文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、新経営理念「光を究め、感動と安心を創造し、心豊かな社会の実現に貢献します。」のもと、あらゆるステークホルダーとの良好な関係を築き、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
2023年12月期を最終年度とする中期経営計画「Vision23」を掲げており、その目標とする経営指標は以下のとおりです。
①売上高 610億円
②営業利益 70億円 (営業利益率11.5%)
③ROE 9%以上
(3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の経営環境は、政治情勢や金融市場、為替相場の変動等の不確実性に加えて、新型コロナウイルス感染症が収束に至っておらず、その長期化懸念もあることから、先行き不透明な状況が続くと思われます。
このような状況の中、当社グループは、以下に掲げる中長期的な成長戦略により経営基盤を強化し、持続的な発展・成長を実現してまいります。
①既存事業のグローバル展開を加速させ、アジア市場の強化を最優先に新興国市場の需要の取り込み、収益性の向上を図り、事業基盤を強化する。
②マーケティング力・商品企画力・営業力を強化し、市場動向・ユーザー目線に応える顧客が立った感動する商品を提供し、市場毎に応じた販売戦略で、シェア向上を始めとした事業拡大を図る。
③既存事業の拡大に加え、SDGsの理念に則し「社会の課題解決」に目を向けたマーケティングの強化、M&A含む共創により、新規事業創出を強化する。
④激しい外部環境変化に対応するため、中国の開発体制を強化し、開発から量産までのリードタイムの短縮を図り、市場毎の顧客ニーズに応じた新製品をタイムリーに提供する。
⑤効率的な生産の世界3極体制を構築し、第4次産業革命を念頭にスマートファクトリー化による自動化・省力化・省人化等による更なる生産効率向上・原価低減を推進する。
⑥当社のコア技術である光学技術を中心とした要素技術開発に加え、新たな技術領域での研究開発、共創等水平分業(産学官連携含む)にも注力する。
⑦戦略・戦術の実効性を向上すべくコーポレート・ガバナンスを強化し、持続的成長を実現する。
⑧ワークライフバランスの向上、ダイバーシティの推進、人材育成を図り、全社員が最大限の能力を発揮できる職場環境を整備する。
⑨持続可能な地球環境の実現に貢献するため、気候変動対策として温室効果ガスを削減するとともに、資源循環を推進する。
これらにより、中核事業である写真分野では、当社グループの収益基盤の柱として高収益体質を維持しつつ、堅調なミラーレスカメラ市場への注力を加速させ、ラインナップ強化によるシェア向上を図ってまいります。
また、成長の芽が着実に育ってきた監視やFA分野を第2の柱として位置づけ、監視分野では中国市場向けを強化し、当社として成長余地の高いFA分野では新規技術と顧客開拓により強化してまいります。同時に、売上成長だけでなく利益成長を実現するフェーズにステップアップさせてまいります。
そして、車載やドローン、医療分野を次世代の柱へと本格的に立ち上げると共に、これらの周辺市場、更には新規領域への展開・参入を図ってまいります。
(4)その他、会社の経営上重要な事項
該当事項はありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染拡大のリスク
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、当社グループにおきましては、緊急事態対応規定に則り、当社グループの従業員やその家族、その他ステークホルダーの健康と安全を第一に、社会やお客様のニーズにお応えする製品・サービスの提供の継続に努め、業績への影響を最小化すべく対応を図っております。
引き続き、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が収束せず、当社の事業活動に係る生産体制、物流体制、営業活動に支障が生じた場合、または人的被害が拡大した場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの顕在化及びその影響をする可能性を最小化するため、従業員その他のステークホルダーの安全を確保するため、体温確認などの健康管理、手指消毒、Web会議の導入等、日頃の感染予防対策を徹底するとともに、政府や地域行政の要請等を踏まえた不要不急の出張制限や時差出勤、在宅勤務等の対応、テレワーク環境の整備やリモートでの製品開発体制の構築等を推進し、事業活動への影響の低減を図っております。
(2)デジタルカメラ業界の市場環境におけるリスク
スマートフォンカメラの性能向上と写真撮影の手軽さにより、スマートフォン市場が全世界的に拡大していること等により、デジタルカメラ市場は縮小傾向が続いており、それに伴い当社の主要製品である交換レンズ市場も縮小傾向が続いています。今後もスマートフォンカメラとの比較等において、デジタルカメラが優位性を訴求できない場合、市場縮小が進み、結果として、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、ミラーレスカメラへとシフトする市場環境を考慮し、ミラーレスカメラ用の交換レンズの新製品投入を積極的に進めております。
(3)需要に合わせた生産・販売ができないことによるリスク
製品供給が実際の需要を超過する場合、過剰在庫となり、それにより値下げや資金効率の低下を引き起こし、収益の減少につながる可能性があります。一方で、実際の製品需要が当社の供給を超過する場合、全ての注文に対応ができないことで、結果として売上の機会損失をもたらし、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、全社横断による在庫状況、見通しに関する会議を定期的に開催し、適正な在庫管理に努めております。
(4)自然災害などによるリスク
大地震・火災・洪水等の自然災害の発生により、当社グループの開発・製造拠点並びに調達先等に壊滅的な損害が生じた場合、操業が中断し、生産や出荷に遅延が生じるおそれがあります。これにより、売上高が減少し、事業の復旧に多大な費用が生じた場合、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、国内外における事業継続計画(BCP)による対応とその継続的改善を行っております。
(5)気候変動に関するリスク
気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社グループにとって重要な課題であると認識し、対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下の移行リスクと物理的リスクが顕在化する可能性があります。
(移行リスク)
炭素税負担と再生可能エネルギー購入による費用増加や、脱炭素社会への想定外の急速な移行に対応できず、企業ブランドが棄損され、当社グループの企業価値の低下を招く可能性があります。
(物理的リスク)
異常気象による原材料の高騰や異常気象による罹災への対処が遅れ工場操業停止やサプライチェーンの寸断による製品サービス供給停止が起こることで、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、2050年までのCO₂排出量ゼロ等を掲げた「環境ビジョン2050」を策定し、気候変動対策に取り組んでおります。
(6)写真関連事業への依存へのリスク
当社グループは、写真関連事業の売上高構成比が約72%(2022年12月期)を占めており、デジタルカメラ用交換レンズ市場の変動が、大きく経営成績に影響を及ぼします。特に昨今のデジタルカメラ市場及びデジタルカメラ用交換レンズ市場の縮小は、結果として、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、監視カメラや車載カメラ等の産業向けでの事業拡大、医療等の新規分野への事業展開を進めております。
(7)特定顧客への依存リスク
当社グループは、ソニーグループ各社に対する売上高が連結売上高の約20%(2022年12月期)を占めております。従って同社グループの戦略・方針の変更及び取引関係等に変更が生じた場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、その他顧客とのパートナーシップ強化、新規顧客開拓を進めております。
(8)特定の仕入先への依存リスク
当社グループは、多数の外部の取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、特に硝子材料につきましては、限られた取引先に依存しております。これら原材料、部品等が、何らかの理由により当社グループが計画していた数量や価格で入手できず、予定していた数量の生産ができない場合等には、得意先への納品責任を果たせなくなる可能性があり、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、複数購買や代替調達先候補の把握、設計変更等による代替措置の早期実施等を図っております。
(9)カメラとのアンマッチングによる不具合発生リスク
当社デジタルカメラ用交換レンズは十分な品質保証検査を実施し、出荷を行っていますが、各カメラメーカーの新製品モデルの内蔵する規格の変更等によりカメラの一部機能が動作しない場合があります。その場合、購入を見送る顧客が増えることで、売上の機会損失をもたらし、当社グループの業績の変動要因となる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、品質保証検査の更なる充実、出荷済み製品に対してはファームアップ等の書き換えを無償サービスで行う等の対応をしております。
(10)新規事業についてのリスク
当社グループは、新規事業の育成・拡大を図っていく方針ですが、価格競争の激化、急速な技術革新、市場ニーズの急激な変化等により新規事業の縮小や撤退を決断した場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、社内リソースの柔軟なシフト、社外リソースの効率的活用を行っております。
(11)技術革新等による影響リスク
当社グループの事業分野においては、新しい光学技術が急速に発展していますが、技術革新を継続的に進め、製品に適用することは、当社の成長のために不可欠です。そのため、研究開発に対する多大な努力が必要となりますが、当社グループの先端技術の開発又は製品への適用が予定どおり進展しなかった場合は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、中長期的な技術ロードマップに基づく技術開発、オープンイノベーションの推進等を図っております。
(12)業務提携及び企業買収に関連するリスク
当社グループの成長のための施策として、業務提携を始めとした様々な形態で、他社との関係を構築しております。また事業拡大を目的として企業買収も検討しております。しかし、景気動向の悪化や、対象会社もしくはパートナーの業績不振により、期待していた事業拡大を実現できない可能性があります。また、有力な提携先との提携が解消になった場合、事業計画に支障をきたし、投資に対する回収が遅れる可能性が生じることや、回収可能性が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、業務提携等の実施前における戦略や事業計画の整合性や妥当性に加え、投資内容や潜在リスク等、様々な視点での検証を行い、実施後も定期的な評価による進捗管理と早期課題解決に努めております。
(13)製品の欠陥リスク
当社グループは、高度な品質保証体制を構築しておりますが、万一、大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合には、多額の費用の発生あるいは当社グループの信用低下等を招き、それらが当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、品質保証体制の継続的な強化、品質不良発生時の対策と流出防止の徹底を図っております。
(14)優秀な人材の確保と主要な知識の流出リスク
当社グループは、レンズ加工での特殊技能などの高度な技術及び能力を有する社員によって支えられていますが、これらの主要な人材が退職し、その知識・ノウハウが社外に流出する可能性があります。また、有能な人材を採用・育成し、実力ある従業員の雇用の維持を図ることが当社の将来の経営成績に影響してくると考えておりますが、有能な人材を採用・育成できず、また有能な人材の流出が生じた場合、開発や生産の遅れなどをもたらし、主要な知識・ノウハウが流出するリスクが発生します。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、職種別採用制度、役割等級制度、社内公募制度等の人事制度の充実、ワークライフバランスやダイバーシティの推進による働きやすい職場環境の整備、健康経営の推進等を図っております。
(15)情報の流出リスク
当社グループは、技術情報等の重要な情報や取引先の企業情報並びに多くの顧客又はその他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報へのセキュリティレベルの向上を図るとともに、情報取り扱いに関する社内規程の整備、従業員教育等を実施しております。しかしながら、情報への安全対策に努めているものの、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃やインフラの障害、天災などによって、個人情報や技術情報の漏洩などが発生する可能性があります。このような事態が起きた場合、当社グループの企業価値を毀損する可能性があり、また企業情報及び個人情報が流出した場合には、当社グループの信頼を毀損するだけでなく、流出の影響を受けた取引先、顧客、従業員又はその他関係者から損害賠償を請求される可能性があります。そのような場合、対象企業や個人への補償、再発防止措置の実施等が必要になり、そのために多大なコストを要し、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、情報セキュリティ体制の構築、情報セキュリティポリシーに基づく情報管理を行っております。
(16)為替レートの変動リスク
当社グループは、当社と海外子会社間の取引を外貨建てで行っているほか、国内外の取引先との取引も一部外貨建てで行っているため、為替レートの変動が当社グループの製品の海外市場における競争力、輸出採算、業績等に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、為替予約等によるリスクヘッジを実施し対処しております。
(17)知的財産に関連するリスク
当社グループが、第三者との間に知的財産を巡って紛争が生じた場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、知的財産権に関する権利の確保やトラブル回避のため、調査・交渉・申請等の必要な対応を行っております。
(18)法規制に関連するリスク
当社グループの事業は、国内外の各種法令、行政による許認可や規制等に関連しており、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、コンプライアンス委員会における方針の決定と推進等により法令遵守に努めております。
(19)減損損失リスク
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により減損損失が発生し、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、有形・無形固定資産について、減損の兆候判定と減損損失の認識及び測定を行うための手続きを整備・運用するとともに、投資時の投資回収性等の検証やその後の定期的なモニタリングを通じた早期兆候把握に努めております。
(20)その他のリスク
上記以外でも、当社グループは企業活動の多くを日本国外で行っており、それら事業展開している国や地域で、予期しない不利な政治又は経済要因の発生、不利な影響を及ぼす税制又は税率の変更、テロ・戦争・自然災害・伝染病・その他の要因による社会的混乱等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、グローバルな政治・社会・経済情勢を定常的にモニタリングし、企業活動への影響の把握・分析に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社グループは、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、2022年12月期連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前期増減率は記載しておりません。
当連結会計年度における世界経済を概観しますと、足元では半導体不足に緩和の動きが見られるものの、昨年来の資源高や半導体不足の影響に加え、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、エネルギー供給不安、サプライチェーンの混乱、高インフレおよびそれに伴う急激な利上げなどにより不透明感が続く状況となりました。一方で、ゼロコロナ政策下にあった中国を除き、新型コロナウイルスの影響には低下がみられました。
米国は個人消費の堅調さにより底堅く推移したものの、高インフレが続く中、政策金利の利上げが進み、設備投資の減速や住宅投資も減少し、景気の後退懸念が強まりました。欧州はロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴い、高インフレやエネルギー供給への懸念が企業活動や個人消費に影響し、停滞感の強い状況が継続しました。中国は厳格なゼロコロナ政策による消費の抑制や生産および物流等への悪影響が景気を下押しし、不動産不況の影響もあり成長率が大きく減速しました。日本は半導体不足による自動車減産、資源高と円安による海外への所得流出などにより経済活動の停滞感がみられたものの、緩やかな持ち直し基調で推移しました。
当社グループ関連市場では、レンズ交換式カメラ市場は前期に比べて数量ベースでは11%増、金額ベースでは円安効果もあり47%増の大幅増加となりました。内訳としては、一眼レフカメラが数量ベース、金額ベースともに減少となりましたが、ミラーレスカメラは数量ベースで31%増、金額ベースでは61%増と大幅増加となり好調に推移しました。交換レンズは、前期に比べて数量ベースでは2%増、高付加価値品への需要の継続により金額ベースでは29%増となりました。
平均為替レートにつきましては、前期比で米ドルは約22円の円安、ユーロは約8円の円安と大幅な円安基調が継続しました。
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、主力の写真関連事業と第2の柱と位置付ける監視&FA関連事業、更には注力分野の車載カメラ用レンズの販売が好調に推移し、円安進行によるプラス影響もあったことから、売上高は634億45百万円となりました。
利益面につきましては、売上総利益率の高い写真関連事業の販売が好調に推移したことや、原価低減に注力した効果等による売上総利益率の向上により、営業利益は110億38百万円、経常利益は114億96百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は83億50百万円となりました。
営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の各利益において過去最高を大幅に更新することができました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(写真関連事業)
自社ブランド製品は、2021年下期に発売した高倍率ズームレンズ 18-300mm F/3.5-6.3 VC VXD (B061)、大口径望遠ズームレンズ 35-150mm F/2-2.8 VXD (A058)、大口径標準ズームレンズ28-75mm F/2.8 VXD G2 (A063)等が業績を牽引いたしました。また2022年に発売した富士フイルムXマウント用大口径標準ズームレンズ 17-70mm F/2.8 VC RXD (B070)、超望遠ズームレンズ 50-400mm F/4.5-6.3 VC VXD (A067)等の新製品も業績に貢献し、ミラーレスカメラ用交換レンズの販売が好調に推移いたしました。なお、ソニーEマウント用、富士フイルムXマウント用に続き、当社初のニコンZマウント用レンズも投入し、対応マウントの拡充も図りました。OEMは、一部生産調整の影響がありましたが、堅調に推移いたしました。
このような結果、写真関連事業の売上高は455億19百万円、営業利益は111億58百万円となりました。
(監視&FA関連事業)
監視やFA/マシンビジョン用レンズは、中国市場ではゼロコロナ政策の長期化により開発の停滞や販売の低迷が生じましたが、先進国における販売が好調に推移し、高解像度かつコンパクトなマシンビジョン用単焦点レンズシリーズの発売等、多様化する用途に応じたラインナップ強化を図りました。またコロナ禍で需要低迷が継続していたTV会議用レンズも回復をみせ、増収に転じました。
このような結果、監視&FA関連事業の売上高は112億36百万円、営業利益は13億99百万円となりました。
(モビリティ&ヘルスケア、その他事業)
車載カメラ用レンズは、半導体不足等の影響もありましたが、急速に進む安全運転支援システム(ADAS)の普及による旺盛な需要を背景にセンシング用途を中心に好調を維持しました。一方でコンパクトデジタルカメラ用やビデオカメラ用レンズ、ドローン用レンズは市場の縮小や既存製品の伸び悩み等の影響を受けました。また、医療分野では、極小径レンズや薄膜技術等の開発、協業パートナーの開拓及び関係強化等、今後の事業拡大に向けた取り組みに引き続き注力いたしました。
このような結果、モビリティ&ヘルスケア、その他事業の売上高は66億89百万円、営業利益は10億61百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ41億16百万円増加し、299億48百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が114億96百万円、減価償却費が29億57百万円、売上債権の減少額が5億26百万円となったこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは92億32百万円の収入(前連結会計年度は86億60百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の取得による支出が5億56百万円、有形固定資産の取得による支出が30億80百万円となったこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは38億65百万円の支出(前連結会計年度は37億80百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払額が18億37百万円、長期借入金の返済による支出が2億29百万円であったこと等により、財務活動によるキャッシュ・フローは20億44百万円の支出(前連結会計年度は12億50百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
写真関連事業 |
46,260 |
106.8 |
|
監視&FA関連事業 |
11,412 |
117.2 |
|
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
7,536 |
106.2 |
|
計 |
65,209 |
108.4 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
写真関連事業 |
- |
- |
- |
- |
|
監視&FA関連事業 |
- |
- |
- |
- |
|
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
804 |
99.9 |
92 |
113.6 |
|
計 |
804 |
99.9 |
92 |
113.6 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
写真関連事業 |
45,519 |
108.4 |
|
監視&FA関連事業 |
11,236 |
120.0 |
|
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
6,689 |
108.3 |
|
計 |
63,445 |
110.3 |
(注)主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
Sony Electronics Operations (China) Limited |
7,909 |
13.7 |
7,905 |
12.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債及び収益・費用の計上等に関連しての種々の見積りを行っております。この見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、553億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億8百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が41億50百万円増加し、製品が19億20百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、202億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億82百万円増加いたしました。これは主に、投資その他の資産が9億73百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、126億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億35百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が5億37百万円増加し、買掛金が12億6百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、22億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億17百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る負債が2億12百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は605億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ80億37百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が83億50百万円、円安が進み為替換算調整勘定が17億1百万円増加したことによるものであります。
2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、主に写真関連事業が増収となったことにより、前連結会計年度に比べ59億6百万円増加し、634億45百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、過去最高の40%にまで売上総利益率が改善したことにより、前連結会計年度に比べ44億16百万円増加し、276億23百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度に比べ36億29百万円増加し、110億38百万円となりました。
(営業外収益及び費用)
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益を2億15百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ3億91百万円増加し、7億93百万円となりました。
当連結会計年度の営業外費用は、固定資産除却損を1億30百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ56百万円増加し、3億34百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、経常利益が39億65百万円増加したこと等により、前連結会計年度に比べ40億77百万円増加し、114億96百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ31億77百万円増加し、83億50百万円となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2023年12月期を最終年度とする中期経営計画「Vision23」として、売上高は2020年12月期比で約25%増の610億円を目指し、営業利益はここ10年間で最も高い2019年12月期を上回り、再びコロナ影響前の高収益体質へとV字回復を図る70億円を目指し、2021年から新たにスタートいたしました。
1年目の2021年12月期において、利益面は中期経営計画を達成し、コロナ影響前の高収益体質へと早期にV字回復を果たすことができました。そして、2年目の2022年12月期では、2021年12月期で実現した高収益体質も維持しつつ、成長/育成分野の監視&FA関連事業や、モビリティ&ヘルスケア、その他事業での売上高拡大を図り、売上高においても中期計画の1年前倒し達成を目指してスタートいたしました。
結果として、円安進行の影響もありますが、主力事業、成長/育成分野ともに売上高を拡大したことで、全ての面で中期経営計画を1年前倒しで達成すると共に、営業利益は中期経営計画の約1.6倍、営業利益率15%以上にまで達することができました。
なお、最終年度においては、その達成に満足することなく、新たに中期経営計画を大きく上回る、2015年12月期以来となる売上高700億円への到達、全ての利益段階で増益となる営業利益115億円を計画し、更なる高みを目指してまいります。
4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。
5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ておりますが、必要な営業活動や設備投資に備えるために、自己資金の他に金融機関からの借入により資金調達を実施しております。借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達であり短期借入金、長期借入金とも安定的な資金調達ができております。また、今後の設備投資については、量産金型、レンズ生産設備等への設備投資を実施する予定ですがこれら投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により調達する予定であります。
6)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、光学開発センター及びR&D技術センターが研究開発、光学開発技術、レンズ加工技術、コーティング/フィルタ技術、アクチュエータ技術、樹脂成形/金型技術といった基幹となる各要素技術の開発を行い、製品開発については各事業本部の技術部門が行っております。
当連結会計年度における研究開発費は
(写真関連事業)
写真関連事業では、自社ブランド製品において、富士フイルムXマウント用大口径標準ズームレンズ 17-70mm F/2.8 VC RXD (B070)、超望遠ズームレンズ 50-400mm F/4.5-6.3 VC VXD (A067)等の新製品を製品化し、ミラーレスカメラ用交換レンズのラインナップを強化いたしました。なお、ソニーEマウント用、富士フイルムXマウント用に続き、当社初のニコンZマウント用レンズも製品化し、対応マウントの拡充も図りました。このような結果、当事業に係る研究開発費は
(監視&FA関連事業)
監視&FA関連事業では、都市監視も含めた旺盛なセキュリティ需要、製造業の高度化・効率化推進による底堅いFA/マシンビジョン等の需要等を見据え、様々な用途での高画素等のニーズに対応すべく、各種レンズの開発を行い、カメラモジュールの開発も進めました。このような結果、当事業に係る研究開発費は
(モビリティ&ヘルスケア、その他事業)
モビリティ&ヘルスケア、その他事業では、高い市場成長が今後も見込まれる車載用レンズにおいて、特に需要が見込まれるセンシング用途のレンズ開発に注力すると共に、今後の事業拡大を目指す医療分野での要素技術や製品開発を進めました。このような結果、当事業に係る研究開発費は