文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
① 経営理念
当社グループは、経営理念として「感動と快適さを提供する商品の開発」「相互信頼を通じた豊かな関係づくり」「快活な職場づくりへの参画と社会の発展への寄与」「自己の成長と豊かな生活の実現」を掲げ事業活動を進めております。
当社グループは、ステークホルダーズの皆様に期待される会社になるため、経営理念に基づき企業ビジョン「お客様満足№1」を掲げ、お客様のお声に真摯に耳を傾け、新潟県燕三条地域の職人気質のモノづくりで、お客様にご満足いただける商品・サービスをお届けし続ける企業を目指しております。

② 目標とする経営指標
当社は業績を示す経営指標として、事業特性に照らして、取組みの成果を適切に示す観点から以下のとおり2020年度から2022年度までの中期経営計画(2020年4月24日公表)を策定しており、同計画では事業規模の拡大を追求するのではなく、事業の「質」を改善することに注力してまいりました。同計画については、利益面では累計で目標を達成いたしましたが、最終年度である2022年度は単年度目標を達成することができませんでした。引き続き、事業構造を筋肉質に転換し財務体質を強化するとともに、次の事業成長のための戦略的投資を進め、事業のサステナビリティを強化してまいります。
なお、2022年度の経営成績概要については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、今後3年間の新中期経営計画(2023-2025)につきましては、2023年上期を目途に発表を予定しております。
(中期経営計画(2020-2022)数値目標及び実績)
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2020年度 実績 |
2020年度 目標値 |
2021年度 実績 |
2021年度 目標値 |
2022年度 実績 |
2022年度 目標値 |
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売上高 (百万円) |
12,505 |
12,200 |
12,869 |
12,600 |
10,930 |
13,180 |
|
営業利益 (百万円) |
608 |
250 |
719 |
350 |
40 |
480 |
|
経常利益 (百万円) |
484 |
130 |
610 |
230 |
143 |
450 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) |
164 |
60 |
419 |
150 |
69 |
300 |
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ROE |
2.3% |
0.9% |
5.0% |
2.3%以上 |
0.8% |
4.6%以上 |
|
自己資本比率 |
62.2% |
59%程度 |
78.2% |
60%程度 |
74.5% |
62%程度 |
(2)新たな中長期的な経営戦略及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国の経済は、コロナ禍からの経済社会活動の正常化が進むものの、ウクライナ情勢の長期化や原材料及びエネルギー価格の高騰と急激な円安によるインフレ圧力の強まりなど、激しい外部環境の変動が続いております。個人消費につきましては、人流回復による持ち直しの動きが見られる一方で、物価高騰の影響を受けて節約志向が高まるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しております。
当社は、このような急激に変化する事業環境の中で、持続可能な経営を実現するには、経営理念のもとにツインバードの存在意義や価値観を明確にすることが肝要と考えております。私たちがたどり着いたのは、やはり「お客様の喜びが私たちの喜びである」という原点であり、お客様のお声に真摯に耳を傾け、新潟県燕三条地域の職人気質のモノづくりで、お客様にご満足いただける商品・サービスをお届けし続ける企業を目指してまいります。
当社は、2022年10月に「ツインバード工業株式会社」 から 「株式会社ツインバード」へ社名変更いたしました。これまで以上に品質第一で、新潟県燕三条地域の職人気質のものづくりにこだわりながらも、モノだけではなく体験価値や情緒価値へ変化する生活者のニーズ、そしてサステナブルな社会への変化に合わせて、本質的に豊かな暮らしをお届けするライフスタイルメーカーへの変革を進めております。今後、よりステークホルダーズの皆様に期待される会社になるため、経営理念に基づく企業ビジョン「お客様満足No.1」を掲げ、その実現に向けて、TWINBIRDブランド価値向上、経営品質の向上、成長事業の進展を柱とする取り組みを進めてまいります。
1.TWINBIRDブランド価値向上
当社は、本質的な豊かさを創造する「ライフスタイルメーカー」に変革すべくリブランディング(ブランド再構築)に取り組んでおります。匠の技をおうちで好きなだけ味わえる「匠プレミアム」、本当に必要なものだけがくれる感動と快適を長く提供する「感動シンプル」の2つのブランドラインを軸に、商品を提供しております。
今後も、お客様に寄り添い、安心して永くお使いいただける商品をご提供するための商品開発の強化とご購入後もツインバードのファンになっていただけるよう継続的なコミュニケーションを実施してまいります。ツインバードのパーパスのひとつでもあります「感動と快適さの提供による人々のライフバリュー向上」をとおしてTWINBIRDブランドの価値向上を図ります。
2.経営品質の向上
家電製品につきましては、引き続き商品点数の削減を進めながらも商品1点当たりの売上を増加させ、価格訴求から価値訴求への転換を進めてまいります。「匠プレミアム」と「感動シンプル」の製品を中心に高付加価値型の新製品をお客様にお買い求めいただき、より良い製品体験を通じてツインバードのファンを増やし、お客様のライフタイムバリュー最大化を目指すとともに、寄り添うお客様に向け、重点商品カテゴリーのラインナップ拡充やシリーズ化により、顧客価値向上を目指してまいります。マーケティング、企画・開発、購買、製造、品質、営業、物流、アフターサービスまで、製造業としてのすべての機能を有する当社の強みを活かし、顧客起点のバリューチェーンの見える化、仕組み化により、部門間の連携強化を実施し、付加価値創造の最大化を図ってまいります。
また、サプライチェーンの見直しや強靭化により、お客様の需要にお応えできるよう円滑な商品供給(単機能電子レンジや冷蔵庫など)を実現し、確実な収益の確保を図ってまいります。
さらに、ここ数年で高止まりした販売費及び一般管理費の見直しを図り、ローコストオペレーションを徹底する一方で、新製品開発やリブランディング活動、DX投資、FPSC事業の技術開発など大胆な戦略的投資を実行することにより、事業のサステナビリティの向上を目指してまいります。
3.成長事業の進展
当社は、独自の技術を活かした海外事業とFPSC事業を成長事業として位置付けております。
海外事業におきましては、台湾や韓国等の当社製品の販売代理店との取引深耕を進める一方で、東南アジアにおける販路開拓を目指します。当社の特徴を強く反映した「匠プレミアム」と「感動シンプル」製品を中心とした付加価値商品と現地の生活者ニーズを融合し、アジア現地パートナーとの協業による販路拡大とツインバードブランドの構築を進めてまいります。
FPSC事業におきましては、国内における安心安全なコールドチェーンの構築実績を活かし、海外市場を開拓してまいります。外務省とJICA(独立行政法人国際協力機構)は、緊急無償資金協力として特にワクチン接種が急がれる地域における「ラスト・ワン・マイル支援」を継続実施するとともに、海外展開を加速するため、WHO(世界保健機関)認可による医療機材の認証制度であるPQS(Performance, Qualityand Safety)認証の取得を進めております。国連関係機関をはじめ、大手NGOや慈善団体の機材選定基準を満たすことにより、海外需要のさらなる拡大を目指します。
国内においては、医療コールドチェーンに提供する製品として高い信頼性が求められるため、定期的なメンテナンス(リフレッシュサービス)が必要となります。新規の受注活動と並行して継続的なサービス需要の取り込みを進めることで、事業基盤の強化を図ります。
さらに、ワクチン(予防薬)以外の新分野における需要開拓を進めてまいります。具体的には、今後の成長が見込まれる生物由来の治療薬(抗体医薬品、細胞治療薬、遺伝子治療薬等)のグローバルコールドチェーン市場をターゲットに、中長期的な事業拡大を推進するため、開発投資を継続してまいります。
医療用以外の分野におきましては、2015年パリ協定採択を契機に、世界各国で脱炭素の動きが加速している点に注目しております。わが国も2050年カーボンニュートラルを目標に掲げ、官民で様々な取り組みを進めておりますが、CO₂排出量全体の約4分の1を占める製造業では、各社が排出量削減に向けた技術革新に取り組んでおります。こうした動きをとらえ、省電力・低排熱・フロン不使用といったFPSCの優れた省エネ性能を活かし、脱炭素に貢献する次世代の産業用冷却装置として採用の拡大を目指してまいります。
当社グループは、事業活動に関わるあらゆる潜在的リスクを的確に把握し、リスクの発生防止又は危機が発生した場合の損失の最小化を図るため、「リスク管理委員会」設置し、リスクに対して主体的に対応できる体制を整備しています。
「リスク管理委員会」の委員長は、リスク管理担当役員が務め、委員会は常勤取締役、委員長、本部長、内部監査担当部長及び委員長が必要に応じ指名する者で構成されています。
「リスク管理委員会」は、リスク事象の識別、分析、評価をおこなうことで、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性のある「重大リスク」を抽出し、その予防と対応策を検討し、その結果は取締役会に報告しています。重大リスクに対する対策方針は、業務執行部門に周知され、各部門は自己点検の結果や監査指摘事項を踏まえて、是正・改善措置を実施します。
また、万が一、不祥事やトラブルが発生した際は、状況を総合的に把握し、迅速な危機管理対応をおこないます。平時においては、危機に対する再発防止策を検討し、業務執行部門に実施を指示します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらのリスクは必ずしも全ての事象を抽出したものではありません。想定していないリスクによる影響を将来的に受ける可能性があります。
(1)経済環境に関するリスク
経済状況の変動について [発生可能性:高 影響度:高]
当社グループの売上の大きな部分を占める家電製品は、その販売される国や地域の経済変動の影響を受けます。特に主要市場である日本市場において景気後退や需要減少が顕在化した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
そのような状況を踏まえ、当社グループは中期経営計画(2020-2022)における、「事業構造を筋肉質に転換し、収益性と資産効率を向上させ、キャッシュ・フローの創出力を高めることで財務体質を強化する」ことを基本戦略として諸施策を実行することで、経済状況の変動への耐性を引き続き高めてまいります。
為替相場の変動について [発生可能性:中 影響度:高]
当社は、海外の製造委託会社から製品や部材を輸入しております。それらの取引は日本円以外の通貨で決済しているため、為替変動リスクに晒されています。予測を超えて為替相場等が急激に変動した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
きめ細かな為替予約によりリスクをヘッジし、また海外向け販売の拡大や国内製造比率の増加を図り、為替相場に影響されにくい体質づくりを推進してまいります。
資金調達環境の変化について [発生可能性:中 影響度:中]
当社グループは、事業資金を主に金融機関からの借入により調達しています。当社グループは、金融市場の不安定化等により資金調達環境が悪化し、資金調達の制約や資金調達コスト上昇等の影響を受けた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動により支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値が影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
資金調達環境のリスクに対して、当社グループは収益性の改善や運転資本等の圧縮を通じてキャッシュ・フローの創出力を強化するとともに、事業活動への貢献度の低い不要資産の売却・処分などを通じて保有資産の見直しを進め、財務体質を強化しています。また、適切な水準の手元流動性、自己資本比率、長短借入金比率を確保いたします。強化した財務体質を活かして、シンジケートローン契約を締結しました。これにより安定的かつ効率的に資金調達を実行できるようになります。
株式価値の下落について [発生可能性:中 影響度:低]
当社グループは、金融資産の一部として国内企業等の株式を保有していますが、株価下落等の株式価値の減少により、親会社の所有者に帰属する持分が減少する可能性があります。この場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループは、主に相手企業との取引関係、提携関係並びに協業関係の維持・強化を図る目的で政策保有株式を保有していますが、個別の政策保有株式については、その保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を毎年、取締役会にて具体的に精査し検証しています。その結果、継続保有する意義が認められないと判断される場合は投資先の理解を得ながら適切な時期に売却することを検討しております。
退職給付債務におけるリスクについて [発生可能性:中 影響度:中]
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
市場環境が急激に変化した場合は、現行の確定拠出型企業年金制度における将来的な掛金負担の増大や資産運用リスク等を軽減できる制度への移行の可能性を検討いたします。
海外事業におけるカントリーリスクについて [発生可能性:低 影響度:高]
当社グループは、海外の製造委託先から製品や部材を調達し、また海外市場のお客様に対し主に販売代理店等を通じた販売活動を行っています。各国における急激な政策変更や経済変動、国際紛争等が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
かかるリスクの低減を図るため、国内製造の品目数及び生産比率を高めることで、海外の製造委託先からの製品や部材調達に対する依存度を低減してまいります。
(2)当社グループの事業活動に関するリスク
新製品開発におけるリスクについて [発生可能性:中 影響度:高]
当社グループは、新製品の開発に鋭意注力しておりますが、市場から支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、その結果これら製品の販売が成功しない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
新製品の企画において新製品の訴求ポイントと市場の位置づけの妥当性を慎重に見極め、市場ニーズに応じた高付加価値製品や価格競争力のある製品の開発を目指しております。
製造委託先からの調達価格の高騰や供給不足について [発生可能性:高 影響度:高]
当社グループは製造委託先から十分な品質の製品、部材等をタイムリーに調達することが競争力を維持する上で不可欠となります。製造委託先の人件費高騰などにより調達価格が上昇した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
優良な製造委託先とのパートナーシップをさらに強化するとともに、VAVE活動を通じて品質の向上と部品の共通化促進などを推進し、調達コスト低減と安定供給体制の強化に努めてまいります。また、調達価格が著しく高騰した場合においては、市場の状況に応じた売価反映を検討いたします。
地政学リスクの高まりについて [発生可能性:中 影響度:高]
米中の二国間関係やロシア・ウクライナ情勢を巡る多国間関係など、国際関係は緊張が継続しております。そのような中、各国の経済安全保障政策が強化され、輸出入取引が制限または停止された場合においては、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
サプライチェーンの見直しの一環として、安定して製品を供給できる国内生産への移行を検討しております。また、原材料や部品を一つのサプライヤーに依存せず複数のサプライヤーから調達することで、リスク分散を図ってまいります。
販売価格の下落について [発生可能性:中 影響度:高]
当社グループの主要な販売先である家電量販店やECサイト販売においては熾烈な価格競争が展開されており、さらなる販売価格の低下が継続する場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
多様化・細分化するお客様のニーズの中からターゲットユーザーを絞り込み、その価値観に刺さる商品・サービスを提供し続けてまいります。また、お客様との様々な繋がりを通じて、当社グループの商品やサービスの「本質的な価値」を実感いただけるようにお客様との接点を強化してまいります。
売掛債権の回収リスクについて [発生可能性:低 影響度:中]
当社グループのお客様のなかには、代金後払いの条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが売掛債権を有するお客様の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの業績や財政状態が悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
得意先毎の与信管理をきめ細かく実施することで、回収リスクに応じた取引条件を設定してリスクの低減を図ります。
有能な人材の確保に関するリスクについて [発生可能性:低 影響度:中]
当社グループの発展には、マネジメント分野や各機能領域において有能な人材を確保することが欠かせません。しかしながら、国内においては少子高齢化が進む中、有能な人材の獲得競争は激しさを増しています。その影響で適切な人材を確保できない場合、当社グループの将来における事業成長や業績改善の障害になる可能性があります。
[対応策]
多様な働き方を支援する新たな人事制度を活用し、雇用形態の多様化や柔軟な報酬制度・評価制度を適切に運営することで有能人材を雇用しやすい就労環境を整備します。また、人材育成方針や個々人のキャリア計画に応じた教育制度をさらに拡充し、若年層の底上げやシニア人材の活用を図ってまいります。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
製造物責任等による費用発生について [発生可能性:中 影響度:高]
万一、当社グループの製品及びサービスに重大な欠陥が発生した場合、その欠陥に起因して損害賠償責任を負い、多大な対策費用が発生し、当社グループの信用やブランドイメージの低下などにより、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループは、当社並びに製造委託先において厳格な品質保証体制を構築し、お客様に対して高い性能と品質を備えた製品及びサービスの提供に努めております。公的安全基準の遵守にとどまらず、ISO9001認証を取得し品質マニュアルを定め、安全性の向上に努めております。万一、製品に重大な欠陥等が生じた場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。
知的財産権に関連した損害について [発生可能性:中 影響度:高]
当社グループは、知的財産権の確保とその保護に努めておりますが、それらを使用した第三者による類似製品等の製造、販売を完全に防止できない可能性があります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申立てが認められた場合、重要な技術を利用することができなくなり、また多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
[対応策]
当社グループは、知的財産権を経営上重要な資産と認識し、競争上重要な特許、意匠、商標権などの権利化に取り組んでおります。また、当社グループの製品を市場導入する前に、第三者の知的財産権を侵害するリスクを回避するために、事前の確認を徹底しております。
情報セキュリティ及び個人情報保護について [発生可能性:中 影響度:高]
当社グループは、様々な事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。またお客様や取引先の情報以外に、当社自身の機密情報(当社グループの技術情報等)を取り扱っています。不測の事態により重要データが、改ざん、破壊、漏洩並びにシステム停止等が生じた場合には、当社グループの信用やブランドイメージの低下、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、これらの情報管理につきましては、サイバー攻撃等による不正アクセスやデータの改ざん、データの破壊や漏洩に対する技術的対策、情報セキュリティ委員会並びに情報セキュリティ対策部会(CSIRT)による活動を含む組織的対策、従業員との秘密保持契約締結・情報セキュリティ教育などを含む人的対策などを講じております。
また、個人の権利利益を保護するため、「個人情報保護方針」に基づき、保有する個人情報の適正な取扱いの確保に関し必要な事項を「個人情報取扱規程」に定め、運用を徹底しております。
(4)自然災害等に関するリスク [発生可能性:低 影響度:高]
当社グループは、国内外の事業活動地域において、地震、洪水、台風、感染症等の自然災害が発生した場合、当社グループや取引先企業の生産、販売、物流、サービス等の事業活動が停止し、サプライチェーンが混乱する事態が生じる恐れがあります。そのため、それらの事態が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、BCP文書を策定し危機発生時の対応マニュアルを整備するとともに、保険によるリスクの移転を図っております。これらの対応を継続的に実施することにより事業活動への影響の低減を図っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済社会活動の正常化が進むものの、ウクライナ情勢の長期化や原材料及びエネルギー価格の高騰と急激な円安によるインフレ圧力の強まりなど、激しい外部環境の変動が続いております。個人消費につきましては、人流回復による持ち直しの動きが見られる一方で、物価高騰の影響を受けて節約志向が高まるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しております。
このような経営環境の中、当連結会計年度におきましては、新型コロナワクチン接種に伴うワクチン運搬庫の大型案件の需要が一巡、サプライチェーンの脆弱化や原価高騰及び急激な為替変動などの影響で上期は売上高4,805百万円(前年上期7,080百万円)、営業利益は480百万円の損失となりました。一方、下期は、販売価格の改定、中型冷蔵庫などの大型新製品の投入及び拡販、大幅な原価低減などを実行した結果、売上高6,124百万円(前年下期5,789百万円)、営業利益521百万円を計上して前年同期より増収増益を達成いたしました。しかしながら、当第4四半期連結会計期間において家電製品を含む耐久消費財の需要が低迷したことにより、通期業績は当初計画値に届かず前期より減収減益となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は10,930百万円となりました。利益面につきましては、営業利益は40百万円、経常利益は143百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は69百万円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(a)家電製品事業
家電製品事業におきましては、サプライチェーンの脆弱化や原価高騰及び急激な為替変動などの影響で、上期は大きく減収減益となりました。下期は販売価格の改定、中型冷蔵庫などの大型新製品の投入及び拡販、大幅な原価低減などを実行した結果、損益分岐点を改善するも、通期業績は当初計画値に届きませんでした。
この結果、家電製品事業の当連結会計年度における売上高は10,137百万円(前期10,658百万円)、セグメント利益は822百万円(前期847百万円)となり、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント損失79百万円から黒字転換を実現しました。
※家電製品事業に関する四半期業績の特性について
家電製品事業につきましては、年末年始商戦や新生活商戦における販売需要が最も多くなるため業績に季節的変動があり、売上高及び利益は第4四半期連結会計期間に集中する傾向があります。
(b)FPSC事業
FPSC事業につきましては、新型コロナワクチン接種に伴う大型案件の需要が一巡し、前期より大きく減収減益となりました。ワクチン運搬庫のリフレッシュサービスなど需要のすそ野が広がり、コロナ禍前(2019年度)と比較して売上増加傾向にあるものの、減益影響のカバーには至っておりません。一方、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種に向けて、前期に引き続きワクチン運搬庫のメンテナンス(リフレッシュサービス)を3千台(総累計約9千台)受注し、昨年12月までに出荷を完了しております。
この結果、FPSC事業の当連結会計年度における売上高は793百万円(前期2,211百万円)、セグメント利益は205百万円(前期906百万円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は11,136百万円となり、前期末比15百万円増加いたしました。主な内訳は、現金及び預金が473百万円の減少、受取手形及び売掛金が522百万円の増加、商品及び製品が361百万円の減少、無形固定資産が200百万円の増加であります。
負債は2,839百万円となり、前期末比420百万円増加いたしました。昨年2月に締結しましたシンジケートローン契約に基づくコミットメントラインの実行及びタームローンへのリファイナンス等により、短期借入金が400百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が960百万円減少、長期借入金が690百万円増加いたしました。また収益認識会計基準の適用に伴い、将来に向けたアフターサービス費用などの契約負債が286百万円発生しております。
純資産は8,296百万円となり、前期末比405百万円減少いたしました。利益剰余金は収益認識会計基準の適用に伴う当期首残高の減少(258百万円)及び配当と親会社株主に帰属する当期純利益の計上により351百万円減少しております。
これらの結果、自己資本比率は74.5%(前期末比△3.7pt)となりましたが、引き続き財務安全性の水準は高く、今後の事業展開に向けた戦略的な投資余力を十分に確保しております。
③ キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは118百万円の収入となり、前期比1,398百万円の収入減少となりました。前連結会計年度はFPSC事業における厚生労働省向けの販売に伴う売掛金を回収したこと等により、売上債権の減少が1,286百万円発生しておりましたが、当連結会計年度は売上債権及び契約資産が516百万円増加しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは489百万円の支出となり、前期比34百万円の支出減少となりました。主な内訳は、新製品製造に使用する金型投資等の有形固定資産の取得による支出348百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは135百万円の支出となり、前期比1,849百万円の支出減少となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入が1,150百万円、長期借入金の返済による支出が1,420百万円であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は541百万円となり、前期末から467百万円の減少となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
なお、棚卸資産の評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
固定資産の減損処理
減損損失は、減損の兆候が見られる資産グループについて減損損失の認識を判定し、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしています。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、経営環境の変化や地価の変動等、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかにより判断しています。
当該見積り及び仮定について、外部環境の変化等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況の分析
「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しています。
資本の財源及び資金の流動性については「(4)資本の財源及び資金の流動性」に記載しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
家電製品事業(千円) |
6,947,448 |
93.9 |
|
FPSC事業(千円) |
229,714 |
23.2 |
|
合計(千円) |
7,177,162 |
85.6 |
② 商品仕入実績
商品仕入実績については、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。
③ 受注実績
当社グループの生産活動は、その多くを見込生産でおこなっておりますので、受注実績は記載しておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%) |
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家電製品事業(千円) |
10,137,155 |
- |
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FPSC事業(千円) |
793,016 |
- |
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合計(千円) |
10,930,171 |
- |
(注)当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、収益認識に関する会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、当連結会計年度期首から新たな会計方針を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、販売実績の増減率の記載は省略しております。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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㈱ケーズホールディングス |
1,645,096 |
12.8 |
1,610,154 |
14.7 |
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当社グループは、取引先金融機関6行が参加したシンジケートローン契約(総額2,500百万円)を2022年2月28日に締結しております。今後の成長戦略を実現するさまざまな戦略的投資に対して機動的に資金調達することが可能になるとともに、複数の金融機関からの調達条件及び事務窓口を一本化することにより、安定的かつ効率的に資金調達を実行できるようになります。
当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,510百万円となっております。
また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は541百万円となっております。
(5)目標とする経営指標の分析
目標とする経営指標の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針 ② 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発体制は、開発本部の開発部門総勢84人で構成しており、これは総従業員の約28%に当たっております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の方針及び研究開発費は次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費は総額
(1)家電製品事業
主力事業の家電製品事業におきましては、本質的な豊かさを創造する「ライフスタイルメーカー」として、「匠プレミアム」と「感動シンプル」のブランドラインを中心に高付加価値型製品をお客様にお買い求めいただき、より良い製品体験を通じてツインバードのファンを増やし、お客様のライフバリュー最大化を目指してまいります。また、寄り添うお客様に向け、重点商品カテゴリーのラインナップ拡充やシリーズ化により、事業の顧客価値向上を目指してまいります。さらに、サプライチェーンの見直しや強靭化により円滑な商品供給(単機能電子レンジや冷蔵庫など)を実現し、収益基盤の確保を図ります。当事業に係る研究開発費は
(2)FPSC事業
新冷却技術FPSCにおきましては、応用分野として「化学・エネルギー」「計測・環境」「医療・バイオ」「食品・流通」に注力し、お客様の要望に沿った商品開発を進めてまいります。また、SDGsの一つである「すべての人に健康と福祉を」の達成に向けて、国内外のネットワークを通じグローバル規模での最新技術に基づくコールドチェーンの構築や医療サービスの拡充に参画し、当社スターリング冷凍技術が医療分野でスタンダードの一つとなるよう取り組んでまいります。当事業に係る研究開発費は