当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、『「人と人」「技術と技術」の橋渡し』の経営理念に従い、専門分野の人と技術を有する企業との連携を深め、価格以外の要素(技術力やノウハウ等)も評価対象となる総合評価落札方式等、発注方式の多様化に対応していきます。
また、橋梁技術の複合化や構造物の維持管理分野で、品質を保証したうえでコストダウンを図り、今後ともインフラストラクチャーの充実に貢献し、広く社会から支持される企業となり、株主の期待に応えていくことを、基本方針としております。
(2)経営環境
当社グループの主力事業である建設事業では新設PC橋梁の発注は減少傾向にある一方、既存社会インフラの老朽化に向けた市場が拡大しており、市場環境の変化が生じております。当社グループは市場環境の変化を新たな機会と捉え、積極的な対応を模索しております。
当社で認識する経営環境及び競争力の源泉は次のとおりであります。なお、記載は当社グループの経営成績及び財政状態へ大きな影響を与える主たる事業(建設事業及び製品販売事業)に絞り記載を行っております。
①建設事業
a.新設PC橋梁工事
計画路線の逐次完成に伴い新設PC橋梁の発注量は年々、減少しております。なお、近年、東北地区における東日本大震災復興事業が当社グループの経営成績に貢献してまいりましたが、復興事業の終盤をむかえ、発注量が漸減しております。
PC橋梁の新設工事では、同業他社との競争、また素材価格や労務単価の高騰等を受け損益面で厳しい状況が続いておりますが、当社グループは過去の工事で各国土交通省地方整備局長表彰を獲得し、工事成績表定点も高水準にあることから、技術力を強みとして受注獲得に取り組んでおります。
b.補修工事
社会インフラの長寿命化志向の高まりや国土強靭化関連法案の成立に伴い、橋梁等コンクリート構造物に係る補修工事の発注は年々増加しております。当社グループでは、これまで蓄積したノウハウと進化し続ける技術力によりコンクリート構造物の長寿命化に挑戦しており、極東興和㈱はマイクロパイル工法(MP)で国内約50%のシェアを、K-LIP工法で国内約80%のシェアを持つリーディング・カンパニーとなっており、これらの実績をもとに受注獲得に取り組んでおります。
c.高速道路橋工事
各高速道路株式会社では高速道路未開通区間の解消に向け、新設PC工事の大量発注が今後数年間続くことが見込まれます。なお、近年、高速道路工事では高難度かつ大規模工事の発注が増加しておりますが、これらの工事では特に優秀な現場技術者の確保が課題となります。当社グループでは、過去に培ったノウハウと技術力を活かすとともに人員教育を適宜行い、受注獲得に取り組んでおります。
d.PC床版取替工事
高度経済成長期に大量に建設された高速道路は建設後50年近く経過し続々と老朽化しており、社会資本の長寿命化に向け、既存高速道路の大規模更新事業が増加することが見込まれます。当社グループではこれに対し、床版取替工事のノウハウを蓄積し受注獲得に取り組んでおります。
②製品販売事業
a.マクラギ製品
当社グループでは、東日本旅客鉄道㈱、東海旅客鉄道㈱向け及び第三セクター向けの供給は底堅く推移するなか、西日本旅客鉄道㈱の需要が加わり今後も安定的に推移することが見込まれることから、マクラギ製品の安定供給に向け当社グループの生産体制の整備を進めてまいりました。
b.リニア用パネル・床版製品
リニア新幹線は、東海旅客鉄道㈱が推進する2027年に東京名古屋間を結ぶ巨大プロジェクトです。当社グループでは、スーパーゼネコンとの関係強化に取組み、受注機会確保に向け取り組んでおります。なお、高速道路の大規模修繕工事に向け床版製品の需要増加が見込まれることから、生産体制の整備に取り組んでおります。
c.建築用部材
当社グループでは、橋梁工事で培ったプレストレスト・コンクリート製品の製造ノウハウを活かし、プレキャスト柱、梁及びスラブ材等コンクリート2次製品の製造販売を手掛けております。
(3)経営戦略等
当社グループの事業セグメント別の経営戦略は次のとおりであります。
①建設事業
・近年、震災復興事業や東京五輪関連等の大型プロジェクトを背景に公共工事の発注額は増加傾向にありました。しかしながら、当社グループの主要な事業領域であった橋梁新設事業は、長期的には漸減していくことが予想されます。当社グループは、事業基盤維持のために一定の事業量を確保すると共に、競争力確保のため現場技術者の増員・育成を推進いたします。
・i-Construction、i-Bridgeを推進し、プレキャスト技術とICT 技術を活用した生産性の向上に取組みます。
・今後、拡大が見込まれるメンテナンス市場においては、技術力向上を図り高難度補修工事受注に取り組んでまいります。
・高利益率が期待できる独自事業(MP・K-LIP)の更なる受注拡大を目指し、営業・施工ノウハウを本社から支店に移転いたします。また、技術の独自性・優位性拡大のため、当分野および新規分野の研究開発を加速いたします。
・市場優位性を確保するために、顧客満足度の向上を追求いたします。工事成績表定点の高得点獲得のため、安全管理活動を徹底させ施工検討会・施工・品質パトロールにおける指導や、各種情報の水平展開などを、全社一丸となりサポートを行ってまいります。
②製品販売事業
・急拡大が予測されるPC床版・リニア関連事業への本格参入のため、顧客候補となるスーパーゼネコンに対し、グループ各社・各部門が連携し組織的に営業展開を推進いたします。
・マクラギ事業において、既存顧客と関係強化を図りつつ、山陽新幹線のマクラギ交換事業を推し進めてまいります。
・市場拡大が期待できる土木製品及び建築部材の受注増を目指し、顧客開拓を積極的に推進すると共に、生産体制の拡充を図ります。
・品質管理を徹底し、クレーム及び不適合を根絶し、製造コストの縮減を継続的に実施いたします。
・上記製品事業の拡大を適切に予測し、タイムリーかつ合理的な設備投資を実施いたします。
③情報システム事業
・当社グループおよび社会に貢献し続ける自立した会社、働き甲斐のある会社になることを根幹とし、目標達成に向け受注環境の多角化、IoT、AI、RPA 等の先端技術への取組みによる新規ビジネスの創成、開発プロセスの標準化・効率化による品質向上と原価改善の取組みを要点とし、事業の変革を推進いたします。
④不動産事業
・当社保有の極東ビルディングのテナント収入が収益の柱となっておりますが、売上と老朽化による維持管理費の収支バランスをとりつつ、売上と利益の最大化を目指します。
・広島駅周辺開発に伴う需要の高まりを受け、建替えや移転等も視野に費用対効果の最大化を実現し、不動産活用を経営戦略の一環としてとらえ、企業価値向上を目指します。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの属する建設業界では大規模プロジェクト(リニア中央新幹線、整備新幹線3路線など)や、既存社会インフラの更新等により堅調に推移することが予想されます。当社グループにおいても長期大型工事の受注により、建設事業の期末手持高は49,010百万円となりました。
(長期大規模工事受注件数の推移)
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2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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件数(件) |
4 |
8 |
4 |
4 |
6 |
7 |
4 |
(注)当社グループの建設事業は受注額が1件当たり100百万円から300百万円、工期が1年前後の工事が一般的となっております。上表では1件当たりの受注額 1,000百万円以上の工事を長期大型工事として件数を記載しております。なお、これらの工事は一般的な工事と比べ、工期は概ね2から6年(最長10年)と長くなっております。
こうした状況の中、長期大型工事に対応する優秀な現場技術者の確保及び生産性の向上、多額な立替工事費への対処を目下の経営課題として認識しております。
①長期大型工事に対応する優秀な現場技術者の確保及び生産性の向上
当社グループではこの課題に対し、人材の確保(a.技術職の積極的な採用)及び工事の生産性向上(b.生産性向上のための諸施策)により対処しております。
a.技術職の積極的な採用
当社グループでは、次のような取組みにより技術者を積極的に採用いたしました。
・当社グループは大学等研究機関と現在22件の共同研究を進めており、大学研究室から新卒社員を獲得してまいりました。
・社内ベテラン技術者の雇用を延長し、70歳まで雇用を継続できるようにいたしました。
・他社を定年退職した技術者を Advanced Civil Engineer(ACE)として常時、中途採用してまいりました。
b.生産性向上のための諸施策
当社グループは、建設事業の生産性を向上させる施策(i-BridgeおよびCIM)を進めております。
国土交通省は建設現場の生産性向上(目標2025年までに2割向上)を目的として、「i-Construction」を提唱し、推進しております。橋梁業界においては、PC建協が「i-Bridge」として①プレキャスト技術の活用、②ICT技術の活用をPC橋梁における生産性・安全性を向上する方策として打ち出しております。
CIMとは、コンピュータ上に作成した3次元形状情報に加え、材料・部材の仕様・性能、コスト情報等、構造物の属性情報を併せもつ構造物情報モデル(CIMモデル)を構築し、建設生産プロセスの各段階(調査・測量・設計~施工~維持管理)においてCIMモデルを一元的に共有・活用、発展させることにより、各業務の効率化・高度化を図る手法であります。
いずれの手法も既存工事において導入済みであります。
②多額な立替工事費への対処
工期の長期化、工事の大規模化に伴い、当社グループではこうした工事で立替える工事代金が増加する傾向にあります。
工事費立替の状況を表す経営指標として、一般的に立替工事高比率が利用されますが、当社グループの立替工事高比率は当連結会計年度で82.6%と上昇傾向にあります。
(立替工事高比率の推移)
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2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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立替工事高比率 |
33.0% |
41.9% |
55.2% |
57.5% |
82.6% |
(立替工事高比率の計算式)
この傾向は、営業活動によるキャッシュ・フローが少額ないしマイナスになる等、当社グループの資金繰りに重要な影響を与えております。
当社グループではこれに対し、CMSによるグループ内の効率的な資金運用に加え、当連結会計年度においてコミットメントラインの1年更新及び長期借入金4,000百万円により、増加する資金需要へ対処いたしました。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
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当社の採用する経営指標 |
株主資本利益率(10%) |
当社グループは、経営指標として株主資本利益率 10%以上を継続的に確保することを目標としております。
(目標とする理由)
当社は、投資していただいた資金を効率よく活用し、将来の事業展開及び経営基盤強化を行うため内部留保を積み立てるとともに、積極的に利益還元を行っていく方針であります。
株主の皆様の期待に沿うため、株主資本利益率10%以上を継続的に確保し、企業価値、株主価値の極大化を図ることを目標としております。
(目標数値を実現するための方策)
市場の競争は激化しておりますが、組織の効率化、事務の効率化、補修事業の拡大のための技術開発により利益の拡大を図り株主資本利益率10%以上の継続的確保を目指し努力してまいります。また、企業の継続的な成長と持続可能な地球環境・社会を同時に目指すサステナビリティ経営の重要性がますます高まっていることから、スピーディーに時代の変化に対応すると共に、関連する経営課題(SDGs・DX)の解決に向けた取り組みを実施するため、2021年度にサステナビリティ推進委員会を設置するとともに、サステナビリティに関連する専任組織としてサステナビリティ推進室を設置いたしました。
地球温暖化防止のため世界的に対応の機運が高まっている2050年カーボンニュートラルの実現に向け、CO₂排出量の多いセメントの代替材料の利用促進や環境に配慮した独自工法の採用拡大、クリーンエネルギーの利用促進などにより、サステナブルな社会の構築に向け、継続的に取り組んでまいります。当社グループはこれら課題に対し継続的に取り組んでまいります。
当社グループは、「世代を超えて、語り継がれてゆくものを」「人々が行き交い、人々に愛されるものづくり」をCSRコンセプトとして、人々が世代間の垣根を越えて、安心して暮らせる社会インフラを提供してまいりました。
社会インフラである橋・道路の建設、補修を事業の中心とする当社グループにとって、持続可能な社会の実現は、事業の中心的課題として、事業活動の継続、拡大に必要不可欠であり、積極的なサステナビリティ活動の推進及びその情報開示を進めてまいります。
当社グループにおけるサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社代表取締役を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、気候変動リスクを含む、全てのサステナビリティ経営の基本方針および推進活動の基本計画の決定、取り組み課題の検討および課題について審議しております。サステナビリティ委員会にて審議された事項は、取締役会での審議を経て、決議されます。
なお、専任組織であるサステナビリティ推進室、主要子会社にワーキンググループを設置し、横断的にサステナビリティへの取り組みを計画、推進、改善ができる体制を整備しております。
(2)戦略
気候変動リスク、人材育成及び社内環境整備に関する戦略は以下のとおりであります。
①気候変動リスク
当社グループの主な事業である、土木建設、補修、コンクリート製品製造に対し、気候変動によるリスクと機会を特定しました。気候変動によるリスクと機会の選定にあたり、「2℃シナリオ」、「4℃シナリオ」の二つのシナリオに基づき分析を行い、気候変動に係るリスクと機会を以下の通りに識別しました。
リスク・機会一覧
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分類 |
リスク・機会 |
事業及び財務への影響 |
||
|
移行リスク・機会 |
炭素価格の導入、CO2排出量制限による建設コストの増加 |
リスク |
購入資材のCO2排出および施工時のCO2排出への炭素税の適用による建設費用の増加及び排出量目標達成のための排出権購入や証書の購入コスト増加 |
中 |
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政府による炭素排出目標達成のための投資抑制 |
リスク |
炭素排出目標達成を目的とした公共事業の発注量の減少 |
小 |
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低炭素製品需要の増加 |
機会 |
CO2排出量を削減した低炭素製品への需要の増加 |
中 |
|
|
低炭素技術の開発 |
機会 |
環境保全対策に関連する技術提案の強化による受注機会の増加 |
中 |
|
|
クリーンエネルギーへの転換 |
リスク |
クリーンエネルギーへの活用によるエネルギー関連コストの増加 |
小 |
|
|
機会 |
エネルギー関連施設の改革による工事需要の増加 |
中 |
||
|
物理リスク・機会 |
気温上昇による労働環境への影響 |
リスク |
ヒートストレスによる健康被害や労働可能な時間帯の減少による生産力低下 |
大 |
|
機会 |
プレキャスト製品を活用した省力化施工技術の需要増加 |
中 |
||
|
自然災害の激甚化 |
リスク |
防災・減災への自社設備への投資の増加 |
大 |
|
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機会 |
防災・減災を目的とした設備投資、補修需要の増加 |
大 |
||
②人材育成及び社内環境整備
当社グループの主要連結子会社である極東興和㈱及び東日本コンクリート㈱においては、次世代育成支援対策推進法および女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、「一般事業主行動計画(次世代法・女性活躍推進法一体型)」を策定しております。男性の積極的な育児参加並びに職場全体の育児への理解を深めることや、仕事と育児の両立支援強化等、中長期の視点で就労環境の更なる改善に注力して参ります。
なお、上記以外の連結子会社及び当社においては、関連する指標の管理及び具体的な取組みついての計画は作成していないため連結ベースの戦略は記載しておりません。
a.極東興和㈱における対策
(a)次世代育成支援対策
(男性労働者の育児休業取得率の向上)
2023年7月~ 社内イントラにて育児休業周知
2023年10月~ 管理職研修における制度利用促進の周知徹底
<随時> 対象従業員への個別制度案内
(年次有給休暇の取得日数の増加)
毎年2回 取得状況の確認
状況に応じた従業員への取得日数確保要請
<随時> 社内イントラにて有給休暇取得奨励の案内を掲載
(b)女性活躍推進対策
(女性技術者の採用比率の向上)
2023年7月~ 教育機関等との連携強化
リクルートサイトの刷新・SNSの活用
(フレックスタイム制度の整備)
2023年7月~ 導入準備・一部試行
2023年度内 全社試行
2024年4月 制度導入
(C)人材育成対策
(社内アカデミー制度の確立)
人材育成プログラムの一環として、従業員の業務遂行能力や生産性等のレベルアップを目指し、社内アカデミー制度を確立します。
2023年7月 社内教育コンテンツの本格運用開始
b.東日本コンクリート㈱における対策
(年次有給休暇の取得促進)
2023年5月~ 2022年度の取得状況を把握
2023年10月~ 上半期取得状況のとりまとめ、下半期へ向けて取得促進取組
2023年12月~ 対象社員への取得日数確保要請
2024年3月~ 2023年度の取得状況を把握し、次年度への課題整理
(3)リスク管理
気候変動リスクに関する管理は以下のとおりであります。
①気候変動リスクの識別・評価のプロセス
気候変動リスクは、サステナビリティ推進委員会で審議され、識別されます。気候変動リスクの評価は国際的な気候変動への動向、規制の強化や、気象条件などの変化に基づき、定期的な分析、検討を行い、当社事業戦略に反映させています。
②気候変動リスクへの対応・管理のプロセス
当社グループは、公共事業を事業の主体としており、気候変動リスクの識別・評価において、その動向が大きく影響します。そのため、気候変動に係る官公庁の動向等の情報を特定し、専任組織であるサステナビリティ推進室を中心に、リスクの管理・対応を行っております。
(4)指標及び目標
気候変動リスク及び人材育成及び社内環境整備に関する指標及び目標は以下のとおりであります。
①気候変動リスク(CO2排出量削減目標)
当社グループは、日本政府の掲げる2050年のカーボンニュートラル目標に賛同し、カーボンニュートラルに向けて、材料・施工・技術開発におけるに温室効果ガスの排出量の低減へ向けて取り組んでおります。
現在、グループ全体の排出量の算定に取り組んでおり、カーボンニュートラルに向けた指標を示す予定としております。
当社グループの主要連結子会社である極東興和㈱及び東日本コンクリート㈱における人材育成等についての指標及び目標は以下のとおりであります。
なお、上記以外の連結子会社及び当社においては、関連する指標の管理及び具体的な取組みついての計画は作成していないため連結ベースの指標は記載しておりません。
②人材育成及び社内環境整備(管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異)
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連結子会社 |
管理職に占める女性労働者の割合(注)1 |
男性労働者の育児休業等取得率 (注)1 |
労働者の男女の賃金の差異(注)1,2 |
補足 |
||
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全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||||
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極東興和㈱ |
5.0% |
100.0% |
66.0% |
70.0% |
53.0% |
2026年6月までの目標値 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.賃金は、基本給、超過労働に対する報酬、賞与を含み、退職手当等を除いております。正規雇用労働者は、当社原籍正規従業員で雇用期間の定めのない者であり、出向者については当社から社外への出向者を除き、他社から当社への出向者を含んでおります。パート・有期労働者は、パート・有期契約従業員等で正規従業員以外の者(派遣労働者を除く)であります。
③人材育成及び社内環境整備(年次有給休暇の取得日数)
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連結子会社 |
年次有給休暇の取得日数(注)1 |
補足 |
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極東興和㈱ |
12日 |
一人当たりの年間平均日数 2026年6月までの目標値 (注)2 |
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東日本コンクリート㈱ |
7日 |
一人当たりの年間平均日数 2025年3月までの目標値 (注)3 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.2023年6月下旬に広島労働局に提出予定の2023年7月以降の一般事業主行動計画の目標値であります。
3.2022年3月に宮城労働局に提出した2022年4月以降の一般事業主行動計画の目標値であります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)公共事業の削減による影響について
当社グループの主要事業である建設事業は、売上高に占める官公庁等(鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び高速道路会社を含める)の割合が約8割と非常に高いため、官公庁等からの発注が予想以上に削減された場合には、経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)資材価格、外注労務単価の変動の影響について
当社グループの主要事業である建設事業では受注にあたり、資材価格及び労務単価等の適正水準での契約に努めておりますが、資材価格や外注労務費等が高騰し、それを契約条件にあるスライド条項等により請負金額に反映させることが困難な場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)固定資産の減損リスクについて
当社グループは、有形固定資産、ソフトウエアなどの固定資産を保有しております。有形固定資産及びソフトウエア等のうち、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、減損した当該金額を減損損失として計上することとしております。
このため、当該資産又は資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことがあります。
なお、当社グループは持株会社方式により運営しており、持株会社である当社は事業会社の運営に必要な資金を事業会社への投融資により供給しております。
事業用資産を保有する事業会社で固定資産の減損損失を計上した場合、事業会社の財政状態悪化を受け、当社個別財務諸表において事業会社への投融資について損失計上を行うことがありますが、損失計上により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことがあります。
(4)有利子負債への依存について
当社グループの主たる事業である建設業は請負業であることから資金の立替えが生じます。近年、長期かつ大規模な工事契約が増加していることから、資金の立替えが著しく増加してきております。
当社グループでは、運転資金は主に金融機関からの借入金により調達しているため、有利子負債への依存度が高い水準にあります。当社は、主要グループ各社とキャッシュ・マネージメント・システム(CMS)契約を締結し、グループ資金の効率化を図るとともに、運転資金を使途とするコミットメントラインを活用した資金調達の機動性を確保しておりますが、金利水準が大幅に上昇することがあれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度末の有利子負債の状況は以下のとおりです。
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2022年3月末 |
2023年3月末 |
前期末差 |
|
総資産(百万円) |
33,961 |
40,355 |
+ 6,394 |
|
有利子負債(百万円) |
9,250 |
15,966 |
+ 6,716 |
|
有利子負債依存度(%) |
27.2 |
39.6 |
+ 12.4 |
|
純資産(百万円) |
13,296 |
13,842 |
+ 546 |
|
自己資本比率(%) |
38.8 |
34.0 |
△4.8 |
(5)法的規制等によるリスク
当社グループの主たる事業である建設事業は、土木工事に該当するため、「建設業法」の規制を受けます。
当社グループでは、建設業法に基づき特定建設業許可及び一般建設業許可を受けておりますが、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めており、現時点においてこれらの法的規制に抵触する事実はないと認識しております。
しかしながら「建設業法」に抵触し、営業の全部又は一部の停止命令や許可取消し等の行政処分を受けた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(許認可等の状況)
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会社名 |
許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
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㈱ビーアールホールディングス |
建設業許可 (一般建設業許可) |
広島県知事許可 (般-30第32261号) |
2023年11月30日 (5年毎の更新) |
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極東興和㈱ |
建設業許可 (特定建設業許可) |
国土交通大臣 (特-1第2840号) |
2025年1月18日 (5年毎の更新) |
|
東日本コンクリート㈱ |
建設業許可 (特定建設業許可) |
国土交通大臣 (特-30第2918号) |
2024年2月26日 (5年毎の更新) |
(6)大規模自然災害等
当社グループの主たる事業である建設事業は屋外生産であるため、季節や天候などの自然条件の影響を受けます。近年、日本国内では地震、台風や大雨による土砂災害等大規模自然災害の発生が多発しております。当社グループでは施工管理に万全の注意を払い工事に携わっておりますが、大規模自然災害による工事の中断や大幅な遅延等が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績とい
う。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する状況のなか、行動制限が緩和され経済活動は回復傾向となりました。しかしながら地政学リスクによる原材料価格の高騰や金融資本市場の変動による国内での急速な円安の進行等、依然として先行きは不透明な状況となりました。
当社グループの主力事業である建設業界におきましては、新設PC橋梁の発注は減少傾向にある一方、既存社会インフラの老朽化に向けた市場が拡大しており、市場環境が変化するなか、建設需要は底堅さを維持しております。
このような情勢の下、当連結会計年度の売上高は36,022百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益は1,636百万円(前年同期比28.5%減)、経常利益は1,624百万円(前年同期比29.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,025百万円(前年同期比32.8%減)となりました。
当社グループのセグメントの業績は、次のとおりであります。なお、金額にはセグメント間取引を含めております。
(建設事業)
建設事業におきましては、中国自動車道及び広島高速道路の床版取替工事の大型受注等により、当連結会計年度の受注高は33,093百万円(前年同期比25.2%増)、手持工事高は49,010百万円(前年同期比4.7%増)となりました。当連結会計年度の期首手持工事高減少による影響等により売上高は30,853百万円(前年同期比1.2%減)となり、前期に大幅な設計変更獲得による多額な利益計上を行った工事があったことによる反動及び契約変更の確定時期が翌期以降になったこと等によりセグメント利益は2,875百万円(前年同期比14.3%減)となりました。
(製品販売事業)
製品販売事業におきましては、当連結会計年度の受注高は床版製作及びPC桁製作の大型受注により6,552百万円(前年同期39.8%増)、売上高は5,101百万円(前年同期比15.2%増)となりましたが、採算性の良い製品販売物件が減少し、セグメント利益は89百万円(前年同期比57.3%減)となりました。
(情報システム事業)
情報システム事業におきましては、新型コロナウイルス感染症による受注活動への影響が解消され、当連結会計年度の受注高は479百万円(前年同期比5.6%増)となりました。受注済案件が順調に進んだことから当連結会計年度の売上高は495百万円(前年同期比25.6%増)、セグメント利益は21百万円(前年同期比288.9%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業におきましては、当社保有の極東ビルディングにおいて、事務所賃貸並びに一般店舗・住宅の賃貸管理のほか、グループ会社の拠点として、当社が一括して賃借した事務所を各グループ会社に賃貸しており、安定した売上高を計上しております。当連結会計年度の売上高は172百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は114百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は40,355百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,393百万円の増加となりました。
流動資産は34,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,604百万円増加しております。主な要因として未収入金が2,014百万円減少したものの、受取手形・完成工事未収入金等が7,822百万円、現金預金が280百万円、材料貯蔵品が221百万円増加したことによるものであります。
固定資産は5,802百万円となり、前連結会計年度末に比べ210百万円減少しております。主な要因としては、減価償却によるものであります。
負債合計は26,513百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,847百万円増加しております。
流動負債は20,821百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,083百万円増加しております。主な要因としては、預り金が1,176百万円減少したものの、短期借入金が3,700百万円、電子記録債務が417百万円、未成工事受入金が259百万円、1年内返済予定の長期借入金が249百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、5,691百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,763百万円増加しております。これは主に長期借入金が増加したことによるものであります。
純資産合計は、株主配当543百万に対し、親会社株主に帰属する当期純利益1,025百万円の計上等により、前連結会計年度末比546百万円増加の13,842百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ394百万円増加し、1,820百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロ-)
営業活動の結果、使用した資金は5,703百万円(前年同期は20百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,624百万円、未収入金の減少1,931百万円、仕入債務の増加430百万円、減価償却費363百万円、未成工事受入金の増加259百万円があったものの、売上債権の増加7,822百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
投資活動の結果、使用した資金は75百万円(前年同期比85.5%減)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入560百万円があったものの、定期預金の預入による支出446百万円、有形固定資産の取得による支出158百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
財務活動の結果、獲得した資金は6,173百万円(前年同期は639百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れの返済による支出983百万円、配当金の支払額543百万円があったものの、長期借入金による収入4,000百万円、短期借入金の純増3,700百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
製品生産重量(t) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
44,977 |
153.6 |
|
製品販売事業 |
49,670 |
67.0 |
|
合計 |
94,647 |
91.5 |
(注)当社グループの生産実績は、工場製品の製造における製品生産重量をもって実績としております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
33,093 |
125.2 |
|
製品販売事業 |
6,552 |
139.8 |
|
情報システム事業 |
479 |
105.6 |
|
不動産賃貸事業 |
172 |
98.3 |
|
合計 |
40,297 |
127.0 |
(注)1.セグメント間取引を含めて表示しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
30,853 |
98.8 |
|
製品販売事業 |
4,797 |
109.9 |
|
情報システム事業 |
333 |
129.7 |
|
不動産賃貸事業 |
38 |
92.0 |
|
合計 |
36,022 |
100.3 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先の販売実績と総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
西日本高速道路株式会社 |
10,274 |
28.6 |
11,101 |
30.8 |
|
中日本高速道路株式会社 |
3,465 |
9.7 |
4,516 |
12.5 |
なお、当社グループの主力事業である建設事業の状況は次のとおりであります。
イ.受注高、売上高、繰越高及び施工高
前期(自2021年4月1日 至2022年3月31日)
|
種類別 |
前期繰越高 (百万円) |
当期受注高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期売上高 (百万円) |
次期繰越高 |
当期施工高 (百万円) |
|||
|
手持高 (百万円) |
うち施工高(百万円) |
||||||||
|
建設事業 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
橋梁 |
25,684 |
14,375 |
40,059 |
13,272 |
26,787 |
0.8 |
% |
219 |
13,069 |
|
その他 |
25,899 |
12,047 |
37,946 |
17,964 |
19,982 |
0.6 |
|
110 |
17,861 |
|
合計 |
51,583 |
26,422 |
78,006 |
31,236 |
46,770 |
0.7 |
|
329 |
30,930 |
当期(自2022年4月1日 至2023年3月31日)
|
種類別 |
前期繰越高 (百万円) |
当期受注高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期売上高 (百万円) |
次期繰越高 |
当期施工高 (百万円) |
|||
|
手持高 (百万円) |
うち施工高(百万円) |
||||||||
|
建設事業 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
橋梁 |
26,787 |
11,844 |
38,631 |
13,408 |
25,223 |
1.1 |
% |
281 |
13,470 |
|
その他 |
19,982 |
21,249 |
41,231 |
17,445 |
23,786 |
0.9 |
|
205 |
17,539 |
|
合計 |
46,770 |
33,093 |
79,863 |
30,853 |
49,010 |
1.0 |
|
486 |
31,010 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含めております。したがって、当期売上高にもこの増減額が含まれます。
2.次期繰越高の施工高は、未成工事支出金により仕掛工事の施工高を推定したものであります。
ロ.売上高
|
期別 |
部門 |
官公庁等 (百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
第20期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
建設事業 |
|
|
|
|
橋梁 |
10,628 |
2,643 |
13,272 |
|
|
その他 |
15,813 |
2,150 |
17,964 |
|
|
計 |
26,441 |
4,794 |
31,236 |
|
|
第21期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
建設事業 |
|
|
|
|
橋梁 |
11,322 |
2,086 |
13,408 |
|
|
その他 |
14,680 |
2,764 |
17,445 |
|
|
計 |
26,002 |
4,850 |
30,853 |
(注)1.官公庁等には鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び高速道路会社を含めて算出しております。
2.第20期の売上高のうち主なものは、次のとおりであります。
|
西日本高速道路株式会社 |
江の川第三橋他1橋床版取替工事、赤山橋床版取替工事他 |
第21期の売上高のうち主なものは、次のとおりであります。
|
西日本高速道路株式会社 |
江の川第三橋他1橋床版取替工事、容谷橋他1橋床版取替他 |
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
|
第20期 |
西日本高速道路株式会社 |
10,274 |
百万円 |
32.9 |
% |
|
第21期 |
西日本高速道路株式会社 |
11,101 |
百万円 |
36.0 |
% |
|
|
中日本高速道路株式会社 |
4,516 |
百万円 |
14.6 |
% |
ハ.手持高
|
期別 |
部門 |
官公庁等 (百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
第21期 (2023年3月31日現在) |
建設事業 |
|
|
|
|
橋梁 |
21,206 |
4,017 |
25,224 |
|
|
その他 |
20,334 |
3,451 |
23,786 |
|
|
計 |
41,541 |
7,469 |
49,010 |
(注)手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
西日本高速道路株式会社 |
吉野川橋他1橋床版取替工事 |
2026年6月完成予定 |
|
西日本高速道路株式会社 |
成合第一高架橋 |
2025年10月完成予定 |
|
西日本高速道路株式会社 |
淀川橋工事 |
2028年1月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営指標)
当社グループは経営指標として、(連結)株主資本利益率10%以上を継続的に維持することを目標としております。当連結会計年度では、建設事業において利益獲得が見込める契約変更の確定時期が翌期以降となったこと等により、前連結会計年度の実績値を4.6ポイント下回り、7.5%となりました。
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
前年差 |
|
(連結)株主資本 利益率(%) |
12.8 |
20.9 |
20.7 |
12.1 |
7.5 |
△4.6 |
(経営成績)
建設事業の売上高は、当連結会計年度の期首手持工事高減少による影響等により30,853百万円と前年同期比で382百万円減少いたしました。
製品販売事業の売上高は、床版製作及びPC桁製作の大型受注により外部売上高は4,797百万円と前年同期比で432百万円増加いたしました。
上記の結果、売上高は36,022百万円と前年同期比で122百万円増加いたしました。
売上高は増加したものの、採算性の高い工事が減少したこと等により、経常利益は前連結会計年度と比べ672百万円減の1,624百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ501百万円減の1,025百万円となりました。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
前年差 |
|
売上高(百万円) |
35,899 |
36,022 |
+ 122 |
|
経常利益(百万円) |
2,296 |
1,624 |
△672 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
1,527 |
1,025 |
△501 |
(財政状態)
近年、当社グループの長期大規模工事ではジョイント・ベンチャー(JV)方式による施工が増加してきております。これら長期大規模工事の工事代金の支払いに備えるため、金融機関から短期借入金及び長期借入金により運転資金の調達を行っております。
上記の結果、前連結会計年度と比べ当連結会計年度末の有利子負債残高は6,716百万円増の15,966百万円,純資産残高は546百万円増加となりました。総資産(負債・純資産計)の伸び率よりも純資産の伸び率が小さかったことから、自己資本比率は4.8ポイント減少し、34.0%となりました。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
前年差 |
|
有利子負債(百万円) |
9,250 |
15,966 |
+ 6,716 |
|
純資産(百万円) |
13,296 |
13,842 |
+ 546 |
|
自己資本比率(%) |
38.8 |
34.0 |
△4.8 |
②経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
工事費立替の増加により、営業活動によるキャッシュ・フローは5,703百万円のマイナスとなりました。また、工事用機械の取得及び製品製造用器具の取得等から、投資活動によるキャッシュ・フローは75百万円のマイナスとなりました。また、借入金による調達を行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは6,173百万円のプラスとなりました。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
前年差 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
20 |
△5,703 |
△5,723 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△520 |
△75 |
+ 444 |
|
フリー・キャッシュ・フロー (百万円) |
△499 |
△5,778 |
△5,279 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△639 |
6,173 |
+ 6,813 |
b.資本の財源
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、建設資材の購入費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループの資本の財源については事業活動による自己資金のほか、金融機関からの借入れにより確保しております。当連結会計年度は増加する資金需要に備え、短期借入金3,700百万円(純増額)及び長期借入金4,000百万円により資金調達を行いました。
なお、金融機関からの借入れについては資金調達の機動性および流動性確保の補完機能を高めるため、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、コミットメントラインの総額は6,000百万円であります。
株主の皆様への還元につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの水準に拠らず毎期安定的に配当を行うことを目標としており、株主還元の指標として、(連結)配当性向30.0%を目標としております。
当連結会計年度の配当性向は53.0%となりました。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
前年差 |
|
(連結)配当性向(%) |
35.5 |
53.0 |
+ 17.5 |
c.資金の流動性
当社グループは、資金の流動性を計る指標として流動比率(未成工事支出金及び未成工事受入金を除く。)を重視し、100.0%以上維持することを目標としております。安定した財務基盤の維持に努めた結果、当連結会計年度末の流動比率は181.4%となりました。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
前年差 |
|
流動比率(%) |
172.8 |
181.4 |
+ 8.6 |
なお、当社は主要グループ各社とキャッシュ・マネージメント・システム(CMS)契約を締結し、グループ資金の効率的な運用を図るとともに、コミットメントラインを活用した運転資金の機動的な調達を図っております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(算出の方法)
当社グループは、工事契約に関して、連結会計年度の末日において測定した履行義務の充足に係る進捗度に基づき、工期にわたって売上高を認識しております。また、当社グループは総工事原価を積算し、契約に係る進捗度を合理的に見積ることが可能であることから、進捗度の見積りにはインプット法を採用しておりますが、総工事原価を合理的に測定できない場合、発生した原価のうち回収されることが見込まれる費用の金額で収益を認識しております。
これらの見積りには不確実性が伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
当社グループでは近年、従来から手掛けてまいりました国土交通省や地方自治台による橋梁新設工事に加え、高速道路会社による既設高速道路の大規模更新・大規模修繕プロジェクト、新幹線の整備計画に付随する工事を受注する機会が増えてきております。これらの工事は、橋梁新設工事と比べ、工事契約の大型化、工期面の長期化、設計変更等による契約変更が多いといった特色があります。
こうした工事では、工事契約の大型化、工期の長期化、工法の複雑化、リスクの分散等への対応から、他社とジョイント・ベンチャー(JV)を組成しJVサブ企業として参画する事案も増えておりますが、単独で契約する場合と比べ請負金額及び工事原価総額の変更等に関する情報を適時・適切な収集が難しい傾向にあります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費総額は
(1)亜硝酸リチウムを活用したコンクリート構造物の長寿命化技術
我が国の社会資本を支えるコンクリート構造物は老朽化の一途を辿っており、特に、塩害や中性化による鉄筋腐食やASRによるコンクリートの異常膨張など、深刻なコンクリート構造物の劣化に対する効果的な補修技術の開発が急務とされてきました。そのような社会状況の中、当グループは鉄筋防錆効果およびASR膨張抑制効果を有する「亜硝酸リチウム」という材料の性質に一早く着目し、京都大学をはじめ多数の大学との共同研究により「ASRリチウム工法」および「リハビリカプセル工法」というコンクリート補修技術を開発、実用化し、技術の普及に努めています。「ASRリチウム工法」は、ASRにより劣化したコンクリート構造物全体に亜硝酸リチウムを内部圧入する工法であり、これまで不可能とされてASRの劣化進行を根本的に抑制することができます。現時点でASRリチウム工法に対抗し得る類似工法は実用化されておらず、今後もこの分野で高いシェアを維持できると考えます。「リハビリカプセル工法」は、塩害や中性化により劣化したコンクリート内部の鉄筋付近に亜硝酸リチウムを内部圧入する技術であり、コンクリート中の鉄筋をはつり出すことなく確実に鉄筋防錆処理することができます。これまで塩害補修の決め手は電気防食工法と言われてきましたが、本工法を使えば電気防食工法より安価に補修することが可能となります。さらに,老朽化した道路橋床版の補修では、床版下側からの施工が可能であるため,道路規制等の社会的な影響を抑えながら構造物の長寿命化が可能となります。近年では港湾分野での大規模補修工事、NEXCOや阪神高速道路での大規模更新事業にも採用され、さらなる販路拡大が期待されています。
(2)既設構造物の内部補強技術
我が国の社会インフラは、高度経済成長期に大量に建設されたことから、供用年数が一般的な耐用年数の50年を超過し、老朽化した構造物が今後益々増加することが懸念されています。また建設から年数が過ぎ、その間のニーズの変化によって更新の必要に迫られた構造物や、昨今の地震被害を踏まえて見直された新しい耐震規準に適合しない構造物も数多く存在します。しかし、それら既存の構造物を新たに構築するには多額の費用を必要とするため、今ある構造物を使いながら補強や改築をすることができる技術に対する需要が高まっています。そこで当グループは、得意分野であるプレストレストコンクリート技術のノウハウを応用して、既存構造物の部材内部に固定配置した緊張材にプレストレスを与えて補強する「K-PREX工法」を開発し実用化しました。本工法は、一般的なコンクリート補強工法とは異なり、補強部材外周に補強材を設置する必要がないことから、施工条件の厳しい既存構造物の補強ニーズに応えることができます。近年では、橋梁下部工や建築部材の補強工事にも採用され、さらなる発展が期待されています。今後は、緊張材のラインナップを充実させ、床版等の薄肉部材や腐食環境下にある部材等への適用拡大を図り、さらなる販路拡大を目指します。
(3)老朽化した橋梁床版の更新技術
近年、社会インフラの老朽化に伴い、高速道路橋の鉄筋コンクリート床版をプレキャストプレストレストコンクリート床版へ取り替える事業(大規模更新事業)が本格化しています。この事業においては、供用中の道路の交通規制を伴うことから、急速施工が求められます。このような社会ニーズに対応するため、当グループでは、日鉄エンジニアリング社との共同開発により、更新工事(既設橋梁の床版取替)における交通規制期間の短縮や施工の合理化・省力化が図れるプレキャスト床版の接合工法「ELSS Joint」を実用化しました。「ELSS Joint」は、従来のような鉄筋を用いた継手工法とは異なり、プレキャスト床版間に低剛性の専用材料を充てんするだけで床版同士を半剛接合するという世界初の画期的な工法であり、従来工法と比較して、労働生産性は14%程度向上し、交通規制期間を1 割以上短縮することが可能となります。「ELSS Joint」は床版取替工事での採用も進んでおり,2023年度は1橋,2024年度は4橋の施工を行う予定です。また、ずれ止めが多数配置される鋼合成桁橋の床版更新では、既設床版の撤去において、従来手はつりやウォータージェットによるコンクリートはつりを伴うことが多く、工程の長期化や高コストが過大となっていました。これに対して、当グループでは、コンクリートカッターを使用した合理的な工法「K-SLASH工法」を開発し、実用化に向けた研究を進めています。本工法では、施工の合理化により、従来方法と比較して工事期間を20%程度短縮することが可能となります。今後、高速道路の大規模更新事業での採用に向けた取組みを推進し、社会的ニーズに応えていきます。
(4)コンクリート二次製品を活用した防災・災害復旧技術
近年、我が国では大地震、豪雨、土砂災害などの自然災害が全国的に激甚化、頻発化している傾向にあり、これに対する社会インフラの整備、維持、早期復旧への対応が急務となっています。このような社会ニーズに対応するため、当グループの得意分野であるコンクリート製品の製造技術を生かし、キッコウ・ジャパン社との共同開発により、簡易施工の土留め壁「ロックフレーム工法(S型)」を実用化しました。「ロックフレーム工法(S型)」は、コンクリート二次製品の格子状フレームに石材を密に詰め、フレームと石材を一体化した「もたれ式擁壁」です。従来工法と比較して、技能者の減少が著しい石積みの技能に左右されることのない空石積みの特長を活かし、排水性にすぐれ、環境にやさしい、擁壁や護岸を簡易に構築する技術であり、施工が簡易なことから、法面・斜面の災害復旧等にも適した工法です。今後、フレームのラインナップ拡充による工法の適用拡大を図り、販路拡大を目指します。
(5)建設工事における生産性向上技術・環境負荷低減
建設業では、他の産業に比べて技能者の高齢化が急速に進行しており、将来的に社会資本を維持するために必要な担い手の確保や生産性の向上が喫緊の課題となっています。このような現状に対応するため、ICT(情報通信技術)や規格の標準化等で建設現場のプロセスの最適化を図る活動「i-Construction」(アイ・コンストラクション)が国土交通省で推進される等、官民をあげた取組みが活発になっており、当グループにおいても、建設工事の省力化やプレキャスト製品の合理化といった生産性向上に資する技術導入や新規開発を進めています。その一例として、コンピュータ上で作成した橋梁の三次元モデルを施工計画・施工管理に利用するCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)と呼ばれる情報管理技術、コンクリート工事におけるGPS(全地球測位システム)方式の生コン運搬管理システムやICTを活用したコンクリート打設管理およびプレストレス導入管理システム等、様々な建設ICTを橋梁工事に導入し、施工管理業務の高度化・省力化を進めています。また、政府において2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことが宣言され、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を抑制することが世界的に求められています。当グループでは、セメント製造時に多くの二酸化炭素が排出されることに着目し、副産物である高炉スラグ微粉末でセメントを置換した二酸化炭素排出量低減コンクリートを使用した土木製品を実用化しています。今後、置換率の増加等、さらなる環境負荷低減に向けた研究を進めています。