第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業以来一貫して、アパレルの原点である品質を重視した商品づくりと消費者満足を基本に業績向上を目指し、ファッションを通じ美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献することを基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売を収益源とし、営業利益の拡大を目指して売上総利益率、販売費及び一般管理費率及び営業利益率を重視しております。更に、株主持分に対する投資収益の向上を目指して、ROE(自己資本利益率)を重視しております。又、株主還元の向上を目指して、DOE(株主資本配当率)を重視しております。

 

(3)経営環境

足元の経営環境については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。また、今後の見通しにつきましては、資源高や海外経済の減速、ウクライナ情勢等の地政学リスクの影響を受けるものの、新型コロナウイルス感染症の影響緩和やインバウンド需要の増加による消費の本格回復が期待され、国内経済は中期的に回復基調が続くものと期待しております。

2024年2月期につきましては「中期経営計画(2023年2月期 ~2025年2月期)」の2年目として売上・利益計画の必達を期し、最終年度目標達成に向けた基礎固めを行います。2024年2月期通期連結業績予想につきましては、売上高595億円、営業利益24億円、経常利益25億円、親会社株主に帰属する当期純利益22億円といたします。

 

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(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは2022年4月14日に2025年2月期を最終年度とする「中期経営計画(2023年2月期 ~2025年2月期)」を公表しております。その概要及び進捗状況は以下のとおりです。

<中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)>

 Mission(=経営理念)

  ファッションを通じ、美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献する

 Vision

  高い価値創造力と強靭な収益力を併せ持った、またサステナブルな社会の実現に

  貢献することができる、エクセレント・カンパニーを目指す

 Values

  高品質・高品位・高付加価値商品を生み出すスキル

  優良なブランドポートフォリオとブランドビジネス遂行能力

  クリエイティブでかつ高い倫理観を持った社員

  優れた統治能力を持った経営者及び経営体制

 

① 中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)の全体像

 最終年度である2025年2月期に売上高625億円、売上総利益率63%、販売費及び一般管理費率56%、営業利益率7%、DOE(株主資本配当率)2%の配当実施を数値目標とし、構造改革の推進による確固たる収益基盤の構築と、会社を成長軌道に乗せるための施策として、ブランド戦略、チャネル戦略、マーケティング戦略、EC戦略を掲げています。

 

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② 中期経営計画の進捗状況

 初年度の2023年2月期は主販路である百貨店や直営店の集客が回復したことや、外出機会の増加に伴いオケージョンアイテムや主力のコート・ダウンジャケット等防寒衣料が稼働したことにより計画を上回る売上高を確保することができました。また、調達原価率の低減やインベントリーコントロールの強化等の施策を継続推進したことにより売上総利益も計画を上回る一方、販売費及び一般管理費については、引き続き管理体制を強化し抑制に努めたことで、売上高増加に伴う変動費の増加を除けばほぼ計画通りとなり営業利益も計画を上回る推移となりました。本中期経営計画2年目にあたる2024年2月期につきましては売上・利益計画を上方修正し、最終年度目標達成に向けた基礎固めを行います。

 

 

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③ 構造改革の進捗状況

イ.粗利率改善の為の施策

 調達原価率抑制、インベントリーコントロール強化、プロパー販売比率改善に継続して取り組むことにより2025年2月期に売上総利益率63.0%達成を目指してまいります。

 2023年2月期は2022年4月14日に公表いたしました計画値62.0%を達成し、2024年2月期については主要仕入先との取り組み強化によるSCM最適化、仕入プール運用による過剰仕入の抑制、売れ筋商材のQR対応、MDサイクルの短期化等に取り組むことにより、更に0.5ポイント改善し62.5%を目標としています。

 

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ロ.販売費及び一般管理費のコントロール

 売上拡大に伴う変動費増加及び店舗/システム/人材への投資を盛り込み、2025年2月期の販売費及び一般管理費は350億円、販売費及び一般管理費率は56.0%を計画しております。

 2023年2月期は売上連動の販売手数料、宣伝販促費、社員還元と年金制度改定による人件費増額を除き抑制基調を継続し、販売費及び一般管理費率は前期差3.5ポイント改善し58.1%となりました(※)。2024年2月期も固定性経費抑制方針を堅持しつつ、店舗/システム/人材への投資を推進してまいります。

※販売費及び一般管理費率の前期差は前連結会計年度の実績値を「収益認識会計基準」に簡易的に置き換えた参考値

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④ 成長戦略の進捗状況

イ.ブランド戦略

 2023年2月期において7つの基幹ブランドにおいては全ブランドが営業黒字を達成し、収益力を備えた安定したブランドポートフォリオを構築しております。ブランディング強化及び事業拡大に向けた積極投資により、各基幹ブランドの売上高100億円体制を早期に構築することで、ターゲット市場であるアッパーミドル市場で確固たるプレゼンスを構築し、強固な事業・収益基盤の確立を目指しております。

 

 

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ロ.チャネル戦略

 主力販路である百貨店は、新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴い集客が回復し、想定を上回る拡大基調で推移しております。2025年2月期に向けては複合ショップ化による運営効率改善、主力店の環境改善を進めてまいります。

 直営店、アウトレットは一部ブランドにおいて不採算店舗撤退を行いましたが、既存店は回復基調にあります。2025年2月期に向けては基幹ブランドの旗艦店出店、有力施設への出店等により継続的な拡大を計画しています。ECは2023年9月にECプラットフォームを刷新し、機能・サービスの拡充、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)精度向上により会員売上の拡大を進めてまいります。

 

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ハ.マーケティング戦略

 CRM強化のため、顧客基盤の整備とデータ活用を推進しております。顧客タッチポイントの強化として、ECと連動した総合カタログの発刊や、SNS/アプリ活用による双方向コミュニケーションの強化を進めています。

 

ニ.EC戦略

 2025年2月期にEC売上高91億円を目指してまいります。2023年9月のECプラットフォーム刷新に伴い、ブランドサイトとECサイトを統合しメディアコマース化を進めてまいります。これによりブランディング強化とお客様の利便性を両立させたサイト運営体制を構築するとともに、機能・サービスの拡充、OMO(オンラインとオフラインの統合)推進によるECと実店舗の相互補完体制の確立を目指しております。

 

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⑤ 資本戦略

 強固な財務基盤の確立を目指し、収益拡大による資本の積み上げ、資産流動化等を進めることで、2025年2月期には自己資本400億円超、ROE(自己資本利益率)8.5%を達成することを目指しております。また、強固な財務基盤を背景として将来成長に向けた投資、社員還元、株主還元を積極的に推進いたします。

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⑥ サステナビリティ

 サステナブルな社会の実現に寄与することは、当社における最重要経営課題の一つと認識しております。この課題に取り組むことは、当社のCSRそのものを変革し、当社の企業価値を向上させるための不可欠なプロセスと捉えております。

 2023年2月期におきましてはファッション産業が抱える社会課題に取り組むべく、ステークホルダーからの期待を踏まえて4つのマテリアリティを特定いたしました。

 当社はGHG(温室効果ガス)排出量の長期削減目標として、SCOPE1・2の排出量を2050年までにネットゼロとすることを定めておりますが、目標達成に向けたアクションプランを確実に実行するべく、経営会議直轄のサステナビリティ委員会において2022年3月に新設いたしましたサステナビリティ推進室が主導となり在庫削減/仕入管理による廃棄削減、環境配慮型素材への段階的な置き換え、サプライチェーン全体での取り組み推進等について議論を行っております。ESG開示の充実化にも取り組み、国際NGOのCDPによる気候変動対応に関する2022年調査において、8段階中3番目のB評価に認定されました。

 

2024年2月期計画及び『中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)』の進捗状況につきましては、当社ホームページ→企業情報→投資家情報→決算短信に掲載しておりますのでご確認ください。

(https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/ir/statement.html)

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 また、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年5月30日)現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当社グループは、事業活動に関するあらゆるリスクを的確に把握するとともに、リスクの発生頻度や経営への影響度を低減するため、各種リスクに対応可能なコーポレートガバナンス及び内部統制に対する体制を整備しており、経営リスクの可能性を認識した上で、その内容に応じてコンプライアンス委員会、危機管理委員会、内部統制委員会、サステナビリティ委員会において発生回避策を討議、策定し、リスクが発生した場合においても適宜問題の解決を図っております。

 

(1)特に重要なリスク

① 原材料の高騰について

 ウクライナ情勢等の影響も含めた世界的なインフレーションの傾向により、アパレル関連の原材料価格が高騰を続けております。現在、当社グループでは、適正な製品価格への転嫁を行っておりますが、今後、原材料価格の高騰が継続した場合は、更なる製品価格の上昇につながり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製造活動について

 当社グループは、中国・アジア地域を中心に、製品の製造活動を行っておりますが、海外での製造活動において、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、テロ、戦争による地政学的又は政治的混乱等のリスクが存在します。これらのリスクが現実化した場合、当社グループの海外での製造活動に支障が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)重要なリスク

① 新型コロナウイルス感染症について

 現在、新型コロナウイルス感染症の状況は、収束に向かいつつありますが、当社グループは、今後の経過を注視しながら、ステークホルダーへの安全対策の充実を継続して図るとともに、不測の事態への備えを行ってまいります。ただし、再び同感染症が猛威を振るうような事態が発生し、市場の停滞等が起きた場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ファッション商品の特性について

 当社グループの主力商品の大部分はファッション衣料及び服飾品であります。ファッション商品の販売はその特性上、流行に左右されやすい傾向があります。当社グループは消費者ニーズの変化に対応するべく、商品企画の更なる刷新と市場情報収集力の強化に努めております。今後とも商品力の強化により売上拡大を図っていく方針でありますが、流行の急激な変化によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権の使用について

 当社グループは現在数社の海外提携先と契約し、提携先所有の知的財産権を使用したブランド(ライセンスブランド)の衣料及び服飾品を販売しております。現在、これらのライセンスブランドの総売上高は当社グループの売上高の過半を占めております。当社グループといたしましては、これらの海外ブランドとは密接で良好な関係を構築し維持しており、今後とも売上拡大を図ってまいります。しかしながら、契約更改時における契約更改条件等によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 気象状況や経済状況等について

 ファッション衣料及び服飾品は、気象状況あるいは経済状況の変化の影響を受けやすく変動しやすいため、種々の変化に対応できるよう、クイックレスポンス体制(短サイクル生産体制及び期中追加企画、生産体制)等による対応を図っております。しかしながら、冷夏暖冬などの天候不順や予測不能な気象状況あるいは経済環境の変化等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、温室効果ガスが原因と考えられる温暖化等の気候変動や、資源枯渇、プラスチックごみによる海洋汚染等の問題は世界共通の社会課題であるとの認識のもと、当社グループでは中長期のサステナブルビジョンの実現に向け、社会課題の解決による社会・地球環境の持続可能性向上と当社グループの持続的成長を図る「ESG経営」を推進しています。当社グループはサステナビリティ貢献製品の創出とその市場拡大により、環境や社会の課題解決に寄与することで地球及び社会のサステナビリティの向上に貢献していきます。しかしながら、これらに対する取り組みが不十分な場合には、社会からの信頼の喪失、市場競争力の低下につながり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 為替変動について

 為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る交易条件及び海外グループ会社の業績の邦貨換算結果等に対して影響を及ぼします。これら為替変動に係るリスクは、為替予約等を行うことによりリスクヘッジしておりますが、完全に回避できるものではなく、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 品質管理について

 当社グループは厳しい品質管理基準にしたがって各種製品を提供しておりますが、予測しえない品質トラブルや製造物責任に係わる事故が発生した場合は、企業及びブランドイメージが損なわれ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 情報管理について

 当社グループは直営店及び百貨店等の店頭での顧客管理、並びに自社EC等の会員顧客管理上、多くの個人情報を保有しております。これらの情報の管理・取扱いについては当社コンプライアンス委員会、内部統制委員会で社内ルールを決定し、管理体制を整え万全を期しております。しかしながら、情報流出や漏洩が発生した場合は、当社グループの社会的信用を低下させ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 以上、9項目の他にその他の一般的なリスクとして、取引先の破綻による貸倒れ、災害、事故、法的規制及び訴訟等、さまざまなリスクが考えられます。

 

(3)継続企業の前提に関する重要事象等

 当社は、前連結会計年度において6期振りに最終利益を計上したものの、目標としていた営業黒字化は未達に終わり、4期連続で営業キャッシュ・フローがマイナスとなったことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していると認識しておりました。

 当該状況を解消すべく、2020年4月14日公表の「再生プラン」に則った基礎収益力の回復とその為の事業構造改革の断行、2022年4月14日公表の「中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)」に則った構造改革施策継続によるKPI改善及び事業成長施策を実施してまいりました。その結果、当連結会計年度におきまして、営業利益22億3千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益21億5千5百万円を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローも42億1千5百万円の収入となり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したものと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。

 なお、下記の経営成績に関する説明における当連結会計年度の各数値は、収益認識会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前連結会計年度との比較は記載しておりません。収益認識会計基準等の適用に関する詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績等の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、円安や資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症が漸く沈静化に向かう中で緩やかな回復基調に転じております。個人消費も、サービス消費、耐久財・非耐久財消費のいずれも増加していることに加え、入国制限の緩和以降のインバウンド需要増加による押し上げ効果もあり、総じて堅調に推移しています。今後も資源高や為替変動の影響を受けながらも、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果に支えられ回復基調が続くことが期待されます。

 当アパレル・ファッション業界の市況は、当連結会計年度を通して新型コロナウイルス感染症の影響は続いたものの、行動制限に繋がる規制が実施されなかったこともあり、その影響は前々連結会計年度及び前連結会計年度に比し限定的な範囲に止まりました。さらに昨年10月以降は入国制限緩和に伴うインバウンド需要の急増もあり回復基調で推移しています。

 こうした状況の下、当社グループにおいても、主販路である百貨店や直営店の集客が回復したことや、外出機会の増加に伴いスーツ、ジャケット、ドレス等のオケージョンアイテムに加え主力のコート・ダウンジャケット等防寒衣料が稼働したことにより計画を上回る売上高を確保することができました。また、入国制限の緩和に伴い一部ブランドにおいてはインバウンド需要の回復が売上高の増加に寄与する結果となりました。

 さらに、昨年4月14日に公表いたしました「中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)」に沿って、調達原価率の低減やインベントリーコントロールの強化、プロパー販売強化と値引販売の値引き率抑制等の施策を継続推進したことにより売上総利益も計画を上回りました。また、販売費及び一般管理費については、引き続き管理体制を強化し抑制に努めたことで、売上高増加に伴う変動費の増加を除けばほぼ計画通りとなりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は582億7千3百万円、営業利益は22億3千5百万円、経常利益は24億3千7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億5千5百万円となりました。

 なお、当社グループは、アパレルを核とするファッション関連事業の単一セグメントでありますので、セグメント情報の記載はしておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が13億4千8百万円、退職給付に係る資産の減少による増加額が22億8千万円、仕入債務の増加による増加額が10億2千7百万円ありましたが、長期前払費用の増加による減少額が10億5千6百万円あったこと等により、42億1千5百万円の収入(前連結会計年度は、16億3千8百万円の支出)となりました。

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出が11億7千5百万円あったこと等により、10億4千8百万円の支出(前連結会計年度は、13億5千6百万円の支出)となりました。

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が28億円ありましたが、長期借入金の返済による支出が28億円、自己株式の取得による支出が6億6千2百万円あったこと等により、9億2千万円の支出(前連結会計年度は、5億2千7百万円の収入)となりました。

 この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ21億2千8百万円増加し、184億1千6百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、アパレルを核とするファッション関連事業の単一セグメントとしておりますが、生産実績、販売実績については、服種別に以下の3区分で示しております。

 

イ. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

区分

生産高(百万円)

前年同期比(%)

紳士服・洋品

8,698

125.9

婦人服・洋品

10,982

115.3

服飾品他

2,479

119.0

合計

22,160

119.6

 

ロ. 受注実績

 該当事項はありません。

 

ハ. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

区分

販売高(百万円)

前年同期比(%)

紳士服・洋品

22,531

-

婦人服・洋品

30,012

-

服飾品他

5,728

-

合計

58,273

-

(注) 収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 当連結会計年度の財政状態の分析

イ. 資産

 資産に関しましては、現金及び預金が21億2千8百万円、投資有価証券が9億4千5百万円、長期前払費用(投資その他の資産「その他」に含む)が10億5千万円それぞれ増加いたしましたが、商標権が8億1千1百万円、退職給付に係る資産が22億8千万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比し27億8千4百万円増加し、544億1千3百万円となりました。

ロ. 負債

 負債に関しましては、支払手形及び買掛金が10億8千8百万円、長期借入金が28億円それぞれ増加いたしましたが、1年内返済予定の長期借入金が28億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比し2億6千9百万円増加し、179億7千8百万円となりました。

ハ. 純資産

 純資産に関しましては、利益剰余金が21億6千1百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比し25億1千4百万円増加し、364億3千5百万円となりました。

 この結果、自己資本比率が66.93%、ROE(自己資本利益率)は6.14%となりました。今後は、DOE(株主資本配当率)2%を目標に努めてまいります。

② 当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要のうち恒常的なものは、増加運転資本と店舗売場設備の新設や更新に伴う設備資金の他、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。これに加えて非恒常的な投資として、事業成長のためのアライアンス投資、M&A投資があります。

 今期の資金変動の中で、2015年12月期連結会計年度以来7期ぶりの営業黒字達成と共に20億円を超える最終利益が計上できたことにより、営業キャッシュ・フローの基礎となる部分が大きく改善いたしました。運転資本に関しましては、継続的に適切な在庫水準を目指し、特に旧シーズンの繰越在庫の削減に努めてまいりました。消費サイクルの変動により、到来する春夏シーズン商品の早期展開に向けて翌シーズン商品を早めに導入する必要性が高まったため棚卸資産総額は若干増加致しました。また売上高の成長により売掛金も若干増加となりました。一方、翌期の商品仕入が増えたことで期末仕入債務は増加となり、結果としてネット運転資本は減少しキャッシュ・フローにプラスのインパクトとなりました。さらに前連結会計年度に実行した企業年金制度の変更により、外部機関に委託していた年金資産が返還されました。結果として営業キャッシュ・フローは40億円を超えるプラスとなりました。今後は運転資本管理を継続し、トップラインの成長並びに営業費用等のコントロールの強化により営業キャッシュ・フローの継続的な創出を進めてまいります。

 一方、非恒常的要素として今後のブランド戦略の推進のため、買収したポール・スチュアートブランドの国内商標権の取得代金の2回目の支払いがありました。

 加えて、株式持合解消の方針に則り、政策保有株の一部流動化等により資金を回収しております。

 当社グループは新しい中期経営計画の1年目の目標を達成し、ファッションカンパニーとしての基礎収益力の改善を進め、新型コロナウイルス感染症の収束、また国際紛争等の継続や、海外の政策金利の高騰等の変動要素を分析しながらキャッシュ・フローの最適化を最重要課題と捉えて企業価値向上に邁進いたします。

 これを支える資金といたしまして、金融機関より68億円の資金調達を行っております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は70億1千4百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は184億1千6百万円となっております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営全般にわたる一層の効率化を追求し、業績の向上を図るべく全社一丸となって専心努力いたします。

4【経営上の重要な契約等】

ライセンス契約

 当社グループは海外提携先等と契約し、提携先所有の知的所有権を使用したブランド(ライセンスブランド)の衣料及び服飾品を販売しており、その契約の主なものは下記のとおりです。

契約会社名

契約締結先

ブランド名

契約内容

契約期間

㈱三陽商会

八木通商㈱

㈱マッキントッシュジャパン

マッキントッシュ フィロソフィー

1 商標使用権の許諾

2 技術情報の提供

3 製造権及び販売権の許諾

2018年7月1日から

2024年6月30日まで

マッキントッシュ ロンドン

2020年1月1日から

2024年12月31日まで

㈱三陽商会

バーバリー・ジャパン㈱

ザ・スコッチハウス

1 商標使用権の許諾

2 技術情報の提供

3 製造権及び販売権の許諾

2019年1月1日から

2023年12月31日まで

ブルーレーベル・クレストブリッジ

ブラックレーベル・クレストブリッジ

2022年7月1日から

2027年6月30日まで

 

 

 

5【研究開発活動】

 特記事項はありません。