第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営環境

 創業以来の繊維(麻)事業から業態転換を進めていた当社は、阪神淡路大震災を契機として、消防防災(官需防災)を顧客基盤とする防災事業へと一気に業態転換を図ることとなりました。また、東日本大震災以降は、国による国土強靭化政策をはじめとする防災関連政策の推進を背景に、原子力発電所の再稼働にあたりシビアアクシデントに対応する安全対策を必須とする電力会社向けや石油コンビナート施設を保有しBCPの観点から自主防災の強化に取り組む石油精製会社向けなど、民需防災事業への進出を果たし、さらにN.Y.同時多発テロ発生等によりセキュリティ対策が急務となった空港施設・航空会社を対象とするセキュリティ事業分野にも顧客基盤を拡げてまいりました。

 この間、当社は2007年に創立100周年を迎え、2008年度以降、中期経営計画(3ヵ年計画)を策定し、収益力の持続的強化を目指し、グループ一丸となって中期経営計画に掲げるテーマに取組んでまいりました。さらに、2023年には、10年に亘り取り組み、防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指す「テイセン未来創造計画」を策定いたしました。同計画は、「人を創る」「仕事を創る」「人と仕事を繋ぐ企業文化を創る」をテーマに掲げ、「防災のテイセン」としての未来を切り拓き、世界に通用する防災企業として、名実ともに社会及びステークホルダーの皆様から絶対的な信任を頂くことを目指してまいります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 「テイセン未来創造計画」では、2023年からの3年間を第1フェーズと位置付け、第1フェーズにおける中期経営計画(テイセン2025/未来への基盤作り)を策定しております。

 中期経営計画「テイセン2025/未来への基盤作り」の内容は以下のとおりであります。

 

  ≪先進的防災事業を確立・発展させ

       多発化・激甚化・多様化する各種災害の脅威から

                  社会や事業の安心・安全を守る≫

 

 を旗印に、以下のテーマを推進し、防災ビジネスの拡がりと深みを追求してまいります。

 

 1.市場開拓の強化と圧倒的市場競争力の確立

   (1)送排水ビジネスの拡大

   (2)セキュリティビジネスの開拓

   (3)防災特殊車輌ビジネスの創造

   (4)メンテナンス業務の事業化

   (5)基盤事業(ホース・機材・車輌・防火衣)の一層の磨き上げ

 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の機能拡充・強化

   (1)コスト・品管センターとしての役割徹底

   (2)技術・開発センターとしての能力強化

   (3)教育、訓練、実証実験等の幅広い分野での施設充実と活用

 3.持続的収益力の強化

    新たな事業基盤の獲得による収益基盤の強化

 

 同時に、「テイセン未来創造計画」では、事業発展を支える人材育成(「人を創る」)及び永続的な企業の成長の土台となる新たな企業文化の創造(「人と仕事を繋ぐ企業文化を創る」)にも取り組んでまいります。

また、企業の社会的責任として、「環境(E)」、「社会(S)」、「ガバナンス(G)」への更なる取り組みも推進してまいります。

 

数値目標

連結営業利益水準

50億円以上

連結経常利益水準

60億円以上

配当性向

40%程度

 中期経営計画「テイセン2025」においては、送排水ビジネス、セキュリティビジネス及び防災特殊車輌ビジネスを拡大、開拓、創造し、数値目標の達成を図るとともに、原子力ビジネスに続く新たな中核事業基盤として磨き上げ、確立することにより収益基盤の更なる強化を目指してまいります。

≪市場開拓の強化と圧倒的市場競争力の確立≫

 <送排水ビジネスの拡大>

 前中期経営計画「テイセン2022」の主要テーマである「大量送排水システムによる新たな市場開拓」は、営業活動及び各地でのデモを積極的に展開した結果、国・自治体に対する市場開拓が大きく進展しました。風水害被害の頻発化の最中にあって、「流域治水プロジェクト」の進捗を踏まえて、用途に応じた商材ラインアップの拡充等を図ると共に、国及び全国の自治体に対する更なる拡販に引き続き注力してまいります。

 

 <セキュリティビジネスの開拓>

 「テイセン2022」においては、コロナ禍の中でも、高まるセキュリティニーズを捉え、民間市場の開拓および鉄道等ソフトターゲット市場の開拓に向け、営業活動を積極的に展開させました。その結果、市場開拓への準備が着実に進行しています。また、商材開発による、セキュリティ機材のラインアップも一層拡充されています。コロナ禍収束後の訪日外国人の増加に伴うテロへの対策、及び社会不安を引き起こしている各種事件・事故の増加に伴う対策等、今後のセキュリティニーズの高まりによるセキュリティ市場の拡大を見込み、引き続き、商材の優位性を訴求する中で、広範なセキュリティニーズを取り込み、セキュリティビジネスの開拓を進めてまいります。

 

 <防災特殊車輌ビジネスの創造>

 製造・開発・実証実験を担う下野工場のインフラを整える等、次世代型防災特殊車輌に関する企画・設計・開発・生産に至る一連の開発体制の構築が進んでいます。

 災害の多様化、技術革新及び省人化ニーズに対応し、新たな価値を提供する次世代型防災特殊車輌の開発・製造は、未来の消防防災の在り方を見据えた重要なテーマです。市場のニーズを掘り起こし、防災特殊車輌ビジネスの創造を推進してまいります。

 

 <メンテナンス業務の事業化>

 近年の営業活動の成果として、原子力施設及びコンビナート等に納入しているハイドロサブシステムや空港施設に納入している空港化学消防車の納入台数は急速に増加しています。また、現在展開中の自治体向け送排水ビジネスにおいても、ハイドロサブシステムはさらに増加が見込まれます。セキュリティビジネスにおいても、その拡大に併せ、各種セキュリティ機材の納入台数も急激な増加が見込まれます。

 これら著増する機材のメンテナンスのニーズに対処し、その事業化に取り組むことで、収益基盤の強化に努めてまいります。

 

 <基盤事業(ホース・機材・車輌・防火衣)の一層の磨き上げ>

 消防防災における消防ホース・防災車輌・資機材・防火衣等特殊被服は、当社防災事業の根幹をなす基盤事業です。災害の多様化、省人化、環境負荷軽減等の刻々と変化するニーズに対応すべく、付加価値の高い新たな商材を投入する等市場のニーズを掘り起こすことにより、業界№1の地位を確固たるものにすることを目指します。

 

≪営業を支える下野・鹿沼両工場の機能拡充・強化≫

 当社グループの生産拠点としての鹿沼・下野両工場においては、製品に関する品質の維持・向上に努めること、技術・開発能力を高め、社会・顧客が必要とする製品を臨機に製造すること、さらには製造コスト低減を図り、収益力を高めることに引き続き取り組んでまいります。また、新設した下野工場並びに新ラインを増設した鹿沼工場では、製造・開発に向けた設備・インフラを整備充実いたしました。特に、下野工場では、実証実験、デモ及び研修の施設を設置いたしました。消防および民間企業の方々にご来場いただき、当社の防災事業全般へのご理解を通じ、当社の発展及び社会への貢献に役立ててまいります。

 

持続的収益力の強化

 当社グループは、これまで収益力の強化に努め、収益水準を継続して向上させて来ました。「テイセン2022」の計画期間中、連結営業利益及び連結経常利益の水準はそれぞれ40億円、50億円まで拡大しております。引き続き収益力の強化に取り組み、その水準をさらに引き上げてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、2「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当社経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が重要であると考えます。

① 連結営業利益、連結経常利益

 当社及び連結子会社の経営成績を把握する指標として、連結営業利益及び連結経常利益を重視しております。ただし、当社は大型案件の受注獲得有無及びその売上計上時期により業績が上下するため、単年度における利益額ではなく、3年程度の中期的なレンジでその水準を拡大させることを目指しております。「テイセン2025」では、「連結営業利益水準50億円以上、連結経常利益水準60億円以上」を数値目標として掲げております。

② 受注残

 当社のビジネスは受注先行型であり、前期末の受注残が、翌期の売上の先行指標として有用であり、かかる指標を重視しています。また、各々の事業分野で、毎期確実かつ安定的に受注残を確保することを目指しております。

③ 配当性向

 利益配分につきましては、収益に応じた配当を行うことを基本としつつ、企業体質の一層の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実を併せて図る方針としております。このような観点から、「テイセン2025」では、利益配分方針に関し、「配当性向40%程度」を数値目標として掲げております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりでありますが、リスクを不確実性と捉え、機会とリスクに分け記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

項目

機会(〇)とリスク(●)

主要な取組み

◎品質リスク

製品の欠陥

●品質クレーム・トラブルによる
信用失墜と市場の喪失

設計力向上と品証体制の充実等を対応、財務基盤の充実

◎コンプライアンスリスク

独占禁止法
下請法

会社法等

●法令違反等の場合、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・信用失墜

リスク管理体制強化と従業員への研修等により、コンプライアンスを徹底

市場リスク

消防等の予算・補助金

〇予算・補助金の増額

●予算・補助金の削減

必要不可欠な幅広い商材の提供・民需等への展開

法律・基準の改正等

○規制強化等により当社が新たな
市場を開拓できる可能性

●規制強化等に対応できないこと等による市場喪失の可能性

情報収集と高機能・高性能商材の提供

競合出現

●当社が優位な市場への他社参入

性能の向上等により優位性を確保

新商材・新技術

○新たな商材・技術による当社が新たな市場を開拓できる可能性

●新たな商材・技術による他社から当社優位市場が侵食される可能性

海外サプライヤーとの連携強化により、最先端の商材・技術を準備・提供する

災害

○新たな防災ニーズが顕在化
●社会的混乱、経済的損失

防災・減災に向けた商材の準備、財務基盤の充実

その他

為替

●為替変動による仕入価格上昇

為替予約にてリスク低減

主要原材料価格

●天候・需給関係による仕入価格上昇

販売価格への転嫁など

生産設備の被災

●水害・火災・地震等による被害

生産拠点の防災体制の強化、保険等の活用

サプライチェーン

●災害等によるサプライチェーンの毀損・寸断

情報交換、リスクへの協働
商材調達先の多角化・拡充

人材確保・育成

●人材確保の不調

○優秀な人材による事業の深化・拡大

人材獲得手法を多角化
社員教育の充実

特に重要なリスクについては、項目の前に◎を付しております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、海外渡航や海外からの入国が徐々に再開される中、企業活動も本格再開に向かいはじめました。その一方で、2月に勃発したウクライナ侵攻の長期化、為替の急激な円安や原材料価格高騰、なお一部に残る半導体供給不安、更には先行きのインフレ懸念など、不安材料は山積しており、経済の見通しは極めて不透明な状況が続いております。

 防災事業の分野では、新型コロナウイルス感染拡大の猛威により多くの人命が奪われ、パンデミックへの備えは人類が取り組むべき永続的なテーマであることが改めて認識されています。3月には、福島県沖を震源とするマグニチュード7クラス、最大震度6強の地震が発生し、東北新幹線での車両脱線事故をはじめ、甚大な被害をもたらしており、首都直下、南海トラフなどの巨大地震の脅威はますます高まっています。加えて、特に近年顕著となっている河川の氾濫や土砂災害が今年も各地で発生しており、毎年のように発生する豪雨や暴風は国民生活や企業活動に大きな混乱を生じさせています。かかる状況下、国は「流域治水プロジェクト」を立ち上げ、対策を加速させていますが、今後は市町村や民間を含む広範な対策が急務となっています。又、特殊災害の分野においても、世界各地で発生するテロにより多くの人命が奪われるなど、災害リスクの領域は広範なものとなっており、激甚化、多発化、多様化する各種災害に対する官民挙げての防災体制の確立がますます重要となっております。

 繊維事業の分野では、リネン(麻)につきましては、麻素材の市場定着が進む中、新型コロナウイルス感染拡大の影響から停滞していた市場が環境意識の高まりもあり、漸く反転の兆しを見せています。

 一方、耐熱、耐切創、高強力など優れた機能を特徴とする高機能繊維につきましては、防護服分野に加え、EV向けなど資材分野での新たな用途や市場の開拓、新規商材の開発を進めております。

 2020年度からスタートした第五次中期経営計画「帝国繊維(テイセン)2022」では、

≪ 先進的防災事業を確立・発展させ
       多発化・激甚化する自然災害・気候変動による脅威から
                     社会や事業の安心・安全を守る! ≫を目標に、

  1.大量送排水システムによる新たな市場開拓

    基幹産業のBCP対策、国土交通省・自治体による水害対策への貢献

  2.セキュリティビジネスの新たなフロンティアを切り拓く

    セキュリティビジネスにおける商材開発強化と空港を足掛かりとする市場拡大

  3.防災特殊車輌ビジネスの確立

    革新的な防災特殊車輌により、消防防災・産業防災の装備刷新・充実に貢献する

  4.当社事業の基盤である足元の事業を固め、一層磨き上げる

    消防ホース・防災車輌・資機材・防火衣等特殊被服の4事業分野で確固たる業界№1の地位を確保する

  5.消防ホース・防災車輌生産体制の刷新

  6.収益力の持続的強化を目指す

などのテーマを掲げ、グループ一丸となって取り組んでまいりました。

 

 この間、大量送排水システム(ハイドロサブシステム)分野では、原子力発電所、コンビナートなどの民間基幹産業のほか、国土交通省及び自治体などからの受注獲得に成功し、BCP対策及び水害対策で高い評価を獲得することができました。セキュリティビジネス分野では、コロナ禍による渡航制限などが実施された中にあっても、ロスプリベンション対策やテロ対策の必要性は高まり、爆物検知器やボディスキャナーなどの商材開発を強化し、セキュリティビジネスの強固な営業基盤を構築いたしました。さらに、ポンプ付救助工作車の開発をはじめ、消防ホース・防災車輌・資機材・防火衣等特殊被服の4事業分野でも市場でのプレゼンスはますます高まっております。

 生産体制については、ホース工場としての鹿沼工場に次ぐ第二の拠点として、2021年に防災車輌の製造拠点となる下野工場を新設いたしました。更に2022年には、防災特殊車輌の開発・製造拠点機能拡充のための設備新設(第Ⅱ期工事)を行いました。鹿沼工場でもホース生産新ラインの増設ならびに施設整備を進めており、今後の当社事業を支える生産体制の刷新・再構築に鋭意取り組んでおります。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ21億4千7百万円減少し、721億3千2百万円となりました。

 負債は、前連結会計年度末に比べ25億2千7百万円減少し、141億8百万円となりました。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ3億7千9百万円増加し、580億2千4百万円となりました。

 

(経営成績)

 当連結会計年度の売上高は299億4百万円(前期比9.4%減)、営業利益は44億5千9百万円(前期比9.2%減)、経常利益は52億9千6百万円(前期比7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億5千9百万円(前期比8.0%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 防災事業では、原子力発電関連の大型防災資機材や空港用化学消防車の売上が増加した一方で、救助工作車の売上が減少したことから、売上高は前期対比24億3千8百万円減少し、247億3千2百万円となりました。

 繊維事業では、官公庁向け繊維資材の売上が減少したことから、売上高は前期対比6億4千8百万円減少し、46億6百万円となりました。

 不動産賃貸事業・その他は、順調に推移しており、売上高で5億6千5百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、売上債権や棚卸資産の減少などにより、前期比94億2千7百万円増加し、94億4千6百万円となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の収入は、防災車輌工場及びホース工場への設備投資があった一方で、譲渡性預金が満期を迎えたことから、14億7千1百万円(前連結会計年度は46億1千5百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、短期借入金の返済や株式給付信託による自己株式の取得などにより、前期比26億5千5百万円増加し、28億5千2百万円となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期比80億6千5百万円増加し、151億6千9百万円となりました。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

防災(千円)

3,477,020

59.5

繊維(千円)

1,392,269

75.8

不動産賃貸(千円)

その他(千円)

合計(千円)

4,839,290

63.4

 (注)1.生産金額は製造原価にて記載しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には外注による生産実績を含んでおります。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

防災(千円)

14,783,113

92.5

11,100,556

99.8

繊維(千円)

2,237,031

137.2

1,576,040

127.8

不動産賃貸(千円)

その他(千円)

合計(千円)

17,020,145

96.6

12,676,597

102.6

 (注)金額は販売価額にて記載しております。

c.製品仕入実績

 当連結会計年度の製品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

防災(千円)

11,362,082

74.5

繊維(千円)

2,555,148

109.4

不動産賃貸(千円)

その他(千円)

合計(千円)

13,917,231

79.1

 (注)金額は仕入価額にて記載しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

防災(千円)

24,732,196

91.0

繊維(千円)

4,606,577

87.7

不動産賃貸(千円)

530,082

99.5

その他(千円)

35,802

103.5

合計(千円)

29,904,658

90.6

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

官公庁

9,538,343

28.9

8,545,302

28.6

合計

9,538,343

28.9

8,545,302

28.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度末における資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える会計上の見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性により、実際の結果は異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

  a.当連結会計年度の経営成績の分析

<連結経常利益>                                     (百万円)

 

2020年度

2021年度

2022年度

連結経常利益

4,865

5,693

5,296

 当社は過去5次にわたる中期経営計画(第五次中期経営計画を含む)において、収益力の持続的拡大に取り組んでまいりました。その結果、大口案件の有無により単年度での変動はあるものの、連結経常利益水準は増加傾向にあり、「帝国繊維(テイセン)2022」においても、連結経常利益水準50億円以上という数値目標を達成しております。また、2023年には、10年に亘り取組み、防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指す「テイセン未来創造計画」を策定いたしました。同計画では、当初3年間を第1フェーズと位置付け、第1フェーズにおける中期経営計画(「テイセン2025/未来への基盤作り」)を策定し、取り組むべき課題を掲げるとともに、数値目標(連結営業利益50億円以上、連結経常利益60億円以上、配当性向40%程度)を設定しております。「テイセン2025」に掲げる課題に取り組むことにより、収益基盤の更なる強化を目指します。

 

<売上>                                         (百万円)

セグメント

2020年度

2021年度

2022年度

防災

25,297

27,170

24,732

繊維

6,468

5,255

4,606

不動産賃貸他

566

567

565

32,332

32,993

29,904

 

<受注残>                                        (百万円)

セグメント

2020年度

2021年度

2022年度

防災

10,768

11,123

11,100

繊維

1,555

1,233

1,576

12,324

12,356

12,676

 

 <防災>

 2021年度末の受注残高は2020年度を若干上回る水準にありましたが、2021年度は民間企業向け大型防災資機材の受注・売上があり、同要因の剥落などにより、当連結会計年度の売上は減少いたしました。もっとも、2020年度からスタートした「帝国繊維(テイセン)2022」の期間中においては、大量送排水システム(ハイドロサブシステム)分野では、原子力発電所、コンビナートなどの民間基幹産業のほか、国土交通省及び自治体などからの受注獲得に成功し、BCP対策及び水害対策で高い評価を獲得することができました。セキュリティビジネスにおいては、コロナ禍により訪日外国人旅行客が大きく減少している状況下にあっても、ロスプリベンション対策やテロ対策の必要性は高まっており、当社グループでは爆物検知器やボディスキャナーなどの商材開発を強化し、セキュリティビジネスの強固な営業基盤を構築いたしました。

<繊維>

 官公庁向け繊維資材の売上が減少したことから、当連結会計年度における売上高は減少しました。リネン(麻)につきましては、麻素材の市場定着が進む中、新型コロナウイルス感染拡大の影響から停滞していた市場が環境意識の高まりもあり、漸く反転の兆しを見せています。耐熱、耐切創、高強力など優れた機能を特徴とする高機能繊維につきましては、防護服分野に加え、EV向けなど資材分野での新たな用途や市場の開拓、新規商材の開発を進めております。

 

 b.当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の財政状態を概観いたしますと、総資産は、現金及び預金や有形固定資産が増加した一方で、売上債権や有価証券が減少したことから、前連結会計年度末対比21億4千7百万円減少し、721億3千2百万円となりました。

 負債は、仕入債務や短期借入金が減少したことから、前連結会計年度末対比25億2千7百万円減少し、141億8百万円となりました。

 純資産は、保有上場株式の含み益が減少した一方で、利益剰余金が増加したことから、前連結会計年度末対比3億7千9百万円増加し、580億2千4百万円となりました。この結果、自己資本比率は79.9%となりました。

 

 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部  企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

<キャッシュ・フロー>                               (百万円)

区分

2020年度

2021年度

2022年度

営業活動

6,099

19

9,446

投資活動

△4,208

△4,615

1,471

財務活動

△1,156

△197

△2,852

734

△4,793

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 当連結会計年度における営業活動による資金収入は、94億4千6百万円となりましたが、これは売上債権や棚卸資産の減少などによるものです。
 投資活動による資金の収入は、14億7千1百万円となりましたが、防災車輌工場及びホース工場への設備投資があった一方で、譲渡性預金が満期を迎えたことによるものです。
 財務活動による資金の支出は、28億5千2百万円となりましたが、これは短期借入金の返済や株式給付信託による自己株式の取得などによるものです。

 

 当社グループの運転資金及び投資資金は、営業活動によって生み出される自己資金を原資としております。

様々なリスクへの対処及び将来の事業展開への備えとして資金の確保により財務基盤の安定に努め、同時に収益に応じた配当を継続的に実施しつつ、中長期的な視点で時期を見極めた上で必要とされる投資活動を実施してまいります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 大垣再開発地区

        以下のとおり事業用借地権設定契約を締結しております。

契約者    三菱UFJリース㈱

内容     スポーツ施設敷地の賃貸

契約期間   20年間(2004年11月1日~2024年10月31日)

契約年月日  2004年10月25日

契約者    イオンタウン㈱

内容     商業用施設敷地の賃貸

契約期間   20年間(2005年7月26日~2025年7月25日)

契約年月日  2005年7月25日

契約者    ㈱コロナ

内容     アミューズメント施設敷地の賃貸

契約期間   20年間(2005年12月17日~2025年12月16日)

契約年月日  2005年12月13日

 鹿沼再開発地区

     以下のとおり賃貸借契約を締結しております。

      契約者    アークランズ㈱

      内容     商業用建物の賃貸

      契約期間   20年間(2008年3月6日~2028年3月5日)

      契約年月日  2008年3月6日

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、当社防災開発部および生産技術部を中心に各営業・生産部署(いずれも関係会社を含む)との連携のもとに、新製品・新商品の開発を進めると共に、中長期事業戦略に係る技術開発に取り組んでおり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は104百万円であります。

 当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発の目的、主要課題、研究開発成果および研究開発費用は次のとおりであります。

(1)防災

 当社の主力商品であるホース商材については、加工設備の更新ならびに効率生産に向けた装置の研究開発、次期操法用ホースの開発など、当社独自の研究開発を引き続き進めております。また、危機管理システム等については、内外の有力提携先と共同で新商品の研究および開発を継続的に行っております。

 当連結会計年度においては、消防ホースでは、受注システムの改善、工程管理および生産管理システムの安定化・効率化を進めてまいりました。また、消防用途以外へのホースの製品展開を図るべく、国内企業との研究開発を行っております。

 防災機材では、海外の新規高度救助機材やテロ対策用検査機器の商品化を、また防災被服では、高機能防護服の開発と新型防火衣の製造工程に関わる改善・改良を引き続き進めております。

 当セグメントに係る研究開発費は92百万円であります。

(2)繊維

 高機能繊維については、用途開発を背景に、製造・加工技術をもって優れた素材特性を更に高めることで、各種特殊防護用製品の開発を進めております。

 当セグメントに係る研究開発費は12百万円であります。