第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 売上成長、適切なコストコントロール、生産構造の最適化
 まず、当社グループの売上面では、前期に回復した自動車向け半導体の需要が引き続き旺盛であり、産業・インフラ・IoT向け半導体の需要も堅調だったことに加え、2021年8月に完了したDialog社の買収や当期に急速に進んだ円安の影響もあり、当期は前期と比べ増収となりました。また、将来の売上収益の源泉となるデザイン・インは、当期の目標と比べ10%の過達となり、前期と比べ32%増加しました。

 当社グループは、さらなる売上成長に向けて、注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、当社グループが保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進していきます。

当社グループが集中的に研究開発投資を行う具体的な注力分野としては、AD(Autonomous Driving:自動運転)およびADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:自動運転支援)向けのSoC、車載ドメインコントロール向けマイクロコントローラ、xEV向けのIGBT製品、ADASおよびxEV向けミックスドシグナル製品、Arm社コアおよびRISC-Vコア搭載マイクロコントローラ/SoC、BMIC(Battery Management IC:バッテリ管理IC)、DRP-AI(Dynamically Reconfigurable Processor-AI:動的再構成プロセッサーAI)を内蔵したMPU、デーセンタや5G関連分野向けのアナログ・ミックスドシグナル製品などがあげられます。

 一方、当社グループでは、過去に買収した旧インターシル社や、旧IDT社、Dialog社、Celeno社については、ウィニング・コンビネーションをはじめとして、シナジーの最大化に向けた取り組みを強化してきました。そして、当期においては、高効率な組み込みAI技術に強みを持つReality AI社と高いレーダ技術を有するSteradian社を買収し、半導体技術の目覚ましい進化にあわせて、早期に製品・技術の獲得を図りました。

今後も引き続き、買収候補先のリストアップ・更新を行い、当社グループが有していない製品・技術やソリューションの獲得を進めていきます。

 次に、コスト面では、まず、Dialog社の買収に伴うコストシナジーとして、買収完了時から、売上原価、販売管理費および研究開発費の低減に向けた施策を実施しており、買収時に公表した目標値を達成する見込みであります。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や人件費の上昇に伴い高止まりが続いている輸送コストについては、物流フローの整流化に向けた施策を継続して推進するとともに、Dialog社の買収を踏まえ、新たな物流経路を構築することにより、コスト低減を進めていきます。加えて、原材料のマルチソース化や長期供給契約の推進などにより、引き続き、サプライチェーンの安定化に努めていきます。

 さらに、業務・ITシステム効率化の観点から、当社グループでは、当社グループの基幹ITシステムであるERPの統合に向けた戦略的投資も実施し、順次統合を進めております。2022年8月には一部機能の稼働を開始しており、中長期的に大きな貢献をするものと考えております。

 当社グループでは、短期的には、将来の売上成長や事業の効率化に必要となる戦略的な投資を確実に実行しつつ、継続的に適切なコストコントロールに努めます。

 また、生産面では、当期における当社グループの前工程生産拠点の稼働率は、150mm生産工場が63%、200mm生産工場は93%、300mm生産工場は80%、全工場平均で86%でした。

 当社グループは、世界的な半導体の供給不足を背景に、その安定供給に向けて、グループ工場においては、その設備の増強に努めます。具体的には、今後拡大が期待されるパワー半導体の需要に応えるため、2024年を目処に甲府工場を300mm生産工場として再稼働させることを目指すとともに、車載制御向けマイクロコントローラや、データセンタ向けのアナログ半導体、パワー半導体などの需要に応えるため、那珂、西条、川尻の各工場においても、その設備の強化を行っていきます。これらに加え、レジリエンスを高めるため、引き続き、バックアップ電源装置の導入やダイバンクの構築などの施策の強化に取り組みます。

 また、生産委託先での生産量の確保・拡大にも取り組んでいきます。

 これらの積極的な投資により、当期における当社グループの設備投資額は、売上収益比14%程度となりましたが、中長期的には売上収益比5%程度にコントロールしていきます。

 

(2) 地政学的問題への対応
 米中貿易摩擦が長期化する中、それに端を発するサプライチェーンの分離は、今後も進展する見通しであります。そして、この分離は、短期的にも中長期的にも、当社グループが事業セグメントとする半導体市場や当社グループの事業機会に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、米国および中国を中心とした各サプライチェーンの分離にそれぞれ対応するため、設計、製造拠点の分散化・リソースの適正化を推進しております。

 今後も、こうした地政学リスクの最小化と事業機会の最大化のための活動を継続していきます。
 

(3)ユーザ・エクスペリエンスの価値の最大化

 当社グループでは、そのパーパスである「To Make Our Lives Easier」のもと、顧客の製品・サービスの開発を楽(ラク)にするため、ユーザ・エクスペリエンス(UX)の向上を推進しております。そして、当社グループは、その実現に向けて、顧客ができるだけ簡単かつスピーディーにその製品・サービスの開発を進めることができるよう、様々な取り組みを実施しております。

 具体的な取り組みの一例として、当社グループでは、当社グループの幅広い製品ポートフォリオを組み合わせたウィニング・コンビネーションの拡充、ブロック図に留まらないボードやソフトウエアソリューションなどの強化を進めております。

 また、顧客が開発の初期段階から物理的な設計完了を待たずにオンライン上で製品開発を進められる各種開発環境(統合開発環境、Lab on the Cloudなど)の整備や、顧客がわずかなソフトウエアコードを調整するだけですぐに製品を市場に投入できるクイックコネクトIoTなどの開発も進めております。

当社グループでは、今後もこれらの取り組みを拡大・強化し、一層のユーザ・エクスペリエンスの価値の最大化に取り組みます。

 

(4) サプライチェーンの最適化
 当社グループのサプライチェーンには、生産と受注のリードタイムの整合、受注確定に関する商慣行などの点で課題があります。これらの課題に対応するため、当社グループでは、現在、新しいITシステムを導入し、意思決定のさらなる迅速化を進めております

 また、生産の実行面では、さらなる変動対応力とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の強化に向けて、ダイバンクの構築を進めております。このうち、グループ内生産品については、一定の成果を得ることができましたが、外部への生産委託品については、引き続き需給が逼迫している状況にあるため、ダイバンクの構築に至っておりません。今後も市場動向を注視しながら、適切なダイバンクの構築を志向していきます。

 当社グループとしては、引き続き、これらを含む諸施策を通じて、サプライチェーンの最適化に取り組みます。

 

(5) ESG活動と情報開示の推進
 当社グループは、当期において、ESGやSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関連する多くの取り組みを実施しましたが、今後も引き続き、持続可能な社会の実現に向けた「環境」に資する活動、人材の多様性や従業員の安全衛生、サプライチェーンマネジメントなどの「社会」に資する活動、そして、取締役会の機能強化などの「ガバナンス」に資する活動を推進します。 

 また、ESG活動に関する非財務情報の開示をより一層充実させ、ESG格付けの向上や当社グループを取り巻く様々なステークホルダーに対する情報提供に努め、さらなる企業価値の向上に努めます。

 

(6) タレント構成の最適化
 当期末現在における当社グループの各拠点地域の人員構成は、日本が44%、北米が11%、欧州が11%、アジア太平洋が34%でした。当社グループは、中長期的な視点から、グループ全体でバランスの取れた従業員の年齢・地域・スキルのミックスを実現するとともに、ソフトウエアなどの重要分野や今後成長が見込まれる分野に従事する従業員を拡充することを目指し、様々な人事施策に取り組みます。当社グループでは、グローバルなタレント採用チームを組織化しており、全世界で整合された方針に基づく戦略的な採用活動を各地域において実施していくとともに、必要に応じてM&Aも活用しながら、グループ全体としてタレント構成の最適化に継続して取り組みます。

 

(7) 従業員エンゲージメントの向上と「ルネサスカルチャー」の浸透
 当社グループは、「To Make Our Lives Easier」をパーパスとして掲げ、人々の生活を楽(ラク)にする製品・ソリューションを提供しております。このパーパスのもと、2020年以降、世界中の当社グループ組織とそこで働く従業員一人一人が絶えず変化する環境に迅速かつ柔軟に対応していくために共有する行動指針として、「Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial」という5つの要素からなる「ルネサスカルチャー」を策定し、定着に向けて取り組んでおります。

 当期においても、「ルネサスカルチャー」の浸透を加速させるため、様々な施策に取り組みましたが、今後もこの「ルネサスカルチャー」について、採用、育成、評価などの人事サイクルの一つ一つに組み込みながら、従業員とさらに共有し、これを根付かせ、エンゲージメントのさらなる向上に努めます。

 

 

2 【事業等のリスク】

  当社グループの事業その他に関するリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市況の変動

 当社グループは、世界各国の景気循環、最終顧客の製品の需要の変化などに起因する、半導体市場の市況変動の影響を受けております。当社グループでは、常に市況の動向を見極めながら事業活動を遂行しておりますが、その影響を完全に回避することは困難であるため、市況が下降した局面においては、製品需要の縮小、生産・在庫数量の増加および販売価格の低下を招く可能性があります。その結果、当社グループの売上の減少や、工場稼働率の低下に伴う売上総利益率の悪化につながり、収益が悪化する可能性があります。

 

(2) 為替相場および金利の変動

 当社グループは、世界各地域において様々な通貨を通じて事業活動を行っております。当社グループは、為替変動のリスクをヘッジする取組みを行っておりますが、為替相場が大きく変動した場合、外貨建取引の売上高、外貨建の資材コスト、海外工場の生産コストなど当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。また、当社の外貨建の資産・負債を日本円に換算表示すること、さらに、海外子会社における外貨表示の財務諸表を日本円に換算表示することによっても、当社グループの資産・負債および収益・費用は変動します。

 また、金利の変動により、当社グループの事業運営に係る経費、資産および負債の価値が影響を受けるため、これにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3) 自然災害など

 地震、津波、台風、洪水などの自然災害、火災、停電、システム障害などの事故、テロ、戦争、感染症をはじめとした予測困難な事由が発生した場合、当社グループの事業活動が悪影響を受ける可能性があります。特に、当社グループは、地震が発生する確率が世界の平均より高いと考えられる地域に重要な施設・設備を保有しており、地震の発生時に、その影響により当社グループの施設・設備が損傷を受け、操業を停止せざるを得ないなど、多くの損害が発生する可能性があります。また、地震以外の自然災害、火災、停電、システム障害などの事故、テロ、戦争、感染症などによっても同様の事態が生じる可能性があります。例えば、2021年3月には、当社の生産子会社の半導体製造工場(那珂工場N3棟(300㎜ライン))の一部工程において火災が発生し、同工場における製品の生産・出荷が一時的に停止する事態が生じました。当社グループでは、こうしたリスクに備えて、各種事前対策、緊急対策などを定めたBCP(事業継続計画)などを策定・運用するとともに、各種保険に加入しておりますが、想定を上回る事態が発生する可能性は否定できず、それらの対策によっても、リスクを完全に回避することは困難であり、また、全ての損害を補填できるという保証もありません。

 また、現在、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し、不安定な社会、経済、財政および労働環境が継続しているところ、その影響は当社グループの業績や事業活動にも及んでおります。当社グループは、従業員、顧客その他関係者の健康と安全確保を最優先に考え、この感染拡大がもたらす様々な困難の中においても事業を継続できる体制の整備に努めていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大は当社グループが直接的に制御・抑制できる性質のものではないため、かかる体制整備により当社グループの事業継続が保証されるとは限りません。新型コロナウイルス感染症を取り巻く事態が、今後さらに深刻化、長期化した場合には、当社グループの事業、業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競争 

 半導体市場は熾烈な競合状態にあり、当社グループは、製品の性能、構成、価格、品質などの様々な面で、国内外の多くの同業他社との激しい競争に晒されております。とりわけ、近年において、同業他社間による買収、統合、業務提携などが行われており、今後もその可能性がありますが、その結果、当社を取り巻く競争環境はさらに激化する可能性があります。当社グループでは、競争力の維持強化に向けて、先端技術の設計、開発のプラットフォーム化、原価低減の推進、第三者との戦略的提携やさらなる企業買収の可能性の検討などの様々な施策に取り組んでおりますが、これらの施策を適時適切に行えなかった場合、製品のマーケットシェアが低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、熾烈な市場競争により、当社グループ製品の販売価格が急激な下方圧力に晒され、それを価格交渉や原価低減などの様々な収益性改善のための施策では補いきれずに、売上総利益率の悪化に見舞われる可能性があります。さらに、売上総利益率が低い当社グループ製品について、顧客において他の製品への移行が困難または一定の期間を要する場合などには、当社グループは、適時に生産の中止・減少が行えない可能性があり、その結果、当社グループの収益性を低下させる可能性があります。 

 

(5) 事業戦略の推進 

 当社グループは、急激に変化する経営環境下で、収益基盤を強化するため、中期成長戦略の策定、当社グループ内における組織体制の改編など様々な事業戦略および構造改革を遂行しております。これらの事業戦略および構造改革には一定の費用が伴う一方で、経済・事業環境の変化、将来の不確実な要因、予期できない要因などにより、その遂行が困難になる可能性や当初計画していた効果を得られない可能性がある他、当初の見込みを上回る費用が発生する可能性があり、その結果、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

(6) グローバルな事業展開

  当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、潜在的な顧客と現地企業との間の長期に亘る関係などの障壁、投資、輸出入に関する制限、関税、公正な取引などの各種規制、各国の貿易政策の変更、貿易障壁および貿易摩擦の高まりを含む政治的・社会的・経済的リスク、疾病またはウイルスの流行または感染、為替変動、賃金水準の上昇、物流障害などの様々な要因により悪影響を受ける可能性があります。その結果、当社グループは、グローバルな事業展開に関する当初の目的を達成できず、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 戦略的提携および企業買収

 当社グループは、事業拡大や競争力の強化などを目的として、重要な技術や製品の研究開発、生産などの分野において、第三者との間で、共同出資関係を含む戦略的提携や企業買収を実施することがあります。しかしながら、今後も当社グループにとって適切な提携先・買収先候補が見つかるとは限らず、また、適切な提携先・買収先があった場合にも、当社にとって受入れ可能な条件で合意に至ることができない可能性があります。また、提携先・買収先との合意に至った場合であっても、買収資金を調達できない可能性、提携先・買収先の株主承認等が得られない可能性、必要な許認可が取得できない可能性、法令その他の理由による制約が存在する可能性があり、買収を実行できる保証はありません。

 さらに、当社グループでは、これらの提携や買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討していますが、事業遂行、技術、製品、人事、システム、関連当局の独占禁止法(競争法)への対応などの面で統合に時間と費用を要することに加え、資金調達、技術管理、製品開発などの経営戦略について提携先・買収先と不一致が生じたり、提携先・買収先において財務上その他の事業上の問題が生じた場合などに、提携関係・資本関係を維持できない、または買収時に想定していた投資回収や収益性を実現できなくなる可能性があります。また、提携先・買収先の主要顧客や主要人員を維持・確保できないことなどにより、想定していたシナジーやメリットが実現できない可能性があるなど、提携や買収が当初の期待通りの目的を達成できる保証はありません。

 

(8) 資金調達

  当社グループは、事業資金を金融機関からの借入や社債の発行などにより調達しておりますが、新製品を発売し、事業・投資計画を実行し、生産能力を拡張し、技術もしくはサービスを取得し、または負債を返済するため、将来、追加的に資金を調達しなければならない可能性があります。半導体業界の事業環境の悪化、金融・証券市場の環境の悪化、貸手側の融資方針の変更などにより、当社グループが必要な資金を適時に調達できない、または資金調達コストが増加する可能性があることなどにより、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。また、当社は、企業買収を実施する際の買収資金についても金融機関からの借入などにより調達する可能性があります。しかしながら、金融機関からの借入などの実施により、当社は有利子債務を負担することになるところ、当初想定したキャッシュ・フローの創出が実現しない場合には、当社グループの財務内容が悪化し、信用格付けが引き下げられる可能性があり、その場合にも、資金調達コストの増加や、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。なお、当社グループが金融機関と締結している借入に係る契約の一部には財務制限条項が定められております。万一、当社グループの財務内容などの悪化により同条項に抵触し、上記借入について期限の利益を喪失する場合、当社グループの事業、業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 追加ファイナンスについて

 2012年12月10日開催の取締役会決議に基づく第三者割当増資の実行後、当社において更なる成長資金が必要となった場合、旧㈱産業革新機構(2018年9月25日付で㈱産業革新投資機構に商号変更。以下同様)より合計500億円を上限として、追加の出資または融資を行う用意がある旨の申し出を受けておりましたが、旧㈱産業革新機構は、2018年9月21日付で会社分割を実施し、当該会社分割により、当社との契約における旧㈱産業革新機構の契約上の地位を新設分割設立会社である㈱INCJが承継しております。かかる追加の出資または融資の具体的条件および時期は現時点において何ら決定しておらず、かかる追加の出資または融資が確実に実行される保証はありません。当該申し出に基づき、出資が実行された場合には、更なる既存株式の希釈化が生じ、当社株価に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当該申し出に基づき融資が実行された場合には、当社有利子負債が増加し、事業活動などが制約を受ける可能性があります。さらに、今後、金利の変動が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(10) 主要株主である㈱INCJとの関係について

 当社は、2013年9月30日に第三者割当増資の方法により、旧㈱産業革新機構等を割当先として普通株式を発行し、旧㈱産業革新機構は、当該株式の引受けにより、当社の議決権総数の過半数を所有する大株主となりました。その後、同社は、2017年6月以降、段階的にその所有株式を売却するとともに、2018年9月21日付で会社分割を実施し、当該会社分割により、その所有する当社株式の全てを新設分割設立会社である㈱INCJが承継しており、また、㈱INCJは、当該会社分割による承継後、その所有する当社株式の一部を売却しているものの、現在においても㈱INCJは主要株主である筆頭株主となっております。そのため、㈱INCJによる当社株主総会における議決権行使などにより、当社グループの事業運営が重大な影響を受ける可能性があります。また、㈱INCJは、投資目的で当社株式を所有しており、将来において当該株式を市場売却した場合には、売却時の市場環境などにより、当社株式の市場価格などに重大な影響を与える可能性があります。

 

(11) 急速な技術革新など 

 当社グループが事業を展開している半導体市場は、急速な技術変化と技術標準の進展などを特徴としております。そのため、当社グループがこうした変化について、研究開発などにより適切に対応できなかった場合、当社グループ製品の陳腐化、代替製品の出現などにより、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(12) 製品の生産 

① 生産工程 

 半導体製品は、非常に複雑な生産工程を経て生産されております。当社グループは、歩留り(材料当たりの製品良品率)を改善するため、生産工程の適切な管理および改良に継続して取り組んでおりますが、この生産工程に何らかの問題が発生した場合は、歩留りの悪化による製品出荷の遅延や出荷数量の減少、最悪の場合は出荷停止の結果を招く可能性があります。

 

② 原材料、部品、生産設備などの調達 

 半導体製品の生産にあたっては、その生産に必要となる原材料、部品、生産設備などを適時に調達する必要があります。当社グループは、これらの調達に関連する問題の発生を回避するため、複数の供給者との緊密な関係構築に努めておりますが、原材料などの中には特定の供給者からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合や、供給者において自然災害や事故、テロ、戦争、経営状況の悪化、事業撤退などの事象が発生した場合、これらを適時に調達できず、また調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇する可能性があります。また、調達した原材料や部品に欠陥が存在した場合、当社グループの生産工程に悪影響が生じる可能性や当社グループにおける追加の費用負担が発生する可能性があります。 

 

③ 外部への生産委託

 当社グループは、半導体製品の生産の一部を外部のファウンドリ(受託生産専門会社)などに委託しております。これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力などについて、あらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる会社を選定しておりますが、外注先の責による納入の遅延や製品の欠陥をはじめとした、生産面でのリスクが生じる可能性を否定できず、外注先の生産能力不足や自然災害による外注先の操業停止などにより、当社グループが十分な製品供給を行えない可能性があります。

 

④ 適切な水準での生産能力の維持

 半導体市場は市況変動の影響を受けやすく、また、将来の製品需要を正確に予測することは困難であるため、必ずしも当社グループの生産能力を製品需要と見合った適切な水準に維持できるとは限りません。また、製造工場における火災、停電、システム障害などの事故の発生といった予期せぬ事由により、当社グループの生産能力が一定期間において大きく低下する可能性があり、さらに、生産能力増強のための設備投資を行う場合であっても、通常、実際に当社グループの生産能力の増強に寄与するまでには一定期間を要します。

 そのため、特定の製品に関する需要が、ある時点における当社グループの生産能力を大幅に超過し、かかる需要超過の状態が継続した場合であっても、顧客が希望する製品供給を適時適切に行うことができず、当該製品に関する販売機会の喪失、競合他社製品への切り替えによるマーケットシェアの低下、当該顧客との関係悪化などを招く可能性があります。

 他方、特定の製品に関する製品需要の高まりに応じて設備投資を行い、生産能力の増強を図った場合であっても、当該設備投資により実際に生産能力が増強される時点以降において当該製品に関する需要が維持される保証はなく、実際の製品需要が想定を下回った場合などにおいて当該設備投資について見込んだ収益による投資の回収が行えない可能性があります。

 

(13) 品質問題

 当社グループでは、様々な施策を通じて、当社グループ製品の品質向上に取り組んでおりますが、これらの製品に用いられる技術の高度化、顧客における製品の使用方法の多様化、外部調達した原材料や部品における欠陥などにより、出荷時に発見できない欠陥、異常または故障が製品に存在する可能性があり、顧客への出荷後にそれらが発見される場合があります。この場合、製品の返品や交換、損失の補償、製品の採用打ち切りなどの結果につながり、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした事態に備えて、当社グループでは、生産物賠償責任保険(PL保険)、生産物回収費用保険(リコール保険)などの保険に加入しておりますが、それにより損失を全額補填できるという保証はありません。

 

(14) 製品の販売

① 主要顧客への依存

 当社グループは、当社グループ製品の顧客に対する売上高の多くを特定の主要顧客に依存しております。これらの主要顧客が当社グループ製品の採用を中止し、または著しくその発注数量を減らした場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

② 顧客固有の仕様に基づいた製品に係る顧客からの計画の変更など

 当社グループは、顧客からその顧客固有の仕様に基づいた製品の開発を受注することがあります。しかし、受注後に、発注元の顧客がその製品を搭載する予定であった最終製品の市場への投入を延期または中止したり、その製品の機能・性能が顧客の要求に満たない場合には、その製品の採用を中止する可能性があります。また、顧客は、その製品を組み込んだ最終製品の売れ行きが芳しくない場合、その製品の発注数量を減少させ、または納入期日を延期することがあります。

 こうした特定顧客向け製品に係る顧客からの製品計画の変更、発注の減少や延期などは、当社グループの売上や収益性を低下させる可能性があります。

 

③ 販売特約店などへの依存

 当社グループは、日本国内およびアジア地域では、多くの当社グループ製品を特定の主要な販売特約店などを通じて販売しております。当社グループがこれらの販売特約店などに対して、競争力ある販売報奨金やマージンを提供できない場合または販売特約店などにとって適切な売上数量を確保できない場合、販売特約店などは当社グループ製品の販売体制縮小などの見直しを行い、その結果、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(15) 人材の確保

 当社グループは、事業を展開していくうえで、経営、技術開発、営業その他において優秀な人材の確保に努めております。しかしながら、こうした優秀な人材は限られているため、かかる人材を求める競争は熾烈であります。そうした状況下で、当社グループが優秀な人材を確保することができない可能性があります。

 

(16) 確定給付制度債務

 当社グループが計上している退職給付に係る資産や負債は、割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されております。金利変動や株式市場の下落などにより、数理計算上の前提と実績に乖離が生じ、確定給付制度債務が増加もしくは年金資産が減少した場合、退職後給付制度における積立不足が増加し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(17) 設備投資と固定費比率

 当社グループが営む半導体事業は、多額の設備投資を必要とする事業であり、当社グループは、継続的に設備投資を行っておりますが、かかる設備投資に伴い償却費用を負担する必要があります。また、市場環境の変化に伴い需要が減少し、想定した販売規模を達成できない場合、あるいは供給過剰により製品の単価が下落した場合、こうした設備投資の一部または全部について、回収することができない、あるいは回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があり、その結果、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの費用の大部分は、上記の設備投資に伴う償却費用に加えて、工場の維持等に伴う生産コスト、研究開発費用といった固定費で占められているため、主要顧客からの受注の減少、製品需要の減少等による売上の減少や、工場稼働率の低下等が生じた場合であっても、それらの事象に対応した固定費の削減を行うことが困難であり、その結果、比較的小規模の売上の減少等が当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 固定資産の減損

 当社グループは、工場設備などの有形固定資産に加えて、過去の企業買収に伴う多額ののれんなどの無形資産を含む多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産については、減損の兆候がある場合、固定資産から得られる将来のキャッシュ・フローによる資産の帳簿価額の回収可能性を検討しております。その結果、当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合には、減損を認識しなければならない可能性があります。

 

(19) 情報システム

 当社グループの事業活動において、情報システムの重要性が増大しております。当社グループでは、情報システムの安定的運用に努めておりますが、自然災害、事故、コンピューターウイルス、不正アクセスその他の要因により情報システムに重大な障害が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(20) 情報管理

 当社グループは、事業活動の遂行に関連して、多数の秘密情報や個人情報を有しております。これらの情報については、法令や社内規則に基づき管理しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出するおそれがあり、そのような事態が生じた場合、営業秘密の流出による競争力の低下や、顧客の信用や社会的信用の低下を招き、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 法的規制

 当社グループは、事業を展開する国および地域において、事業や投資の認可、独占禁止法(競争法)上の制限、輸出制限、関税、会計基準・税制、環境法令をはじめとする様々な規制の適用を受けております。今後、法的規制の強化などに伴う事業活動の制約、コストの増加などにより、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 当社グループは、法令遵守や財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用していますが、内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。従って、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。当社グループが法令等に違反した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分もしくは損害賠償請求の対象となり、または当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(22) 環境問題

 当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けております。当社グループは、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、環境問題に対して法的もしくは社会的責任を負う可能性があり、そのような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用負担が発生する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。

 

(23) 知的財産権

 当社グループは、知的財産権の確保に努めておりますが、その国や地域などによっては知的財産権に対する十分な保護を得られない可能性があります。また、当社グループ製品には第三者からライセンスを受けて開発・製造・販売しているものがありますが、今後、第三者から必要なライセンスを受けられない可能性や、ライセンスを受けられるとしても従前よりも不利な条件でしかライセンスを受けられない可能性があります。さらに、当社グループの製品に係る知的財産権に関して、当社グループまたはその顧客が第三者から特許侵害訴訟等を提起され、その結果によっては、当社グループの当該製品が、一定の国・地域で製造・販売できなくなる可能性や、当社グループが第三者または当社グループの顧客に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

 

(24) 法的手続

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記 36.コミットメント及び偶発債務  (4)その他」に記載のとおりであります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針および将来に関する仮定および報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。

 

(2) 財政状態の状況

   (単位:億円)

 

前連結会計年度末
(2021年12月31日)

当連結会計年度末
(2022年12月31日)

前連結会計年度末比
増(減)

資  産  合  計

24,263

28,123

3,860

資  本  合  計

11,534

15,375

3,841

親会社の所有者に帰属する持分

11,501

15,338

3,837

親会社所有者帰属持分比率(%)

47.4

54.5

7.1

有 利 子 負 債

8,313

7,700

△613

 D/Eレシオ(倍)

0.72

0.50

△0.22

 

 

 当連結会計年度末の資産合計は28,123億円で、前連結会計年度末と比べ3,860億円の増加となりました。これは、主に売上収益の拡大による売掛債権の増加および為替相場の変動によりのれんなどが増加したことによるものであります。資本合計は15,375億円で、前連結会計年度末と比べ3,841億円の増加となりました。これは、自己株式の取得により減少したものの、為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額などのその他の資本の構成要素が増加したこと、および当期利益により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。

 親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比べ3,837億円増加し、親会社所有者帰属持分比率は54.5%となりました。有利子負債は、主に借入金の返済による減少などにより、前連結会計年度末と比べ613億円の減少となりました。これらの結果、D/Eレシオは0.50倍となりました。

 なお、第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。

 

 

(3) 経営成績の状況

当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP」)およびIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。

Non-GAAP売上収益、Non-GAAP売上総利益ならびにNon-GAAP営業利益は、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益(以下それぞれ「IFRS売上収益」、「IFRS売上総利益」および「IFRS営業利益」)から、非経常的な項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであります。当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しており、当社グループはNon-GAAPベースで予想値を開示しております。具体的には、企業買収に伴い、認識した無形資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。

当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。

(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。

 

① 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績(Non-GAAPベース)

(単位:億円)

 

前連結会計年度
(2021年1月1日~
2021年12月31日)

当連結会計年度
(2022年1月1日~
2022年12月31日)

前期比増(減)

Non-GAAP売上収益

9,944

15,027

5,083

51.1%

 

自動車

4,623

6,450

1,827

39.5%

 

産業・インフラ・IoT

5,155

8,459

3,303

64.1%

 Non-GAAP売上総利益

(率)

5,289

(53.2%)

8,632

(57.4%)

3,343

(4.3pts)

63.2%

 

自動車

2,146

(46.4%)

3,244

(50.3%)

1,099

(3.9pts)

51.2%

 

産業・インフラ・IoT

3,123

(60.6%)

5,353

(63.3%)

2,230

(2.7pts)

71.4%

Non-GAAP営業利益

(率)

2,966

(29.8%)

5,594

(37.2%)

2,628

(7.4pts)

88.6%

 

自動車

1,224

(26.5%)

2,192

(34.0%)

968

(7.5pts)

79.0%

 

産業・インフラ・IoT

1,671

(32.4%)

3,318

(39.2%)

1,647

(6.8pts)

98.6%

米ドル為替レート(円)

109

130

ユーロ為替レート(円)

130

137

 

(注)1 第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。

2 上記表の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。

3 為替レートは、収益・費用の換算に用いた各月のレートを平均したものであります。

 

当連結会計年度における業績は、以下のとおりであります。

 

(Non-GAAP売上収益)

当連結会計年度のNon-GAAP売上収益は、前連結会計年度と比べ51.1%増加し15,027億円となりました。これは、2021年8月31日に買収が完了したDialog社の連結効果や円安効果に加え、自動車向け事業では、1台あたりの半導体搭載金額の継続的な伸長を背景に、売上収益が増加したこと、産業・インフラ・IoT向け事業では、データセンタなどに代表されるインフラの需要拡大などを捉えた売上収益の増加などによるものであります。

 

(Non-GAAP売上総利益 (率)) 

当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益は8,632億円となり、前連結会計年度と比べ3,343億円の増加となりました。これは、上記の売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などに伴う売上総利益率の上昇によるものであります。その結果、当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益率は、57.4%となり、前連結会計年度と比べ4.3ポイントの増加となりました。

 

(Non-GAAP営業利益 (率))

当連結会計年度のNon-GAAP営業利益は5,594億円となり、前連結会計年度と比べ2,628億円の増加となりました。これは、上記の売上総利益の増加のほか、効率的な業務運営に努めたことなどによるものであります。その結果、当連結会計年度のNon-GAAP営業利益率は、37.2%となり、前連結会計年度と比べ7.4ポイントの増加となりました。

 

当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

<自動車向け事業>

自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
 当連結会計年度における自動車向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ39.5%増加し6,450億円となりました。これは主に、上記のとおり自動車生産減少からの回復を受け、「車載制御」および「車載情報」の売上収益が共に増加したことによるものであります。

当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP売上総利益は、前連結会計年度と比べ1,099億円増加し、3,244億円となりました。これは、売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などによる売上総利益率の上昇によるものであります。

当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP営業利益は、増収効果および売上総利益率改善に伴う利益増により、前連結会計年度と比べ968億円増加し2,192億円となりました。

 

<産業・インフラ・IoT向け事業>

産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoCおよびアナログ半導体を中心に提供しております。
 当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ64.1%増加し8,459億円となりました。これは、上記のとおり、Dialog社の連結に伴う増収や円安効果に加え、「産業」、「インフラストラクチャー」、「IoT」のそれぞれの区分において増収したことによるものであります。増収に寄与したのは、FA(ファクトリーオートメーション)機器向け、PC/携帯電話向け、データセンタ向けでありました。

当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上総利益は、前連結会計年度と比べ2,230億円増加し5,353億円となりました。これは、売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などによる売上総利益率の上昇によるものであります。

当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP営業利益は、増収効果および売上総利益率改善に伴う利益増により、前連結会計年度と比べ1,647億円増加し3,318億円となりました。

 

当社グループは2020年2月17日に中期の戦略および財務モデルを公表しております。当社グループでは、注力市場に経営資源を集中投下することで、Long-term targetとして市場を上回る売上成長率を実現し、生産効率の最適化、製品ミックスの改善および買収した企業との統合シナジーの発現を目指しております。2021年9月29日には財務モデルを更新し、Non-GAAPベースで売上総利益率50~55%に、営業利益率25~30%とすることを目標に掲げました。

なお、中期の戦略および財務モデルで各目標は、提出日現在における当社グループの長期的な経営目標であり、その達成を保証するものではなく、「2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスク要因その他外部環境等の変化により、その結果が左右される可能性があります。

 

 

 

 ② Non-GAAP売上総利益からIFRS売上総利益、およびNon-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整

 


 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年1月1日~
  2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年1月1日~
  2022年12月31日)

Non-GAAP売上総利益

(率)

5,289

(53.2%)

8,632

(57.4%)

売上収益段階までの調整項目(注)1

△5

△18

無形資産および固定資産償却費

△9

△10

棚卸資産の時価評価額

△131

△15

株式報酬費用

△14

△15

その他非経常的な項目

および調整項目(注)2

△169

△32

IFRS売上総利益

(率)

4,961

(49.9%)

8,540

(56.9%)

 

 

 

Non-GAAP営業利益

(率)

2,966

(29.8%)

5,594

(37.2%)

売上収益段階までの調整項目(注)1

△5

△18

無形資産および固定資産償却費

△673

△1,062

棚卸資産の時価評価額

△131

△15

株式報酬費用

△149

△181

その他非経常的な項目

および調整項目(注)2

△270

△75

IFRS営業利益

(率)

1,738

(17.5%)

4,242

(28.3%)

 

(注)1 PPA(取得原価の配分)実施に伴う調整であります。

 2 その他非経常的な項目および調整項目には企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などが含まれております。

 3 第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。

 

③ 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績(IFRS)


 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年1月1日~
  2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年1月1日~
  2022年12月31日)

前期比増(減)

売上収益

9,939

15,009

5,069

51.0%

売上総利益

(率)

4,961

(49.9%)

8,540

(56.9%)

3,579
(7.0pts)

72.1%

営業利益

(率)

1,738

(17.5%)

4,242

(28.3%)

2,503

(10.8pts)

144.0%

 

(注)第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品群であっても、その性能、構造、形式などは必ずしも一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、品目ごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産、受注および販売の状況については「第2  事業の状況 3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における売上収益のセグメントに関連付けて示しております。なお、主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

 

関連する報告セグメント名

前連結会計年度

当連結会計年度

金額

(百万円)

比率(%)

金額

(百万円)

比率(%)

㈱リョーサン

自動車および産業・インフラ・IoT

141,325

14.21

WT Microelectoronics

自動車および産業・インフラ・IoT

127,845

12.86

 

(注) 当連結会計年度においては、総販売実績に対し10%以上を占める単一の外部顧客との取引はないため、記載を省略しております。

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況

(単位:億円)

 

前連結会計年度
(2021年1月1日~

  2021年12月31日)

当連結会計年度
(2022年1月1日~

  2022年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,074

4,793

投資活動によるキャッシュ・フロー

△6,631

△975

フリー・キャッシュ・フロー

△3,557

3,818

財務活動によるキャッシュ・フロー

3,409

△2,948

現金及び現金同等物の期首残高

2,198

2,219

現金及び現金同等物の期末残高

2,219

3,361

 

(注)フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,793億円の収入となりました。これは主として、税引前利益を3,623億円計上したこと、および減価償却費などの非資金項目を調整したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、975億円の支出となりました。これは主として、有形固定資産や無形資産の取得による支出などによるものであります。

 

  この結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは、3,818億円の収入となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,948億円の支出となりました。これは主として、自己株式の取得による支出や主要取引銀行などへの借入金の返済を行ったことなどによるものであります。

 

 

(5) 流動性および資金の源泉

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、および健全なバランスシートを維持することを基本方針としております。

当社は、旧IDT社の買収に必要な資金の調達、および中長期的な運転資金の確保を目的とした既存借入金の借り換えのため、2019年1月15日付で主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総額8,970億円のシンジケートローン契約を締結しました。このうち、2019年3月に6,980億円の実行可能期間付タームローンの借入を実行しました。また、2019年6月に既存のタームローンの借入の一部を返済するとともに、1,490億円のタームローンの借入を実行しました。

当社は、2021年8月31日付で、Dialog社の買収に必要な資金を調達するため、㈱三菱UFJ銀行および㈱みずほ銀行から総借入額2,700億円のタームローンの借入を実行しました。

また、2021年12月23日付で、既存借入れ2,700億円のうち、既に返済済みの300億円を除いた2,400億円について、中長期性の資金に借り換えることを目的として、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総借入額960億円のシンジケートローン契約を締結し、㈱国際協力銀行との間で、総借入額1,440億円のJBICローン契約を締結しました。これらの契約に基づいて、2021年12月30日に総額2,400億円の借入を実行しました。

当社は、2021年11月19日付で、複数トランシェによる米ドル建無担保普通社債の発行を決定し、2024年満期米ドル建無担保普通社債500百万米ドルおよび2026年満期米ドル建無担保普通社債850百万米ドルを発行し、総額1,350百万米ドルの資金を調達しております。当連結会計年度末における当社債の残高の円換算額は1,786億円となっております。

当社は、2022年4月に、2019年1月15日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする500億円の短期借入を実行し、2022年7月に全額返済しました。

また、2022年6月28日付で、今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的として、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店との間で、総額200百万米ドルのタームローン契約を締結し、2022年6月30日付で、㈱三菱UFJ銀行との間で、総額200億円のタームローン契約を締結しました。これらの契約に基づいて、2022年6月30日に総額471億円の借入を実行しました。

当連結会計年度末における借入金の残高は5,772億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,361億円となっております。

 

(6) オフバランス取引

当社グループは、資産効率を高めるために、特定の売上債権等の流動化を適宜行っております。当連結会計年度末における流動化残高は140億円であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループの事業遂行上、重要な契約とその内容は、次のとおりであります。

 

  (1) 技術援助契約およびこれに類する契約

契約および相手方の名称

契約締結日

契約の概要

①  Texas Instruments Incorporated

との特許クロスライセンス契約

2011年3月2日

半導体に係る特許権のクロスライセンス(子会社を含む。)

②  Arm Limitedからの技術導入契約

2015年12月22日

半導体の設計に係る技術の導入

 

 

 (2) 借入契約

借入先

契約締結日

契約の概要

① ㈱三菱UFJ銀行

  ㈱みずほ銀行

  三井住友信託銀行㈱等

2019年1月15日

買収に必要な資金の一部の調達および中長期的な資金として既存借入金の借り換えを目的とした総額3,567億円のシンジケートローン

②  ㈱三菱UFJ銀行

   ㈱みずほ銀行

    三井住友信託銀行㈱等

2021年12月23日

既存借入れについて中長期性の資金に借換えることを目的とした総額702億円のシンジケートローン

③ ㈱国際協力銀行

2021年12月23日

既存借入れについて中長期性の資金に借換えることを目的とした総額1,054億円のタームローン

④ バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エ

  イ東京支店

2022年6月28日

今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的とした総額200百万米ドルのタームローン

⑤ ㈱三菱UFJ銀行

2022年6月30日

今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的とした総額200億円のタームローン

 

 

 

5 【研究開発活動】

(1) 研究開発活動の体制および方針

当社グループの研究開発活動は、現在から近い将来にかけて必要とされるデバイス、ソフトウエアおよびシステムなどの開発において、車載制御、車載情報に関する製品はオートモーティブソリューション事業本部が、産業、インフラストラクチャーおよびIoTに関する製品はIoT・インフラ事業本部が担当して取り組んでおります。デバイス・プロセス技術、実装技術、設計基盤・テスト手法などの部門横断的な共通技術については、各事業本部と生産本部とが協力しながら担当する体制としております。
  加えて、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。
  家電製品や自動車などあらゆるモノがネットワークに繋がり、相互に情報交換しサービスが提供される超スマート社会では、これまで当社が強みとしてきたマイコンやSoCといったデジタル製品が担う演算機能、アナログ製品が得意とする人の目・耳・鼻などに相当するセンシング機能、さらにパワー製品が得意とするモータ等を動かすためのアクチュエータ機能が有機的に繋がり連携する必要があります。当社グループは、センシングからアクチュエータ機能まで幅広くサポートするための製品ポートフォリオを拡充し、アナログ製品とデジタル製品を組み合わせたソリューション(ウィニング・コンビネーションと呼称)を強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウエアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を行うことにより注力する市場での成長を実現していきます。

 

(2) 主な研究開発の成果

 ① 従来技術と比べ最大10倍の電力効率を実現したAIチップ開発を発表

当社グループは、複雑なタスクを処理するDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)を用いたAIチップを開発しました。

本AIチップは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」プロジェクトにおいて、当社グループ独自のAIアクセラレーター「DRP-AI」と電力効率を一層高めるAI軽量化技術を組み合わせて開発しました。

本AIチップの電力効率は1ワット当たり10TOPS(演算10兆回/秒)で、従来技術と比べ最大で10倍もの電力効率を実現し、また、セキュリティカメラや自動搬送車、サービスロボットなど、低い消費電力のもとでリアルタイムに応答することが求められるAI機器に組み込むことができます。さらに、使用する装置側において、その使用環境の変化に応じて適切に対応できる学習システムも開発し、その基本動作を実証しました。

当社グループは、本AIチップの開発により、スマート市場やロボティクスをはじめとした様々な産業において自動化を推進・拡大し、DX(Digital Transformation:デジタル変革)の加速に伴う新たなサービスの創造にも貢献します。

 

② ECUレベルのソフトウエア開発をハードウエアなしで実現する統合開発環境の提供を開始

当社グループは、自動車の開発に際し、ソフトウエアが自動車の価値を主導する「ソフトウエアファースト」と、自動車開発の初期段階からハードウエアがなくてもその仕様や機能、性能の検証を行うことができる「シフトレフト」の実現に貢献するための開発環境の拡充の一環として、統合開発環境の提供を開始しました。

本開発環境は、従来、SoCやマイクロコントローラなどの個別の半導体用に提供していたR-Car Virtual Platform等のシミュレータ群を統合・連動させることにより、複数のLSIが搭載された自動車のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)の動作シミュレーションを可能にし、個々の半導体に対して、同時かつ同期した実行やブレーク制御、トレース情報の取得を実現します。また、本開発環境は、オープンソースの仮想環境であるQEMU(コンピュータの動作をソフトウエア的に再現するエミュレータ型の仮想化ソフトの一つ)をベースに、高い抽象度でSoCやマイクロコントローラなどをモデル化することで、自動車のECUレベルの大規模な動作シミュレーションをより高速に実現できます。

当社グループは、本開発環境により、顧客に対し、顧客製品の開発の初期段階から検証環境を提供するとともに、その製品価値を向上させるECUレベルでのソフトウエア開発を可能にし、ソフトウエアファーストとシフトレフトの実現に貢献します。

 

③ RAファミリ向けセキュア暗号エンジンが米国セキュリティ認証CAVPを取得

当社グループは、Arm社Cortex®-Mコア搭載32ビットマイクロコントローラ「RAファミリ」に搭載するセキュア暗号エンジンである「SCE(Secure Crypto Engine)9」に実装する暗号アルゴリズムについて、NIST(National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所)の暗号アルゴリズム認証制度であるCAVP(Cryptographic Algorithm Verification Program)の認証を取得しました。

本認証制度は、暗号アルゴリズムが正しく実装されているか否かをNISTが第三者の立場から検証する制度で、セキュリティの相互運用性を担保するために不可欠なものであります。

当社グループは、今回、SCE9を搭載するRAファミリ製品(RA6M4、RA6M5、RA4M2、RA4M3の各製品グループ)で利用可能な暗号方式(共通鍵方式:AES、公開鍵方式:RSA等)や、復元化(ハッシュ)、鍵生成と認証、鍵合致の仕組みなどのアルゴリズムについて、CAVPの認証を取得したことになります。

当社グループは、本認証の取得により、同様の認証制度であるPSA Certifiedレベル2およびSESIPレベル1とあわせて、包括的なIoTセキュリティソリューションを提供できるようになり、その結果、幅広いコネクテッドデバイス分野において、顧客によるデータの安全性確保を支援することができます。

 

(3) 研究開発費

当社グループでは開発費の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費は、2,067億円となり、前連結会計年度の1,553億円と比べ515億円増加しました。これは主に、製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。

なお、当社グループの研究開発は、大半が自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係るものであるため、セグメントごとの記載は省略しております。