第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、今日まで蓄積を重ねてまいりました製品・技術・サービスをもって合金鉄事業・機能材料事業・環境事業・電力事業における各種製品を改良・開発し、鉄鋼・電池材料・電子部品材料などの業界を始め、各方面の需要家の皆様の要請にお応えしてまいりました。

 

 第8次中期経営計画では、10年後へつながる成長基盤の確立に向け、「既存ビジネスの強化」「新規ビジネスへの挑戦」「事業環境変化に適応する強い企業体質の構築」に取組み、これらの企業活動を通じ、株主・取引先・地域社会などの皆様に信頼され、脱炭素社会や循環型社会へ貢献できる企業集団を目指してまいります。

 

 目標とする経営指標といたしましては、第8次中期経営計画の最終年度(2023年)の業績目標を連結売上高600億円、連結経常利益60億円、ROE8%とし、株主価値の最大限化を図ってまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは2021年~2023年を実行期間とする「第8次中期経営計画」を策定し、その達成に向け取組んでおります。

 

 「既存ビジネスの強化」では、合金鉄事業の安定化と合金鉄以外の生産能力増強に取組みました。

 

 合金鉄事業の安定化では、徳島工場への生産集約と大手需要家との価格決定方式の変更のふたつの施策を実行することで、収益の安定化を実現させました。

 合金鉄以外の生産能力拡充による事業拡大として、機能材料事業では、需要家からの供給要請に応え休止していたフェロボロン生産の再開、電子・電池材料では自動車の電動化や自動運転化、或いは、通信インフラの高度化関連の需要に応えるため生産能力を増強しました。また、環境事業では、パーフェクトリサイクルによる循環型社会への貢献を目指し、焼却灰4号溶融炉を新設し増強を行いました。

 今後、安定稼働による安定生産を前提とし、新たに戦力となった生産能力を生かして新規顧客の開拓による販売増加に努め、成長のための基盤を一層強化してまいります。

 

 「新規ビジネスへの挑戦」では、新技術・新製品をタイムリーに世に送り出すための活動や、新分野・新市場の開拓を精力的に進めてまいります。その一環として研究開発のスピードアップのための大学や企業との共同研究も充実・強化してまいります。

また、これまで以上に事業探索や企業連携、人材確保などの施策を積極的に実行に移すことで、新規ビジネスの具体化を加速させてまいります。

 

 「事業環境変化に適応する強い企業体質の構築」では、社会課題の解決と持続的成長の継続を両立させるため、地球温暖化対策に関しては、2022年3月に策定した「2050年カーボンニュートラル実現に向けた方針」に沿って、生産活動での省エネを積極的に進めるとともに、再生可能エネルギーの活用や革新的技術の開発・導入により、CO2排出量削減を図ってまいります。

 また、DXについては、基幹システムの更新、IT人材育成などシステム基盤を強化しつつ、生産性や業務効率の飛躍的向上に加え、新しいビジネスモデルの構築に関する検討に積極的に取組み、更には人材育成、ダイバーシティ、サステナブル調達などへの対応も着実に進めてまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは「特徴ある製品・技術・サービスを開発・提供し、持続的な成長を通じて、豊かな未来の創造に貢献する」という経営理念を掲げております。

 この理念の下、サステナビリティを重要な経営戦略と位置づけ、「事業活動を通じた社会課題の解決への貢献」と「持続的な成長を通じた企業価値向上」の両立を目指します。

 

 特に、以下を重要課題と捉え、サステナビリティを推進してまいります。

 ・持続可能な地球環境の維持と脱炭素社会の実現に向けた2050年カーボンニュートラルへの挑戦

 ・脱炭素化・サーキュラーエコノミーに貢献する製品・技術・サービスの提供と共に、持続可能な社会の実現に貢献する新たな事業機会の創出

 ・D&I、人材開発等の人的資本を重視した経営による価値創造

 ・取引先の人権尊重・環境対応等も勘案した公平且つ公正な購買の実行

 ・ステークホルダーとの建設的なコミュニケーションを通じた中長期的な企業価値向上

 

 また、当社はこれまでも持続可能な成長と社会課題の解決に取り組んでまいりましたが、社会を取り巻く環境がさらに大きく変化する状況であること、社会的課題の解決による持続可能な社会の実現と持続的な企業価値向上の両立を図ることの重要性がさらに増していることを踏まえ、サステナビリティへの取り組みの推進と、中長期的な企業価値の一層の向上を目的に、2022年1月1日付けでサステナビリティ委員会を設置しました。

 TCFDに基づく気候変動関連の情報開示につきましては、2023年3月発行の統合報告書及び当社ウェブサイトにおいてその取り組みの概要を開示しております。

  (統合報告書 https://nippondenko.co.jp/ir/library/annual/)

  (ウェブサイト https://nippondenko.co.jp/sustainability/environment/)

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、次のとおりであります。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)国内外の主要市場の経済状況及び需要の変動等

 合金鉄の販売価格は国際市況を基準としていることから、国際的な製品需給により市況が変動した場合には、業績に影響を与える可能性があります。当社グループの売上高はほとんどが国内向けとなっており、業績はわが国の経済情勢、とりわけ粗鋼生産量の変動により多大な影響を受けます。また、中国を始めとするアジア諸国等における経済情勢は自動車をはじめとする我が国の輸出動向を経て粗鋼生産・合金鉄需要に影響を与え、当社の業績が変動する可能性があります。加えて、新型コロナウイルス感染症が拡大することや地政学的リスクが顕在化することで、経済活動が停滞し当社製品の需要が落ち込むことにより、業績が影響を受ける可能性があります。当社は、国際市況、経済動向を十分に見据えながら適切に対応すべく、機動的な生産計画の見直しに加え生産体制の見直し等当該リスクの低減に努めてまいります。

(2)国内外の競合各社との競争状況及び主要需要家の購買方針の変更等

 当社グループは、各事業において、国内外の競合各社と厳しい競争状態にあることから、当社グループの事業競争力が相対的に減退した場合には、業績が悪化する可能性があります。また、各事業分野における主要な需要家の購買方針に変更等が生じた場合には、業績が変動する可能性があります。当社は、需要家との密接な関係強化の継続に努めているとともに、安価原料の使用や原料ソース分散などによる製造コスト低減や一般管理費の削減などにより原価低減を推し進め、競争力の維持・向上に努めております。

(3)原燃料調達における価格・数量等の変動

 マンガン鉱石、コークス、レアアース、原油等の原燃料価格は国際市況に連動しており、国際的な資源需給の変動、資源輸出国における経済・社会情勢等の変化、巨大化した資源資本の行動様式の変化、天災地変等に起因する市況変動等が業績に影響を与える可能性があります。当社グループにおける製造原価には電力が相応の割合を占めている為、原燃料の価格変動に起因する電力価格の変動が、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による仕入先の操業停止、出荷停止、物流寸断等により、電力を含む原燃料等の調達に支障が生じた場合、生産活動の制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。当社は、継続的な原料サプライヤーとの関係性により柔軟な契約形態を採用するとともに、安価原料使用や原料ソース分散などによる製造コスト低減や一般管理費の削減などにより収益への影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。また、一定数量以上の原料在庫の確保や原料ソース分散により、自然災害等による生産活動の制約のリスクの低減に努めております。

(4)海外での事業活動

 当社グループは、海外諸国において事業投資活動を行なっております。これらの国の法令、税制、社会的インフラの変動、及びテロ等の情勢不安等に加え、現地特有のマネジメント上のリスクもあり、投資先事業における経営環境の変化、業況、及び操業不調等が、業績、及び投資の回収等に影響を与える可能性があります。また、国際的な製品需給により市況が変動した場合には、業績、及び投資の回収等に影響を与える可能性があります。当社は、他の出資会社と共に、現地の事業環境の情報収集に努め、投資先事業への指導を徹底し、また、適切な支援に取り組むことで、当該リスクの低減に努めております。

 

(5)財務リスク

①為替レートの変動

 合金鉄事業を始めとして、当社グループは主として、外貨建の国際市況を基準として取引していることから、為替動向が売上高及び業績に影響を与える可能性があります。また、為替動向は外貨建で取引されている原料の購入価格にも影響を与える可能性があります。さらに、外貨建の資産・負債を保有していることから、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。

②金利変動

 当社グループは、相応の有利子負債を保有しているため、金利情勢、その他金融市場の変動が業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、長期借入金の一部について金利スワップ取引により金利を固定化し当該リスクの低減を図っております。

③資金調達

 当社グループは、資金調達にあたり資金繰り計画に基づき流動性リスクを管理し、更に金融機関との間にコミットメントライン契約を結び不測の事態に備えておりますが、当該契約には財務制限条項が付されているため、当社グループの業績が大きく悪化した場合は当該コミットメントラインに基づく資金調達が影響を受ける可能性があります。なお、財務制限条項の詳細は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)7 財務制限条項」に記載のとおりです。当社グループは、中期経営計画の着実な実行により安定的な収益確保に努めるとともに財務体質の改善強化に努めてまいります。

(6)固定資産減損リスク

 当社グループが保有している固定資産について、時価が著しく低下した場合や事業の収益性が低下し投資の回収が見込めなくなった場合、固定資産の減損損失が発生し、業績に影響を与える場合があります。当社グループは中期経営計画の着実な実行により各事業収益の安定的確保に努めてまいります。

(7)棚卸資産の収益性低下

 製品価格や製品原価の変動により棚卸資産の収益性が低下し、それにより簿価切り下げが発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。当社は、需要に見合った生産に努めるとともに生産に見合った原料等の最適調達に努めております。また、年度予算で適正在庫水準目標を定めて在庫管理を行い、当該リスクの低減に努めております。

(8)繰延税金資産の回収可能性

 当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら今後、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合は、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(9)法令その他の規則及び環境規制の変更

 当社グループの事業活動に適用される法令その他の規則の変更があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。特にCO2等の排出に関連した規制は影響が大きいので、当社では経済産業省公表のGXリーグ基本構想に賛同し、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めております。当社グループは事業活動に伴い発生する廃棄物について、内外の法規制を遵守し、的確な対応を行っておりますが、関連法規制の強化によっては業績に影響を与える可能性があります。当社グループは法規制の改正等の必要な情報を適時・適切に事前に収集するとともに、社員教育を実施し厳格に法令遵守を図っております。

 

(10)自然災害及び事故

 大規模な台風、地震、津波等の自然災害に見舞われた場合には、当社グループ従業員及び主要設備に被害が発生するおそれがあります。これらの被害により操業、出荷に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止や事業活動への制約等により、業績に影響を与える可能性があります。更に、新型インフルエンザなどの感染症が国内または世界的に流行した場合には、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。当社は、設備の耐震補強や嵩上の実施、老朽化設備の更新等に加え、事業継続計画(BCP)を策定し、その実地訓練を実施するなど有事に備えております。また、日頃の設備メンテナンス、老朽化設備の更新、定期的な安全活動(リスクアセスメント、危険予知活動等)の計画と実施等により、リスク低減を図っております。足下で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症につきましては、マスク、手洗い、飛沫防止対策等の予防活動の徹底、テレワークや時差通勤の奨励等の対策を実行し、感染リスクの低減に努めております。

(11)知的財産

 当社グループは当社技術に関わる知的財産権の取得・活用及び他社知的財産権の侵害防止に努めておりますが、技術の進歩が高度かつ複雑になる中、知的財産に関する訴訟が生じた場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。当社は、他社との特許係争が生じないよう、特許連絡会を設置し、問題特許や競合他社の特許出願の有無を常時モニターし適切な対応に努めております。

(12)人材確保及び育成

 当社グループは、事業の成長に必要な人材の確保及び育成に努めており、その際には多様性の確保と一人ひとりの人格を尊重し受け入れる企業風土の醸成が不可欠です。今後、少子高齢化に伴う労働人口の減少や企業風土醸成が不十分なことによる人材定着率の低下などにより人材の確保や育成が計画どおりに進まなかった場合、当社グループの事業活動、継続的発展に影響を与える可能性があります。このような事態を回避するため、採用活動の強化、育成体系や職場環境の整備などに取り組み、魅力ある企業としての体制づくりを進めております。

(13)気候変動リスク

 当社グループは、気候変動に関して生じる変化を重要なリスク要因として認識しています。移行リスクとしては、炭素税・排出権取引制度のような温室効果ガスの排出規制が導入された場合、原材料価格や電力価格が上昇する可能性があります。これにより当社グループの製造コストが増加し、収益低下をもたらす可能性があります。また、物理的リスクとしては、台風・洪水等の極端な気象現象が深刻化した場合、生産拠点における操業停止や被害コストの増加などが収益低下をもたらす可能性があります。一方で、当社グループは、気候変動への対応をリスクとしてだけでなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決を目指してまいります。

 また、2022年2月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、気候変動の影響評価及びその情報開示に取り組んでいます。

(14)情報システムの障害、情報漏洩等

 当社グループの情報システムにおいて、悪意あるサイバー攻撃や、予期せぬ大規模停電、システムトラブル等により、情報システムが制御不可となる場合が考えられます。その場合、生産や業務の停止、機密情報の外部漏洩、訴訟や社会的信用の低下等への被害が拡大し、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。当社グループは、システムセキュリティ強化に加え、情報管理体制の徹底、社員教育等の対策にも力を入れ、万全を期しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年1月1日から2022年12月31日)における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻により大きな影響を受けました。特にロシアは、天然ガスなどの資源の主要な輸出国であり、供給体制が不安定になったことからエネルギー価格が高騰しました。米国においては新型コロナウイルスの感染収束に伴い、経済活動が急回復したことによって生じたインフレを抑制するため、金融引き締め政策が実施されたことから、急速な米ドル高が進行しました。また、これまで毎年着実な成長を遂げ、今や世界経済を牽引する中国では、長期にわたる厳しいゼロコロナ政策の継続により、景気後退の顕在化など混乱が生じており、先行きが極めて不透明な状況となりました。

 我が国においては、輸入に多くを依存しているため日本円が歴史的な安値水準となった影響を受け、資源・エネルギー価格が上昇し、諸物価、特に電気料金が高騰しました。

 このような状況のなか、主力の合金鉄事業において販売価格が高いレベルで推移したことに加え、為替が前年同期と比べ円安傾向で推移したため、当連結会計年度の売上高は、79,341百万円(前年同期比20.3%増)となりました。利益面では、原燃料価格の上昇という問題に直面したものの、これまでの構造改革の成果や安定操業の継続、コスト削減といった努力の積み重ねが大きく寄与することとなり、営業利益は8,815百万円(同4.5%増)、経常利益は10,367百万円(同50.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7,949百万円(同2.3%増)と新日本電工グループが発足した2015年以来最高の利益水準となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(合金鉄事業)

 当連結会計年度における世界の粗鋼生産量は、世界的な金融引き締め政策等を背景とした世界経済の下振れリスクや、欧州でのエネルギー価格高騰による悪影響などにより下押し圧力が強くなっていた一方で、中国では政府の景気支援策効果により個人消費に底打ちの動きが見られたものの、18億3,100万トンと前年と比べ4.3%減少しました。また、国内粗鋼生産量は、大企業の設備投資に回復の動きがあったものの、自動車業界の供給制約が解消していないことなどから8,924万トンとなり、前年と比べ7.4%減少しました。

 こうした状況のなか、主力製品である高炭素フェロマンガンの製品市況は、世界的な需給緩和から足元では下落基調にありますが、販売価格は高値推移していた国際市況が反映されていたことに加え、為替も前年同期と比べて大幅な円安傾向で推移したことにより上昇しました。一方、製造原価につきましては、マンガン鉱石・コークス・電力等の価格高騰により上昇しました。

 また、海外持分法適用会社においても、製品市況の上昇により業績は堅調に推移しました。

 以上の結果、合金鉄事業の業績は、外部環境に恵まれた部分に加え、これまでの施策(構造改革・安定操業の継続・コスト削減)が効果を発揮したこともあり、売上高・経常利益ともに前年同期を上回りました。

 

(機能材料事業)

 酸化ほう素の販売は、ディスプレイ用ガラス基板向け販売が好調であったため前年同期と比べて増加しました。一方、酸化ジルコニウム・水素吸蔵合金・リチウムイオン電池用正極材などは、電動車の一部車種の減産により、販売は減少しました。

 以上の結果、機能材料事業の業績は、売上高は前年同期を上回ったものの、収益改善を上回る電力コストの上昇に加え、能力増強準備コストが発生したこともあり、経常利益は前年同期を下回りました。

 

(環境事業)

 環境システム事業につきましては、イオン交換樹脂塔の再生需要が堅調に推移したことから、売上高・経常利益ともに前年同期並みで推移しました。

 中央電気工業㈱の焼却灰溶融固化処理事業につきましては、焼却灰4号溶融炉(EM4)が稼働を開始したことから処理量が増加し、売上高は前年同期を上回りました。一方、収益改善を上回る電力コストの上昇に加え、焼却灰4号溶融炉(EM4)立ち上げ準備コストが発生したこともあり、経常利益は前年同期を下回りました。

 以上の結果、環境事業の業績は、売上高は前年同期を上回ったものの、経常利益は前年同期を下回りました。

 

(電力事業)

 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用した売電事業として、2ヶ所の発電所が順調に稼働し、気象条件にも恵まれたため、年間売電量は、前年同期より増加しました。

 以上の結果、電力事業の業績は、売上高・経常利益ともに前年同期を上回りました。

 

 また、当連結会計年度におけるセグメントの売上高及び経常利益は次のとおりです。

(単位:百万円、%)

区分

 

第122期(前連結会計年度)

 

(2021.1.1~2021.12.31)

 

 

第123期(当連結会計年度)

 

(2022.1.1~2022.12.31)

 

増減率

 

売上高

経常利益

売上高

経常利益

売上高

経常利益

 

金 額

 

構成比

 

金 額

 

構成比

 

金 額

 

構成比

 

金 額

 

構成比

合金鉄事業

41,006

62.2

4,309

62.7

58,351

73.5

9,072

87.5

42.3

110.5

機能材料事業

11,123

16.9

1,078

15.7

11,291

14.2

323

3.1

1.5

△70.0

環境事業

5,681

8.6

807

11.8

5,905

7.4

253

2.4

3.9

△68.6

電力事業

1,455

2.2

403

5.9

1,667

2.1

531

5.1

14.6

31.8

その他

6,711

10.2

270

3.9

2,124

2.7

186

1.8

△68.3

△31.1

合計

65,978

100.0

6,870

100.0

79,341

100.0

10,367

100.0

20.3

50.9

(注) 報告セグメントごとの業績をより適切に評価するため、当連結会計年度より共通費の配賦方法を変更しております。そのため、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の事業セグメントの利益又は損失の測定方法に基づいて作成したものを開示しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、6,280百万円の収入となりました(前連結会計年度

は5,246百万円の収入)。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益10,415百万円、売上債権の減少による増加7,719百万円です。

主な減少要因は、棚卸資産の増加による減少10,571百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、4,592百万円の支出となりました(前連結会計年度

は2,211百万円の支出)。

主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出4,543百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、2,680百万円の支出となりました(前連結会計年度は

2,920百万円の支出)。

主な要因は、短期借入金の増加6,000百万円、長期借入金の返済による支出による減少2,558百万円、自己株式の取得による支出による減少3,000百万円、配当金の支払額2,937百万円であります。

 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ868百万円減少し8,895百万円となりました。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

合金鉄事業

46,622

124.7

機能材料事業

11,253

117.6

環境事業

5,559

104.2

電力事業

1,667

114.6

その他

1,368

88.9

合計

66,472

120.2

 

b.受注実績

 受注生産は行っておりません。

 

c.販売実績

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

合金鉄事業

58,351

142.3

機能材料事業

11,291

101.5

環境事業

5,905

103.9

電力事業

1,667

114.6

その他

2,124

31.7

合計

79,341

120.3

(注) 1 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは合金鉄事業において、高値推移していた国際市況が反映されていたこと及び、為替が大幅な円安傾向で推移したことによる販売価格の上昇によるためであります。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相 手 先

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本製鉄㈱

31,954

48.4

48,556

61.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容

 経営者等の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、当社グループが用いた会計上の見積りのうち重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ9,055百万円増加し104,943百万円となりました。流動資産は、棚卸資産などの増加により、前連結会計年度末と比べ3,485百万円増加し56,940百万円、固定資産は機械装置及び運搬具などの増加により、前連結会計年度末と比べ5,569百万円増加し48,003百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、短期借入金、支払手形及び買掛金などの増加により、前連結会計年度末と比べ4,155百万円増加し35,718百万円となりました。なお、有利子負債(短期借入金、一年内返済予定の長期借入金、リース債務(流動負債)、長期借入金、リース債務(固定負債))は3,292百万円増加し21,052百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,899百万円増加し69,225百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。

b.経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

③経営成績に重要な影響を与える要因

 「2事業等のリスク」に記載しております。

④資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。

 投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 短期運転資金は、自己資金、売掛債権のファクタリング及び金融機関からの短期借入などによる調達を基本としております。

 設備投資につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入などによる調達を基本としております。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 なお、当社は、2023年2月24日開催の取締役会において、当社の連結子会社である共栄産業株式会社の全株式を譲渡することを決議し、2023年2月28日付で株式譲渡契約を締結いたしました。株式譲渡の手続きは、2023年3月31日に完了する予定です。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、積極的に投資を進め、研究者を増員するとともに外部機関を積極的に活用いたしました。

 その結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は前年実績353百万円に対し大幅に増加し559百万円となりました。主要な研究開発活動は次のとおりです。

 合金鉄セグメントにおきましては、環境対応技術の強化に関わる研究開発を行いました。

 機能材料セグメントにおきましては、電池材料、電子材料など顧客からの多様な要求に対応する研究開発を行いました。また、テーマの取捨選択を行いながら、当社の強みを生かした将来に向けた商品探索についても開発を行っております。

 環境セグメントにおきましては、水処理・純水製造分野において顧客の要求に対応した商品開発、また廃棄物リサイクルの分野において環境対応技術の強化に係わる研究開発を進めております。