文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として以下を掲げております。
① 安全で高品質な製品の提供を通して、社会に貢献できるメーカーを目指す
② 高い技術力で顧客に信頼される企業を目指す
③ 取引先・株主・社員の満足度を高めることを目指す
④ 法令を遵守し倫理性の高い企業活動を通して、透明性のある企業を目指す
この理念の下、差別化された高付加価値製品の開発、販売に注力することにより、収益力を高め企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中期経営計画ローリングプランに基づき、以下のビジョンと重点方針の下、経営基盤への投資を積極的に取り組むことにより、企業体質の強化を目指します。
<ビジョン>
「安心を創造し人と社会をつなぐ企業を目指す」
<重点方針>
① 開発組織の陣容拡大と環境整備
② 社員が意欲をもって業務を遂行できる人事制度・組織の構築
③ オンリーワン製品の開発に注力し、高収益を目指す
④ 外部企業との提携、海外市場進出等による事業拡大への挑戦
⑤ ガバナンス、コンプライアンス対応強化
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、ROE(自己資本利益率)及びEBITDAマージンを重視しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、2022年3月31日付にて公表いたしました「当社の一部製品に関する不正行為について」のほか、同年10月28日付にて公表いたしました「不具合の発生に伴う製品の自主回収について」に関して、順次自主回収及び代替製品への交換を進めております。
また、本件不正行為の原因や特別調査委員会による再発防止策の提言等を踏まえ、18項目の再発防止策を策定し、法令遵守・コンプライアンス意識の向上や、内部監査及び品質保証体制の強化、部門間の相互チェック機能の強化、社内規程の改訂や内部通報制度の実効性確保等、再発防止及び信頼回復に向けて取り組んでまいります。
当社グループといたしましては、中長期的な成長を実現するため「基本の徹底」と「変化への挑戦」を方針として掲げ、メーカーとしての再出発を図るべく“ものづくり”の原点に立ち返り、過去に囚われない柔軟な発想で新たな価値を創造してまいります。
営業部門におきましては、これまでの事業別組織を改め営業部門を纏め広く市場を捉えることで、各事業領域に拘らない潜在的な市場のニーズを引き出すとともに、その課題解決に向けた積極的な提案活動を推進してまいります。
開発部門におきましては、想像を超えるスピードで技術が進歩する中、多様化する顧客の課題解決にお応えするため、要素開発への取り組みを強化することにより技術の応用範囲を拡げ、新たな製品開発に注力できる体制と環境を整えてまいります。
生産部門におきましては、原材料費の高騰や納期の長期化に対応するための調達力と価格競争力を高めていくため、徹底した原価低減活動を行っていくとともに、品質を維持し安定した生産活動と将来の仕事を取り込むための積極的な設備投資も行ってまいります。
管理部門におきましては、企業としての社会的使命を果たすための様々な経営課題や事業リスクへの対応など、管理部門に求められる役割は大きく、各分野における専門性を高めていくとともに、長期的な視点に立った人財採用活動と人財育成を強化することで将来の成長を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の将来におけるリスクは当連結会計年度末現在で当社が判断したものであります。
[方針]
当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進するためにリスク管理委員会及びリスク管理事務局を設置しております。
緊急又は重大と思われるリスクが発生した際には、各統括部長が遅滞なく社長に報告し、社長が重大なリスクと判断した場合、リスク管理委員会を招集し、取締役会に報告することにしております。
また、上記以外のリスクに関しては、識別・評価したリスクを定期的にリスク管理委員会に報告し、リスク発生の未然防止とモニタリングを行っております。
(1) 主要取引先の事業動向
当社グループのメディカル事業は限定された取引先との繋がりが強く、その取引先の経営戦略・事業動向が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2022年12月期におけるメディカル事業の主要取引先に対する売上高構成比は、東レ・メディカル㈱が約9割となっております。
(2) 製品の品質
当社グループは、2022年3月31日に公表いたしました一部製品に関する不正行為について、特別調査委員会による詳細な経緯に関する調査結果、原因分析及び再発防止策等の提言を踏まえ、品質保証体制の強化や法令遵守・コンプライアンスに関する定期的な研修の実施等の再発防止策を策定し、実施しております。
しかしながら、再発防止策を実施してもコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) コンプライアンス
当社グループは、役職員のコンプライアンスに関する意識の向上を図るとともに、コンプライアンスを円滑かつ効果的に実施するためにコンプライアンス委員会及びコンプライアンス事務局を設置しております。
また、全役職員に対し不正防止の意識を高めて不正を引き起こさないことが重要である旨、監査役及び内部監査室が行う監査、役職員相互の不正に対するチェック機能の重要性、更には、「役職員によるコンプライアンス関連事項 報告・相談ルート」の活用について及び通報・相談による不利益な扱いをしない旨等を記載した「コンプライアンス宣言」を全役職員向けに発出しております。
しかしながら、諸施策を講じてもコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資材等の調達に伴うリスク
当社グループの主要原材料は、電気・電子部品、金属及びプラスチック等の材料部品であります。これら資材の需要が急激に増加あるいは供給量が減少し、必要量が確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 外注委託先の事業動向
当社グループは、製品の生産の一部を外部に委託しております。これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力などについて、信用調査等情報収集を実施し、信頼できる会社を選定しておりますが、外注先の生産能力不足や予期せぬ操業停止などにより、当社グループが十分な製品供給を行えない可能性があります。
(6) 情報セキュリティ
当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、企業や組織の重要な財産である情報資産のセキュリティ確保と維持を目的とした「情報セキュリティ管理規程」、「情報セキュリティ対策マニュアル」を定め、運用しております。また、昨今のセキュリティ情勢やテレワーク対応に伴い、情報機器・ネットワーク基盤に対し、「マルウェア対策(EDR)、不法侵入対策、情報漏洩対策」等の強化を実施しております。
しかしながら、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合は、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製造物責任
当社グループは、取扱製品の品質維持に努めておりますが、製品の製造上の欠陥、設計上の欠陥、指示・警告上の欠陥によって第三者に被害を与えるリスクが存在します。その場合、当社グループに相応の責任があると認定された場合、当社グループの事業継続、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制及び変更
当社グループの取扱製品は消防法及び医薬品医療機器等法による法的規制を受けており、法的規制の動向又は変更によっては、生産及び販売活動を阻害するリスクの他、法的規制に違反した場合、各種認定機関等による認証に影響を及ぼすリスクが存在します。
当社では一部製品に関する不正行為の事実が発覚し、その再発防止のためにコンプライアンスの強化を行っています。しかし、コンプライアンスに関するリスクは完全には回避できない可能性があり、万が一重大なコンプライアンス違反を起こした場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 政治・経済情勢
当社グループのサーマル事業(温度制御事業)は、取扱製品の都合上、液晶産業・半導体産業をはじめとする国内の景気動向、とりわけ設備投資の動向に影響されます。メディカル事業におきましては、腎臓透析患者に対する国の医療政策に影響されることは避けられません。消防ポンプ事業におきましては、主な販売先が官公庁であるため、国や地方の財政状態及び政策等の影響を受ける可能性があります。また、中国・東南アジアを中心に展開している海外についても、その仕向国における財政状態及び政策等により、需要が減少する場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 投資有価証券に係るリスク
当社グループは、投資有価証券を保有しておりますが、株式相場の著しい変動により評価損が発生した場合に、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、株価下落は、その他有価証券評価差額金を減少させることにより、純資産の減少を引き起こす可能性があります。
(11) 事業展開を行う地域での社会的な混乱等
当社グループは事業を展開するうえで、以下の潜在的なリスクを抱えております。
・ 地震又は風水害等の天変地異に起因する自然リスク
・ 戦争、テロ、犯罪に起因する社会リスク
・ サイバー攻撃、情報システム障害に起因する業務リスク
(12) 人材確保に関するリスク
当社グループの成長と利益は、当社独自の専門的技術、熟練した施工技術を有する人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした人材の確保・育成が想定通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新型コロナウイルス感染症について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症について、関係者並びに社員の安全確保のため、就業時のマスク着用、手洗い及び消毒の徹底等の感染防止策を講じた上で、業務活動を継続しております。
今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、経済情勢が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ127百万円(0.7%)増加の18,813百万円、負債は、前連結会計年度末に比べ263百万円(3.9%)減少の6,500百万円、純資産は、前連結会計年度末に比べ390百万円(3.3%)増加の12,312百万円となりました。
ロ 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、感染症対策とともに経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調となりました。
しかしながら、長期化する半導体等の部品不足や国際情勢に伴う資源価格の高騰、急激な為替相場の変動等もあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような環境の中、当社は2022年3月31日に「当社の一部製品に関する不正行為について」公表し、代替製品への交換対応と再発防止への取り組みなど全社を挙げて信頼回復に努めております。また、新たな経営体制の下、これまで以上の強い決意で社内の組織風土改革を推進してまいりました。
業績につきましては、受注高は消防ポンプ部門の消防車の大口受注、サーマル部門の半導体市況の好調等により、前連結会計年度と比べ増加いたしました。売上高につきましてもサーマル部門の好調に加え、SSP部門の特定顧客向けの警報・消火設備の堅調な推移等により、前連結会計年度と比べ増加いたしました。
以上の結果、受注高は12,914百万円(前期比0.7%増)、売上高は12,401百万円(前期比0.2%増)となりました。
利益面におきましては、不正行為に伴う調査費用の発生等により販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益率の改善等により営業利益は1,310百万円(前期比3.1%増)、経常利益は円安による為替差益の増加等もあり1,479百万円(前期比10.5%増)となりました。また、これに伴い親会社株主に帰属する当期純利益は、製品改修関連損失引当金繰入額の特別損失への計上があったものの、826百万円(前期比113.3%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により売上高及び売上原価が213百万円増加しておりますが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益に与える影響はありません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ、352百万円減少し5,387百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度の営業活動によって得られた資金は401百万円(前期比801百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,087百万円、売上債権の増加額689百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度の投資活動によって使用した資金は80百万円(前期比1,184百万円減)となりました。これは主に定期預金の純増減額392百万円、有形固定資産の取得による支出291百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出186百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は714百万円(前期は226百万円の獲得)となりました。これは主に配当金の支払額379百万円、長期借入金の返済による支出295百万円によるものであります。
(キャッシュ・フロー指標の推移)
|
|
2019年12月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
|
自己資本比率(%) |
74.5 |
74.2 |
63.8 |
65.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
54.3 |
51.8 |
48.0 |
40.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.9 |
0.3 |
1.8 |
4.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
124.8 |
404.6 |
70.7 |
30.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を採用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
SSP部門 |
886,024 |
107.6 |
|
サーマル部門 |
2,122,336 |
121.6 |
|
メディカル部門 |
885,597 |
72.8 |
|
PWBA部門 |
1,449,920 |
112.2 |
|
消防ポンプ部門 |
1,384,592 |
88.2 |
|
合計 |
6,728,471 |
101.2 |
|
備考 |
(SSP部門) 上記生産実績の外、防災設備工事の施工高は下記のとおりであります。 |
|
|
4,744,285 |
115.6 |
|
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 SSP部門の生産高には、防災設備工事で使用する機器も含まれております。
ロ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
SSP部門 |
4,991,076 |
89.6 |
2,359,995 |
73.1 |
|
サーマル部門 |
2,807,372 |
111.5 |
1,477,197 |
163.0 |
|
メディカル部門 |
1,151,068 |
87.9 |
356,247 |
98.0 |
|
PWBA部門 |
1,220,030 |
99.7 |
232,041 |
95.4 |
|
消防ポンプ部門 |
2,745,282 |
124.4 |
1,110,500 |
137.2 |
|
合計 |
12,914,829 |
100.7 |
5,535,982 |
99.7 |
(注) SSP部門には、完成工事高も含まれております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
SSP部門 |
5,330,352 |
102.4 |
|
サーマル部門 |
2,236,554 |
119.2 |
|
メディカル部門 |
1,158,523 |
89.8 |
|
PWBA部門 |
1,231,306 |
109.3 |
|
消防ポンプ部門 |
2,444,363 |
85.1 |
|
合計 |
12,401,100 |
100.2 |
(注)1 SSP部門には、完成工事高も含まれております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
東レ・メディカル株式会社 |
1,235,565 |
10.0 |
1,095,620 |
8.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績の分析
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
SSP(Safety Security Protection)部門
当該部門におきましては、特定顧客向けの警報・消火設備、半導体市場への装置内センサーの売上が堅調に推移したことに加え、不正問題により出荷を停止しておりました製品の出荷再開等もあり、売上高は計画を上回る形で推移いたしました。一方、受注高につきましては、不正問題に伴う営業活動への影響等もあり、減少いたしました。
以上の結果、受注高は4,991百万円(前期比10.4%減)、売上高は5,330百万円(前期比2.4%増)となりました。
当該部門では、引き続き不正問題に真摯に取り組むとともに警報、消火、防爆の各製品を深化し、設備の更新や改修工事の提案等による受注活動及び電力基幹産業、特殊環境施設に向けた営業活動の推進等により、業績は堅調に推移するものと予想しております。
また、課題である人材の育成につきましては、教育や訓練等の強化により、将来に向け安定かつ成長できる体制の構築を図ってまいります。
サーマル部門
当該部門におきましては、半導体市場における設備投資需要にやや落ち着きが見られるものの、主力製品である半導体製造装置向け熱板及びセンサーの出荷が好調に推移し、受注高・売上高ともに大幅に増加いたしました。特に受注高につきましては調達リードタイムの長期化を見越した先行受注等の影響もあり、大幅に増加いたしました。
以上の結果、受注高は2,807百万円(前期比11.5%増)、売上高は2,236百万円(前期比19.2%増)となりました。
当該部門では、主力製品である熱板及びセンサー等の供給先である半導体市況は、2023年度の前半は需要の落ち着きを見込んでいるものの、後半以降の回復等により業績は堅調に推移するものと予想しております。
メディカル部門
当該部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う海外各国での予算減少及び需要減に加え、客先における在庫調整等もあり、主力製品である海外市場向け人工腎臓透析装置及び関連製品の出荷が減少いたしました。また、堅調に推移していた国内市場向け人工腎臓透析装置の関連製品につきましても、部品入手難や原材料価格の高騰等により供給に支障が出るなど厳しい一年となりました。
以上の結果、受注高は1,151百万円(前期比12.1%減)、売上高は1,158百万円(前期比10.2%減)となりました。
当該部門では、国内市場向け人工腎臓透析装置の関連製品は引き続き堅調に推移する見込みである一方、主力製品である海外市場向け人工腎臓透析装置及び関連製品の出荷は、客先における在庫調整に加え、部品の入手難等もあり厳しい状況が続くものと予想しております。
PWBA(Printed Wiring Board Assembly)部門
当該部門におきましては、半導体をはじめとする電子部品不足の影響等により、一部の産業機器の販売台数が減少したものの、医療機器、事務機器向け製品の販売が回復したことで、受注高はほぼ横ばいとなり、売上高は増加いたしました。
以上の結果、受注高は1,220百万円(前期比0.3%減)、売上高は1,231百万円(前期比9.3%増)となりました。
当該部門では、一部の産業機器に半導体をはじめとする部品入手難の影響が継続すると見込まれるものの、医療機器、事務機器向け製品の需要は回復傾向にあり、業績は堅調に推移するものと予想しております。
消防ポンプ部門
当該部門におきましては、国内市場の受注高は消防車の大口受注等により好調に推移したものの、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響による国や地方自治体の防災関連予算の縮小等により、特に消防ポンプの売上高が減少いたしました。
また、海外市場では中国・台湾向け消防ポンプが引き続き堅調に推移しており、東南アジア市場も回復の兆しを見せております。
以上の結果、受注高は2,745百万円(前期比24.4%増)、売上高は2,444百万円(前期比14.9%減)となりました。
当該部門では、国や地方自治体向け消防予算が回復傾向にあり、国内受注も消防車を中心に増加しつつあります。また、海外の主力市場である中国においてもゼロコロナ政策の転換等により、市場の活性化が見込まれることから、業績は堅調に推移するものと予想しております。
ロ 財政状態の分析
(資産の状況)
当連結会計年度末の資産合計は、18,813百万円となり、前連結会計年度末18,686百万円に比べ127百万円(0.7%)増加しております。主な増加要因は「完成工事未収入金及び契約資産」(前連結会計年度においては完成工事未収入金)418百万円(31.0%)、「建物及び構築物」200百万円(56.6%)であり、主な減少要因は「現金及び預金」573百万円(8.3%)であります。
(負債の状況)
当連結会計年度末の負債合計は、6,500百万円となり、前連結会計年度末6,764百万円に比べ263百万円(3.9%)減少しております。主な減少要因は「長期借入金」295百万円(24.0%)、「支払手形及び買掛金」193百万円(9.5%)であり、主な増加要因は「製品改修関連損失引当金」237百万円(51.7%)であります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末の純資産合計は、12,312百万円となり、前連結会計年度末11,921百万円に比べ390百万円(3.3%)増加しております。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益826百万円であり、主な減少要因は配当金の支払379百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、製造業に関わる部品仕入、外注費、建設業に関わる材料仕入、外注費及び各事業における一般管理費などがあります。また、投資資金の需要としては、人財投資、新規事業創出等に係る投資のほか、工場の生産設備及び全社システムのシステム投資等があります。
これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入又は社債の発行による資金調達も行っております。借入につきましては、金額・期間等を考慮し、必要に応じて金利スワップなどの手段を活用し、金利変動リスクに備えます。充分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要に対しても充分対処できる状況であります。
また、株主に対する継続的で安定的な利益還元を経営上の重要政策に位置づけているため、配当政策として、株主資本と連動した株主資本配当率(DOE)を採用することといたします。企業価値向上のための積極的な投資を実施しつつ、安定的な配当を継続するために株主資本配当率(DOE)3.5%程度を配当総額の目安とし、可能な範囲で積極的な利益還元を実施していく方針であります。
③ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、ROE(自己資本利益率)及びEBITDAマージンを重視しており、目標値をROE7%、EBITDAマージン12%として収益力の強化に取り組んでおります。当連結会計年度におきましては、ROEは6.8%と目標を下回ったものの、EBITDAマージンは13.4%と目標を上回りました。
なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度における業績への影響は軽微であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」を参照ください。
(提出会社)
当社は、下記のとおり製造等に関する契約を締結しております。
|
提携先 |
契約内容 |
備考 |
契約期間 |
|
東レ・メディカル㈱ |
製造委託基本契約 人工腎臓透析装置等の製造委託に関する基本契約 |
―――――― |
2020年12月25日から 2021年12月24日まで 以降1年ごとの自動更新 |
なお、上記以外に当連結会計年度において経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループにおける研究開発活動は下記基本方針を掲げ、SSP、サーマル、メディカル、消防ポンプそれぞれの部門における製品に関わる開発や各種製品の品質・信頼性の改善及び生産性向上を図るための開発を実施しております。なお、PWBA部門は研究開発活動を行っておりません。
また、当連結会計年度においても、FENWAL CONTROLS OF JAPAN(H.K.),LIMITED(日本芬翁(香港)有限公司)及びFENWAL CONSULTING(SHENZHEN)CO.,LIMITED(深圳芬翁信息咨詢有限公司)は研究開発活動を行っておりませんので、以下、当社(提出会社)及び株式会社シバウラ防災製作所におけるその活動状況について言及しております。
研究開発活動基本方針
1 熱のコントロールを目的とした、高付加価値で創造的な製品とシステムの開発
2 ソフトウエア及びエレクトロニクス技術をベースにした機器制御に関する顧客満足度の高い製品の研究開発とその応用
3 自社のコア・テクノロジーと外部の優れた技術の組み合せによる複合的な技術の創出
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の経過及び成果は次のとおりであり、当連結会計年度における研究開発費の総額は
SSP(Safety Security Protection)部門
SSP部門では、自動火災報知設備、消火設備、産業用異常検知システム等の市場動向を視野に入れ、お客様に安全、安心をお届けすべく、製品の基本性能及び品質向上に向けた基礎研究を行っております。
当連結会計年度は、防爆型煙感知器についての開発を終了し、耐圧防爆の最新規格を取得、2023年4月より販売開始に向けた準備を進めております。また、自動火災報知設備にかかる中継器の後継機種開発及び異常検出機器のリニューアルに向けた製品開発に継続して取り組みました。
当連結会計年度における研究開発費は
サーマル部門
サーマル部門では、半導体製造装置市場の動向を視野に入れ、高性能化する半導体製造装置用の熱板及び温度センサーの基礎研究を継続しております。
当連結会計年度は、主力製品である熱板及び温度センサーの特定顧客及び市場ニーズに合わせた機能、性能の向上を目指した製品開発に継続して取り組みました。また、温度調節器のリニューアル等も進めております。
当連結会計年度における研究開発費は
メディカル部門
メディカル部門では、透析治療に関連した現場のニーズから、新たなセンシング技術と蓄積されたソフトウエア技術で、安全・安心を実現する医療機器の基礎研究を行っております。
当連結会計年度は、透析装置の更なる利便性向上と機能改善に着手するとともに、透析装置に搭載する要素部品の改良開発、その他の医療機器の新規開発、制御ソフトウエアの開発に継続して取り組みました。
当連結会計年度における研究開発費は
消防ポンプ部門
消防ポンプ部門では、消火消防用機器、防災減災用機器等の市場動向を視野に入れ、製品の使いやすさや品質の改善・向上に向けての取り組みと共に、各商品の将来に必要な要素の面から基礎研究を行っております。
当連結会計年度は、空冷式及び水冷式消防ポンプのモデルチェンジ等に継続して取り組みました。
当連結会計年度における研究開発費は