第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、『Make the Impossible Possible』をコーポレートメッセージとして掲げ、「ものづくりのグローバルメーカーとして新しい価値を創造し、ヘルスケア産業の発展と人々の健康・福祉に貢献する。」という当社グループのMISSIONを果たす企業集団でありつづけることを経営方針としております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、紙おむつ・生理用ナプキン製造機械の専門メーカーとして時代の変化にスピーディーに対応して新しい価値を創造し、時代を先取りする独創性と技術力でお客様の課題を解決するのみでなく、お客様の期待を超えた提案をし続けられるよう、当社社員の成長を促し、企業価値を向上するために、行動指針『THE ZUIKO WAY』を策定して、経営戦略の実行により経営計画の達成に努めております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは第2次中期経営計画(2021年2月期~2023年2月期)を、モノづくりへの原点に回帰し新たなZUIKOを再構築する期間と位置づけ、新しい行動指針『THE ZUIKO WAY』のもと、技術開発により一層注力する体制に変化することで持続的な企業価値向上を図ってまいりました。

客観的な指標として、売上高、営業利益率、ROEを目標としております。売上高は、当社グループが手掛けた製品の納品実績を含む主たる営業活動によって生じた収益を示し、事業成長性を計測するための有効な指標と考えています。また、主たる事業活動の効率性を示す営業利益率、及び株主資本に対する収益性を示すROEを指標としております。

なお、第2次中期経営計画の最終年度である2023年2月期の達成状況は以下の通りです。

指標

2023年2月期

中期計画目標

実績

目標比

売上高  (百万円)

26,000

26,565

565

営業利益率(%)

10.0

6.8

△3.2

ROE    (%)

10.0

8.5

△1.5

 

第3次中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)における経営目標は以下の通りです。

指標

2026年2月期

目標

売上高  (百万円)

35,000

営業利益率(%)

10.0

ROE    (%)

7.0

 

(4)経営環境

当社グループの主力製品である紙おむつ・生理用ナプキン製造機械の需要は、最終製品である紙おむつ・生理用ナプキンの消費量の動向に影響を受けます。これらの衛生用品の世界における消費量は今後緩やかに拡大すると見込んでおりますが、主要先進国においては少子高齢化により小児用紙おむつ製造機械の需要減少と大人用紙おむつ製造機械の需要増大が予想され、人口増加や生活水準の上昇が見られる地域においては小児用紙おむつ製造機械の需要拡大があると考えております。また、女性の社会進出の進展により、生理用ナプキン製造機械も一定の需要が見込まれます。このような地域ごとのニーズに的確に対応し、高品質の製品を提供し続けることで、持続的な成長を図ります。

2023年においては、国内外において新型コロナウイルス感染症からの経済正常化が進む一方で、物価上昇に対処するための利上げや金融システム不安、ウクライナ情勢の長期化など世界経済は不安定な状況が継続すると予測しております。このような環境のもと、当社グループはこれまで手薄だった地域での売上拡大や新たに開発した新コンセプト機「ZMS(ZUIKO MODULAR SYSTEM)」の販売活動に注力し、衛生用品メーカーの設備投資需要の着実な取り込みを図ります。また、DXによる業務革新や原価低減活動に引き続き取り組み、収益性の向上に取り組んでまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当社グループでは、第3次中期経営計画のもと、持続的な成長と高い収益性を実現できる企業へ躍進すべく、以下の課題に取り組みます。

① 衛生用品製造機械事業の収益性向上

 ・海外市場のさらなる開拓

  欧州市場やアジア・インド市場での受注拡大を目指すとともに、アフリカ市場への進出を準備してまいります。

 ・製品の高付加価値化

  加工機だけでなく付帯設備の全てをZUIKOブランド化し、鍵を回すだけで設備を稼働開始できる状態で納品できるようにする「ターンキーソリューション」や、製品の省エネルギー化・材料効率の向上を実現する機械の開発を進めてまいります。

 ・コスト競争力の向上

  生産工場を集約したことにより生産性を向上し、内製比率の拡大によるコストダウンや工番ごとの採算管理体制を強化してまいります。

② 社会課題の解決に貢献する新規事業への挑戦

 既存の技術やノウハウを活用した事業に参入し、衛生用品製造機械以外の市場にも挑戦してまいります。

 ・メディカル事業

  常備薬としての位置づけとして、ウンド・ケア商品の安定的な受注を目指してまいります。また、創傷被覆材やマスクに続く新たなヘルスケア商品やサービスの開発を強化してまいります。

 ・リサイクル事業

  使用済み紙おむつ燃料化装置を国内外に展開していくとともに、各所のニーズに合わせて装置の改良も進めてまいります。

 ・介護事業

  排泄ケア商品を国内外に展開してまいります。自動排泄処理装置だけでなく、専用おむつの販売も行い、介護者の負担軽減に貢献してまいります。

 ・DX関連事業

  当社の強みである多軸制御で培ったノウハウと、3DCADを用いた仮想空間上での機械設計及びシミュレーションによるデジタルツインを掛け合わせ、様々な産業機械分野に向けて新しいソリューションを提案してまいります。

 ・金属加工事業

  衛生用品製造機械事業で培った加工技術を強みに、他社の金属部品加工を受託することで新たな領域への加工技術を磨いてまいります。

③ 持続的な企業価値向上に向けた基盤強化

 ・サステナビリティ

  SDGsへの取り組みとして、当社製品・事業を通じた社会・環境への貢献だけでなく、当社工場での太陽光発電による電気を社有するEV車両に活用するなど、更なる省エネルギー施策を進めてまいります。

 ・経営体制の強化

  グループ本社の機能を強化し、当社グループ全体のガバナンス強化に努めるとともに、監査等委員会設置会社への移行により機動的な業務執行と経営の透明性を向上してまいります。

 ・DXによる業務変革

  3D設計の推進による設計業務の変革を推進するとともに、受注から製造に至る各プロセスに分散された情報の統合・共有を強化してまいります。また、グループ経営情報の見える化に取り組んでまいります。

 

足もとの経営環境から、2024年2月期の業績の見通しにつきましては、売上高28,000百万円、営業利益2,800百万円と見込んでいますが、これらの重点施策を中長期的な経営戦略として着実に実行し、当社グループ一丸となって、第3次中期経営計画の最終年度の目標として掲げた売上高35,000百万円、営業利益率10%、ROE7%という業績目標の達成を目指すとともに、企業価値の向上に努めてまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。以下はリスク要因を当社グループの判断により、外的要因の影響の高いリスクと内的要因の高いリスクに分類して記載いたします。

 

1. 当社グループのリスクマネジメント体制

 当社グループのリスクマネジメントは、リスクおよび機会を踏まえた適切な意思決定を促し、ビジネスの成長を推進することを目的として取り組んでいます。

 リスクマネジメントのプロセスは、はじめに当社グループの経営理念の実現、中長期計画の実行および達成を阻害しうる不確実性をリスクと捉え、当社の全部門および全グループ会社からリスクおよびその対応策を抽出します。

 次に、抽出したリスクを、影響度、発生可能性(頻度)の観点から評価し、社長を委員長としたリスクマネジメント委員会にて議論の上、重要なリスクを決定するとともに、各重要なリスクの責任者およびリスク対応策を決定します。

 このように特定された重要なリスクについては、各重要なリスクの責任者の指示の下、実行部門により対応策が実行されます。各重要なリスクの責任者は、対応策の実行状況をモニタリングし、その実効性を測定します。これら一連の取り組みは取締役会に報告され、リスクマネジメントプロセスとその対応策の実効性が確認されます。より一層のリスクマネジメント体制強化のため、今後も更なる活動を推進してまいります。

 

2.外的要因の影響が大きいリスク項目

リスク項目

内容

取り組み

影響度

発生頻度

顧客企業の設備投資

動向

当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の衛生用品製造機械の販売が連結売上高の大半を占めております。そのため、衛生用品市場の需要減少、衛生用品メーカーにおける設備投資の抑制等により製造機械への注文が減少した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、グローバル市場の流動的なニーズを的確に捉えながら、顧客企業の需要に合致した新コンセプト機の開発、製品や素材の提案を通じて受注拡大に取り組んでおります。

また、新規事業として、介護事業プロジェクトを発足させるなど、新しい分野に対しても当社グループの技術を活かすことで、衛生用品メーカーの設備投資動向への依存度の緩和を図ってまいります。

材料の調達に関する

リスク

当社グループの収益面における原価構成のうち、材料費及び外注加工費の占める割合が相対的に高い水準にあります。国内外の材料の市場動向により材料の調達が計画から前後することにより、機械製品の納品時期が前後する可能性や、市場価格の変動により収益が変動し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、諸外国の情勢に伴う原材料の高騰や調達困難に備えるため、半導体不足に対応した早期手配による在庫の確保、代替となる材料・部品の調査、調達先や外注業者の新規開拓などを推進しております。

カントリーリスク

当社グループは、北米、南米、ヨーロッパ、中国を中心とするアジアなどにおいて、積極的に事業活動を展開しております。これらの事業展開にあたっては、国内とは異なり、予期しない法律又は規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

 

当社グループは、海外子会社を設立するにあたって、事業上の必要性とともに当該国のカントリーリスクを慎重に検討しております。

また、「関係会社管理規程」において海外子会社各社を所管する部門を定め、定期的に事業上のリスクに係る重要事項を当社に報告する体制としております。

さらに、当社の監査役・内部監査室が、定期的に海外を含む拠点を巡回し、子会社のコンプライアンス、リスク管理その他の管理状況を確認し、問題があれば適宜指摘して是正を促しております。

為替リスク

当社グループは、海外への売上高比率が増加しているだけでなく、製造コスト削減のために海外からの部品調達も増加傾向にあります。海外への輸出は為替リスクを回避するため円建て取引を原則としておりますが、一部外貨建て輸出もあり、大幅な為替変動(円高)は価格競争力を低下させる可能性があります。また、海外の連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しておりますので、大幅な為替変動は当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、海外への輸出取引は為替リスクを回避するために円建て取引を原則としております。在外子会社の財務諸表を換算する際の為替リスクの回避は困難であり、在外子会社については、現地通貨での業績管理を行い、現地通貨ベースでの業績の向上を目指します。在外子会社が現地通貨以外の通貨で取引する場合は、基軸通貨である米ドルで取引を行い、為替の変動幅を最小限に抑えます。

 

自然災害、事故、テロ等の人為的災害、感染症等のリスク

当社グループは、大規模地震や気候変動に伴う自然災害や火災・事故等の発生や、テロ等の人為的災害及び感染症等が発生した場合に、当社グループの設備、情報システム等に影響が出る可能性があります。その他、大規模災害の発生により、経済環境の悪化によって需要動向に大きな変化が生じた場合は、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、自然災害等からの早期復興のため、まずは従業員の安全確保の手段として、避難訓練の実施、緊急連絡網などの整備、災害時の安否確認のフローを備えております。感染症防止対策として、手洗いや消毒の励行、在宅勤務(テレワーク)の導入を実施しております。また、太陽光発電の導入を行い、現在は電力エネルギーの補完となり得る蓄電池の導入を検討しております。

その他、データの保護や迅速な復旧のため、社内データの管理システムおよび他県にデータのバックアップを補完するセンターを整備しております。

知的財産権のリスク

当社グループが販売した製品、あるいは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確・適切に判断できない可能性があり、また、当社グループが認識していない特許権等が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護を図っているほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう知財課を中心に弁護士や弁理士と協働して、リスク管理に取り組んでおります。

税制等に関するリスク

当社グループは、税制面に関する様々な法規制の適用を受けており、今後についても、社会情勢の変化等により規制が強化される可能性や新たな法的規制が設けられる可能性があり、この場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外における税務当局との見解の相違等により追徴課税が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、税制面に関する法律改正や行政上の規制について、事業活動への影響を最小限に抑えるべく、日々精緻に法令制度の調査や社内展開を行っております。

また、当社グループを構成する事業法人は、各国の税法に準拠して税額を計算し、適正な納税を行っており、適用される各国の移転価格税制など国際財務のリスクについても注意を払っております。

コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、事業活動において、対外的には下請法、競争法その他の取引に関連する法令等、また、対内的には、会社法等のガバナンスに関する法規制や労働基準法等の適用を受けております。

当社グループに、以上のような取引又はガバナンスや労務におけるコンプライアンス上の問題が発生した場合、各種ステークホルダーとの関係の悪化、遮断、関係官庁等による処分や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、「瑞光グループ倫理方針」を基盤に、具体的な倫理基準を「コンプライアンス・マニュアル」に記載し、当社グループのすべての役員、従業員への周知活動を進めております。

また、コンプライアンス委員会により、社内規程に関する意識調査や重要な分野を対象としたe-ラーニングを定期的に実施することで、社内手続やコンプライアンスに対する意識の維持・向上と問題発生の未然防止に努めております。

保有有価証券に関するリスク

当社グループは、長期保有を目的とした市場性のある株式を保有しておりますが、今後全般的に大幅な株価下落が続いた場合には、当該株式に減損又は評価損が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼすとともに自己資本比率の低下を招く恐れがあります。

当社グループの保有有価証券は、時価評価をはじめ各種検証を行い、特に政策保有株式については、個別銘柄ごとに直近の財務状況、取引関係、配当等を総合的に検証し、取締役会に報告することによって保有の適否を判断しております。

 

3.内的要因に起因する傾向の高いリスク項目

リスク項目

内容

取り組み

影響度

発生頻度

生産形態に関する

リスク

当社グループは、顧客からの個別受注生産が大半を占めており、受注後の仕様変更、工程遅延、工事費の高騰等により、売上計上時期の後ずれや見積もり費用の超過等が発生する可能性があります。また、予定した検収時期に変動が生じ、出荷が遅れた場合、次に予定していた製品の生産スケジュールも遅延し、売上が後ずれする可能性があります。その場合には、経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、受注機械において新規開発要素を含む部分を先行してテストするなど、工程遅延のリスクを早期に把握・抑制できるよう取り組んでおります。また、共通部品の標準化や生産管理システム導入によるデータの活用とフィードバックを推進することにより、スケジュール管理や原価管理の継続的な改善に取り組んでおります。

製品の品質維持に関するリスク

予期せぬ製品の欠陥が発生した場合には、多額の費用が生じるとともに当社機械の信頼性や評価が低下し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

当社グループは、社内加工品や外注品を購買部が検査をしております。また、製品については、顧客立会いのもと自社工場にて試運転を行った後、顧客の工場へ運搬し、再度試運転を行った後に検収を得る、という品質管理を行っており、製品の品質及び安全性には細心の注意を払っております。

情報セキュリティの

リスク

当社グループは、事業活動において、顧客情報・個人情報等に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。そのため、万が一、情報漏えい等の事故が発生した場合には、情報管理に関する法的責任を問われる可能性や当社グループの評判・信用、経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、左記各種情報の取扱い、機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、紛失等から守るため、管理体制及び取扱い規則を定め、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じております。

人材確保のリスク

雇用情勢の変動等により、的確な人材の確保や育成が出来なかった場合、もしくは人材流出の増加が継続した場合は、当社グループの人材確保が計画どおりに進まず、今後の事業展開も含めて当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループの継続的な成長のため、新卒、中途を問わず優秀な人材の確保・育成することは重要な項目の一つとして認識しております。特に、新卒採用に当たっては、人材育成制度の整備や、働き方改革の取組みをすすめるなど、当社の魅力について広報活動を通じて知ってもらうよう努めております。

固定資産の減損の

リスク

当社グループの固定資産について、経営環境の著しい悪化により、事業の収益性が低下した場合や、市場価格が著しく下落した場合等には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、固定資産の稼働状況、キャッシュ・フローの状況等を定期的にモニタリングしております。

労働災害の発生に関するリスク

当社グループは、日常的な安全教育、各種技能研修、資格取得の促進等を通じて、労働災害の削減と安全管理への取り組みを行っております。ただ、生産部門における工場での現場作業を中心に、労働災害に繋がる可能性がゼロではないため、万一重大な労働災害が発生した場合は、社会的な責任とともにその後の受注に影響を受ける可能性があります。

当社グループは、当該リスクへの対応策として、作業マニュアルを完備し、現場での教育および全従業員へのeラーニングを徹底するとともに安全衛生委員会を通して作業員の安全意識を高め、労働災害の予防に努めております。

環境規制に関連するリスク

当社グループは、気候変動問題、水質、化学物質、廃棄物等多様な環境問題に対し、環境法及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。環境法等の厳格化に対応するため、追加的義務並びにコスト増加が発生するリスクがあり、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、当該リスクへの対応策として、従業員に対し、コンプライアンス教育を定期的に実施するなどして法令遵守の周知徹底を行い、環境リスクの低減に努めています。また、総務部門による適切な廃棄物処理業者の選定、およびモニタリングを実施するとともに、内部監査による定期的な確認も実施しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されました。ただし、半導体をはじめとした部品・原材料の供給不足や供給網の混乱、ロシア・ウクライナ情勢に起因した資源価格高騰等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループでは持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、国内需要の取り込みと主力市場である北米、欧州、アジアの海外市場への積極展開に注力してまいりました。

 その結果、当連結会計年度における売上高は、国内販売・海外販売総合で26,505百万円(前期比12.4%増)となり、主な製品別売上高では、市場動向として大人用おむつの需要の高まりから大人用紙おむつ製造機械8,541百万円(同87.0%増)、小児用紙おむつ製造機械10,227百万円(同8.0%減)、生理用ナプキン製造機械3,825百万円(同1.9%増)、部品2,206百万円(同8.3%増)、その他1,704百万円(同18.9%減)となりました。

 利益面については、増収ではあるものの原材料価格の高騰や円安の進行等による売上原価の増加、研究開発費の増加、瑞光(上海)電気設備有限公司の民事訴訟における裁判費用などの利益の押し下げ要因により営業利益は1,803百万円(前期比16.0%減)と減益になりましたが、円安による為替差益の発生、投資有価証券売却益及び瑞光(上海)電気設備有限公司の民事訴訟における和解金受取による特別利益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は2,665百万円(同53.5%増)と増益になりました。

 受注環境におきましては、設備投資の回復基調に加えて、新興国の大人用紙おむつ衛生用品需要を中心に持続的に推移しているため、総じて堅調に推移しており、当連結会計年度中の受注高23,712百万円(前期比4.9%減)、当連結会計年度末の受注残高14,650百万円(同24.2%減)となりました。詳細については、P.19「② 生産、受注及び販売の実績 b.受注実績」をご参照下さい。

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、P.61「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照下さい。

b.財政状態の分析

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ570百万円減少し49,643百万円となりました。受取手形、売掛金及び契約資産が5,187百万円、建物及び構築物(純額)が339百万円及び現金及び預金が178百万円増加いたしましたが、仕掛品が3,295百万円、電子記録債権が1,806百万円、投資有価証券が259百万円、建設仮勘定が238百万円及び土地が198百万円減少いたしました。

 なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」に表示していた「受取手形及び売掛金」は、当連結会計年度より「受取手形、売掛金及び契約資産」に含めて表示しております。

(負債合計)

 前連結会計年度末に比べ3,602百万円減少し16,554百万円となりました。支払手形及び買掛金が287百万円増加いたしましたが、契約負債が2,621百万円、未払法人税等が434百万円及び長期借入金が250百万円減少いたしました。

 なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動負債」に表示していた「前受金」は、当連結会計年度より「契約負債」に含めて表示しております。

(純資産合計)

 純資産は、前連結会計年度末に比べ3,032百万円増加し33,088百万円となりました。その他有価証券評価差額金が109百万円減少いたしましたが、利益剰余金が2,380百万円及び為替換算調整勘定が751百万円増加いたしました。

 この結果、自己資本比率は66.5%(前期は59.6%)となりました。

c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,522百万円減少し、7,879百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は388百万円(前期比82.8%減)となりました。これは主に、売上債権の増加2,412百万円、契約負債の減少1,760百万円、法人税等の支払額1,170百万円、受取和解金の計上789百万円、投資有価証券売却益の計上280百万円及び有形固定資産売却損益の計上155百万円があった一方、税金等調整前当期純利益3,440百万円、棚卸資産の減少2,174百万円、減価償却費の計上848百万円、未収消費税等の減少348百万円、未払消費税等の増加130百万円及び仕入債務の増加120百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は1,372百万円(前期比3.5%減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入403百万円及び有形固定資産の売却による収入376百万円があった一方、定期預金の増加1,485百万円及び有形固定資産の取得による支出690百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は822百万円(前期は2,475百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額478百万円及び長期借入金の返済による支出250百万円があったことによるものであります。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の生産実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2022年2月21日

至 2023年2月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

生理用ナプキン製造機械

3,825,079

101.9

小児用紙おむつ製造機械

10,227,384

92.0

大人用紙おむつ製造機械

8,541,670

187.0

その他機械

1,291,307

79.9

部品

2,206,237

108.3

その他

413,490

85.0

26,505,170

112.4

 (注)1.金額は、販売価格で表示しております。

2.部品には仕入部品を含んでおります。

3.金額は、外注による生産実績を含んでおります。

 

b.受注実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の受注実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2022年2月21日

至 2023年2月20日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

生理用ナプキン製造機械

2,642,636

(1,869,839)

72.3

(55.3)

2,032,418

(1,528,416)

63.2

(49.6)

小児用紙おむつ製造機械

4,830,061

(4,653,694)

40.7

(40.8)

2,111,746

(1,932,240)

23.5

(22.1)

大人用紙おむつ製造機械

12,369,819

(7,587,833)

374.9

(1,157.9)

9,330,930

(7,209,053)

234.7

(229.9)

その他機械

1,250,697

(1,085,793)

34.8

(43.3)

1,175,630

(1,089,161)

37.3

(45.3)

部品

2,206,237

(1,794,226)

108.3

(104.0)

(-)

(-)

その他

413,490

85.0

23,712,942

(16,991,387)

95.1

(86.4)

14,650,725

(11,758,872)

75.8

(67.7)

 (注)1.括弧内の数字(内書)は海外受注高及び受注残高であり、受注高に対する海外受注高の割合は、当連結会計年度71.7%であります。

2.受注後、値引等のあったものは、受注高で調整しております。

3.金額は販売価格によっております。

 

c.販売実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の販売実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2022年2月21日

至 2023年2月20日)

金額(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

生理用ナプキン製造機械

3,825,079

(3,420,860)

14.4

(12.9)

101.9

(99.0)

小児用紙おむつ製造機械

10,227,384

(10,006,736)

38.6

(37.8)

92.0

(99.5)

大人用紙おむつ製造機械

8,541,670

(4,989,106)

32.2

(18.8)

187.0

(404.7)

その他機械

1,291,307

(872,248)

4.9

(3.3)

79.9

(86.5)

部品

2,206,237

(1,794,226)

8.3

(6.8)

108.3

(104.0)

その他

413,490

1.6

85.0

26,505,170

(21,083,179)

100.0

(79.5)

112.4

(120.6)

 (注)1.括弧内の数字(内書)は輸出販売高及び輸出割合であります。

2.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ユニ・チャーム株式会社

4,348,192

18.4

2,667,589

10.1

(注)当該割合が100分の10未満については記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針に基づき見積り及び判断を行っており、実際の結果は、見積りによる不確実性のために異なる可能性があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、小児用紙おむつ製造機械やその他機械の生産及び出荷が減少したものの、大人用紙おむつ製造機械の生産及び出荷が増加したことなどから前連結会計年度と比べ2,924百万円増加し、26,505百万円となりました。国内売上高は681百万円減少し、5,421百万円となりました。海外売上高は3,605百万円増加し、21,083百万円となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、売上高の増加に伴い前連結会計年度に比べ415百万円増加し、5,753百万円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発費が増加したことや瑞光(上海)電気設備有限公司の民事訴訟における裁判費用が発生したことなどから前連結会計年度に比べ757百万円増加し、3,949百万円となりました。

 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ342百万円減少し、1,803百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、為替差益が増加したことなどから前連結会計年度に比べ171百万円増加し、482百万円となりました。営業外費用は、支払利息や減価償却費が増加したことから前連結会計年度に比べ30百万円増加し、66百万円となりました。

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ202百万円減少し、2,219百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、鳥飼本町工場の売却、投資有価証券の売却及び瑞光(上海)電気設備有限公司の民事訴訟における受取和解金により特別利益が発生したことから前連結会計年度に比べ928百万円増加し、2,665百万円となりました。

 

財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの主な資金需要は、通常の事業活動に必要な運転資金、競争力強化のための研究開発費及び設備投資等です。

 当社グループが主に製造販売している紙おむつ・生理用ナプキン製造機械は個別受注生産であり、標準品・汎用品を大量に製造販売する業態と比較して、受注から納入までの期間が相対的に長くなる特徴があります。また、製造機械本体の1件あたりの受注金額が大きく、かつ、顧客への納入タイミングにばらつきがある一方で、製造費用や販売費及び一般管理費などの支出は経常的に発生します。

 当社グループの必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金を財源とする方針であり、製造機械本体の受注代金の一部を前受金として製品納入前に回収するなど資金回収時期の早期化・平準化を図り運転資金の安定確保に努めております。また、短期的な流動性確保に向けて金融機関との間で当座貸越契約を締結しているほか、設備資金・投資資金等の長期的な資金に関しては金融市場動向や既存の借入・社債の償還時期等を総合的に勘案し、長期借入金または社債等により調達いたします。

 当連結会計年度末における有利子負債残高はリース債務も含め7,767百万円となり、前連結会計年度末と比較して248百万円減少しました。これは主に長期借入金を返済したことによるものです。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は7,879百万円であり、前連結会計年度末と比較して1,522百万円減少しています。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動につきましては、高まる顧客ニーズと環境ニーズを先攻する独自技術の開発を基本姿勢としております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は857百万円であります。

 その主なものは、衛生材料商品の付加価値向上を目的として、省資源、消費エネルギー削減、資源リサイクルを考慮した装置開発、及び生産設備への適用に向けた、新たな材料加工プロセスに関しての研究・開発であります。

 また、当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。