文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念と企業ミッション
当社グループは、経営理念に「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」と掲げ、日々の事業活動を行っています。「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」という企業ミッションのもと、半導体技術、回路技術、実装技術をあわせ持つ製造企業として、これらの技術を融合し、発展・応用させていくことで、脱炭素社会実現の一翼を担う製品を創造してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化した新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が制限され、2009年リーマンショック以来のマイナス成長となりました。海外においては、感染再拡大への警戒感が続くなかワクチン接種が効果をみせ始めた国がある一方、新規感染者の増加によって規制が続く地域もあり、限定的な回復にとどまりました。当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が当面継続し、予断を許さない状況が続くとみています。一方、長期的には自動車の次世代技術の進展や、カーボンニュートラルに向けた環境規制の強化などに伴い、自動車の電子化・電装化が加速し、モビリティ市場を中心に当社製品の需要が拡大していくと見込んでおります。
当社グループは2019年度から2021年度までの3ヶ年を期間とする「第15次中期経営計画」を策定し、最終年度を迎えました。
中期経営計画の経営方針としては、「持続的成長に向けた製品戦略の加速」を掲げ、主要テーマを以下の通りとすることで2021年度までの3ヶ年に留まらず、さらに先を見据えた構想とし、取組んでおります。
①主力製品の競争力強化
②伸長事業の発展
③10年先を見据えた次世代製品への取り組み
そのほか、モビリティ、産業機器、エネルギー、ヘルスケアの4つを重点市場と位置付けておりますが、そのなかでもモビリティ市場について、より一層の注力をしております。
しかしながら、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大により、外出自粛やロックダウン等の活動制限が広がり、事業環境が悪化したことで、収益が急激に減退しました。
経営方針の実現に向けて、「主力製品の競争力強化」では、生産効率の向上や、付加価値をつけた製品提案を進めております。「伸長事業の発展」では、数年後の事業の柱と位置付ける、パワーモジュールやEV関連製品の強化を進めております。とりわけ、モビリティ市場や産業機器市場においてニーズの拡大が見込まれる、小型・軽量化したパワーモジュールの製品ラインナップを拡充しております。また、最大出力150kWのEV急速充電器や、環境対応車向けに電装製品の開発などを進めております。「10年先を見据えた次世代製品への取り組み」では、新しい事業の検討に取組む組織を発足したほか、次世代デバイスの新たな選択肢として酸化ガリウムを用いたパワー半導体の研究や、EV充電器の更に先を見据えた非接触充電システムの開発も継続して取組んでおります。
くわえて、2021年4月開業の朝霞事業所において、事業の継続性確保と運営効率の向上を図り、さらにはガバナンスやリスクマネジメントの強化、働き方改革などの環境整備にも取組んでまいります。
経営指標について、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大により、外出自粛やロックダウン等の活動制限が広がり、事業環境が悪化したことで、収益が急激に減退しました。このような環境下、市場環境の変動に左右されない収益構造を追求し、経営基盤を強固なものとするために、2020年11月より「事業構造改革」に着手し、2021年度(2022年3月期)の経営指標は、以下の通り見直しいたしました。
(連結)
・売上高 840億円
・営業利益 30億円
※なお、2022年3月期の業績予想に関しては、2021年5月12日に公表しております。
当社グループは、このような施策を着実に実行することで、企業価値の向上ひいては株主の皆さま共同の利益に繋げてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)特注品および特定市場への依存
当社グループの営業収入の過半は、特定顧客企業による特注品によって占められており、顧客企業の需要変動により、当社グループの業績が重要な影響を受ける場合があります。
また、当社グループでは、二輪車を含む自動車市場への依存度が高く、一般的に国内外の景気動向に対し、強い影響を受け、収益性の低下を引き起こすリスクがあります。
このような事態を回避するため、当社グループは、重点市場と位置付ける二輪車を含む自動車市場のほか、産業機器市場、民生家電市場、通信インフラや情報機器を中心とする情報通信市場向け等、パワーエレクトロニクスを必要とするあらゆる市場に対し製品を提供することで、リスクの分散化を図っております。
(2)特定のグループ外供給元への依存
当社グループは、電源回路製品の基幹部品である半導体を内製化している一方で、ほかの主要部品および半導体の原材料については、複数のグループ外企業の供給に依存しております。したがって、一般的な経済動向およびサプライヤー個別の事由により、需給の急激な変動や価格の高騰が起きた場合には、必要な部材の入手に支障を来し、当社グループが顧客企業に対し供給責任を果たせない、あるいは部材価格高騰による原価の上昇など、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を回避するため、各サプライヤーとの定期的な情報共有や、複数購買の促進により、供給リスクの低減を図っております。
(3)国際的活動および海外進出
当社グループは、日本国内のみならずアジア、北米、欧州の各地域で生産又は販売活動を行なっており、また、様々な販売チャネルを通じ、他の地域にも製品を販売しております。近年、当社グループの海外生産および販売の比重は高まってきております。したがって、当該地域における、予測できない法規制などの改正、政治および経済状況の変動、労働争議や雇用条件の急激な変化、天変地異や火災、戦争やテロ、疫病の流行といった社会情勢の変動などにより、当社グループの事業活動が制限され、あるいは当社グループ製品の供給体制に支障が生じる場合があり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を回避するため、定期的に当社グループ間で収集した情報の共有を行うとともに、生産面においては複数拠点において代替生産を可能とする体制の構築を進めております。
(4)為替レートの変動
当社グループは、円貨のみならず米ドル、ユーロ、アジア通貨等で販売および調達活動を行っております。また海外の生産および販売拠点は、原則としてその拠点の属する国または地域の通貨によって財務諸表を作成しており、連結財務諸表作成にあたっては、在外関係会社の財務諸表を円換算しております。したがって、為替レートの変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与えており、一般的には、円高の場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安の場合は好影響を及ぼします。
当社グループでは、為替予約および通貨オプションなどの取引を行なうほか、進出先での資材調達の促進など為替レートの変動による影響を最小限にとどめる努力をしております。
(5)需要変動
当社グループの顧客企業のうち、一部の市場においては、需要動向に固有の変動要因があります。また、産業構造の変化や顧客企業および当社グループの競争環境の変化などが、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすことがあります。
また、近年顧客企業の短納期要請が高まっており、供給リスクを避ける主旨などから一部の材料については先行手配をせざるを得ず、当社グループが独自の判断で調達したたな卸資産については、その後の顧客の需要変動により、当社の責任において処分する場合があり、利益率の低下を引き起こす可能性があります。
このような事態を回避するため、当社グループではリードタイムの短縮につとめるほか、市場動向の変化に迅速に対応するため、関連部門が定期的な情報共有を行っております。
(6)価格競争
当社グループが属する電子部品業界における競争は大変厳しいものとなっており、価格に対しては、顧客企業による値下げ要請、競合他社の攻勢などにより、価格下落の圧力は日々強くなっております。特に、当社グループ主力のデバイス事業や電装事業においては、競合他社の参入により国内外での競争が一段と激化しております。そのため、将来的に価格競争力を維持できない可能性があり、その場合、当社グループは販売シェアが低下し、業績および財政状態を悪化させる可能性があります。
このような事態を回避するため、当社グループは、差別化しうる新製品の開発を進めるとともに、サプライヤーと一体となったコストダウン活動や生産性の向上に努めております。
(7)技術特許などの知的財産権
当社グループは、独自の半導体技術および回路技術をもとに各種製品を製造・販売しておりますが、特定の国または地域においては知的財産権による完全な保護が不可能な状況にあります。したがって、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。
また、当社グループの使用する技術が、他社の保有する特許その他の技術的権利に全く抵触しないという保証はなく、その場合、当社の業績および財政状態を悪化させる可能性があります。
そのため当社グループは、他社が保有または主張する特許などについては、開発段階において徹底した調査を行い、必要に応じて他社とライセンス契約を結ぶなど、回避に努めております。
(8)製品の欠陥
当社グループは、各生産拠点においてISOやTSといった世界的に認められた品質管理基準に基づき、各製品の製造を行なっておりますが、全ての製品について全く欠陥がなく、将来にわたりリコールや顧客企業からのクレームなどの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような重大な製品の欠陥が発生した場合、顧客企業への補償や対策費用などの費用発生に加え、市場における信用の低下などにより、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
このような事態を回避するため、各事業本部では設計上流工程から品質を意識した開発や、顧客の使用方法を再現した製品評価等を実施しています。くわえて事業部門を横断して品質の定期的な連絡会を実施することで、気づきの水平展開につとめております。
(9)新製品開発力
当社グループは顧客企業または市場のニーズに合わせた製品および要素技術の開発を常に行っており、また当社グループの将来的な成長力の鍵は、こうした研究開発活動の成否にかかっていると考えております。しかしながら、エレクトロニクス業界のニーズは多様化しており、また技術や製品のサイクルも短くなってきております。くわえて、とりわけ自動車市場においては電動化、自動運転などの導入により、高度で複雑な技術が必要となってきております。当社グループが顧客企業または市場のニーズに合わせた製品をタイムリーに提供できない場合、または競合他社に先んじられた場合には、当社グループは新製品の販売機会を失うか制限され、それまでの研究開発投資の回収が困難になる可能性があります。
また、近年エレクトロニクス業界でも顕著になってきている標準化競争の如何や、当社グループおよび顧客企業が基盤とする技術が主流となり得なかった場合には、当社グループが事業機会を失う場合もあります。これらのことが、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を回避するため、当社グループでは産学連携など外部の知見の活用により、開発スピードの強化や、事業領域の拡大に向けた取組みを進めております。
(10)人材の確保と育成
当社グループの競争力の源泉は、技術開発力、生産性、品質、営業力および効率的な経営ノウハウなどであり、これらを維持し、また継続的に発展させる人材の確保と育成は、当社グループの将来性を決定づける重要な要素のひとつでありますが、できなかった場合には、当社グループの将来の成長、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を回避するため、係る人材、特にソフトウエアなど高度なスキルを持つエンジニアや特定の有資格者について、企業買収や国籍を問わない幅広い採用など、その確保および育成に注力をしております。
(11)設備投資
当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、将来の需要動向によりその額は変化します。設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しない場合も想定され、その場合、業績、財政状態およびキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす場合があります。
当社グループは、電装事業においては、二輪車市場が広がるアセアンを中心に生産拠点を置くなど、コスト競争力と効率的な生産活動を追求しております。生産拠点間での代替生産を行う体制整備や在庫の一定水準の保有など、供給責任を果たすべく措置を取るほか、当該生産拠点においては、日常の安全管理および危機管理のための対策を取っております。
(12)公的規制等
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。当社グループは事業活動を行うにあたり、これらの規制に細心の注意を払っておりますが、規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、さらにペナルティを課せられるなど発生費用の増加を伴い、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
これらの事態を回避するため、当社グループは規制に対する対策を積極的に進めており、全社組織を形成したうえで周知徹底を図っております。
また、当社グループおよび当社グループの顧客企業が事業を行うにあたり、EU(欧州連合)によるRoHS指令(有害物質使用制限に関する指令)をはじめ、環境問題や人権問題などに対応するための様々な規制が国や地域ごとに設けられております。しかしながら、技術やその他の制約により、規制に合致した対策が取れない可能性があり、その場合、当社グループは販売について規制を受けて事業機会を逸し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、規制に対応するための費用が業績および財政状態を圧迫する可能性もあります。
このような事態を回避するため、専門部署を設け、最新の法令改正状況を調査し、対策を講じる体制を構築しております。
(13)災害等のリスク
地震や台風など大規模な自然災害や火災等の事故災害、感染症によるパンデミックの発生などにより、当社グループの建物や設備、従業員等が被害を受け操業停止せざるを得ない事象のほか、経済活動への影響が重大または長期間となった場合、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうした事態に備えたBCP(事業継続計画)を策定し、災害等の発生時における影響を最小限に留めるべく、リスク耐性の強化を図っております。
(14)情報セキュリティ
当社グループは、事業活動を通じて顧客やサプライヤー等の機密情報を入手し、保有しております。また従業員等の個人情報も保有しております。これらの情報の取り扱いにつきましては、規定に基づき厳正な管理を行っておりますが、不測の事態により情報侵害が発生した場合、当社グループの業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を回避するため、当社グループではデータ侵害等を想定したセキュリティ強化につとめるほか、全従業員の情報セキュリティへの意識向上に向けた教育活動も行っております。
(15)新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、当社グループの事業拠点のある地域でロックダウン等の政策が実施された場合、該当する拠点は操業の停止などを行う可能性があります。くわえて、かかる地域での原材料の供給や製品の輸送などにも支障をきたすほか、従業員の出社も制限されるなど、様々な障害が生じ、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態に対応するため、当社グループでは、拠点間で迅速な情報共有を行うとともに、生産面においては複数拠点において代替生産を可能とする体制を構築いたしました。また、テレワークの導入や安全衛生管理の徹底など、感染症拡大防止に向けた取組みも実施しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化した新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が制限され、2009年リーマンショック以来のマイナス成長となりました。海外においては、感染再拡大への警戒感が続くなか、ワクチン接種が効果をみせ始めた国がある一方、新規感染者の増加によって規制が続く地域もあり、限定的な回復にとどまりました。
当社は第15次中期経営計画で掲げる「持続的成長に向けた製品戦略の加速」の方針に沿って事業を展開しており、車載用電子部品の規格に準拠した製品ラインナップの拡充をはじめ、環境対応車向けのDC/DCコンバータや、EV用急速充電器など、中長期的な成長に向けた製品開発の強化を進めています。なお、当社グループは市場環境の変動に左右されない収益構造を構築するために、開発・生産体制の見直しや不採算製品の整理、人員の適正化など事業構造改革を進めております。
このようななか、当連結会計年度では、売上高は80,437百万円(前期比13.5%減)、営業損失は1,080百万円(前期は1,757百万円の利益)、経常損失は1,164百万円(前期は1,598百万円の利益)、事業構造改革に関する特別損失を計上したこと等で親会社株主に帰属する当期純損失は5,561百万円(前期は4,156百万円の損失)となりました。
第15次中期経営計画最終年度である2022年3月期における経営指標に対して、2年目にあたる当連結会計年度の進捗状況は、売上高840億円の目標値に対し804億円、営業利益30億円の目標値に対し10億円の損失となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。
(デバイス事業)
デバイス事業の売上高は29,213百万円(前期比5.7%減)、営業利益は85百万円(前期は241百万円の損失)となりました。
主力の自動車市場や家電市場は、期後半にかけて回復したものの、期初の生産調整等の影響が大きく、事業全体では減収となりました。損益面においては、減収の影響はあったものの、経費圧縮や原価低減活動など減収影響の挽回に努め、黒字を確保しました。
(電装事業)
電装事業の売上高は41,630百万円(前期比19.4%減)、営業利益は2,195百万円(前期比63.5%減)となりました。
二輪向け製品は、インドはロックダウンによる操業停止の危機的状況から急回復し、持ち直した一方、主力のインドネシアでは経済活動の制限が続くなど、回復に勢いがみられませんでした。四輪向け製品は期後半にかけて回復したものの全体では低調に推移し、事業全体で減収となりました。損益面においては、減収の影響が大きく減益となりました。
(エネルギーシステム事業)
エネルギーシステム事業の売上高は8,763百万円(前期比6.8%減)、営業利益は603百万円(前期は141百万円の損失)となりました。
通信向け製品は、5Gインフラの導入などが進んだことを受け堅調に推移した一方、その他の製品が減少したことにより、全体としては減収となりました。損益面においては、通信向けが堅調だったことや、不採算製品の整理などの効果で、黒字転換いたしました。
(その他)
その他の売上高は829百万円(前期比11.0%減)、営業利益は23百万円(前期比13.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローで3,618百万円減少、投資活動によるキャッシュ・フローで5,675百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで9,936百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ資金は308百万円増加し、当連結会計年度末は26,646百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,618百万円のマイナス(前期は5,828百万円のプラス)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失が5,076百万円となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,675百万円のマイナス(前期は9,649百万円のマイナス)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が6,197百万円となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,936百万円のプラス(前期は2,335百万円のマイナス)となりました。これは、主に長期借入金の約定弁済が4,525百万円、社債の償還による支出が1,475百万円発生しましたが、長期借入金15,000百万円の資金調達を実施したなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
デバイス事業(百万円) |
28,812 |
△4.2 |
|
電装事業(百万円) |
41,475 |
△20.2 |
|
エネルギーシステム事業(百万円) |
9,061 |
0.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
79,350 |
△12.9 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
79,350 |
△12.9 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
デバイス事業 |
30,502 |
△1.0 |
5,645 |
29.4 |
|
電装事業 |
41,909 |
△19.0 |
2,481 |
12.7 |
|
エネルギーシステム事業 |
8,699 |
△9.2 |
1,048 |
△5.7 |
|
報告セグメント計 |
81,111 |
△12.0 |
9,175 |
19.5 |
|
その他 |
858 |
△4.1 |
185 |
18.4 |
|
合計 |
81,969 |
△11.9 |
9,361 |
19.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
デバイス事業(百万円) |
29,213 |
△5.7 |
|
電装事業(百万円) |
41,630 |
△19.4 |
|
エネルギーシステム事業(百万円) |
8,763 |
△6.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
79,607 |
△13.5 |
|
その他(百万円) |
829 |
△11.0 |
|
合計(百万円) |
80,437 |
△13.5 |
(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先
|
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ピー・ティ・アストラホンダモーター |
12,307 |
13.24 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
a.資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、127,806百万円(前期比6,246百万円増)となりました。これは、主に有形固定
資産と投資有価証券が増加にしたことによるものであります。
負債は78,393百万円(前期比10,045百万円増)となりました。これは、主に長期借入金の増加によるもので
あります。
純資産は、49,413百万円(前期比3,798百万円減)となりました。これは、主に利益剰余金の減少によるものであります。
以上の結果、1株当たり純資産は4,794円83銭となりました。
b.連結損益及び包括利益計算書の分析
当連結会計年度の売上高は80,437百万円(前期比13.5%減)となりました。当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限に伴い、国内においては2009年リーマンショック以来のマイナス成長となり、海外においても限定的な回復にとどまりました。このようななか、特に上期における海外市場の低迷などにより、営業損失は1,080百万円(前期は1,757百万円の利益)、経常損失は1,164百万円(前期は1,598百万円の利益)、事業構造改革に関する特別損失を計上したこと等で親会社株主に帰属する当期純損失は5,561百万円(前期は4,156百万円の損失)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、日本経済および世界経済は予断を許さない状況が続くとみています。当社グループにおきましても、行動制限やロックダウン等の規制により、一時的に操業を停止せざるを得ない状況が起こり得るほか、サプライチェーンへの影響も懸念されます。パワーデバイス分野においては、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や、原材料価格の高騰、競争激化、円高の進行など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、アジアを中心とする二輪車市場においては、需要の急変、為替変動の影響など不安定要素をはらんでおります。さらに、各製品の生産拠点において、日常の安全衛生管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。
しかしながら、長期的には自動車の電子化・電装化が加速し、モビリティ市場を中心に需要が拡大していくと見込んでおり、これらの状況を踏まえ当社グループは、第15次中期経営計画のもと持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで、前連結会計年度より9,446百万円少なく3,618百万円のマイナスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純損失が5,076百万円となったことなどによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より3,973百万円少ない5,675百万円の資金を使用いたしました。これは、主に朝霞事業所の建設や生産設備増強、維持更新投資などによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より12,271百万円多い9,936百万円の資金を得ております。これは、朝霞事業所の建設資金、長期借入金の約定弁済、社債の償還などのために、新たに長期借入金および社債発行による資金調達を実施したことによるものであります。これにより当社グループの有利子負債の残高は38,554百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,319百万円増加いたしました。また手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて308百万円増加し、26,646百万円となりましたので、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結などはありません。
当社グループの研究開発体制は、おもに基礎研究および応用技術開発を担当する技術開発センターと、商品開発を担当する各事業部門およびグループ会社の設計・開発部門で構成されております。
企業ミッション、「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」のもと、技術開発センターでは当社グループの主要事業領域に新たな技術を移管していく取り組みを続けております。半導体デバイス分野においては、低損失技術の開発、高速・高温動作対応および複合部品化の実装技術開発を主要テーマとして取り組んでいます。パワーエレクトロニクス分野においては、主に高効率技術、高密度実装技術および低ノイズ化の研究開発を推進しています。さらに、新たな事業領域を広げていくため外部の研究機関との開発に取り組んでいます。これらの研究課題を解決し、当社のコア技術を活かしたシナジー効果により商品力強化を図るとともに、市場の要求や用途に適した新商品をタイムリーに開発してまいります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
(デバイス事業)
当セグメントの研究開発活動として、ダイオード製品では、業界において最高水準の低VFブリッジダイオードや、世界をリードする高雷サージ耐量ブリッジダイオードの製品開発を実施したほか、新構造ダイオードの要素技術となる半絶縁膜の基礎開発や、ガラス印刷技術の基礎開発を継続して推進しています。
MOS製品では、新しい構造を採用したNch低耐圧MOS・Nch高耐圧MOSの製品開発を進めました。また、650Vや1200VのSiCMOSの製品開発や当社初のPch低耐圧MOSの開発にも着手しました。パッケージについては、小型化・大電流化・高品質化に対応する5×6㎜サイズで独立2素子を搭載するパッケージ開発を完了しました。
パワーモジュール製品では、モビリティ向け、産業機器向けの汎用製品を中心に開発品種を拡充したほか、モビリティ向けのカスタム製品についても当社独自の技術を利用した開発を強化してきました。くわえて大電流化や高周波化に対応したSiCMOSやGaNHEMTチップを搭載したモジュール開発を実施し、様々な顧客へサンプル提供を開始しています。
IC製品では、モビリティ向けICの開発に着手しました。当社の回路設計技術を活かし、微細な生産ラインは外部に委託することで、機能、品質、コスト面で競争力のあるIC開発を推進しています。
当事業に係る研究開発費は
(電装事業)
当セグメントの研究開発活動は、二輪・四輪・汎用の3つの分野で行いました。二輪分野では、来るべき電動二輪車対応として次世代モーター制御の主流となるセンサレス技術に関するソフトウェアを開発し、価格競争力のあるPCUの開発を推進しました。
四輪分野では、車種ごとに多様化する電源の仕様に対応すべく、コアの部分を共通設計としたプラットフォーム化を進め、性能と、省人化によるコスト競争力の両立に向けた技術開発を継続推進しました。
汎用分野では、エンジン発電機用途で培ったインバータ技術を活かし、二次電池や燃料電池を利用したシステムに向けた製品の開発を推進しました。
更にあらゆる製品へ活用可能な接続の強度や耐久性等の要素開発に取り組み、各種データの取得を実施いたしました。
当事業に係る研究開発費は
(エネルギーシステム事業)
当セグメントの研究開発活動として、情報・通信市場分野では、通信ビル用の高効率中容量電源装置を開発しました。その他に電源装置に搭載する出力48V電源ユニットのリニューアル化を行い、量産の準備を開始しました。また、共通技術として小型・高効率化に向けた電源変換部の技術開発に取り組みました。
当事業に係る研究開発費は
(全社共通)
全社共通に係る研究開発費は1,424百万円であります。