第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当グループが判断したものであります。

 

(1)創業の理念

凡そ商品は 造って喜び 売って喜び 買って喜ぶようにすべし

   造って喜び 売って喜び 買って喜ばざるは 道に叶わず

 

(2)ビジョン

「私たちは世界一の靴下総合企業を実現します」

私たちは、Made in Japanに夢と誇りを持っています。

世界の最高水準にあるMade in Japanの靴下の素晴らしさを、日本はもちろん、世界中の方々にお届けしたいと考えています。

そのためには、私たちは様々な創意工夫と努力を続けてまいりました。ものづくりにこだわり、日夜商品開発に努める一方で、1984年からは、『靴下屋』のショップ展開に着手。その運営をサポートするための先進システムも築き上げてまいりました。

私たちは、世界中のより多くの方々に愛用していただける靴下をご提供できますように、これからもMade in Japanの誇りを胸に、技術、品質、サービスのあらゆる面において世界最高の水準を追求し、活動してまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

世界及び日本経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格・原材料価格の高騰や為替相場の変動を背景とした物価の上昇など、引き続き不透明な状況で推移すると予想されます。国内衣料品販売におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響も緩和され、人流の回復や消費活動の正常化が期待される一方、物価高による節約志向の高まりやライフスタイルの変化が消費行動に影響するものと予想されます。

このような状況の中で当グループは、お客様一人一人の顧客満足度向上と多様に変化する消費者ニーズに迅速に対応するため、以下の取り組みを実施して参ります。

① OMO戦略として

WEB・SNSの発信を強化することで国内EC売上アップを図ると共に、リアル店舗への送客も実現します。また、SNSの販売促進によって生まれるヒット商品に対しては、国内生産の強みを最大限に生かした、迅速かつ臨機応変な生産を行い、売上の機会損失を防ぎます。

② メンズ商品の認知度拡大施策として

俳優・窪塚洋介氏を『Tabio MEN』アンバサダーに起用することで、日本の職人技術で独自のこだわりと確かな品質をもつ『Tabio MEN』ブランドの認知度拡大を図り、メンズ商品の売上拡大を目指します。

③ スポーツ商品の売上拡大施策として

靴下専業企業として、ランニング専用ソックス『レーシングランシリーズ』を中心に、フットボール等、各競技に特化した専門性の高い商品を展開し、多くのトップアスリートの足元を支えてきた実績を踏まえ、今後はゴルフ及びベースボール商品を中心に更なる売上拡大を図ります。

④ 海外戦略として

中国大陸事業を重要な成長戦略の一つとして位置付けており、中国のお客様向け商品の現地生産体制を整えます。また、アジア市場の拡大を目的に、越境ECの強化を図ります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) フランチャイズ契約に関するリスク

当グループは、当連結会計年度末現在、159店舗の直営店にて、靴下及びパンスト・タイツの販売をするほか、当社とフランチャイズ契約を締結している114店舗の『靴下屋』加盟店に、同商品を卸売販売するフランチャイズ事業を営んでおります。これらフランチャイズ加盟店の全店舗数に占める割合が大きいことから、加盟店周辺の環境の変化や加盟者の財政状態の悪化等により、契約を解除せざるを得ない状況が生じた場合、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 出店政策に関するリスク

当グループは、フランチャイズチェーン『靴下屋』、直営店『靴下屋』『タビオ』『タビオ・オム』『タビオ・メン』等の店舗開拓を行っております。当グループの出店は路面店、ショッピングセンター、駅ビル、ファッションビル及び百貨店等が考えられますが、店舗の経営状態が悪化している場合、又は商業施設全体の閉鎖やテナントの入れ替えという運営主体の意向等によって、退店を余議なくされる可能性があります。また、フランチャイズ加盟店の獲得及び直営店の出店が計画通り進まない場合には、当グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 市況変動等によるリスク

当グループの商品に対する需要は、市況変動等による影響を受けるため、ファッションの変化による需要の減少、天候不良や景気減退による個人消費の減少等は、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 災害等に関するリスク

当グループの物流拠点、販売拠点及び仕入先各社の生産拠点等において、重大な災害(自然災害、人為的な災害等)が発生し、その影響を防止・軽減できなかった場合、当グループの売上高・仕入高の減少、設備復旧のための費用の発生等により、当グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 商品仕入に関するリスク

当グループは、店頭から靴下製造協力工場に至るまで、情報の共有化を行うと共に業務の効率化を図るため、製造から販売までを一体化するネットワークシステムを構築しており、取引先の素材の調達から、新素材の研究・開発、当社オリジナル商品の製造を一貫した体制で行っております。これら協力企業が、財務上の問題その他事業上の困難に直面した場合や、戦略上の目標を変更した場合には、当グループとの提携関係の維持が出来なくなる可能性、及び当グループとの提携関係を望まなくなる可能性があり、当グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)人材に関するリスク

当グループは、販売員をはじめ、人材の確保・育成が経営に大きな影響を与えることから、スキル向上、モチベーション維持のために社内研修や資格取得支援、報奨制度など様々な取り組みを行っております。また、デジタル技術の進化や顧客ニーズの多様化など、ビジネス環境が変化する中で、競争力を維持するためには優秀な人材の確保が重要だと考えております。

しかしながら、近年の労働人口の減少や優秀な人材の獲得競争の激化及び人件費の高騰等により人材の確保、育成、雇用継続ができず、その結果、当グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 情報管理に関するリスク

当グループは、社員情報、取引先情報、インターネット販売等により、多くの個人情報を保有しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備し、厳重に行っておりますが、万一個人情報の漏洩等が起きた場合には、当グループのブランドイメージの低下や損害賠償による費用の発生等、当グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) パンデミックに関するリスク

新型コロナウイルス感染症は収束しつつありますが、新たなウイルス等の発生により大規模なパンデミックが生じた場合、物流の停滞、店舗の臨時休業や営業時間の短縮等、サービス提供への支障が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、当グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の概要)

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、行動制限の解除や入国規制の緩和に伴い、経済活動の正常化に向けた動きが見られました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や為替相場の急激な変動による商品・サービス価格の上昇など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

国内衣料品販売の市場では、外出需要の増加に伴い季節商品の販売が好調に推移し、インバウンド需要も回復傾向を見せ始めましたが、新型コロナウイルス感染症の感染状況や気温の変化が実需に大きな影響を及ぼすなど、市場環境の変化に迅速に対応することが求められております。

 

このような状況の中で当グループは、今期の経営方針『タビオ・デジタルリミックス』を掲げ、リアルとWEBが融合したOMO店舗の出店・リニューアルを加速し、お客様に新たな購買体験を提供することで利便性を高め、顧客満足度の向上と新規顧客の獲得につなげております。

 

(国内専門店事業)

国内専門店事業におきましては、『靴下屋』『Tabio』『Tabio MEN』各ブランドの国内専門店舗をOMO店舗とするため、新規出店・リニューアルを進めました。具体的には、トレンドを取り入れた店装やオンラインサイネージを導入し、SNSを起点としたトレンドに迅速に対応できる商品展開の実施に注力しました。また、AI機能を搭載した刺繍機の導入や店頭販売員によるスマホ接客など、お客様一人一人に合わせた付加価値の高いサービスの強化にも取り組みました。

以上の結果、「国内専門店事業」の売上高は12,159百万円(前年同期比11.9%増)となりました。

 

(国内EC事業)

国内EC事業におきましては、将来的な目標である売上構成比25%を達成するための施策を実施いたしました。具体的には、商品画像を置き画像から着用画像に変更し、スタッフコーディネートを活用するなど、ECサイトにおけるユーザビリティを高める施策を中心に進めました。また多くの企業やブランドとのコラボ商品展開や、スマホからでもオリジナルソックスが作成できるカスタム刺繍サービスの提供など、お客様一人一人の需要に対応できる施策も行いました。

以上の結果、「国内EC事業」の売上高は1,908百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

(海外・スポーツ卸事業)

スポーツ卸事業におきましては、機能性を追求したスポーツソックスの展開をランニング、フットボール、野球、バスケットボールと拡大しております。その中でもフットボールソックスは、トップ選手から学生まで購買層が拡がり、売上成長の牽引役となりました。

また海外事業では、欧州・北米市場において、新型コロナウイルス感染症の影響も収束し、経済活動の正常化とともに売上も回復しました。中国市場ではゼロコロナ政策の影響が大きく厳しい状況が続きましたが、今後も重要な成長市場として見据え、現地子会社を設立し、現地の需要に応じた最適な生産体制を構築する準備を進めております。

以上の結果、「海外・スポーツ卸事業」の売上高は1,196百万円(前年同期比15.5%増)となりました。

 

出退店状況におきましては、フランチャイズチェーン店9店舗、直営店4店舗の新規出店と、フランチャイズチェーン店6店舗、直営店11店舗の退店により、当連結会計年度末における店舗数は、フランチャイズチェーン店114店舗(海外代理商による28店舗を含む)、直営店159店舗(海外4店舗を含む)、合計273店舗となりました。

 

利益面におきましては、固定資産の減損会計の適用を行った結果、減損損失134百万円を計上しております。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,264百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益507百万円(前年同期比321.0%増)、経常利益529百万円(前年同期比162.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益232百万円(前年同期比26.3%増)となりました。

 

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の売上高は152百万円減少し、販売費及び一般管理費が152百万円減少しております。

 

(注) セグメント情報について

当グループは、靴下に関する事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

なお、セグメントに代えて、事業部門等に関連付けて記載しております。

 

 

(2)財政状態

① 資産

当連結会計年度末における総資産は、売掛金121百万円、ソフトウェア61百万円及びリース資産35百万円等の増加があった一方、現金及び預金233百万円等の減少があったことにより、前連結会計年度末と比べて14百万円減少し、7,733百万円となりました。

 

② 負債

当連結会計年度末における負債は、買掛金91百万円、固定負債のリース債務38百万円及び資産除去債務35百万円等の増加があった一方、長期借入金221百万円等の減少があったことにより、前連結会計年度末と比べて43百万円減少し、3,714百万円となりました。

 

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末と比べて28百万円増加し、4,019百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ233百万円減少し、当連結会計年度末には、2,601百万円(前年同期比8.2%減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益282百万円、減価償却費248百万円の計上があったこと等により、610百万円(前年同期比231百万円の減少)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出120百万円、無形固定資産の取得による支出108百万円があったこと等により、△267百万円(前年同期比251百万円の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出220百万円、配当金の支払額204百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出127百万円があったこと等により、△579百万円(前年同期比74百万円の減少)となりました。

 

 

 

(4)仕入及び販売の実績

当グループは靴下に関する事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

① 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は、次の通りであります。

 

 

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

当グループ

6,711,654

12.7

 

 

② 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次の通りであります。

 

 

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

  至 2023年2月28日

 

金額(千円)

前年同期比(%)

 国内専門店事業

12,159,317

11.9

 国内EC事業

1,908,082

7.3

 海外・スポーツ卸事業

1,196,821

15.5

合計

15,264,221

11.6

 

 

(注)  主な相手先別の販売実績で当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の得意先はありません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1)重要な会計方針及び見積り

当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

また、連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高及び売上総利益

当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響も緩和され外出需要が拡大したことや、OMO施策によるお客様への新たな購買体験を提供するなどを実施したことにより、前年同期に比べ1,587百万円増加し、15,264百万円となりました。売上総利益は売上高の回復に連動し、前年同期に比べ948百万円増加し、8,632百万円となりました。以上の結果、売上総利益率は、56.2%から56.6%に増加となりました。

 

② 販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益

販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ561百万円増加し、8,125百万円となりました。以上の結果、営業利益は、前年同期に比べ386百万円増加し、507百万円となり、売上高営業利益率は0.9%から3.3%に増加となりました。

経常利益は、前年同期に比べ327百万円増加し、529百万円となり、売上高経常利益率は1.5%から3.5%に増加となりました。

 

③ 特別損益

当連結会計年度において、特別損失は247百万円(前年同期に比べ118百万円の増加)を計上いたしました。その要因と致しましては、退店店舗・不採算店の内装・什器に係る減損損失、役員特別功労金、社葬費用等であります。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ48百万円増加し、232百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前年同期に比べ7円13銭増加し、34円17銭となり、自己資本利益率は、4.7%から5.8%に増加となりました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用及び店舗改装、陳列器具等の設備投資によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 フランチャイズチェーン契約

当社は、「靴下屋」加盟店(2023年2月28日現在、114店舗)との間にフランチャイズチェーン契約を締結しております。

契約の名称

タビオフランチャイズチェーン契約

契約の内容

1 「靴下屋」の運営指導

 

 

2 当社商品、販売方法、情報、商号、商標及び指定地域内での「靴下屋」を運営する権利の提供

加盟金

原則1,500千円。但し、同一契約先が複数出店する場合、2店舗目以降は1,000千円。

加盟保証金

原則1,500千円。但し、同一契約先が複数出店する場合、2店舗分まで。

ロイヤリティ

なし

仕入及び販売条件

当社取扱い商品を当社より仕入れ、当社の提供したノウハウにより消費者に販売。

契約の期間

契約締結時に合意の上、決定する。契約期間満了後は当社および契約先が協議の上、新たに合意した場合に限り、フランチャイズ契約の再契約を行う。

契約の解除

当社は加盟者が契約違反、財政状態の悪化等の場合、即時かつ一方的に契約を解除する権利を有する。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動として、お客様にとって真の安心・安全な靴下を製造販売するため、人と地球環境に優しいオーガニックコットンを奈良県で栽培し、当グループ独自の靴下に最適な糸を開発すべく研究を積み重ねて参ります。

当連結会計年度におけるこれらの研究開発費の総額は、17百万円となっております。

  なお、当グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。