第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

 文中の課題認識及び将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、インターネットを利用した動画や音声の配信を一般的なメディアとして普及させることを目的に1997年5月に設立されました。この目的達成のため、事業開始から今日に至るまで、安定した配信・受信環境を提供するためのネットワークの構築を進めるとともに、コンテンツホルダーである当社顧客の様々な要望に応えながら多様な形式による配信サービスの拡充を図ってまいりました。インターネット環境が拡大し、回線の高速化やデバイスの多様化が進んだことから、インターネット動画は個人のエンターテインメント利用を中心にコモディティ化しました。これに伴い、動画のビジネス利用も拡大、用途が多様化していく中、この市場における当社の役割はこれまで以上に重要になってくると認識しております。こうした変化を先んじて捉え、事業の拡大を図っていくことが当社の経営の基本方針であります。

 

 当社では、『もっと素敵な伝え方を。』をコーポレートメッセージとし、これを実現するための考え方と行動からなる『JストリームWAY』を社員の活動の指針として事業を推進しております。自社で構築した安定したネットワークを背景に、あらゆる形式の動画、音声(音楽)、画像コンテンツをあらゆる方法であらゆる端末へ配信できるストリーミング、ダウンロードサービス提供能力や、動画の企画から制作・配信・分析までをサポートできるサービスの多様性と、豊富な経験による専門性を有しております。当社は今後も予想される通信インフラの発展、ソフトウェアの技術革新などに対応しながら、最先端の動画ソリューション提供会社であり続けるよう努めてまいります。

 

 顧客の成果に最大限コミットできるよう、自社サービスだけではなく、顧客の求めるソリューションを持つパートナーとの連携も推進し、あらゆる動画ニーズに応えられるエコシステムを創造して事業基盤の拡大に邁進いたします。

 

(2)経営戦略

 経営戦略として、以下の点に注力してまいります。

 

 PCに加え、スマートフォンやタブレット等の端末を日常的に利用する人の増加、5G等高速回線の普及と共に、これらを利用した企業内での情報共有・コミュニケーションにおける動画の利用や、コンテンツ配信ビジネスは拡大していくトレンドにありました。2020年初頭から流行している新型コロナウイルス感染症への対応のため、人と人との直接の接触を控えることが求められた結果、特にビジネス用途においてこの傾向はさらに強まることとなりました。当社グループにおきましては、企業にとって必須である販売促進活動や、社内コミュニケーション、社内教育等を効率的に実施できる動画の活用に関する社会的要請に応え、動画ソリューションの開発・提供を続けるとともに、成功事例の紹介など啓蒙的施策を通じ、潜在需要の開拓も行って業容の拡大に努めてまいります。同時に、将来的な拡大が見込まれるメディア系の利用、特に放送同時配信関連市場への対応体制も充実させてまいります。

 

当社グループにおきましては、
 

・医薬企業の医師向けマーケティング活動を中心とした動画コミュニケーション(EVC:Enterprise Video Communication)に関連するライブ配信サービス、コンテンツ制作サービス等の提供

・金融その他の業種全般における動画コミュニケーション(EVC)に向けた動画ソリューションの開発・提供

・今後拡大が見込まれる放送同時配信関連市場や各種のコンテンツを配信する放送局・メディア企業(OTT:Over-the-Top領域)に向けた配信基盤やソリューションの提供


の3つを軸として、業容の拡大に努めてまいります。

 

 医薬企業関連の市場においては、従来から製薬メーカーによる医師に対するマーケティング活動のDX化の流れが進んでおりましたが、新型コロナウイルス感染症対応の観点から、2020年初頭以降この流れが急加速いたしました。当社として実績のあるWeb講演会(医薬情報提供の講演会のライブ配信)需要が急拡大し、関連する売上が大幅に増加する結果となりました。当社は既に多数の大手企業とビジネス展開を行っておりますが、製薬メーカーのDX推進の動きは継続しており、この領域は依然成長が期待できる領域と認識しております。

 

 自社人員の最適な配分や、開拓した外注先企業との協力を進め、現場対応のノウハウを更に蓄積し、ミスのないサービス提供を行い顧客の信頼に応えることを通じて、業容の更なる拡大に取り組みます。また、親会社であるトランス・コスモス株式会社や連結子会社株式会社ビッグエムズワイ、クロスコ株式会社を含めた企業グループとしてサービス領域拡大を図ります。データ分析能力や集客サービス、コンテンツ制作体制を強化し、デジタルマーケティングを総合的に支援できる体制を整えて新たな需要の開拓を図ります。
 

 その他の業種におけるビジネス全般での動画コミュニケーションについては、新型コロナウイルス感染症対応策を中心に、販売促進・情報共有などの様々な動画利用シーンにおいて成功体験を蓄積できた企業が多くみられる状況となりました。当社グループにおいては、企業のマーケティング、社内情報共有、社員教育等、様々な業務プロセス等すべてのシーンにおいてICT化が進行し、動画の利用される場面が拡大していくことに対応するソリューションを展開します。当社グループではこの領域の黎明期から様々な企業に提案、案件創出を行ってきた実績とノウハウを有しており、顧客の課題解決へ貢献し、業容の拡大に取り組みます。動画配信プラットフォームサービス「J-Stream Equipmedia」がこの領域に向けた主力サービスとなりますが、更に動画配信機能だけでは解決できない顧客課題に対応するために、需要規模の大きいソリューションについて自社開発を強化するとともに、有力なSaaS(Software as a Service)、各種サービスプラットフォームとの連携を進め、課題解決の実績を積み重ねると同時に販路の拡大を実現します。
 

 放送局・メディア企業関連のOTT領域市場においては、当社は放送局によるコンテンツのインターネット配信が始まった当初から各局のコンテンツ配信に携わって来た実績と経験・ノウハウを有しております。インターネット番組編成配信を実現するために必要な機能をパッケージ化した「EQ Media Suite」等、放送同時配信をはじめとしたこの領域向けのサービスも既に展開しております。今後の配信量の増加や各種マネタイズ展開等において、放送業界が必要とするサービスに求められる、大規模配信やタイムラグのない超低遅延配信、広告配信、番組編成処理機能等、各種の機能要請に応えるサービス開発を更に進め、実績の積み重ねを通じ顧客との関係を強化し、拡大する市場におけるプレゼンスの向上を図ります。放送局以外のコンテンツ事業者に向けては、コンテンツ配信用のCMSや課金機能など、事業者の求めるマネタイズに必要とされる各種機能の提供を通じて市場開拓と顧客獲得を図ります。
 

 経営管理面におきましては、企業の成長とあわせ、適切なコーポレート・ガバナンスの浸透を図りつつ、グループ経営の統制を強化し、効率化を図ります。テレワークについての適切な運用を推進し、一人一人の事情に合わせた時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現すると同時に、社員の健康管理・人事労務管理、セキュリティ管理面の向上と業務効率化を進め、必要な業務に邁進できる、快適で働きやすい職場環境を実現します。優秀な人材を育成・獲得するために、評価制度や社内研修制度の充実を図り、社員の能力向上を支援すると同時に魅力ある就職先としての情報発信も継続してまいります。
 

(3)経営環境

 インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にありますが、利用される領域が非常に広範であり、どの領域の活動においても、紙媒体や相対による手段から、ウェブ化、更に動画の利用が進むことが想定できる状況にあります。こうした市場環境下においては市場規模の拡大に合わせて各種の類似サービスが現れますが、当社グループとして健全な成長を遂げるためには、顧客の動画利用用途に適合し、顧客が意図する成果を挙げることに貢献できるソリューションを常に提供し、市場において確固たる地位を占め続けることが重要であると認識しております。

 医薬企業関連の市場においては、コロナ環境下でデジタルシフトが急速に進行したマーケティングが、コロナ禍の沈静化動向を考慮しつつ今後の展開を検討する状況にあります。当社グループとしては、顧客の活動動向を注視しつつ、マーケティングのより上流プロセスに参加、提案を行い、変容の兆しを早期に捉える営業活動・情報収集を行います。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループにおいては、インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や、動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、特に継続的売上と利益が期待できる配信系のプラットフォーム売上高や取引先数(サービスによっては同一企業に複数アカウントを発行する場合もあるため、アカウント数)、既存取引先の維持率、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社では、以下の点を重要な課題として掲げております。これらの重要課題への対応策を具体的な施策に反映させ、業容拡大や会社の健全な運営、社会貢献に努めてまいります。
 

<配信能力、サービス提供にかかる課題>

・医薬企業関連のウェブ講演会データ分析等のデジタルマーケティング・プロモーション領域におけるサービスの確立

・ライブ案件数の増加や、株主総会に代表される開催時期の集中に対応するための、子会社を含む外部パートナーとの連携による能力増強やリモート体制の強化拡大することを通じた現場対応の効率化

・主力サービスJ-Stream Equipmedia の配信基本機能向上と、株主総会、販売促進セミナーなどに代表される顧客の動画利用用途夫々に特化した機能開発、有力SaaSとの連携による活用対象用途・販路の拡大

・企業自身による動画利用をサポートする内製支援型サービスの開発展開

・双方向配信、超低遅延配信等の新しいニーズに対する対応

・ネットワークキャパシティの増強とトラフィック原価削減、監視体制、耐障害性の充実

・5Gの普及による通信量の爆発的な増加へ対応するネットワーク制御技術開発

・映像制作表現やクオリティの向上、提案力の向上

 

<営業力強化のための課題>

・一般企業の社内コミュニケーション活性化需要を取り込むためのSEによる営業サポート体制構築

・金融系をはじめとした一般企業向け市場における、代理店ほか各種ベンダー向けを含めた情報発信、共同提案体制の強化、導入支援等を通じた顧客開拓の強化

・個別営業担当者に依存しないインサイドセールスによる非対面型でのセールスや契約維持

・放送局を中心としたメディア事業者向け市場における放送同時配信需要や、個別のコンテンツプロバイダの事業展開を支援し収益機会とするための関係強化

 

<新しい事業領域開拓のための課題>

・地方局のマネタイズを支援できるネット広告領域でのサービス展開

・M&Aを通じた新領域の開拓

 

<経営管理にかかる課題>

・予算統制の向上

・グループ統制の更なる強化浸透

・開発・ネットワークエンジニアに加え、事業規模拡大に対応するための営業管理系を含めた採用育成体制の推進

・成果を維持しながら労働時間を短縮する手段、人材採用・維持するための多様な働き方、キャリアパスに即した研修等の能力開発等を補助するシステムの安定した運用

・テレワーク推進に伴う業務のシステム化

・適切な外注比率、外注費のコントロール

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えらえる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。また、以下の記載は当社株式の投資に関連するリスクを網羅するものではありません。
 なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
 

①事業環境・市場に関するリスク

 

・新型コロナウイルス感染症の影響による需要の不確実性について
 新型コロナウイルス感染症の世界規模の感染拡大に伴い、不確実性が高い状態が継続しております。2022年3月期においては、感染症拡大直後に各業種において特需的に需要が増加した、映像制作他コンテンツ制作に反動減が現れ、前年度を下回る実績となりました。しかしながら販売促進ライブセミナーなどの需要は前年を上回る水準で底堅く推移し、当社グループの販売実績は前年を上回る結果となりました。
 2022年3月期以降、現時点においても、オミクロン株等新型コロナウイルス感染症の感染者数増減等の情報が、当社グループの短期的売上変動に大きな影響を及ぼすような事態にはなっておりません。しかしながら、新型株を含めた更なる感染拡大や、拡大への不安による景気全体への悪影響からエンターテインメント関連、セミナー等ビジネス系の双方において各種イベントの手控えや延期、更に販売促進予算の絞り込み等の措置がとられ、需要の減少につながる可能性は存在します。また、逆にワクチンの普及等で感染症が沈静化した場合においては、感染症対策のために販売促進などのリアルイベントをウェブ化した動きがリアルイベントに回帰することで需要の減少につながる可能性があります。

 

・特定業界や顧客への依存について
 当社グループの動画配信サービスは、現時点では医薬、メディアなど特定の業界における動画利用のニーズ拡大にもとづく利用が増加してきております。これらの業界において医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)、放送法やその他自主規制等の要因から、販売促進、情報提供、コンテンツ配信等の手法の大きな変化による動画利用の減少、若しくは企業間提携や支配的な企業の出現によるこうした特定の領域における当社競争力の低下により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。当社では、医薬領域において現在大きな売上があるWeb講演会(ライブ配信)だけでなく、マーケティングプラットフォーム関連のコンテンツや、マーケティングに有益な統合データを提供する体制整備を進め、より上流の工程に関与することで収益源の多様化を推進しております。

 

・動画コンテンツ視聴市場について
 当社グループは、インターネットを通じて映像コンテンツを提供するコンテンツプロバイダにコンテンツ配信サービスを提供しています。放送同時配信の本格化や5G環境の普及を控え、こうしたネットを通じたコンテンツの提供、視聴は大きく増加すると考えておりますが、視聴者の生活習慣が変わらない等の要因からこうした市場の成長が芳しくない場合には、当社グループの成長性に影響を及ぼす可能性があります。
 

②市場競争・サービスの商品力に関するリスク

 

・競合他社及び競合するサービスについて
 当社グループが事業とするインターネットを利用した動画や音声の配信市場において、当社グループに類似するビジネスモデルを有する競合会社は、動画向けに限らず広くCDNを提供する外資系を中心とした大手事業者、自社会員へのサービスとして配信を行っている大手ISPや、アマゾン社やマイクロソフト社に代表されるクラウドインフラを提供している事業者、動画配信プラットフォームを開発・提供している事業者などになります。
 当社グループは動画配信に特化したビジネスモデルとノウハウを有しており、動画配信に関しては優位性を維持できるものと考えておりますが、今後競争が激化した際、単純な配信規模や、動画以外での総合的な対応能力などの点を考慮した場合は、優位性を構築・維持できるという保証はなく、あるいは低価格競争を余儀なくされることにより、当社グループの収益が低下するといった、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループで開発、提供している動画配信プラットフォームの利便性・信頼性、配信に付帯して提供するコンテンツ制作、サイト運用、帯域判別、効果測定等の付帯サービスの内容・品質等の面で同業他社との差別化を図ることができず、ユーザー企業を計画通りに確保できない場合、当社グループの業績に影響が出る可能性があります。
 インターネット上で動画を共有する、という名目で動画配信を安価に行うサービスも広く利用されております。当社グループにはセキュリティ、配信の安定性など企業が配慮すべき事項についての差別化要因があり、無償サイトでの展開には不向きなコンテンツも多く存在しているため当社グループの競争力は確保されていると考えられますが、こうした要素を重視しない動画配信においては当社グループで受注できないこともあり、そのような動画利用形態が増加した場合には、当社グループの成長率が市場全体に比較して低い水準となる可能性があります。
 いわゆるWeb会議システムについては、比較的少人数での多対多ミーティングに用いられることが大半であり、当社が提供している動画配信プラットフォームは基本的に1対多、同時多数の視聴や高品質な映像を重視していることから、ユーザー企業は機能的にこれらを使い分けており、競合する場面は多くない状況にあります。しかしながら将来においてWeb会議システムが上記のような当社が重視し優位性を持っている領域へサービスを拡大してきた場合には、当社の成長に影響を及ぼす可能性があります。

 

医薬領域
 当社グループのこの領域における売上の主力である本社開催のWeb講演会ライブ中継については、高い配信品質とミスのないイベント運用の精度の高さ、更にそれらの実績が非常に重視されます。当社は10年以上前にこの領域への取り組みが開始された直後から順調に取り扱いを拡大しており、業界内で一定の地位を確立していると考えております。しかしながら非上場企業を含めた競合企業は存在しており、顧客の乗り換えリスクや価格競争のリスクは存在します。当社グループとしては高品質配信や安定したイベント運営の積み重ねに加え、情報の受け手である医師のニーズに即した提案の実施や顧客企業のマーケティング全般にかかる提案ができるサービスの構築を進めることでこうした点に対応しております。

 

金融その他の業種全般における動画コミュニケーション(EVC)領域

 医薬以外の事業会社による動画コミュニケーション市場は利用使途の幅が広く、動画配信についても低価格から無料のものも含め多くのサービス提供者が存在します。周辺のWeb制作についても同様です。こうした企業との競合関係は不可避ですが、当社グループとしては、提供する大規模ネットワーク、十分なセキュリティ対策、安定した配信品質等への需要がある顧客の獲得を行うと同時に、動画以外の機能を複合的に提供し、顧客ニーズにワンストップで応えることや、充実したサポート体制、企業サイドの動画内製を支援するサービス投入等の措置を通じて、優位性を確保し幅広い顧客獲得を図ります。

 

放送局・メディア企業(OTT:Over-the-Top)領域

放送局やコンテンツプロバイダがコンテンツ配信事業行うにあたり、配信部分について当社グループなどの企業に外注せず、独自の企業体や配信網を設けて配信を実施する可能性も存在します。この結果、コンテンツ配信市場の伸びが当社グループの売上の伸びにつながらなくなる可能性があります。実績、信頼性が重視される顧客層であり、既存顧客向けの実績の積み重ねと運用体制向上により信頼度を向上させ、新規案件の獲得や乗り換えリスクの低減を図っております。

 

・動画配信関連プラットフォーム/アプリケーションサービスについて
 当社グループの動画配信サービスは、コンテンツの配信ウェブサイトの作成・運用を行うプラットフォームや、効果測定、アクセス制限、著作権管理等、各種の機能追加のためのアプリケーションを伴って提供される場合があり、当社グループではこれらの一部を外部から調達しております。今後こうした動画配信関連プラットフォーム/アプリケーションの進歩や提供される条件、あるいは法改正等による制約等、予想外の変化への対応により当社グループの原価が上昇し、当社グループの想定している利益計画が悪化する可能性があります。

 

③サービス等開発に関するリスク

 

・受託開発について
 当社グループのビジネスの大部分はプラットフォームサービスを法人顧客向けに提供する構造ですが、ビジネスの中には、顧客向けに特定用途のコンテンツ運用システム等を受託開発するケースもあります。こうした案件は内容の複雑さから開発が長期化、開発費が多額になる場合が多く、予定外の仕様変更、人的な入れ替わりなどプロジェクト進行上の問題により、予定通り開発が進まずに利益率が悪化するリスクがあります。

 

・外部委託について
 当社グループでは、ライブ現場対応、撮影、ウェブ制作、エンコーディング、システム監視等の業務において、各々の専門性に特化した外部委託を利用する場合があります。コンテンツに携わる外部委託が発生する関係上、秘密保持契約及び業務委託契約を結んだ上で信頼のおける外部委託業者を利用しておりますが、相互連絡の齟齬に伴う開発の遅延や当社規定のフローに沿わない故意の、又は過失による違法なコンテンツ流用や情報漏洩などの可能性は存在します。またシステムの一部を外部委託する場合には、ネットワーク負荷が高い場合などに、当社グループの想定しないトラブルが発生する可能性があります。こうしたことによる当社グループの信用の失墜が、当社グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該外部委託の運営に支障が生じた場合や、代替先への引継ぎが遅延した等の場合には、当社グループの業務遂行に支障をきたす可能性があります。
 

④事故、トラブルに関するリスク

 

・システムトラブルについて
 当社グループのサービスは公共的に幅広く利用されることから、サーバメンテナンス時を除きネットワークシステムを24時間年中無休で運営するように取り組んでおります。システム障害などが発生することのないよう日々監視を行い、また二重化できるものについてはシステム、ネットワークにかかわらず対応し、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるようにシステム・人的共に体制を整備しております。しかしながら、電力供給不足、自然災害や不慮の事故などによって通信ネットワークが利用できなくなった場合、或いは規定フローに沿わない人的ミスなどが発生した場合などには、当社グループサービスの提供が困難となり、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。また当社グループが利用しているデータセンターなどで障害が発生した場合等、当社グループが直接管理し得ないシステム障害が、当社グループ事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

・情報漏洩について
 当社グループが顧客から預かるデータの中には、特定の会員だけを対象にしたもの、有料で配信されるもの、無料で公開されてはいるがコピーされてはいけないものなど、情報管理が重要なコンテンツが存在します。当社グループではシステムの設計上や運用方式上でこれらの情報が漏洩することのないように厳重に管理運用しております。こうした活動の一環として、運営しているウェブサイトに外部機関による脆弱性検査の実施、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与の認定を受けるなど、管理体制の整備運用に努めております。しかしながら、不正なアクセスによる意図的な侵害や、人的ミスなどによる情報漏洩の可能性、規制の強化に伴う対応体制整備の遅れの可能性が存在し、これにより当社グループの信頼が低下し事業に大きな影響を与える可能性があります。

 

・サイバー攻撃について
 政府や企業を標的にした標的型攻撃、サービス妨害攻撃等、情報の窃取やサービス提供を不能にすること、また攻撃そのものを目的としたサイバー攻撃の事例が増加しています。当社グループでは、提供するサービスや社内システムの状況把握をし、攻撃のリスクを勘案して強化が必要な箇所については随時強化を実施しており、また社員向けの教育も徹底をしておりますが、こうした攻撃の対象となった結果、当社サービスの提供に不具合が発生し、それにより当社グループの信頼が低下し事業に大きな影響を与える可能性があります。

 

・訴訟に関わるリスクについて
 当社グループは事業活動を展開する中で、常に当社グループ及び第三者の権利等に留意し、調査等を行い適宜対応しておりますが、当社の調査や対応が第三者にとって十分でかつ妥当であるとは保証できません。万が一、知的財産権、労務等に関連する訴訟その他様々な訴訟が当社グループに対して提起された場合には、これに対応するための費用が生じるほか、かかる訴訟において当社グループに不利な判断が下された場合には、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
 

 

⑤社内管理面のリスク

 

・人材の獲得・育成について
 当社グループでは、事業の拡大や多様化に伴い、積極的に人員の増強、内部管理体制の一層の充実を図る方針であります。しかし、IT業界全体で人材が不足する中、プログラミング、ネットワーク技術やライブ配信イベントのプロデュース業務、コンピューター技術に精通しているなど、当社グループが必要とする人材を獲得したり、また育成することは容易でなく、新たな人材の獲得・育成が順調に進まなかったり、様々な理由により人員が減少する事態が発生するような場合には、適切かつ十分な組織的対応ができず、事業の拡大及び業務の管理に影響を与える可能性があります。また、人材の獲得・育成が順調に行われた場合においても、人件費、教育及び管理関連コストの増大など、固定費の増加によって利益率が低下する可能性があります。

 

・新型コロナウイルス感染症にかかる人材リスク
 昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、当社グループでは、オフィスにおけるマスク着用、消毒や換気等措置の徹底とともに、常時ほぼ8割の人員がテレワークを実施する体制を整備したほか、ライブ現場等に赴くスタッフについても、同様にマスク着用、消毒、換気の徹底、並びに現場参加人数を制限することによりいわゆる「3蜜」を回避するなどの配慮を継続して行っております。しかしながら、当社グループ社員や、協力会社のメンバーが感染するリスクは存在し、顕在化した際には業績に相応の影響が及ぶ可能性があります。

 

・事業投資、設備投資について
 当社グループでは、事業強化につながる領域に限って、営業活動によって獲得した資金、公募増資資金、新株予約権の権利行使によって払い込まれた資金等を原資に投資を行ってまいりました。今後も当社グループが行う事業投資は、従来どおり当社グループの事業強化につながる領域に限って行うことについてその方針には変更はありません。しかしながら、今後、当社グループが事業強化を目的として行う投資について、必ずしも期待どおりの成果をあげられる保証はなく、その場合、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
 また、当社グループは、顧客へ提供するソフトウェアの開発及び当社サービスを提供する為に必要となるサーバ、映像機器・システム等への投資を実施しております。顧客の要件の変化、或いはこうした領域における技術革新が当社グループの予想を超えて進行し、当社提供サービス及び保有する機器・設備等が早期に陳腐化、又は大規模な変更若しくは増強の必要が生じ、新たな投資が必要となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、政治的な、或いは災害等によるサプライルートの混乱や資源価格の高騰、急激な為替変動等に伴い、必要とされる機器類の調達に滞りが出る可能性があります。サーバ等設備投資は、随時部分的に更新を行っているため、短期間で大きな影響が出る可能性はありませんが、混乱に伴う機材の受領遅れが長期に亘ったり、調達価格が急騰するような事態となった場合は、利益面に相応の影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥グループ管理におけるリスク

 

・子会社の管理について
 当社グループは、子会社に対し、業容の拡大に応じて適宜必要な人員の確保や組織体制の強化を図っていく方針です。当社グループは、当社グループ全体としての目標が達成できるように、子会社に対して経営管理面でのサポートを横断的に行っております。しかしながら、何らかの理由で子会社における体制整備が遅延した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。


⑦親会社に関するリスク

 

・トランス・コスモス株式会社グループにおける当社グループの位置付けについて
 トランス・コスモス株式会社は、コールセンターサービスをはじめ、ビジネスプロセスアウトソーシングサービス、デジタルマーケティングサービス、マーケティングチェーンマネジメントソリューションサービスなど、それぞれのサービスを単独または融合させることで、マーケティングの最適化及び効率化、売上の拡大、新規顧客の獲得を実現する総合的なITアウトソーシングサービスを提供しています。2022年3月31日現在、トランス・コスモス株式会社は当社グループ株式の50.35%(議決権数に対する割合)を所有する親会社であります。同社は株主総会の決議等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 トランス・コスモスグループ内においては、インターネット関連サービスを展開する企業は他にも存在しますが、当社は動画配信サービスを行う唯一の企業であって独立した経営を行っており、これらの企業との事業における競合なく、様々な場面で協働する関係にあります。しかしながら将来のグループの政策変更等により、当社グループの事業展開に影響が及ぶ可能性は存在します。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 

当連結会計年度におけるわが国の経済は、長く続く新型コロナウイルス感染症流行に対応した緊急事態宣言等の措置とそれに伴う経済活動の停滞がみられました。ワクチン接種が順調に進行したこともあって、10月初旬に緊急事態宣言が解除される状況となるまで感染状況に改善が見られましたが、依然新型変異株の流行を懸念する不確実性を伴いつつのウィズコロナ環境にあります。年度終盤には、ロシア・ウクライナの紛争要因に伴う原油をはじめとした各種資源の需給バランスの崩れが問題視される状況にあり、特に半導体の供給不足や原油高はITを始めとした各産業に影響を及ぼしています。

 

 インターネット業界においては、コロナ禍に伴う対面での経済活動を制限する必要性に基づき、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の動きが企業において加速しました。危機対応や効率化、生産性の向上等の様々な狙いから、販売促進目的のイベントや各種の情報共有、研修、会議、面談のオンライン化、テレワーク等の関連サービスが注目されました。

 

 こうした環境下、当社グループは、動画ソリューション事業において、販売促進や顧客への情報提供等を目的とした各種イベントのインターネットライブ配信や、社内情報共有・教育等のオンデマンド動画配信ニーズに対応し、主力サービスである「ライブ中継サービス」や「J-Stream Equipmedia」を中心に提供を進めました。引き続きオンラインやリアルイベントの開催に関連する各種サービスを提供する企業との協業・連携を進め、共同して市場開拓を図るとともに、顧客企業の多様な利用シーンとニーズに応える、より高品質なサービス提供を行える体制整備を進めました。「J-Stream Equipmedia」については、大規模な動画活用ニーズに合わせた新プランを導入し、メディア系・DX両面における動画利用の増大に対応しました。

 また、政府・民間による情報通信業界の将来に向けた研究開発、課題・対応策検討にかかる取組にも積極的に参画を進めました。

 

 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
 

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より609百万円増加の12,440百万円となりました。

このうち流動資産は10,203百万円となり、前連結会計年度末より449百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加によるものであります。

 また、固定資産は2,236百万円となり、前連結会計年度末より160百万円増加しました。これは主にソフトウェア及び投資有価証券の増加によるものであります。

 

(負債)
 当連結会計年度末における負債合計は2,068百万円となり、前連結会計年度末より602百万円減少しました。これは主に未払金及び未払法人税等、未払消費税等の減少によるものであります。

 

(純資産)
 当連結会計年度末における純資産合計は10,371百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益1,309百万円を計上、剰余金の配当161百万円を計上した結果、前連結会計年度末より1,212百万円増加しました。
 

b.経営成績

 当連結会計年度の業績は、連結売上高12,409百万円(前年同期比4.3%減)、連結営業利益2,054百万円(前年同期比12.3%減)、連結経常利益2,052百万円(前年同期比12.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,309百万円(前年同期比15.5%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より764百万円増加し、当連結会計年度末には7,290百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と資金の増減要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,051百万円の計上、減価償却費536百万円の計上、売上債権385百万円の減少などの資金の増加要因が、法人税等の支払額945百万円などの資金の減少要因を上回り、1,850百万円の収入(前年同期比10.5%減)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得669百万円、並びに、投資有価証券の取得101百万円などにより、784百万円の支出(前年同期比1.3%増)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払160百万円及びリース債務の支払116百万円などにより、301百万円の支出(前年同期は3,209百万円の収入)となりました。
 

③生産、受注及び販売の実績

a.受注実績

 当連結会計年度の受注状況を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

動画ソリューション事業

12,800,932

92.8

2,766,203

90.9

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

動画ソリューション事業

12,409,438

95.7

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1) 財政状態
 当連結会計年度における財政状況の分析につきましては「3 経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」を参照ください。当期利益の計上により資金は前年に比べ充実しており、積極的な事業展開と投資実施により事業の成長を図ります。

2) 経営成績
 

(売上高)
 販売面においては、戦略市場を医薬業界のEVC(Enterprise Video Communication)領域、金融およびその他の業種のEVC領域、放送業界を中心としたOTT領域、と3区分して営業活動を展開しました。

 

 EVC領域(医薬)においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の動きが、コロナ禍以前の着実な成長傾向から2021年3月期になり急伸した状況は継続しており、Web講演会用途のライブ配信売上や、講演会への集客等の売上は、2020年3月期以前に比べかなり高い水準で推移しました。しかしながら、業界全体がほぼ一律にWeb講演会開催を急増させた前期に比べ、顧客製薬企業によっては、取組姿勢に差異が見られるようになっています。取引額の大きな顧客での一時的なイベント縮小の影響もあり、この領域での売上は、ライブ配信売上を中心に、期初想定には及ばない結果となりました。また、映像制作についても、前年度においてコロナ禍への急な対応に伴い発生した制作需要の反動が顕在化して低調となり、想定を下回る推移となりました。

 

 金融その他業種のEVC領域においては、医薬業界と同様に、販売促進のためのウェブセミナーの実施が普及した他、業界を問わず動画による情報共有、教育等に関するニーズが高まったことが「J-Stream Equipmedia」の売上増

につながりました。コロナ禍をうけ「バーチャル株主総会」を実施する上場企業の増加傾向を予期し、信託銀行と協働して販売にあたった結果、ライブ配信売上、関連するWeb制作を中心に売上増加要因となりました。関連需要は6月に集中しますが、サービスの連携先を増やすことを通じ、ライブ現場対応の他、バーチャルオンリー型や出席型といった今後需要増が見込まれる形態に伴うシステム的な需要についても、顧客の多様なニーズに対応できる体制を整備し、繁忙期に向けた備えを継続しています。映像制作については医薬業界と同様の動きがみられ、前年度において各社のコロナ禍への緊急的対応に伴い発生した映像制作需要の反動減が現れる結果となりました。

 

OTT領域においては、キー局を中心とした放送業界におけるコンテンツ配信サイトシステムやサイト運用、配信ネットワーク売上、といった大口の継続的な売上に加え、新規のシステム開発案件も獲得できた結果堅調な推移となりました。五輪・周辺案件関連のライブ・ネットワークやWeb制作需要を獲得できたこともこの領域における売上増に貢献しました。

 

 これらの結果、前連結会計年度に比べ4.3%減の12,409百万円となりました。
 

 なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照下さい。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)
 売上原価については、前年度第3四半期連結会計期間に実施したM&Aの影響を含め、開発・制作体制の充実を図るための従業員増に伴い労務費が増加しましたが、これに伴う外注費の削減と、映像制作系の案件減に伴い内製比率が改善できたこと等により、7,094百万円(前年比6.7%減)となり、売上総利益率は前年比1.4ポイント改善いたしました。

 販売費及び一般管理費については、規模拡大に伴う従業員増による人件費と求人費の増加、社内業務効率化のための各種システム開発に伴うソフトウェア償却費等が増加しました。これらの結果、販売費及び一般管理費は3,260百万円(前年比7.9%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)
 当連結会計年度の経常利益は2,052百万円と前連結会計年度に比べ12.7%の減少となりました。税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ12.1%減の2,051百万円となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ15.5%減の1,309百万円となりました。

 

3) キャッシュ・フローの状況の分析
 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。


4) 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)
 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、受注から開発納品、顧客からの支払受領までの期間と、外注支払等とのギャップ部分の運転資金に加え、各事業についての一般管理費などがあります。設備資金の需要としては、サーバ等の設備、比較的少額のオフィス等の機器に関する設備資金需要があります。無形固定資産に関連するものでは、サービスソフトウェア関連の開発投資、サービス開発投資に加え、社内のシステムに関する開発投資に関する資金需要があります。この他、企業や事業の買収に関する資金需要があります。

 

(財務政策)
 近年の売上増大に伴う運転資金需要の増加や、ソフトウェア開発等の資金需要は自己資金で賄っております。運転資金につきましてはグループ企業を含め事業拡大に伴い需要が増加しておりますため、借入等短期資金を効率的に確保する手法を検討いたします。M&Aによる人材・開発能力の確保や新規事業開拓等に伴う資金については、2021年3月期におきまして自己株式の処分による調達を実施したため当面不足は発生しないものと判断しております。


5) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 新型コロナウイルス感染症の流行以降、インターネットを通じた動画によるコミュニケーションの利用はビジネス用途、エンターテインメント用途双方において増加傾向にあります。この変化は、数年かかって進展するはずであったものが急速に進み、新しいステージに入ったものと認識しております。今後期待される5G環境の普及は、こうした状況を更に加速すると同時に、新たな利用法、ビジネスの糸口になると考えられます。
 

 当社グループでは、安定した需要と成長が見込める医薬関連企業へのマーケティングを中心としたサービス提供、その他ビジネス全般における動画コミュニケーション(EVC:Enterprise Video Communication)に向けた動画ソリューションの開発・提供、今後拡大が見込まれる放送同時配信関連市場や各種の番組を配信する放送局・メディア企業に向けた配信基盤やソリューションの提供の3つを軸として市場認識をしており、各領域において業容の拡大に努めてまいります。
 

 医薬関連企業に向けては、リアルからデジタルへ置き換えをするのではなく、リアルとデジタルの差をなくす顧客体験の価値を創造し、支援できる企業を目指します。大きな需要のある製薬企業によるWeb講演会ライブ配信領域では、サービス品質の向上、医師と企業のコミュニケーションを改善する機能の開発提供を進めます。更にWeb講演会への集客や製薬企業のオウンドメディアへの送客、実績データ分析やカスタマーエクスペリエンスの改善を通じて、   デジタルマーケティングのより上流工程への関与を深め、製薬企業・医師双方にとっての次世代のMedical DXパートナーとなるべく事業を展開します。

 

 その他ビジネス全般における動画コミュニケーションについては、動画を活用する企業と担当者にとってのベストソリューションパートナーを目指します。企業の販売・営業、マーケティング、業務プロセス、組織、会計、社員教育等すべてのシーンにおいてICT化が進行し、動画の利用される場面が拡大していることに対応し、顧客企業の担当者の活動や、社内の事業プロセスに必要なリソースとソリューションを提供します。特に市場規模の大きいセミナー/イベント用途の動画利用に適したサービスを展開するほか、株主総会、IRや学会等、個別の利用シーンに合わせたメニューの整備を進めます。同時に、リテラシーの高い顧客企業が、動画の内製を進めることを支援するサービスを構築し、より広い顧客層の獲得を図ります。

 

 放送局・メディア企業に向けては、ネット配信を拡大する大きな流れや、コンテンツ・インフラ両面でのグローバルプレイヤーの存在感の増大、コロナ禍によるイベント開催によるマネタイズへの大きな障壁といった大規模かつ急速な環境の変化への対応を実現する、動画ビジネスにおけるトータルテックパートナーを目指します。大規模配信、サイト運用等を総合的に担当するキー局等に向けては、マルチCDN等を利用した配信品質の向上や、サイト運用体制の改善を行い、既存顧客の維持に加えて、新規顧客へのサービス導入を図ります。BS/CS局や、スポーツ等コンテンツを保有するコンテンツ事業者向けには、コンテンツ配信用のCMSや課金機能など、動画配信だけでなく、海外SaaSを利用した動画配信とも組み合わせて利用できる各種の機能・ソリューションを提供することを通じて顧客獲得を図ります。


 2023年3月期については、これら基本戦略の下で経営を進めてまいります。

 

投資、支出面においては、更にスピードを増してニーズに対応するとともに、需要の拡大に応える案件対応能力、開発能力、バックオフィス能力等、企業体制をより充実させていくことが重要な課題であると認識しております。こうした方面への投資を効率的に行うと同時に、M&Aを通じた事業領域の強化、拡大の機会を積極的に追求します。

 

 当社グループにおいては、インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や、動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、特に継続的売上と利益が期待できる配信系のプラットフォーム売上高や取引先数(サービスによっては同一企業に複数アカウントを発行する場合もあるため、アカウント数)、既存取引先の維持率、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。

 

 当社の主力サービスである「J-Stream Equipmedia」については、競合企業対策、顧客への配慮から現時点での契約アカウント数は公開しておりませんが、サービス利用の累計アカウント数を随時公表しております。2022年1月末時点で3,000件を超えており、2021年6月から2022年1月までの間の件数増加は、コロナ禍以前の2年間(2018年3月~2020年5月)のほぼ2倍のペースとなりました。営業利益率については、人員増の影響や管理系システム開発費用の影響が大きく、当連結会計年度において16.6%となり、前期比1.5ポイント低下しております。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、当社のプラットフォーム本部が中心となり、新サービス開発の前提となるソフトウェアや技術力のある企業の調査、実証実験、ネットワーク運用実験などを実施してまいりました。当連結会計年度における研究開発費は、64百万円です。主な研究開発活動は以下のとおりであります。
 ユーザーの多様な動画配信ニーズに応えるウェブ上の表現手法や、動画配信サイトの構築・運用を助けるプラットフォームや各種ツール、アプリケーションソフトウェアに関する調査と開発を進めております。サービス品質向上のために当社独自の運用プログラムなどを随時構築し、動画配信ソフトウェアの24時間監視プログラム、負荷分析プログラム及び負荷分散プログラムなど、大規模インターネット配信で必要な独自のプログラム類を構築しております。大規模ネットワークを構築するための負荷分散装置、負荷分散ソフトウェア等についてはプラットフォーム本部が中心となり、実証実験を含め常に最新の装置、ソフトウェアを調査し、テストを行っております。