第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは創業来「プロジェクト型社会の創出」を理念に掲げております。当社グループの考え方として、日本社会そのものが高度成長期に作られた右肩上がりの経済体制、及び第2次産業を中心とした産業体制を前提とし、仕事を細かく分業し、目の前のタスクを捌くことを最優先事項と考える「タスク型」の仕事の進め方が中心になっていることが、日本社会を停滞させる大きな問題であると捉えています。当社グループは「タスク型」の社会を「プロジェクト型」に変革し、プロジェクトごとのミッションに基づいてチームが集まり、そのミッションを実現するという社会像を実現することを企業理念としております。

この理念の実現に向けて、まずは日本企業のDXを支援、促進することで、日本企業の競争力を向上させて、理念の実現に近づいていきたいと考えております。

経営の基本方針と致しましては、会社は従業員や株主、取引先といった全てのステークホルダーに対し、企業のゴーイングコンサーンを前提として継続的に価値を提供し、雇用を創出することが使命であると考えております。そのためには、安定した、積み上げ型の売上の創出と、細かい費用科目への見開き及び正しく長期的な視野に立ったコストカット、顧客への密接なフォローアップを継続的に行っていることが、基本的でありながら、最も重要な要素であると考えています。

当社グループの創業来の継続的な成長は、特定の技術の優位や、マーケットの爆発的な成長等の一時的な要因によってもたらされたわけではなく、基本的な経営の原理原則をしっかりと守って経営していくという点に拠って立ったものと考えております。したがって、引き続きこのような経営方針を守り、進化させていくことで継続的な事業拡大を実現したいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループはベンチャー企業であることから、まずは売上高を前年対比で大きく成長することを目標としています。

また、当社グループはプロダクト型の企業ではないため、毎年安定的に利益を生み出す形で営業キャッシュ・フローを再投資して事業を拡大することを目指しております。そのため、売上高成長率の次に重視する指標は、営業利益額としております。

 

 

(3) 経営環境

当社グループが属するデジタルトランスフォーメーション市場は拡大基調の市場であり、国内のDX関連投資額は2019年から2030年まで年平均成長率13%で増加していき、結果2030年には約3兆円の市場規模となると予測されております(㈱富士キメラ総研『2020デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』)。拡大を後押しする要因として、①日本企業の構造的課題による生産性の低さ、②政府によるDXの後押し、③新型コロナウイルス感染症の流行によるニューノーマルの常態化があげられます。①は2014年の『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』(経済産業省公表。通称『伊藤レポート』)で問題提起が行われ、2015年の㈱東京証券取引所によるコーポレートガバナンス・コード制定によって上場企業における持続的成長と中長期的な企業価値向上のための実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則が明記されました。また、2018年の『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』(経済産業省公表)により、さらにDX推進の機運が高まっており、DXが経営上の課題だと認識している企業からの当社グループへの引き合いも堅調に推移していると実感しております。日本市場については、日本企業の生産性の問題が指摘されているとはいえGDP上位の市場であり、その中でもDXに向けた予算については市場の拡大とともに増加していくと予想され、市場としては魅力的であると考えております。さらに、②の政府による後押しでは、デジタル庁の新設や経済産業省によるDX銘柄及びDX注目企業の選定等、国をあげて制度設計を行い、DX推進を後押ししている状況です。③新型コロナウイルス感染症の流行は、当初、顧客である日本企業の業績が悪化するという観点から、当社グループの業績にもネガティブな影響があるのではないかと警戒しておりました。結果的には、新型コロナウイルス感染症が業務のデジタル化を促進するなど、ニューノーマルへの対応という観点でDX市場の拡大要因となり、当社グループ業績に対してもポジティブな影響をもたらしたと判断しております。

 

(4) 会社経営の基本戦略

当社グループの基本戦略として、まずは、成長市場であるデジタルトランスフォーメーション市場に注力することを前提としています。DX市場に注力する理由としては、DX市場が長期的視点に立っても、一定の成長が見込まれる市場であるという点であります。DX市場の成長を後押しする要因として、①日本企業の構造的課題による生産性の低さ、②政府によるDXの後押し、③新型コロナウイルス感染症の流行によるニューノーマルの常態化が挙げられると考えます。特に①については『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』(経済産業省公表。通称『伊藤レポート』)でも指摘されて以来、長期的に日本企業の課題として捉えられてきています。生産性の低下が指摘されているとはいえ、日本の大手企業は世界的にもある程度の規模であり、そのポテンシャルを鑑みると、デジタル変革による成長余地があるものと考えております。したがって、まず当社が注力する市場は、日本の大手企業に向けたDXソリューションの提供と考えております。

上記の市場に注力するということを前提とした上で、サービス提供体制をより一層強化するということが当社グループの基本戦略ということになります。顧客におけるDX予算というものはある程度枠が定まっている性質のものであるため、その中で顧客内シェアを獲得していくことが戦略的に重要であると考え、当社グループとしては、プロセス/領域ごとに異なるサービスを都度導入する専門サービス指向型ではなく、異なるプロセス/領域においてもワンストップでのサービスを導入する総合サービス指向型の企業を顧客ターゲット層と捉え、DX領域において一気通貫での支援を行うことにより顧客当たりのLTVを高めていくことを目指しております。例えばマーケティングの領域においては、これまで外注していたデータ分析やSEOの領域について内製化して一気通貫支援体制を強化していくことを検討しております。また、コンサルティング領域においても、AIやブロックチェーンなど最新技術を活用したプロジェクトを積極的に支援していくことを検討しております。このような基本戦略のもと、売上高100億円以上の顧客についての受注継続率及びストック売上高比率について特に重視し、現在の水準を維持することを目標とし、可能であれば徐々に切り上げていくことも目指したいと考えております。

また、継続的な事業運営を実現するに際しては、研修を通じたマネージャー育成や、パートナーの拡充等ストック型ビジネスに適応した体制構築を進めていく方針であります。

 

 

(5) 会社の対処すべき課題

① 優秀な人材の採用と育成

デジタルトランスフォーメーション事業を推進するにあたって、顧客をリードできる優秀な人材の獲得が重要な要素かつボトルネックとなりやすいため、常に当社グループの課題であると認識しております。

② サービス強化のための事業開発

当社グループの既存の強みは一気通貫でのDX化支援サービスだと認識しており、今後も一層の強化を図るべく事業開発を進めていく必要があると考えます。具体的には、これまで効率性の観点から外注していた領域の内製化や、今後生まれる新たなテクノロジーを企業に導入する支援体制の構築等を想定しております。

③ 共同参画パートナーのネットワーク拡充

当社グループは、全ての案件について社内人材だけで対応するのではなく、状況に応じてコンサルティングファーム出身者や新規事業立ち上げ経験者など幅広い層のパートナーに案件へ共同参画いただいております。今後、協働参画パートナーのネットワークの一層の拡充に取り組むことで、案件受注状況に応じて機動的に人材を投入できる組織体制を構築してまいります。

④ 社内ノウハウの形式知化

当社グループは、創業以来クライアントである日本企業のDX実現を支援してきたことで、プロジェクトマネジメントなどの豊富なノウハウを蓄積してきたと認識しております。これらのノウハウを形式知化して社内に浸透させることで、社内の人材レベルの平準化、及びサービス品質の向上を実現することを目指します。

⑤ 内部管理体制の強化

当社グループは創業以来、継続的かつ急速な成長を遂げてまいりました。企業成長に必要な内部管理体制を整備していると考えておりますが、今後更なる拡大のためにも、継続的な内部管理体制の強化、内部統制やコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。

なお、文中に記載している将来に関する事項は、本報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

・他社との競合、法的規制

当社グループが従事するDXについては歴史が浅く、参入企業が増加の途上にあると当社グループは認識しております。今後、当社サービスが十分な差別化を行えなかった場合や、更なる新規参入により競争が激化する場合には、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、現時点で当社グループの事業に重要な影響を与える法的規制はありませんが、目まぐるしく進展するデジタルトランスフォーメーション市場において、新たな法令等が制定される、あるいは既存法令が改正されるなどの場合には当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。当社グループとしては、サービス多角化によるポートフォリオの構築、成長分野への人員配置転換、顧問弁護士と連携した法令改正動向のモニタリング、及び必要に応じてサービス内容を再検討するなどの対応策を準備することにより、リスクの軽減を図っております。

 

・技術革新、仕様変更

デジタルトランスフォーメーション市場においては、急速な技術変化に伴い、顧客のニーズも日々変化をしています。当社グループでは絶え間ない技術革新に対応するため従業員による新技術・情報へのキャッチアップを行っていますが、新技術への対応が遅れた場合には当社グループの競争力が低下し、当社グループ業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。当社グループとしては、必要に応じて新たなテクノロジーを企業に導入する支援体制を構築するなどの対応策を準備することにより、リスクの軽減を図っております。

 

・新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響について

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行について、当社グループにおいては、現状において業績その他に重要な影響はないものの、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、今後更なる感染拡大により顧客の企業活動が停滞した場合に、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の流行による顧客企業のDX化ニーズ拡大は、これまでのところ当社グループ業績に追い風となっていると判断していることから、業績悪化のリスクがすぐに顕在化する可能性は低いと認識しております。

 

・季節変動

当社グループが支援をしている顧客は、予算消化が各顧客の主な決算期末に集中する傾向があります。このことから当社グループの業績は、各顧客の決算期末における予算消化の状況に影響を受けやすい傾向にあり、特に顧客の年度決算期末が集中する3月は影響が大きく、顧客の予算状況に応じて、業績変動が生じる可能性があります。対応策として、顧客予算の消化状況のヒアリング、過去受注実績からの予測などによって、可能な限り季節変動を織り込んだ受注計画を策定しております。

これまでのところ、顧客の年度末の予算状況に応じた追加受注で業績が上振れる傾向にあることから、業績悪化のリスクがすぐに顕在化する可能性は低いと認識しております。

 

(2) 事業内容に関するリスク

・品質悪化による善管注意義務違反の責任

当社グループでは各マネージャーにおいて各プロジェクトの品質管理を行っております。しかしながら当該品質管理が十分に機能しなかった場合には顧客から求められる水準に達せず、結果として善管注意義務違反の責任を追及される可能性があります。この場合には顧客との関係悪化、損害賠償請求等により当社グループの社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、事業運営に際してパートナーや協力会社への業務委託が発生する場合がありますが、万が一委託先等に問題が生じた場合、同様に当社グループの社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

(3) 事業運営に関するリスク

・特定の人物への依存

当社グループ創業者である代表取締役社長土井悠之介及び取締役会長伊藤翔太は、経営戦略、事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。当社グループでは組織体制の整備を進め、経営リスクを最小限に抑えていますが、依然として両氏の経営判断、営業力等に一定程度依存している傾向にあるため、このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、両氏が当社業務を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・人材の確保、育成

当社グループが継続的に顧客に対して付加価値を提供し続けるためには優秀な人材を確保し、適切に育成していくこと、さらには会社に定着させていくことが重要であります。当社グループにおいては人材育成プログラムの強化、適切な人事評価とインセンティブ設計等を実施することにより人材の育成、会社への定着を図っておりますが、人材採用競争激化等により当社グループの採用基準を満たす人材を確保できなかった場合、あるいは既存人材が離脱してしまう場合には当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

・内部管理体制について

当社グループは創業来、事業運営・企業成長に必要な内部管理体制の整備を進めてまいりましたが、今後更なる拡大に対し継続的かつ十分な対応ができなかった場合には、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

(4) コンプライアンスに関するリスク

・訴訟

当社グループは各種契約や法令、労働問題、知的財産権に関する問題等に関して、取引先・従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となる可能性があります。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となり、当社グループに対する敗訴判決が言い渡されるあるいは当社グループにとって不利な内容の和解がなされる場合には、当社グループの社会的信用及び業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。当社グループでは顧問弁護士と連携し法令改正動向をモニタリングする、あるいはリスク管理委員会にて事業運営上のリスクを洗い出すなど社内管理体制を構築しております。

 

・役員及び従業員の行動

当社グループにおいては当社グループ役員及び従業員に対して行動規範を定めるなど、コンプライアンスに対する意識醸成の徹底を図っておりますが、当社グループの役員及び従業員が万が一コンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社グループの社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

・情報漏洩

当社グループは「UIscope」サービスにおけるテストモニターの個人情報や、顧客の新サービスなどに関する機密情報等を保有しております。これらに対する外部からの不正アクセスや、社内管理における事務処理ミス、あるいは従業員による故意等による情報漏洩が発生した場合には、ブランドイメージ低下、損害賠償請求への対応等により、当社グループの社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。個人情報の適正な管理を行うため、当社グループでは個人情報保護規程を定め、全社員への教育研修等を通して、個人情報の漏洩防止に努めております。また、プライバシーマークの取得を行い、個人情報保護についての管理水準の維持・向上を図っております。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

・システム停止、障害

当社グループはサービス提供の過程で、情報収集、分析、加工等のために情報システムやインターネット等を利用しております。自然災害、火災や停電、ハード故障、ウイルス感染やサイバー攻撃等によりシステム障害が発生した場合には、当社グループの業務が停止するとともに、重要データ逸失、ブランドイメージ低下等が発生し、当社グループの社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、地震や台風等の自然災害自体についても当社グループの事業継続上のリスクとして認識し、災害復旧策を規定するなどの対応を行っております。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

(5) 財務状況に関するリスク

・投資有価証券の減損リスク

当社グループは純投資として非上場株式に投資をしております。非上場株式を取得する際は投資委員会において審議の上で投資金額に応じて代表取締役の決裁又は取締役会の決議に基づき投資をしておりますが、投資金額の算定にあたって超過収益力を見込んでいる場合があるため、投資決定後に投資先の事業計画に変更が生じる場合、投資した資金の回収の見通しが立たず、減損損失が生じる場合がございます。

このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。当社グループでは半期ごとの投資委員会での協議結果などを加味し、四半期ごとに非上場株式の帳簿価額の妥当性を評価しております。

 

・信用リスク

景気の悪化等により当社グループ顧客における貸倒が発生する可能性があります。創業来、当社グループは徹底した債権管理を行い、貸倒実績はありませんが、今後債権の貸倒が発生した場合には当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。

 

(6) M&Aにおけるのれん等の減損リスク

当社グループは、事業規模の拡大を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとしております。

M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。また、M&A実施後には、グループ会社の業績等について常時管理する体制を構築しており、定期的に取締役会に報告しております。

 

(7) その他のリスク

・新株予約権の行使による株式価値希薄化

当社においては株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、従業員の業績向上に対する意欲・士気をより一層高めることを目的として、従業員に対して新株予約権を付与しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は264,750株であり、発行済み株式総数5,762,950株の5.0%に相当致します。

これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

・配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考え、創業来配当は実施しておりません。しかしながら、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。

今後の配当政策の基本方針につきましては、企業価値の最大化のため、当面の間は収益力の強化や事業基盤の整備と同時に内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各会計年度の経営成績を勘案しながら株主に対する利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては、配当実施の可能性、その実施時期等については未定であります。

 

・販売先に関するリスク

当連結会計年度の当社グループの売上高のうち、デジタルトランスフォーメーション事業の主要顧客である株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、トランス・コスモス株式会社、SBIグループ(株式会社SBI証券、SBI VCトレード株式会社等)、に対する売上高の占める割合は、18.2%、18.0%、11.5%となっております。各社の方針変更等により主要顧客に対する売上が大幅に減少した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、大口顧客向け売上高の剥落リスクの顕在化が業績に与えるネガティブな影響を軽減するため、各社/各企業集団向けの売上額が全社売上高の一定割合を超えないように取引することを目安とし、新規顧客の開拓にも積極的に取り組むことで、特定顧客に依存しない売上構成となるよう留意しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社は、2022年4月28日を取得日として株式会社uloqo(現株式会社プロジェクトHRソリューションズ)を連結子会社化し、当連結会計年度より連結財務諸表作成会社に移行致しました。従いまして、前連結会計年度の連結財務諸表を作成しておりませんので、これらとの比較分析は行っておりません。

 

(1) 経営成績等の状況

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は2,908,356千円となりました。これは主に、現金及び預金2,220,324千円、売掛金592,719千円であります。固定資産は1,370,248千円となりました。これは主に、のれん568,469千円、敷金644,993千円であります。

この結果、総資産は、4,285,852千円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は967,957千円となりました。これは主に、買掛金271,493千円、未払金153,512千円、1年内返済予定の長期借入金113,551千円、未払法人税等239,297千円であります。固定負債は512,090千円となりました。これは主に、長期借入金485,874千円であります。

この結果、負債合計は、1,480,048千円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,805,803千円となりました。これは主に、資本金970,984千円、資本剰余金615,460千円、利益剰余金1,204,218千円であります。

この結果、自己資本比率は65.1%となりました。

 

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における我が国の経済情勢は、長期化した新型コロナウイルス感染症流行の影響からは回復傾向にあるものの、ウクライナ及びロシア情勢や資源価格の上昇などにより企業を取り巻く環境の先行きの不透明な状況が続き、多くの企業が環境変化への対応と新たな価値の創出を両立することを模索している状況と推察されます。このような状況下、日本企業は激しく変化する市場環境の中で生き残りを図るべく、イノベーションの創出や生産性の向上、それらを実現するテクノロジーの活用など、経営戦略の見直しを迫られております。

そうした中、当社グループが事業展開するデジタルトランスフォーメーション(DX)市場におきましては、同感染症流行後のニューノーマル定着や政府によるDX支援も追い風となり、市場規模が順調に拡大しております。特に大手企業を中心に、既存のビジネスモデルを大きく変化させる新たな潮流として、DXに強い関心が寄せられております。このような状況下において、当社グループは様々な業界の主要企業に対し、DX戦略立案から新規事業開発・既存事業変革支援、そしてデジタルマーケティングやUI/UXの改善まで一連のDX支援サービスを一気通貫で提供できる強みを持って、ソリューション横断でのDX案件を多数受注し、クライアントの事業推進を支援してまいりました。また、2022年4月より新たにHRソリューションサービスを、2022年10月より新たにテクノロジーサービスを展開し、DX支援サービスのより一層の拡充を図ってまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,352,418千円、営業利益は958,232千円、経常利益は948,727千円、親会社株主に帰属する当期純利益は676,809千円となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の金額となっております。

また、当社グループは、従来、デジタルトランスフォーメーション事業の単一事業のため、セグメント別に業績を説明しておりませんでしたが、当連結会計年度から「デジタルトランスフォーメーション事業」「DX×テクノロジー事業」「DX×HR事業」の各セグメント別に業績を説明しております。各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(デジタルトランスフォーメーション事業)

「デジタルトランスフォーメーション事業」においては、過去の支援実績、業務品質を評価いただけている既存クライアントからの追加発注と同時に、新規クライアントの獲得にも成功している状況です。また、クライアントがDXの特定領域にのみ課題を抱えることは少ないと当社グループは認識しており、例えば入り口はUI/UXについてのご相談であっても、結果的に領域をまたがるDXの課題解決のためのより本質的な提案を行う余地があるケースも多いことから、新規クライアントについても領域横断での提案を行うことによって、顧客単価向上により一層の売上高を拡大させる余地があると判断しております。当社グループの提供サービスの性質上、一度受注すれば中長期的に継続支援させていただくことが多く、当連結会計年度の売上に占めるストック売上(6か月以上の連続受注を獲得したクライアントからの売上のうち、スポットの性質が強い広告出稿やユーザーテスト等を除いたもの)の比率は90.2%となりました。これらの結果、当連結会計年度の「デジタルトランスフォーメーション事業」におけるサービスごとの売上高は、コンサルティングサービスが2,660,780千円、マーケティングサービスが740,567千円、UI/UXサービスが617,044千円となりました。

 

(DX×テクノロジー事業)

「DX×テクノロジー」事業においては、IT企業などに対し、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が顧客企業に常駐し、システム開発業務やソフトウエアテスト業務を提供するテクノロジーサービスを提供しております。顧客企業のエンジニア人材に対するニーズは引き続き強いと認識しており、当事業の業績は堅調に推移しております。この結果、当連結会計年度の「DX×テクノロジー事業」における売上高は、210,506千円となりました。なお、当連結会計年度に株式会社クアトロテクノロジーズ(現株式会社プロジェクトテクノロジーズ)を株式取得により連結子会社化したため、第4四半期連結会計年度のみを連結しております。

 

 

(DX×HR事業)

「DX×HR事業」においては、テクノロジー領域を中心とするクライアントのニーズに応じた、採用代行、人事評価制度コンサルティングなどのHRソリューションサービスを提供しております。テクノロジー領域の企業の人材採用等の動きは引き続き活発であり、当社グループの提供するHRソリューションサービスに対するニーズは強いと認識しており、当事業の売上高は成長を維持している状況です。この結果、当連結会計年度の「DX×HR事業」における売上高は、122,634千円となりました。なお、当連結会計年度に株式会社uloqo(現株式会社プロジェクトHRソリューションズ)を株式取得により連結子会社化したため、第3四半期連結会計年度、第4四半期連結会計年度のみを連結しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,220,324千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は782,657千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を949,228千円計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,218,189千円となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出557,499千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出501,650千円等の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は407,808千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入487,000千円の増加要因によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績及び受注実績

当社グループの主たる事業においては、DXの推進支援を行っており、受注生産体制をとっていないため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。

 

ロ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

デジタルトランスフォーメーション事業

4,019,277

DX×テクノロジー事業

210,506

DX×HR事業

122,634

合計

4,352,418

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額

(千円)

割合

(%)

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

790,390

18.2

トランス・コスモス株式会社

784,170

18.0

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに開示に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積り及び過程について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度において、売上高は4,352,418千円となりました。顧客のDXを幅広く一気通貫で支援することのできる強みをもとに、ソリューション横断でのDX案件の受注が寄与し、安定的な売上拡大を実現しております。

 

(営業利益)

当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は883,753千円となりました。組織拡大を意図しての人員拡大・体制構築に関する費用が増加しております。

この結果、営業利益は958,232千円となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度において、営業外収益が23千円、営業外費用が9,529千円発生し、経常利益は948,727千円となりました。

 

(当期純利益)

当連結会計年度において、法人税等合計は272,418千円となりました。

この結果、当期純利益は676,809千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、持続的な成長のために従業員等の採用に係る費用、人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。

当社グループの運転資金及び設備資金等の財源については、自己資金及び金融機関からの借入れによって賄っております。当連結会計年度末における現金及び預金は2,220,324千円であり、十分な流動性を確保しております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

具体的な指標として、売上高成長率及び営業利益額を高い水準で確保していくことを目標としております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(事業の譲受)

当社は、2022年9月16日の当社取締役会において、株式会社cuatro pistasの子会社である株式会社クアトロテクノロジーズの株式を取得し当社の子会社とするとともに、株式会社cuatro pistasが行う労働者派遣事業を当社が譲り受けることについて決議致しました。

なお、株式会社クアトロテクノロジーズは、2023年1月に株式会社プロジェクトテクノロジーズに商号変更しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(合弁会社の設立)

当社は、2022年11月14日開催の当社取締役会において、SBIホールディングス株式会社との共同出資により、合弁会社を設立することを目的とした合弁契約書を同日付で締結することを決議し、当該決議に基づき、合弁契約書を締結し、2022年11月15日付で合弁会社を設立しております。

合弁会社の概要は以下のとおりであります。

(1) 名称

SBIデジタルハブ株式会社

 

(2) 事業の内容

Web3.0時代における事業開発支援

 

(3) 設立年月

2022年11月

 

(4) 資本金

150,000千円

 

(5) 出資額

 

当社

15,000千円

 

SBIホールディングス株式会社

135,000千円

 

 

 

(コミットメントライン契約の締結)

当社は、2022年12月15日開催の取締役会において、今後の積極的な投資に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な運転資金調達枠を確保するため、みずほ銀行及び三井住友銀行とのコミットメントライン契約の締結について決議し、2022年12月30日付けで締結致しました。プロジェクト型社会の創出という経営理念の実現に向け、既存事業のみならず、新規事業の開発、M&Aを含め、グループ全体での積極的な事業拡大に取り組んでまいります。この積極的な投資に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な運転資金調達枠を確保するため、取引銀行2行と貸出コミットメント契約を締結しております。

当連結会計年度末における貸出コミットメントに係る借入金未実行残高等は次のとおりであります。

 

当連結会計年度
(2022年12月31日)

貸出コミットメントの総額

500,000

千円

借入実行残高

 〃

差引額

500,000

千円

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。