文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、1887年(明治20年)の創業以来、「最高の品質こそ 最大のサービス」を社是として、「書く、描く」ことにこだわり、品質向上と技術革新に努め、お客様にご満足いただける「もの」づくりに取り組んでまいりました。
当社の事業は、創業者である眞崎仁六が日本にも鉛筆を普及させたいと願い、「はさみ鉛筆」を一本ずつ販売することから始まりました。その後、海外製品にも負けない鉛筆をつくりたいと考え、1958年に最高品質の鉛筆「ユニ」が生まれました。そして現在、当社の筆記具は、日本だけでなく世界100ヵ国以上のお客様にご愛顧いただいております。また、当社の筆記具は、いつの時代も幅広い年齢層の方々にとって身近な存在としてあり続け、お客様の日常と生活に寄り添ってまいりました。
このような考えの中、2022年に「ありたい姿2036(長期ビジョン)」を公表し、将来の予測が困難な時代において、改めて立ち止まり、当社がこれまでの事業活動のなかでお客様に対してお届けしてきた提供価値を問い直し、再定義するに至りました。当社が筆記具という製品を介してお届けしてきた提供価値とは、「書く、描く」ことによって、お客様一人ひとりが生まれながらに持つ個性や才能をかたちにすることであり、またそういった活動を支えることであると考えております。
そして、創業から積み重ねてきたお客様への提供価値を起点として、筆記するための道具をつくる「筆記具メーカー」から、お客様それぞれが持つユニークを表現する喜びをお届けする「表現革新カンパニー」へと生まれ変わり「生まれながらにすべての人がユニークである」という信念に基づき、「書く、描く」ことを通じて、世界中のあらゆる人々の生まれながらに持つ個性と創造性を解き放つというお客様への提供価値を具現化してまいりたいと考えております。
筆記具には、お客様一人ひとりのユニークを引き出し、高め、彩り、共感しあえるものへと変える力があります。当社は、創業から取り組んできた筆記具事業でお客様にお届けしてきた提供価値と真摯に向き合い、性別、文化、障がいを始めとする一人ひとりが生まれ持った様々な違いを可能性に変えることで、豊かな表現や新たなつながりを生み出すことにより、違いを美しさととらえ、新たな技術で世界を彩ることに尽力してまいります。そういった活動を通じて、より一層のお客様の信頼をいただき、時間を超えてお客様にご愛顧いただける商品をご提供すべく、引き続き一層努力してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、お客様お一人おひとりに支えられ、1887年(明治20年)の創業より当社グループの考える「書く、描く」ということを、商品というかたちにしてご提案してまいりました。この永きにわたるお客様からの信頼にお応えするべく、収益性及び安全性に関する経営指標を総合的に勘案し、長期的な企業価値の向上を目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業150年である2036年に向け、お客様への提供価値を見つめ直し、実現したい将来の「ありたい姿2036(長期ビジョン)」、そこへ向かうためのパーパス・事業ドメインを含んだ「コーポレートブランドコンセプト(企業理念)」を策定しております。
グループ全体のありたい姿(長期ビジョン)を「世界一の表現革新カンパニー」とし、「生まれながらにすべての人がユニークである」という信念に基づき、「書く、描く」ことを通じて、世界中あらゆる人々の個性と創造性を解き放ち、表現する喜びをお届けするという価値を提供してまいります。
また、コーポレートブランドコンセプト(企業理念)を「違いが、美しい。」としております。「書く、描く」という行為には、人それぞれのユニークを引き出し、高め、彩り、共感しあえるものへと変える力があります。当社グループは、新たな技術と常に向き合い、性別、文化、障がい、人が生まれ持ったさまざまな違いを可能性に変え、豊かな表現や新しいつながりを生み出していきたいと考えております。さらに、違いを美しさと捉え、これまでも、そしてこれからも、新たな技術で一人ひとりのユニークを輝かせ、世界を彩りたいと考えております。
この長期ビジョンやコーポレートブランドコンセプトを踏まえて、これからの激しい環境の変化にも臆せず新しいことにチャレンジし、更に成長していくために、「uni re-design」を基本方針とした2022年から2024年までの中期経営計画に取り組んでおります。なお、中期経営計画の基本方針に基づいた重点方針と財務目標は以下の通りです。詳細につきましては、2022年2月17日に公表いたしました『「ありたい姿 2036(長期ビジョン)」「中期経営計画 2022-2024」の策定に関するお知らせ』及び2023年2月13日に公表いたしました『「中期経営計画 2022-2024」の数値目標修正に関するお知らせ』をご参照ください。
〔中期経営計画〕
①筆記具事業のグローバル化
これまで日本起点で行ってきた筆記具事業をグローバル発想に転換いたします。ユニークな筆記具をより多くの方にご利用いただき、世界中の人々の”ユニークさ”を表現することに貢献します。
②新規事業をグロースステージへ
これまで筆記具という製品や技術を中心にとらえてきた事業を、新たに「書く、描く」というお客様への提供価値を起点にとらえ直し、これらの提供価値を具現化することのできる新規事業の創造を目指します。そして、筆記具事業と新規事業を組み合わせることにより、「書く、描く」ことを通じた様々な表現体験そのものを創造し、これまでにない顧客体験を提供いたします。
③サステナブルな体制構築
企業の成長のみならず、自然環境・社会との共生を図り、持続的な成長を目指します。これからも、表現を楽しみ続けられる自由でボーダレスな社会の実現に貢献します。
なお、2022年2月17日の公表時点から為替環境が大きく変化したため、売上高の財務目標を修正いたします。営業利益につきましては、昨今の資源価格や材料費の高騰といった先行き不透明な外部環境を鑑み据え置きといたします。
(2024年財務目標)
売上高 :740億円
営業利益 :116億円
営業利益率:15.7%
(4)経営環境
当社グループを取り巻く筆記具の市場環境は、人口減少と少子高齢化に伴う需要の縮小という構造的問題を抱える国内市場に加え、欧米諸国はすでに成熟した市場となりつつあります。一方、アジアを始めとする新興諸国においては、経済発展に伴う中間所得層の増加を背景に、高品質かつ高機能な筆記具への需要が高まりを見せております。
テクノロジーの飛躍的な進化によって、急速にグローバル化が推し進められるとともに、筆記具に代替する製品やサービスが次々に出てきております。また、環境をはじめとするサステナビリティへの関心の高まりにより、お客様の消費における価値観を大きく変えつつあります。加えてインターネットを通じた流通のさらなる普及は、お客様の購買行動を変容させており、こうした市場環境の変化に迅速に対応していくことが求められています。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、1887年(明治20年)の創業以来、「最高の品質こそ 最大のサービス」という社是のもと、高品質で付加価値の高い筆記具をお届けし、より多くのお客様に喜んでいただくことを使命と考え、活動してまいりました。
当社グループを取り巻く市場環境に目を転じると、テクノロジーの飛躍的な進化によって、加速度的にグローバル化が推し進められるとともに、これまでにない製品やサービスが次々に生み出され、お客様の表現手段の選択肢は広がりを見せております。また、インターネットを通じた流通のさらなる普及は、お客様の消費行動を大きく変容させております。加えて、環境問題を始めとするサステナビリティという課題への関心の高まりは、お客様の消費に対する価値観を大きく変えつつあります。
このような市場環境のなか、当社グループが、今後さらなる発展を遂げるためには、創業から積み重ねてきたお客様への提供価値と向き合い、それを従来の価値観にとらわれることなく、製品やサービスとして具現化していくことが不可欠であると考えております。すなわち、当社グループの提供価値とは、「生まれながらにすべての人がユニークである」という信念に基づき、「書く、描く」ことを通じて、お客様一人ひとりが持つ個性や才能を解き放つこと、そしてこのような“表現体験そのもの”を創造していくことであると考えております。ひいては、これらの提供価値を起点として、新たな市場の開拓とさらなる価値の創出を通じた売上と利益を伴うシェア拡大が必要であり、また筆記具事業と新規事業を組み合わせることによって、お客様への提供価値をさらに高めることが重要であると考えております。そのためには、企業の成長のみならず、自然環境や社会との共生を前提としたサステナブルな体制を構築していかなければならないと考えております。
これらの取り組みを通じて、当社グループに関係される多くのステークホルダーの方々との間で信頼関係を築き、持続した成長を実現できる当社グループを目指してまいります。
当社グループの経営成績、財政状態に大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①為替等のリスク
当社グループの当連結会計年度の売上高に占める米国、アジア、欧州、中近東、オセアニアなど海外市場に対する売上高は50.9%であります。これらの国々との取引におきましては大部分が外貨建ての決済を行っており、外貨建て取引は為替の変動リスクを負っております。これらの取引では先物為替予約などによるヘッジ策を講じておりますが、それにより完全に為替リスクが回避される保障はありません。同様に、樹脂材や板材といった当社製品に使用する輸入部材は日本円以外の通貨で決済しております。そのため、今後当社の予測を超える範囲で為替が変動した場合などは、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
②カントリーリスク
当社グループは、米国、アジア、欧州、中近東、オセアニアなど世界各国において販売事業を、アジアにおいて製造事業を展開しております。当社グループでは、これらの国のカントリーリスクを事前に調査、察知して対処するよう努力しておりますが、予測できない急激な政治的・経済的変動、あるいは租税制度、法律、規制などの大幅な改定、テロ・戦争の勃発、感染症などによる社会混乱は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③新製品開発
当社グループの主たる事業である筆記具の市場におきましては、新製品の開発、発売が当社グループの将来の成長を支える大きな要因であると考えており、付加価値の高い魅力的な新製品を継続的に開発する体制を整えております。しかしながら、今後ますます市場のニーズは多様化し、商品サイクルが短縮化することが予想され、市場ニーズにあった魅力的な新製品をタイムリーに開発、発売することができない場合には、将来の成長性と収益性に影響を与える可能性があります。
④資産の減損
当社グループでは筆記具等の生産のための設備を保有しておりますが、急激な売上げの減少などで生産数量が大幅に減少した場合にはこれらの有形固定資産の収益性が悪化いたします。また、当社グループでは時価のある有価証券を保有しておりますが、株式相場が大幅に下落した場合には、明らかに回復見込みがある場合を除いて減損処理を行います。これら資産の減損処理は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤情報システム
当社グループは、重要な情報の紛失、誤用改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティを実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや情報機器の欠陥、停止、一時的な混乱、内部情報の紛失、改ざんなどのリスクがあります。このような事象が事業活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥棚卸資産
当社グループでは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、販売目的の棚卸資産の収益性を期末において評価し、収益性が低下していると判断される場合には評価損を計上することになります。このため、当社グループの棚卸資産について、市場環境の急激な変化や消費者ニーズの変化により収益性が低下していると判断し評価損を計上する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦原材料等の調達や費用の高騰
当社グループは、主な原材料として原油価格の影響を強く受ける樹脂材、需給バランスに加えて原産地国の資源政策、環境政策の影響を受ける金属材や板材を使用しております。これらの原材料が予期せぬ経済的あるいは政治的な事情により、予定していた単価で安定的に調達できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。現在の原油価格や物流費の高騰が更に長期化する場合は当社グループの総利益や営業利益に影響を与える可能性があります。
⑧法規制
当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。当社グループは、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法規制の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨自然災害
当社グループは、東京に本社機能を持ち、神奈川県、群馬県、山形県及び栃木県に生産及び研究拠点があります。また、中国やベトナムにも生産拠点を有しております。当該地域において地震、洪水、台風、津波を始めとする大規模自然災害や感染症などによるパンデミック等が発生した場合、本社機能の麻痺や生産及び研究活動が停止する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、現在の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が長期化した場合、企業活動や個人の行動範囲が制限されることにより、当社グループにおける製造、販売活動等に影響が生じる可能性があります。当社グループでは、感染予防対策として、継続して在宅勤務やオンライン会議の活用等を推進して、引き続き感染予防対策の徹底に努めてまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束の目途が立たない状況が続くなかでも、段階的に行動制限等が緩和され、経済活動の持ち直しに向けた期待感が持たれました。しかし、ロシア・ウクライナ情勢を背景とする原油を始めとした資源価格の高騰による、先進国を中心としたインフレの高進から、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く外部環境におきましては、テクノロジーの飛躍的な進化によって、これまでにない製品やサービスが次々と生み出されております。また、環境を始めとするサステナビリティへの関心の高まりやライフスタイルの変化は、価値観の多様化をより一層推し進め、シェアリングエコノミーやサブスクリプションを例とした消費のあり方にも変化をもたらしております。こうした環境変化に対応し、お客様の求める価値を提供し続けていかなければ、市場において生き残っていくことが難しい状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループは、「書く、描く」を通じた“表現体験そのもの”を創造することで、すべての人が生まれながらにして持つ個性や才能といった「ユニーク」を表現する機会を創り出すことが、お客様への提供価値ととらえ、「違いが、美しい。」というコーポレートブランドコンセプト(企業理念)に基づき、活動してまいりました。具体的な活動として、障がい者が才能を発揮し、挑戦する機会を生み出すとともに、自立支援を推進することを目的として、一般社団法人障がい者自立推進機構とオフィシャルパートナー契約を締結し、“自分らしさ”をテーマに表現するパラリンアートコンテストを開催いたしました。また、サステナブルな事業体制構築に向けた取り組みとして、「ジェットストリーム」シリーズから、日本国内で回収された海洋プラスチックごみと使い捨てコンタクトレンズの空ケースからリサイクルした“ポストコンシューマープラスチック”をボールペン軸に採用した「ジェットストリーム海洋プラスチック」を発売し、「エコマークアワード2022」の「ベストプロダクト」を受賞いたしました。また、資源循環システムの構築を目指し、子供が学ぶときに初めて手にする鉛筆を通じて資源の循環を体験、実感していただけるように、鉛筆の資源循環システム「フォレストサポーター鉛筆」をテスト発売し、「2022年度ウッドデザイン賞」において奨励賞を受賞いたしました。さらに「使用済み」のプラスチック製ペンの「水平リサイクル」実証プロジェクトを開始いたしました。
これらの活動の結果、当連結会計年度における売上高は68,997百万円(対前年同期比11.5%増)、営業利益は9,243百万円(対前年同期比22.9%増)、経常利益は10,128百万円(対前年同期比21.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,951百万円(対前年同期比22.8%増)となりました。また、中期経営計画の進捗につきましては、海外売上高の構成比が50%を超えるなど、筆記具事業のグローバル化は着実に進展し、新規事業分野においては主に化粧品が好調に推移しております。
セグメント別の業績を概観いたしますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業におきましては、海外市場を中心に販売は底堅く推移し、加えて為替の影響により売上高は伸長しました。それにより、外部顧客への売上高は66,722百万円(対前年同期比11.9%増)となりました。粘着テープ事業、手工芸品事業といったその他の事業におきましては、事業を取り巻く市場環境は依然として厳しいものの、外部顧客への売上高は2,275百万円(対前年同期比0.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2,599百万円増加し、47,098百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、主に税金等調整前当期純利益10,180百万円、減価償却費2,704百万円に対し、法人税等の支払額3,356百万円により、合計で7,281百万円(前年同期比1,087百万円の収入の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、主に固定資産の取得による支出1,577百万円により、合計で1,645百万円(前年同期比2,290百万円の支出の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、主に配当金の支払額1,795百万円、自己株式の取得による支出1,257百万円により、合計で3,895百万円(前年同期比1,140百万円の支出の増加)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
筆記具及び筆記具周辺商品事業 |
(百万円) |
45,106 |
96.6 |
|
その他の事業 |
(百万円) |
747 |
103.4 |
|
合計 |
(百万円) |
45,853 |
96.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
筆記具及び筆記具周辺商品事業 |
(百万円) |
66,722 |
111.9 |
|
その他の事業 |
(百万円) |
2,275 |
100.4 |
|
合計 |
(百万円) |
68,997 |
111.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
・ 売上高
国内市場ではジェットストリームを中心に筆記具の販売が底堅く、新規事業分野の化粧品も好調に推移しました。また、海外市場ではサインペンをはじめ、販売が好調、加えて為替の押し上げ影響もあり売上高は大きく伸長しました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて7,103百万円増加し68,997百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
・ 営業利益
資源価格、原材料価格、物流費の高騰など利益を押し下げる要因はありましたが、売上高が大きく増加したことにより、営業利益は前連結会計年度に比べて1,722百万円増加し9,243百万円(前年同期比22.9%増)となりました。
・ 経常利益
営業利益の増加に加え、主に為替差益や受取配当金の増加により経常利益は前連結会計年度に比べて1,819百万円増加し10,128百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
・ 税金等調整前当期純利益
経常利益の増加に加え、主に減損損失、工場再編損失の減少により税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて2,084百万円増加の10,180百万円(前年同期比25.7%増)となりました。
・ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べて2,084百万円増加し、非支配株主に帰属する当期純利益が107百万円減少したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度から1,292百万円増加し6,951百万円(前年同期比22.8%増)となりました。
・ 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産、負債、純資産の状況は次のとおりであります。
資産は、主に現金及び預金や棚卸資産、投資有価証券が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて7,008百万円増加し130,801百万円となりました。
負債は、主に未払法人税等や長期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べて320百万円減少し25,798百万円となりました。
純資産は、主に利益剰余金やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて7,329百万円増加し105,002百万円となりました。
・ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に筆記具及び筆記具周辺商品事業に係る設備投資、余剰資金運用の為の有価証券購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関等からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関等からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,247百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は47,098百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」という社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は
(1)筆記具事業
①「芯が回ってトガり続けるシャープ」の『クルトガ』シリーズより、シャープペンとして実用的な機能を多く盛り込んだ『KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)』を発売しました。
『KURUTOGA DIVE』は、“「書く」にのめり込む”をテーマにして新開発されたシャープペンで、筆記前も筆記中もノック不要の繰り出し量調整機能付き自動芯繰出シャープです。シャープペンでありながらキャップ式を採用しております。このキャップは、外す所作と同時に自動で芯が繰り出される機構が内蔵されており、キャップを外した後、ノック不要ですぐに書き始めることができます。また、芯の繰り出し量は筆圧や芯の硬度に合わせて調整が可能な高機能シャープペンです。
クルトガエンジンを搭載し、書くたびに芯が少しずつ回転することで、「いつも尖った状態をキープ。」。精密にくっきりと、滑らかな書き心地が持続します。芯がオートマチックに繰り出され、更にパイプを引きずらないので筆感を損なうことはありません。気持ちが乗るままにいつまでも書き続けることが可能です。「文字を書く」動作から得られるエネルギーを特殊なパーツに伝えることで、芯を回転させ、さらに自動で芯を繰り出します。回転による一定の書き味と、ノック不要な自動芯繰出で、「書く」にのめり込む体験を実現しました。芯の摩耗量は使う人やシーンによって様々です。筆圧の強弱や、好みの書き心地に合わせて芯の自動繰り出し量を5段階で調整できます。
初回発売は数量限定品として発売しておりましたが、多くのご要望をいただき継続品として新軸色3種を発売することが決定いたしました。
②「クセになる、なめらかな書き味。」の油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、日本国内で回収された海洋プラスチックごみと使い捨てコンタクトレンズの空ケースからリサイクルした“ポストコンシューマー※プラスチック”をボールペン軸に採用した『ジェットストリーム 海洋プラスチック』単色タイプを、環境に配慮したノベルティ専用商品として発売しました。(※ポストコンシューマーとは、製品として使用された後に、廃棄された材料または製品をいいます。)
持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて企業の環境問題への配慮や対応が求められるなか、当社は、社会全体および環境問題への取り組みとして、サステナブルな筆記具開発を目指し、バージンプラスチックの使用を削減した商品開発に取り組んでいます。本商品は、店頭および、学校・企業・自治体といったさまざまな団体にて回収を行った使い捨てコンタクトレンズの空ケースを使用し、ポストコンシューマープラスチックを軸材にする開発を行いました。文具業界で初めてエコマーク商品類型No.164「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」の認定を取得した、環境に配慮したボールペンです。
当社独自配合技術を採用し、再生材比率ほぼ100%でできた軸材で環境に配慮したボールペンです。商品本体の軸材の構成は、海洋プラスチックごみを使用した再生樹脂とコンタクトレンズの空ケースを使用した再生樹脂の、ほぼ100%のポストコンシューマー材を採用しております。通常のボールペン軸は、強度やデザイン面含めた機能を最大限に発揮するために、数種類の部材を組み合わせていますが、今回発売したボールペン軸は、ポストコンシューマープラスチックと当社独自配合技術を採用することで当社既存の商品と同等の品質を保持したボールペン軸を実現しました。循環や再生の象徴である「メビウスの輪」を取り入れたオーソドックスでミニマルな軸デザインは、マットな風合いとともに、日常生活にもなじみます。穏やかな海をイメージしたライトブルーのワントーンカラーを採用することで、海洋プラスチックごみを使用し、環境に配慮したことをイメージしやすいデザインとなっています。
③「クセになる、なめらかな書き味。」で世界販売本数が年間1億本以上の「ジェットストリーム」から、インク量を10%増量し、紙製パッケージ入りの仕様にリニューアルされた『ジェットストリーム 多色多機能用リフィル』を発売しました。今回のリニューアルでは、環境面の取り組みとしてリフィルの品質を維持できる紙製のパッケージを採用し、インク量を10%増量させました。1本のリフィルをより長くお使いいただけます。これにより、年間約25トンのプラスチック使用量削減に貢献できる見込みです(当社概算による)。また、リフィルを購入する際、使用済みのリフィルと見比べながら探すユーザーが多いことから、リフィル本体の印字の視認性を改良いたしました。印字はインクの入った状態、インクがない状態のどちらでもハッキリとご確認いただけます。
(2)筆記具周辺商品事業
①化粧品事業
筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品アイテムの開発を行っております。リキッドアイライナー、固形アイライナー、毛染めは、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術、鉛筆製造技術や容器設計技術を応用することにより、国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。
②産業資材事業
筆記具着色剤を通じて開発した「分散技術」や「粒子設計技術」、シャープ芯・鉛筆芯技術を応用した「焼成(カーボン)技術」など当社独自のコア技術を活用し将来成長領域での新規事業開発に取り組んでおります。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やカーボンナノチューブ(CNT)など機能性材料の分散液や重合性ナノ粒子、振動板、整合層、多孔体などのカーボン製品等をエレクトロニクス、ウェルネス、モビリティなど様々な分野へ幅広く提案、特に最近では電池材料向けのニーズが高まっており、当社技術の筆記具以外の分野への横展開・新規事業開拓を積極的に進めています。