文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「からだにやさしい未来の医療を築く ~私たちは「かけがえのない生命を守る」製品の開発・製造・販売に情熱を燃やし、人々の健康で豊かな生活に貢献します~」と定め、次の事項を経営の基本方針に掲げております。
① 医療に携わる企業として、社会に貢献することを第一義とし、人々の役に立ち喜ばれる製品を提供する。
② 創造性・意外性・感動性ある企業として発展するために、総力を結集する。
③ 従業員の生活を豊かにし、秩序ある明るい職場環境をつくる。
④ 企業の成長に不可欠な人材の発掘・登用、教育・育成に努める。
⑤ 事業活動で得た成果・利益は、持続的な企業価値の向上に向け、適切に配分する。
(2)目標とする経営指標等
当社グループでは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るため株主資本の効率的運用を目指し、株主資本利益率(ROE)を6%超にすることを目標としております。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、高齢化の進展や在宅医療の推進により新たな製品の需要が見込まれます。一方、国民医療費の増加を背景に保険償還価格の引き下げや医療機関の値下げ要求もあり、販売価格面では厳しい状況が続くものと予想しております。一方で、海外では、中国の高度な医療へのニーズや新興国の経済成長もあって、今後もさらに市場拡大が進むものと見込んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、第8波による感染拡大が見られるものの、感染対策とワクチン接種が進み、経済活動への規制が緩和されたことで、社会活動が正常化に向かうものと予想しております。
(4)中期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2024年の創立50周年を機に、経営理念「からだにやさしい未来の医療を築く」の深化、医療課題への貢献と将来の持続的成長に向けて、次期3か年の「中期経営計画・2025」を策定いたしました。
具体的には以下の重要施策を推進してまいります。
① 国内販売の拡大
自社販売の新製品投入、原価高騰に伴う販売価格改定による国内販売の拡大
② 海外販売の展開
海外販売体制の強化、東南アジアなど新興国向け製品投入による海外市場の更なる販売拡大
③ 新製品の自社開発
当社グループ開発部門の連携強化による自社開発品の新製品上市
④ 新規事業の探索
将来的な成長戦略の柱となる新規事業の探索、M&A・アライアンスを含めた事業化の推進
⑤ 10年後の事業発展に資する将来構想
今後の将来構想として10年後の“ありたい姿”の創造、バックキャストによる活動の推進
⑥ 人材の育成、多様性の確保
当社および関係会社の人材育成、専門的な知識・経験・能力を有する多様性の確保
⑦ DX戦略の推進
業務の効率化を目的としたDX戦略の推進
⑧ サステナビリティへの取組み
ステークホルダーの期待および社会課題の解決を目的としたサステナビリティの推進
なお、新型コロナウイルス感染症により、中国サプライヤーからの仕入品の供給に影響が出たため、一部製品に欠品が発生いたしました。製品の安定供給及び売上原価低減のために、原材料や仕入品の新たな調達ルートの開拓に努めてまいります。
「中期経営計画・2025」の最終年度となる2025年12月期の業績目標につきましては、連結売上高14,000百万円、連結経常利益は1,400百万円を目指してまいります。
そのため、当社グループでは、既存製品の改良を含め、スピード感をもった新製品の開発に引き続き注力するとともに、各生産拠点では製品の安定供給のためにリスク対策とコスト削減策を強化してまいります。また、営業面では、コロナ禍における活動として、営業デジタルトランスフォーメーションを推進し、医療現場のニーズにお応えができるよう積極的な販売活動に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)医療行政の変更に関するリスク
当社グループの属する業界は、医薬品医療機器等法や医療保険制度などの行政機関の規制の下で事業活動をしております。日本国内の医療を取り巻く環境は少子高齢化に起因する地域医療構想の推進等、引き続き大きな変化が見込まれております。今後、医療行政において予測できない大改革が行われ、その変化に対応できない場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(2)製品の安全性に関するリスク
当社グループは、高度な技術を要する医療機器を取り扱うことから、国内外の主要な事業拠点において品質国際基準ISO13485の認証を取得し、徹底した品質管理体制を確保しております。しかしながら、使用時の偶発的な不具合などにより医療事故等が発生した場合には、製造物責任により係争事件等に発展する可能性があるほか、製品の自主回収を行うリスクがあります。
これらのリスクに対応すべく賠償責任や製造物責任の保険契約を締結しておりますが、万一保険範囲を大きく超える請求が認められた場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(3)研究開発の結果に伴う市場変化等に関するリスク
当社グループは、独創的かつ効果的な製品を創出することを目指し、研究開発を行っております。そのため、研究開発投資や設備投資を行うほか、パートナー企業と連携するなど、新製品上市に向けた活動に努めております。
しかしながら、治療法の変化により当初期待していた新製品の有効性が得られない場合や、開発期間の長期化により機会損失が発生した場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(4)販売価格の変動に関するリスク
当社グループの属する業界は、国内では医療費抑制策の一環として、特定保険医療材料価格の改定が概ね2年毎に実施され、さらに複数の医療機関が参加する共同購買も拡大しており、販売価格の引き下げの影響を受けております。また、中国市場でも医療保険財政の負担を背景に各地方で入札制度が実施されており、国内外において医療機器メーカーに対する価格低下圧力が強まっております。
これらの対策として、海外生産による原価低減や高付加価値の新製品開発等により、製品の採算確保と持続的な安定供給に努めておりますが、今後、想定を超えた製品価格の下落が生じた場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(5)原材料及び仕入商品の供給停止、価格高騰に関するリスク
当社グループは、カテーテルなど医療機器に関わる原材料や仕入商品について国内外のサプライヤーから供給を受けておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアのウクライナ侵攻等により、サプライチェーンに混乱が生じているほか、原油価格の高騰により原材料及び物流コストが上昇しております。今後は原材料や仕入商品の調達ルートを新たに開拓し安定供給と原価低減に努めてまいりますが、さらなるサプライチェーンの影響が生じた場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(6)受託生産に関するリスク
当社グループの生産品には、自社ブランド品の他に特定顧客からの受託生産品があります。
これらの受託生産品は、委託先の販売動向に左右されることから、販売低迷又は販売中止となった場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(7)訴訟等に関するリスク
当社グループの事業活動には、訴訟、紛争、その他の法的手続きに関するリスクがあります。
これらのリスクに対しては、顧問弁護士等や、知的財産に関する社内チェック体制によりリスク回避を図っておりますが、損害賠償請求や使用差し止め請求等の訴訟が提起された場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(8)為替変動に関するリスク
当社グループでは、海外子会社を含む輸出入の一部で外貨建ての取引があり、さらに海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のために円換算しております。そのため、金融市場が混乱し大幅な為替変動が生じた場合は、輸出入の取引、連結財務諸表における財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(9)海外展開に関するリスク
当社グループは、中国及びベトナムに事業拠点を置き、製品の生産並びに販売をしております。
これらの進出国や地域において、国際紛争、経済情勢の悪化、法規制の変更、疫病、天災等が生じた場合は、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(10)M&A及び業務提携等に関するリスク
当社グループは、企業価値の向上または事業基盤の強化を目的として資本提携や業務提携に取り組んでおります。これらの実施に際しては対象企業の入念な調査と分析をおこなっておりますが、不測の事態により当初期待していた成果が出せない場合には、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(11)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業全般においてITシステムを活用しており、業務の安定稼働には情報システムのリスクが重要であると認識しております。そのため、情報セキュリティの強化や不測の事態を想定した対策を行い、リスクの低減を図っておりますが、コンピュータウイルスによる感染やサイバー攻撃等の外部からの不正アクセスが発生した場合は、システム停止による事業の中断や機密情報の流出が生じ、財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(12)新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症につきましては、従業員の感染防止策を講じるほか、サプライチェーンへの影響に備えて生産工場を分散するなどリスク低減に努めております。
今後、感染症の再拡大により、営業面における通常医療への影響、サプライチェーンにおける生産工場の操業停止や原材料の供給停止など、事業活動に多大な影響を受けた場合には財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
そのため、当連結会計年度における経営成績の状況は、前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の第8波による感染拡大が見られるものの、感染対策とワクチン接種が進み、経済活動への規制が緩和されたことで、社会活動が正常化に向かっております。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻は、未だ収束の見込みが立たず、原材料・エネルギー価格の高騰が続いているほか、欧米の政策金利による為替変動等の影響もあり、先行き不透明な状況となっております。
このような状況の下、当社グループは、コロナ禍における医療機関への営業活動に対応するため、ホームページを活用した情報発信やWEBセミナーを推進し、営業面の強化を図りました。
開発面では、中期経営計画の重点戦略分野である泌尿器系のラインナップ充実に向けて2022年11月に新製品を上市したほか、国内外の薬事規制や欧州の医療機器規則に対応したライセンスの維持、新規認証取得にも対応してまいりました。
一方、当社グループの生産拠点では、新型コロナウイルスの感染防止策を徹底するほか、操業停止等のリスクに備えて生産品目の分散化を図るとともに、原材料や仕入品の安定的な確保を目指し、新たな調達ルートの開拓にも努めてまいりました。
以上により、売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により一部製品に欠品の影響があったものの、全ての販売形態が増加となりました。特に海外販売が円安を背景に大幅な伸びとなっております。
利益面では、急激な円安による輸入仕入コストの上昇や物流費用の高騰などにより、売上原価が上昇し、営業利益が大幅な減益となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ789百万円増加し、18,865百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ286百万円増加し、4,141百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ503百万円増加し、14,723百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,257百万円(前連結会計年度は11,698百万円)、営業利益737百万円(前連結会計年度は866百万円)、経常利益809百万円(前連結会計年度は1,009百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益460百万円(前連結会計年度は660百万円)となりました。
販売形態別の販売状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
2021年12月期
|
2022年12月期
|
前期比 |
|
|
金額 |
増減率 |
|||
|
自社販売 |
6,884 |
6,986 |
― |
― |
|
海外販売 |
3,493 |
3,930 |
― |
― |
|
OEM販売 |
1,320 |
1,340 |
― |
― |
|
合 計 |
11,698 |
12,257 |
― |
― |
<自社販売>
自社販売は、新型コロナウイルスの感染拡大により仕入品の一部に欠品が発生したものの、フォーリーやテューマーステント、クリニースキャン等の泌尿器系製品が好調に推移したため、売上高6,986百万円(前連結会計年度は6,884百万円)となりました。
<海外販売>
海外販売は、中国販売の拡大及び人民元の為替レートが円安になったことにより大幅な増加となりました。また、輸出販売は欧州向けが引き続き好調であったことに加え、ブラジルなど新興国からの新規受注獲得により、売上高は3,930百万円(前連結会計年度は3,493百万円)となりました。
<OEM販売>
OEM販売は、外科系、血管系製品が好調に推移したことから、売上高1,340百万円(前連結会計年度は1,320百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ288百万円増加し、3,702百万円となりました。
当連結会計年度における各連結キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
<1>キャッシュ・フローの状況
|
(単位:百万円) |
|
|
2021年12月期 |
2022年12月期 |
増 減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,248 |
461 |
△787 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△585 |
38 |
623 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△442 |
△355 |
86 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
109 |
144 |
35 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
330 |
288 |
△41 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
3,083 |
3,413 |
330 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
3,413 |
3,702 |
288 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は461百万円となりました。これは棚卸資産の増加額505百万円、法人税等の支払額429百万円などの資金の減少に対し、税金等調整前当期純利益836百万円、減価償却費600百万円などの資金の増加が主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は38百万円となりました。これは定期預金の預入による支出213百万円、有形固定資産の取得による支出260百万円、無形固定資産の取得による支出99百万円、投資有価証券の取得による支出110百万円などの資金の減少に対し、定期預金の払戻による収入593百万円、有価証券の償還による収入100百万円などの資金の増加が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は355百万円となりました。これは配当金の支払額336百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出23百万円などの資金の減少が主な要因です。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
|
製品系統別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
泌尿器系 |
3,934,487 |
25.7 |
|
消化器系 |
3,510,058 |
14.3 |
|
外科系 |
1,059,570 |
8.4 |
|
血管系 |
450,569 |
△12.3 |
|
看護・検査系他 |
574,849 |
14.0 |
|
合計 |
9,529,532 |
16.2 |
(注) 金額は標準販売価格によって算出しております。
b.製品仕入実績
|
製品系統別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
泌尿器系 |
1,541,481 |
16.6 |
|
消化器系 |
△63,989 |
― |
|
外科系 |
79,278 |
△62.0 |
|
血管系 |
259,932 |
36.6 |
|
看護・検査系他 |
395,556 |
△5.5 |
|
合計 |
2,212,259 |
△1.2 |
(注) 金額は仕入価格によって算出しております。
c.受注実績
当社グループは主として販売計画に基づき生産計画をたてておりますが、OEM向け及び海外向けの一部については受注生産を行っております。
当連結会計年度における受注実績を製品系統別ごとに示すと次のとおりであります。
|
製品系統別 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
泌尿器系 |
595,012 |
20.4 |
20,212 |
15.8 |
|
(592,369) |
(22.0) |
(19,884) |
(25.6) |
|
|
消化器系 |
433,034 |
56.0 |
200,373 |
54.9 |
|
(372,787) |
(73.2) |
(180,258) |
(60.5) |
|
|
外科系 |
74,034 |
26.0 |
20,028 |
48.4 |
|
(15,650) |
(59.4) |
(6,631) |
(579.3) |
|
|
血管系 |
752,765 |
2.3 |
263,244 |
0.5 |
|
(28,154) |
(66.9) |
(7,969) |
(118.5) |
|
|
看護・検査系他 |
497,004 |
△1.3 |
89,459 |
76.3 |
|
(39,012) |
(249.2) |
(13,051) |
(185.4) |
|
|
合計 |
2,351,850 |
13.6 |
593,318 |
25.4 |
|
(1,047,974) |
(41.8) |
(227,796) |
(65.9) |
(注)( )内の数字は内書の数字であり海外受注高を示しております。総受注高に対する海外受注高の割合は44.6%であります。
d.販売実績
当連結会計年度の製品系統別内訳は、次のとおりであります。
|
製品系統別 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
泌尿器系 |
5,577,132 |
― |
|
消化器系 |
3,393,360 |
― |
|
外科系 |
1,085,794 |
― |
|
血管系 |
778,966 |
― |
|
看護・検査系他 |
1,422,040 |
― |
|
合計 |
12,257,294 |
― |
(注)主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して789百万円増加し18,865百万円となりました。これは、受取手形の減少50百万円、売掛金の減少36百万円、その他無形固定資産の減少59百万円に対し、商品及び製品の増加174百万円、仕掛品の増加154百万円、原材料及び貯蔵品の増加301百万円、リース資産の増加118百万円、投資有価証券の増加153百万円が主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して286百万円増加し4,141百万円となりました。これは、退職給付に係る負債の減少65百万円に対し、電子記録債務の増加86百万円、賞与引当金の増加41百万円、その他流動負債の増加69百万円、その他固定負債の増加107百万円が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して503百万円増加し、14,723百万円となりました。これは、利益剰余金の減少59百万円に対し、為替換算調整勘定の増加439百万円、退職給付に係る調整累計額の増加88百万円が主な要因であります。
②経営成績の分析
(売上高)
売上高は、12,257百万円(前連結会計年度は11,698百万円)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症による影響が改善したことなどにより、全ての販売形態が増加となったことなどが主な要因でありますが、特に輸出販売が円安を背景に大幅な伸びとなっております。なお、販売形態別の販売状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりとなっております。
(営業利益)
営業利益は、737百万円(前連結会計年度は866百万円)となりました。これは、売上高が増加したものの、急激な円安による輸入仕入コストの上昇や物流費用の高騰などにより、売上原価が上昇したことが主な要因であります。
(経常利益)
経常利益は、809百万円(前連結会計年度は1,009百万円)となりました。これは、営業利益の減少に対して、為替差益を計上したことが主な要因であります。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、固定資産売却益5百万円と補助金収入22百万円を計上いたしました。また、税金等調整前当期純利益は836百万円(前連結会計年度は965百万円)となっております。
(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等は、376百万円(前連結会計年度は305百万円)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は460百万円(前連結会計年度は660百万円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、部材・原材料の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
(棚卸資産の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、第8波による感染拡大が見られるものの、感染対策とワクチン接種が進み、経済活動への規制が緩和されたことで、長期的には社会活動が正常化に向かうものと仮定し、会計上の見積りを行っております。
現時点でのこれらの仮定は、会計上の見積りに重要な影響を与えるものではないと判断しておりますが、今後、感染症の再拡大により、営業面における通常医療への影響、サプライチェーンにおける生産工場の操業停止や原材料の供給停止など、事業活動に多大な影響を受けた場合には財政状態や経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るため株主資本の効率的運用を目指し、株主資本利益率(ROE)を6%超にすることを目標としております。当連結会計年度における株主資本利益率(ROE)は3.2%であり、引き続き株主資本利益率(ROE)の水準の向上に努めてまいります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当社グループは、国産メーカーとして創業当初から「かけがえのない生命を守る」という崇高な医療行為を支え、独創的かつ効果的なディスポーザブル医療機器を開発・製造することに邁進してまいりました。
また、環境が大きく変化する中、多様化、高度化する医療現場のニーズ(特に患者様のQOL向上)に対応した製品を具現化すべく、自社での研究開発・製造のみならず、国内外の各種メーカーのご協力もいただきながら、多くの製品を開発・製造してまいりました。
その結果として、2022年には、膀胱留置用カテーテルとなる “オールシリコーンフォーリーカテーテル(先端開口タイプ)”を発売し、市場にて高い評価をいただいております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、
(1)日本
当社研究開発部門の2022年12月期末の在籍者数は51名であり、現在、本中期3ヵ年にて取り組んでいる研究開発活動は、下記の通りです。
① 消化器分野
本中期3ヵ年においては、カテーテル留置に併用して用いるシーキンク性能とデリバリー性能を有するガイドワイヤの開発及び、ガイドワイヤと併用するデバイスの発売を計画していると共に、同分野の既存デバイスの改良を進めております。
② 泌尿器分野
尿道狭窄症などにより、排尿障害を発症した場合において、ガイドワイヤで狭窄部を越えたあとにガイドワイヤに被せて挿入できる膀胱留置用カテーテルとなる “オールシリコーンフォーリーカテーテル(先端開口タイプ)”を2022年に発売しました。
本中期3ヵ年においても導尿や採尿、膀胱洗浄等を行う時に必要なフォーリーカテーテルのラインナップ追加品の発売を計画していると共に、同分野のデバイス開発を進めております。
③ PEG分野
食道がんや咽頭がんなどにより、経口的な栄養投与ができない症例に対して用いるボタン型造設キットとなる“フェイシルPEGキット”及びボタン型交換カテーテルとなる“フェイシルボタン”を2020年に発売しました。
本中期3ヵ年においても前述の製品におけるサイズラインナップ追加となる製品の発売を計画していると共に、同分野のデバイス開発を進めております。
初年度となる本中期経営計画に掲げた「国内販売の拡大」、「新製品の自社開発」への取り組みとして、引き続き自社開発品(新製品・改良品)の積極的な上市に取り組んでおります。
また、動物医療の市場へも着目し、現有ノウハウを生かして、2022年は3品目の新製品を発売しました。
(2)日本以外
当社グループが開発・製造してきた百数十品目のノウハウを生かして、各国の市場ニーズに合致した製品を提供するため、OEM・ODM供給を含めた新規開発や改良に取り組んでおります。
また国外、特に中国やASEAN諸国といったアジア圏各国への進出強化に向け、薬事・開発体制含めた製品化までの新しいプロセスを構築し、2021年度から本格的にASEAN諸国へPEG分野・泌尿器分野の製品を主軸として発売しました。インド及びインドネシアのライセンスを取得したことから、2023年はPEG分野・泌尿器分野・血管分野の製品を主軸として販売を計画しております。