第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 なお、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況につきましては、次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等について)

 当社グループは前連結会計年度において、半導体需要のダブつきによる工場稼働率の調整の影響を受け、売上・受注時期がずれ込み、売上高210,315千円と低調な結果となり、営業損失693,502千円、親会社株主に帰属する当期純損失686,241千円を計上しております。

 当第1四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の影響によって中国で起きた「各種規制」の影響を主な要因として、これまで市場をけん引してきたスマートフォンや情報端末の販売が急激に鈍化したこと、並びに先進各国において勧められてきたテレワークの減少に伴い、PC及びネットワーク機器などのPC周辺機器に関しても大きく需要が減速、民生機器向け半導体を中心に在庫がだぶつき、各生産工場は生産調整に入りました。このことから当第1四半期連結累計期間における新規設備投資は見送られ、受注残の出荷並びに新規の受注は第2四半期連結会計期間以降となりました。

 以上より、当社グループの連結ベース売上高は、82,583千円にとどまり、半導体検査装置事業の利益率が低調であったこと及び労務費・販管費等も増加したことから、営業損失131,890千円となり、親会社株主に帰属する四半期純損失を139,119千円計上しております。

 上記のとおり、継続的な営業損失が発生している状況にあり、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループはこうした状況を早期に解消又は改善すべく、以下の対応策を継続して実施しております。

 

事業施策

1.中国国内での受注販売活動の促進

 まず、上記で述べたように2022年下半期から顕在化したテレワークの減少や、中国各地でのロックダウン等、新型コロナウイルス感染症に伴う各種の規制の影響で最終製品の更新サイクルが鈍化し、半導体チップ、特にスマートフォンやPC、そしてIT機器などの需要が大きく後退、各半導体工場における在庫調整が発生しました。そのため最終製品市場の市況は大きく後退、在庫増が嫌気され、薄型パネルを含めた、PC等の民生機器向け半導体部材の在庫調整を急ぐデザインハウスの計画修正を受ける形でOSATは、工場の稼働率を5割程度まで削減、その結果、市場は新規設備投資に慎重な姿勢に変化しています。しかし、中期的に2023年7月以降の半導体市場は、各国政府の進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる進展や脱炭素化推進に向けた取り組み、自動運転や5G、6Gなどの高速通信環境がもたらす新しい世界(VRやメタバース)が急速に拡大、また半導体市場は、今後の10年、データセンターやGX投資(グリーン投資)など、官民連携によるインフラの整備がけん引役となり、足元のリセッションにも負けず、力強く成長すると見られております(EETIMES)。

 また、近年の半導体の複雑化や集積度向上(例、線幅4nmから2nm)は半導体の機能の増加を意味し、検査時間の伸長に繋がります。しかしながら、同時に量産性も要求されるため、半導体テスタ市場は、装置能力の向上に加え装置台数の増加が期待される方向と考えております。

 当社グループが「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置は、液晶パネルに使われるDDIC(ディスプレイドライバーIC)の検査に使用されており、また、それら情報端末ではLCDドライバICだけではなく、当社が得意とするCMOSイメージセンサーIC、ロジックICなど多種に渡る周辺半導体デバイスが使われております。現状足下では、景気の足踏み状態が続いておりますが、中長期的には需要も戻り、大きな伸びが期待される分野です。

 当社の主力検査装置WTS-577SRにつきましては、2021年から販売を開始し、当第1四半期連結累計期間においては、装置の貸出しを伴うベンチマークに積極的に取組み、お客様から量産ラインへの投入評価をいただくことができました。上述のような理由から新規の受注にはまだ至っておらず、JETRO等の予想では2023年の半導体は、メモリーでは、在庫調整が2023年後半まで続くとの見方がありますが、半導体製造装置セクターにおいては、2023年前半は落ち込むが後半は回復へ(JETRO分析レポート)との予測もあり、受注は当年度第2四半期連結会計期間以降を予定しております。

 今後販売店戦略の見直しを行い、当社の中国製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」(以下、「ウインテスト武漢)という。)の営業体制の拡大強化を行い、受注残の早期納入、海外営業と海外アフターサポート体制の拡充を進め、営業活動を見直してまいります。

 次に、ウインテスト武漢においては、コストの削減と顧客対応力の両方を強化、更なる最終組立工程の製造品質の向上に取り組み、中国国内市場への深耕を図ってまいります。

 さらに中国市場攻略のスピードアップを進めるため、ウインテスト武漢において、大手優良デザインハウス数社に的を絞った戦略を取り、関連するOSATへの貸出を進め、営業、納入、サポートと一貫体制を敷き、顧客からの信頼獲得を図ってまいります。

 

2.技術開発の強化

 先端ロジックIC検査装置(1024チャンネル、820Mbps)に関しては、2024年第1四半期でのリリースを目指しております。国内、台湾、中国顧客向けを想定した開発を継続しており、多くの部分を現在開発中の次世代LCDドライバー検査装置と共用することで、開発期間の短縮を狙い、市場へリリースできるように計画しております。

 また、新たな収益の柱を構築するための成長戦略として、当社グループがこれまで培ってきた検査技術や画像処理技術、高精度センサー技術、データ解析技術を応用、且つ大阪事業所、ウインテスト武漢の技術陣と協働し、今後の市場拡大が見込まれるメモリーやデジタルICチップ等の検査分野、5Gとその後の6G通信規格の台頭とともに注目を集めるパワーデバイス検査分野への進出を2025年までに目指し、M&Aなども視野にシナジーの高い事業会社との資本・業務提携を積極的に進め、当該分野への新規参入、対応可能検査範囲の拡充と展開を計画、収益基盤の拡充に取り組んでまいります。

 

3.隣接領域の展開と製品化

 検査装置向け工場FA化機器技術(「自重補償機構技術」)については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、特許等の申請については、既にお知らせのとおり手続きは終了しております。当該技術は当社の検査装置とウエーハ搬送装置との間のドッキングアダプター(以下「ポゴタワー」という。)の着脱(約25㎏~30㎏)をオペレータ一人で簡単に安全に行うための補助アーム(以下「マニピュレータ」という。)で製品化を目指し、当面の目標として、その搬送可能重量を50㎏前後で製品化を行います。その後応用製品として「半導体製造工場内FA化システム」、「物流搬送システム」や「介護等」への応用が可能と考えております。

 奈良県立大学と進めております脈波(BCG,ECG)を利用したヘルスケア管理システムは、同大学並びに株式会社TAOS研究所とアライアンスを継続し、製品化行いました。2023年3月9日に開示しました「IoTセンサーを活用したセルフヘルスケア機器の販売開始決定及び価格に関するお知らせ」に記載いたしましたとおり、2023年4月1日より試験販売を開始いたしました。なお、当該製品の製造に関しましては当社大阪事業所で製造を行います。詳細につきましては、当社WEBページをご参照ください。

 

財務施策

 財務面については、財務基盤の安定化を図るために、2023年1月13日開催の取締役会において、GFA株式会社を割当先とする第三者割当による新株予約権の発行を決議し、2023年1月30日にその引受代金の払込完了、当第1四半期連結会計期間末までにその行使により236百万円を調達済であり、今後残りの行使分も順調に行われると見込まれます。筆頭株主である武漢精測と諮りながら、同社及び金融機関からの借入、並びに資本増強等による資金確保についての施策を今後とも継続して実施してまいります。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年3月31日)における世界経済は、金融関連の混乱や高インフレ、ロシアによるウクライナ侵攻長期化などの影響、また3年にわたる新型コロナウイルス感染症を受けて、見通しは再び不透明さを増しており、経済成長率は、2022年の3.4%から2023年は2.8%へ鈍化しており、アナリストによる世界経済の成長率予測が2023年下期には、約2.5%にまで低下するとの予測もある中、先進国の成長率は1%を下回ることになるとの見解もあり、予断を許さない状況が続いております(世界経済見通し WEO)。 同期間における我が国経済に目を向けると、日銀短観では、周辺国との地政学的な影響も色濃く受け、また円安による原材料高が我が国経済を直撃し、製造業を中心に景況感が低迷、加えて世界的な半導体需要の落ち込みから電子機器の需要も悪化しております。一方、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に、小売などの消費関連の景況感は改善しており、第3次産業活動指数は、現時点の2023年3月では、前月対比+0.9%と2か月ぶりの上昇。新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きを受けて、運輸業・郵便業や生活娯楽関連サービスなどが上昇しております。

 当社グループが属する半導体並びにフラットパネルディスプレイ業界におきましては、世界的なテレワーク需要の減少を背景に、民生品向け半導体やフラットパネルディスプレイの需要が急減、在庫がダブつく事態となり、最終製品の出荷数量も、PCモニタやノートPC、スマートフォンなどを中心に全体の数量として大きく減少しております。その結果、年初からパネル等の価格も下落が続き、中国のディスプレイパネルメーカーを中心に工場の稼働率を下げる動きが目立ち、それに伴い新規設備投資にも慎重さが目立ちます。しかしその反面徐々に、5Gなどのインフラの整備が進み、車載、AR/VR、パブリックディスプレイなどの新規アプリが伸びており、特にパブリックディスプレイは欧米やアジアの一部がロックダウンを解除し、公共の場に大勢の人が出てくるようになったことから、そうした場所に新たにディスプレイを設置するニーズが高まりを見せており、2023年下期には各工場における、製造調整も一段落、スマホやPC等を中心に既存分野も回復することが期待され、生産数量、出荷数量ともに減少に転じるものと期待されております(Omdia社)。また今後の半導体市場は今後の10年は、データセンターやGX投資(グリーン投資)など、官民両輪によるインフラの整備がけん引役となり、足元のリセッションにも負けず、力強く成長すると見られております(EETIMES)。

 このような環境下、当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、中国、台湾のLCDドライバーIC等のデザインハウスやOSATの設備投資意欲が減退するなか、2023年下期といわれる生産調整の終了を睨みつつ、引続き現地の顧客ニーズに適合したLCDドライバーIC検査装置や、次世代検査ユニットなどの開発を継続しています。

 また、営業面では販売店に集中させていた、販売方法を見直し当社の製造子会社の営業を含めた直接販売も拡大することとし、現地マーケットに集中した営業展開を開始いたしました。しかしながら当第1四半期連結累計期間においては、上述のように、お客様工場の在庫のだぶつきから生産調整が発生、その影響を受け計画されていた設備投資もまた第2四半期連結会計期間以降となることとなりました。

 この結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの売上高は82,583千円(前年同四半期比59.8%増)、営業損失131,890千円(前年同四半期は営業損失177,005千円)、経常損失138,499千円(前年同四半期は経常損失165,033千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失139,119千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失165,652千円)となりました。

 なお、セグメント区分については、従来報告セグメントの「半導体検査装置事業」及び報告セグメントに含まない「その他」の2つにセグメントを区分しておりましたが、当第1四半期連結累計期間より「半導体検査装置事業」の単一セグメントに変更しております。

 これは、「その他」の事業セグメントに含まれておりましたオーディオ事業を株式会社データゲート(大阪府大阪市北区)に事業譲渡を行ったことにより、「その他」に含まれていた事業がなくなったため、報告セグメントを「半導体検査装置事業」の単一セグメントとして管理することが適切と判断したためであります。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度に比べ20,358千円減少し、1,856,942千円(前連結会計年度末比1.1%減)となりました。この主な要因は、現金及び預金が89,418千円減少したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度に比べ110千円増加し、25,053千円(前連結会計年度末比0.4%増)となりました。この主な要因は、投資その他の資産のその他が110千円増加したことによるものです。

(負債)

 流動負債は、前連結会計年度に比べ139,007千円減少し、234,727千円(前連結会計年度末比37.2%減)となりました。この主な要因は、短期借入金が157,030千円減少したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度に比べ8,452千円減少し、167,339千円(前連結会計年度末比4.8%減)となりました。この主な要因は、長期借入金が8,433千円減少したことによるものです。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度に比べ127,210千円増加し、1,479,928千円(前連結会計年度末比9.4%増)となりました。この主な要因は、資本金及び資本剰余金がそれぞれ119,699千円増加したことによるものです。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は57,418千円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。