文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社のグループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
『経営理念』
社是
進歩的で高品質なセーラー商品により会社を興隆し社会・文化の発展に貢献すること
社訓
責任に生きよ
行動理念
お客様の満足度を最大化します
活気ある職場をつくります
革新的な技術開発を行います
永続性のある企業経営を目指します
独創性に富む商品を提供します
信頼される企業集団になります
コーポレートアイデンティティ
セーラー万年筆のコーポレート・アイデンティティを構成する三つの言葉
真・技・美の三位一体
真( “本物” だけを愚直に追い続ける。逆に本物でないものを捨てる勇気を持つ。)、技(何度向き合っても「完成」はない。それが「技」と「作業」の違いである。伝統に裏打ちされながらも常に高みへの挑戦を続ける姿勢。)、美(日本の美意識をすべての製品と企業活動に昇華させる。使う人、持つ人の心を震わす美を求め続ける。)の三位一体をもって、唯一無二の万年筆メーカーを目指します。
新たなビジュアル・アイデンティティ
信頼と希望の象徴である「錨」。「Anchor」の語源となる古代ギリシャ語は「曲がった腕」を意味し、船を力強く繋ぎ止める錨に、 古代の人々は目に見えない神秘的なエネルギーや神の加護を感じてきました。 これまでも、これからも、セーラー万年筆の象徴として。希望・信頼の象徴である「錨」モチーフはそのままに、技術力の力強さと繊細で日本的な美意識をロゴマークに込めることで創業初期の精神を伴ったまま現代に昇華させ、そして未来へつなげていきます。
ロゴタイプはセーラー万年筆の創業当時の魂が宿る初期の美しいグラフィックの元に、簡素化することで美を見出す日本の美意識を込めました。
また、新CIカラーとして、「SAILOR BLUE – 黎明」を設定しました。長く大陸文化を受け入れてきた港町・呉において、創業者・阪田久五郎の見た景色―。「黎明」は夜明けの意味と共に、新しいことが始まる時を指します。夜明け前の瀬戸内の海に見たであろう、これから来る今日への希望。その目に映った希望の姿を我々も見続けること。原点へ思いを馳せながら日本の手仕事による確かな技術と美意識を以ってその海の先に広がる世界へ向けて出航します。
ものづくり思想
あまたある筆記具の中から、セーラー万年筆を選んでくださるお客さまがいます。
“お客さまに喜んでいただきたい”という私たちの思いは、ときに型破りな発想や、遊び心を引き出し、さらなる機能の追求へと駆り立ててきました。
“手書き文化を支える先駆者であり続けながら、自らも厳しい目を持つ書き手であれ”
創業以来、私たちの中に息づくこだわりは、精緻をきわめた細部の技術にまで至り、本物の美しさを浮かび上がらせます。セーラーの筆記具を手にしたお客さまは、機能に裏打ちされた美しさを感じ、表現する喜びにあふれることでしょう。
人びとの感性をゆさぶる道具を、つくり続けていくこと。私たちのものづくりへの思いと挑戦する魂は続きます。果敢に進む力こそ、未来を切りひらくと信じて。
(2) 経営戦略
2022年度、当社は当社経営の歴史において大きな二つの転換を図りました。
ひとつ目は、2022年5月23日付で、転換型社債の株式への転換により新株を発行し、プラス株式会社が当社発行株式の58%を保有する支配株主となり、同時に当社は、同社の連結子会社となりました。
ふたつ目は、2022年10月4日に当社文具事業の中核工場である広島工場に新棟を竣工し、稼働を開始いたしました。
プラス株式会社のグループ入りした事は、プラス株式会社をはじめとして、同グループに所属するぺんてる株式会社、日本ノート株式会社などの文具メーカー各社と開発・製造・販売の各分野における協業を加速させ相乗効果や新たな付加価値の創造を可能としました。
また、広島工場の新棟建設においては、2022年度は、その竣工と稼働開始にあたり多額の費用を計上いたしましたが、2023年度からは中核製品である万年筆の製造能力が本格的に増強され、課題であった万年筆の供給面での不安を解消し、積極的な販売攻勢を行える体制が出来上がりました。
1.収益に関する方針
2023年度は、昨年実行したふたつの大きな転換を基礎とし、新たな飛躍を遂げるため以下に掲げる施策を実行してまいります。
(文具事業)
◆ブランド戦略
高付加価値製品の開発を強化し、プレミアムブランド・ラグジュアリーブランドとしての「SAILOR」を構築してまいります。
国内・海外共に拡大している万年筆のエントリークラス・スタンダードクラスの価格帯の製品群を新たに投入し、この価格帯の需要に応えてまいります。
◆営業戦略
未だ当社ブランドの認知度が低い海外市場において、大きな市場潜在力を持つアジア市場を中心とした新規市場の開拓を行ってまいります。また、エントリークラス・スタンダードクラスの需要を捉えることの出来る新規流通チャネルの拡大にも努めてまいります。
事業の実証実験を続けておりますD2Cビジネス(ancora, Sailor Bespoke, Sailor Shop)も多様な消費者の需要を発掘するツールとして、引き続き強化を行ってまいります。
◆製造戦略
広島工場新棟における万年筆製造能力の増強により、より付加価値の高い製品の増産に努めてまいります。同時に製造機械設備、自動化設備を積極的に導入し、製造の効率化を実現してまいります。
万年筆以外の筆記具は、グループ会社との製造協業を進め、製造資源の選択的な集中に取り組んでまいります。
(ロボット機器事業)
2022年度、業績が低迷したロボット機器事業においては、以下の新たな施策を講じ、2023年度は営業黒字への転換を図ってまいります。
◆営業体制においては、新型コロナウィルス感染症の影響を受け停滞していた海外における営業活動を活発化させ、新規受注の獲得に努めてまいります。
◆開発面では、事業の中心である射出成型機用取出ロボットのIOT化を進め、当社取出ロボットの新たな付加価値を創出してまいります。
新たな事業の柱となる製造業向け標準ロボット機器の開発を進め、市場に提案を行ってまいります。
◆グループ会社となった、プラス株式会社、ぺんてる株式会社との業務提携を推し進め、相乗効果を具現化してまいります。
2.「働きがい」と社内の意識改革に関する方針
◆2022年7月より、新人事制度を導入し、職務内容や業績に連動した報酬が得られる制度といたしました。また、人事評価制度が新たに取り入れられ、職務による成果や業務に対する行動が評価基準となり、その評価が昇給や昇格、賞与の金額に反映される仕組みといたしました。
◆事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。
◆社員ひとりひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。
◆プラスグループの一員となり、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、セーラー万年筆社員の内なる意識変革を促します。
3.サステナビリティに関する方針
◆当社がサステナビリティへの具現化として取り組むべきSDGs課題
Ⅰ.SDGs7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
広島工場の第二期工事として、クリーンエネルギーを積極活用する方策を具体的に検討し、地球環境にやさしい工場を実現していきます。
Ⅱ.SDGs12:つくる責任つかう責任
万年筆のサステナブル性を世の中にアピールすると共に修理やメンテナンスを充実させ、永く愛用してもらえる企業活動を推進します。
Ⅲ.SDGs14:海の豊かさを守ろう
広島県が進める「瀬戸内海の海洋プラごみをゼロに」の活動に協力し、海と共に生き続けるセーラー万年筆の姿勢を具体的な行動として表します。
Ⅳ.SDGs15:陸の豊かさも守ろう
従来から取り組んできているフォレステーショナリー活動を拡大します。ロボット機器事業においても森林保全活動への協力を行います。
(3) 経営数値目標
2023年度売上高5,800百万円、営業利益20百万円(営業利益率0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益0百万円と予想しています。早急に経営計画を見直し、後日、中期経営計画として発表いたします。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
新型コロナウイルス感染症の流行は収束に向かいつつあり、人々の活動が活発となりインバウンド需要が回復するなど、国内経済活動は徐々に活性化して行くことが期待されます。一方で、エネルギー価格、電力価格、部品価格の上昇や米国経済のインフレリスク、中国リスクなどが懸念され、今後の経済状況に関しては、先行きに対する警戒感が拭えない状態で推移するものと思われます。このような状況のもと、企業活動は、景気変動リスクに備えながら社会や人々のライフスタイルの変化を見通し、先取りする施策が求められております。
当社は、これら社会状況の変化に適応し、新製品開発や生産性向上のための投資、販売方法・販売ルートの見直し、働き方の改善などを実施して、業績向上と社会貢献を目指してまいります。
(文具事業)
文具事業の中核を担う万年筆及び万年筆インクは、国内・海外共に新型コロナウイルス感染症発生後も継続的に大きく販売を伸長させております。特に海外市場は、未だ市場の拡大余地は大きく、経済力を増すアジア地域を中心として今後も販売の拡大を行ってまいります。
これまで課題を抱えていた万年筆の製造面では、広島工場の新棟完成に伴い、製造能力が大幅に増強され、海外市場での販売の拡大や新製品の投入に寄与するものと考えております。
また、利益面では、原材料費の高騰が続く中、低粗利率の商品群の販売を中止するなどの施策を講じると共に、販売価格の引上げを通し、利益率の改善を図りつつあります。
更に、海外で弱かった当社のブランド認知度を、新たなブランド戦略の実施により向上をはかり、ブランドの高付加価値化を推進してまいります。同時に新製品の開発では、これまで評価の高かった企画面に加え、研究開発力を強化し、筆記具全般における製品開発力を高め、売上伸長、利益の改善に繋げてまいります。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、より競争力のある新製品の開発に着手するとともに、引き続き医療機器業界へのアプローチを強化するなど、世の中の変化に合わせて様々な業界への販路拡大を目指してまいります。また、ぺんてる株式会社との協業による生産自動化装置への取り組み、プラス株式会社との協業による生産設備のスマートファクトリー化に必要なIOTへの取り組みなどにより、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。更に、海外事業の強化に取り組み、北米・中国に新体制を構築してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新型コロナウイルス感染症によるリスク
新型コロナウイルス感染症の流行は収束に向かいつつありますが、パンデミックの経験は、感染症の流行が経済活動へ及ぼす影響が非常に大きいことを認識させました。
新たな感染症の発生は、当社グループの受注に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの従業員の感染などによる生産への影響、物流も含めたサプライチェーンの停滞などの影響を受ける可能性があります。万一、新たな感染症が発生した場合、当社グループは従業員や取引先など関係者の皆さまの健康と安全の確保を最優先しつつ、供給責任を果たすための各種対応策を実施します。
①生産、調達面
生産拠点の分散化、十分な在庫量の確保等リスク低減に努めておりますが、今後、生産稼働制限の延長や新たな稼働制限の通達がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料等は部材調達先の分散等の対策を講じておりますが、一部の原材料等については、特定のサプライヤーからの調達に依存しており、これらの調達が困難となった場合、一部の製品での供給が困難になる可能性があります。
②販売面
感染症の影響により経済活動が抑制され急速に世界景気が減速することが予測されており、その影響が長期化する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。文具事業においては、経済活動の抑制や外出自粛等により一般消費者の店舗等での販売・購買機会の喪失、外国人の入国制限によるインバウンド需要の減少等が続く場合には、売上高に大きな影響を及ぼす可能性があります。ロボット機器事業においては、顧客の生産動向や各機器の投資需要などを注視し、必要なものをタイムリーに供給できる体制を構築してまいりますが、一般消費者の最終消費動向により影響を受ける可能性があります。
③物流面
航空便減便に伴う物流リードタイムの長期化や物流費の上昇が発生しており、その影響が長期化する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。代替便や代替ルートによる輸送を実施し、影響を最小限に抑えるように努めてまいります。
(2) 受注額の変動
ロボット機器事業におきましては、国内外の設備投資状況に連動して受注額が大きく変動します。当社では安定した需要のある食品容器関連や医療機器関連業界への自動機の受注に注力して参ります。
(3) 海外市場での売掛債権管理
文具事業及びロボット機器事業においては、海外市場へ積極的に販売促進を行いますが、それにより売掛サイトも長期化しやすく、カントリーリスク、為替リスクを含めた総合的な債権管理の強化がより一層必要となります。
(4) 新製品の開発
文具事業におきましては、少子化が進行しつつある中、筆記具業界は競争が激化しております。このような状況の下、新製品が市場から支持を獲得できるか否かが売上に直結します。市場ニーズは多様化しており、また、製品のサイクルが年々短くなってきております。このような中で新製品の投入時期や競合品の販売状況等が将来の成長と収益に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 棚卸資産の緩動化
文具事業では製品サイクルの短縮化、ロボット機器事業では技術革新による仕様変更が今後も引き続き、製品のみならず原材料についても緩動化の可能性があり、今後一層の在庫管理が必要となります。
(6) 有利子負債と利子負担
運転資金につきましては、主に銀行借入等によっております。短期の有利子負債は長期的には減少傾向にありますが、2022年12月末の長短合わせた借入金残高は11億7千4百万円であり、金利情勢、その他の金融市場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 原材料等の調達
当社グループは、樹脂材、金属材などを原材料として使用しております。これらの原材料が予期せぬ経済的あるいは政治的事情により、予定していた単価で安定的に調達できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 海外拠点のリスク
当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の1つとしており、海外では為替リスクに加え、不安定な政情、金融不安、文化や商習慣の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、労働力不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等、国際的活動の展開に伴うリスクがあります。
当社グループでは、EU、東南アジアに海外販売拠点を構築し、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めてまいりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報システム
当社グループは、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティを実施しておりますが、停電、災害、サイバー攻撃、ソフトウェアや情報機器の欠陥、停止、一時的な混乱、内部情報の紛失、改ざんなどのリスクにより営業活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材の確保
当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持することが必須であると認識しております。当社グループでは継続的に人材の確保と育成に注力しておりますが、人材の確保が計画通り進まなかった場合や既存の人材が社外に流出した場合には、当社グループの将来の成長、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害によるリスク
当社グループの生産、販売拠点において地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止により、生産拠点の一時的な操業停止や物流網の混乱が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、期末日満期手形の会計処理について満期日に決済が行われたものとして処理する方法から、手形交換日をもって決済処理する方法に変更しており、遡及処理後の数値で前年同期との比較分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行は徐々に緩和に向かいましたが、新型コロナウイルス感染症流行による工場ロックダウンや世界的な天候不順に端を発した半導体不足が続いており、また、2月に勃発したウクライナにおける戦争や物価の上昇など、経済の先行きに関する不安が解消できない状況で推移しました。
当社グループは、文具事業の立て直しを中心とした抜本的な経営改革を進めており、広島工場の新工場棟建設を進める傍ら、販売好調な万年筆の製造能力拡大に努めるとともに、積極的な販売施策に取り組みました。更に、原価削減や製品価格の改定などの収益改善への施策を進めました。この結果、文具事業は万年筆及びインクの販売が国内外で好調に推移し、計画を上回る売上高を確保できました。しかし、ロボット事業においては、半導体不足の影響による客先企業の設備投資見送りなどもあって、特注生産装置を中心に厳しい状況が続きました。以上の結果、当連結会計年度は、売上高50億2千9百万円(前期比6.7%減)、営業損失1億4千8百万円(前期営業利益1億8百万円)、経常損失1億4千8百万円(前期経常利益1億2百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1億9千3百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益5千3百万円)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
(文具事業)
文具事業につきましては、中核製品の万年筆及び万年筆カラーインクが、国内および海外でも好調に推移しており、売上高38億8千5百万円(前期比9.1%増)となりました。しかしながら、利益につきましては、広島工場の新棟建設に係る設備の償却費や解体費用、取得税などの臨時費用が過大となり、また、売上拡大により販売手数料が増加したことなどから、セグメント損失3千8百万円(前期セグメント利益2千5百万円)となっております。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、客先部品メーカー各社が、半導体やプラスチック材料不足による生産調整の影響を受けた設備投資の先送りや海外の医療関係特注装置の受注が減少した影響が厳しく、売上高11億4千4百万円(前期比37.4%減)セグメント損失1億9百万円(前期セグメント利益8千3百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて12億9千2百万円減少し、11億7千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2億7千9百万円の減少(前期は1億6千6百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、売上債権の減少額2億1百万円、減価償却費1億1千4百万円などで、主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失1億7千1百万円、未収入金の増加額1億2千5百万円、棚卸資産の増加額1億8百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、有形固定資産の取得による支出11億7千万円などにより、11億8千3百万円の減少(前期は5億8千6百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、長期借入れによる収入5億円、短期借入金の純減少額2億9千9百万円などにより、1億5千7百万円の増加(前期は1千1百万円の減少)となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
文具事業(千円) |
3,348,363 |
111.5 |
|
ロボット機器事業(千円) |
1,109,547 |
62.4 |
|
合計(千円) |
4,457,910 |
93.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
文具事業(千円) |
232,035 |
40.5 |
|
ロボット機器事業(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
232,035 |
40.5 |
(3)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ロボット機器事業 |
1,359,484 |
85.5 |
592,935 |
157.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.文具事業においては、見込生産を行っております。
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
文具事業(千円) |
3,885,045 |
109.1 |
|
ロボット機器事業(千円) |
1,144,047 |
62.6 |
|
合計(千円) |
5,029,093 |
93.3 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下に記載の内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産・負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末に比べて4千8百万円増加し、72億2千4百万円となりました。このうち、流動資産は、広島工場新工場棟の建設費用等により、現金及び預金の減少12億9千2百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)の減少1億9千6百万円などにより、12億3千9百万円減少して41億4千万円となりました。固定資産につきましては、広島工場新工場棟建設等による有形固定資産の増加12億8千8百万円などにより、前連結会計年度から12億8千7百万円増加して、30億8千4百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度に比べて17億7千万円減少し、32億9千5百万円となりました。このうち流動負債は、短期借入金の減少2億9千9百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億円などにより、前連結会計年度末より7千7百万円減少し、19億4千6百万円となりました。固定負債は、新株予約権の行使による転換社債型新株予約権付社債の減少20億円、長期借入金の増加3億7千4百万円などにより、前連結会計年度末より16億9千3百万円減少し、13億4千9百万円となっております。
(純資産)
純資産は、新株予約権の行使により資本金10億円及び資本剰余金10億円がそれぞれ増加する一方、利益剰余金の減少1億9千8百万円などにより、前連結会計年度末から18億1千8百万円増加して、39億2千9百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
(グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営に影響を与える要因としては、文具業界の市場動向及びロボット機器事業に影響を及ぼす国内外の設備投資状況、樹脂材・金属材等の原材料費動向、海外市場強化に伴う為替動向、万年筆をはじめとする供給体制等が挙げられます。
これらの要因を踏まえ当連結会計年度における経営成績の分析は以下の通りであります。
①売上高
当社グループの売上高は50億2千9百万円(前期比6.7%減)となりました。このうち、文具事業の売上高は38億8千5百万円(前期比9.1%増)、ロボット機器事業の売上高は11億4千4百万円(前期比37.4%減)となりました。
文具事業につきましては、中核製品の万年筆及び万年筆カラーインクが、国内および海外でも好調に推移しました。ロボット機器事業につきましては、客先部品メーカー各社が、半導体やプラスチック材料不足による生産調整の影響を受けた設備投資の先送りや海外の医療関係特注装置の受注が減少した影響が厳しい状況でした。
②営業利益
当社グループの営業利益は、1億4千8百万円の営業損失(前期営業利益1億8百万円)となりました。そのうち、文具事業におきましては、セグメント損失3千8百万円(前期セグメント利益2千5百万円)となりました。ロボット機器事業におきましては、セグメント損失1億9百万円(前期セグメント利益8千3百万円)となりました。
ロボット機器事業の売上不振の影響が大きく、また、文具事業におきましては、広島工場の新棟建設に係る設備の償却費や解体費用、取得税などの臨時費用が過大となりました。
③経常利益
支払利息の計上などにより、経常損失1億4千8百万円(前期経常利益1億2百万円)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純損失1億9千3百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益5千3百万円)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、運転資金としては原材料及び商品仕入、製造費及び販売費・一般管理費等の営業費用、設備投資資金としては中長期的な成長に必要な設備投資であります。
運転資金及び設備投資資金については、内部資金及び銀行等金融機関からの借入によっております。
なお、当連結会計年度末における借入金残高は11億7千4百万円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11億7千7百万円となっております。
(6) 経営上の達成状況について
当社グループは、2022年実績と最近の経済状況を踏まえ、よりリスク耐性が高く、収益性を高める経営が求められているとして、2022年3月2日に発表した中期経営計画(2022年から2024年まで)を見直す必要があると判断し、新たな中期経営計画(2023年から2025年まで)を策定することといたしております。
内容につきましては、現在精査中であり、後日発表させていただきます。
2022年5月23日付で第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付)の新株予約権行使による新株発行があり、プラス株式会社が当社株式の57.81%を有する親会社となりました。そのため、当社とプラス株式会社は、当社の上場会社としての独立した意思決定を確保すること、並びにプラスグループ全体の内部統制システムの実効性確保・向上を目的として、当社の重要な経営事項であります株主総会決議事項、長短期の事業計画、重要な使用人(執行役員)の選解任、増減資、重要な財産の取得及び処分、銀行借入・社債発行などの事前協議事項や報告事項等を取り決めた経営管理契約を締結しております。
当社は、「真・技・美」をキーワードとした『コーポレート・アイデンティティ』あるいは『ものづくり思想』といった「企業ビジョン」を事業に具現化するため、研究開発活動に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動は以下の通りであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(文具事業)
文具事業の研究開発活動といたしましては、様々な素材や伝統技法を活用した高級万年筆の製品の充実を図ってまいります。また、次世代を見据えた新規万年筆の開発に注力し、世界市場において、同マーケットのリーディングカンパニーになるべく研究活動を続けております。また、昨今市場で盛り上がりを見せる万年筆インキとそれを楽しむ文化の創造に対しても、そのトップメーカーとして製品開発・普及啓蒙活動両面で大きく寄与しております。
文具事業に係る研究開発費は
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、優れた耐久性による生産性の高さが評価されている射出成形機用自動取出ロボットの機能性をさらに高めた新機種の研究開発を進めています。特注生産自動化装置は、医療機器・食品容器業界をはじめ様々な分野に、今までの実績を活かし装置仕様の決定から運用まで顧客の生産・製造技術を支援した開発をいっそう強化していきます。また、工場設備のスマートファクトリー化に必要なIoTへの開発を進め、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。また、プラス株式会社、ぺんてる株式会社との連携を強化し、新規事業の研究開発活動を積極的に進めてまいります。
ロボット機器事業に係る研究開発費は