第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営理念と企業ミッション

当社グループは、経営理念に「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」と掲げ、日々の事業活動を行っています。「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」という企業ミッションのもと、半導体技術、回路技術、実装技術をあわせ持つ製造企業として、これらの技術を融合し、発展・応用させていくことで、低炭素社会実現の一翼を担う製品を創造してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産に弱さがみられ、製造業を中心に景況感が悪化しました。海外においては、保護主義政策による政治的・経済的な混乱などにより減速傾向となったことにくわえ、年明け以降は新型コロナウイルス感染症が世界中にまん延し、影響が深刻化しました。当社グループでは、行動制限やロックダウン等の規制により製造拠点の一部において、一時的に操業を停止したほか、サプライチェーンへの影響があらわれました。また、日本経済および世界経済の悪化による需要の減少も見込まれ、先行きが不透明で厳しい状況となりました。

当社グループを取り巻く環境は、半導体需要の低迷にくわえ、二輪車市場も多くの地域で伸び悩み、全体としては厳しい状況が続いていますが、長期的には自動車の電装化や、環境規制の強化などにより、モビリティ市場を中心に需要が拡大していくと見込んでおります。

 

 

当社グループは2019年度から2021年度までの3ヶ年を期間とする「第15次中期経営計画」を策定いたしました。

 

経営方針としては、「持続的成長に向けた製品戦略の加速」を掲げ、主要テーマを以下の通りとすることで2021年度までの3ヶ年に留まらず、さらに先を見据えた構想といたしました。

①主力製品の競争力強化

②伸長事業の発展

③10年先を見据えた次世代製品への取り組み

そのほか、モビリティ、産業機器、エネルギー、ヘルスケアの4つを重点市場と位置付けておりますが、そのなかでもモビリティ市場について、より一層の注力をしてまいります。

経営方針の実現に向けては、全体最適を見据えた生産性の向上、事業シナジーおよび外部リソースの有効活用などにより、主力製品の競争力強化と伸長事業の発展に努めてまいります。そのほか、10年先を見据えた次世代製品への布石として、アライアンスの活用のほか、既存事業の枠組みにとらわれない新たな仕組みづくりを進めてまいります。また、分散・老朽化した既存施設から、主要機能を集約した新事業所設立を計画し、事業の継続性確保と運営効率の向上を図り、さらにはガバナンスやリスクマネジメントの強化、働き方改革などの環境整備にも取り組んでまいります。

当社グループは、こうした施策を着実に実行することで、企業価値の向上ひいては株主の皆さま共同の利益に繋げてまいります

経営指標といたしましては、以下の通りとしております。

 

2021年度(2022年3月期)の経営指標

(連結)

・売上高    1,150億円

・営業利益率  7.6%以上

・ROE    10%以上

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特注品および特定市場への依存

当社グループの営業収入の過半は、特定顧客企業による特注品によって占められており、顧客企業の需要変動により、当社グループの業績が重要な影響を受ける場合があります。

また、当社グループでは、二輪車を含む自動車市場への依存度が高く、一般的に国内外の景気動向に対し、強い影響を受け、収益性の低下を引き起こすリスクがあります。

このような事態を回避するため、当社グループは、重点市場と位置付ける二輪車を含む自動車市場のほか、産業機器市場、民生家電市場、通信インフラや情報機器を中心とする情報通信市場向け等、パワーエレクトロニクスを必要とするあらゆる市場に対し製品を提供することで、リスクの分散化を図っております。

(2)特定のグループ外供給元への依存

当社グループは、電源回路製品の基幹部品である半導体を内製化している一方で、ほかの主要部品および半導体の原材料については、複数のグループ外企業の供給に依存しております。したがって、一般的な経済動向およびサプライヤー個別の事由により、需給の急激な変動や価格の高騰が起きた場合には、必要な部材の入手に支障を来し、当社グループが顧客企業に対し供給責任を果たせない、あるいは部材価格高騰による原価の上昇など、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、各サプライヤーとの定期的な情報共有や、複数購買の促進により、供給リスクの低減を図っております。

(3)国際的活動および海外進出

当社グループは、日本国内のみならずアジア、北米、欧州の各地域で生産又は販売活動を行なっており、また、様々な販売チャネルを通じ、他の地域にも製品を販売しております。近年、当社グループの海外生産および販売の比重は高まってきております。したがって、当該地域における、予測できない法規制などの改正、政治および経済状況の変動、労働争議や雇用条件の急激な変化、天変地異や火災、戦争やテロ、疫病の流行といった社会情勢の変動などにより、当社グループの事業活動が制限され、あるいは当社グループ製品の供給体制に支障が生じる場合があり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、定期的に当社グループ間で収集した情報の共有を行うとともに、生産面においては複数拠点において代替生産を可能とする体制の構築を進めております。

(4)為替レートの変動

当社グループは、円貨のみならず米ドル、ユーロ、アジア通貨等で販売および調達活動を行っております。また海外の生産および販売拠点は、原則としてその拠点の属する国または地域の通貨によって財務諸表を作成しており、連結財務諸表作成にあたっては、在外関係会社の財務諸表を円換算しております。したがって、為替レートの変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与えており、一般的には、円高の場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安の場合は好影響を及ぼします。

当社グループでは、為替予約および通貨オプションなどの取引を行なうほか、進出先での資材調達の促進など為替レートの変動による影響を最小限にとどめる努力をしております。

(5)需要変動

当社グループの顧客企業のうち、一部の市場においては、需要動向に固有の変動要因があります。また、産業構造の変化や顧客企業および当社グループの競争環境の変化などが、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすことがあります。

また、近年顧客企業の短納期要請が高まっており、供給リスクを避ける主旨などから一部の材料については先行手配をせざるを得ず、当社グループが独自の判断で調達したたな卸資産については、その後の顧客の需要変動により、当社の責任において処分する場合があり、利益率の低下を引き起こす可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループではリードタイムの短縮につとめるほか、市場動向の変化に迅速に対応するため、関連部門が定期的な情報共有を行っております。

(6)価格競争

当社グループが属する電子部品業界における競争は大変厳しいものとなっており、価格に対しては、顧客企業による値下げ要請、競合他社の攻勢などにより、価格下落の圧力は日々強くなっております。特に、当社グループ主力のデバイス事業や電装事業においては、競合他社の参入により国内外での競争が一段と激化しております。そのため、将来的に価格競争力を維持できない可能性があり、その場合、当社グループは販売シェアが低下し、業績および財政状態を悪化させる可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループは、差別化しうる新製品の開発を進めるとともに、サプライヤーと一体となったコストダウン活動や生産性の向上に努めております。

(7)技術特許などの知的財産権

当社グループは、独自の半導体技術および回路技術をもとに各種製品を製造・販売しておりますが、特定の国または地域においては知的財産権による完全な保護が不可能な状況にあります。したがって、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。

また、当社グループの使用する技術が、他社の保有する特許その他の技術的権利に全く抵触しないという保証はなく、その場合、当社の業績および財政状態を悪化させる可能性があります。

そのため当社グループは、他社が保有または主張する特許などについては、開発段階において徹底した調査を行い、必要に応じて他社とライセンス契約を結ぶなど、回避に努めております。

(8)製品の欠陥

当社グループは、各生産拠点においてISOやTSといった世界的に認められた品質管理基準に基づき、各製品の製造を行なっておりますが、全ての製品について全く欠陥がなく、将来にわたりリコールや顧客企業からのクレームなどの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような重大な製品の欠陥が発生した場合、顧客企業への補償や対策費用などの費用発生に加え、市場における信用の低下などにより、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

このような事態を回避するため、各事業本部では設計上流工程から品質を意識した開発や、顧客の使用方法を再現した製品評価等を実施しています。くわえて事業部門を横断して品質の定期的な連絡会を実施することで、気づきの水平展開につとめております。

(9)新製品開発力

当社グループは顧客企業または市場のニーズに合わせた製品および要素技術の開発を常に行っており、また当社グループの将来的な成長力の鍵は、こうした研究開発活動の成否にかかっていると考えております。しかしながら、エレクトロニクス業界のニーズは多様化しており、また技術や製品のサイクルも短くなってきております。くわえて、とりわけ自動車市場においては電動化、自動運転などの導入により、高度で複雑な技術が必要となってきております。当社グループが顧客企業または市場のニーズに合わせた製品をタイムリーに提供できない場合、または競合他社に先んじられた場合には、当社グループは新製品の販売機会を失うか制限され、それまでの研究開発投資の回収が困難になる可能性があります。

また、近年エレクトロニクス業界でも顕著になってきている標準化競争の如何や、当社グループおよび顧客企業が基盤とする技術が主流となり得なかった場合には、当社グループが事業機会を失う場合もあります。これらのことが、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループでは産学連携など外部の知見の活用により、開発スピードの強化や、事業領域の拡大に向けた取組みを進めております。

(10)人材の確保と育成

当社グループの競争力の源泉は、技術開発力、生産性、品質、営業力および効率的な経営ノウハウなどであり、これらを維持し、また継続的に発展させる人材の確保と育成は、当社グループの将来性を決定づける重要な要素のひとつでありますが、できなかった場合には、当社グループの将来の成長、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、係る人材、特にソフトウエアなど高度なスキルを持つエンジニアや特定の有資格者について、企業買収や国籍を問わない幅広い採用など、その確保および育成に注力をしております。

(11)設備投資

当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、将来の需要動向によりその額は変化します。設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しない場合も想定され、その場合、業績、財政状態およびキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす場合があります。

当社グループは、電装事業においては、二輪車市場が広がるアセアンを中心に生産拠点を置くなど、コスト競争力と効率的な生産活動を追求しております。生産拠点間での代替生産を行う体制整備や在庫の一定水準の保有など、供給責任を果たすべく措置を取るほか、当該生産拠点においては、日常の安全管理および危機管理のための対策を取っております。

(12)公的規制等

当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。当社グループは事業活動を行うにあたり、これらの規制に細心の注意を払っておりますが、規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、さらにペナルティを課せられるなど発生費用の増加を伴い、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

これらの事態を回避するため、当社グループは規制に対する対策を積極的に進めており、全社組織を形成したうえで周知徹底を図っております。

また、当社グループおよび当社グループの顧客企業が事業を行うにあたり、EU(欧州連合)によるRoHS指令(有害物質使用制限に関する指令)をはじめ、環境問題や人権問題などに対応するための様々な規制が国や地域ごとに設けられております。しかしながら、技術やその他の制約により、規制に合致した対策が取れない可能性があり、その場合、当社グループは販売について規制を受けて事業機会を逸し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、規制に対応するための費用が業績および財政状態を圧迫する可能性もあります。

このような事態を回避するため、専門部署を設け、最新の法令改正状況を調査し、対策を講じる体制を構築しております。

(13)災害等のリスク

地震や台風など大規模な自然災害や火災等の事故災害、新型インフルエンザをはじめとした感染症によるパンデミックの発生などにより、当社グループの建物や設備、従業員等が被害を受け操業停止せざるを得ない事象のほか、経済活動への影響が重大または長期間となった場合、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、こうした事態に備えたBCP(事業継続計画)を策定し、災害等の発生時における影響を最小限に留めるべく、リスク耐性の強化を図っております。

(14)情報セキュリティ

当社グループは、事業活動を通じて顧客やサプライヤー等の機密情報を入手し、保有しております。また従業員等の個人情報も保有しております。これらの情報の取り扱いにつきましては、規定に基づき厳正な管理を行っておりますが、不測の事態により情報侵害が発生した場合、当社グループの業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態を回避するため、当社グループではデータ侵害等を想定したセキュリティ強化につとめるほか、全従業員の情報セキュリティへの意識向上に向けた教育活動も行っております。

(15)新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、当社グループの事業拠点のある地域でロックダウン等の政策が実施された場合、該当する拠点は操業の停止などを行う可能性があります。くわえて、かかる地域での原材料の供給や製品の輸送などにも支障をきたすほか、従業員の出社も制限されるなど、様々な障害が生じ、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このような事態に対応するため、当社グループでは、拠点間で迅速な情報共有を行うともに、生産面においては複数拠点において代替生産を可能とする体制を構築いたしました。また、テレワークの導入や安全衛生管理の徹底など、感染症拡大防止に向けた取組みも実施しております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産に弱さがみられ、製造業を中心に景況感が悪化しました。海外においては、保護主義政策などによる政治的・経済的な混乱により景気が減速傾向となったことにくわえ、年明け以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により先行きが不透明で厳しい状況となりました。

当社グループを取り巻く環境は、半導体需要の低迷にくわえ、二輪車市場も多くの地域で伸び悩み、全体としては厳しい状況が続きました。

 

のようななか、当連結会計年度では、売上高は92,965百万円(前期比1.8%減)、半導体市況の低迷や減価償却費の増加などにより営業利益は1,757百万円(前期比68.8%減)、経常利益は1,598百万円(前期比73.3%減)、繰延税金資産を取崩し法人税等調整額に計上したことで親会社株主に帰属する当期純損失は4,156百万円(前期は3,876百万円の利益)となりました

また、第15次中期経営計画で掲げる2022年3月期の経営指標の目標値に対して、売上高は92,965百万円(目標値は115,000百万円)、営業利益率は1.9%(目標値は7.6%以上)、ROEは△7.4%(目標値は10%以上)となりました。

 

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、当連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。

 

 

(デバイス事業)

バイス事業の売上高は30,989百万円(前期比8.9%減)、営業損失は241百万円(前期は2,576百万円の利益)となりました

家電市場は、空調機向けが期末にかけて回復の兆しを見せたものの通期では軟調に推移したほか、自動車市場および産業機器市場では市況低迷が続いた結果、事業全体で減収となりました。損益面においては、原価低減に努めたものの、減収の影響および生産量の減少に伴う稼働率の低下のほか、減価償却費の増加などで営業損失を計上しました。

 

(電装事業)

装事業の売上高は51,637百万円(前期比0.8%減)、営業利益は6,022百万円(前期比39.6%減)となりました

主力の二輪車向け製品は、インドネシアで底堅く、インドでは市況の低迷が続くなか下期にかけて新製品の投入効果があらわれ堅調でした。一方で、ベトナムやタイは軟調に推移しました。また、為替がアジア通貨に対して円高で推移した結果、事業全体ではわずかに減収となりました。損益面においては、前期に増益要因となった営業費用の戻入がなくなったほか、製品構成の変化やアジア通貨安の影響などで減益となりました。

 

(その他)

の他の売上高は10,338百万円(前期比19.5%増)、営業損失は121百万円(前期は2,445百万円の損失)となりました

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローで5,828百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで9,649百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで2,335百万円減少した結果、前連結会計年度末に比べ資金は6,167百万円減少し、当連結会計年度末は26,337百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、5,828百万円のプラス(前期は3,495百万円のプラス)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が1,125百万円、減価償却費が5,176百万円となったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、9,649百万円のマイナス(前期は5,875百万円のマイナス)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が9,048百万円となったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,335百万円のマイナス(前期は4,603百万円のマイナス)となりました。これは、主に長期借入金6,000百万円の資金調達を実施したものの、長期借入金の約定弁済が5,750百万円、社債の償還による支出が980百万円および配当金の支払額が1,287百万円となったことなどによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

デバイス事業(百万円)

30,081

△15.5

電装事業(百万円)

51,973

△1.4

報告セグメント計(百万円)

82,054

△7.1

その他(百万円)

9,055

22.1

合計(百万円)

91,110

△4.8

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については含まれておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

デバイス事業

30,817

△8.4

4,364

△3.8

電装事業

51,725

△0.9

2,202

4.2

報告セグメント計

82,543

△3.9

6,566

△1.3

その他

10,476

20.9

1,268

12.2

合計

93,019

△1.6

7,835

0.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

デバイス事業(百万円)

30,989

△8.9

電装事業(百万円)

51,637

△0.8

報告セグメント計(百万円)

82,626

△4.0

その他(百万円)

10,338

19.5

合計(百万円)

92,965

△1.8

(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ピー・ティ・アストラホンダモーター

11,364

12.00

12,307

13.24

ホンダベトナムカンパニー・リミテッド

9,945

10.50

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りです。

a.製品保証引当金

当社グループは、販売した製品に係る点検・保守作業費用等の発生に備えるため、当該費用の発生額を個別に見積り、製品保証引当金を計上しております。個別に見積って計上しております発生費用は、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループで把握している作業実施の状況等を考慮し見積っております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する製品保証引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。

b.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、外部の状況等を踏まえて、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

c.減損損失

当社グループは、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローについて、中期経営計画の前提となった数値や、経営環境などの外部要因に関する情報、当社グループが把握している、資産グループの現在の使用状況や使用計画等を考慮し見積っております。

当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益及び包括利益計算書関係) ※4 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(472百万円)を計上いたしました。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する減損損失の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

a.資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、121,560百万円(前期比7,109百万円減)となりました。これは、主に有価証券と繰延税金資産が減少したことなどによるものであります。

負債は68,348百万円(前期比851百万円減)となりました。これは、主に退職給付に係る負債と製品保証引当金の減少によるものであります。

純資産は、53,211百万円(前期比6,258百万円減)となりました。これは、主に利益剰余金の減少によるものであります。

以上の結果、1株当たり純資産は5,165円32銭となりました。

b.連結損益及び包括利益計算書の分析

当連結会計年度の売上高は92,965百万円(前期比1.8%減)となりました。当社グループを取り巻く環境は、半導体需要の低迷にくわえ、二輪車市場も多くの地域で伸び悩み、全体としては厳しい状況が続きました。半導体市況の低迷や減価償却費の増加などにより、営業利益は1,757百万円(前期比68.8%減)、経常利益は1,598百万円(前期比73.3%減)、繰延税金資産を取崩し法人税等調整額に計上したことで親会社株主に帰属する当期純損失は4,156百万円(前期は3,876百万円の利益)となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し

主力製品のひとつである半導体製品やIC製品などパワーデバイス分野において、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や、原材料価格の高騰、競争激化、円高の進行など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、アジアを中心とする二輪車市場においては、需要の急変、為替変動の影響など不安定要素を孕んでおります。さらに、各製品の生産拠点において、日常の安全管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。

足もとでは、新型コロナウイルス感染症が世界中にまん延し、影響が深刻化するなかで、日本経済および世界経済は停滞し、経済成長の大幅な下振れが懸念されています。当社グループにおきましても、行動制限やロックダウン等の規制により海外製造拠点の一部において、一時的に操業を停止せざるを得ない状況にあるほか、サプライチェーンへも影響があらわれております。くわえて、世界経済の悪化による需要への影響も、先行きが不透明な状況です。しかしながら、長期的には自動車の電装化や、環境規制の強化などにより、モビリティ市場を中心に需要が拡大していくと見込んでおります。

これらの状況を踏まえ当社グループは、第15次中期経営計画のもと持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで、前連結会計年度より2,333百万円多い5,828百万円のプラスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費などによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より3,773百万円多い9,649百万円の資金を使用いたしました。これは、主に朝霞新事業所や生産設備増強、維持更新投資などによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、2,335百万円の資金を使用いたしました。これは、主に長期借入金の返済や社債の償還による支出があったことなどによるものであります。これにより当社グループの有利子負債の残高は27,234百万円となり、前連結会計年度末に比べて541百万円減少いたしました。また手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて6,167百万円減少し、26,337百万円となりましたが、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は以下のとおりとなります。

 

賃貸借契約

契約書名

事業所用定期借地契約書

契約書

相手方名

埼玉県朝霞市

契約期間

2019年9月10日から2069年3月31日まで

所在地

埼玉県朝霞市幸町三丁目1110番1他2筆

(当社新事業所予定地)

地積

29,592㎡

 

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発体制は、おもに基礎研究および応用技術開発を担当する技術開発センターと、商品開発を担当する各事業部門およびグループ会社の設計・開発部門で構成されております。

企業ミッション、「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」のもと、技術開発センターでは当社グループの主要事業領域に新たな技術を移管していく取り組みを続けております。半導体デバイス分野においては、低損失技術の開発、高温動作対応および複合部品化の実装技術開発などを主要テーマとして取り組んでいます。パワーエレクトロニクス分野においては、主に高効率技術、高密度実装技術および低ノイズ化の研究開発を推進しています。さらに、半導体製造技術を応用し新たな事業領域を広げていくため外部の研究機関との開発に取り組んでいます。これらの研究課題を解決し、当社のコア技術を活かしたシナジー効果により商品力強化を図るとともに、市場の要求や用途に適した新商品をタイムリーに開発してまいります。

 

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は5,035百万円(売上高比5.4%)であり、各セグメントの主な成果および研究開発費は以下のとおりであります

 

(デバイス事業)

当セグメントの研究開発活動として、ダイオード製品では、高耐圧・大電流化したブリッジダイオード、高温保証・ハロゲンフリー化したブリッジダイオード、高性能・低コスト化したブリッジダイオードの開発を実施したほか、650Vおよび1200VのSiCショットキーバリアダイオードの開発を完了しました。

スイッチング素子では、従来品より微細化し性能を向上させたモビリティ向け低・高耐圧MOSFET用の新チップの開発にくわえ、大電流に対応したパッケージを新規で各種開発し、車載用電子部品信頼性規格のAEC-Q101に対応した新商品を多数量産化しました。又次世代の新構造としていく低・高耐圧MOSFETの開発も実施し、量産化に向けた評価を開始したほか、650Vや1200VのSiCMOSFETの開発を実施しました。

IC製品では、モビリティ向けや家電向けLEDライト用制御ICやモータードライバー用制御ICを開発・量産化いたしました。

パワーモジュール製品では、モビリティ向けを中心に開発品種を拡充したほか、大電流化や高周波化に対応したSiCMOSやGaNHEMTチップを搭載したモジュール開発を実施し、量産化に向けた評価を開始しました。

当事業に係る研究開発費は1,911百万円であります

 

(電装事業)

当セグメントの研究開発活動として、二輪車分野では、アイドリングストップ機能搭載ECUの競争力強化のため、小型、高機能、低コストを追求した開発の継続にくわえ、顧客へのシステム提案を可能にし強固な拡販体制を構築するため車両評価技術の習得を推進いたしました。また、二輪車が電動化にシフトしていく流れのなかで、価格競争力のあるPCUの開発にも着手いたしました。

四輪車分野では、複雑・高度化するシステムのなかで、価格優位性を打ち出すために電源のプラットフォーム化に取り組み、作り易さを追求することで省人化に向けた技術開発を推進いたしました。汎用分野では、エンジン発電機用途で培ったインバータ技術を活かし、二次電池や燃料電池を利用したシステムに向けた製品の開発を推進しました。

また、共通技術として先端技術を取り入れた製品開発をするための、基礎研究の取り組みを強化・推進をいたしました。

当事業に係る研究開発費は1,239百万円であります。

 

(その他)

当セグメントの研究開発活動として、情報・通信市場分野では、移動体基地局用の高効率中容量電源装置を開発し、量産を開始いたしました。その他に交流給電の信頼性を向上させた高効率インバータ装置を開発し、量産の準備を開始しました。

当事業に係る研究開発費は241百万円であります

 

(全社共通)

全社共通に係る研究開発費は1,643百万円であります