 |
52.6 |
51.8 |
48.6 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
48.7 |
46.8 |
46.6 |
34.8 |
29.6 |
|
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
3.6 |
1.8 |
1.7 |
2.4 |
5.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) |
19.9 |
32.2 |
40.1 |
32.4 |
9.0 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資本の財源及び資金の流動性は、次の通りであります。
当社グループでは運転資金や設備投資等のための資金の調達として、内部資金及び外部借入による資金調達を基本方針としております。外部借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に設備投資に係る資金調達であります。
内部資金に関しては営業活動によるキャッシュ・フローにより継続的に資金を獲得しております。また外部借入に関しては短期・長期借入の他に、当社においては運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と30億円の特定融資枠契約を締結しております。これらに加え、2021年には10億円のESG評価型の無担保私募債(償還期限2026年3月31日)を発行しております。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画(1)重要な設備の新設等」をご参照下さい。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 追加情報」に記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」をご参照下さい。
(6)目標とする経営指標との比較
当連結会計年度と「中期経営計画2023 CCC-I」の最終期との比較は、次の通りであります。
|
|
当連結会計年度 |
2023年計画 |
比較 |
|
売上高(億円) |
2,155 |
1,950 |
+205 |
|
営業利益(億円) |
41 |
115 |
△73 |
|
経常利益(億円) |
49 |
130 |
△80 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益(億円) |
45 |
90 |
△44 |
|
ROE |
5.3% |
10%以上 |
- |
「中期経営計画2023 CCC-I(以下「計画」という。)」の2年目である当連結会計年度につきましては、売上高は販売価格の改定や計画策定時に比べ大幅に円安が進んだことによる為替換算の影響などもあり、計画を上回りました。各利益及びRОEにつきましては、売上が計画を上回ったものの、原油価格の高騰などによる印刷インキの原材料高や欧米を中心に諸経費の上昇に販売価格の改定が追い付かず、計画を下回るペースの水準となりました。
計画につきましては、想定を超えた原材料高の進行や世界的なインフレの加速など外部環境の変化により、利益の達成が困難な状況であるあるものの、その基本方針と戦略課題は変わらず、それらの着実な実行に加え、引き続き販売価格の改定やグローバル調達などのコスト削減を推し進め、利益目標に可能な限り近づけるべく鋭意努めてまいります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
(業務提携に関する契約)
当社は、1999年11月15日付で東洋インキ製造株式会社(現 東洋インキSCホールディングス株式会社)と業務提携(契約期間:契約開始日(2000年4月1日)より5年間、以降1年毎の更新)を行う旨の契約を締結し、2017年2月20日付で、これまでの提携内容を見直し、物流分野における一層の効率化、生産分野における相互補完、BCP対策に基づく緊急時における国内外拠点での生産補完について、業務提携を推進していく旨の覚書を締結しております。
当社グループは、長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』に掲げる戦略の方向性の実現に向け、『中期経営計画2023(CCC-I)』において、これまでの既存事業の製品開発の強化に加え、新規事業領域への進出並びに地球温暖化や海洋プラスチック汚染などの環境問題の解決を目指し、産学連携のオープンイノベーションによる研究開発を積極的に進めております。
当連結会計年度における研究開発費は、は
セグメントごとの研究開発活動は、次の通りであります。
印刷インキ事業では、地球環境に配慮した生産・製品開発を方針として掲げ、品質や機能と、環境配慮を両立させた製品設計を基本とし、石油化学材料の削減、水性化、バイオマス化等、環境配慮型製品の拡充及び性能向上に取り組みました。特に、パッケージ分野においては、植物由来成分を積極的に使用したインキを「ボタニカルインキ」と呼称し、ボタニカルインキシリーズの拡充及び性能向上に取り組みました。また、無溶剤で環境に優しい省電力型UVインキや光重合開始剤を必要としない電子線(EB)硬化型インキ、 水性グラビア・フレキソインキの開発にも積極的に取り組みました。
印刷インキ以外の製品としましては、抗菌・抗ウィルスニスや水性ヒートシール材など各種機能性コーティング剤の開発を行いました。
海外においては、当社グループ会社のINX INTERNATIONAL INK CO.(米国)が欧米地域を対象とした研究開発拠点であり、環境対応型製品の拡充・品質向上に取り組みました。特にパッケージ用として植物由来成分を使用したグラビア・フレキソインキの開発、脱プラスチックで需要が高まるアルミ缶用メタルインキの開発に注力いたしました。
当事業における研究開発費は2,527百万円であり、主な報告セグメント別の金額は「印刷インキ・機材(日本)」が
機能性材料事業では、当社の基盤技術である樹脂合成技術や分散・加工技術を駆使し、表示材料においてはディスプレイの高画質化、消費電力削減を実現するカラーフィルター用顔料分散液の開発及び高機能化に取り組みました。また、高付加価値化が進む次世代ディスプレイ関連材料への積極的な技術展開も図りました。インクジェットインキでは新たなオンデマンド印刷市場に対して、当社独自技術を活かした水性・溶剤性・UVインキの開発を継続し、とりわけ衣食住に関わるテキスタイル・パッケージング・建材用途に向けた製品開発に注力いたしました。さらに近年の環境意識の高まりに対しては、植物由来材料を使用した環境配慮型製品の開発にも取り組みました。その他にも、粉体カラートナーの開発や、各種機能性コーティング剤・光学材料・透明絶縁材料などの開発を行いました。
当事業における研究開発費は、
全社共通事業では、新規事業の創出を目的として「環境・バイオケミカル」・「エレクトロニクスケミカル」・「オプトケミカル」・「エナジーケミカル」を注力すべき4分野と定め、大学や企業と連携したオープンイノベーションによる開発に取り組みました。特にエレクトロニクスケミカルにおいては、導電性配線材料、導電性接合材料、絶縁材料、低誘電材料などプリンテッドエレクトロニクス向け材料の開発を行いました。環境・バイオケミカル分野においては、非可食バイオマス材料を用いた新規素材の開発を行いました。
当事業における研究開発費は、611百万円です。