第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは以下の方針を掲げ、インターネットで何かを始めたい方のツールとして、様々なインターネットサービスを提供しております。企業理念である「もっとおもしろくできる」を通じ、個人の表現活動だけでなく、すべての企業活動において、もっとおもしろいものを自由に表現できる環境を目指します。「人類のアウトプットを増やす」というミッションのもと、ひとりひとりが持つ力や可能性をひろげるために、インターネットと表現の可能性を追求しながらサービスを運営していくこと、そして新しいものを生み出していくことで、誰もが活躍できる環境を創造してまいります。

(2)対処すべき課題

当社グループは以下を主な経営課題として認識しております。

①成長性の高い市場への新サービス投入による戦略的な事業成長

ストック型のビジネスモデルをもつホスティング事業やEC支援事業の各サービスを通じ獲得できる安定的で高い収益力を活かし、フロー型のビジネスモデルであるEC支援事業、ハンドメイド事業、金融支援事業などの成長性の高い事業への投資を行うほか、ブランド力、顧客基盤及び運営ノウハウを活かした新サービスやシナジー効果の高い関連企業などに資金を投入し、事業領域の拡大を図ります。

②優秀な人財の確保

エンジニア、デザイナー、ディレクターなどサービスを創り出す優秀な人財を集める環境を整備するため、給料水準の引き上げや、福利厚生の充実を図るとともに、社内教育や人事制度の整備などにおいても積極的に取り組むほか、リモートワークとオフィスワークのそれぞれの利点を生かしたハイブリッドな勤務体制の構築や業務効率化で生産性の向上を図り、そこから生まれた利益をより専門性の高い人財の確保に投資することで、企業としてのブランド及び企業価値の向上に繋げるための環境構築を図ります。

当社グループは、ユーザーの多岐にわたる表現活動をサポートする企業として、有機的に事業成長し続けるために、これらの経営課題に対し、成長スピードに応じたリスク管理体制・法令遵守体制などコーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。

(3)事業戦略

①事業ポートフォリオの基本的方針

当社グループは、個人や企業向けにインターネットサービスを提供しており、事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。経営環境を取り巻く諸要素に鑑み、ホスティング事業、EC支援事業、ハンドメイド事業、金融支援事業の4つの事業ポートフォリオを構築し、決算説明会資料等において業績の進捗や見通しを開示しているほか、2026年にむけた中長期の目標を策定し、持続的な経営効率の向上と事業成長を目指しております。

②中長期の事業戦略

当社グループでは、中長期的な経営目標として2026年12月期に連結営業利益15.7億円を掲げております。中長期の経営目標を達成するため、ストック型のビジネスモデルであるホスティング事業の「ロリポップ!」、「ムームードメイン」や、EC支援事業の「カラーミーショップ」の安定的で高い収益力を活かし、フロー型のビジネスモデルであるEC支援事業の「SUZURI」、ハンドメイド事業の「minne」のほか、金融支援事業の「FREENANCE」や新規事業など成長性の高い事業への投資を行い、中長期的な企業価値の向上を目指しております。

 

 

 

 

 

 

(4)サステナビリティに関する基本的方針

①サステナビリティの基本方針

GMOペパボは「もっとおもしろくできる」という企業理念のもと、インターネット事業者として事業活動を継続すること自体が社会課題の解決につながると考えております。各サービスを通じ、人類のアウトプットを増やし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。将来にわたり企業理念「もっとおもしろくできる」を実現し続けるため、事業を通じて中長期的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、ホームページ・ブログの制作、ネットショップの開設・運営、オリジナルグッズの販売、ハンドメイド作品の販売、フリーランスの活動をしている個人や個人事業主だけでなく、事業規模を問わないすべての表現活動を行う人々を支援しています。事業を通じて表現者を支援することで企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現を目指します。

 

②サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)

当社のサステナビリティに関する3つの重要課題(マテリアリティ)に基づいた取り組みを企業ホームページにおいて記載しており、「ESG」の定量データ開示や具体的な取り組み事例等の情報開示を実施しております。

(3つの重要課題)

1.環境負荷の低減を通じた地球環境への配慮と保全

2.あらゆる人々を支援し人類のアウトプットを増やす

3.ガバナンスの強化による健全で透明性のある企業経営

 

③地球環境への配慮と保全:気候関連財務情報開示(TFCD)について

世界では気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しています。日本国内でも異常気象による大規模な自然災害が多発するなど大きな影響をもたらし、今や気候変動は企業にとって看過できない状況となっています。

このような中、当社グループにおいても、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しており、2021年度に新たに特定した3つのマテリアリティのうち、「環境負荷の低減を通じた地球環境への配慮と保全」を重要なマテリアリティと位置づけ、TCFDの提言に準じた気候変動シナリオの分析やガバナンス/リスク管理体制の開示を進めています。

 

④TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示

TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示致します。

ガバナンス

 

・ペパボ向上委員会において、ESG気候変動リスク・機会、TCFDのシナリオ分析等の結果を年に一度報告し、議論を実施(年1回以上)

 

・ESGマテリアリティの1つを「環境」と特定し、環境負荷の低減を通じた地球環境への配慮と保全を推進

 

戦略

 

・TCFDが提言する気候変動のシナリオ分析と気候変動リスク・機会の選定、財務インパクトの評価を実施

 

・当社グループの中期戦略に基づき、社会課題の解決と中長期の企業価値向上を意識した議論を実施

 

リスク管理

 

・当社にとっての重要リスクの特定を行い、事務局管理のもと、ペパボ向上委員会において報告と議論を実施(年1回以上)

 

・取締役会においてペパボ向上委員会での活動報告を実施(年1回)

 

指標と目標

 

・中長期的な温室効果ガス(GHG)の排出削減目標の達成を考慮し、実績の把握と目標設定等の開示に向けた取り組みを実施

 

 

 

(ガバナンス)

当社は自らの社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現を目指すために取締役が担当となる「ペパボ向上委員会」を設置し、TCFDが提言する気候変動のシナリオ分析と財務インパクトの評価と検討を行った上で、年1回取締役会において、ペパボ向上委員会での活動報告を実施しております。

管理体制図


 

(戦略)

TCFD提言が推奨するシナリオ分析の手法により、将来の気候変動が当社事業に影響を及ぼし得るリスク・機会を特定しています。IPCCやIEA等  のシナリオを参考に、当社を取り巻く自然環境や社会環境の変化を想定したシナリオを設定し、気候変動に関するリスク・機会を特定しました。

 

 

(事業戦略への影響)

大:リスクにおいては自然災害発生によるデータセンターや工場の稼働停止、機会においては技術革新による   表現活動の変化等の可能性が広がることから、事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定されます。

中:リスクにおいてはステークホルダーからの評判や信頼の低下、機会においては消費者の嗜好の変化や表現の多様化に対応したサービス展開による事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定されます。

小:炭素税の導入に伴うコストアップや気温の上昇によるリスクがあるものの、事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定されます。

 

区分

気候変動がもたらす影響

リスク

機会

期間

評価

対応方針

移行

政策

規制

・炭素税の導入等によるオペレーションコスト増加

・配送等のコスト増による販売需要の減少

リスク

中長期

再生可能エネルギーの利用促進と配送業者等の複数選定、デジタルコンテンツへの商材転換

評判

・ステークホルダーからの評判や信頼度の低下

リスク

短中期

気候変動に関連する開示の充実とGHG排出量の明確化

物理的

急性

・自然災害による工場やデータセンターの稼働停止

リスク

短中期

データセンターや提携工場の調達先候補の複数選定

慢性

・気候変動に伴う海面上昇によるコスト増や工場移転等の間接的な影響

リスク

中長期

取引先や提携工場の複数選定によるリスク回避

製品/サービス

・環境意識の高まりや消費者の嗜好の変化、技術革新による表現方法の多様化

機会

短中期

SUZURIやminneにおけるデジタルコンテンツ取り扱いや、minneカレッジ等の消費者の嗜好変化に応じた多様な表現活動への対応

市場

・Web3領域やAIの活用等の技術革新を通じた表現活動の変化と新しい市場の構築、気候変動に伴う電気量削減等、効率化への技術的対応

機会

中長期

ペパボ研究所・ペパボ3推進室による新たな技術研究や情報収集による技術力の保有など長期的な成長機会への対応

 

 

(リスク管理) リスク管理体制および議論

当社にとって、重要なサステナビリティを軸に3つのマテリアリティを特定しているほか、TCFDの提言に準じた気候変動シナリオ分析に基づいたリスク管理を行い、事務局管理のもとペパボ向上委員会において報告と議論を実施しております。(管理体制はガバナンスに記載の管理体制図の通り)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(指標と目標)

中長期的な温室効果ガス(GHG)の排出削減目標の達成を考慮し、Scope1,2,3についても目標設定等の開示に向けて取り組んでまいります。

 

GHG排出量                                       (単位:t-CO2)

 

2020年12月期

2021年12月期

2022年12月期

Scope1 *1

0

0

0

Scope2 *2

70.5

86.7

120.2

 

*1 Scope1:企業が自ら排出するGHG排出量

*2 Scope2:購入した電力・熱等の間接的な排出量、空調は地域の電力料金に基づき概算で算出

                                            (単位:t-CO2)

 

2020年12月期

2021年12月期

2022年12月期

Scope3 *3

7,441.6

8,456.6

8,138.0

category 1

(購入した製品)

7,010.1

7,440.7

7,496.4

category 2

(資本財)

245.0

827.0

450.6

category 3

(燃料・エネルギ-(Scope1,2以外))

18.9

13.7

10.8

category 6

(出張)

57.5

60.1

61.8

category 7

(通勤)

110.1

115.1

118.4

 

*3 Scope3:当社の活動に関連する他社の排出量、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.1)を基準に原単価を算出

 

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、本書提出日現在における当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

(1)GMOインターネットグループとの関係について

当社グループは親会社であるGMOインターネットグループ株式会社を中心とした企業集団(以下、GMOインターネットグループ)に属しており、同社は当事業年度末現在における当社の議決権の59.6%(うち2.0%は間接保有)を保有しております。当社グループは独立性、自主性に基づき企業運営を行っておりますが、GMOインターネットグループの当社グループに対する基本方針等に変更が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(GMOインターネットグループとの取引)

GMOインターネットグループとの取引については、取引条件の経済合理性を保つため定期的に契約の見直しを行っており、今後発生する取引等につきましても、市場原理に基づいて取引の是非を判断してまいります。しかしながら、GMOインターネットグループの当社グループに対する取引方針や条件等に大きな変更が生じた場合や、取引が困難となった際の代替事業者の確保に時間を要した場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(GMOインターネットグループとの人的関係について)

本書提出日現在における当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名のうち、取締役会長である熊谷正寿は、GMOインターネットグループ株式会社の代表取締役グループ代表 会長兼社長執行役員・CEOでありますが、その豊富な経験をもとに当社の事業に関する助言を得ることを目的として招聘しております。

(GMOインターネットグループとの事業の棲み分けについて)

GMOインターネットグループの主な事業は、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業及びインキュベーション事業です。

その中で、グループ企業数社と当社グループにおきましては、サービス形態が一部類似しておりますが、当社グループは主に個人の創作活動や趣味を通じた自己表現やコミュニケーションツールとしての利用、また、個人事業主、小規模法人など低価格でのビジネスニーズに対して提供しているのに対し、当社グループ以外のGMOインターネットグループ企業は、法人をターゲットにインターネットを通じたビジネス展開や企業情報の発信のための高性能で多機能なサービスを提供しており、ターゲット・価格帯・基本性能が異なることから、事業の棲み分けがなされております。

(ブランドに対するリスク)

GMOインターネットグループにおいて業務遂行上の第三者とのトラブル、役職員による不正行為の発覚、事実と異なる風評報道などがあった場合には、当社グループを含むGMOインターネットグループの信用が毀損され、企業イメージの悪化などにより、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業内容、事業環境について

(競合と市場状況について)

① ホスティング事業

ホスティング事業の事業領域であるレンタルサーバー、ドメインの分野においては、利用者ニーズの多様化、高度化も含めた市場規模の拡大が今後も進むと考えております。しかし、代替となるサービスの発生やレンタルサーバー以外の形態によるインターネット利用の拡大等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、同事業領域は複数の同業他社が存在しております。そのような中において、「ロリポップ!」は個人向けのレンタルサーバーサービスで国内最大規模であると認識しておりますが、「ロリポップ!」と同価格帯のサービスも多数存在しており、競争状態にあります。

その対策として、当社グループは、ターゲットや価格帯を変えた複数のサービスブランドを展開しており、それらをあわせて総合的にシェアを拡大していく戦略をとっております。しかしながら、今後の技術開発競争、価格競争や新規参入により更なる競争の激化が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

② EC支援事業

EC支援事業の事業領域である電子商取引(EC)の分野においては、市場規模の拡大が続いております。当社グループでは今後もEC市場が拡大することを想定しており、販売する側も大企業から中小企業、個人商店から個人へと裾野が広がると考えております。

しかしながら、電子商取引を取り巻く法規制や、トラブル等により、当社グループの期待どおりにEC市場が拡大しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

EC市場が拡大した場合にも、競合他社及び新規参入業者に技術開発競争、価格競争、ブランディングにおいて優位性を保てない場合には、想定通りの成長が見込めない可能性があります。

③ ハンドメイド事業

スマートフォンの普及などを背景に個人間の電子商取引(CtoC)の市場は年々拡大を続けております。それに伴い、手芸や趣味工芸を中心とするハンドメイドマーケットについても、引き続き市場が拡大するものと考えております。

しかしながら、作家と購入者間のトラブル等の発生により、取引方法やCtoCサービスの運営に対する新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、競合他社及び新規参入業者に技術開発競争、価格競争、ブランディングにおいて優位性を保てない場合には、想定通りの成長が見込めない可能性があります。

④ 金融支援事業

ツールの進化や働き方改革の推進などにより、フリーランス人口が年々増加していることを背景にフリーランス向けのファクタリング市場も年々拡大を続けるものと考えております。

しかしながら、フリーランス向けファクタリングに関連する新たな法規制やトラブル等の発生により当社グループの想定通りに市場が拡大しない場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、市場が拡大した場合にも競合他社及び新規参入業者に技術開発競争、価格競争、ブランディングにおいて優位性を保てない場合には、想定通りの成長が見込めない可能性があります。

 

(情報セキュリティについて)

当社グループは、第三者による当社グループのサーバー等への侵入に対して、ファイヤーウォールや対策機器などのシステム的な対策を施すほか、専門のチームを設置することにより組織的な情報セキュリティ対策強化を推進しております。

しかしながら、ハッカー等の悪意をもった第三者の攻撃等により顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性、顧客サイトの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性、及びいわゆるサービス不能攻撃によってサービス自体が提供できなくなる等のシステムの可用性が脅かされる可能性は否定できません。

このような事態が生じた場合には、当社グループに対する法的責任の追求、企業イメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(システムトラブルについて)

当社グループの事業においては、24時間365日安定したサービスを提供する必要がありますが、当社グループのサービスを構成しているプログラム及びシステムは、通信ネットワークに依存しております。

サービスのシステム監視体制やバックアップなどの対応策をとっておりますが、災害や事故等の発生により通信ネットワークが切断された場合、急激なアクセスの増大によりサービスの稼働するサーバーが一時的に作動不能となった場合、及びサーバーハードウェアに不具合が発生した場合には、安定したサービスが提供できなくなる可能性があります。

この場合、顧客への利用料金の返金等の直接的な損害が生じる可能性があるほか、信用低下やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(外注先について)

当社グループの運営するサービスは、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。この外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備され防災措置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。

しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社グループもまたサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、外注先の経営悪化等により予期せぬ取引の解消が生じた場合には、サーバーの撤去費用又は他のデータセンターへの移転費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、主な外注先は、GMOインターネットグループ株式会社、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社であります。

(インフラコスト、為替変動について)

当社グループの事業活動においてサービス提供に伴うサーバー及びサーバーを設置するラックの調達や、ドメインの仕入れ等を適宜実施しております。そのため、為替や資源・エネルギー価格の高騰に伴うインフラ価格の高騰や為替変動に伴う調達コストの増加など当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)法的規制等について

(法的規制について)

当社グループでは、会社法等の一般法令のほか、「電気通信事業法」「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」「不当景品類及び不当表示防止法」といった各事業領域に関連する法令、監督官庁の指針及びガイドライン等による規制を受けております。

現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制については、議論が続いている状態であり、今後、これらの法令等の改正又はインターネットの利用者や関連事業者を規制対象とする法令等の制定若しくは自主規制が求められる場合に備え、迅速な対応が行えるよう常に情報収集に努めております。

しかしながら、新たに制定された法令等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(サービス利用者の違法行為について)

当社グループの運営するサービス上において、出店者や購入者などのサービス利用者が法禁物の取引を行うこと、詐欺などの違法行為を行うこと、他人の所有権、知的財産権、プライバシー権などの権利を侵害する行為を行うこと、法令や公序良俗に反するコンテンツの設置を行うことなどの危険性が存在しております。かかる事態が生じることを防止すべく、当社のカスタマーサポートが随時、利用状況の監視や、利用規約に基づく警告・違法情報の削除などを行っております。

しかしながら、万が一、かかる事態が生じることを事前に防止することができなかった場合には、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループについても取引・表現の場を提供する者として責任追及がなされるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、サービスの利用者が違法行為を行った場合において、警察や裁判所等の公的機関に対して、捜査協力としてサーバーに残されたデータやログ・ファイルを提出することがあります。現在では多くの場合、CD-R等の情報媒体にサーバーからデータを複写して提出しておりますが、サーバーやハードディスクそのものの提出が必要とされた場合や今後法的規制が強化され、該当する設備が全て差し押さえられるようなことになった場合には、サーバーの利用ができなくなり、サービスの提供が中断する可能性があります。

この場合には、当社グループの企業イメージが傷つく可能性や、他の顧客からの損害賠償請求が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(情報管理と情報漏洩について)

当社グループは「個人情報の保護に関する法律」において、個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループでは個人情報を取り扱う役職員を限定し、個人情報へのアクセスにあたってはパスワード管理を行い、個人情報へのアクセスをログ管理する等、プログラム、運用両面から厳格な情報管理を継続して行う社内体制を構築しており、今後もより一層の体制強化を図っていく予定です。

また個人情報の格納されているサーバーについても24時間のセキュリティ管理のあるデータセンターで厳重に管理されております。しかしながら、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の低下により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(4)知的財産権について

(当社グループ保有の知的財産権について)

当社グループでは「ペパボ」「ロリポップ!」「ムームードメイン」「minne」「SUZURI」等の社名及び各サービス名について商標登録を行っており、各サービスの商標出願を積極的に行っております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決のために要する時間や費用により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(当社グループによる第三者の知的財産権侵害について)

当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については可能な範囲で調査を行い対応を行っておりますが、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループの事業領域において第三者の知的財産権が確立している可能性や第三者の特許が成立する可能性は否定できません。

この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(ドメイン紛争について)

当社グループではドメインサービスにおいて、Whois(注) 情報代理公開というサービスを行っております。これは顧客の個人情報をWhois情報としてインターネット上に公開する代わりに当社グループ情報をWhois情報として公開するものであり、これにより多くの個人顧客が個人情報開示の心配なくドメインを利用することが可能になっております。この場合にWhois情報代理公開を利用した特定ドメインに対し、第三者から商標権の侵害等の通知を当社グループが受けることがありますが、通常は本来の顧客に対して連絡を行い、Whois情報代理公開を中止し、当事者間で紛争の解決をはかることを想定しております。しかしながら、顧客に連絡がつかない場合等に、当社グループを当事者としてドメイン使用の差止請求、損害賠償請求等の要求が生じる可能性があります。

このような事態が生じた場合には、解決のために多くの時間や費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(注)Whoisとは、IPアドレスやドメイン名の登録者などに関する情報を、インターネットユーザーが誰でも参照できるサービスです。

 

(5)当社グループの事業体制に関するリスク

(人的資源について)

当社グループの中長期的な成長のためには、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持する必要があります。また当社グループでは継続的に人材の確保と育成に注力しておりますが、人材の確保が計画通り進まなかった場合や既存の多くの優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(新規サービスや新規事業について)

当社グループは、今後のさらなる事業拡大と収益源の多様化を図るため、引き続き、積極的に新サービスや新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより人材、システム投資や広告宣伝費等の追加投資的な支出が発生し、利益が減少する可能性があります。

また、新サービスや新規事業を開始した際には、その新たなサービスや新規事業での固有のリスクが加わり、当初想定とは異なる状況が発生することにより収益計画どおりに進まない等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(6)その他

(災害紛争リスク)

地震、台風、津波、長時間の停電、火災、疫病の蔓延、その他の予期せぬ災害又はテロリズム等の紛争等が発生した場合、当社グループの事業の運営または継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、あらゆる事態を想定して事業継続のための計画策定などを進めておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合は当社グループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。

(投資に係るリスク)

当社グループは、事業シナジー効果等を期待してインターネット関連の企業に対して投資を実施しておりますが、これらの投資について回収ができない可能性があります。

投資先企業の事業が計画どおり進捗しない場合、また、想定した事業シナジー効果が得られない場合等は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。以下の経営成績の概況は、2021年12月期の遡及修正後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っておりますが、遡及修正後の数値は未監査となっております。

 

当社は表現活動を支援するための様々なウェブサービス及びスマートフォンアプリを提供しています。

 

当連結会計年度は、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」が価格改定の効果により堅調に推移しました。一方で、リオープニングに伴うオフライン消費の回復など消費動向の変化による影響を受け、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」、国内最大級のハンドメイドマーケット「minne」の流通額が前年を下回りました。また、金融支援事業では「FREENANCE」の請求書買取額が大幅に増加いたしました。

利益面では、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」において、テレビCMなどへの投資を実施したことから、プロモーション費用が増加しました。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高10,531,259千円(前期比6.7%増)、営業利益732,303千円(前期比16.5%減)、経常利益767,173千円(前期比19.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益510,092千円(前期比27.5%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(ホスティング事業)

 ホスティング事業には、個人からビジネスまで幅広い用途にご利用頂けるレンタルサーバーサービス「ロリポップ!」及びドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」等が属しております。

 「ロリポップ!」におきましては、ブログ収益化・副業スタートパックの提供やドメインとの連携強化による上位プランの契約獲得に注力していることから、他プランからの契約乗り換えや、低単価プランの解約が増加し、契約件数は422,596件(前期末比0.8%減)となりました。一方で、価格改定の効果や上位プランの契約比率が高まったことから、顧客単価は449円(前期比12.8%増)となりました。

 「ムームードメイン」におきましては、ドメイン更新率の向上により顧客単価が上昇したほか、主要ドメインの新規取得割引や各種キャンペーンを実施したことから、登録ドメイン数は1,186,748件(前期末比1.3%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は5,153,431千円(前期比8.3%増)、 セグメント利益は1,729,952千円(前期比18.5%増)となりました。

 

 

 

 

(EC支援事業)

 EC支援事業には、月額制ネットショップ作成サービス国内店舗数No.1の「カラーミーショップ」及びオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」等が属しております。

 「カラーミーショップ」におきましては、全国の優れたネットショップを表彰するコンテスト「カラーミーショップ大賞 2022」を3年ぶりに実会場で開催したほか、無料で海外販売を始められる「Buyee Connect for カラーミーショップ」などのアプリストア強化を実施いたしました。

 契約件数は、初期費用無料・月額利用料無料でネットショップを開設できるフリープランの利用が増加したことから50,663件(前期末比9.3%増)となりました。

 「SUZURI」におきましては、サービス初となるアクリルキーホルダーや拡大するペット産業市場に参入するためドッグTシャツなどの新規アイテムの取り扱いを開始し、登録会員数は135万人(前期末比27.5%増)となりました。一方で、消費動向の変化による影響を受け、当連結会計年度における流通金額は26億円(前期比16.3%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は3,130,675千円(前期比2.2%減)、セグメント利益は823,597千円(前期比26.5%減)となりました。

 

(ハンドメイド事業)

 ハンドメイド事業には、国内最大級のハンドメイドマーケット「minne」が属しております。

 「minne」では、新カテゴリーとなる「アンティーク・ヴィンテージ」アイテムの取り扱いを開始したほか、「HandmadeMAKERS' with minne byGMOペパボ」へのブース出展やハンドメイド作品コンテストを藤久株式会社と共同開催するなどリアルイベントを強化し、作家・ブランド数は85万人(前期末比6.4%増)となりました。

 利用者の購入を促進するためのキャンペーン等の販促強化を実施したものの、消費動向の変化による影響を受け、当連結会計年度における流通金額は150億円(前期比0.5%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は1,650,561千円(前期比1.2%減)、セグメント利益は82,208千円(前期比63.5%減)となりました。

 

(金融支援事業)

金融支援事業には、連結子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」が属しております。

「FREENANCE」におきましては、運送会社を中心に提携企業数が増加し、3者間取引による利用が拡大したことから、請求書買取額は86億円(前期比207.3%増)と大幅に増加いたしました。

以上の結果、セグメント売上高は593,839千円(前期比180.6%増)、セグメント損失は26,245千円(前期におけるセグメント損失は139,813千円)となりました。

 

(その他)

 その他には、習い事やチーム・教室運営における連絡や集金をクラウド上で一元管理できるサービス「GMOレンシュ」が属しており、正式版のサービス提供を開始しました。連結子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するWebコンテンツ制作事業及び当社が運営するブログサービス「JUGEM」が属しておりましたが、2021年12月期にそれぞれ事業譲渡いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,751千円(前期比91.7%減)、セグメント損失は42,592千円(前期におけるセグメント損失は12,717千円)となりました。

 

 

 

 

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は9,311,478千円(前連結会計年度末比2,367,680千円増)となりました。これは、主に関係会社預け金が200,000千円減少した一方で、未収入金が1,470,655千円及び収益認識会計基準等の適用により前払費用が1,193,992千円増加したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は2,124,468千円(同198,044千円増)となりました。これは、主にリース資産が180,216千円増加及び工具、器具及び備品が35,867千円増加したことによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は8,438,890千円(同2,744,734千円増)となりました。これは、主に、短期借入金が1,200,000千円及び収益認識会計基準等の適用により契約負債(前連結会計年度末は前受金)が1,626,680千円増加したことによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は308,004千円(同85,175千円増)となりました。これは、主に繰延税金負債が61,777千円減少した一方で、リース債務が146,890千円増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は2,689,052千円(同264,185千円減)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴い利益剰余金が510,092千円増加した一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が360,874千円、その他有価証券評価差額金が167,265千円、自己株式の取得により自己株式が60,107千円及び収益認識会計基準等の適用により利益剰余金の期首残高150,479千円が減少したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11,265千円減少し、3,609,397千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は213,395千円となりました。

これは、主に未収入金の増加額1,471,263千円及び法人税等の支払額292,370千円による減少の一方で、税金等調整前当期純利益771,423千円及び契約負債の増加額404,907千円による増加の結果であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は510,150千円となりました。

これは、主に投資事業組合からの分配による収入50,505千円による増加の一方で、無形固定資産の取得による支出326,164千円及び有形固定資産の取得による支出169,322千円による減少の結果であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は712,280千円となりました。

これは、主に配当金の支払額360,715千円による減少の一方で、短期借入れによる収入1,200,000千円による増加の結果であります。

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社グループは、インターネットを利用したホスティング事業、EC支援事業、ハンドメイド事業、金融支援事業に加えて、その他の事業の提供を行っており、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

b. 受注実績

当社グループでは、概ね受注から役務提供開始までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

    至 2022年12月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

ホスティング事業

5,153,431

+7.2

EC支援事業

3,130,675

△35.8

ハンドメイド事業

1,650,561

△15.5

金融支援事業

593,839

+179.1

その他

2,751

△91.7

合計

10,531,259

△11.4

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り                            

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財務状態の分析

当連結会計年度末の財政状態は、流動資産9,311,478千円、固定資産2,124,468千円、流動負債8,438,890千円、固定負債308,004千円、純資産2,689,052千円となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。

b. 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は、リオープニングに伴うオフライン消費の回復など消費動向の変化による影響を受け、「SUZURI」、「minne」のようなフロー型ビジネスにおいて、流通額が目標を下回ったものの、「ロリポップ!」、「カラーミーショップ」などのストック型ビジネスが堅調に推移したことや、金融支援事業の「FREENANCE」の請求書買取額が大幅に増加したことから、10,531,259千円となりました。

売上原価は、ムームードメインのドメイン登録手数料等の支払手数料が2,995,619千円になったこと、従業員の増加や待遇改善に伴う人件費(賃金・法定福利費・退職給付費用)が658,163千円となったこと等により、4,454,892千円となりました。

販売費及び一般管理費については、従業員の増加や待遇改善に伴う人件費(給料手当・賞与・賞与引当金繰入額・法定福利費・退職給付費用)が1,956,671千円、好調のEC関連サービスを中心としたプロモーションコスト(広告宣伝費及び販売促進費)が1,321,376千円、サービス利用料金回収代行業者への支払手数料等が734,578千円になったこと等により、5,344,063千円となりました。

また、営業外収益は、また、営業外収益は、投資事業組合運用益が18,969千円であったこと等により、54,619千円となりました。営業外費用は、投資事業組合運用損が12,307千円であったこと等により、19,750千円となりました。

そして、特別利益は、新株予約権戻入益が10,250千円となりました。

これに法人税、住民税及び事業税223,704千円及び法人税等調整額60,767千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は510,092千円となりました。

c. キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,609,397千円となりました。

詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」において記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るために、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、既存サービスのブランド力、顧客基盤や運営ノウハウとのシナジーが見込める業務提携、M&A等を積極的に取り組んでいく方針であります。
 そのため、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びM&Aになります。また、当社グループの資金の源泉は、主として、営業活動によるキャッシュ・フローによるものです。なお、新規サービスの急拡大やM&Aなどにより、資金が必要となった場合には銀行借入に加え、親会社GMOインターネットグループ株式会社のCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)からの調達など、資金調達の多様化を図っております。

d. 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。

当社グループの経営環境をとりまく諸要素に鑑みますと、ホスティング、EC支援及びハンドメイドの事業領域における市場環境は消費動向の変化による影響を受けているものの、いまだ活況であり、今後も新規参入及び価格競争激化の可能性がございます。また、金融支援事業におきましても、引き続きフリーランスを中心とした経済規模の拡大が期待されます。当社グループといたしましては、高付加価値のサービスを提供し続ける企業として、市場での確固たるポジションを確立するために、経営効率の向上と適切な経営判断に努めてまいります。

e. 事業等のリスクに記載した重要事項等の分析及び検討内容並びに対応策

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性がありますが、当社グループは、当該状況を解消及び改善すべく、以下のとおり対応してまいります。

創業時より当社はホスティング事業への依存度が高くなっておりますが、近年は、EC支援事業及びハンドメイド事業領域において、集客力の強化と流通額の拡大に注力しております。また、連結子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」が属しております金融支援事業が新たな事業として成長しております。

技術革新の分野においては、WEBアプリケーションのみならず、モバイルアプリケーション分野の技術力を向上させるための活動への支援や、開発体制の強化による継続的な運用が可能な体制づくりを行っております。また、システムトラブルへの対策については、サーバー再構築や恒常的な構成改善によってシステムトラブル発生の軽減に努めており、引き続きサービスの安定的な提供のための対策を進めてまいります。

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の総額は、29,611千円となりました。主な用途は、研究員の人件費、業務委託費、及び共同研究に関する費用です。

当社が運営する研究開発組織「ペパボ研究所」では、「事業を差別化できる技術を生み出す」ことをミッションとし、「なめらかなシステム」を実現することをビジョンに掲げて、アカデミックな水準における新規性・有効性・信頼性を追求する研究を行っております。さらに、研究開発した技術を実際のシステムとして実装及び提供することにより、事業貢献に繋げております。

当連結会計年度において、AI分野(機械学習・自然言語処理)により一層注力し、体制強化を行っております。主な取り組みとして、当社で研究開発したレコメンデーション基盤について、全社的な導入を進めていることが挙げられます。minneやSUZURIといったECサイトにおける、販売者と購入者のマッチングをより効率化することに寄与すると考えております。

また、国立大学法人横浜国立大学の太田研究室との共同研究が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の推進する戦略的創造研究推進事業「AIP加速課題」に採択される等、社外の研究機関とも新たな取り組みを開始しました。これらの技術を用いて、当社の既存事業を差別化することはもとより、新しい分野での事業創出にも繋げていきたいと考えております。

AI技術の爆発的な発展が世界的に注目される中、当社としても引き続き研究開発体制をAI分野(機械学習・自然言語処理)に注力し、EC関連サービスにおける流通額の増加を狙っていきます。さらには、当社の事業領域にとって未知の分野に対しても研究開発に積極的に取り組み、世の中にない真に新しい技術によって、より一層の成長に寄与したいと考えております。