文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という目標を掲げ、全社員が一丸となり、顧客企業のビジネスの成功に貢献する「高付加価値サービスの創造」を追求してまいりました。ビジネスに深く精通したテクノロジーパートナーとして顧客企業に貢献し、持続的な成長と高い収益性の実現を常に目指していくことが、当社グループの経営における基本方針であります。この基本方針に基づき、当社グループは、幅広い業種の顧客企業に対して、コンサルティング、システム提案、構築、運用保守に係るITソリューションの提供を行っております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と高い収益性の実現を目指す観点から、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益、売上総利益率、営業利益、EBITDA(注)を重視し、これらの向上を目指しております。中でも、売上総利益率を最重要視しております。これは、当社グループは、豊富なビジネスノウハウと高度なテクノロジーの両方が求められる、参入障壁が高い領域に特化した事業を展開していることから、当社グループが提供するサービスの付加価値を測る客観的な経営指標が重要であると考えているためです。売上総利益率が高いことは、すなわち、①売上原価の大半を占めるエンジニア・コンサルタントの質が競合他社と比して優位であること、②優秀な人材の生産性を向上させる仕組みが整備され、機能していること、③当社グループのチームが築いた付加価値を価格に反映してもなお顧客から支持されていることを示すものであると考えております。
(注)EBITDA=営業利益+減価償却費+識別可能資産償却費
(3)経営環境及び中長期的な経営戦略等
(経営環境)
近年、デジタル技術の進展・普及に伴い、あらゆる産業において、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DXへの対応が急務となっております。こうした環境において、当社グループは、顧客企業のビジネスの成功に貢献するITソリューションの提案、構築、運用保守を行っており、当社グループ及び当社グループが事業を行う業界全体が、かかるDXへの対応に果たすべき役割が益々増大し、同時に、その重要性が増しているものと考えております。なお、各市場における支出総額から測定した当社の事業領域規模の認識は以下のとおりです。
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領域 |
金融フロンティア領域に係るIT支出総額 |
戦略/DXコンサルティングに係る支出額 +新規領域に係るIT支出総額 +金融フロンティア領域に係るIT支出総額 |
クロスフロンティア領域に係るIT支出総額 |
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マーケット規模 |
約1,800億円(注)1 |
約4,500億円(注)2 |
約18,000億円(注)3 |
このような対象事業領域において当社グループは、金融フロンティア領域では、機関投資家が資金運用業務に用いる「キャピタル・マーケットソリューション」や、金融機関の収益向上に寄与するディーリングエンジンを搭載した外国為替証拠金取引(FX)ソリューション等に代表される「リテールソリューション」を提供しております。また、近年では、金融フロンティア領域からクロスフロンティア領域へ領域の拡大を実現し、生命保険・損害保険といった保険の種類に関わらず、保険業務における一連の業務をカバーした「生保・損保ソリューション」などを提供しております。
これらのソリューションの提供にあたっては、ソリューションの区別なく、当社独自の事業モデルである Simplex Wayの基本コンセプトである、最上流のコンサルティングからシステム開発、運用保守に至るすべての工程に責任を持つ一気通貫モデル、下請け会社への丸投げをしない自社完結モデルを徹底することで、当社グループの競争優位性を保ち、高付加価値サービスを提供するに至っております。(Simplex Wayの詳細について は、前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (当社グループのビジネスモデルの特徴)」を併せてご参照ください。
(注)1.IDC(2021)『国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測、2021年~2025年』における、2021年の銀行の国内 IT支出額予測値(13,322億円)及び証券/投資サービスの国内IT支出額予測値(3,392億円)のうち、当社グループの顧客の投資動向を参考としてそれぞれ1割程度、及びIDC(2021)『Worldwide Blockchain Spending Guide2021』における、2021年のブロックチェーンの国内合計支出額予測値(190億円)が金融フロンティア領域に向けられていると推定して当社グループが算出したもの。
2.上記1に記載した金融フロンティア領域に係るIT支出総額の見積りに、戦略/DXコンサルティング及び新規領域(生保・損保、エンタープライズDX)における関連支出額予想値を以下のとおり算出してその合計を算出したもの。保険の国内IT支出額予測値及び建設/土木の国内IT支出額予測値のうちクロスフロンティア領域に向けられる割合については、金融フロンティア領域における推定割合と同等程度であるとの推定に基づく。
戦略/DXコンサルティング:IDC(2021)『国内ビジネスコンサルティング市場予測、2021年~2025年』における、2021年の国内ビジネスコンサルティングのデジタル関連支出額予測値(1,865億円)
新規領域:IDC(2021)『国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測、2021年~2025年』における、2021年の保険の国内IT支出額予測値(5,988億円)の1割程度と推定して当社グループが算出したもの、及びIDC(2021)『国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測、2021年~2025年』における、2021年の建設/土木の国内IT支出額予測値(2,308億円)の1割程度と推定して当社グループが算出したもの。
3.IDC(2021)『国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測、2021年~2025年』における、2021年の全産業分野の国内IT市場支出額予測値(18兆3,772億円)の1割程度がクロスフロンティア領域に向けられていると推定して当社グループが算出したもの。クロスフロンティア領域に向けられる割合については、金融フロンティア領域における推定割合と同等程度であるとの推定に基づく。
(中長期的な経営戦略)
グループ中核企業であるシンプレクス株式会社は、1997年の創業以来、日本を代表する銀行、総合証券、インターネット証券のテクノロジーパートナーとしてビジネスを展開し、金融フロンティア領域における国内トップブランドとしてのポジション獲得に向けて力強い成長を続け、IDC Financial Insightsが発表する世界の金融ITサービス企業ランキング「Fintech Rankings」に2012年より10年連続でランクインを果たすに至っております。現在では、金融フロンティア領域からクロスフロンティア領域へと事業領域を拡大し、生保・損保領域で大きなプレゼンスを獲得すると共に、金融フロンティア領域で獲得したAI/ブロックチェーン/クラウド技術等のキーテクノロジーを軸として、対象顧客を金融機関に限定しない高付加価値サービスを広く提供するに至っております。
クロスフロンティア領域におけるこれらの成果を踏まえ、当社グループは、金融フロンティア領域で確立した Simplex Wayとプロアクティブなコンサルティングセールスを軸に、参入障壁の高い領域で当社グループの「高付加価値サービス」を提供する戦略について、再現性を持って展開する確かな手応えを掴むことができたと認識しており、複数の参入障壁の高い領域に焦点を当てた事業のさらなる拡充に努めております。
当社グループは、今後予想される市場環境や顧客ニーズの変化に適切に対応し、さらなる成長を実現するための施策の一環として、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を策定しております。中期経営計画では、事業領域の拡大、事業領域の深耕、人材の採用育成の3つの注力テーマを設定し、持続的な成長と高い収益性の実現を目指しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、金融フロンティア領域における国内のトップブランドとしてのポジションを確立し、順調な成長を遂げてまいりました。他方、あらゆる産業において、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DXへの対応が急務となっていることを踏まえると、金融フロンティア領域以外の領域へ事業領域の拡大を図り、さらに、事業領域の深耕を推進することが優先的な課題であり、これらに対処することが市場環境や顧客ニーズの変化に適切に対応することとなり、同時に当社グループのさらなる成長につながるものと考えております。また、これらを実現するため、競争力の源泉となる優秀な人材な維持・確保をすることも重要課題であると考えております。こうした課題認識に対処するため、当社グループが推進する主要戦略は以下のとおりであります。なお、現時点において特筆すべき財務上の課題は認識しておりません。
① 事業領域の拡大
近年のプロアクティブなコンサルティングセールスの実施により、当社グループの顧客数は順調に増大しております。中期経営計画期間中はこの施策をさらに進めていくために、以下のような対応を行ってまいります。
(戦略/DXコンサルティングをフックとした領域拡大)
新規領域の開拓にあたっては、ビジネス基点で新しい領域に参入するべく、行政、小売・流通、建設、製造といった多様な非金融業種を対象とした戦略/DXコンサルティングの強化を推進してまいります。加えて、金融機関(既存顧客企業)においても、システム開発に紐づかないコンサルティング案件も積極的に受注していくことにより、これまで当社グループが手掛けてこなかった領域におけるDX案件の獲得を目指してまいります。具体的には、戦略/DX特化型コンサルティングファームとして2021年4月に始動した当社の100%子会社であるXspear Consulting株式会社を中核企業として、業界トップティアのコンサルティングファームで経験を積んだプロフェッショナル人材の積極採用を進めることで、行政、小売・流通、建設、製造といった分野におけるコンサルティングを推進し、グループ全体での新規領域の開拓に取り組んでまいります。
(当社顧客数の増大)
近年の事業領域拡大に伴って当社グループの顧客数は順調に増大しており、2017年3月期には43社であったのが2022年3月期には89社となっております。中期経営計画期間中はこの施策をさらに進めてまいります。
② 事業領域の深耕
Simplex Wayを軸とした事業領域の深耕に伴って、当社グループの1顧客当たりの売上は順調に増大しております。中期経営計画期間中はこの施策をさらに進めていくために、以下のような対応を行ってまいります。
(金融フロンティア領域における安定的な成長)
近年、当社グループが国内トップブランドとしてのポジションを確立している金融フロンティア領域でも、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DX推進が活発化しております。当社グループは、金融機関のDX推進パートナーとしてさらなる高付加価値サービスを提供することで、金融フロンティア領域における安定的な成長を図ってまいります。具体的には、銀行、総合証券、インターネット証券を対象として、銀証連携等、時勢のテーマに沿った業務支援、金融機関のテクノロジーへの投資に関するコンサルティングセールスの一層の強化並びにAI/クラウド技術に対応したトレーディングプラットフォームの開発・提供に注力してまいります。
(新規領域における領域深耕施策の推進)
当社グループは、2013年10月の株式非公開化以降、Simplex Wayを軸とした事業推進を行うことにより、金融フロンティア領域以外の複数領域において、再現性を持ってトップポジションを獲得できる強い手応えを得るに至っております。当社グループは、こうした新規領域での実績を踏まえ、他の産業に先駆けて新たなテクノロジーの導入を積極的に推し進めてきた金融フロンティア領域での豊富な実績/ノウハウをテコとして、Simplex Wayを徹底することにより、新規領域においても、参入障壁の高い領域で高い収益性の実現を目指す戦略を推進し、領域の深耕を実現してまいります。具体的には、生命保険・損害保険といった保険の種類に関わらず、保険業務における一連の業務をカバーした「生保・損保ソリューション」の拡販、及び将来的な基幹システムの刷新を見据えたブロックチェーン技術の実証実験の推進等に取り組んでまいります。
(1顧客当たり売上の拡大)
近年の事業領域の深耕に伴って、当社グループの1顧客当たりの売上は順調に増大しております。具体的には、2017年3月期には1顧客当たりの年間売上は最大でも10~20億円の範囲にあり、かかる範囲の顧客企業からの売上は11,272百万円と全体の約57%程度にすぎなかったのに対し、2022年3月期には1顧客当たりの年間売上が10~20億円の顧客からの売上は8,087百万円(売上収益全体の約26%)、20億円以上の顧客企業からの売上は10,140百万円(売上収益全体の約33%)となり、領域深耕が進んでおります。中期経営計画期間中はこの施策をさらに進めてまいります。
③ 人材の採用育成
当社グループの事業において中心的な経営資源の一つは人材であり、顧客企業からの要求に応えるためにビジネスとテクノロジーの双方に精通した優秀な人材を確保・定着させることが課題であり、最重要戦略の一つです。中期経営計画期間中はこの施策をさらに進めていくために、以下のような対応を行ってまいります。
(ビジネスパーソンとして高いポテンシャルを有した新卒採用のさらなる強化)
当社グループは2002年頃より、ビジネスパーソンとして高いポテンシャルを秘めた最優秀層のみをターゲットとする新卒採用に注力しております。具体的には、2022年3月期入社の新卒採用者数が113名、2023年3月期入社の新卒採用者数が207名と順調に拡大しており、中期経営計画最終年度にあたる2024年3月期入社の新卒採用目標数についても250名程度に定めております。
また、新卒採用と併せて、中途採用についても強化を図ってまいります。具体的には、2021年3月期入社の中途採用者数がグループ全体で31名であったのに対して、2022年3月期入社の中途採用者数は85名と大幅に拡大しており、2023年3月期入社の採用目標数についても100名程度と定めております。
今後も、顧客企業のDX推進を担う人材の採用活動を今まで以上に強化し、国籍/年齢/性別/職歴不問とする採用ポリシーの下、当社の成長に寄与する人材の確保に努めてまいります。
(高い専門性を有した人材の採用育成)
事業領域の深耕と事業領域の拡大に向けて、AI/ブロックチェーン/クラウド技術等、DX推進に欠かすことのできないキーテクノロジーの高度化に努めてまいります。具体的には、中途採用を強化すると共に、各種キーテクノロジー毎に選抜されたコンピテンシーリーダーが、直接的/間接的に各プロジェクトに関与する「コンピテンシー制度」を強化することで、高い専門性を有した人材の育成を推進してまいります。
(リテンション施策の拡充)
採用活動を通じた人材の確保と併せて、複数のリテンション施策を拡充・実行していくことにより、人材の定着率の向上に努めてまいります。「働きがい」と「働きやすさ」を両立しながら、個々人の働き方に沿ったキャリアプランの実現をサポートするための環境支援・制度整備、さらなる教育機会の提供・制度整備、労働分配率の向上施策等、様々な施策を通じて人材定着率の向上を図り、離職率の低減を目指してまいります。
当連結会計年度末現在において、事業に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下のとおりです。なお、ここに記載した事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが認識、判断したものであり、事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。なお、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)事業及び産業に関するリスク
①特定業種への依存について
当社グループの売上収益の多くの部分は、システム導入後に機能改修や法制度変更への対応等で発生するリピートオーダーや、運用保守、共同利用型サービス等により発生する既存顧客企業からのものが占めており、中でも、国内金融取引業者、銀行業等の国内金融機関に対するものが多くを占めています。国内金融機関に対する売上収益比率が高いことは、当社グループの強みであり、特徴でもありますが、IT投資動向や事業環境が急変した場合には、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる事業のうち、金融機関において利用されるシステムの開発については、金融機関の業務を取り巻く法令や規制の変更・強化等が実施された場合、基本的には顧客企業においてシステム変更等の費用を負担することになりますが、当社グループにおいても、ドキュメント作成等、顧客企業の法令遵守に対応するための顧客企業に転嫁できない追加的なコストが発生する可能性があります。また、将来的に金融機関の業務領域や業務方法を制限するような法令や規制、又は金融機関のシステム開発に関連するアウトソーシングを制限する法令や規制が実施された場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループは中長期的な事業戦略である国内金融機関に限定しない事業領域の拡大を推進してまいります。
②顧客企業の維持・獲得について
当社グループは、新規システム導入に係るコンサルティングや設計・構築作業等のフロービジネスを拡大させるだけでなく、共同利用型サービス等の追加的なサービス及びソリューションを提供するという既存顧客企業からの「リカーリングビジネス」を連鎖的に拡大していくビジネスモデルを採用しております。このように、既存顧客企業からの売上を維持・増加させることを戦略的に実施していますが、当社グループのサービス及びソリューションが顧客企業のニーズに合致しない場合、又は合致したとしても競争力のある価格でこれを提供できない場合には、当社グループは、既存顧客企業からの売上を維持・増加させることができない可能性があります。また、顧客企業は、財政状態の悪化や戦略の変更等の理由により、既存契約に関し、解除、更新拒絶又はプロジェクトの延期等を主張する可能性があり、その結果、顧客企業との契約が解除若しくは更新されなかった場合又は変更を余儀なくされた場合には、当社グループは想定していた売上を得ることができず、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、金融領域で確立した当社のビジネスモデルとコンサルティングセールスのノウハウを軸に、顧客企業のビジネスの成功にテクノロジーが大きく貢献する領域である「クロスフロンティア領域」の事業において、生保・損保、エンタープライズDXといった新しい分野への拡大に取り組んでおりますが、これらの分野への拡大が成功する保証はなく、既に確立した顧客基盤を有する競合他社との間で効果的に差別化を図ることができなければ、当社グループの想定する収益成長を達成することができない可能性があります。加えて、当社グループは、Xspear Consulting株式会社を中核企業として、非金融系企業を対象とした戦略/DXコンサルティング案件や金融機関(既存顧客企業)におけるシステム開発に紐づかないコンサルティング案件の受注の拡大にも取り組んでおりますが、当社グループの計画どおりに顧客基盤を拡大することができる保証はありません。
さらに、当社グループは、クロスフロンティア領域の中で、参入障壁の高い領域で高い収益性の実現を目指す戦略を採用しております。しかしながら、当社グループが取り組んだ領域が当社グループの想定どおりに発展しなかった場合や、かかる領域でトップポジションを確立することができなかった場合には、当社の期待どおりに顧客基盤を拡大することができず、当社グループの想定する収益成長を達成することができない可能性があります。
加えて、当社グループの顧客基盤を拡大するために、人件費及び研究開発費を含む多額の営業費用を負担する必要がある場合もありますが、営業活動が奏功する保証はなく、営業費用の負担に応じた顧客基盤の拡大及び売上の増加に至らない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③技術革新への対応について
当社グループは、コンサルティングからシステム開発・運用保守に至るすべての工程に責任を持つという一気通貫モデルを用いた事業戦略を有しており、金融フロンティア領域を包含したクロスフロンティア領域に焦点を当てて事業を展開しております。しかし、技術革新により変化していく顧客企業のニーズに当社グループが対応できる保証はなく、また、かかる技術革新により、既存のソリューションから新たなソリューションに需要が切り替わる可能性があることから、当社グループが、変化するニーズに対応した形で一気通貫モデルを提供することができなかった場合には、当社グループの優位性が低下し、事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの想定以上の技術革新等による著しい事業環境の変化が生じ、投資が目的を達しない場合には、投下した研究開発費の全てを回収できないほか、当社グループの事業、業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、現時点での急激かつ大幅な研究開発費の増加は予定していませんが、事業計画の変更等があった場合には、研究開発費が想定よりも増加する可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループは新技術の獲得や研究開発に投資を行い、顧客企業の需要や事業環境の変化に対応できるよう努めてまいります。
④他社との競合について
当社グループは、クロスフロンティア領域に焦点を当てて事業を展開しております。しかしながら、当社グループがソリューションを提供する市場の競争は激しく、当社グループより財務基盤等が優れている競合他社がいる場合、それらの競合他社は新たなソリューションを当社グループより早く提供できる等の可能性があり、また、新規参入者による新たなソリューションの提供により、当社グループのソリューションの優位性が低下する可能性もあります。そのため、当社グループが高い優位性を有する分野に関して、競合他社が同等又はより優れたソリューションを開発した場合には、当社グループの優位性が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、パッケージ製品の普及等の理由により、想定以上の価格競争が発生した場合にも、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループは競合他社の状況を注意深く把握し、当社の競争優位性についての検証を継続的に実施してまいります。
⑤中期経営計画について
当社グループは、今後予想される市場環境や顧客ニーズの変化に適切に対応し、更なる成長を実現するための施策の一環として、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を策定しております。中期経営計画では、既存事業領域の深耕、新規事業領域の拡大、人材の採用育成の3つの注力テーマを設定し、持続的な成長と収益性の実現を目指すこととしております。
しかし、中期経営計画は、以下に掲げる要因をはじめとした本項に記載の様々なリスク要因や不確実性による影響を受けます。
・高いポテンシャルを持つ人材の採用や豊富なスキルを有する従業員の育成に関する当社グループの能力
・クロスフロンティア領域の中で、金融フロンティア領域における当社グループのポジションの向上及び新規領
域における効率的な事業拡大を行うことに関する当社グループの能力
・Xspear Consulting株式会社を通じた戦略/DXコンサルティングにおける顧客基盤の拡大に関する当社グループ
の能力
・プロジェクトの収益性の管理や不採算プロジェクトの回避に関する当社グループの能力
・新規又は既存の顧客企業からの需要を効率的に捉えるための新たな技術やソリューションの開発に関する当社
グループの能力
・研究開発費、無形資産償却費、その他費用(人材関連費を含む。)等の販売費及び一般管理費の増加速度が、
売上収益の増加速度を下回るようにコスト管理を行うことに関する当社グループの能力
このため、これらのリスク要因や不確実性が現実化した場合には、中期経営計画に含まれる施策の実施が困難になる可能性や、当社グループにとって当該施策が有効でなくなる可能性があります。かかる場合には、中期経営計画における目標を達成できない可能性があり、また、当社グループが適時に有効な施策を実施できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥マーケット規模の推計値について
当社グループは、クロスフロンティア領域において事業領域の拡大及び売上収益の成長を目指しており、当社グループのソリューションを通じて収益成長機会があると考えられるクロスフロンティア領域内のマーケットの規模を、IDCによる日本国内のIT市場支出額に関する予測を用いて推計しております。具体的には、 IDCの予測する日本国内におけるIT支出総額のうち、当社グループとしては、1割程度となる約1.8兆円がクロスフロンティア領域に向けられていると推計しております。しかしながら、クロスフロンティア領域のマーケット規模を直接扱う客観的な第三者の情報源は存在せず、当社グループの推計の基礎となる国内IT市場支出総額の予想値自体も正確である保証はなく、当社グループによるマーケット規模の推計値の正確性には限界があります。そのため、実際のマーケット規模は当社グループによる推計を大きく下回る可能性があり、その結果、当社グループが想定する収益成長を達成することができない可能性や、資本その他の経営資源の配分のミスマッチを通じて当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、仮にマーケット規模の推計値が正確であった場合でも、当社グループがその収益成長機会を活かした事業拡大を継続できない可能性もあります。当社グループの成長は多くのリスク又は不確実性を内在する様々な要素に左右されるため、当該マーケット規模の推計値を、当社グループの事業の成長能力を示すものとして捉えるべきではありません。
⑦人材の確保について
当社グループの事業において中心的な経営資源の一つは人材であり、顧客企業からの要求に応えるためにビジネスとテクノロジーの双方に精通した優秀な人材を確保・定着させることが最重要戦略の一つです。特に当社グループでは、新卒の優秀な人材を採用し、様々なスキルを習得させる人材の育成に力を入れていますが、技術や業界の急速かつ継続的な変化に対応できるような人材の育成ができない場合には、当社グループは顧客企業の要求を満たすソリューションの開発・提供ができない可能性があります。中途採用においても、高水準の報酬を用意することに加え、質の良い社内環境を確立することが競合他社との競争に勝つためには必要となりますが、そのための費用負担が過大になる場合には、当社グループは顧客企業の要求を満たす人材を確保することができない可能性があります。また、優秀な人材を顧客企業の要求に応じて適時に配置できない場合や、優秀な人材の能力を活かすことができない場合等には、当社グループの収益性や成果物の質を低下させ、又は人材市場における当社グループの評価や評判が低下する可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループは人材戦略を重要経営戦略のひとつに位置づけ、優秀な人材確保の実現に努めてまいります。
⑧マクロ経済・政治情勢について
当社グループの業績は、当社グループの事業の大部分が営まれている日本における経済情勢及び政治情勢の影響を受けますが、その見通しは不確実性が高く、様々な要因によって悪影響を受ける可能性があります。また、経済の停滞が、顧客企業による当社グループとの既存契約に基づく支払に対する減少圧力となる結果、当社グループの事業もまた悪影響を受ける可能性があります。また、地政学的リスクの増大等により日本を含む世界経済が低迷する可能性があります。さらに、将来の日本の財政・金融政策の変化や消費税等の更なる増税により、日本の経済も悪影響を受ける可能性があります。
これらの要因等により、日本を含む世界経済の情勢が悪化した場合、当社グループの提供するソリューションに対する需要が減少し、新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、日本を含む各国の当局は、依然として感染拡大を抑えるため、外出制限、移動又は渡航の制限、各種ビジネスの営業又は営業時間の制約、ロックダウン等の様々な施策を講じています。
当社グループの業績への影響としては、例えば、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための移動自粛等により、一定の顧客企業に対する営業活動に制約が生じ、今後の新規顧客企業の獲得に影響が生じる可能性が挙げられます。また、現時点では顧客注文への重大な影響は見られませんが、今後、顧客企業の財政状態が悪化した場合等においては、当社グループのソリューションに対する需要に悪影響が生じる可能性があります。さらに、当社グループは、これまでの緊急事態宣言下において、従業員の健康と安全を守るために、既存のリモートワーク制度を充実させる等の施策を実施し、業務に対する悪影響はありませんでしたが、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化又は深刻化すれば、情報セキュリティ上の要請とリモートワーク制度の充実化の必要性とのバランスを図ることを含め、情報管理態勢に係る新たな課題や困難に対処する必要が生じる可能性があります。
他方で、日本においては、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえた事業形態の変化や感染拡大抑制のためのオンラインツールの活用拡大を契機に、企業や政府がDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを加速させる傾向にあり、かかる取組みの中で、クロスフロンティア領域に焦点を当てる当社グループの強みを活かしていくことができると考えております。しかしながら、顧客企業の財政状態が悪化した場合やその他何らかの理由により企業や政府のDXへの取組みが進展しない場合には、当社グループが期待するほどのプロジェクトや新規顧客企業の獲得につながらない可能性があります。
以上のとおり、新型コロナウイルス感染症による経済・事業環境への影響は、現時点で予測することが極めて困難であり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩システム開発やソリューションに係るトラブルの発生について
システム開発事業では、顧客企業との契約に基づいてサービスの提供が行われ、その契約中では、納品期限、性能要件、機能要件、サービスレベル等が定義されております。当社グループでは契約条項に基づいたサービスの提供に努めておりますが、何らかの理由によって、契約条項を遵守することができない場合には、当該契約に基づき顧客企業から支払われる報酬が減少する可能性や、当該契約条項を遵守するために追加的な費用の負担を余儀なくされる可能性があります。また、当社グループのソリューションが備えていた新たな技術が予定どおり機能しない場合や、何らかの理由によって、顧客企業の検収後に発生した不具合(いわゆるバグ)が発見された場合には、予算超過や案件の遅延等を引き起こす可能性があります。
当社グループでは、顧客企業との契約に損害賠償の限度額を定めるほか、損害賠償保険に加入する等の方法でリスクヘッジを行っておりますが、これらの方法が適切に機能しない場合、損害賠償の発生や信用失墜等によって、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのソリューションの基礎となる技術基盤は複雑であるため、重大な誤謬を含んでいる可能性があります。当社グループのソリューションに重大な誤謬が見つかった場合、当社グループの評判、事業及び業績に重大な悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループが提供するソリューションは、インフラの変更、新機能の導入、人為的な若しくはソフトウェア上の誤謬又はその他のセキュリティ関連の事象を含む様々な要因によって、パフォーマンスの遅延、中断、停止その他の問題を引き起こす可能性があります。顧客企業が満足できる水準のサービスを受けられない場合、顧客企業は当社グループのソリューションの利用を中止する可能性があり、その結果、当社グループの事業及びソリューションは、評判の低下、市場からの敬遠、競争力の喪失、顧客企業からの損害賠償請求等の結果を招く可能性があります。
⑪第三者が提供するシステムについて
当社グループのソリューションは、第三者のソフトウェア・ハードウェア、第三者が運営するクラウドサービス及び第三者が運営するアプリケーションを使用しております。そのため、当社グループがこれらのサービスを利用するライセンスを失ったり、これらのサービスの機能が長期間停止したりした場合等には、同等の技術を当社グループが開発又は確保するまでは、当社グループのソリューションを使用できなくなる可能性があり、これにより当社グループは想定外の費用を負担し、又は事業に悪影響が生じる可能性があります。また、これらのサービスにバグ等があった場合、当社グループのソリューションにもバグ等を引き起こす可能性があり、当社グループは顧客企業に対して一定の免責条項を設けているものの、これにより当社グループの評判、事業、財政状態及び業績に重大な悪影響が生じる可能性があります。
⑫ブランド、風評等について
当社は、既存顧客企業の維持や新規顧客企業の獲得にとってブランド力が極めて重要であると考えています。もっとも、当社グループに対する否定的な評判が広がった場合や、当社グループの役社員による違法・不正行為や不適切な行動により当社グループのブランドや評判が損なわれた場合には、既存顧客企業の維持、新規顧客企業の獲得又は優秀な人材の確保・定着に悪影響が生じる可能性があり、その結果、当社の株価や当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。
また、ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、当社グループに対する風評が、マスコミ報道やインターネットの掲示板への書き込み等により流布した場合に、当社グループの社会的信頼・信用が毀損される可能性や優秀な人材の確保・定着に悪影響が生じる可能性があります。
加えて、当社グループは、競争の激しい分野や新たな分野への進出・拡大に伴い、ブランド力を維持・向上させるために追加の費用支出を必要とする可能性がありますが、かかる支出によっても当社グループのブランド力の維持・向上が達成できない場合には、競合他社との関係で価格競争力を失う等の結果、顧客企業の維持・獲得ができなくなる可能性や、費用支出に見合った売上収益の維持・向上に繋がらない可能性もあります。これらの結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。
⑬将来の企業買収、戦略的投資等について
当社グループは、将来、当社グループのソリューション等の補完又は拡大のために、事業等の買収や投資を行う可能性があります。もっとも、当社グループにとって望ましい候補先が将来見つからない可能性、これらの事業等の買収や投資により生じる従業員や事業運営等の統合が順調に進まない可能性や、これらの事業等の買収や投資が当初期待した成果をあげられない可能性等があり、これらによって当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑭自然災害等について
当社グループの事業の遂行は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。地震、火山噴火、台風、大雨、大雪、火災、洪水等の自然災害、事故、サイバー攻撃、人為的なミス等が発生した場合には、インターネットやクラウドサーバー等のインフラが使用不能になり又はソリューションの開発及び改良の遅延や中断が生じること等により、事業を継続することができない等の支障が生じ、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、自然災害等に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生し、物的、人的損害が甚大である場合には、結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、自然災害等によって顧客企業の財政状態が悪化しIT投資が減少した場合等においては、当社グループのソリューションに対する需要に悪影響が生じ、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループでは、定期的なデータのバックアップ、システムの稼働状況の常時監視等により、自然災害等による事業への障害発生を事前に防止し又は回避し、影響を最小化するよう努めております。
(2)法規制に関するリスク
①法的規制等について
当社グループは、事業活動を行う上で、様々な国内外の法令及び規制の適用を受けています。当社グループが主として事業を行う金融システムの設計・提供等に関わる事業分野を個別直接的に規制する法令は現時点ではありませんが、当社グループにおいて運営する人材派遣業及び人材紹介業においては、労働者派遣法及び職業安定法に基づく許可を必要としており、これらの法律の規制に服しています。適用ある法令等に違反した場合、当社グループは、刑事罰、当社グループの事業を行うために必要な許認可の喪失、事業の停止、訴訟及びその他の法的手続に服する可能性があり、又は当社グループの評判に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主たる顧客企業の大半は規制業種に属しており、これらの顧客企業においては金融商品取引法、銀行法、資金決済法、保険業法、個人情報保護法等の適用法令の遵守について特に厳格な遵守体制の構築が求められていることから、顧客企業の利用するシステムにも高度な安全性及び安定性が要求されています。このため、当社グループのソリューションを利用する顧客企業において、個人情報の流出やシステムダウン、誤操作といった何らかのトラブルが生じた場合には、かかるトラブルが大きく取り上げられる結果、当社グループのソリューションに不備があったか否かにかかわらず、当社グループの業績及び評判の悪化に繋がる可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループは外部専門家と適時適切なコミュニケーションを取り、規制動向の変化について注意深く把握をし、同状況発生時に適切な対応を取ることができるよう努めてまいります。
②争訟について
当社グループは、事業を展開する中で、知的財産権等に関して第三者との間に、又はシステム開発の不具合や遅延等に関して顧客企業との間に何らかの問題が生じた場合等には、これらに起因した損害賠償の請求等の争訟が生じる可能性があります。その場合、当該争訟に対する防御のために費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また結果等次第では、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループは顧問弁護士を始めとする外部専門家と適時適切なコミュニケーションを取り、争訟発生リスクを最小化するとともに、同状況発生時に適切な対応を取ることができるよう努めてまいります。
(3)情報保護及び知的財産に関するリスク
①情報セキュリティについて
当社グループの事業は、電磁的情報を安全に処理、移転及び保管し、顧客企業や提携先の企業等と通信するための情報技術ネットワーク及びシステムに依存しています。当社グループでは、情報管理を徹底すると共に、全社員に対し研修等においてその重要性を周知徹底しております。また、外部からの不正アクセス等についての対策を行い外部からの攻撃対策を講じると共に、社内からの情報流出についてもシステム的な対策を講じております。しかしながら、当社グループが取り扱う重要な機密情報について、漏洩、改ざん又は不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合、損害賠償責任の発生や信用の失墜等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのシステム及び外部サービスプロバイダのシステムは、コンピューター・ウイルスやサイバー攻撃のリスクにさらされており、当社グループの認知度や市場シェアが高まった場合、それらの標的となるリスクも増大する可能性があります。不正アクセスやサイバー攻撃の手法は日々変化し、高度化しており、当社グループ又は外部サービスプロバイダは全ての不正アクセスやサイバー攻撃を予測又は防止することができない可能性があります。
また、セキュリティ侵害は、当社グループの従業員又は外部サービスプロバイダその他の当社グループのシステムやデータにアクセスすることのできる外部企業の従業員の故意又は不注意による違反等、技術以外に起因する問題によっても発生する可能性があります。当社グループは重要な機密情報の取扱いについて、機密情報の保護に関する社内規則や取扱いの方針及び手続き等の社内ルールを整備し、適切な運用を義務づけておりますが、このような対策にもかかわらず、当社グループの人為的なミスその他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客企業からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループは、ソリューションの提供やデータの保管につき第三者やクラウドの基盤を利用しているため、不正アクセス、サイバー攻撃、顧客企業データの悪用の防止につき、第三者のセキュリティ対策に依存している部分があります。第三者が提供するサービスに関して、当社グループは顧客企業に対して一定の免責条項を設けており、また、一定の情報セキュリティに関連する損害賠償責任に対応する保険に加入しております。しかしながら、当該保険は当社グループに生じうる全ての責任を補償するには十分ではない可能性があり、セキュリティ侵害に関する事故が発生した場合、当社グループの評判、事業、業績、財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
②知的財産権について
当社グループにおいて利用するシステムプログラム等について、原則として、当社グループが著作権等の知的財産権を取得する方針としておりますが、その場合でも、競合他社、元従業員又はその他の第三者が当社グループのソリューションと類似したソリューションを設計することは妨げられません。また、競合他社等による当社グループの知的財産権の侵害又は不正使用を妨げるために、当社グループが実施した対策が効果的ではない可能性があり、また、違法な知的財産権の利用を発見できず、適切かつ適時に知的財産権を主張することができない可能性があります。当社グループによる知的財産権の主張が認められるためには相応の時間及び費用を要し、かかる主張が認められるとは限らないため、当社グループが許諾を受けている又は保有している知的財産権の不正使用がなされた場合、当社グループの事業、財政状態及び業績に悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループは、知的財産権を保護するために、訴訟の提起等に多大な費用と時間を要する可能性があり、かつ結果として知的財産権を守ることができないおそれがあるため、かかる場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないための体制を整えておりますが、当社グループの認識の範囲外で、第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、当社グループによる知的財産権の侵害を理由に第三者から訴訟の提起等を受けた場合、その対応に多大な費用と時間を要する可能性があります。加えて、そのような第三者の知的財産権侵害を回避するため、第三者からの当該権利の取得が必要となる可能性があります。これらの対応により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)財務リスク
①プロジェクトの採算悪化について
当社グループでは、様々な料金体系及び条件を用いて顧客企業と交渉し、契約代金を決定しております。とりわけシステム開発においては、案件に必要な予想工数(コスト)を見積り、それを元にして利益を測定し、案件の採算性が目標のレベルを維持するよう十分留意しておりますが、当社グループ内の案件に対するコスト又は採算性に関する見通しが不正確であった場合、見積コストを超えた実績コストが発生し、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。
これらのリスクに対応するため、システム開発における予想工数(コスト)の見積り手法の高度化・レビュー体制の強化、品質管理部門の強化等、プロジェクトの採算悪化防止に向けた取り組みの強化に努めてまいります。
また、他社との価格競争や特定の分野におけるシェア拡大を優先するマーケット戦略等により、案件の採算性のレベルよりも受注そのものを優先する場合があり、結果的にプロジェクトの採算が悪化する可能性があります。
さらに、開発工程においても品質管理に十分な対策を講じておりますが、開発トラブル等によってプロジェクトの採算が悪化する可能性があります。
これらのプロジェクトの採算悪化が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②内部統制について
当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社グループの内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し運用していますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制システムには本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
③多額の借入、金利の変動及び財務制限条項への抵触について
当社グループは、今後も、当社グループの成長を支えるための投資資金や当社の事業を遂行するための運転資金の確保を必要とする可能性があります。しかし、金融・証券市場の環境、金利等の動向、資金需給の状況等の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループが必要とする資金の調達を適時かつ好条件で行うことができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金融機関を貸付人とするシンジケートローン契約を締結し多額の借入れを行っており、当連結会計年度末現在でのIFRSに基づく総資産額に占める有利子負債比率は28.5%となっております。今後の金融市場等の動向により、金利が上昇局面となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当該シンジケートローン契約には、財務制限条項が課せられており、当該条項違反が発生した場合は、多数貸付人の同意により、期限の利益を喪失する可能性があります。また、直ちに借入金を返済しなければならない等、当社の財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
④減損に関するリスクについて
当社グループは、当連結会計年度末現在、2016年12月1日に筆頭株主であったカーライル・グループの投資ファンドが保有していたシンプレクス株式を取得することを目的とした、日本政策投資銀行を主たる出資者とする特別目的会社による吸収合併により生じたのれん36,476百万円を連結財政状態計算書に計上しているほか、その他の有形・無形の固定資産も有しています。今後、これらの固定資産に係る事業の収益性が低下する場合、当該固定資産の帳簿価額と公正価値の差を損失とする減損処理により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループが認識しているのれんは、単一セグメントを単一の資金生成単位としてすべて配分されており、毎期減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を上回っていることを確認しています。
(5)株式に関するリスク
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループの事業は、高水準な技術・スキル・ビジネス感覚を持った人材をいかに多く獲得・維持するかということに大きく依存しております。そこで役員及び従業員に対するインセンティブとして新株予約権を付与しており、今後も継続的に実施していくことを検討しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は5,519,250株であり、発行済株式総数55,511,550株の 9.9%に相当します。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
近年、デジタル技術の進展・普及に伴い、あらゆる産業において、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DXへの対応が急務となっております。こうした流れに連動する形で、当社グループがサービス提供を手掛ける対象領域も急速に拡大しております。
こうした経営環境の下、当社グループの主要顧客である銀行及び証券会社の収益業務に関わるフロントシステムに係るITソリューション関連の売上が好調に推移しました。加えて、AI及びクラウド技術を軸とする生保・損保を対象とした新規案件の獲得にも繋げることができました。
当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
(売上収益)
売上収益は、主にシステムインテグレーションの売上が好調に推移したこと及び戦略/DXコンサルティングの新規案件獲得により、30,579百万円(前期27,532百万円、前期比11.1%増)と前期を大きく上回り、史上最高を更新しました。
(売上総利益)
売上総利益は、主にシステムインテグレーションの利益率の改善により、13,016百万円(前期10,757百万円、前期比21.0%増)、売上総利益率は42.6%(前期39.1%)と、前期を大きく上回りました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、上場関連費用157百万円を計上した他、主に人材の積極的な採用、育成施策の強化及び戦略/DXコンサルティング案件のセールス強化により、5,209百万円(前期4,011百万円、前期比29.9%増)と、前期より増加しましたが、研究開発費は1,241百万円(前期1,883百万円、前期比34.1%減)と、前期より減少しました。
また、識別可能資産償却費に前期と同額の446百万円、その他の収益に303百万円、その他の費用に60百万円を計上しています。
この結果、営業利益は6,362百万円(前期4,510百万円、前期比41.1%増)、売上収益営業利益率は20.8%(前期16.4%)となりました。
(税引前当期利益)
金融収益7百万円、金融費用178百万円を計上して、税引前当期利益は6,191百万円(前期4,324百万円、前期比43.2%増)となりました。
(当期利益)
法人所得税費用は1,986百万円(前期1,350百万円)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,204百万円(前期2,984百万円、前期比40.9%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、66,934百万円(対前連結会計年度末比5,256百万円増加)となりました。これは主に、現金及び現金同等物が5,898百万円、公正価値の測定等によりその他の金融資産が904百万円増加した一方で、償却等により無形資産が568百万円、営業債権及びその他の債権が554百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、29,640百万円(対前連結会計年度末比576百万円減少)となりました。これは主に、オフィス増床関連の設備投資等により営業債務及びその他の債務が570百万円増加した一方で、返済により借入金が1,086百万円減少したことによるものです。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は37,294百万円(対前連結会計年度末比5,832百万円増加)となり、親会社所有者帰属持分比率は55.7%(前連結会計年度末は51.0%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は13,966百万円(対前連結会計年度末比5,898百万円増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、7,561百万円の資金取得(前期5,255百万円の資金取得)となりました。これは主に、税引前利益6,191百万円の計上と、使用権資産償却費1,209百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、328百万円の資金使用(前期234百万円の資金使用)となりました。これは主に、オフィス増床に伴う敷金及び保証金の差入による支出186百万円、社内開発用ハードウェアの購入等に伴う有形固定資産の取得による支出134百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、1,346百万円の資金使用(前期2,348百万円の資金使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による収入1,058百万円と、リース負債の支払による支出1,259百万円、長期借入金の返済による支出1,140百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、生産実績、受注実績、販売実績をサービス区分ごとに示すと、以下のとおりであります。
a 生産実績
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
戦略/DXコンサルティング(百万円) |
593 |
- |
|
システムインテグレーション(百万円) |
10,825 |
98.2 |
|
運用サービス(百万円) |
6,145 |
106.9 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
17,563 |
104.7 |
(注) 金額は製造原価によっております。
b 受注実績
|
サービスの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
戦略/DXコンサルティング |
334 |
- |
286 |
- |
|
システムインテグレーション |
5,336 |
120.9 |
5,504 |
104.7 |
|
運用サービス |
2,817 |
112.0 |
8,899 |
104.8 |
|
その他 |
2 |
127.0 |
2 |
7.2 |
|
合計 |
8,489 |
122.5 |
14,691 |
106.7 |
(注) 受注残高は、向こう1年間の売上収益の計上予定額によっております。
c 販売実績
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
戦略/DXコンサルティング(百万円) |
1,094 |
- |
|
システムインテグレーション(百万円) |
19,085 |
108.1 |
|
運用サービス(百万円) |
10,372 |
105.1 |
|
その他(百万円) |
28 |
352.9 |
|
合計(百万円) |
30,579 |
111.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。
1.のれんの評価及び減損テスト
当社グループは、のれんについて、毎期一定の時期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の実績及び外的環境を反映し、経営者が承認した事業計画と事業計画経過後の永久成長率1.0%を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を、資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率9.2%により現在価値に割り引いて算定しております。なお、事業計画における主要な仮定は、リカーリング率、リピートオーダー率等であります。
減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予想可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
2.収益認識に関する総原価の見積り
当社グループは、連結財務諸表注記「3 重要な会計方針 (15) 収益」に記載のとおり、売上収益のうち、戦略/DXコンサルティング及びシステムインテグレーションにかかる収益については、一定期間にわたって履行義務が充足されるものであることから、当該履行義務の完全な充足に向けての進捗度に基づいて収益を認識しております。
当連結会計年度において計上された売上収益のうち、進捗度に基づいて認識した売上収益は連結財務諸表注記「22 売上収益 (1) 収益の分解」の「戦略/DXコンサルティング」「システムインテグレーション」にそれぞれ区分して記載しております。
進捗度は、案件別に発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)によって測定されており、インプット法の基礎となる総原価の見積りには、外注費を含む作業工数の見積りが含まれます。
また、顧客ごとのニーズに応じた設計開発やコンサルティング等を行うため、個別性が強く、作業の進捗状況によって想定外の作業工数が必要になる可能性があります。このため、インプット法の基礎となる総原価の見積りのうち、特に作業工数の見積りには一定程度の不確実性を伴い、当該不確実性に対する当社グループの判断が、進捗度に基づく収益認識額に重要な影響を及ぼします。
② 目標とする客観的な指標等の推移
当社グループは、売上収益、売上総利益率、営業利益、EBITDAを重視し、これらの向上を目指しております。特に、サービスの付加価値を測る客観的な経営指標として、売上総利益率の安定的な確保を目指しております。これらの指標のうち、売上総利益率及びEBITDAの近時の推移は以下のとおりです。
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 連結会計年度 |
2020年3月期 連結会計年度 |
2021年3月期 連結会計年度 |
2022年3月期 連結会計年度 |
|
売上総利益率 (%) |
38.7 |
37.1 |
34.9 |
39.1 |
42.6 |
|
EBITDA (百万円) |
3,814 |
3,797 |
2,226 |
5,530 |
7,342 |
③ 経営成績の分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。主な資金使途は、運転資金と借入金の返済であり、当面は着実に事業計画を遂行することで営業キャッシュ・フローを蓄積し、安定的な借入金の返済によって有利子負債比率を低減することで、財務体質の更なる強化を図ります。また、持続的な成長を図るため事業領域の深耕と事業領域の拡大を推進しておりますが、これらの要因により、一時的に必要な資金の増加が見込まれる場合は、金融機関計5行と締結済のコミットメントライン契約又は当座貸越契約(総額80億円)を利用して流動性の高い資金調達を実施する方針としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(借入金)残高は19,087百万円であり、現金及び現金同等物の残高は13,966百万円であります。なお、現時点で重要な資本的支出の予定はございません。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という目標を掲げ、全社員が一丸となり、顧客企業のビジネスの成功に貢献する「高付加価値サービスの創造」を追求しております。
また、事業領域の深耕と事業領域の拡大に向けた各種施策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載をしております。
(参考情報)
当社グループは、上場後には恒常的に発生しないと見込まれる上場関連費用(注1)を除外した上で経営成績の推移を把握するとともに、投資家が当社グループの業績評価を行う上で、当社グループが有用と考える情報を提供することを目的として、以下の算式により算出された調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益を、以下のとおり記載しております。
調整後営業利益=営業利益+上場関連費用
調整後EBITDA=調整後営業利益+減価償却費+識別可能資産償却費
調整後親会社の所有者に帰属する当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益+上場関連費用
+調整項目の税金調整額
調整後基本的1株当たり当期利益=調整後親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均発行済株式数
<調整後営業利益、調整後EBITDAの調整表>
(単位:百万円)
|
|
第5期 2021年3月期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
第6期 2022年3月期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
営業利益(IFRS) |
4,510 |
6,362 |
|
(調整額) +上場関連費用(注)1 |
30 |
157 |
|
調整後営業利益 |
4,540 |
6,520 |
|
(調整額) +減価償却費 +識別可能資産償却費 |
574 446 |
533 446 |
|
調整後EBITDA |
5,561 |
7,499 |
<調整後親会社の所有者に帰属する当期利益の調整表>
(単位:百万円)
|
|
第5期 2021年3月期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
第6期 2022年3月期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益(IFRS) |
2,984 |
4,204 |
|
(調整額) +上場関連費用(注)1 |
30 |
157 |
|
調整項目の税金調整額 |
△9 |
△48 |
|
調整後親会社の所有者に帰属する当期利益 |
3,005 |
4,314 |
|
調整後基本的1株当たり当期利益(注)2 |
62円23銭 |
85円22銭 |
(注)1. 上場に係る弁護士費用、上場準備に係るアドバイザリー費用、上場審査に係る費用、英文目論見書監査費用等及び監査法人に対する報酬等の上場に関連する一時的な費用であります。
2. 第5期及び第6期の調整後基本的1株当たり当期利益は期中平均発行済株式数により算出しております。
3. 調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は、IFRSにより規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は、当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
4. 当社は、2021年7月10日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施しております。そのため、調整後基本的1株当たり当期利益は、第5期(2021年3月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出しております。
なお、調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査の対象とはなっておりません。
該当事項はありません。
(1)研究開発方針
当社グループにおける研究開発活動は、自社のリスクにおいて特定顧客を想定せずに汎用的な新規サービスを立ち上げるためにかかった開発コストを、原則研究開発費として計上し、要件を満たしたものについては資産として無形資産に計上しております。
当社グループの既存事業領域における受託開発プロジェクトでは、全体の構築作業の約50~70%においてSimplex Libraryが活用されております。Simplex Libraryとは、汎用性の高い複数のプログラムを当社グループによる再利用可能な形で蓄積した当社グループ独自のライブラリであります。これにより、開発期間の短縮やシステムの安定性の確保、さらには競争優位をもたらす機能に資源を集中できることから、多くの顧客企業からご支持をいただいております。
(2)研究開発活動の内容
当連結会計年度の具体的な研究開発活動の内容は以下の通りです。
・新規サービス展開に向けた市場調査、機能検証及び製品開発
・「Simplex Library」基礎ライブラリの構築・拡充
・その他各種製品のパッケージ化
当社グループは、ITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。