第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

  当社グループは、「真実と信頼」を創業以来の経営理念とし、消費者第一主義に徹した経営のもと、ファッションを通じて社会の生活文化向上に貢献することを目指しております。また、その基本方針に基づき、ご愛用いただくお客様一人ひとりの満足度向上並びにファンの増大を目標とした事業展開を推し進め、消費者、取引先、株主の皆様にご満足頂けますよう企業価値を更に高める努力を続けてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

  当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益を重視しています。また、キャッシュ・フローについても重点管理をしております。

  なお、当社グループは「ファッションとデジタルで顧客接点の拡大」をビジョンとして掲げ、世界に選ばれる一着を目指して、①PRIDE(時流に乗らず時流をつくる)②QUALITY(国境を越えていくラピーヌクオリティ)③MIND(これからも一着一着に思いを込めて)のコンピタンスのもとに事業活動を行っています。

2023年3月1日から2024年2月28日までの連結売上高は27億円、営業損失は4億50百万円、経常利益は80百万円を数値目標として掲げております。

 

(3) 中長期的な経営戦略

  当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高の低迷が長く続き、今後も、売上高がコロナ禍以前の水準に戻ることが難しいとの認識に基づき、以下の施策の実行により、安定的な収益構造の確立と永続的な成長発展の実現を目指しております。

①中期経営ビジョン「ファッションとデジタルで顧客接点の拡大」

  わたしたちがクリエイトする文化とお客様との絆を、リアル店舗、WEBなど、多様なチャネルを通じて深め、ブランド価値を高めていきます。

②重点施策

 当社グループの主力事業である、婦人服及び服飾雑貨の卸売・小売事業について、

・供給するデザインソースの変更や販売価格の見直しによる新規顧客の開拓を進めます。

・百貨店、直営店売場など店頭VP(ビジュアルプレゼンテーション)は、従来の顧客へ向けた新商品のPRではなく、戦略商品をPRして、従来はラピーヌを知らなかった消費者に向けてアピールを強化し、新顧客の増大を図ります。

・製造、仕入のコントロールによる在庫リスクの低減を図ります。

・発表型数・展開サイズの絞り込みによる低コスト生産を実現し、製造原価の低減による適正粗利の確保に努めます。

・事業活動で使用する固定費用の効率的運用に努めるとともに、低減を図ります。

連結子会社の福祉事業については、

・野菜の水耕栽培、土耕栽培の生産性向上に努めます。

・作業効率アップに資する施設利用者の教育訓練に努めます。

 

(4) 経営環境

①企業構造

  当社グループは、婦人服及び服飾雑貨の企画、製造、販売を主たる事業とする当社及び連結子会社1社、また

野菜の生産・販売と障害者雇用を両立させる福祉事業を行う連結子会社1社により構成されており、当社グループの事業全体の売上高及び営業利益に対し、婦人服及び服飾雑貨の企画、製造、販売事業の売上高及び営業利益は、いずれも大部分を占めております。

  事業規模及び内容につきましては、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に示しております。

②主要製品・サービスの内容

  当社グループが企画、製造、販売する主要商品は、婦人服及び服飾雑貨であります。その内容につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績」に取扱製品別の生産実績の状況を記載しております。

③顧客基盤

  当社グループの主要事業が主に対象とする顧客は、当社グループ商品を長くご愛用いただいている顧客のほか、不特定多数の一般消費者であります。販売方法は店舗における顧客との対面によるものが大半を占めますが、近年、急速に変化している生活様式や消費行動に対応するため、ECサイトの再構築に取り組んでおります。これにより、多様な販売チャネルを通じて顧客との接点を深めるとともに、新規顧客の獲得にも注力し、当社グループのブランド価値を高めてまいります。

④事業を行う市場の状況

  国内市場の情勢は、少子高齢化や人口減少による影響に加え、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が懸念されるなか、感染抑制と経済活動継続を両立するための試行錯誤が続いています。今後の経済情勢については、ワクチンの普及により緩やかに回復すると見られますが、収束の見通しは立っておらず、今後も不透明な経営環境が続くと予想されます。

  競合の状況につきましては、市場内で競合する事業者が多数存在しております。また、EC市場が急速に成長しており、メーカー直販のECサイトが拡大するなど、競合環境は厳しさを増しております。

  なお、コロナ後の新しい生活様式に対応して店頭とECの連携に対応していくことが重要となっております。

⑤販売網

  当社グループは、東京、大阪の各営業拠点から、全国の婦人服専門店、百貨店を中心に卸売販売を行い、また直営店舗を通じた小売販売を行っており、直営店舗は当連結会計年度末時点で34店を展開しております。またEC事業については、自社運営サイトのほか、大手百貨店ECサイトや有力ECモールを通じて販売を行っております。

⑥競合他社との競争優位性

  当社グループといたしましては、独自性を発揮し、競争優位性を確保するため、以下の3点に注力しております。

・価格、品質、機能を重視した新商品開発

・好立地売場の確保と接客技術の向上

・実店舗とWEBチャネルの連携強化により、お客様が使いやすく魅力あるサービスを提供

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題等

 当社グループは、第71期(2019年2月期)から第74期(2022年2月期)連結会計年度において、営業損失を計上しております。第74期は、各種助成金の活用により営業活動によるキャッシュ・フローは黒字となりました。

 また、第75期(2023年2月期)連結会計年度においても営業損失が続く中、取引金融機関からは借入金元本の返済猶予を受けており、継続して借入金弁済条件の変更交渉を行っております。

 これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループは、当該状況を解消すべく、以下の対応策を実行に移しております。

①卸売・小売事業については、

・製品の品質は維持向上を図りながら、パターン・縫製仕様の合理化を進め、よりお買い求めやすい販売価格で、売れ筋のトレンドを押さえた新作デザインを展開し、幅広いお客様層へ訴求できる魅力ある新商品の提供に努めていきます。

・百貨店、直営店売場など店頭VP(ビジュアルプレゼンテーション)は、顧客向けだけでなく、ラピーヌ商品の未購買消費者に向けてのアピールを強化し、新顧客の獲得、増大を図っております。

・製造、仕入額のコントロールとジャストインタイムの納期コントロールによる在庫リスクの低減に努めております。

・製造原価の低減による適正粗利確保の取り組みを推し進めるとともに、引き続き固定経費の徹底的削減を継続して、売上高の維持拡大と安定的な営業利益を確保できる体制を整えてまいります。

②ラピーヌ夢ファーム株式会社の福祉事業については、

 葉もの野菜の水耕栽培、土耕栽培野菜の選定と生産性向上を進めるとともに、施設利用者の作業効率アップに資する教育訓練に努め、営業利益の創出を実現できる体制を整えてまいります。

③資金の確保については、

 製造原価の低減、販売費及び一般管理費削減の継続的取り組み、取引金融機関への借入元本返済猶予の依頼、政府による緊急経済対策に基づく各種税金及び社会保険料の納付猶予制度などの利用により、当連結会計年度末における現金及び預金は20億88百万円と、当面の事業継続に必要な資金を確保しております。今後も同様の取り組みを継続するとともに、取引金融機関との良好な関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行ってまいります。

 以上の対応策の実施により、事業面及び財務面での安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。

 

 

 

2【事業等のリスク】

  当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには、以下のようなものがあります。

  なお、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年5月29日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 消費動向の変化に伴うリスク

  当社グループが取り扱う製品は、変化しやすい流行などのトレンドや、対象顧客のニーズの多様化等の影響を受けやすい市場にあり、ファッショントレンドの急激な変化や消費者の嗜好の変化、競合する同業他社の動向に加え、景気変動の影響による個人消費の低迷等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループは国内外の流行情報などを的確に把握し、魅力的な製品をお買い求めやすい価格にて提供することに努めております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、経済状況や消費動向の変化に伴う需要の変化により、常に起こりうるものと認識しております。

 

(2) 気象状況や自然災害などによるリスク

  当社グループが取り扱う製品は、天候の影響を受けやすく、冷夏や暖冬、長雨などの天候不順により、消費者の大きな需要変化が生じる場合や、自然災害、感染症の拡大(パンデミック)等により、店頭の営業継続に悪影響を及ぼす場合があり、予測を超えた気象状況の変化により見込んでいた売上が伸び悩み、あるいは地震などの天災や感染症の拡大の発生によって営業の中断が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループは、気象状況や自然災害等による売上の影響を極力受けることのないよう、生産の短サイクル化や生産コントロール、緊急時の社内体制の整備に努めております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、合理的に予見することが困難ですが常に起こりうるものと認識しております。

 

(3) 取引先与信に関するリスク

  当社グループでは取引先の信用度把握に万全を期すため、調査機関や業界情報の活用により日常的な情報収集や与信管理を徹底し、債権の回収不能という事態を未然に防ぐ体制を取っております。しかしながら、上記の取り組みの範囲を超えた事象が突発的に発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、合理的に予見することが困難ですが常に起こりうるものと認識しております。

 

(4) 製品の品質に関するリスク

  当社グループの製品につきまして、万一、製造物責任に関わる製品事故が発生した場合、賠償費用の発生、販売の減少に加え、ブランドの信用失墜により、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループは、製品の品質維持・管理にグループを挙げて取り組んでおります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、不測の事態による不具合の発生など、常に起こりうるものと認識しております。

 

(5) 法的規制に関するリスク

  当社グループは、製品の販売、仕入れ、情報管理等において、景品表示法、下請法、独占禁止法、個人情報保護法などの法的規制の適用を受けております。当社グループでは、各業務担当部門が経営統括本部と連携しながら、すべての法的規制を遵守するように取り組んでおります。しかしながら、規制強化による遵守コスト増加の可能性や、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、将来の予期しない法令等の改正や新たな行政規則など、常に起こりうるものと認識しております。

 

(6) 個人情報に関するリスク

  当社グループは、顧客管理などのため多数の個人情報を保有しており、万一、個人情報が外部に漏洩するような事態が発生した場合、社会的信用失墜による売上の減少や顧客に対する損害賠償による損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、全社的に情報管理体制の構築に取り組んでおります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、合理的に予見することが困難ですが常に起こりうるものと認識しております。

 

(7) 海外におけるリスク

  当社グループでは、企画した製品の大部分を国内の協力工場に委託し生産しておりますが、一部の製品につきましては中国ほかの海外に生産を委託しております。それに伴い、為替レートの変動、テロ、天災、伝染病といったリスクが発生する恐れがあり、その結果、原価高や製品輸入が困難になるといったリスクが発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、海外の有力企業が所有する知的財産権の使用許諾によりブランド事業を展開しております。万一、契約期間満了に伴う契約の終了や、不測の事由による契約の解除、契約内容の変更など、ライセンス契約を継続できない事態が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらの対応策として、当社グループは、仕入先との連携強化による生産管理体制の強化や、知的財産権の管理体制の強化に取り組んでおります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、合理的に予見することが困難ですが常に起こりうるものと認識しております。

 

(8) システムに関するリスク

  当社グループは、コンピュータシステムと通信ネットワークを利用して業務処理を行っており、自然災害や事故、コンピュータウイルスに起因するシステムの停止、ハッカーなどの外部からの不正な侵入などの犯罪により、システムダウンや重要データの消失または漏洩が生じる可能性があり、このような事態が発生した場合、事故対応のコストの増加、損害賠償や信用力の低下等のリスクが想定され、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループは、外部からの不正アクセスやウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、合理的に予見することが困難ですが常に起こりうるものと認識しております。

 

(9) 固定資産の減損に関するリスク

  当社グループにおいて、上記(1)~(8)のリスクの顕在化等により、当社グループ事業におけるブランドや売場単位の収支悪化が発生した場合には、保有する固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。追加的な減損のリスクを低減するため、当社グループでは毎期継続的に減損の兆候の有無を確認しております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、事業環境の変化に伴う使用価値の低下など予測が困難ですが、常に起こりうるものと認識しております。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症について

  当連結会計年度におきましては、年間を通じて新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、感染拡大防止に向けて企業活動や消費者の行動が制限され、その収束時期が見通せない厳しい状況が継続いたしました。

  当社グループにおきましては、時短勤務の継続、在宅勤務や自宅待機の運用、感染対策を徹底したイベントの開催など、危機管理室より従業員に向けて行動指針を発信し、感染防止に努めながら事業活動を行っております。今後はワクチン接種率の拡大や各種感染防止策によって緩やかな回復基調を辿ることが期待されますが、今後もしばらくは個人消費が低迷し、厳しい状況が続くものと予想され、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。それらのリスクが顕在化する可能性は予測困難でありますが、感染症対策を徹底しながら業務効率化に取り組むとともに、当社商品のブランド価値を高め、安定的収益力、経営基盤の強化に努めてまいります。

 

(11) 継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループは、第71期(2019年2月期)から第74期(2022年2月期)連結会計年度において、営業損失を計上しております。第74期は、各種助成金の活用により営業活動によるキャッシュ・フローは黒字となりました。

 また、第75期(2023年2月期)連結会計年度においても営業損失が続く中、取引金融機関からは借入金元本の返済猶予を受けており、継続して借入金弁済条件の変更交渉を行っております。

 これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループは、当該状況を解消すべく、以下の対応策を実行に移しております。

①卸売・小売事業については、

・製品の品質は維持向上を図りながら、パターン・縫製仕様の合理化を進め、よりお買い求めやすい販売価格で、売れ筋のトレンドを押さえた新作デザインを展開し、幅広いお客様層へ訴求できる魅力ある新商品の提供に努めていきます。

・百貨店、直営店売場など店頭VP(ビジュアルプレゼンテーション)は、顧客向けだけでなく、ラピーヌ商品の未購買消費者に向けてのアピールを強化し、新顧客の獲得、増大を図っております。

・製造、仕入額のコントロールとジャストインタイムの納期コントロールによる在庫リスクの低減に努めております。

・製造原価の低減による適正粗利確保の取り組みを推し進めるとともに、引き続き固定経費の徹底的削減を継続して、売上高の維持拡大と安定的な営業利益を確保できる体制を整えてまいります。

②ラピーヌ夢ファーム株式会社の福祉事業については、

葉もの野菜の水耕栽培、土耕栽培野菜の選定と生産性向上を進めるとともに、施設利用者の作業効率アップに資する教育訓練に努め、営業利益の創出を実現できる体制を整えてまいります。

③資金の確保については、

製造原価の低減、販売費及び一般管理費削減の継続的取り組み、取引金融機関への借入元本返済猶予の依頼、政府による緊急経済対策に基づく各種税金及び社会保険料の納付猶予制度などの利用により、当連結会計年度末における現金及び預金は20億88百万円と、当面の事業継続に必要な資金を確保しております。今後も同様の取り組みを継続するとともに、取引金融機関との良好な関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行ってまいります。

以上の対応策の実施により、事業面及び財務面での安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。

しかしながら、これらの対策は実施途上であり、今後の営業損益及び財務面に及ぼす影響の程度や期間について不確実性があることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

なお、当連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を、連結財務諸表に反映しておりません。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済環境は、2022年3月のまん延防止等重点措置の解除以降、同年7月と10月の新型コロナウイルス変異株の再流行があったものの、ワクチン接種など感染拡大防止策の進行から社会経済活動との両立が図られ、緩やかな回復基調を辿りましたが、一方でウクライナ情勢の長期化、円安の進行、資源エネルギー価格の上昇など、景気の下振れリスクもあり、先行き不透明な状況が続きました。

 アパレル業界におきましては、一部に個人消費の回復傾向が見られたものの、コロナ下の生活様式の変化や物価上昇による消費マインドの冷え込みが顕在化するなど、依然として厳しい状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループは、収益改善を優先課題とし、商品企画・製造と販売の市場競争力の強化、人件費以外の経費、変動費の削減と合理化など企業活動の効率化に取り組んでまいりました。

  この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

  当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億41百万円増加し、40億24百万円となりました。

  当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて16百万円減少し、28億68百万円となりました。

 

  当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億57百万円増加し、11億55百万円となりました。

 

b.経営成績

  当連結会計年度の売上高は33億円(前年同期は43億74百万円)となり、損益面におきましては、販売費及び一般管理費の抑制に努めましたものの、営業損益は6億49百万円の損失(前年同期は9億28百万円の損失)、経常損益は助成金の制度を活用して、2億68百万円の利益(前年同期は1億78百万円の利益)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は1億58百万円の利益(前年同期は1億55百万円の利益)となりました。

  なお、当連結会計年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)を適用しております。この為、前連結会計年度(収益認識会計基準適用前)との比較において、売上高の増減額及び前年同期間比較(%)を記載せずに説明しております。

 

  セグメント別の経営成績の概要は次のとおりであります。

<卸売事業>

 百貨店・専門店販路に向けて、お買い求めやすい小売価格設定とトレンドを捉えた新デザイン開発など商品企画開発に取り組み、製造・仕入量の抑制・コントロール、製造原価低減の施策に努め、販売面では、来店促進の為の効果的な販売促進施策の実行に加え、取引条件の改善交渉、不採算取引の整理など、効率を重視した営業活動に継続して努めてまいりました。

 その結果、当事業の売上高は18億87百万円(前年同期は22億62百万円)となり、営業損益は5億72百万円の損失(前年同期は8億6百万円の損失)となりました。

<小売事業>

 既存直営店舗の採算性改善に向けて、新規消費者の来社促進に効果的な販売促進策を講じるとともに、適時適品の商品供給と魅力ある品揃えにより消費者への訴求力を高めるとともに、不採算店舗は撤退を進めてまいりました。EC販路の展開は、商材の見直しを検討して、拡大に努めてまいりました。

 その結果、当事業の売上高は14億1百万円(前年同期は21億円)となり、営業損益は45百万円の損失(前年同期は87百万円の損失)となりました。

 直営店数につきましては、当連結会計年度中に新規出店はなく、7店を退店し、当連結会計年度末の運営店舗数は当社グループ合計で34店です。

<福祉事業>

 当社グループの社会福祉への取組みとして、障害者総合支援法に基づく「障害者福祉サービス事業」と農地法に基づき農業委員会の認可を受けた「野菜の生産及び販売事業」を両立させる事業をラピーヌ夢ファーム株式会社で行っています。主力の葉もの野菜の水耕栽培に加えて、土耕野菜の栽培拡大にも取り組み、売上高確保と採算性改善に努めております。

 当事業の売上高は11百万円(前年同期は11百万円)となり、営業損益は32百万円の損失(前年同期は34百万円の損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が1億68百万円となり、棚卸資産の減少1億8百万円などにより、3億61百万円の収入(前年同期は3億57百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、資産除去債務の履行による支出42百万円、差入保証金の純減少額50百万円などにより、9百万円の収入(前年同期は26百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入1億60百万円などにより、1億57百万円の収入(前年同期は3百万円の支出)となりました。

  この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて5億27百万円増加して、20億88百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度における生産実績を取扱製品別に示すと、次のとおりであります。

区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

ジャケット

130,454

69.4

ブラウス

371,377

58.1

スカート、パンツ

69,077

50.6

ドレス

105,046

66.9

スーツ

39,108

132.5

コート

106,442

55.0

その他

11,654

20.9

合計

833,160

59.5

  (注)1 金額は製造原価であります。

2 生産実績については、「卸売事業」、「小売事業」及び「福祉事業」の3つのセグメント別の把握が困難であるため、取扱製品別で開示しております。

 

b.受注実績

  当社グループは原則として受注生産は行っておりません。

 

c.販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

卸売事業

1,887,080

83.4

小売事業

1,401,055

66.7

福祉事業

11,866

101.2

合計

3,300,002

75.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態及び経営成績の分析

1) 財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億41百万円増加し、40億24百万円(前連結会計年度末は36億83百万円)となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の減少92百万円や商品及び製品の減少77百万円などがあったものの、現金及び預金の増加5億27百万円などがあったことによるものです。

  流動資産は、前連結会計年度末に比べ2億86百万円増加の25億9百万円(前連結会計年度末は22億22百万円)となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の減少92百万円などがあったものの、現金及び預金の増加5億27百などがあったことによるものです。

  固定資産は、前連結会計年度末に比べ54百万円増加の15億14百万円(前連結会計年度末は14億60百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の増加57百万円などがあったことによるものです。

(負債合計)

  当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて16百万円減少し、28億68百万円(前連結会計年度末は28億85百万円)となりました。これは主に、長期借入金の増加1億60百万円や訴訟損失引当金の計上1億円があった半面、退職給付に係る負債の減少1億16百万円や未払金の減少1億22百万円などがあったことによるものです。

  流動負債は、前連結会計年度末に比べ1億76百万円減少し、18億28百万円(前連結会計年度末は20億5百万円)となりました。これは主に、未払金の減少1億22百万円などがあったことによるものです。

  固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億60百万円増加し、10億39百万円(前連結会計年度末は8億79百万円)となりました。これは主に、長期借入金の増加1億60百万円や訴訟損失引当金の計上1億円があった半面、退職給付に係る負債の減少1億16百万円などがあったことによるものです。

(純資産合計)

  当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億57百万円増加し、11億55百万円(前連結会計年度末は7億98百万円)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1億58百万円の計上や退職給付に係る調整累計額1億42百万円の増加によるものです。

 

2) 経営成績

(売上高、売上総利益)

 当連結会計年度におけるわが国経済環境は、2022年3月のまん延防止等重点措置の解除以降、同年7月と10月の新型コロナウイルス変異株の再流行があったものの、ワクチン接種など感染拡大防止策の進行から社会経済活動との両立が図られ、緩やかな回復基調を辿りましたが、一方でウクライナ情勢の長期化、円安の進行、資源エネルギー価格の上昇など、景気の下振れリスクもあり、先行き不透明な状況が続きました。

 アパレル業界におきましては、一部に個人消費の回復傾向が見られたものの、コロナ下の生活様式の変化や物価上昇による消費マインドの冷え込みが顕在化するなど、依然として厳しい状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループは、収益改善を優先課題とし、商品企画・製造と販売の市場競争力の強化、人件費以外の経費、変動費の削減と合理化など企業活動の効率化に取り組んでまいりました。

  この結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。

  卸売販路、小売販路ともに売上減少の影響が大きく、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて10億74百万円減少して33億円(前連結会計年度は43億74百万円)となりました。

  売上総利益は、売上高の減少に加え、前連結会計年度に棚卸資産評価損を売上原価に計上したことと、製造原価の低減により、売上高総利益率が前連結会計年度に比べ16.2ポイント改善し、54百万円増加して20億2百万円(前連結会計年度は19億47百万円)となりました。

(営業損益)

  営業損益は、販売費及び一般管理費を前連結会計年度に比べ2億24百万円節減いたしましたものの、6億49百万円の損失(前連結会計年度は9億28百万円の損失)となりました。

(経常損益)

  経常損益は、各種助成金の制度を活用したことにより営業外収益が営業外費用を上回り、2億68百万円の利益(前連結会計年度は1億78百万円の利益)となりました。

(税金等調整前当期純損益)

  当連結会計年度において特別損失に訴訟損失引当金1億円を繰り入れたこと等から、税金等調整前当期純損益は1億68百万円の利益(前連結会計年度は1億66百万円の利益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 親会社株主に帰属する当期純損益は、上記の税金等調整前当期純利益に対し、法人税、住民税及び事業税9百万円等を計上したことにより、1億58百万円の利益(前連結会計年度は1億55百万円の利益)となりました。

 

3) キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載とおり、消費動向の変化、気象状況や災害等のリスク項目をはじめとする、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループでは、消費動向に留意しつつ、魅力的な製品の提供に努め、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための情報収集、人材育成や組織体制の整備、内部統制強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めてまいります。

 

c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  セグメントごとの経営成績につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。

  セグメントごとの財政状態につきましては、卸売事業のセグメント資産は前連結会計年度末に比べ1億78百万円減少の2億33百万円(前連結会計年度末は4億11百万円)となりました。

  小売事業のセグメント資産は前連結会計年度末に比べ48百万円減少の2億86百万円(前連結会計年度末は3億34百万円)となりました。

  福祉事業のセグメント資産は前連結会計年度末に比べ489千円減少の346千円(前連結会計年度末は835千円)となりました。

 

d.経営成績、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益を重視し、キャッシュ・フローについても重点管理をしております。これらに関しましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。

 なお、長く続く新型コロナウイルス感染症の影響から中期経営計画「NL2023」の数値目標が大きく未達に終わる事から、2023年3月1日から2024年2月28日までの連結売上高は27億円、営業損失450百万円、経常利益80百万円を数値目標として掲げております。更に当該数値の改善ができるよう取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する事項

a.キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

2019年2月期

2020年2月期

2021年2月期

2022年2月期

2023年2月期

自己資本比率(%)

65.7

56.1

18.4

21.5

28.6

時価ベースの自己資本比率(%)

26.8

34.7

26.7

20.2

19.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.6

5.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

24.4

21.8

(注)1 各指標の算出方法は、以下のとおりです。

(1) 自己資本比率:自己資本/総資産

(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

6 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

7 2022年2月期及び2023年2月期以外のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当社グループの事業活動における必要資金は、当社グループ製品の製造に係る原材料費等の費用や販売費及び一般管理費等の運転資金、直営店舗及び百貨店売場等の開設及びリニューアルに係る投資資金が主なものであります。

  運転資金及び投資資金の調達につきましては、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。これらにより、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。

  また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は20億88百万円、有利子負債の残高は18億円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

  特記事項はありません。