第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針
  当社は、コンデンサ及び回路保護素子を製造・販売する電子部品メーカーとして、「企業の存在を許容するのは、お客様である」ことを原点に、世界中のお客様の信頼を得ることができる価値ある技術商品の開発・製造・販売を事業活動の軸とする「技術立社」であり続けることを経営の基本理念としています。
  この基本理念に基づき世界のエレクトロニクス業界の小型・高性能・高信頼性の市場ニーズに適応した質の高い物作りに取り組み、社会の信頼と期待に応えることを経営の基本方針として事業活動を行ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標
  当社は、現段階において、売上高及び営業利益の増加を重要課題として取り組み、目標とする経営指標を設定しておりません。
 なお、当社が取り組むべき経営課題については、「(3)中長期的な会社の経営戦略及び(4)経営環境及び対処すべき課題」をご覧ください。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略
  当社は、2021年1月に中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期まで)を策定いたしました。本中期経営計画においては、継続的な新製品開発・生産・販売による再成長を目標とし、同時に、借入金の返済及び東京証券取引所における上場維持の安定化のためにも、持続可能な収益構造を確立し、業績を向上させることを課題としており、概要は次のとおりです。

① 中期経営計画の基本方針

 ・ 販売拡大による売上高の増加を優先課題とし、国内及び海外販売のそれぞれの目標を達成する。

 ・ 回路保護素子は増産体制の整備と新製品の投入により売上高の増加、利益額の増加を図る。

 ・ チップタンタルコンデンサは生産数を維持し、利益額を確保する。

 ・ リード付きタンタルコンデンサ及びフィルムコンデンサは、利益を確保し、製品供給を継続する。

 ・ 借入金の返済が可能な利益を確保する。

 ・ 人的資源の有効活用及び健康経営の継続により働き方改革を推進する。

 ・ 独占禁止法及び競争法に関わる件については、早期解決及び再発防止のためコンプライアンス管理体制

   の維持と一層の充実を図る。

② 中期経営計画の数値目標

  2022年3月期以降の営業利益目標を2億円以上とし、未定の独占禁止法等関連損失を除き、当期純利益の計上

 及び営業キャッシュ・フローをプラスとすることを目標とします。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

     次期2024年3月期は2021年1月に策定しました中期経営計画の最終年度となります。本中期経営計画においては、継続的な新製品開発・生産・販売による再成長を目標とし、持続可能な収益構造を確立し、業績を向上させることを課題としております。この課題に対応するため下記の施策に取り組んでまいります。

① 売上高に占める新製品比率の向上を図る。

② 生産効率を改善し原価低減を図る。

③ 製品セグメント別に棚卸資産管理を行う。

④ 回路保護素子のラインアップ拡充と増産を行う。

⑤ 導電性高分子タンタルコンデンサの超低ESR品の量産化を図る。

 なお、当社は、コンデンサ製品の取引に関して海外における民事訴訟の提起を受けていますが、引き続きこれに適切に対応する所存です。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

  (1) ガバナンス

当社では、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有する、下記の体制を構築しています。

   代表取締役社長が、年度単位で取締役及び執行役員の中から各分野の責任者として、コンプライアンス管理担当役員、リスク管理担当役員及び環境管理責任者をそれぞれ任命します。

   各責任者は、各管理体制を構築する責任と権限を有し、各責任者の指示に基づき執行役員である各部門長は自己の分掌範囲において各管理体制を整備する責任があります。

   各責任者は、中期経営計画及び年度経営計画立案時に計画を立案し戦略、指標及び目標を明確にします。

   各責任者は、役員により構成される月1回の取締役会及び経営会議において会社に影響を及ぼす重要事項の審議及び部門ごとの目標と実績の進捗管理を実施します。

   コンプライアンス管理担当役員及びリスク管理担当役員は、必要に応じてコンプライアンス・リスク管理推進会議を開催します。

   当社としましては、環境問題への課題が特に重要と認識し、環境管理責任者は、別途月1回の環境会議を開催し環境目的・環境目標の達成を推進します。当社の環境マネジメントシステムの推進体制は下図のとおりです。

 


 

  (2) 戦略

 当社における、人材の採用及び維持並びに従業員の安全及び健康に関する取組みは、以下のとおりであります。

 当社は、取締役会において、経済産業省ホームページ掲載の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書~人材版伊藤レポート~」に基づき人材戦略策定について議論し、当社が必要とする人材要件を明確にして、採用及び教育の両面から人的資本強化に努めております。

 従業員の安全及び健康に関する取組みは、以下のとおりであります。

①従業員の安全に関する取組み

 当社は、安全衛生業務を総括管理するため全社総括安全衛生管理者をおき、労働災害の発生ゼロ件を目標に、月1回開催される安全衛生委員会の中で方針を決定し管理・運用しております。具体的には、災害事例の周知やその対策、パトロールの指摘事項と改善内容の確認、ヒヤリハットの報告および長時間労働対策などに取り組んでおります。

 

②従業員の健康に関する方針

 当社は、下記の健康宣言を行い、2019年から5年連続で経済産業省所轄の健康経営優良法人(中小規模法人部門)に認定されております。

・定期健診受診率100%を達成し維持する。

・インフルエンザ予防接種向上に取組みます。

・喫煙者の減少に取組みます。

・管理者向けの人間ドックの受診率向上に取組みます。

・運動機会の増進に取組みます。

 経営資源の一つである人的資源の有効活用の観点から、従業員の健康保持・増進は必要不可欠であり、今後も従業員の健康保持・増進のため健康経営を推進・継続します。

 

  (3) リスク管理

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」 (1) ガバナンスに記載のとおりです。

 

  (4) 指標及び目標

当社の当事業年度における環境戦略目標を下記のとおり設定し、すべて環境目標を達成することができました。

(環境戦略目標)

環境管理態勢の強化及び質的向上を図り、以下の環境目的・環境目標を実現する。

■環境目的1:排出物量を2023年度末までに2010年度比23%削減する。

■環境目標1:排出物量は2022年度末までに2010年度比20%削減する。

 

■環境目的2:廃棄物削減によるゼロエミッションを維持する。

■環境目標2:リサイクル率は、98%以上を維持する。

 

■環境目的3:原油換算エネルギー(電気+ガス+灯油)の総消費量を、2023年度に2010年度比29%削減する。

■環境目標3:原油換算エネルギー全社計を2022年度に2010年度比で28%削減する。

 

■環境目的4:有害化学物質の管理態勢の強化

■環境目標4:有害化学物質の規制、市場からの要求に完全対応する。

 

■環境目的5:法規制、自主設定基準の遵守体制の強化

■環境目標5:環境不適合発生件数は、”0”件を目標とする。

 

■環境目的6:エネルギー原単位を5年平均で1%以上改善する。

■環境目標6:エネルギー原単位を2017年度実績(見込)に対し、年1%以上の改善を目標とする。

 

また、人材の採用及び維持につきましては、取締役会において人材戦略策定について議論し、主に開発及び営業の人材採用及び教育に関する目標を設定し実施しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。

 

(1) 市場環境の変化について

当社は、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に製品を供給しています。したがって、これらの国・地域の経済状況の変化や、対象市場での当社製品に対する需要の変化により当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の安定調達について

当社製品のタンタルコンデンサの主要原材料であるタンタル粉末は「希少金属」であり、その生産は世界的な寡占企業に掌握されています。そのため、その市場価格は当該寡占企業の意向を強く反映したものとなり、下方硬直性を有しています。このことは、他の種類のコンデンサとの価格競争上不利であり、当社損益に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、その他の原材料についても仕入先の事情による原材料の供給停止や仕入価格の上昇が発生した場合、当社の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 在庫リスクについて

当社は、ユーザーの仕様に合わせた製品の受注生産を行っていますが、ユーザーの生産計画等の変更により、見込生産した製品が不動在庫化する可能性があります。また、当社が属する電子部品業界では、激しい価格競争が行われており、製造原価より正味売却価額が低下する可能性もあります。
  これら収益性の低下した棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」が適用されるため、収益性低下に見合う簿価切り下げ額は売上原価に算入することとなり、生産管理、販売政策の如何によっては、営業損益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) カーエレクトロニクス分野への依存及び主要な販売先について

当社の売上高は、カーエレクトロニクス向けが約39%を占めており、その中でもデンソーグループに対する売上高は、当社の売上高の約31%を占めています。従って、同社の経営戦略の如何によって当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 新製品及び新技術の企業化について

近年急速に、電子機器が小型化・薄型化し、また取扱い周波数の高周波化及び機器の安全化重視が進んでいます。当社としましては、このような技術的要求に適合する高品質・低コストの製品を他社に先がけて開発・販売することが、安定した収益を確保するための最重要課題と認識しています。しかしながら、人的要因、資金的要因等から製品開発計画が意図したように進展しない可能性もあり、また当初目標とした製品を開発できたとしても、技術革新が早く、当該製品の陳腐化が進行する可能性が否定できません。そのような場合、将来の成長と収益性が低下し、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 環境規制への対応について

昨今環境問題は、企業の社会的責任の一つとして重要視されています。国内外の法令等で規制の強化が始まっており、それに対応して当社は環境に関する国際規格の取得や、ハロゲンフリーなどの製品対応を進めていますが、当社製品がこれら規制に対応できなければ、当社の販売活動が制限されることになり、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 自然災害等による影響について

当社は、台風・地震などの自然災害や突発的事象に対して事業継続計画(BCP)を策定し、予防活動・対応態勢の構築を行っていますが、生産設備における悪影響を完全に排除できるものではありません。生産設備の停止などお客様に製品を供給できない事態となった場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 新型コロナウイルス感染症等について

新型コロナウイルス感染症の拡大により、供給元、納入先、当社の工場等のサプライチェーンに影響が生じた場合や、当社の従業員に影響が生じた場合にも、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の欠陥について

当社は、品質第一をモットーに世界的に認められている品質管理基準に従って製品を製造していますが、将来にわたって製品に欠陥が生じないという保証はありません。製品の欠陥により多額な損失が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 公的規制について

当社は、国内及び海外において、商取引、独占禁止法、知的財産権、製造物責任、環境、労務等の法規制及び公的規制の適用を受けて事業を行っています。これらの公的規制に違反した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起等のリスクや企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜等のリスクがあります。

当社は、代表取締役社長がコンプライアンス管理担当役員を指名し、役員及び従業員が共有する「倫理基準」及び「独占禁止法・競争法遵守方針」を制定して、当社における行動指針の遵守及び法令違反等の問題発生を予防するとともに、法令遵守の実効性を担保するため、内部監査部門におけるモニタリングの実施並びにコンプライアンス上の問題を報告する通報窓口を社内及び社外に設置しています。

しかし、世界的に事業を展開する中で、結果的に当社が公的規制に抵触することになる場合には、当社の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) その他

上記に掲げたリスク要因は、当社の事業活動等にかかる全てのリスクを網羅するものではありません。これら以外にもリスクが発生する恐れがあり、それにより当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

 (1) 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度のエレクトロニクス業界の状況は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され経済活動の正常化が進んでおりますが、一方でロシアによるウクライナ侵攻をめぐる国際情勢不安の長期化、急激な為替変動、原材料価格やエネルギー価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

  このような環境のもとで、当社は、「成長への転換」をテーマとした中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期まで)の2年目を迎えました。

 当社の売上高につきましては、前年同期に比べてタンタルコンデンサは微減となり、回路保護素子は微増となり、合計で微減となりました。その主な要因は、タンタルコンデンサは、産業用電子機器向けのリード付きタンタルコンデンサの需要の減少によるものであり、回路保護素子は、リチウムイオン電池向けの高電流ヒューズの需要が減少したものの、カーエレクトロニクス向けの需要が増加したことによるものです。

 その結果、当事業年度の当社の業績は、売上高は4,649百万円(前年同期比1.3%減少)となり、損益につきましては、原材料価格の高騰等に対して生産効率の改善に努めましたものの、光熱費及び研究開発費の増加により営業利益546百万円(前年同期比14.8%減少)、経常利益528百万円(前年同期比7.0%減少)となりました。なお、当期純利益は独占禁止法等関連損失の計上額が減少したことにより306百万円(前年同期比530百万円改善)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりです。

①タンタルコンデンサ事業

タンタルコンデンサ事業につきましては、産業用電子機器向けのリード付きタンタルコンデンサの需要が減少しました。この結果、タンタルコンデンサ事業の売上高は、3,333百万円(前年同期比2.3%減少)、セグメント利益は、478百万円(前年同期比19.7%減少)となりました。なお、総売上高に占める比率は71.7%(前年同期比0.7ポイント低下)となりました。

②回路保護素子事業

回路保護素子事業につきましては、リチウムイオン電池向けの高電流ヒューズの需要の減少があったものの、カーエレクトロニクス向けの需要が増加しました。この結果、回路保護素子事業の売上高は、1,108百万円(前年同期比0.1%増加)、セグメント利益は、426百万円(前年同期比0.4%減少)となりました。なお、総売上高に占める比率は23.8%(前年同期比0.3ポイント上昇)となりました。

③その他

その他の売上高は、207百万円(前年同期比8.2%増加)、セグメント利益は、26百万円(前年同期比14.8%増加)となりました。なお、総売上高に占める比率は4.5%(前年同期比0.4ポイント上昇)となりました。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、218百万円増加し、1,337百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額の増加等により、244百万円の収入(前事業年度末比45百万円減少)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による有形固定資産の取得による支出の増加等により、268百万円の支出(前事業年度末比71百万円減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の株式の発行による収入がなくなったこと等により、242百万円の収入(前事業年度末比194百万円減少)となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

タンタルコンデンサ事業

3,225,458

△8.3

回路保護素子事業

1,040,743

△8.7

その他

189,461

△5.2

合計

4,455,663

△8.3

 

(注) 金額は、販売価格によっています。

 

(2) 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

タンタルコンデンサ事業

3,139,785

△15.1

867,686

△18.2

回路保護素子事業

1,029,589

2.3

131,812

△37.4

その他

194,951

△14.9

80,739

△13.9

合計

4,364,326

△11.5

1,080,238

△20.9

 

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

タンタルコンデンサ事業

3,333,161

△2.3

回路保護素子事業

1,108,379

0.1

その他

207,950

8.2

合計

4,649,491

△1.3

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱デンソー(グループ会社含む)

1,204,828

25.6

1,434,472

30.9

釜屋電機㈱

1,023,460

21.7

846,689

18.2

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態に関する分析

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ496百万円(7.7%)増加し、6,923百万円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べて254百万円(5.6%)増加し4,773百万円、固定資産は、前事業年度末に比べて241百万円(12.7%)増加し2,149百万円となりました。

流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加等によるものです。

固定資産増加の主な要因は、有形固定資産の増加等によるものです。

当事業年度末の負債の合計は、前事業年度末に比べて190百万円(4.3%)増加し、4,643百万円となりました。

流動負債は前事業年度末に比べて69百万円(2.6%)増加し2,780百万円、固定負債は前事業年度末に比べて121百万円(7.0%)増加し1,862百万円となりました。

流動負債増加の主な要因は、設備関係支払手形の増加等によるものです。

固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加等によるものです。

 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて306百万円(15.5%)増加し、2,280百万円となりました。これは、繰越利益剰余金の増加等によるものです。

 

(2) 経営成績に関する分析

① 売上高

当事業年度において、売上高につきましては、前事業年度比59百万円(1.3%)減少し、4,649百万円となりました。

タンタルコンデンサ事業につきましては、産業用電子機器向けのリード付きタンタルコンデンサの需要が減少しました。この結果、タンタルコンデンサ事業の売上高は、3,333百万円(前年同期比2.3%減少)、セグメント利益は、478百万円(前年同期比19.7%減少)となりました。回路保護素子事業につきましては、リチウムイオン電池向けの高電流ヒューズの需要の減少があったものの、カーエレクトロニクス向けの需要が増加しました。この結果、回路保護素子事業の売上高は、1,108百万円(前年同期比0.1%増加)、セグメント利益は、426百万円(前年同期比0.4%減少)となりました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費、及び営業損益

売上原価につきましては、前事業年度比37百万円(1.2%)減少し、売上原価率は68.3%となり、前事業年度比0.1ポイント悪化しました。販売費及び一般管理費につきましては、前事業年度比73百万円(8.6%)増加し、927百万円となりました。

上記の結果、営業利益につきましては、前事業年度比95百万円(14.8%)減少して、546百万円となりました。

 

③ 経常損益

営業外収益・費用の純額は支払利息の計上等により18百万円の費用となり、経常利益は前事業年度比39百万円(7.0%)減少して、528百万円となりました。

 

④ 税引前当期純損益

特別利益・損失の純額は独占禁止法等関連損失の計上等により297百万円の損失となり、税引前当期純損益は前事業年度比487百万円改善して230百万円の利益となりました

 

⑤ 当期純損益

当期純損益につきましては、前事業年度比530百万円改善して306百万円の利益となりました。なお、1株当たり当期純損益は、前事業年度の83円73銭の損失から95円60銭の利益となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額の増加等により、244百万円の収入(前事業年度末比45百万円減少)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による有形固定資産の取得による支出の増加等により、268百万円の支出(前事業年度末比71百万円減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の株式の発行による収入がなくなったこと等により、242百万円の収入(前事業年度末比194百万円減少)となりました。

これらの結果、当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、218百万円増加し、1,337百万円となりました。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。

当社は、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としています。

当該資金の原資は、自己資金及び金融機関からの借入等により行っています。

 

(4) 重要な会計の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

この財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりです。特に、固定資産の減損損失の計上及び退職給付に係る負債の計上等に関しては経営者が行う重要な判断と見積りにより大きな影響を受けるものと考えています。

また、継続企業の前提に関する評価に関しましても経営者が行う重要な判断と見積りにより大きな影響を受けるものと考えています。

当社は、過去の実績及び現在の状況に照らして、合理的と考える見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」を参照下さい。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

近年、電子機器の小型軽量化・薄型化及び高周波化がますます進み、電子部品の更なる小型化、大容量化、高性能化のニーズが高まってきています。

また、機能安全への取組みが求められていることから、回路保護に対するニーズが高まってきています。

当社は、これら市場のニーズに敏速に対応するために先行した技術開発を行い、新製品の開発、現有製品の改良活動に取り組んでいます。また製品の鉛フリー、国際的な化学物質規制への対応など有害化学物質の管理態勢を強化し、有害化学物質の規制、市場からの要求に対応し、環境問題に対しても積極的な取り組みを行っています。

当事業年度に支出した研究開発費の総額は151百万円で、セグメント別の主な研究開発活動は以下のとおりです。

 

タンタルコンデンサ事業

・導電性高分子タンタルコンデンサ超低ESR品の開発に支出した研究開発費の金額は113百万円です。

 

回路保護素子事業

リチウム電池向けの安全部品である表面実装型中電流領域用ヒューズの製品開発に支出した研究開発費の金額は37百万円です。

 

その他

該当事項はありません。