第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営理念と企業ミッション

当社グループは、経営理念に「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」と掲げ、日々の事業活動を行っています。「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」という企業ミッションのもと、半導体技術、回路技術、実装技術をあわせ持つ製造企業として、これらの技術を融合し、発展・応用させていくことで、脱炭素社会実現の一翼を担う製品を創造してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

昨今、市場のニーズや価値観が多様化する一方、地球温暖化など気候変動や、資源枯渇といった地球規模で進行しつつある社会的課題は、市場経済にも影響を及ぼし始めています。このような状況下、当社が果たすべき役割を土台に、企業として“ありたい姿”を定めた長期的な経営ビジョンを策定し、それらに紐づく施策を中期経営計画や年次経営計画と連動させることで、中長期にわたる持続的な成長サイクルを確立してまいります。

 

<長期ビジョン2030>

当社グループは、時代に適合した製品ポートフォリオを構築し、社会的課題の解決に貢献することが、持続可能性(サステナビリティ)が要求される現代において企業価値の向上に資するものと考えております。

これらを踏まえ、以下の通り2030年度を見据えた長期ビジョンを策定いたしました。

 

<長期ビジョン2030 ありたい姿>

革新的な技術によって地球環境に配慮した先進的なソリューションを生み出して持続可能な社会に貢献し、あらゆるステークホルダーから必要とされ続けるパワーエレクトロニクスカンパニー

 

長期的な観点で、「脱炭素社会のキーパーツとなるパワーデバイス」「ヒトと環境の未来を託されるモビリティソリューション」「全事業のコア技術を融合した環境ソリューション」を創出し、環境貢献をより重視した製品ポートフォリオを継続的に整備してまいります。あわせて、持続的成長の前提となる安定的な経営基盤を構築するために資本効率を重視し、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の最適配分を進めてまいります。

 

<第16次中期経営計画>

2022年度から2024年度までの3ヶ年を期間とする「第16次中期経営計画」では、経営方針として「長期ビジョンの実現に向けた基盤づくり」と定め、主要テーマを「稼ぐ体質づくり」「伸長事業拡大の布石」「温室効果ガス排出量削減分野へのリソース配分」とすることで、「長期ビジョン2030」で掲げるありたい姿に向け、事業の成長とサステナビリティを統合した製品ポートフォリオへの転換を促進してまいります。

経営方針の実現に向けて、各施策の遂行にあたっては、デジタルトランスフォーメーション(DX)を広く活用してまいります。

 

<2024年度の経営目標(連結)>

・売上高 1,180億円

・営業利益率 6.6%

・ROE 8.3%

・ROA 3.5%

 

・設備投資額(3ヶ年累計) 220億円

・研究開発費(3ヶ年累計) 180億円

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特注品および特定市場への依存

当社グループの営業収入の過半は、特定顧客企業による特注品によって占められており、顧客企業の需要変動により、当社グループの業績が重要な影響を受ける場合があります。

また、当社グループでは、二輪車を含む自動車市場への依存度が高く、一般的に国内外の景気動向に対し、強い影響を受け、収益性の低下を引き起こすリスクがあります。

このような事態を回避するため、当社グループは、重点市場と位置付ける二輪車を含む自動車市場のほか、産業機器市場、家電市場、通信インフラや情報機器を中心とする情報通信市場向け等、パワーエレクトロニクスを必要とするあらゆる市場に対し製品を提供することで、リスクの分散化を図っております。

(2)特定のグループ外供給元への依存

当社グループは、電源回路製品の基幹部品である半導体を内製化している一方で、ほかの主要部品および半導体の原材料については、複数のグループ外企業の供給に依存しております。したがって、一般的な経済動向およびサプライヤー個別の事由により、需給の急激な変動や価格の高騰が起きた場合には、必要な部材の入手に支障を来し、当社グループが顧客企業に対し供給責任を果たせない、あるいは部材価格高騰による原価の上昇など、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、各サプライヤーとの定期的な情報共有や、複数購買の促進により、供給リスクの低減を図っております。

(3)国際的活動および海外進出

当社グループは、日本国内のみならずアジア、北米、欧州の各地域で生産又は販売活動を行なっており、また、様々な販売チャネルを通じ、他の地域にも製品を販売しております。近年、当社グループの海外生産および販売の比重は高まってきております。したがって、当該地域における、予測できない法規制などの改正、政治および経済状況の変動、労働争議や雇用条件の急激な変化、天変地異や火災、戦争やテロ、疫病の流行といった社会情勢の変動などにより、当社グループのサプライチェーンに支障が生じ事業活動が制限される場合があり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、サプライチェーン寸断リスクに備えた体制を強化したほか、定期的に当社グループ間で情報共有を行うとともに、生産面においては複数拠点において代替生産を可能とする体制の構築を進めております。

(4)為替レートの変動

当社グループは、円貨のみならず米ドル、ユーロ、アジア通貨等で販売および調達活動を行っております。また海外の生産および販売拠点は、原則としてその拠点の属する国または地域の通貨によって財務諸表を作成しており、連結財務諸表作成にあたっては、在外関係会社の財務諸表を円換算しております。したがって、為替レートの変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与えており、一般的には、円高の場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安の場合は好影響を及ぼします。

当社グループでは、為替予約および通貨オプションなどの取引を行なうほか、進出先での資材調達の促進など為替レートの変動による影響を最小限にとどめる努力をしております。

(5)需要変動

当社グループの顧客企業のうち、一部の市場においては、需要動向に固有の変動要因があります。また、産業構造の変化や顧客企業および当社グループの競争環境の変化などが、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすことがあります。

また、近年顧客企業の短納期要請が高まっており、供給リスクを避ける主旨などから一部の材料については先行手配をせざるを得ず、当社グループが独自の判断で調達した棚卸資産については、その後の顧客の需要変動により、当社の責任において処分する場合があり、利益率の低下を引き起こす可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループではリードタイムの短縮につとめるほか、市場動向の変化に迅速に対応するため、関連部門が定期的な情報共有を行っております。

(6)価格競争

当社グループが属する電子部品業界における競争は大変厳しいものとなっており、価格に対しては、顧客企業による値下げ要請、競合他社の攻勢などにより、価格下落の圧力は日々強くなっております。特に、当社グループ主力のデバイス事業や電装事業においては、競合他社の参入により国内外での競争が一段と激化しております。一方、材料費や運送費などコストの上昇により収益性を低下させるリスクもあります。そのため、将来的に価格競争力を維持できない可能性があり、その場合、当社グループは販売シェアが低下し、業績及び財政状態を悪化させる可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループは、差別化しうる新製品の開発を進めるとともに、サプライヤーと一体となったコストダウン活動や生産性の向上に努めております。

(7)技術特許などの知的財産権

当社グループは、独自の半導体技術および回路技術をもとに各種製品を製造・販売しておりますが、特定の国または地域においては知的財産権による完全な保護が不可能な状況にあります。したがって、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。

また、当社グループの使用する技術が、他社の保有する特許その他の技術的権利に全く抵触しないという保証はなく、その場合、当社の業績および財政状態を悪化させる可能性があります。

そのため当社グループは、他社が保有または主張する特許などについては、開発段階において徹底した調査を行い、必要に応じて他社とライセンス契約を結ぶなど、回避に努めております。

(8)製品の欠陥

当社グループは、各生産拠点においてISOやTSといった世界的に認められた品質管理基準に基づき、各製品の製造を行なっておりますが、全ての製品について全く欠陥がなく、将来にわたりリコールや顧客企業からのクレームなどの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような重大な製品の欠陥が発生した場合、顧客企業への補償や対策費用などの費用発生に加え、市場における信用の低下などにより、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

このような事態を回避するため、各事業本部では設計上流工程から品質を意識した開発や、顧客の使用方法を再現した製品評価等を実施しています。くわえて事業部門を横断して品質の定期的な連絡会を実施することで、気づきの水平展開に努めております。

(9)新製品開発力

当社グループは顧客企業または市場のニーズに合わせた製品および要素技術の開発を常に行っており、また当社グループの将来的な成長力の鍵は、こうした研究開発活動の成否にかかっていると考えております。しかしながら、エレクトロニクス業界のニーズは多様化しており、また技術や製品のサイクルも短くなってきております。くわえて、とりわけ自動車市場においては電動化、自動運転などの導入により、高度で複雑な技術が必要となってきております。当社グループが顧客企業または市場のニーズに合わせた製品をタイムリーに提供できない場合、または競合他社に先んじられた場合には、当社グループは新製品の販売機会を失うか制限され、それまでの研究開発投資の回収が困難になる可能性があります。

また、近年エレクトロニクス業界でも顕著になってきている標準化競争の如何や、当社グループおよび顧客企業が基盤とする技術が主流となり得なかった場合には、当社グループが事業機会を失う場合もあります。これらのことが、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループでは産学連携など外部の知見の活用により、開発スピードの強化や、事業領域の拡大に向けた取組みを進めております。

(10)人材の確保と育成

当社グループの競争力の源泉は、技術開発力、生産性、品質、営業力および効率的な経営ノウハウなどであり、これらを維持し、また継続的に発展させる人材の確保と育成は、当社グループの将来性を決定づける重要な要素のひとつでありますが、できなかった場合には、当社グループの将来の成長、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、係る人材、特にソフトウエアなど高度なスキルを持つエンジニアや特定の有資格者について、企業買収や国籍を問わない幅広い採用など、その確保および育成に注力をしております。

(11)設備投資

当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、将来の需要動向によりその額は変化します。設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しない場合も想定され、その場合、業績、財政状態およびキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす場合があります。

当社グループは、電装事業においては、二輪市場が広がるアセアンを中心に生産拠点を置くなど、コスト競争力と効率的な生産活動を追求しております。生産拠点間での代替生産を行う体制整備や在庫の一定水準の保有など、供給責任を果たすべく措置を取るほか、当該生産拠点においては、日常の安全管理および危機管理のための対策を取っております。

(12)公的規制等

当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。当社グループは事業活動を行うにあたり、これらの規制に細心の注意を払っておりますが、規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、さらにペナルティを課せられるなど発生費用の増加を伴い、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

これらの事態を回避するため、当社グループは規制に対する対策を積極的に進めており、全社組織を形成したうえで周知徹底を図っております。

また、当社グループおよび当社グループの顧客企業が事業を行うにあたり、EU(欧州連合)によるRoHS指令(有害物質使用制限に関する指令)をはじめ、環境問題や人権問題などに対応するための様々な規制が国や地域ごとに設けられております。しかしながら、技術やその他の制約により、規制に合致した対策が取れない可能性があり、その場合、当社グループは販売について規制を受けて事業機会を逸し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、規制に対応するための費用が業績および財政状態を圧迫する可能性もあります。

このような事態を回避するため、専門部署を設け、最新の法令改正状況を調査し、対策を講じる体制を構築しております。

(13)災害等のリスク

地震や台風など大規模な自然災害や火災等の事故災害、感染症によるパンデミックの発生などにより、当社グループの建物や設備、従業員等が被害を受け操業停止せざるを得ない事象のほか、経済活動への影響が重大または長期間となった場合、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、こうした事態に備えたBCP(事業継続計画)を策定し、災害等の発生時における影響を最小限に留めるべく、リスク耐性の強化を図っております。

(14)情報セキュリティ

当社グループは、研究開発や知的財産などの機密情報を有するほか、事業活動を通じて顧客やサプライヤー等の機密情報を入手し、保有しております。また従業員等の個人情報も保有しております。これらの情報の取り扱いにつきましては、規定に基づき厳正な管理を行っておりますが、不測の事態により情報侵害が発生した場合、当社グループの信用低下や賠償責任等により業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループではデータ侵害等を想定したセキュリティを強化しリスク低減に努めるほか、規定類の見直しや全従業員へ情報セキュリティ教育活動を行う等、組織的な体制の構築に向けた取組みも行っております。

(15)新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、当社グループの事業拠点のある地域でロックダウン等の政策が実施された場合、該当する拠点は操業の停止などを行う可能性があります。くわえて、かかる地域での原材料の供給や製品の輸送などにも支障をきたすほか、従業員の出社も制限されるなど、様々な障害が生じ、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態に対応するため、当社グループでは、拠点間で迅速な情報共有を行うとともに、複数拠点において代替生産を可能とする体制を強化してまいります。また、テレワークの導入や安全衛生管理の徹底など、感染症拡大防止に向けた取組みも実施し、事業継続の体制を構築しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、電子部品の需給ひっ迫や世界的なサプライチェーンの混乱などにより、一部の生産活動が停滞した一方、各国の経済回復に向けた施策に支えられて景気は持ち直し、総じて需要は底堅く推移しました。

当社グループは第15次中期経営計画の方針である「持続的成長に向けた製品戦略の加速」に沿って事業を展開し、主力製品ではインド市場で二輪向け製品が拡大したほか、伸長事業と位置付けたパワーモジュール製品やEV用急速充電器などが中長期的な成長の足掛かりとして一定の成果をあげました。

 

このようななか、当連結会計年度では、売上高は92,168百万円(前期比14.6%増)、営業利益は5,562百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常利益は5,828百万円(前期は1,164百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,902百万円(前期は5,561百万円の損失)となりました。

第15次中期経営計画最終年度である2022年3月期における経営指標に対して、売上高840億円の目標値に対し921億円、営業利益30億円の目標値に対し55億円となりました。

また、当社グループは持続可能な地球環境と社会の実現に向け、新たに「環境ビジョン2050」を策定しました。引き続き、クリーンエネルギー製品、省エネルギー製品の市場供給や新技術の開発などによって環境負荷低減の貢献度を継続的に高め、グローバルな環境先進企業を目指してまいります。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。

 

(デバイス事業)

デバイス事業の売上高は36,381百万円(前期比24.5%増)、営業利益は5,038百万円(前期は85百万円の利益)となりました。

主力の自動車、産機および家電市場は、サプライチェーンの混乱などがみられたものの、需要は底堅く、増収となりました。損益面においては、増収効果や事業構造改革が寄与し、大幅な増益となりました。

 

(電装事業)

電装事業の売上高は47,072百万円(前期比13.1%増)、営業利益は3,709百万円(前期比69.0%増)となりました。

主力の二輪市場は、新型コロナウイルス感染症の影響が残ったものの、経済活動が徐々に再開したことで、事業全体で前期からは増収となりました。損益面においては、増収や事業構造改革効果にくわえて為替相場が円安に推移したことなどにより、増益となりました。

 

(その他)

その他の売上高は8,714百万円(前期比9.2%減)、営業利益は696百万円(前期比11.0%増)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は営業活動によるキャッシュ・フ ローで8,290百万円増加投資活動によるキャッシュ・フローで7,907百万円減少財務活動によるキャッシュ・ フローで1,273百万円増加した結果前連結会計年度末に比べ資金は2,515百万円増加し、当連結会計年度末は29,161百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、8,290百万円のプラス(前期は3,618百万円のマイナス)となりまし たこれは主に棚卸資産の増加額が4,440百万円となったものの税金等調整前当期純利益が6,821百万円 減価償却費が5,548百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7,907百万円のマイナス(前期は5,675百万円のマイナス)となりま したこれは主に投資有価証券の売却による収入が1,143百万円となったものの有形固定資産の取得による支出が8,931百万円となったことによるものであります

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,273百万円のプラス(前期は9,936百万円のプラス)となりまし たこれは主に長期借入金の約定弁済が5,125百万円社債の償還による支出が1,525百万円となったもの の長期借入金8,300百万円の資金調達を実施したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

デバイス事業(百万円)

37,888

31.5

電装事業(百万円)

48,514

17.0

報告セグメント計(百万円)

86,402

22.9

その他(百万円)

8,315

△8.2

合計(百万円)

94,718

19.4

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

デバイス事業

41,345

35.5

10,579

87.4

電装事業

47,023

12.2

2,423

△2.3

報告セグメント計

88,369

22.0

13,003

60.0

その他

9,937

4.0

1,520

23.2

合計

98,306

19.9

14,523

55.1

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

デバイス事業(百万円)

36,381

24.5

電装事業(百万円)

47,072

13.1

報告セグメント計(百万円)

83,453

17.8

その他(百万円)

8,714

△9.2

合計(百万円)

92,168

14.6

(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ピー・ティ・アストラホンダモーター

7,236

9.00

9,875

10.71

3.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

a.資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、135,041百万円(前期比7,234百万円増)となりました。これは、主に現金及び預金や棚卸資産の増加によるものであります。

負債は77,812百万円(前期比581百万円減)となりました。これは主に長期借入金が増加したものの朝霞事業所建設費用の支払いによるその他流動負債の減少及び社債の減少によるものであります

純資産は、57,229百万円(前期比7,815百万円増)となりました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。

以上の結果、1株当たり純資産は5,552円41銭となりました。

b.連結損益及び包括利益計算書の分析

当連結会計年度の売上高は92,168百万円(前期比14.6%増)となりました。当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか電子部品の需給ひっ迫や世界的なサプライチェーンの混乱などにより一部の生産活動が停滞した一方各国の経済回復に向けた施策に支えられて景気は持ち直し総じて需要は底堅く推移しました。このようななか、営業利益は5,562百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常利益は5,828百万円(前期は1,164百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,902百万円(前期は5,561百万円の損失)となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し

新型コロナウイルス感染症の再拡大によるサプライチェーンの混乱、ロシアのウクライナ侵攻など、世界経済の先行きは不透明感が強まっています。

パワーデバイス分野においては、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や、原材料費、物流費高騰による調達コストの増加、競争激化など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、アジアを中心とする二輪市場においては、需要の急変、為替変動の影響など不安定要素をはらんでおります。さらに、各製品の生産拠点において、日常の安全衛生管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。

一方、EV化の進展などモビリティ分野を中心にパワーエレクトロニクス製品の需要は中長期的には拡大を見込んでいます。このような環境下、当社グループは、「長期ビジョン2030」及び「第16次中期経営計画」のもと持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで前連結会計年度より11,908百万円多い8,290百万円のプラスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が6,821百万円となったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より2,231百万円多い7,907百万円の資金を使用いたしました。これは、主に朝霞事業所の設立や生産設備増強、維持更新投資によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より8,662百万円少ない1,273百万円の資金を得ております。これは、主に長期借入金の約定弁済が5,125百万円、社債の償還による支出が1,525百万円となったものの、長期借入金8,300百万円の資金調達を実施したことによるものであります。

これにより当社グループの有利子負債の残高は39,880百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,325百万円増加いたしました。また、手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて2,515百万円増加し、29,161百万円となりましたので、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結などはありません。

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発体制は、おもに基礎研究および応用技術開発を担当する技術開発センターと、商品開発を担当する各事業部門およびグループ会社の設計・開発部門で構成しております。

企業ミッションである「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」のもと、技術開発センターでは当社グループの主要事業領域に新たな技術を移管していく取り組みを続けております。半導体デバイス分野においては、低損失技術の開発、高速・高温動作対応および複合部品化の実装技術開発を主要テーマとして取り組んでいます。パワーエレクトロニクス分野においては、主に高効率技術、高密度実装技術および低ノイズ化の研究開発を推進しています。さらに、新たな事業領域を広げていくためロボティクスなど新規分野への取組みも開始いたしました。これらの研究課題を解決し、当社のコア技術を活かしたシナジー効果により商品力強化を図るとともに、市場の要求や用途に適した新商品をタイムリーに開発してまいります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は4,088百万円(売上高比4.4%)であり、各セグメントの主な成果および研究開発費は以下のとおりであります。

 

(デバイス事業)

当セグメントの研究開発活動として、ダイオード製品は新構造の要素技術開発を進め、ウェーハ大口径化など低コストの源流設計を継続して推進しています。

サイリスタ製品では、当社独自開発の構造で800V及び1600Vの開発を実施したほか、トライアックの800Vも開発を進めています。

MOS製品では、当社独自構造を採用した低ノイズなNch中耐圧MOSの開発を実施したほか、SiのMOSとしては超高耐圧となる1200Vの開発を進めています。また、当社初のPch低耐圧MOSの開発を完了し、製品のシリーズ化を推進しています。パッケージについては、小型化・大電流化・高品質化に対応する10×11㎜サイズで、SiCMOSの効率的動作には欠かせないケルビン端子を搭載する面実装パッケージ開発を完了しました。

パワーモジュール製品では、xEV向けのカスタムモジュールについて当社独自の技術や最適化された高性能内製チップを利用した開発を完了しました。くわえて大電流化や高周波化に対応したSiCやGaNチップを搭載したモジュール開発を実施し、特にSiCチップ搭載モジュールでは顧客と連携した開発を推進しています。

IC製品では、モビリティ向けを中心に当社の回路設計技術を活かし、微細な生産ラインは外部に委託することで、機能、品質、コスト面で競争力のあるIC開発を完了しました。

当事業に係る研究開発費は1,534百万円であります。

 

(電装事業)

当セグメントの研究開発活動として、二輪分野では、脱炭素への対応として内燃機関向け製品に対し環境規制OBDⅡへ対応する技術開発を行い、電動車向け製品にはドライバビリティ向上のため制御ソフトの開発にくわえ、構造面では対環境性、組立性、低価格に対応した端子台の開発を行いました。

四輪分野では、コアの部分を共通設計としたプラットフォーム電源の2kW品の開発を進め、放熱性、耐震性、絶縁性に優れたトランスファータイプのトランスを開発し、省人化や電源バリエーション拡大に寄与できる技術開発を推進しました。

汎用分野では、HILSを使用したインバータ制御技術開発を推進し、モデルベースデザインの導入に向けた検討を行いました。

更に全製品群へ活用可能な技術として、ねじ締結、レーザーはんだ付に関する要素開発に取り組み、各種データを取得することで製品設計への適用準備を行いました。

当事業に係る研究開発費は986百万円であります。

 

(その他)

当セグメントの研究開発活動として、情報・通信市場分野では、通信用ビル・移動体基地局向けの高効率・中容量48V電源装置のラインナップを拡充しました。そのほかに高効率・小容量48V電源ユニットの開発を行い、小容量48V電源装置の製品開発に着手しました。共通技術として小型・高効率化に向けた電源変換部の技術開発を継続推進しました。

当事業に係る研究開発費は245百万円であります。

 

(全社共通)

全社共通に係る研究開発費は1,321百万円であります。