第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、「エンジニアからビジネスパーソンへ」をミッションに掲げております。

エンジニアという職業をよりクリエイティブな存在に再定義することで、エンジニアが開発をすることにとどまらず、テクノロジーに対する深い理解を基に新しい事業を生み出していく姿を目指しております。エンジニアが最新のテクノロジーを使い、様々な社会課題を解決し、日本社会をより良い未来に導くことが、当社グループの存在意義となります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループにおいては、受注生産方式での売上計上が中心であるため、生産性を向上させ、効果的に外注の協力を得ること、安価かつパフォーマンスの高いサービスを仕入れることにより原価を抑えつつ、売上高を上げていくことが重要になってきます。そのため、売上総利益率が重要な経営指針になると認識し、これを最も重要な指標として位置付けております。

 

(3) 経営環境

当社グループの主軸事業分野である情報通信産業は、加速度的に進化し、特にAIに関する分野は大きな成長が見込まれる状況にあります。

株式会社富士キメラ総研が実施した国内AI市場の調査によると、2022年度のAIビジネス国内市場は1兆3,138億円となる見通しであり、実証実験段階から実稼働、運用、保守の領域までPDCAサイクルを実現する企業が増加したことで市場が大きく進長しました。2023年度以降においてもアプリケーション機能の高度化や特定業務に特化委したシステム活用を目的に投資が拡大する見込みです。企業成長のためには新たなビジネス創出が不可欠であり、経済状況が悪化している中でも業界によってAI投資は優先的に行われております。AIビジネス国内市場は年平均9.3%の成長が予測され、2027年度に1兆9,357億円になると予測されております。その中で当社グループがターゲットとするAIサービス市場は、年平均8.9%の成長が予測され、2027年度には1兆428億円、AIプラットフォーム市場は、年平均10.1%の成長が予測され、2027年度には6,723億円と高い成長ポテンシャルを示しております。

 

(4) 対処すべき課題

当社グループは、以下の事項を対処すべき主要課題と捉えております。

 

① 費用対効果が求められるAI実用の時代への対応

国内外のAI関連企業がAIの研究開発に多額の資金を投じる中、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」で記載の通り、近年AIの市場規模の拡大には著しいものがあります。進化するAIを積極的に活用し、日本企業における導入事例を早期に創り上げることがAIソリューション事業の成功の鍵となります。従って、当社グループでは常に最新のAIを検証し、その業務用途を構想し、どのような業種・業態に対して、どのようなAIの活用可能性があるかを探求しております。当社グループはAIの研究に特化したR&Dチームを有しており、技術トレンドの検証を行っております。重点分野は、特に画像認識、自然言語解析、機械学習によるデータ分析を活用したソリューションの開発となります。

 

② AI導入顧客数の拡大

当社グループでは、まずは案件の規模にかかわらず、多くの業種・業務においてAIの活用事例を作ることが当面の課題だと考えております。顧客数が増え、案件数が増えれば、AIの導入事例も増えるので、多くの企業がAIの効果を実感することが可能となります。効果が測定できればAI導入を予算化することができるので、二次的には案件の金額規模の拡大が見込まれます。

最終的にAI導入顧客数の拡大が売上規模の拡大にもつながり、AIインテグレーションサービスの成長へとつながることから、AI導入顧客数の拡大を図ってまいります。

 

③ 優秀な人材の確保・育成

当社グループは、今後も事業を永続的に行っていくためには、新卒採用、キャリア採用において優秀な人材を確保し、育成することが重要な課題であると認識しております。特に人材の定着率を上げるための福利厚生制度の見直し、給与制度の改善に取り組んでまいります。

また、パートナー企業についても、新規の協力会社を開拓するとともに、既存の協力会社との協力体制を強化して、優秀なパートナーの安定的な調達を図ってまいります。

 

④ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化

当社グループは、永続的に事業を展開し企業価値を高めるために、強固な内部管理体制の構築が重要な課題であると認識しております。当社グループでは、内部統制の実効性向上に向けた環境・体制を整備し、監査法人や顧問弁護士といった外部専門機関と連携を取り、コーポレート・ガバナンスの充実に繋げていくよう内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業等に関するリスクを網羅するものではございません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

(経済、市場の動向について)

当社グループのAIソリューション事業は、企業を主要顧客としております。従って、国内の景気及び顧客企業のシステム関連の設備投資動向が悪化した場合には、当社グループの事業展開、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(競合、価格競争等について)

当社グループの属するAI関連の業界は、AIの普及による新規参入や他社との製品の差別化競争、価格競争が激化することが想定されます。当社グループでは当業界での知名度を上げ、実績等を積み重ねることにより製品の差別化競争や価格競争に勝てるよう対応を講じておりますが、想定した単価で契約ができない場合は、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(新型コロナウイルス感染症拡大について)

今般の新型コロナウイルス感染症の流行拡大等に関して、当社グループにおいても一部影響を受けておりますが、当社グループにおいては顧客となる業種、業態が多岐にわたり、新型コロナウイルス感染症の影響により業態の変化に積極的な顧客、及びデジタル化を推進する顧客との取引が拡大しているため、当社グループの業績への影響は軽微と認識しております。しかし、今後新型コロナウイルス感染症の感染拡大が長期化した場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

(開発工数の増加について)

当社グループが、システム開発を請け負う場合、仕様の大幅な変更、不具合の発生等、当初想定通りの品質が確保できない場合など、予期し得ない事由の発生等により開発工数が増加することで、当初グループの納入予定日が変更となり、開発工数増加による採算性悪化や、売上及び利益の計上が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれする可能性があります。そのような採算性の悪化や期ずれが発生した場合、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(技術革新への対応について)

当社グループの事業領域であるAI関連の業界は、全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社グループはそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに対応できない場合、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(外注先について)

当社グループにおけるシステム開発業務等については、人材の確保、開発業務の効率化、顧客要請への迅速な対応等を目的として、業務の一部について外注先への外部委託を活用しております。現時点では優秀な外注先との良好な連携体制を維持しており、今後も外注先の確保、及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針ではありますが、外注先から十分な人材を確保できない場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報システムのトラブルについて)

当社グループは社内システムの大部分をクラウドサービスにすることで、システムに必要なメンテナンスや故障対応を外部に委託しております。データのバックアップ、故障発生時のデータ保全、システムの可用性などクラウドサービスで定義されたSLA(Service Level Agreement)を確認して、障害発生時にも当社グループの業務がいち早く復旧できるよう備えております。

通常の通信回線とは別に副回線による冗長化も施しておりますが、大規模な地震や火災等の災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害等によるシステムトラブルが生じた場合、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

(人材の確保と育成について)

当社グループの基幹事業であるシステム開発は、知的労働集約型の業務であり、一定水準以上の専門技術や知識を有する技術者やそれを販売する営業部員の確保と育成並びに当社グループへの定着が重要であると認識しております。また、管理部門の人員についても、会社の重要な業務を担う部門であるため、人材の確保と定着が重要であると認識しております。現在、採用の強化や社内での教育の実施、福利厚生の充実など離職防止策の導入を実施しておりますが、当社グループが必要とする人材が十分に確保できない場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報管理体制について)

当社グループは、顧客の秘密情報及び顧客が保有する個人情報を知りうる場合があることから、当該情報を漏えいするリスクがあります。当社グループはISO/IEC27001を取得するとともに、情報管理体制を構築し、情報管理の徹底を図っております。しかしながら、人為的ミス等により知り得た情報が漏えいした場合には、当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(小規模組織について)

当社グループは、2022年12月31日現在において、取締役11名、従業員113名と小規模な組織となっており、内部管理体制もこれに応じたものになっております。当社グループは、今後の事業規模の拡大に応じて、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制及び知的財産等に関するリスク

(法的規制等について)

当社グループは、事業者との間で業務委託契約を締結し、業務を委任しておりますが、「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)が適用される場合があります。

当社グループは、法令を遵守し事業運営を行っておりますが、運用の不備等により法令義務違反が発生した場合には、当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(知的財産権について)

当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、当社グループが認識していない第三者の知的財産権が既に成立している可能性や、使用しているフリーソフトウエアが第三者の知的財産権を侵害している可能性などから、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差止請求及びロイヤリティの支払い請求等が発生した場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他

(新株予約権について)

当社グループは、当社グループの役職員に対してインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在におけるストック・オプションは560個(112,000株)であり、発行済株式数の12.0%に相当します。これらストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(訴訟等について)

当社グループは、その事業活動の遂行過程において、取引先により提起される訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。これらの手続きは結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載は
しておりません。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスによる厳しい状況が徐々に収まり、緩やかに持ち直しているものの、原材料の価格高騰、ウクライナ情勢の長期化、米国、EU等の金融引き締めにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが主にサービスを展開する情報産業分野においては、業種を問わず各企業へデジタル化の波が押し寄せている背景を受け、当社グループが得意とする人工知能(AI)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用・推進は、変わらず活況を呈しております。反面、生産労働人口の減少とあらゆる業界がITエンジニアを含むデジタル人材の獲得を行っているため、人材不足が懸念されます。

この様な環境のもと、当社グループはAIやIoTエッジに加えてDXを含めた新しいサービスの確立に取り組んでまいりました。そして、業種業態を問わずAIインテグレーションにかかわる様々な実績を積むことで企業の課題を解決し、結果顧客が提供するデジタルサービスの推進・開発に寄与しています。効率化やコストカットなどの「守りのDX」に加えて、新しく売上を創出するためのデジタル化「攻めのDX」案件も増え、その中でも特に大手企業と伴走型のプロジェクト進行で着実に成果を出すことで、より強固なパートナーシップを結ぶことができました。

 これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、1,169,242千円となりました。

当連結会計年度末の負債は、293,799千円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、875,442千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度末の売上高は1,574,596千円営業利益は110,019千円経常利益は106,916千円親会社株主に帰属する当期純利益は75,143千円となりました。また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、39.7%の目標値に対し、41.0%となりました。

 

当社グループはAIソリューション事業を次のサービスラインで実行しております。サービスラインとは当社グループが提供している個別のサービスを大括りにしたサービスの総称であり、これらを組み合わせて、段階的に顧客に対してサービス提供を行います。

 

 

<AIソリューション事業を構成するサービスライン>

[AIインテグレーションサービス]

 AIインテグレーションサービスでは、業務効率化のためのAI導入とその効果を最大化させる事を目的とした業務可視化及び最適化設計・導入を推進しております。AI化やロボット化の具体的なアイデアが固まっていない顧客企業にも、当社グループではAIの基本機能をコンポーネント化(部品化)しているため、サービス導入までのスピードアップを目指すとともに事業の拡大を図っております。

 この結果、AIインテグレーションサービスの売上高は506,359千円となりました。

 
[DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス]
 DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスでは、顧客企業のIT化を支援し、企業のデジタル化を推進しております。アナログからデジタルへ業務・サービスを変換していくための推進・サポートや、クラウドを活用した業務開発を推進することで拡大するDX市場に対する事業拡大を図っております。

 この結果、DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスの売上高は767,135千円となりました。

 

[プロダクトサービス]

 プロダクトサービスでは、当社グループが有するAIプロダクト「SyncLect」や「Pocket Work Mate」等を顧客に提供し、もしくはカスタマイズすることによって顧客の経営課題を解決するサービスを提供しております。また新たに顧客企業の効率化・内製化を支援する「Power Platform内製化支援サービス」を提供し、ツールを利用するためのスタートアップセミナーから内製化に向けた支援策まで、顧客企業の現状に合わせたサービスラインナップを準備して、順調に案件数を増やしております。
 この結果、プロダクトサービスの売上高は115,947千円となりました。

 

[OPSサービス]

 OPSサービスでは、AIインテグレーションサービスで開発したシステムの軽微改修や定期運用、障害時の保守対応はもとより、システム内の情報を有効的に活用できるよう継続的に機械学習を行い、運用の自動化や顧客企業に新しい「気付き」を与えるサービスを提供しております。OPSサービスは、AIインテグレーションサービスの売上に追随して売上が上がる傾向があります。当連結会計年度においては、フロービジネスとなるAIインテグレーションサービス、DXサービスの運用・保守業務によって案件の積み重ねを確実に実行できており、OPSサービスの売上が増加いたしました。

 この結果、OPSサービスの売上高は185,153千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、818,610千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、84,268千円となりました。

主な要因は、売上債権及び契約資産の増加130,287千円、法人税等の支払額16,519千円があったものの、税金等調整前当期純利益106,916千円、減価償却費11,406千円、仕入債務の増加76,898千円、未払費用の増加9,769千円の計上があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、31,209千円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得27,208千円、無形固定資産の取得による支出13,649千円があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、発生しておりません。

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績

当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

1,608,851

202,494

 

(注) 1.当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。

2.当連結会計年度より、連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

c.売上実績

当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

1,574,596

 

(注) 1.当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が10/100未満であるため記載しておりません。

3. 当連結会計年度より、連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
 当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに係る仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

b.経営成績等

(売上高)

当連結会計年度の売上高は1,574,596千円となりました。主な変動要因については、本書「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載の通りであります。

 

(売上原価・売上総利益・売上総利益率)

当連結会計年度の売上原価は929,060千円となりました。この主な内訳は、売上高が増加した事に伴い、外注加工費、労務費等も増加したことによるものであります。

この結果、売上総利益は645,535千円となりました。

また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、41.0%となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は535,515千円となり、この主な内訳は、従業員の増加による人件費及び教育に係る費用等の増加によるものであります。

この結果、営業利益は110,019千円となりました。

 

(営業外損益・経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は補助金収入の発生により、5,903千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は移転に係る地代家賃の発生により、9,006千円となりました。

この結果、経常利益は106,916千円なりました。

 

(特別損益、法人税等、当期純利益)

当連結会計年度において、特別損益は発生しませんでした。その結果税金等調整前当期純利益は106,916千円となりました。また、法人税等は、31,773千円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は75,143千円となりました。

 

c.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、1,169,242千円、流動資産は1,103,103千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が818,610千円、売掛金及び契約資産265,526千円であります。固定資産は66,138千円となりました。主な内訳は、有形固定資産26,347千円、無形固定資産16,881千円、投資その他の資産22,909千円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、293,799千円となりました。主な内訳は、買掛金154,209千円、未払金19,221千円、未払費用48,866千円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、875,442千円となりました。その内訳は、資本金362,641千円、資本剰余金352,641千円、利益剰余金160,160千円であります。

 

d.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

e.資本の財源及び資金の流動性

主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で対応していくこととしております。なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

f.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

g.経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、日々進化するAI技術を業務で利用しやすい形に変換して提供することを目的に、研究開発を進めております。AI、IoTなどの新しい技術領域の研究開発結果を「SyncLect」サービスに集約してサービス提供することで、汎用的な利用を可能とするとともに多様化する先端技術のサービス窓口になることを目指しております。

当連結会計年度において、当社グループが支出した研究開発費の総額は14,731千円であり、次の技術分野に対する研究開発活動を行っております。

 

(1) SyncLect Edge AI Automation

 この数年、画像解析を中心にエッジAIを活用した事例が数多く見られるようになってきました。一方、運用コストがネックとなり実証実験で止まってしまう事も業界を問わず発生し、AIの社会実装に向けた課題として捉えておりました。

 当社グループではエッジAIの運用コスト削減を実現するため、アノテーションから再学習によるモデルのアップデート、再配布までを自動で行うサービス「SyncLect Edge AI Automation」を研究開発するとともに特許申請を行い、サービスリリースを行っております。

 

(2) スマートストア

労働人口の不足や働き方改革によって、各業種で人手不足が深刻な問題に直面しております。

AIやIoTと言った最新テクノロジーを採用することで、店内のショッピング体験向上、顧客行動のデジタル化、非接触型決済を始めとする購入プロセスの簡略化、新型コロナウイルス対策などデジタル活用を行うスマートストア向けに、複数エッジカメラによる映像解析、インテリジェントビジョンセンサー(※)による人流解析、IoT解析後の機械学習予測・分析をすべて繋げるソリューションを研究開発によって提供しております。

また、スマートストアで培ったテクノロジーをスマートシティ領域に利用する拡張を進めております。

 

※ インテリジェントビジョンセンサーとは、画像処理に加えて高速なエッジAI処理までを単体で行える画期的なイメージセンサーです。画像データをクラウドに伝送してAI処理する従来システムの課題となっていたデータ転送量を削減でき、またプライバシーへの配慮や消費電力・通信コスト削減も実現します。

 

(3) アライアンス×テクノロジー

マイクロソフト社のPower Platformや関連するGPTモデル、NVIDIA社のJetson Orinなどに代表されるような、アライアンス先のテクノロジーを組み込んだサービス化に向けて技術研究を行っております。その技術をどのような場面、業務で利用するかについては、研究開発チームのみならずアライアンス先の顧客ニーズと掛け合わせることで、新しいテクノロジーの利用価値を高めて提供しております。