第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

カゴメグループは、「感謝」「自然」「開かれた企業」を企業理念としております。これは、創業100周年にあたる1999年を機に、カゴメグループの更なる発展を目指して、創業者や歴代経営者の信条を受け継ぎ、カゴメの商品と提供価値の源泉、人や社会に対し公正でオープンな企業を目指す決意を込めて、2000年1月に制定したものです。

また、カゴメグループは今後も「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」をお客様と約束するブランドステートメントとして商品をお届けしてまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

① 環境認識

中長期的な環境変化として、世界においては、人口の増加、異常気象による天然資源、食糧・水の不足が更に深刻化し、国内においては、人口減少や超高齢化社会の進行、それに伴う労働力不足や介護問題の深刻化などが予想されます。また、国内外問わず、新型コロナウイルス感染症拡大による社会経済活動への影響は継続することが予想されます。そのため、企業は今以上に、これらの課題に対応することで、社会に貢献していくことが求められます。当社は社会環境の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組み込みながら、当社ならではの方法で社会課題の解決に貢献することが、当社の社会的価値を高めることに繋がると考えております。そして、それらを実現するための新たな経済価値やビジネスモデルを創出する力の向上が、当社にとっての事業機会と捉えております。

 

② 長期ビジョン及び中期経営計画

<2025年のありたい姿と長期ビジョン>

 当社は、2015年に行った「10年後の環境予測」において「深刻化する国内外の社会課題」を認識し、特に取り組むべき社会課題を「健康寿命の延伸」、「農業振興・地方創生」、「世界の食糧問題」の3つに定めております。当社のありたい姿として「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」ことを掲げ、2025年までの長期ビジョンとして「トマトの会社」から、「野菜の会社」になることを目指しております。事業領域をトマトから野菜に広げ、価値ある多様な野菜を、多様な加工度・形態で、多様な市場に提供することにより、国内の野菜摂取不足を解消させることで「健康寿命の延伸」に貢献していきます。

 

<中期経営計画>

2025年のありたい姿や長期ビジョンの達成に向けて、2021年度までの3ヵ年を第2次中期経営計画として位置付けております。野菜需要を喚起し、当社の社会的価値、経済的価値を一層高めていくことに取り組んでまいります。定量目標につきましては、2021年度の連結売上収益1,860億円、連結事業利益131億円の達成を目指します。

 

当社の企業理念、ブランドステートメントから長期ビジョンまでの関係は以下のとおりです。

 

 


 

 

③ マテリアリティ(重要課題)

当社は、当社が取り組むべき重要課題を抽出し、自社および第三者の評価を得て、2019年度にマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを以下の8グループに分類しております。

マテリアリティグループ

健康寿命

の延伸

農業振興・地方創生

世界の

食糧問題

品質

環境

サプライ

チェーン

多様な人財

コーポレート・

ガバナンス

 

 

マテリアリティの前提となる外部環境の認識、それらに対応する領域毎のリスクと機会は、以下の通りです。

 

(外部環境の認識)

マーケットの変化

超高齢化・単身高齢世帯の急増

巣ごもり消費の増加

・「健康」や「免疫」に対する意識の高まり

エシカル消費の拡大

・ECチャネルの拡大

労働力の不足

生産年齢人口の減少

農業の担い手不足

改革・革新を推進するデジタル人財の不足

地球環境問題

の深刻化

気候変動の加速、異常気象の発生増加

干ばつによる水リスク

途上国での大気汚染

新型コロナウイルスの感染拡大

生活者の感染予防意識の高まり

リモート勤務など働き方の多様化

対面以外のコミュニケーションの多様化

技術進歩

イノベーション

・Society5.0の実現

・デジタルトランスフォーメーションの拡大

ダイバーシティ

の推進

・女性、高齢者のさらなる社会進出

・国籍、性別、障がいなどに関係なく活躍できる労働環境の広がり

 

 

(領域毎のリスクと機会)

領域

リスクと機会

食と健康

健康志向の多様化

家庭内の調理機会や中食機会の増加

・下ごしらえの手間が省ける野菜加工商品ニーズの高まり

健康市場への異業種参入による競争激化

流通

消費者の変化

デジタルを活用した生活者との新たな接点(チャネル・媒体など)構築

食品ロスへの取り組み

ミレニアルズの台頭

人口減少と

少子高齢化

野菜や植物素材によるシニアの栄養改善

・シニアの健康維持・増進

高齢化による食支出総額減少

農業

農業の後継者不足と耕作放棄地の増加

新規農業参入企業や大型菜園の増加

最新テクノロジーを活用した収穫予測などの事業化

品質

環境

・異常気象や世界的な気候不順による原材料価格の高騰

・環境に関連するコストの負荷増加

・「無添加」、「脱プラスチック」などの品質・環境への生活者の注目の増加

技術進歩

イノベーション

・生産現場での省人化、自動化の推進

・顧客の購買行動分析の高度化

・DXの推進と専門人財の不足

 

 

 

 (3) 会社の対処すべき課題

 

当社は、8つのマテリアリティグループと2つの事業共通基盤について社内への浸透を図っています。なお、これらに基づく21年度に取り組む重点課題とその関連する部門の関係は以下のとおりです。

分類

主要な21年度中期重点課題

関連部門

(◎は主管部門)

健康寿命の延伸

野菜摂取と健康増進の関係性解明

◎イノベーション本部

健康事業部

マーケティング本部

野菜摂取習慣化に向けた行動変容に関するエビデンス開発・情報発信の強化

◎健康事業部

◎イノベーション本部

農業振興・

地方創生

ビッグデータを活用した高効率農業への貢献

◎スマートアグリ事業部

野菜事業部

最先端技術の活用による持続可能な高効率農業への貢献

◎イノベーション本部

国内農業の環境変化を踏まえた、国際野菜原料の調達改革

◎野菜事業部

生産調達本部

イノベーション本部

世界の食糧問題

フードロスの削減

◎品質保証部

◎マーケティング本部

SCM本部

品質

カゴメグループ全体の品質事故の抑制と再発防止

◎品質保証部

◎生産調達本部

国際事業本部

商品開発本部

環境

カゴメグループ全体の環境目標達成に向けた取り組みの加速

◎品質保証部

生産調達本部

国際事業本部

農生産部/

カゴメアグリフレッシュ

サプライチェーン

海外加工品調達戦略による安定供給とコスト競争力の強化

◎生産調達本部

需給管理の高度化による適正在庫水準の維持と収益構造の強化

◎SCM本部

生産調達本部

営業本部

マーケティング本部

多様な人財

働き方の進化 ①ウィズ/アフターコロナ時代の「自律的な」働き方の確立

◎カゴメアクシス

人事部

働き方の進化 ②働きがいのある会社に向けた施策の強化

◎人事部

ダイバーシティの推進

◎経営企画室

人事部

健康経営の推進

◎カゴメアクシス

コーポレート

ガバナンス

KPI目標シートとROICマネジメントの融合

◎財務経理部

◎経営企画室

 

 

DX/CX推進

CRM基板の構築による、ビジネスモデルの変革と進化

カゴメアクシス

営業本部

マーケティング本部

生産・調達基盤

の進化

自動化・省力化の推進、持続的成長のための技術開発

生産調達本部

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについて記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月12日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 経済状況・消費動向

当社グループが製品を販売している市場は、その大部分を日本国内が占めております。したがって、日本国内における景気の後退、及びそれに伴う需要の減少、または、消費動向に影響を及ぼすような不測の事態の発生は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 市場競争力

当社グループ収入のかなりの部分は、変わりやすい顧客嗜好などを特徴とする激しい競争に晒されています。

当社グループは、こうした市場環境にあって、継続して魅力的な商品やサービスを提供してまいりますが、これを保証するものではありません。

当社グループが市場の変化を充分に予測できず、魅力的な商品やサービスを提供できない場合は、将来における売上の低迷と収益性を低下させ、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 原材料、商品の調達に関するリスク

当社グループは、原材料及び一部の商品を、複数の国から調達しております。これらの調達にあたっては、世界的な食料需給構造変化に伴う、安定的な価格や調達量確保に対するリスク及び調達先の国における下記のリスクが内在しております。

・予期しない法律または規制の変更

・政治、経済の混乱

・テロ、戦争等による社会的混乱

これらの要因は、当社グループにおける調達価格の上昇や供給不足の原因となるリスクを孕んでおり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 天候リスク

当社グループの主要な事業である飲料事業などの販売は、特に夏季における天候に左右されます。また、国内農事業の生鮮トマト等は、日射量等の天候により生産量が左右されます。

そのため、天候不良はこれらの事業における売上の低迷をもたらし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは農作物を原材料に使用した商品が多いため、これら原材料の生産地にて天候不良などによる不作が生じた場合、調達価格の上昇や供給不足を招くリスクを孕んでおり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 安全性に関するリスク

当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつだと考えており、そのために様々な活動を行っております。具体的には部門横断の品質保証委員会を毎月開催し、商品クレームや事故の未然防止活動、商品表示の適正化に取り組んでおります。また、いわゆる「フード・ディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的な異物混入を防御すると共に異常が無いことを証明できる体制づくりを行っております。

しかしながら、異物混入などの事故・被害によりブランドイメージを損ね、回収費用や訴訟・損害賠償などにより業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化などは、そのシステム構築に多大な費用がかかる可能性があり、これらも業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 為替変動に関するリスク

当社グループは、国外における事業も展開しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが原材料及び商品の一部を調達している国外との取引は、為替変動の影響を受ける可能性があります。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループではヘッジ方針に従ったヘッジ取引を行っておりますが、中長期的な為替変動は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 減損会計に関するリスク

当社グループでは、事業の用に供する不動産をはじめとする様々な資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損会計の適用を受ける可能性があります。これらは業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ グループ外委託先への商品供給の依存

当社グループでは、一部の商品についてグループ外の複数の委託先に、その供給を依存しております。こうした委託先にて充分な生産が確保できない場合、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 有価証券の時価変動リスク

当社グループでは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、様々な理由により、売却可能な有価証券を保有しております。

これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における時価の変動は財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 公的規制に関するリスク

当社グループでは、事業活動を展開する各国において、様々な公的規制を受けております。

これらの規制を遵守できなかった場合は、当社グループの活動が制限される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 天災・感染症リスク

当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要だと考えられる定期的な災害防止検査と、設備点検、更にサプライチェーンの複線化などの災害対策を行っております。

しかしながら、天災等による生産施設における災害を完全に防止できる保証はありません。また、物流網の混乱などにより商品供給が滞る可能性があります。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症などの感染症の蔓延による消費の低迷、国内外のサプライチェーンの混乱、従業員や取引先への感染等により事業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 情報システムに関するリスク

当社グループでは、販売促進キャンペーン、通信販売等により多数のお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。

しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑬ 環境に関するリスク

当社グループでは、廃棄物再資源化、省エネルギー、二酸化炭素排出の削減の徹底を図り、事業を遂行していくうえで環境に関連する各種法律、規制を遵守しております。

しかしながら、関係法令等の変更によって、新規設備の投資、廃棄物処理方法の変更等による大幅なコストの増加が発生する場合、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑭ カントリーリスク

当社グループは、複数の国で事業を展開しております。各国の政治・経済・社会・法制度等の変化や暴動、テロ及び戦争の発生による経済活動の制約、サプライ・チェーンや流通網の遮断等が発生した場合、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑮ 人材流出に関するリスク

当社グループは、ジョブグレード制に基づき役職員に対して同業他社比で競争力のある処遇を行っております。

しかし、人材流出を完全に防止することはできません。

ノウハウをグループで共有する等の管理運営を行ってはおりますが、特に一部専門分野において流出が起きた場合には当該分野での業務遅滞を招く可能性があります。

 

⑯ 需給管理に関するリスク

当社グループは国内加工食品事業において、専ら需給調整を行うSCM本部を設置し、欠品防止と在庫削減に努めております。

しかし、想定範囲を超える需要の急変動には追随できません。

欠品が頻発した場合には、売上機会の損失や顧客からの信用失墜、在庫が過剰になった場合には滞留品処分費用が増加する可能性があります。

⑰ イノベーションに関するリスク

ニュートラシューティカルやデジタル・トランスフォーメーションを始めとするイノベーションは、当社グループの持続的成長に欠かせない戦略分野である一方、選択的な先行投資が必要となります。

将来性を見誤った投資分野の選択や、必要最低規模に達しない過少投資等により先行投資が実らず、結果として競合他社に劣後する可能性があります。

 

上記に記載したリスクのうち、主たるものとその対応等は、以下の通りです。

 

 


 

 


 

 


 

 


 

 


 

 


 

 


 

 


 

 


 

 


 

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(重要な会計方針及び見積り)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」における「3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

 (1) 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次の通りであります。

①  売上収益

売上収益は、1,830億41百万円となり、前連結会計年度の1,808億49百万円に比べ、21億92百万円の増加1.2%増)となりました。
 新型コロナウイルス感染症拡大により、巣ごもり消費が加速したことで、国内における飲料や内食向け商品の販売が拡大した結果、前期比20億10百万円の増加1.5%増)となりました。

他方、外食需要の落ち込みにより、外食向け商品の販売は減少しました。

② 事業利益

当連結会計年度の売上原価は、1,154億69百万円となり、前連結会計年度の1,156億67百万円に比べ、1億98百万円の減少(0.2%減)となりました。また、売上原価率は前連結会計年度の64.0%から63.1%と0.9ポイント改善しております。Holding da Industria Transformadora do Tomate, SGPS S.A.(ポルトガル)は低利益率商品の売り上げ構成比が高かったことなどにより原価率が悪化しましたが、国内加工食品事業の原材料調達価格の減少や製造設備の更新による生産効率の向上による原価低減の結果、前連結会計年度より売上原価率は改善しました。

この結果、当連結会計年度の売上総利益は、675億72百万円となり、前連結会計年度の651億81百万円に比べ、23億90百万円の増加(3.7%増)となりました。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、530億59百万円となり、前連結会計年度の529億86百万円に比べ、72百万円の増加(0.1%増)となりました。『野菜をとろうキャンペーン』の展開による広告宣伝費の増加はありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国内における販売促進費及び旅費交通費等が減少したことにより、売上高販管費比率では29.0%と前連結会計年度の29.3%から0.3ポイント改善しております。

当連結会計年度の持分法投資損失は、9億14百万円となり、前連結会計年度の持分法投資利益1億8百万円に比べ、10億23百万円悪化しました。これは主にIngomar Packing Company, LLCへの投資について、出資時ののれん部分に係る減損損失9億96百万円を計上したことによるものです。

この結果、当連結会計年度の事業利益は、135億99百万円となり、前連結会計年度の123億4百万円に比べ、12億94百万円の増加(10.5%増)となりました。

また、売上収益事業利益率は、前連結会計年度の6.8%から7.4%と0.6ポイント改善しております。

③ 営業利益

当連結会計年度のその他の収益は、13億77百万円となり、前連結会計年度の27億33百万円から13億56百万円の減少となりました。これは前連結会計年度に、物流子会社であるカゴメ物流サービス㈱を新物流会社F-LINE㈱に統合した際の事業譲渡益を16億92百万円計上していることによるものです。

また、当連結会計年度のその他の費用は、42億93百万円となり、前連結会計年度の9億58百万円から33億35百万円の増加となりました。これは当連結会計年度に、ポルトガル子会社であるHolding da Industria Transformadora do Tomate, SGPS S.A.において、保有する固定資産の減損損失を30億28百万円計上したことによるものです。

この結果、当連結会計年度における営業利益は、106億82百万円となり、前連結会計年度の140億79百万円に比べ、33億96百万円の減少(24.1%減)となりました。

また、売上収益営業利益率は、前連結会計年度の7.8%から5.8%と2.0ポイント悪化しております。

 

④  親会社の所有者に帰属する当期利益

当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度の35億74百万円に比べ、9億48百万円増加45億22百万円となりました。

上記に非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、74億25百万円となり、前連結会計年度の101億98百万円に比べ27億73百万円の減少(27.2%減)となりました。

 

以上により、当連結会計年度の売上収益は、前期比1.2%増1,830億41百万円、事業利益は前期比10.5%増の135億99百万円、営業利益は前期比24.1%減106億82百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比27.2%減74億25百万円となりました。

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況」における「5.セグメント情報(2)報告セグメントの変更に関する事項」をご参照ください。

 (単位:百万円)

セグメントの名称

売上収益

事業利益(△は損失)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

 

飲料

72,039

74,270

2,231

5,826

7,669

1,843

食品他

60,445

60,224

△220

5,390

5,134

△255

加工食品 計

132,485

134,495

2,010

11,216

12,803

1,587

9,567

10,189

622

△225

272

497

その他

3,850

786

△3,063

561

344

△216

消去及び調整(注1)

△2,885

△3

2,881

国内事業 計

143,017

145,468

2,451

11,552

13,420

1,868

国際事業

44,398

44,344

△53

752

178

△573

消去及び調整(注2)

△6,566

△6,772

△205

合計

180,849

183,041

2,192

12,304

13,599

1,294

 

(注) 1国内事業内のセグメント間売上収益を消去しております。

2国内事業と国際事業間のセグメント売上収益を消去しております。

 

<国内事業>

国内事業の売上収益は、前期比1.7%増1,454億68百万円、事業利益は、前期比16.2%増134億20百万円となりました。各事業別の売上高の状況は以下の通りであります。

 

① 加工食品事業

加工食品事業では、飲料や調味料等の製造・販売を手掛けております。

当事業における売上収益は、前期比1.5%増1,344億95百万円、事業利益は、前期比14.2%増128億3百万円となりました。

 

 [飲料:「野菜生活100」シリーズ、トマトジュース、他]

 野菜飲料においては、日本における野菜摂取量を「あと60g増やす」ことを目指した『野菜をとろうキャンペーン』の展開に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大によって健康に対する関心が高まり、飲用機会の増加につながりました。「野菜生活100」シリーズにおいては、野菜と果実に豆乳を加えた「野菜生活 Soy+(ソイプラス)」を2月に発売し好調に推移しました。また、「野菜一日これ一本」についても、堅調に推移しています。

以上により、飲料カテゴリーの売上収益は、前期比3.1%増の742億70百万円となりました。事業利益は、前期比31.6%増76億69百万円となりました。

 

  [食品他:トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、通販・贈答用製品、他]

食品においては、内食需要の拡大によって家庭内での調理機会が増加したことなどにより、トマトケチャップやパスタソースの販売が堅調に推移しました。

業務用においては、外食需要の落ち込みにより販売が減少しました。特に、ホテルやレストラン向けの商品の販売が落ち込みました。

通販においては、通販の主力飲料である「つぶより野菜」に加え、野菜の美味しさを味わうポタージュが引き続き堅調です。

以上により、食品他カテゴリーの売上収益は、前期比0.4%減の602億24百万円となりました。事業利益は、前期比4.7%減51億34百万円となりました。

 

② 農事業

農事業では、主に、生鮮トマト、ベビーリーフ等の生産、販売を手掛けております。

第1四半期連結累計期間は、日照不足等により生鮮トマトの調達量が低下しましたが、第2四半期以降は、調達量の増加や販路拡大により売上が増加しました。また、固定費削減などの収益構造改革に引き続き取り組んでいます。

この結果、当事業の売上収益は、前期比6.5%増101億89百万円事業利益は2億72百万円(前期は事業損失2億25百万円)となりました。

 

また、当社農事業の会社分割を行う方針を決定するとともに、2021年1月1日の事業開始に先立ち、カゴメアグリフレッシュ株式会社を2020年10月1日に設立しました。本組織再編により、同事業の収益基盤を強固なものとし、利益を確実に生み出すことのできる体質に変えていくとともに、お客様により満足いただける商品、プロモーションの提供に努めてまいります。

 

③ その他事業

その他事業には、不動産賃貸業、業務受託事業などが含まれております。

売上収益は、前期比79.6%減7億86百万円、事業利益は、前期比38.6%減3億44百万円となりました。

なお、2019年4月の物流事業再編に伴い、当社子会社であったカゴメ物流サービス㈱をF-LINE㈱へ統合し、連結の範囲から除外いたしました。

 

<国際事業>

国際事業では、トマトの種子開発から農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開しております。

 

主な子会社における現地通貨建業績の概要は以下の通りです。

KAGOME INC.(米国)は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うロックダウンなどの影響を受け、外食需要が大きく落ち込んだことにより、減収減益となりました。Holding da Industria Transformadora do Tomate, SGPS S.A.(ポルトガル)は、食品メーカー向け販売が好調に推移したものの、低利益率商品の売上構成比が高かったことなどにより、増収減益となりました。Kagome Australia Pty Ltd.(豪州)は、同国内向け、グループ会社向け販売が共に好調に推移したものの、当第1四半期連結累計期間に発生した工程不具合により、増収減益となりました。United Genetics Holdings LLC(米国)は、欧州向け種子販売が堅調に推移し、増収増益となりました。

なお、上記のほか、持分法適用会社であるIngomar Packing Company, LLCへの投資について、出資時のれん部分に係る減損損失9億96百万円を計上しております。

以上により、売上収益は、前期比0.1%減443億44百万円、事業利益は、前期比76.3%減1億78百万円となりました。

 

 なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。

 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

 


 


 

 


 


 

 


 


 

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末は、資産合計については、前連結会計年度末に比べ237億33百万円増加いたしました。

流動資産については、前連結会計年度末に比べ289億19百万円増加いたしました。

これは、「現金及び現金同等物」が配当金や法人所得税の支払いがあったものの、新型コロナウイルス感染症拡大による資金調達環境の逼迫等に備えた借入金の増加に伴う、満期が3ヶ月未満の定期預金の増加などにより295億7百万円増加したことによります。

非流動資産については、前連結会計年度末に比べ51億85百万円減少いたしました。

これは、「その他の非流動資産」が投資不動産の売却などにより31億50百万円、「有形固定資産」が設備投資による増加があったものの、減価償却費や減損損失の計上などにより10億62百万円、「持分法で会計処理されている投資」が減損損失の計上などにより10億62百万円、それぞれ減少したことによります。

負債については、前連結会計年度末に比べ224億68百万円増加いたしました。

これは、「借入金」が新型コロナウイルス感染症拡大による資金調達環境の逼迫等に備えたことなどにより183億10百万円、「営業債務及びその他の債務」が40億87百万円、「未払法人所得税」が10億80百万円、それぞれ増加したことによります。

資本については、前連結会計年度末に比べ12億65百万円増加いたしました。これは、主に「親会社の所有者に帰属する当期利益」により74億25百万円増加、剰余金の配当により31億13百万円、自己株式の取得等により14億40百万円、「非支配持分に帰属する当期利益」により13億23百万円、それぞれ減少したことによります。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,242円19銭となりました。

 

(3)連結キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、567億68百万円となり、前連結会計年度末比で295億7百万円増加いたしました。

各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、204億42百万円の純収入(前期は122億24百万円の純収入)となりました。この主要因は、税引前当期利益が106億24百万円となったこと、減価償却費及び償却費が68億95百万円となったこと(以上、キャッシュの純収入)、法人所得税等の支払いにより34億69百万円支出したこと(以上、キャッシュの純支出)によります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、33億98百万円の純支出(前期は92億67百万円の純支出)となりました。この主要因は、有形固定資産及び無形資産の取得(投資不動産含む)により61億7百万円支出したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、121億4百万円の純収入(前期は50億68百万円の純支出)となりました。この主要因は、借入金(長期借入金を含む)の純返済により10億32百万円、配当金の支払いにより31億12百万円、それぞれ支出したことによります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金により賄っております。

なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は567億68百万円、有利子負債の残高は552億95百万円となっております。

 

(生産、受注及び販売の状況)

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

 

 

飲料

32,329

△0.4

%

食品他

17,662

0.4

%

加工食品 計

49,991

△0.1

%

2,687

10.1

%

その他

215

8.4

%

国内事業 計

52,894

0.4

%

国際事業

32,715

△7.1

%

合計

85,610

△2.6

%

 

(注) 1  金額は製造原価によっております。

2  金額は消費税等を含めておりません。

 

b. 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

 

 

飲料

外部顧客に対するもの

74,270

 

3.1

セグメント間取引

 

74,270

40.5

3.1

食品他

外部顧客に対するもの

60,224

 

△0.4

セグメント間取引

 

60,224

32.9

△0.4

加工食品

外部顧客に対するもの

134,495

 

1.5

セグメント間取引

 

134,495

73.4

1.5

外部顧客に対するもの

10,189

 

6.5

セグメント間取引

 

10,189

5.5

6.5

その他

外部顧客に対するもの

783

 

△16.3

セグメント間取引

3

 

△99.9

786

0.4

△79.6

調整額(注1)

△3

 

 

外部顧客に対するもの

145,468

 

1.7

セグメント間取引

 

△100.0

国内事業  計

145,468

79.4

1.7

国際事業

外部顧客に対するもの

37,572

 

△0.8

セグメント間取引

6,772

 

3.6

44,344

24.2

△0.1

調整額(注2)

△6,772

△3.7

 

連結売上収益

183,041

100.0

1.2

 

(注) 1  国内事業内のセグメント間売上収益を消去しております。

2 国内事業と国際事業間のセグメント売上収益を消去しております。

     3  金額は消費税等を含めておりません。

4  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社日本アクセス

32,725

18.1

34,222

18.7

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、独創的でイノベーティブな製品開発や健康情報発信を行うため、品種・栽培技術、素材・加工技術、機能性エビデンスに関する研究を研究施設併設の試験圃場やパイロットプラント等で行っております。また、当社グループの事業基盤を強化するため、品質保証技術の高度化と、知的財産の保護・活用に取り組んでおります。

また、長期経営ビジョン「トマトの会社から、野菜の会社に」の実現に向け、経営戦略と研究テーマの連動、社内外の連携・協働による新たな研究テーマやコンセプトの創出を積極的に進めております。また、外部研究機関に研究員を派遣した、ネットワーク型研究拠点を拡充することで、オープンイノベーション型研究の強化を行っており、新たな価値創りを加速させております。

また、当連結会計年度の研究開発費の総額は、3,557百万円であります。

なお、当社の研究開発費用は、報告セグメント別に区分することが困難であるため、総額で記載しております。

 

本年度の主な概要とその成果は、次の通りであります。

 ①  弘前大学医学研究科との共同研究講座「野菜生命科学講座」にて、当社独自の野菜摂取量レベル量測定機「ベジチェック®」で測定する皮膚のカロテノイド量が多いほど、メタボリックシンドロームの指標となる数値が健康的であることを明らかにしました。本成果は、健康診断等「ベジチェック®」の測定を行った際の、生活習慣指導に活用できるものです。今後も野菜摂取量と健康との関係性を明らかにする研究に取り組んで参ります。

 ②  植物性乳酸菌“Lactobacillus brevis KB290 殺菌体(ラブレ菌殺菌体)”と、緑黄色野菜に含まれる“β-カロテン”との継続的な併用摂取が、40 歳未満の健康な成人男女のインフルエンザ罹患率を低減する可能性があることを、大規模ヒト試験により明らかにしました。自然免疫機能を高めることが報告されているラブレ菌とビタミンAとの併用が、ヒトの免疫機能を相加的に向上させることを示唆する結果であり、これらの免疫機能向上効果を継続的に発信していくことで、お客様の健康長寿へ貢献して参ります。

 ③  品種・栽培技術研究の分野においては、国産トマトジュース用加工用トマト品種と、北海道の農業で深刻な問題となっている外来土壌害虫「ジャガイモシストセンチュウ」および「ジャガイモシロシストセンチュウ」に対する抵抗性および土壌中密度低減効果を持つトマト品種の2件の品種登録出願を行いました。園芸分野では、トマトを家庭で栽培する方にむけて、カゴメのトマト栽培技術を活用したトマト栽培支援アプリ“トマサポ!”を開発・無料公開いたしました。

 ④  商品開発において、飲料分野では“野菜生活100”ブランドから果実・野菜・大豆ミックス飲料の新シリーズ「野菜生活 Soy+」、同ブランド初の機能性表示食品「野菜生活100 Care+」を導入しました。また、既存の「野菜一日これ一本」から糖質を50%オフした「野菜一日これ一本 Light」の導入により、野菜飲料で低糖質という新機軸を打ち出しました。調味料・調理食品分野では、パスタソース「アンナマンマ」シリーズの改良により、家庭内需要を活性化しました。業務用チャネル向けには、「野菜だし調味料(濃縮タイプ)1kg」にて野菜だしラインアップを拡充した他、ヴィーガン・ベジタリアン向けメニューとして植物素材を使った野菜カレー、冷凍スープを導入しました。BtoB領域では、コンビニエンスストア惣菜向け調味料や、カゴメ独自の高リコピントマトを用いたトマト調味料が採用されました。