第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社の経営方針は、工作機械メーカーとして「独創的で、精度良く、頑丈で、故障しない機械、自動化システム、デジタル技術を、最善のサービスとコストでお客様に供給すること」です。コネクテッド・インダストリーズ(IoT、インダストリー4.0)の高まりを背景に、工作機械(マシニングセンタ、ターニングセンタ、複合加工機、5軸加工機及びその他の製品)、ソフトウエア(ユーザーインタフェース、テクノロジーサイクル、組込ソフトウエア等)、計測装置、修理復旧サポート、アプリケーション、エンジニアリングを包括したトータルソリューションの提供を行い、全世界のお客様にとってなくてはならない企業を目指しております。

 

(2) 経営戦略及び経営環境

当社の2022年度の連結受注額は前年度比19%増の5,424億円と、過去最高になりました。工程集約、自動化、DX(デジタルトランスフォーメーション)化、GX(グリーントランスフォーメーション)化が進展し、お客様への価値提案力が向上したことにより、1台当たりの受注平均単価が49.8百万円(前年度:39.4百万円)へ上昇したことが特に寄与いたしました。業種別には、宇宙、民間航空機、医療、EV(電気自動車)、エネルギー関連など、マクロ経済環境にあまり影響を受けない市場向けの需要増が貢献いたしました。地域別には、米州、中国が過去最高になった他、欧州、アジアがほぼ過去のピーク水準に並びました。

2023年度には、前年度比8%減の連結受注5,000億円程度を見込んでおります。2022年度第3四半期(7-9月)から受注は減少に転じましたが、各国、各インダストリーからの引合い件数は比較的高い水準を維持しております。地域別には、中国は米中技術摩擦により輸出管理が厳しくなることから若干の減少を予想しておりますが、日本、米州、欧州、アジアは堅調に推移するものと期待しております。産業別には、医療、宇宙、民間航空機、EV、エネルギー関連など受注の50%弱を占める市場領域は堅調です。また、お客様の規模別では、小規模企業からの受注は低迷しておりますが、中堅、大企業からの受注は健在です。引合いから受注確定までのリードタイムが長期化している点は否めませんが、エネルギー価格、その他部材価格もやや落ち着きを示しており、また、サプライチェーンが正常化に向かいつつあることから、年度半ばから引合いが受注に結び付いて行くものと期待しております。

当社は、2022年12月14日に、2023年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画を発表いたしました。当社が目指す、工程集約、自動化、DX化、GX化によるマシニングにおける大変革(MX:マシニング・トランスフォーメーション)は軌道に乗り始めております。5軸加工機、複合加工機、アディティブ・マニュファクチャリング (AM:金属積層造形技術)などにより工程集約を実現し、ロボットなどの周辺装置とともに自動化することを促進いたします。このようなリーンなマシニングプロセスの構築は、CO2排出量の削減への貢献というGX化につながります。そしてその全プロセスをデジタル技術によって情報の収集、分析、可視化を通して改善していくDX化という戦略をさらに進化させ、収益に結び付けて行くことが中期経営計画の目的です。MX実現のためには、工作機械の高精度、高速、高剛性、耐久性など品質面での圧倒的な差別化に加え、自動化のための周辺装置の拡充、ソフトウエアなどの開発の他、直接販売・直接サービス、システムの据え付けなど、社内リソースの充実が欠かせません。当社は、商社・エンジニアリング機能を強化し、他の工作機械製造企業との差別化を図っております。この施策を一層強化することにより、中期経営計画の最終年である2025年度に、売上収益6,000億円、営業利益720億円(営業利益率:12%)、当期利益480億円(当期利益率:8%)の達成を計画しております。

また、当社は、業界のリーディング・カンパニーとして、幅広いステークホルダーの期待に応えるべく、持続可能な社会を目指し、サステナビリティへの取り組みを強化しております。環境面においては、2021年年初からドイツPricewaterhouseCoopers GmbHによる第三者保証のもと、グローバルに生産する工作機械はScope 1からScope 3の上流において、グローバルで認証されたCO2排出権も利用して、カーボンニュートラルとなりました。2021年1月より、出荷する全世界の当社機へカーボンニュートラル製品であることを示す「GREEN MACHINE(グリーンマシーン)」マークを付しております。同年7月にはTCFD提言に準拠したレポートも開示しております。また、同年11月には、SBT(Science Based Targets)イニシアチブにより、2030年までのCO2排出量の削減計画も認定されました。2019年を基準年として、Scope 1及びScope 2においては、2025年までに25.2%の排出削減を、2030年までに46.2%の削減を目標としております。また、Scope 3においては、2025年までに7.4%、2030年までに13.5%の削減を目標としております。

2022年度のCO2の排出量は、全Scopeにおいて、SBT計画に対して約6%下回る水準と順調に推移いたしました。今後も、自社内における工程集約、自動化による生産の効率化、主要工場における大規模太陽光発電システムの導入、各機械へのグリーンテクノロジーの導入を促進し、CO2排出量の削減をSBT計画以上に進めてまいります。

コーポレート・ガバナンスにおいては、取締役の多様性を強化しております。2023年3月28日開催の株主総会での承認により、取締役会の構成は、社外取締役数が5名(構成比:42%)、女性取締役数が3名(同:25%)、外国人取締役数が3名(同:25%)となっております。取締役会において、より多様な意見を反映させ、企業価値向上につながることを期待しております。

以上のように、顧客価値創造と社会との共生を実現し、事業規模、収益性、財務基盤において、継続的な企業価値向上に努めてまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

需要変化の激しい工作機械業界の事業環境や市場動向に迅速に対応し、工作機械業界におけるグローバルワンの地位を維持・継続するためには、利益率の向上、財務体質の強化、資本収益性の向上が最重要課題であると考えております。

中期経営計画(2023年~2025年)の1年目である来期は、連結受注高5,000億円、売上収益5,000億円、営業利益500億円を、それぞれ計画しております。当社グループでは、顧客価値創造並びに企業価値のさらなる向上のために、たゆまぬ努力を継続してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき課題

①製品開発

2022年は9月にドイツでAMBショー、11月に日本国内においてJIMTOFが開催されるなど、対面による提案機会が増えてきました。物価上昇、人手不足などの課題に対し、当社では、以前より取り組んできた「工程集約」「自動化」「DX化」のための開発を更に推進しております。

工程集約においては、小型複合加工機「NTX 500」と複雑部品の超量産対応が可能な「NZ-Platform」をJIMTOF期間中に発表いたしました。NTX 500では、人口増加・高齢化により需要が継続的に高まっているインプラント、センサなどの小型で複雑な形状の部品、DXにより生産量が増えているセンサ類や半導体製造装置の部品を高効率に加工することができます。NZ-Platformは最大4基の刃物台を搭載でき、すべてにオプションでB軸を追加できます。これにより、複合加工機で対応するような複雑部品を高効率に加工することができ、EV関連の部品加工などで需要が高まっております。

自動化においては、モジュラー型ロボットシステム「MATRIS」や自律走行型ロボット「WH-AMR」による新しい自動化の提案が多くのお客様で稼働するようになりました。これに加えて自動化のレトロフィットを可能とする「MATRIS light」をリリースし好評を博しております。自動化システムではロボット、ローダ、パレット交換などでワークを自動的に交換するだけではなく、長時間の無人運転を実現するため、切りくず、オイルミストを効率よく回収し、クーラント液をクリーンに維持する必要があります。ビルトインで省エネ性能にすぐれたミストコレクタzeroFOG、スラッジを効率よく回収するゼロスラッジクーラントタンク、機内の画像情報から切りくず堆積部分をAIにより認識し、効率よく切りくずを洗い流すAIチップリムーバブルにより、少ないエネルギーでクリーンな機械を維持することが可能です。

DX化においては、テスト加工をデジタルで実現する「デジタルツインテストカット」での経験を増やし、更に加工提案できる体制を整えつつあります。「デジタルツインテストカット」により複雑で長時間を要する部品加工において加工精度、加工負荷、振動、干渉、サイクルタイムを効率よく短時間にシミュレーションし、最適な加工条件を提供します。また、工程集約や自動化が進むと、お客様において更に高効率に生産したいという要求が高まります。それに応えるべく、以前より開発していた機械稼働の遠隔モニタリング「Messenger」、機械の遠隔操作「NETservice」といったアプリケーションの提供だけでなく、JIMTOFにて発表した機械のネットワーク接続をワンストップで支援する「DMG MORI GATEWAY」サービスなど、更なるDXを支援する商品の提供も開始いたしました。

工程集約、自動化、DX化により複数の機械を1台に集約し効率的な生産が可能になり、GX化も進みます。持続可能な社会を実現するため、今後も研究・開発を進めてまいります。

②品質

品質本部では出荷前の製品検査、出荷後の製品の品質分析からPDCAのサイクルを回して改善立案を行い、さらにSDCAのサイクルを回して標準プロセスに落とし込むことで、製品品質、製品安全の向上を実現いたします。

出荷前品質管理では製品検査をTULIP上で展開し、100%デジタルの検査工程に移行いたしました。これにより検査漏れの防止、検査結果の合否自動判定、製品検査効率の改善が実現しています。また工程内検査を見直し、自工程完結を強化することにより、2021年比で最終検査時の不具合指摘件数を半減し、納入後1か月以内の不具合を30%削減いたしました。2023年は納入後1か月以内の不具合を更に削減すべく、納入初期のPPR(Product Problem Report)をすべて分析し、検査方法の見直しを計画しています。

2022年からの継続取り組みとして、主要計測器の水準器、ダイヤルゲージ、梃子式ダイヤルゲージを全面的にデジタル機器に更新いたします。計測器はデジタル検査のシステムと接続され、測定されたデータが検査表に自動反映され確実なデータ処理を高効率で実現いたします。また2023年はデジタル計測器とデジタル検査を用いてレベル測定などの作業を自動化する予定です。

出荷時の精度を継続的に向上させるPDCAの取り組みとして、開発・製造・品質部門が協力し精度検査時の精度出荷限度値の見直しを週次で実施しています。機種別・部位別に精度出荷限度値と実際の精度検査結果から改善案を打合せし実行することで更なる精度向上を目指すものです。

出荷後品質管理ではPPRの運用により世界中に納入した機械の問題を把握しています。国内外の修理復旧責任者と月次で打合せを実施し滞留案件の早期解決を進めております。また発生した不具合が再発しないよう再発防止を1件毎に実施しております。潜在している不具合可視化のため、CS調査も実施しております。小さな意見も取り込むため、QRコードによる入力方式を導入し、時間にとらわれずご意見を頂けるよう運用を開始いたしました。この取り組みは国内だけでなく海外へも展開し、さらなる改善に努めます。

欧州製の主として5軸加工機をご使用いただけるお客様が大きく増えています。欧州製の機械での問題を早期に解決し,品質向上を実現するためにAG機のPPR管理部を日本にも設けております。AG機のPPR管理部ではAG機の修理復旧部門と連携して不具合の原因を特定するとともに,日本で対策品を設計し早期解決する取り組みも行っております。これらの日本で実施した対策については現地工場にフィードバックし標準化を図ることでAG機の品質向上を実現しております。

製品安全の取り組みについては、2021年より、すべての製品安全レビュー、安全回路レビューを品質本部長承認とし厳しく管理することで,新規設計で発生する安全上の問題を2022年にはゼロとすることが出来ました。また世界一安全に厳しいCEマーキングの安全機能を全世界向けに標準化しておりますが、この考えを更に進めて欧州製の機械と安全仕様の統合を進めております。これらの取り組みにより安全に関連する事故ゼロを目指します。

③安全保障貿易管理

近年、世界の安全保障環境の不安定化が益々顕著になり、大量破壊兵器の不拡散や通常兵器の過度の蓄積防止に対する国際的な関心が一段と高まっていたなかで、2022年2月末にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が行われ、各国がロシア向けの輸出・技術提供を禁止するなど、輸出管理を取り巻く環境が激変した一年となりました。当社は、ロシアの軍事進攻直後に、ロシア及びベラルーシ向けの工作機械、関連部品・技術の輸出を停止する判断を行い、当社製品や関連技術が軍事侵攻に使われないよう、今まで以上に厳格な輸出管理に努めております。

更には、2022年5月に「経済安全保障推進法」が国会で可決され、同年12月には、工作機械が「特定重要物資」の一つとして選定され、製品、部品、技術の管理が益々重要な環境に代わってきております。

このような環境の中、当社グループにおいては、輸出関連法規の遵守に関する内部規程(コンプライアンス・プログラム)を見直し、経営環境の変化も考慮したうえで、厳正に適用しております。この一つの取組みとして、当社製品には、不正な輸出を防止する目的で、据付場所からの移設を検知すると稼働できないようにする装置を搭載し、厳格な輸出管理を実践しております。2023年からはDMG MORI AGが製造する工作機械に対しても、段階的ではありますが、搭載を計画しております。

今後、益々、日本のみならず海外の輸出管理規制の変更・強化が見込まれる中で、各国の法令を遵守すべく、引き続き重点課題として今後とも継続して取り組んでまいります。

④法令遵守

経営者自ら全従業員に対し法令及び企業倫理に基づいた企業活動の徹底を指示し、役員・従業員のコンプライアンス意識の向上と浸透を図っております。当社グループでは、グローバルな事業展開に対応したコンプライアンス体制を構築するために、日本を含む各国においてコンプライアンス担当者を選任し、これらを連携させることにより、各国の制度に適応しながら統制の取れた体制の確立に取り組んでおります。また、コンプライアンスに関する問題の予防、早期発見・対策のため、2020年より多言語対応の通報窓口を設置し、海外グループ企業も含めたグローバルでのコンプライアンス体制を強化いたしました。以上のほか、内部監査部を主管部署とした定期的な法令遵守活動のモニタリングも継続しております。

勤務間インターバル制度については、当社では2018年より導入し、2020年度からは在社時間の制限を原則10時間、勤務間インターバルを12時間として従業員の健康維持、ワークライフバランスの適正化に取り組んでおります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要市場(日本、米州、欧州及び中国・アジア等)の状況

当社グループの地域別連結売上収益の構成比は、当連結会計年度において、日本15.7%、米州18.1%、欧州55.8%、中国・アジア10.4%となっております。当社グループが製品又は修理復旧を販売、提供するいずれかの地域において景気動向が悪化することで当該製品又は修理復旧に対する需要が低下した場合は、当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。

 

(2) 設備投資需要の急激な変動

工作機械産業は従来から景気の変動に左右されやすいと言われてまいりましたが、中国・アジア、中央ヨーロッパ等の新興国の経済が拡大してきております。日本、米州、欧州各地域の工作機械市場も中長期的には安定的に成長してきておりますが、当社グループの業績は景気変動による設備投資の増減の影響を大きく受ける傾向にあり、何らかの要因で各地域の設備投資需要が落ち込んだ場合には、製品単価、販売数ともに急速かつ大幅に下落することがあり、当社グループの事業、業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

 

(3) 市場競合の影響

工作機械業界は参入企業数が多く、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、当社グループはそれぞれの市場において厳しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定を行うことが困難な状況になっております。当社グループとしては、技術力強化による差別化製品の開発、原材料等のコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しておりますが、将来的に市場シェアの維持及び拡大又は収益性の保持が困難となった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 企業合併・買収及び資本・業務提携

当社グループは、企業の合併・買収や資本・業務提携を事業基盤の強化を図るための重要な戦略の一つと位置付けており、今後、かかる企業合併・買収や資本・業務提携の成否によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月にDMG MORI AGを連結対象会社としておりますが、同社の事業、業績及び財務状況の動向は、当社グループに大きな影響を与える可能性があります。

 

(5) 米ドル、ユーロ等の対円為替相場の大幅な変動

当社グループの事業、業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算額に影響を与えます。また、為替変動は外貨建で取引されている製品・パーツ及び修理復旧の価格及び売上収益にも影響を与えます。この影響を低減するため、日本、中国・アジアの円建取引、米州の米ドル建取引、欧州のユーロ建取引のバランスをとるように努めておりますが、それでもなお、為替相場の変動によって当社グループの事業、業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。

 

(6) 天然資源、原材料費の大幅な変動

想定を大幅に超えた原材料価格の急激な高騰に見舞われた場合は、当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。原材料価格の高騰に対しては、仕入先への価格交渉等によるコストダウンの推進や製品価格への転嫁によってカバーする方針ですが、価格の高騰が続く場合や仕入先への価格交渉等が実現しない場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 安全保障貿易管理

当社グループが事業を展開する多くの国及び地域における規制又は法令の重要な変更は、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループのコア事業であります工作機械は各国の輸出関連法規上、規制貨物に分類されており、国際的な輸出管理の枠組みにより規制を受けております。国際情勢の変化により規制が強化されることとなれば、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 取引先の信用リスク

当社グループとしても取引先の信用リスクについては細心の注意を払っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当該リスクの顕在化によって、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)財務制限条項

コミットメントライン契約等の一部借入金の契約には財務制限条項が付されております。今後、財務制限条項への抵触等があった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産権

当社グループは、研究開発、新製品開発を通じて多くの新技術やノウハウを生み出しており、これらの貴重な技術・ノウハウを特許出願することにより、知的財産権の活用を図っております。しかし当社グループの知的財産権に対して第三者からの無効請求や、侵害差止請求等が提起された場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)訴訟に関するリスク

当社グループは、顧客の要求する機能・仕様を満足し、かつ安全性に配慮した適正品質の追求に努めており、グローバルベースで品質管理の徹底を図っております。しかしながら、当社グループの製品に重大な不具合が存在し、重大な事故やクレーム、リコール等の起因となった場合、多額の製品補償費用等が発生する可能性があります。

この他、当社グループは、国内外において業務を展開しておりますが、こうした業務を行うにあたり、業務上発生する責任に基づく損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があります。現時点では当社グループの業績に重大な影響を与えるような訴訟は提起されておりませんが、今後、重大な訴訟が提起され、当社グループに不利な判断が下された場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)自然災害・疫病等の影響

当社グループは、販売及び修理復旧拠点をグローバルに展開しているため、予測不可能な自然災害、疫病、コンピュータウィルスといった多くの事象によって引き起こされる災害によって影響を受ける可能性があります。

当社グループの製造拠点は、国内では三重県、奈良県、神奈川県、新潟県及び島根県にあり、海外ではアメリカ、中国、欧州各地等6ヵ国にあります。これらの製造拠点のいずれかが、地震・洪水等の天災の影響や疫病等による工場閉鎖により、製品供給が不可能、あるいは遅延することとなった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)環境問題

当社グループは、事業の遂行にあたり、様々な環境関連の法令及び規制の適用を受けております。当社グループは、これらの法規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、現在行っている又は過去に行った事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来、環境関連の法規制や環境問題に対する社会的な要求がより厳しくなることによって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限される可能性があります。したがって、今後の環境関連の法規制の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)ロシア・ウクライナ情勢の影響

当社グループは、ロシアのウリヤノフスクに工作機械の組立工場、モスクワに販売及びサービス拠点を所有しております。ロシア・ウクライナ情勢については、世界的かつ政治的な不確実性があり、現時点でその影響を完全に予測することは困難な状況です。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益が4,748億円(3,438百万EUR)(前期比19.9%増)、営業利益は412億円(298百万EUR)(前期比78.7%増)、税引前当期利益は365億円(265百万EUR)(前期比86.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は254億円(184百万EUR)(前期比88.7%増)となりました。(ユーロ建表示は2022年1月から12月の期中平均レート138.1円で換算しております。)

当社の2022年の連結受注額は、前年度比19%増の5,424億円と過去最高となりました。5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX化、GX化の需要が増加しました。お客様への付加価値提案力が向上したことにより、2022年度の機械1台当たりの受注単価が49.8百万円(2021年度平均:39.4百万円)へと大きく上昇したことも受注額の増加に寄与しました。連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年同期比19%増となりました。また、半導体製造装置向けの超精密計測部品を製造・販売するグループ会社の(株)マグネスケールを始めとするグループ会社の受注額も堅調に推移しました。

地域別受注額は、前年度比、日本(構成比:14%)が17%増、米州(同:20%)が17%増、欧州(同:50%)が20%増、中国(同:10%)が15%増、アジア他(同:6%)が33%増と、それぞれ伸長しました。米州及び中国の受注額は過去最高となりました。また、欧州、アジアの受注額はほぼ過去のピークと同水準となりました。産業別には、宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)関連、温暖化ガス排出量削減のための新エネルギー関連など、新たな市場分野の拡大が寄与しました。

当第3四半期(7-9月)以降、工作機械需要は調整局面に入っています。各国、各産業からの引合い件数は高い水準を維持しておりますが、お客様において設備投資の意思決定までのリードタイムが長期化しています。それを踏まえ、2023年度の連結受注見通しを2022年度比8%減の5,000億円程度と見込んでいます。一方、受注残高は、2021年末の1,640億円から、2022年12月末には2,540億円まで増加しました。この受注残高は2023年第3四半期までの生産、販売を充足しており、需要が堅調なサービス・補修部品及びグループ会社と合わせて収益安定に寄与する見込みです。

経営理念にも掲げているとおり、工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエア及びソフトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、お客様の生産性向上に貢献することを、当社は目指しております。これまでの工程集約・自動化・DX・GXの取組みをより一層加速させ、お客様の加工ニーズへのソリューションを一気通貫で提供できる企業としての基盤を強化するため、2022年12月に、2023年~2025年を期間とする「中期経営計画2025」を策定いたしました。お客様により高い付加価値を提供するため、事業モデル及び経営基盤の進化に取り組んでまいります。

経営基盤強化の一環として、当社は生産・開発体制の強化に取り組んでおります。2022年度は、伊賀事業所及び奈良事業所における生産体制の再編、奈良商品開発センタ(奈良PDC)の開所を行った他、ドイツ・フロンテン工場に最新鋭の自動化・デジタル化技術を用いた物流センタを新設いたしました。また、2023年度には、中国・上海近郊の平湖において5軸加工機専用工場の操業開始を予定しております。

技術面では、複雑形状部品加工の工程集約が可能な複合加工機「NZ-Platform」の販売を開始しております。お客様のニーズに合わせた多様な機械構成が可能であり、高生産性に貢献します。その他、高剛性と高精度を兼ね備えた大型横形マシニングセンタ「NHX 10000 µPrecision」を開発いたしました。当社では2021年から、部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを達成しており、これらの製品もカーボンニュートラルな体制で生産が行われます。今後も、より多くのお客様ニーズにお応えできるよう、高機能で信頼性が高く、投資価値のある商品を市場へ投入してまいります。

また、お客様専用のポータルサイト「my DMG MORI」においては、2022年10月より新サービス「パーツセレクター」及び「チャットボット」の提供を開始しております。その他、11月にはオンライン学習コンテンツのデジタルアカデミーにおいて「複合加工機ベーシック」ならびに「AMエントリー」をリリースいたしました。今後も新たなコースの追加を行っていく他、教育機関への普及を進めていくことで、製造業の人材育成に貢献してまいります。さらに、オフラインでプライベートレッスンが可能な場所として、日本全国各所にDMG MORI Academyの研修施設新設を予定しております。

販売面では、デジタルツインショールームのアップデートを実施し、新規展示及び新機能を追加しております。また、当年度は、日本で開催された「Robot Technology Japan 2022」「JIMTOF2022」、ドイツで開催された「AMB 2022」等リアルの展示会に出展した他、東京GHQやドイツ・フロンテン工場等、当社事業所においてオープンハウスを開催いたしました。小規模商談会「テクノロジーフライデー」も引き続きグローバルに開催しております。今後もデジタルとリアルの両方でお客様とつながり、お客様ニーズに沿ったご提案を行ってまいります。

また、当社では「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員の働き方改革と生産性向上、従業員それぞれが継続して活躍できる環境整備に取り組んでおります。有給休暇の完全取得や男性社員の育児休業取得を積極的に奨励している他、日本においては、2022年7月に従業員の給与改定を実施いたしました。また、2023年4月からは新卒初任給の引上げを行います。高度な人材を確保することで、激動する外部環境に適切に対応できる企業として成長を続けてまいります。

さらに、当社は持続可能な社会を目指し、人と自然が共生できる社会、資源循環型の社会に向けた取組みを行っております。国内すべての拠点でCO₂フリーの電力を使用するなどカーボンニュートラルに向けてはグループ一丸となって取り組んでおり、2023年からは、グループ最大の生産拠点である伊賀事業所において太陽光発電を開始する予定です。その他、2030年に向けた温室効果ガス削減目標についてはSBT(Science Based Targets)認定を取得しております。また、自社での活動のみではなく、環境に配慮した商品の提供を通じて、お客様におけるGX化も促進しております。今後も持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

売上収益

(億円)

3,960

4,748

営業利益

(億円)

231

412

親会社の所有者に帰属する当期利益

(億円)

135

254

基本的1株当たり当期利益

(円)

91.75

188.62

セグメントの動向及び業績は以下のとおりであります。なお、以下の売上収益には、セグメント間の取引については相殺消去しております。

マシンツールセグメントでは宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)関連、新エネルギー関連向けの業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は317,015百万円(前期比18.9%増)となり、セグメント損益は24,053百万円(前期比24.0%増)のセグメント利益となりました。

インダストリアル・サービスセグメントでは、補修部品販売、修理復旧の業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は157,725百万円(前期比22.0%増)となり、セグメント損益は30,119百万円(前期比79.0%増)のセグメント利益となりました。

②財政状態の状況

(ⅰ)資産

流動資産は293,985百万円(前期比39,293百万円の増加)となりました。これは、主として棚卸資産が36,675百万円、営業債権及びその他の債権が8,759百万円、それぞれ増加した一方で、現金及び現金同等物が10,305百万円減少したことによります。

非流動資産は386,349百万円(前期比43,924百万円の増加)となりました。これは、主として有形固定資産が24,888百万円、その他の無形資産が11,678百万円、のれんが6,007百万円、それぞれ増加したことによります。

この結果、資産合計は680,334百万円(前期比83,217百万円の増加)となりました。

(ⅱ)負債

流動負債は281,329百万円(前期比26,920百万円の増加)となりました。これは、主として社債及び借入金が40,981百万円、契約負債(前受金)が27,228百万円、営業債務及びその他の債務が18,636百万円、それぞれ増加した一方で、その他の金融負債が67,373百万円減少したことによります。

非流動負債は148,630百万円(前期比23,201百万円の増加)となりました。これは、主としてその他の金融負債が64,899百万円増加した一方で、社債及び借入金が45,281百万円減少したことによります。

この結果、負債合計は429,960百万円(前期比50,121百万円の増加)となりました。なお、社債及び借入金の増減は、主に長期借入金の返済期日が1年内になったことによります。

(ⅲ)資本

資本合計は250,374百万円(前期比33,095百万円の増加)となりました。これは、主として利益剰余金が17,047百万円、その他の資本の構成要素が14,460百万円、それぞれ増加したことによります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

49,733

69,749

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△19,376

△44,874

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△18,270

△38,978

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

(百万円)

13,544

△10,305

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

47,298

36,992

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ10,305百万円減少し、当連結会計年度末は36,992百万円となりました。

(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、69,749百万円の収入(前期は49,733百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益36,528百万円、減価償却費及び償却費24,016百万円、契約負債(前受金)の増加21,498百万円、営業債務及びその他の債務の増加16,524百万円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加26,311百万円、利息の支払額3,821百万円であります。

(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、44,874百万円の支出(前期は19,376百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出26,203百万円、無形資産の取得による支出14,909百万円であります。

(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、38,978百万円の支出(前期は18,270百万円の支出)となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加4,868百万円であり、主な減少要因は、負債性金融商品の返済による支出15,000百万円、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払額7,525百万円、リース負債の返済による支出5,429百万円であります。

④生産、受注及び販売の状況

(ⅰ)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

マシンツール(百万円)

351,929

13.0%

インダストリアル・サービス(百万円)

27,541

24.2%

合計(百万円)

379,471

13.7%

(注)1.上記金額は販売価格によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(ⅱ)受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注実績

542,381

18.9

253,568

54.5

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(ⅲ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

マシンツール(百万円)

317,015

18.9

インダストリアル・サービス(百万円)

157,725

22.0

全社(百万円)

30

10.8

合計(百万円)

474,771

19.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針及び見積り

IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 10.有形固定資産」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.のれん及びその他の無形資産」に記載のとおりであります。

②経営成績の分析

経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

なお、2022年度の目標とした経営指標に対しては、全社受注5,424億円(目標5,500億円)で未達、売上収益4,748億円(目標4,650億円)で達成、営業利益412億円(目標450億円)で未達となりました。

③資本の財源及び資金の流動性

当社は、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額72,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。当期末における当該借入残高は、1,100百万円であります。

当期末における当社グループの有利子負債の残高は、91,093百万円(前期末比4,299百万円の減少)となっております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社の連結対象会社であるDMG MORI Europe Holding GmbHとDMG MORI AGとの間でのドミネーション・アグリーメントが2016年8月24日に発効されました。

 詳細については、「連結財務諸表注記 34.ドミネーション・アグリーメント」をご参照ください。

 

 

5【研究開発活動】

R&D部門では、機械・要素・ソフトウエアの開発をバランスよくできる布陣を継続しつつ、2022年からはお客様のカスタマイズ対応をする受注設計も部門に含め、市場の変化に更に迅速に対応する開発体制をとっております。社内のエンジニアリング部門や加工技術部門との連携を更に強化し、お客様への加工提案が迅速にでき、市場からのフィードバックを得やすい体制を構築いたしました。

近年、製造現場では効率向上のために工程間のワーク搬送を減らす、仕掛在庫を削減する、といった要求が高まっております。また、労働人口減少による人手不足や人件費高騰も深刻になっております。そこで当社では「工程集約」「自動化」「DX化」によりお客様の生産性を高めることを軸として研究開発を進めております。

工程集約においては、小型複合加工機「NTX 500」と複雑部品の超量産対応が可能な「NZ-Platform」をJIMTOF期間中に発表いたしました。NTX 500では、人口増加・高齢化により需要が継続的に高まっているインプラント、センサなどの小型で複雑な形状の部品、DXにより生産量が増えているセンサ類や半導体製造装置の部品を高効率に加工することができます。NZ-Platformは最大4基の刃物台を搭載でき、すべてにオプションでB軸を追加できます。これにより、複合加工機で対応するような複雑部品を高効率に加工することができ、EV関連の部品加工などで需要が高まっております。

自動化においては、モジュラー型ロボットシステム「MATRIS」や自律走行型ロボット「WH-AMR」による新しい自動化の提案が多くのお客様で稼働するようになりました。これに加えて自動化のレトロフィットを可能とする「MATRIS light」をリリースし好評を博しております。自動化システムではロボット、ローダ、パレット交換などでワークを自動的に交換するだけではなく、長時間の無人運転を実現するため、切りくず、オイルミストを効率よく回収し、クーラント液をクリーンに維持する必要があります。ビルトインで省エネ性能にすぐれたミストコレクタzeroFOG、スラッジを効率よく回収するゼロスラッジクーラントタンク、機内の画像情報から切りくず堆積部分をAIにより認識し、効率よく切りくずを洗い流すAIチップリムーバブルにより、少ないエネルギーでクリーンな機械を維持することが可能です。

DX化においては、テスト加工をデジタルで実現する「デジタルツインテストカット」での経験を増やし、更に加工提案できる体制を整えつつあります。「デジタルツインテストカット」により複雑で長時間を要する部品加工において加工精度、加工負荷、振動、干渉、サイクルタイムを効率よく短時間にシミュレーションし、最適な加工条件を提供します。また、工程集約や自動化が進むと、お客様において更に高効率に生産したいという要求が高まります。それに応えるべく、以前より開発していた機械稼働の遠隔モニタリング「Messenger」、機械の遠隔操作「NETservice」といったアプリケーションの提供だけでなく、JIMTOFにて発表した機械のネットワーク接続をワンストップで支援する「DMG MORI GATEWAY」サービスなど、更なるDXを支援する商品の提供も開始いたしました。

工程集約、自動化、DX化を推し進めることで高効率な生産が可能になり、GX化も進みます。持続可能な社会を実現するため、今後も研究・開発を進めてまいります。

 

以上の研究開発活動の結果、無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費の総額は22,330百万円となっており、セグメント別としては、マシンツール19,368百万円、インダストリアル・サービス2,962百万円となっております。なお、上記研究開発費の総額には、研究開発活動間接費は含めておりません。