第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境、経営戦略並びに対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表記がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「エネルギーの未来をつくる」をミッションとして掲げ、エネルギー業界における「エネルギーの4D」という構造変革に対して、IT技術を駆使したデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する事業を展開しております。

 日本のエネルギー業界は、東日本大震災による世界的なエネルギー業界の転換により、100年に1度ともいえる構造変革を迫られていると認識しております。2050年の脱炭素社会の実現に向けて、「エネルギーの4D」を軸としたイノベーションを加速させ、新産業を創出していく必要があるものの、電力ガス小売全面自由化は主要先進国の中では最後発であり、長らくの規制業種としての遅デジタル化・非効率性が依然残るため、抜本的な構造改革が必要であると考えております。

 「エネルギーの4D」とは、Deregulation(自由化)、Digitalization(デジタル化)、Decarbonization(脱炭素化)、Decentralization(分散化)を指します。日本のエネルギー業界は、「自由化」においては2011年3月の東日本大震災を契機として発足した「電力システム改革」に代表される制度改革による競争原理の導入、「デジタル化」においてはDX推進による効率化やスマートメーターの普及に伴う電力データ活用の更なる進捗、「脱炭素化」においては今後大量導入が見込まれる再生可能エネルギーの基幹電源化、及びそれに付随して生じる電力供給における天候要因等の不確実性に対するデータやAI技術を活用した精緻な予測技術の進展、「分散化」においては電気自動車や蓄電池等を組み合わせたスマートグリッド(注1)やVPP(注2)による柔軟な需給調整の必要性、といった規制緩和・技術の進展等に伴い、エネルギーデータの活用を軸とし、「エネルギーの4D」が相互に連動しながら変革が進むことが見込まれます。

 脱炭素社会を実現するためには、①電力網の脱炭素化、②交通の電化、③食の改善、④自然保護、⑤製造業の浄化、⑥二酸化炭素の除去といった手法が有効とされており(注3)、当社グループでは①電力網の脱炭素化及び②交通の電化に貢献する事業を展開しております。

 ①電力網の脱炭素化においては、電力の送配電や小売側の技術革新が必要と考えております。当社グループは、エネルギーテック事業者として、変化する環境下において最適と判断するサービスを各種ステークホルダーに提供していく方針です。また、エネルギー業界の構造転換に柔軟に対応しつつ、規制及び環境の変化によって生み出される潜在的なニーズに対してエネルギーデータ解析技術を軸として高い精度のオペレーションを継続することによってそのニーズを満たしていくことが必要であり、それを実現するための施策に継続的に取り組んでいく方針です。

 ②交通の電化においては、EVの普及と同時にEV充電インフラを整備することが急務であると考えております。EVドライバーにとっては、どこでも簡単に充電できる環境の整備が必要とされており、駐車場を持つ施設のオーナーにとっては、駐車場を利用するEVドライバーのニーズに対応するため、EV充電器の導入・運用を安定的に行うサービスが求められています。当社グループとしては、これらのニーズを満たすため、EV充電サービス事業者として、EV充電器の導入・運用にかかる手間を最小限に抑えたオールインワンのサービスを提供し、日本全国に積極的にEV充電器を設置、快適なEV充電の利用環境の整備に継続的に取り組む方針です。

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(注)1.スマートグリッドとは、IT技術によって、供給側・需要側の双方から電力量をコントロールできる送電網のことを指します。「次世代送電網」とも呼ばれます。

2.VPPとは、Virtual Power Plant の略。電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者がエネルギーリソースを制御することで、発電所と同等の機能を提供する仕組みを指します。

3.ジョン・ドーア著「Speed & Scale」参照。

 

(2)経営環境

 足元の電力業界を取り巻く環境は、世界的な資源価格の高騰や深刻度を増しているロシア・ウクライナ情勢の影響の波及が懸念される状況が続いています。一方で、中長期的な我が国の電力総需要の市場規模は、将来的には人口減少や省エネ機器の普及・性能の向上等の影響による減少要因はあるものの、オール電化の普及や電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の普及によるエネルギー二次利用(ガス・ガソリン産業)の電化等により、電力需要が最大40%増加(注1)すると予想されており、電力販売額が拡大していくことが見込まれます。

 自由化というトレンドについては、新電力の電力販売量は電力販売量全体の18.7%(注2)となっております。新電力と契約している家庭・法人ユーザーは、一度電力・ガス契約の切替をすることで、切替に関する心理的ハードルが低くなり、また切替に関するメリットも認識しているため、継続的により良い電力・ガス会社を探す傾向にあると考えております。また、引越し時に電力会社を新規に契約する際、大手電力ではなく新電力との契約を選択するユーザーも増加傾向にあると考えております。足元の状況においては、一部の電力会社においては、ロシア・ウクライナ危機を契機とした資源高の影響によるコスト高により、特に利幅が比較的薄い法人ユーザーの新規獲得意欲が減退し、新電力における高圧部門の契約口数が減少する動きが見られましたが、こうした影響も徐々に沈静化するとともに、新電力による料金プランの変更等によりユーザー獲得活動は徐々に再開し、中長期的には電力・ガス小売市場における切替は継続的に発生すると当社では見込んでおります。

 デジタル化というトレンドについては、スマートメーターの普及を背景として、電力・ガス会社が取得可能なデータ量が増加している状況にあります。使用地点毎の電力使用量を30分おきに計測し、無線ネットワークを介して電力・ガス会社のシステムにデータを送るスマートメーターは、全国平均で91.1%(2022年3月末時点)の普及率となっており、2024年度末までには全国への普及が見込まれております(注3)。また今後スマートメーター普及に伴い取得可能なデータ量が増加すると、電力データの解析ニーズがより高まるものと見込んでいます。加えて、スマートメーターで得られる電力データに関して、電力データの利活用を推進する内容が、電気事業法及び再エネ特措法の改正案として第201回通常国会で可決され、2022年4月から施行されています(注4)。2022年4月の施行の段階では、一部の取組みにとどまっておりますが、将来的にはこの制度改革によって、電力データの利活用が電力小売事業者以外でも可能となるため(所謂「電力データ自由化」)、様々な事業者による電力データ活用市場の活性化が見込まれます。

 脱炭素化・分散化というトレンドについては、2015年12月に開かれた気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において採択された「パリ条約」を契機として、温室効果ガスの排出量を削減することを目的とした再生可能エネルギーの普及が世界各国で進んでいます。世界では太陽光・風力発電所への投資機会が増えているものと見られ、それに伴い、データ解析技術を軸とした発電所の査定や設備保守点検等の需要も高まり始めています。加えて、エネルギー効率や温室効果ガスの排出量の観点から優位性を持つ電気自動車(EV)の普及拡大や、それに伴うEV充電インフラの整備及びEV充電インフラを活用した電力の需給調整機能等、電力データを活用したサービス需要の高まりも見込まれています。日本においても、2021年6月18日に経済産業省より「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の具体案が公表され、2021年10月22日には「第6次エネルギー基本計画」が閣議決定されグリーントランスフォーメーション(GX)への道筋が示されました。日本政府によるGX実行会議は2022年中に合計5回開催され、2022年12月22日の会合において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が掲示され、150兆円のGX投資を官民で実現していくため、日本政府としても20兆円規模の先行投資支援を実行する旨の意見表明がなされ、また2023年2月10日には「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。当社グループでは、脱炭素化・分散化の国際トレンドを注視するとともに、そのような状況下において、EV充電インフラの拡充や電力データ分析技術の観点からの事業展開を進めていきます。

 

(注)1.経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(2021年6月18日)。

   2.電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」より、2022年12月時点の電力販売量から算出。

   3.資源エネルギー庁「第52回電力・ガス基本政策小員会」資料3「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」(2022年7月20日)。

   4.資源エネルギー庁「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会持続可能な電力システム構築小委員会(第5回)」の配布資料「持続可能な電力システム構築に向けた詳細設計」(2020年7月20日)。

 

(3)経営戦略等

 単一制度におけるエネルギー自由化市場としては世界最大規模の電力市場(注1)を有し、近年の電力・ガス自由化、スマートメーターの普及等により競争環境が整備されつつある日本市場において、当社グループの強みは、「エネルギーテック」企業グループとして、エネルギー分野に特化した技術開発力を基盤としたデータ分析力と、幅広い顧客基盤を有していることにあると認識しております。

 当社グループのTAMについては、「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおり、「エネルギープラットフォーム事業」は約3,600億円(2022年の電力市場規模18兆円に、電力切替後の継続報酬料率相場である2%を乗じて試算)、「エネルギーデータ事業」は1,800億円(2022年の電力市場規模18兆円に、売上高IT予算比率1.00%を乗じて試算)、「EV充電事業」は9,000億円(国内のガソリンスタンド売上高約9兆円に、目的地充電の利用率10%を乗じて試算)と推定しております。

 

 なお、電力・ガス自由化以降の競争環境の整備、スマートメーター設置の普及等「エネルギーの4D」の浸透、さらには「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において産業・運輸・家庭部門の電化によって現状より最大40%電力需要が増加すると想定されているとおり、電力市場の規模は今後も継続的に拡大するものと想定しております。

 

 当社グループでは、以下の戦略を持って、シェア拡大に取り組んでおります。

 「エネルギープラットフォーム事業」においては、中立的な立場でサービス提供をすることが、提携する電力・ガス会社数や取得可能なデータ量の拡大に繋がっていると認識しております。今後も当社グループでは、中立的な立場でのサービス提供を前提に、オンラインのみならず、不動産仲介業者や金融機関等とのパートナーシップを拡大することで、オフラインでの集客力を強化し、ユーザー数の拡大に努めてまいります。また、電力切替に加えて、ガスセットでの切替、クリーンエネルギーの付加価値販売等のクロスセルを通じたARPU(注2)の向上により収益基盤の強化を目指してまいります。

 「エネルギーデータ事業」においては、今後、電力・ガス会社間での競争がより激化すると見込んでおり、顧客開拓から電力調達に至るまでの電力・ガス会社にとってのバリューチェーン全体におけるデータ活用に対するニーズがより一層高まると考えております。当社グループはそのようなニーズに対して、「エネルギーデータ事業」で展開しているデジタルマーケティング支援や、電力データ解析サービスによる業務効率化支援を行うことで、電力・ガス会社のデジタル化推進のサポートを通じた競争力強化により事業成長を目指してまいります。

 「EV充電事業」においては、今後EVの普及とともにEV充電インフラの需要が高まるものと認識しております。当社グループでは、2027年中にEV充電器を累計3万台受注することを目標に掲げており、これの実現に向けて、営業体制及びパートナー連携の強化に取り組むと同時に、駐車場を持つ施設オーナー並びにEVドライバー双方にとって利便性の高いサービス開発に取り組んでまいります。

 これら3事業の経営による顧客基盤・ノウハウの相互活用を通じた事業展開が、当社グループの競争力強化に繋がるものと考えております。

 

(注)1.Central Intelligence Agency 「The World Factbook」(2022年3月時点)。日本の電力需要は中国、アメリカ、インドに次ぐ4位。アメリカは一部の州で自由化実施、その他の国は自由化未実施の状況です。

   2.ARPUは、Average Revenue Per Userの略称であり、1ユーザー当たりの平均収益を意味しております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、長期においてはフリーキャッシュ・フローの最大化による企業価値の向上、そして中期におい

ては売上高の成長を重視しております。2027年12月期において売上高100億円を目標に掲げており、2020年12月期

以降の売上高の年平均成長率30%以上を継続して実現する計画です。

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 「エネルギープラットフォーム事業」においては、「顧客数」を当社プラットフォームを通じた家庭・法人ユーザーのユーザー数とし、「ARPU」をユーザーあたりの売上高としております。家庭・法人ユーザーともに切替件数はこれまで堅調な拡大を続けており、今後も市場の堅調な切替需要と当社のプラットフォーマーとしての競争力を背景として、継続的な成長を見込んでおります。ユーザー数の推移は、以下のとおりです。

 

年度

家庭向け
ユーザー数
(件)

法人向けユーザー数

換算値(件)

(注1)

ユーザー数合計
(件)(注1)

ARPU(円)
(注2)

2018年12月期末

37,114

62,759

99,873

5,208

2019年12月期末

58,179

106,137

164,316

3,814

2020年12月期末

98,963

144,252

243,215

4,067

2021年12月期末

158,555

229,159

387,714

5,714

2022年12月期末

187,128

274,425

461,553

5,580

 

 2018年12月期から2019年12月期にかけて、ストック型収益重視の経営方針へと変更し、大半の電力・ガス会社から受領する報酬を、切替時の一時報酬から、ストック型の報酬(ユーザーが電力・ガス会社に対して支払う毎月の電力・ガス代に、あらかじめ定められた料率を乗じた金額を、切替以降、電力・ガス小売供給契約が継続する限り、毎月継続的に受領する報酬体系)へと契約内容を変更いたしました。これにより、分母となるユーザー数が増加したため、ARPUはそれ以前と比較すると低くなったものの、その後、競争環境の高まりによる一時報酬単価の上昇等の要因により、ARPUが上昇しております(なお、一部の電力・ガス会社とは引き続き一時報酬での報酬体系での契約となっております)。

 

 また、ユーザー数の拡大を目的としたプロモーション活動やパートナーシップの拡大において、LTV/CAC(注3)を重視して、健全性の目安とされる3.0倍以上を維持しながらユーザー獲得活動を推進してまいります。LTV/CACの推移は以下のとおりです。

 

 

第8期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

LTV/CAC(倍)

3.1

3.7

3.2

4.9

 

 「エネルギーデータ事業」においては、「顧客数」をエネルギーデータ事業において展開するサービスを導入している企業数とし、「ARPU」を当該顧客あたりの売上高としております。当社グループが提供するサービスへのニーズの高まりにより、電力・ガス会社を中心とした顧客数はこれまで順調に伸びており、今後は電力データの自由化に伴う新サービスの導入に伴い、電力・ガス会社以外の対象顧客の拡大を見込んでおります。顧客数の推移は、以下のとおりです。

 

年度

顧客数(社数)

ARPU(千円)(注2)

2018年12月期末

15

32,026

2019年12月期末

25

23,466

2020年12月期末

32

22,626

2021年12月期末

50

16,052

2022年12月期末

58

16,713

 

 2022年12月期末の顧客数は58社となっています。電力販売量上位100社を主な対象顧客とした関係構築を実現したと判断し、今後は、主要な電力会社へのサービス提供拡大に注力することで、ARPUの向上に取り組む方針です。

 

 「EV充電事業」においては、積極的な投資による事業立ち上げ期にあるため、現在は累計の受注台数を重要指標としております。事業開始以来、組織体制の拡大やパートナー提携に取り組み、受注台数は順調に増加しております。今後は、安定して受注台数を積み上げていくとともに、設置済み充電器の利用回数・利用時間の増加に向けて取り組む方針です。

 

 

第8期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

累計受注台数(台)

541

1,467

2,475

 

(注)1.一般家庭ユーザーの電力容量は平均的に4キロワットとみられているため、法人ユーザーの累計切替件数に加えて、法人ユーザーの総獲得容量から割り戻した一般家庭ユーザー相当への換算値を併記しており、エネルギープラットフォーム事業における累計切替件数の算出に当たっては、当該換算値と家庭ユーザーの累計切替件数の合計値を用いております。

   2.エネルギープラットフォーム事業においては、ARPUを「セグメント売上高を、該当する期間末時点でのユーザー数(家庭向けユーザー数と、法人向けユーザー数の一般家庭換算値との合計値)で除した上で、それまでの月額平均値を12か月分に年換算した数値」としており、季節性による月変動は考慮されておりません。エネルギーデータ事業においては、ARPUを「セグメント売上高を、該当する期間末時点での顧客件数(当社のサービスを導入しており1か月以上継続した取引実績もしくは契約締結して売上が計上された企業数。解約を加味した上で、重複分は控除。)で除した上で、それまでの月額平均値を12か月分に年換算した数値」としております。

   3.LTV(Lifetime Valueの略で顧客生涯価値)とCAC(Customer Acquisition Costの略で顧客獲得単価)の比率で、マーケティング活動の投資効率性を表しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 規制緩和が続くエネルギー業界において当社グループが継続的に安定した成長を続けていくためには、現状の「エネルギープラットフォーム事業」における各種サービス(「エネチェンジ」「エネチェンジBiz」)の顧客満足度を高め、ユーザーと電力・ガス会社とを繋ぐプラットフォーマーとしての地位を確固たるものにするとともに、ユーザーの拡大・解約防止や他商材のクロスセルを通じた収益基盤の強化を着実に実施していく必要があると認識しております。「エネルギーデータ事業」においては、ARPUの向上に向けて、より多様なソリューションを提供できるプロダクトの開発を進める必要があると認識しております。「EV充電事業」においては、目的地充電及びマンション充電の領域で、早期にトップシェアの地位を獲得するため、駐車場を持つ施設のオーナーとEVドライバーにとって付加価値の高いサービス開発を進める必要があると認識しております。

 

 その上で、当社グループとして取り組むべき主な課題は以下の項目と認識しており、課題の解決に向けた取組みを進めています。

 

<競争優位性の確保について>

 

①ストック型収益基盤の強化

 当社グループは「エネルギープラットフォーム事業」「エネルギーデータ事業」「EV充電事業」を展開しておりますが、今後持続的な成長を維持するためには、ストック型収益基盤のより一層の強化が必要であると考えています。

 「エネルギープラットフォーム事業」においては、家庭・法人ユーザーの電力契約切替以降、提携電力・ガス会社より継続的に収受するストック型の切替報酬並びにプラットフォームの基本利用料が、ストック型収益の基盤であり、そのため、ユーザーの電気・ガス代の従量制で継続的に発生するストック型の切替報酬の対象となる継続報酬対象ユーザー数が重要な指標となります。電気・ガスの利用自体は、長期にわたり予見性が高いインフラであることを考慮すると、今後もストック型収益基盤は拡大していく見込みです。また、LTV/CACを考慮しながら、効果的なプロモーション活動やパートナーシップの拡大を継続していき、「エネチェンジ」ブランドの知名度を向上させる方針です。

 「エネルギーデータ事業」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)がストック型収益の基盤であるため、当社の提供サービスを導入している顧客数が重要な指標となります。また、エネルギー業界特化型のSaaS事業者としては、直接的な対象顧客は電力・ガス事業者であることから社数が限定的になるため、利用者数に応じた従量課金体系を採用することで、電力・ガスを利用するエンドユーザーを、サービスの間接的な顧客として収益基盤の継続的な拡大を目指しています。そのためにも「エネチェンジクラウドMarketing」及び「エネチェンジクラウドDR」の継続的なプロダクト開発と営業活動を推進してまいります。

 「EV充電事業」においては、施設オーナーから受け取るソフトウェアライセンス料と、充電器利用に応じて受け取る充電収益がストック型収益の基盤となります。今後、当社グループの充電設備の設置が進むことで、ストック型収益基盤は拡大する見込みです。加えて、国内にEVが普及していくことで充電器の利用回数が増加し、充電器1台あたりのストック型収益のさらなる増加が見込まれるため、積極的なプロモーションを実施して知名度を向上させるとともに、目的地充電の分野で早期にトップシェアの地位を確立することを目指します。

 

②電気自動車(EV)分野における新規事業推進

 急速に変化し続けるエネルギー業界において、当社グループが企業価値を向上させ、高い成長を実現していくためには、既存事業の規模の拡大と収益源の多様化に加え、積極的な新規事業の発掘と育成が課題と認識しております。このような環境下において、当社グループは、「エネルギーの4D」の全てにおいて総合的にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するサービスを提供することでエネルギー分野における競争優位性を確立していくことが重要と考えています。当社グループは、既に自由化・デジタル化・脱炭素化領域での取り組みを進めており、残された分散化領域、すなわち太陽光発電や風力発電等の小規模な分散型電源、電気自動車やその他蓄電技術が広く普及していく中での事業検討については、Japan Energy Challengeというアクセラレーションプログラムの運営を通じ、海外の有望な電気自動車、蓄電池制御関連のエネルギーベンチャーとの協業検討を中心に進めてきました。

 電気自動車分野においては、ガソリン業界9兆円市場(注1)を取り込む可能性を秘めており、日本政府においても、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の中でEV充電器2030年までに15万基設置する目標が掲げられ、さらに「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」の中で電動車関連インフラに約1兆円の投資が計画されるなど、カーボンゼロの実現に向けて、「交通の電化」はGXを推進するうえでも、大きな貢献分野であると考えております。

 当社グループにおいては、2021年11月からEV充電サービスの提供を開始し、「EV充電エネチェンジ」のブランド名で、積極的な事業展開を推進しております。脱炭素化や政府によるGXの推進といった社会的要請に加え、国内におけるEVの普及拡大とともに高まるEV充電インフラ需要に応えるため、「EV充電事業」の早期の事業立ち上げとシェア拡大は急務であると考えております。

 

 

③電力会社との提携強化

 国際的なエネルギー価格の高騰が、深刻度を増しているロシア・ウクライナ情勢の影響によりさらに進行し、電気料金における燃料調整費の増加や電気料金自体の値上げにつながり、電力使用者の負担が大きくなっています。エネルギー価格の高騰による発電コストの上昇や日本卸電力取引所(JEPX)での電力取引価格の上昇により、一部の電力会社は事業撤退やユーザー獲得の一時停止、販売促進費用の削減(当社における一時報酬の減少)を行うなどの影響がみられました。一方で、電気料金値上げに伴うユーザーのコスト意識の向上により電力切替へのニーズが高まっています。当社グループとしては、引き続き今後の状況を注視するとともに、ユーザー獲得意欲の高い提携電力会社との提携強化や、電力小売事業を行わない中立的な立場での政策提言等を行うことにより、外部環境の変化に対応してまいります。

 

④エンジニア主体によるプロダクト開発の強化

 エネルギー業界においては、今後のデジタル化の更なる進展に伴い、ビッグデータ解析やAIといった技術を活用したプロダクト開発の重要性がますます増してくるものと見込まれます。そのような中、当社グループでは、エンジニア出身である両代表取締役を中心として、高いエンジニア比率を有する組織構造を保つことでエンジニア主体によるプロダクト開発を強化しています。コア技術を自社開発することを基本方針として、技術部門の陣容を強化しつつ、必要に応じてライセンス調達等を組み合わせながらプロダクトの開発強化を推進してまいります。これらの実現には、高い採用力を維持・強化することが必要であり、今後も採用活動には人的・資金的投資を積極的に行い、当社グループのミッションへの共感を軸とした採用力強化に注力していきます。

 

(注)1.帝国データバンク「ガソリンスタンド経営企業の総売上高」(2017年)より。

 

  <管理体制の強化について>

 

⑤情報管理体制の強化

 当社グループが運営する事業においては、企業情報や個人情報を多く取り扱っており、これらの情報管理体制の一層の強化が重要であると考えております。

 当社並びに当社子会社であるSMAP ENERGY LIMITEDの日本支店はプライバシーマークを取得しており、関連する個人情報保護法令等に基づき、個人情報の適切な取り扱いに十分配慮しながら事業を遂行しております。また、「個人情報保護方針」を含む社内規程の整備並びに運用の徹底、個人情報に関する内部監査や社内研修の実施を通じて、これらの情報については厳正に管理しております。引き続き社内システムの一層のセキュリティ強化、社内研修の整備等を図り、情報管理体制を強化していく方針です。

 

⑥システムの安定的な稼働

 当社グループが提供する各種サービスはインターネットを利用したサービスであり、システムの安定的な稼働が不可欠です。そのため、「システム管理規程」に基づき、不正アクセス対策、コンピュータウィルス対策、データの管理等の徹底を図っております。データベースについては、原則としてクラウドサービス上で構築・運用をすることでセキュリティを担保しており、クラウドサービスでカバーされない範囲については、データベースの暗号化やセキュリティパッチの自動適用等、必要と考えられる対策を行っております。今後はユーザー数の増加や取り扱いデータ容量の拡大に伴うシステム投資、適切な人員体制の拡充を計画的に行うとともに、データのバックアップ体制強化についても努めてまいります。

 

⑦組織体制の強化

 組織の拡大と成長速度を両立させるためには、意思決定のプロセスの迅速化と優秀な人材を確保し続けていくことが重要であると考えております。これらの課題に対処するために、当社は執行役員制度を導入し、取締役会と執行役員との間で経営の監督と執行の分離を行うことで、取締役会は重要な意思決定や、業務執行取締役・執行役員のパフォーマンス・執行状況の確認を中心に活動する一方、執行役員への権限委譲により意思決定を迅速化することで、経営効率の向上と組織力の強化を図っています。また、広報活動等を通じた自社知名度の向上、採用活動の強化による最適な人材の確保・育成、当社グループのミッション等の役職員への浸透を通じた当社としての行動規範の遵守、教育・研修の拡充等を通じた優秀な人材の確保と定着により一層努めてまいります。

 

⑧内部管理体制の強化

 当社グループは社歴が浅く、内部管理体制も小規模です。今後継続的に当社グループが成長を遂げていく上では、求められる管理機能の拡大や高度化が見込まれるため、経営上のリスクを把握し、当該リスクを適切にコントロールするためにも、内部管理体制の強化を行っていく必要があると考えています。具体的には、当社グループのミッション等の役職員への浸透を通じた当社としての企業倫理の確立及び遵守、経営執行会議やコンプライアンス・リスク管理委員会を通じた経営上のリスクの適時・適切な把握、財務・人事・IR・法務等、それぞれの分野でコア人材となりうる高い専門性や豊富な経験を有している人材の採用、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成、業務のマニュアル化等によるリスクの低減等を通じて、内部管理体制のより一層の充実化を図っております。また、コンプライアンス・ホットラインの整備を行う他、「コンプライアンス規程」等の各種関連規程を導入し、外部専門家との連携を密に行うことで、健全なコンプライアンス体制の構築に取り組んでおります。このような取組みを継続的に実施することで、今後も更なる内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

<財務面の強化について>

 

⑨財務体質の強化

 当社グループの連結貸借対照表の状況は、2022年12月期末において有利子負債1,979百万円、純資産3,502百万円(有利子負債/純資産比率0.57倍)、現金及び預金は3,067百万円となっており、また、営業活動によるキャッシュ・フローは1,910百万円の支出となっております。「エネルギープラットフォーム事業」における効果的なプロモーション活用やパートナーシップの拡大並びにM&Aの推進、「エネルギーデータ事業」における「エネチェンジクラウドMarketing」及び「エネチェンジクラウドDR」の継続的なプロダクト開発や積極的なプロモーション・営業活動等、「EV充電事業」における「EV充電エネチェンジ」のサービス展開に必要な積極的なプロモーション・営業活動、社内体制の構築等に関して、成長をより加速させるための資金需要が生じる可能性があり、資金需要が顕在化した際には、適時に資金調達を検討してまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

 

①電力小売市場について

当社グループが事業展開をしている電力業界においては、2016年4月の小売全面自由化以降、家庭向け(低圧電灯)、法人向け(特高・高圧)ともに切替数が順調に増加しております。また、社会全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)への要望が高まっており、エネルギープラットフォーム事業ではオンラインでの切替需要増加、エネルギーデータ事業では、電力ガス事業者からのDXサービスの導入需要増加等当社グループの業績にとっては好影響になる要素も多いと考えております。しかしながら、今後エンドユーザーの切替意欲の減退による切替数の鈍化や、新電力の競争力低下に伴うシェアの伸び悩み等の要因により、切替が進行しなかった場合、或いは電力ガス事業者に対するDXサービスの導入が順調に進展しなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②電力制度改革について

当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、東日本大震災を契機に、再生可能エネルギー固定価格買取制度の創設、電力・ガス小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、ベースロード市場や容量市場の整備等大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、再生可能エネルギーの買取価格の市場連動型(FIP制度)の導入等が制定されており、今後も様々な制度変更が行われる見込みです。これらの制度変更は、市場の競争環境における公平性の担保を強化し、市場活性化を促す施策であり、当社グループにとっては追い風であると考えております。しかしながら、これら事業環境に影響を及ぼす規制緩和や制度改革が計画のとおりに進行しなかった場合や、想定外の形での法規制の変更等があった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③EV及びEV充電インフラに関する政策動向について

長期的な観点でのエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、日本政府によるグリーントランスフォーメーション(GX)推進の方針のもと、EV及びEV充電インフラの普及に向けて政府による補助事業等が展開されております。当社グループの「EV充電事業」において、EV及びEV充電インフラに対する政府の補助事業を前提として経営戦略立案及び営業活動を行っているため、大きな方針変更があった場合、EV充電事業の受注高やEV充電器設置可能台数が減少し、経営成績に影響する可能性があります。

 

④その他関連市場について

当社グループの展開するサービスは主にインターネットを通じて提供されているため、使用環境の改善や利用可能な端末の増加等を通じたインターネット関連市場の更なる発展が、当社グループの成長のためには重要であると考えています。また、当社グループがサービス展開を行う上での基盤となるクラウド関連市場やビッグデータ関連市場については、今後拡大が見込まれており、当社グループとして積極的に関連サービスを多角的に展開する方針です。

しかしながら、これら当社グループが事業展開する上での基盤となる関連市場が、新たな規制やその他予期せぬ要因により急激な変化に見舞われ、使用環境への制限等を通して発展が阻害された場合は、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて

 

①電力・ガス会社への依存について

当社グループの「プラットフォーム事業」及び「データ事業」においては、取引先の電力・ガス会社からの収益が主な収益源となっています。そのため、資源価格や日本卸電力取引所(以下「JEPX」)における電力取引価格の想定外の高騰、自然災害や突発的な事象等予期せぬ事態、などの影響により取引先電力・ガス会社の経営状態が悪化した場合、また電力・ガス会社における集客チャネルに関する戦略の変更等により、当社グループ以外のチャネルの重要度が高まった場合には、既存契約の条件見直しや解消、新規発注の停止等につながる可能性があります。当社グループとしては、取引先電力・ガス会社の分散を通じてリスクの低減に努めていますが、特定の時期にかかる事象が集中発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②大型案件について

当社グループの「エネルギーデータ事業」においては、顧客の個別ニーズや予算規模により受注案件が大型化した場合、売上計上が可能となるサービスのリリースに至るまでに長期間を要する可能性があります。一部大型案件の受注可否については、特定顧客の動向や判断に左右される部分が多いため、当該案件の受注が計画のとおりに進まなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③サービスのライフサイクルについて

当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」においては、当社サービスを経由して電力・ガス会社の契約切替を行ったユーザーの小売供給契約期間は基本的に1年間となっていますが、その後ユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社としてはユーザーにとっての最適な小売供給契約の締結をサポートするために、契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等に努めており、追加的な電力・ガス会社の切替ニーズが発生した場合は、そのサポートも実施することで継続的な切替報酬を収受しております。しかしながら、当社提携外の電力・ガス会社からの営業活動等により、ユーザーが小売供給契約を当該電力・ガス会社に切替えた場合は手数料収入が減少するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④競合他社の状況について

当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」において、家庭向け・法人向けユーザーに電力・ガス切替プラットフォームを展開する事業者は複数存在しており、また電力・ガス会社が自ら直接・間接的に顧客に対して営業行為を行っているため、一定程度の競争環境は存在するものと認識しております。前者の競合に対しては、提携電力・ガス事業者数の拡大、サービス価値の向上及びSEO対策や積極的なマーケティング施策をベースにしたオンラインでの集客力強化、パートナーシップの拡大によるオフラインでの集客力強化を図ってまいりました。後者の競合に対しては、複数の電力・ガス会社から最適な事業者を選択できるというサービスモデルを差別化要因として競争力の向上に努めてまいりました。その結果として、本書提出日現在での競争環境は限定的なものと認識しております。

「エネルギーデータ事業」においては、一部顧客管理システムや需給管理システムを対象にした商材展開を行っている事業者が存在しております。しかしながら、「エネチェンジクラウドMarketing」においては「エネルギープラットフォーム事業」で蓄積された独自データベースを活用しオンライン上での顧客獲得を推進させるという、ユニークなポジショニングでのサービス展開を実施しているため、本書提出日現在では競争環境は比較的軽微なものと認識しております。今後新たな競合が参入した場合も、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」で培ったマーケティングの知見や蓄積されたデータベース、データ解析技術等を差別化要因として、競合に対する優位性は保てるものと認識しております。また「エネチェンジクラウドDR」においては、今後スマートメーターの普及とともに国内外の競合他社が増加し、競争環境が激化してくる可能性がありますが、国内外の顧客企業へのサービス提供を通じて蓄積された独自データベースを活用したプロダクトの開発やデータ活用に関する知見、導入実績の積み上げにより競争力の向上に努めてまいります。

しかしながら、今後他に優れた技術やビジネスモデルを持ち合わせた競合の参入により、当社グループの事業領域における競争激化の結果として当社グループユーザーの解約や電力・ガス会社との契約単価の下落が生じた場合、若しくは当社グループサービスの導入が進まなかった場合は、当社グループの事業及び経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤検索エンジンのロジック変化について

当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」においては、検索エンジン(Google及びYahoo!Japan等)から多くのユーザーを集めており、今後についても、検索エンジンからの集客を強化すべくSEO対策等の必要な対策を実施する方針です。しかしながら、検索エンジンを提供する企業が、検索アルゴリズムのロジックを変更することで検索結果の表示順位が変更された場合、または新たな検索エンジンが主流になった場合、当社の提供サービスへの集客に影響が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥技術革新等について

当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、電力ビッグデータのAI技術による解析の他、電気自動車、蓄電池といった分野における技術革新や、技術の普及に伴う価格競争力の強化によって、従来にはなかった様々なサービスの誕生が見込まれており、それに伴った顧客ニーズの変化も発生するものと予想されます。当社グループは、これらの変化に対応するため、ENECHANGE Insight Venturesというアクセラレーションプログラムの運営を通じた海外の有望な電気自動車、蓄電池制御関連のエネルギーベンチャーとの連携を率先して行う等情報収集・連携に努めております。また、それらの技術を実用化するために必要な技術者の確保や体制の整備に努めていますが、今後当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦海外展開について

当社子会社のSMAP ENERGY LIMITEDは英国に本拠を置き、プロダクト開発や欧州地域における顧客開拓を実施しております。また、関連会社であるJapan Energy Capital 1 L.P.は主に中東地域での再生可能エネルギー発電所への投資を行っており、関連会社であるJapan Energy Capital 2 L.P.は海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行っております。これらの取組みに関して、海外における当社グループの事業に係る法規制等の成立・改正等が実施された場合、政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合、予期せぬ自然災害、人為災害、テロ、戦争や感染症等が発生した場合等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧システム障害等について

当社グループの事業は、電力やガス等のインフラ関連企業の継続的なサービス提供が前提となっています。また当社グループのサービスは、主にインターネットを介して提供されており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信インフラに依存しております。従って、自然災害、人為災害、テロ、戦争等に伴いシステム障害が発生することでサービスの提供が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業別コンティンジェンシープランを作成し、役職員に対して周知することでこれら不測の事態に対しての対応を定めていますが、かかる事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨当社が出資するファンドの投資コミット金額について

当社グループの「JEF」サービスにおいては、Japan Energy Capital合同会社より、主に海外の再生可能エネルギー発電所への投資を行うファンドであるJapan Energy Capital 1 L.P.及び海外の脱炭素化ベンチャー企業への投資を行うファンドであるJapan Energy Capital 2 L.P.のファンド運営業務等を独占的に受託しており、Japan Energy Capital 2 L.P.の運営業務等に係る報酬はJapan Energy Capital 2 L.P.の投資コミット金額に連動します。従って、当該ファンドの投資コミット金額が計画のとおりに増加しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、Japan Energy Capital 1 L.P.への出資は完了し、今後のJapan Energy Capital 1 L.P.の運営業務等に係る報酬はJapan Energy Capital 1 L.P.の投資残高に連動します。

 

⑩サプライチェーンについて

当社グループの「EV充電事業」においては、取り扱うEV充電機器を主に海外から仕入れ、販売いたします。製造や仕入れにかかる国において、予期せぬ自然災害、人為災害、テロ、戦争や感染症等が発生し、仕入れ元において製造や出荷が困難になった場合には、当社のEV充電事業の継続に影響し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)業績変動に関するリスクについて

 

 ①四半期毎の業績変動等について

 当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」における売上高は、特定の電力・ガス会社の撤退等に伴う切替先の電力・ガス会社を探すユーザーの増加により切替報酬が一時的に増加するといった外部環境の要因や、引越の繁忙期における切替報酬増加、または暖冬・冷夏等の特定の気象状況下における切替報酬減少等、季節要因の影響により変動します。

 「エネルギーデータ事業」における売上高は、新規受注や新規機能のサービスリリースに伴う一時的な売上が発生する等の要因で変動する傾向にあります。また人材の確保を円滑に進めるための採用活動に伴う費用や、新規ユーザーを獲得するための各種プロモーション施策に係る費用が一部四半期に集中することもあります。これらの要因により、収益が年間を通じて平準化されず、四半期決算の業績が変動する可能性があります。

 「EV充電事業」における売上高は、政府が実施している補助金に対応するため、EV充電器設置工事を行う時期に偏りが生じる可能性があります。そのため、設置工事完了時に認識される売上高の計上時期が特定の時期に集中することで、四半期決算の業績が変動します。

 

 第7期及び第8期の各四半期連結会計期間の業績は次のとおりです。

 

 

第7期(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

年度計

売上高(千円)

657,640

728,419

800,316

831,626

3,018,003

売上総利益

(千円)

560,997

635,938

677,444

707,700

2,582,080

営業利益又は
営業損失(△)

(千円)

33,072

26,395

78,289

△96,882

40,875

 

第8期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

年度計

売上高(千円)

1,105,270

1,045,869

668,968

913,960

3,734,068

売上総利益

(千円)

928,813

875,662

495,147

636,100

2,935,723

営業損失(△)

(千円)

△71,688

△151,278

△308,888

△589,848

△1,121,703

 

 ②事業領域の拡大について

 当社グループが取り組む事業領域では、市場の規制撤廃や新たな技術革新やサービスモデルの誕生が見込まれております。本書提出日時点において、当社グループの収益は、「エネルギープラットフォーム事業」及び「エネルギーデータ事業」による売上の影響を大きく受けている状況であるため、当社グループは、「エネルギーの4D」に則した新たな収益源を常に模索し、事業の拡大と安定化に取り組んでおり、現在は「EV充電事業」を注力分野としています。しかしながら、事業領域を拡大し、新たな分野に進出することで、人材採用、システム開発、営業体制構築等の投資を実施したにも関わらず、当該分野における収益化が進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③為替変動について

 当社グループでは、海外子会社の現地通貨建ての財務諸表を日本円に換算した上で、連結財務諸表を作成しております。また、一部外貨建ての出資や債権債務、外貨建てで収入若しくは支出が発生する取引が存在します。従って、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて

 

 ①法的規制について

 当社グループが事業展開する電力業界においては、電気事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が課せられています。当社は小売電気事業者と一般ユーザーとの間の小売供給契約締結の「媒介」(注)を行う事業者として取引に関与しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や、経済産業省が公表する「電力の小売営業に関する指針」上のガイドラインに基づいて事業を行っています。また当社は、小売電気事業者として経済産業省へ登録(法人番号6010601047805)を行っております。

 これら関連法規制やガイドラインへの対応については、外部弁護士の見解確認を踏まえて四半期毎のコンプライアンス・リスク管理委員会において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、当社グループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 「媒介」とは、「他人(小売電気事業者及び小売供給を受けようとする者)の間に立って、当該他人を当事者とする法律行為(小売り供給契約)の成立に尽力する事実行為」をいいます。また「媒介」の他にも「取次ぎ」「代理」のパターンがあり、「取次ぎ」とは「自己の名をもって、他人(小売供給契約)の計算において、法律行為(小売供給契約)をすることを引き受ける行為」をいい、「代理」とは、「他人(小売電気事業者)の名をもって、当該他人のためにすることを示して行う意思表示」をいいます(「電力の小売営業に関する指針」)。

 

 ②知的財産権について

 当社グループが事業活動を行うにあたり、第三者が保有する商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っており、損害賠償請求や特許権侵害の訴訟等は現在ありません。しかしながら、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払要求等が発生する可能性があり、その場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③情報管理について

 当社グループでは、企業情報及び個人情報を取り扱っております。当社並びに当社子会社であるSMAP ENERGY LIMITEDの日本支店においては、個人情報取扱事業者として適切な管理体制を構築するため、プライバシーマークを取得し、他の情報についても厳密なセキュリティルールを施して管理することに加え、情報管理に関する社員研修も毎年受講必須とする等、社員教育・運用面の徹底もしております。また、情報管理に関しての適切な運用遵守状況を内部監査室が組織横断的に確認しております。しかしながら、万が一不測の事態によりこれらの情報が流出・漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④メディアコンテンツの品質維持について

 当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」で運営しているメディアのコンテンツとして、電気やガスをはじめとしたライフサポート領域に関する記事の制作の一部を、「EV充電事業」で運営しているメディアのコンテンツとして、EVや充電器に関する記事の制作の一部を外部委託しております。かかるコンテンツの内容については公開前に自社ガイドラインと照らし合わせた厳正なチェックを行っており、また、その運用状況を内部監査にて確認することで、著作権侵害やコンテンツの盗用等の事態を未然に防止するような体制を構築しております。しかしながら、当社の意図せざる事態によってメディアの一部コンテンツが第三者の権利侵害等を発生させていると認定された場合、当該第三者より使用差し止め請求や損害賠償請求、ロイヤリティの支払い要求等が発生する可能性があり、かかる場合において当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤広告掲載について

 当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」において掲載される広告については、当社独自の広告掲載基準による確認を実施し、景品表示法等の関連法令に違反する広告や公序良俗に反する広告の排除に努めています。しかしながら、人為的な過失等に起因して広告掲載内容に瑕疵が発生した場合や広告掲載が行われなくなった場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ⑥訴訟等について

 当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」におけるウェブサービスにおいて、サービス利用規約を定めてサービス利用者からの同意を得ることで利用者との間での紛争防止に努めています。また、当社の社内規程として、「コンプライアンス規程」及び「リスク管理規程」を定め、役職員に対して当該規程を遵守させるとともに、コンプライアンス違反の恐れのある事象については経営執行会議やコンプライアンス・リスク管理委員会等に報告する仕組みを構築・運用することで、法令違反や損害賠償等の発生リスクの低減に努めています。しかしながら、当社グループの提供するサービスに関連して顧客、取引先、及びその他第三者との間で予期せぬトラブルが生じた結果、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、訴訟対応費用の発生や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、本書提出日現在、重大な訴訟を提起されている事実はありません。

 

(5)事業運営体制に関するリスクについて

 

 ①特定人物への依存について

 当社の代表取締役CEO、当社子会社のSMAP ENERGY LIMITED CEO、その他関連会社1社にて主要役職を兼職している城口洋平は、当社グループの事業に深く関与しており、また、電力業界及びスマートメーターデータ解析に関する深い造詣を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っています。当社グループは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、エネルギー事業に関しての深い知見・経験と、上場企業として求められる水準の開示・内部管理体制構築における造詣を有している社外取締役が過半数を占める取締役会体制の構築や執行役員制度の導入等による組織体制の強化を図り、代表取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めています。しかしながら、同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②人材の確保・育成について

 当社グループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えています。このため、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、「ウィズコロナ宣言」を発表し、テレワークの恒久化、オフィススペースの縮小、テレワーク手当の支給等、コロナ禍においてもより優秀な人材を惹きつけることができるような取組みを積極的に実施しております。今後も優秀な人材の採用を積極的に推進し、当社グループの企業理念及び経営方針を理解した社員の確保・育成を行ってまいりますが、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③小規模組織であることについて

 当社グループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制は当社グループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部管理体制を充実・強化していく方針であります。しかしながら、同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④海外子会社について

 当社子会社のSMAP ENERGY LIMITEDは英国を本拠として、主にJapan Energy Capital 2 L.P.を通じで行う海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行う際の、投資対象先企業の発掘や調査業務等を実施しております。今後、現地における競争環境の激化等の要因により、同社の経営成績が悪化した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、SMAP ENERGY LIMITEDのガバナンス・内部統制に関しては、当社代表取締役CEOの城口洋平がSMAP ENERGY LIMITEDのCEOを兼務したうえで、原則として当社と同等の基準を適用し、その遵守状況を内部監査にて確認しております。しかしながら、現地において内部統制上の問題を抱えたり、法令に違反したりする可能性があります。かかる事態において問題の早期発見と是正措置の実施ができない場合、当社グループの信頼性や企業イメージの低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)その他のリスクについて

 

 ①減損会計の適用について

 当社グループでは、継続的に行う開発投資に係る人件費等の一部をソフトウエア資産として計上しております。今後、これらの資産を利用して提供するサービスの収益性が著しく低下した場合、当該資産について減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 また、過去に実施した株式取得や事業譲受によって生じたのれんは、当該株式取得や事業譲受による期待収益及び将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと想定しております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合等においては、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②EV充電事業における新規性について

 当社グループの「EV充電事業」は、2022年第1四半期から独立したセグメントとしての開示を開始しております。事業開始からの期間が短いEV充電事業に関して、補助金受領を含む新しい取引や事象が他セグメントと比較して多く発生する可能性が高いことが想定されます。様々な前提条件を事前に検証したうえで事業をおこなっておりますが、当初の想定と異なる事象が発生した場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③Japan Energy Capital 1 L.P.への出資について

 当社が出資するJapan Energy Capital 1 L.P.は、主として太陽光発電所に代表される再生可能エネルギー発電所への投資を海外にて行う、ケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドです。当該ファンドはキャピタルコール方式をとっており、当社の2022年12月末時点における出資額は8.9百万米ドル、回収額は3.7百万米ドルです。本ファンドにおいては、当社グループは電力データ解析技術を活用し、ファンドの投資先である発電所の運営効率化業務を積極的に果たしていくことが期待されており、当該業務を独占的に受託する業務委託先として、この種の枠組みでの事業を日本で運営する際に求められる必要な拠出額を出資コミットしております。そのため、その役割に応じて追加の出資コミットメントが要請される可能性があります。当社としましては、当該要請に対しては、取締役会において慎重な議論を経て適切に判断してまいります。また、かかる出資は、一定期間以上稼働実績のある太陽光発電所を中心とした既設再生可能エネルギー発電所を主な投資対象とし、米国ドルでの決済とする等、為替リスクを限定的とするストラクチャーを採用したうえで、想定されるリスク・リターンを精緻に分析した上で行われていますが、当該ファンドにおける投資実行の遅れ、日射量の低下に伴う売電収入の減少、自然災害・テロ等の発生による投資対象資産の損傷、地政学的リスクの高まり等による対象国における再生可能エネルギー発電事業への影響等により、当初想定されたリターンが得られず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④Japan Energy Capital 2 L.P.への出資について

 当社が出資するJapan Energy Capital 2 L.P.は、主として脱炭素社会の実現を目的とした海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行う、ケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドです。当該ファンドはキャピタルコール方式をとっており、当社の出資コミットは2022年12月末時点において最大5百万米ドル(既出資額は2.5百万米ドル)です。本ファンドにおいては、当社グループは投資先に対して当社の知見や実績を活用し、制度改革に合わせた日本市場参入支援や、ローカライズのサポートも同時に行うことが期待されており、当該業務を独占的に受託する業務委託先として、この種の枠組みでの事業を日本で運営する際に求められる必要な拠出額を出資コミットしております。そのため、その役割に応じて追加の出資コミットメントが要請される可能性があります。当社としましては、当該要請に対しては、取締役会において慎重な議論を経て適切に判断してまいります。また、かかる出資は、綿密なデューデリジェンスやシナジー検証を経た上で、想定されるリスク・リターンを精緻に分析した上で行われていますが、当該ファンドにおける投資実行の遅れや、投資先企業の将来的な不確定要素による業績悪化の影響等により、当初想定されたリターンが得られず、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、現状では財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えています。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針です。

 内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針です。

 将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社グループを取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、本書提出日現在において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。

 

 

 ⑥税務上の繰越欠損金について

 当社では、過年度に生じた税務上の繰越欠損金があるため、課税所得が減殺され納税負担額が軽減されております。繰越欠損金の繰越期間内に課税所得が生じなかった場合や、税制改正により繰越欠損金の使用が制限された場合においては、納税負担額を軽減できない可能性があります。繰越欠損金の使用が出来ず納税負担が軽減できない場合、通常の税率に基づく法人税等が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

 ⑦ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

 当社では、取締役、執行役員、従業員、子会社取締役、子会社従業員、外部協力者に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は3,238,692株であり、発行済株式総数30,119,144株と潜在株式数3,238,692株の合計の9.7%に相当しておりますが、その多くは経営陣及び主要従業員の長期にわたるコミットメントを目的としたものであり、権利行使期間に一定の制限が設けられています。具体的には、当社代表取締役CEOの城口洋平に対して付与された新株予約権は、2018年から段階的に権利行使可能となる条件のため、当社グループの長期にわたる価値向上に対してのコミットメントを担保するものです。また、植野泰幸に対して付与された新株予約権は、いわゆる時価発行新株予約権信託®であり、2018年から5年間にわたり、当社取締役(代表取締役CEOの城口洋平を除く)、執行役員、従業員、子会社取締役、子会社従業員、外部協力者に段階的に付与し権利行使可能となる条件です。時価発行新株予約権信託®の活用により、長期にわたるコミットメントの強化、並びに人材採用力の強化、現金での給与・賞与等の報酬水準を抑制する効果が見込まれるため、当社グループの業績においても重要な影響を持ちます。これらの新株予約権を除くと、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は80,736株であり、発行済株式総数30,119,144株と潜在株式数80,736株の合計の0.3%に相当します。本書提出日現在においては、更なる新株予約権の新規発行は予定しておりませんが、競争環境等の変化により今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

 ⑧大規模な自然災害等について

 当社グループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、世界的に流行した新型コロナウイルス感染症については、当社グループでは新型コロナウイルス感染症の流行以降、迅速にリモートワークを推奨しており、柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めており、当社グループのビジネスへの影響は軽微であると認識しております。しかしながら、同様の感染症の流行等により、度重なる緊急事態宣言の発令や外出自粛等により法人ユーザーの電力使用量が極端に低下し、当社グループ顧客の業績への影響が想定を超えて拡大したりした場合には、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨資金使途及び投資効果について

 2021年12月に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、エネルギープラットフォーム事業における、①プロモーション及びセールス・マーケティング体制強化の投資に係る資金、②当社グループの顧客基盤強化を企図した買収に係る資金、③自社サービス拡充に資する資金、エネルギーデータ事業における、④「脱炭素テックファンド」への出資や運営に係る資金、⑤EV充電事業及びエネルギーデータ事業の将来成長に資する資金、及び⑥エネルギープラットフォーム事業及びエネルギーデータ事業におけるエンジニア、セールス、サポート人員の採用費並びに人件費等に充当予定としておりましたが、2022年5月13日に①については充当時期を未定と変更しております。また、これら投資については厳密な費用対効果分析を経た上で実施する方針でおりますが、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。

 また、将来において、調達時点では予定していなかった更なる事業ポートフォリオの拡大により、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。なお、調達資金を上記以外の目的で使用する場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は4,527,076千円となり、前連結会計年度末に比べ1,549,406千円減少しました。これは主に現金及び預金の減少2,504,812千円、前渡金の増加423,427千円、未収入金の増加220,580千円によるものです。

 また、当連結会計年度末における固定資産は2,231,747千円となり、前連結会計年度末から1,358,872千円増加いたしました。これは主に、投資有価証券の増加827,470千円、のれんの増加333,264千円、差入保証金の増加161,985千円によるものです。

 この結果、総資産は、6,758,823千円となり、前連結会計年度末に比べ190,534千円減少いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,083,205千円となり、前連結会計年度末に比べ898,316千円増加いたしました。これは主に、短期借入金の増加665,000千円、未払金の増加207,559千円によるものです。

 また当連結会計年度末における固定負債は1,173,154千円となり、前連結会計年度末に比べ222,549千円増加いたしました。これは主に、長期借入金の増加186,837千円によるものです。

 この結果、負債合計は、3,256,360千円となり、前連結会計年度末に比べ1,120,865千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は3,502,462千円となり、前連結会計年度末に比べ1,311,400千円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失1,315,060千円が計上されたことによる減少であります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展や行動制限の緩和により、社会経済活動の正常化が進む中で、個人消費や企業収益に持ち直しの動きがみられました。景気の先行きについては、世界的な金融引き締め等が続く中で、資源価格や原材料価格の高騰、円安による物価の上昇により、依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、ロシア・ウクライナ情勢の悪化以降、卸電力市場価格が高水準に推移しており、電力会社の財務状況の悪化や、電力小売価格への一部転嫁によるユーザーの電気料金負担額の上昇等の影響が顕在化しております。

 長期的な観点でのエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、2022年はグリーントランスフォーメーション(GX)が進展した1年となりました。日本政府によるGX実行会議は2022年中に合計5回開催され、2022年12月22日の会合において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が掲示され、150兆円のGX投資を官民で実現していくため、日本政府としても20兆円規模の先行投資支援を実行する旨の意見表明がなされました。こうしたGXの動きの中心となる電力業界においては、2016年4月の電力の小売全面自由化以降、当社のベース市場である電力販売額は約13兆円(注1)となり、2050年にはさらに最大40%程拡大し、約18兆円規模となることが見込まれております(注2)。また同基本計画において、乗用車の新車販売における電気自動車(EV)を始めとした電動車比率を2035年までに100%とする目標が掲げられる(注3)など、EVの普及とそれに併せたEV充電インフラの需要が高まることが見込まれております。

 このような環境のもと、当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」において展開する「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)及び「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)の2サービスについて、自社チャネルで培った電力ガス切替プラットフォームのシステムを他社に提供するパートナー戦略の推進や、各種ユーザビリティの向上を目的とした新機能の開発に注力してまいりました。

 「エネルギーデータ事業」においては、主に電力ガス事業者向けにクラウド型で提供する、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing(注4)」及び家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR(注5)」等のサービスにつき、継続的な新規機能開発と営業強化に努めてまいりました。とりわけ、電力需給ひっ迫に伴う節電の社会的要請の高まりにより、電力需要家に節電量に応じたインセンティブを提供する、デマンドレスポンスサービスの営業促進に注力しました。

 「EV充電事業」においては、「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」の充電インフラ整備事業に対応したチャージ2の積極的な営業展開を実施、マンション向けのモデルであるチャージ3を発表しました。さらに、テレビCMなどの積極的な広告宣伝を開始するなど、EV充電分野における当社のシェア向上に向けた積極的な投資を開始しました。

 以上の結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高3,734,068千円(前期比23.7%増)、営業損失1,121,703千円(前期は営業利益40,875千円)、経常損失1,156,664千円(前期は経常損失2,400千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,315,060千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失85,586千円)となっております。

 なお、営業外収益で補助金受贈益194,593千円、また、営業外費用で固定資産圧縮損194,518千円を計上しております。これらはEV充電サービス事業における充電インフラ整備に係るものであります。
 

 セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、当連結会計年度より開示情報の充実化を企図して、報告セグメントの区分を変更しており、新たに「EV充電事業」セグメントの経営成績を追加しております。同セグメントの前年同期比較については、前期における実績値がないため記載しておりません。
 

(I)エネルギープラットフォーム事業

 「エネルギープラットフォーム事業」においては、家庭向け・法人向け共に切替件数が堅調に推移した結果、継続報酬対象ユーザー数は前連結会計年度比19.1%増の461,553件となりました。一方で、切替時に提携企業から受領する一時報酬単価の下落の影響により、当連結会計年度のARPU(注6)は前連結会計年度比33.6%減の1,057円となりました。以上の結果、セグメント売上高は2,575,297千円(前期比16.2%増)、セグメント利益は226,567千円(前期比29.1%減)となりました。
 

(II)エネルギーデータ事業

 「エネルギーデータ事業」においては、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」、家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR」等の既存顧客への継続的なサービス提供や新規顧客への導入を進め、2022年10月にアユダンテ株式会社から譲り受けたEV充電情報サービスの承継により、顧客数は前連結会計年度比16.0%増の58社となりました。他方、既存顧客へのクロスセルと低単価プロダクトの導入の進捗により当連結会計年度のARPUは前連結会計年度比2.3%減の4,103千円となりました。以上の結果、セグメント売上高は969,395千円(前期比20.8%増)、セグメント利益は163,766千円(前期比9.5%減)となりました。
 
(III)EV充電事業

 「EV充電事業」においては、事業の立ち上げと推進のために、エンジニア・セールス人員を中心とした採用の拡大による組織体制の構築や、テレビCM等の積極的なマーケティングの実施等先行投資を進めた結果、受注件数は事業開始以来の累計で2,475台となりました。また、マンション充電に対応したチャージ3の発表や、パートナー連携を拡大するなど、更なる事業拡大を見据えた施策に取り組んでまいりました。以上の結果、セグメント売上高は189,375千円、セグメント損失は784,491千円となりました。
 

 

(注)1.電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」の電力販売額より算出。

   2.経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(2021年6月18日)より

 3.経済産業省「第6次エネルギー基本計画」(2021年10月22日)、電動車は電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)を含む。

 4.EMAPより名称変更。

 5.SMAP DRより名称変更。

 6.Average Revenue Per Userの略称であり、1ユーザー当たりの平均収益を意味する。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,067,058千円(前連結会計年度末5,571,870千円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は1,910,932千円(前期は481,692千円の収入)となりました。支出の主な要因は、税金等調整前当期純損失1,229,182千円、前渡金の増加による支出423,427千円、補助金受贈益194,593千円、等の資金の減少、固定資産圧縮損194,518千円、未払金の増加による収入202,066千円等の資金の増加であります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は1,546,692千円(前期は552,946千円の支出)となりました。支出の主な要因は、投資有価証券の取得による支出814,829千円、事業譲受による支出300,000千円、有形固定資産の取得による支出277,558千円等の資金の減少であります。
 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は958,454千円(前期は4,302,971千円の収入)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の純増減額665,000千円、長期借入れによる収入340,000千円等の資金の増加であります。
 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

エネルギープラットフォーム事業

エネルギーデータ事業

EV充電事業

207,939

合計

207,939

 

c.受注実績

 当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

エネルギープラットフォーム事業

2,575,297

116.2

エネルギーデータ事業

969,395

120.8

EV充電事業

189,375

合計

3,734,068

123.7

 (注)1.なお、最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ミツウロコグリーンエネルギー株式会社

381,855

12.7

188,748

5.1

株式会社エルピオ

584,223

19.4

141,945

3.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えています。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮したうえで行っていますが、結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。

 

② 財政状態及び経営成績等に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態の分析

 「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

 b.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度において、売上高は3,734,068千円(前連結会計年度は3,018,003千円)となりました。主な要因は、エネルギープラットフォーム事業においては、家庭・法人共に切替件数が堅調に推移し、ユーザー数が前連結会計年度比19.1%増の461,553件となりました。一方で、切替時に提携企業から受領する一時報酬単価の下落の影響によりARPUが前連結会計年度比2.4%減の5,580円となったことによります。エネルギーデータ事業においては、既存顧客への継続的なサービス提供や新規顧客への導入を進め、2022年10月にアユダンテ株式会社から譲り受けたEV充電情報サービスの承継により、顧客数は前連結会計年度比16.0%増の58社となり、既存顧客へのクロスセル等によりARPUが前連結会計年度比4.1%増の16,713千円となったことによります。EV充電事業においては、当連結会計年度よりセグメント開示を開始し、「EV充電エネチェンジ」の販売促進に取り組んだ結果、累計2,475台の受注を実現、一部で設置工事が完了したことで、ハードウェアの販売売上が計上されたことによります。エネルギープラットフォーム事業におけるユーザー数及びARPU、エネルギーデータ事業における顧客数及びARPU、EV充電事業における受注台数の推移については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。


(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度において、売上原価は798,344千円(前連結会計年度は435,922千円)となりました。事業拡大に伴う開発人員の人件費計上の増加によるものです。
 この結果、売上総利益は2,935,723千円(前連結会計年度は2,582,080千円)となりました。当連結会計年度においては、売上高の増加に比して売上原価が増加しており、前連結会計年度より売上総利益率が悪化しております。
 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

 当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は4,057,427千円(前連結会計年度は2,541,205千円)となりました。主な要因は、事業拡大に伴う人件費、業務委託費等の増加、EV充電事業の普及のための広告宣伝費の増加等によるものです。
 この結果、営業損失は1,121,703千円(前連結会計年度は営業利益40,875千円)となりました。


(経常損失)

 当連結会計年度において、営業外収益が220,485千円(前連結会計年度は28,271千円)、営業外費用が255,445千円(前連結会計年度は71,547千円)となりました。営業外収益増加の主な要因は、補助金受贈益194,593千円によるものです。営業外費用増加の主な要因は、固定資産圧縮損194,518千円によるものです。

 この結果、経常損失は1,156,664千円(前連結会計年度は経常損失2,400千円)となりました。

 

(税金等調整前当期純損失)

 当連結会計年度において、特別利益が3,701千円(前連結会計年度は-千円)、特別損失が76,219千円(前連結会計年度は-千円)となりました。特別利益の主な要因は、持分変動利益3,208千円によるものです。特別損失の主な要因は、連結子会社のSMAP ENERGY LIMITEDで発生した減損損失63,403千円によるものです。

 この結果、税金等調整前当期純損失1,229,182千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失2,400千円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損失)

 当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税が76,891千円(前連結会計年度は83,014千円)となりました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失が1,315,060千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失が85,586千円)となりました。

 

 c.キャッシュ・フローの分析

 「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであり、当該リスクが顕在化した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。そのため、当社グループは、市場動向等を注視し、組織体制の整備、リスク管理体制の強化、成長事業領域への継続投資等を行い、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減する対応を適切に行っていきます。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものには、エネルギープラットフォーム事業における人件費及び広告宣伝費、及びエネルギーデータ事業におけるソフトウエア制作に係る人件費及び外注費、並びにEV充電事業における人件費及び広告宣伝費のほか、管理部門における人件費等があります。
 当社グループでの資金需要は、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としており、資金需要の金額や資金使途に応じて柔軟に検討を行う予定です。
 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,067,058千円となっています。当社グループは当連結会計年度末において複数の取引銀行との当座貸越契約を締結しており、資金調達手段を確保することにより、変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。

 

⑤ 経営者の問題認識及び今後の方針について

 当社グループが認識する課題等について、経営者は「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。これらの課題に対し、経営者は市場ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手、分析を行い、現在及び将来の事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を適切に配分し、対応策を実施していく方針です。

 

⑥ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。