文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日現在において、将来に関する見通しおよび計画に基づき当社グループが合理的に判断したものであり、これらの記載は実際の成果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、人間社会における存在価値を高めることを目指し、次の企業理念を掲げています。
「私たち山洋電気グループは、すべての人々の幸せをめざし、人々とともに夢を実現します。」
この企業理念の遂行のために、次の6つの経営理念と私たち自身が遵守すべき行動規範を定め、企業活動をおこなっています。
(2) 目標とする経営指標等
当社グループでは、2021年4月から期間を5年とする「第9次中期経営計画」をスタートさせました。
① 計画の目的
・殻を破る。
・山洋電気グループが、グローバル企業として「世界のトップブランド」を構築する。
② 重要方針
・私たちの強みを武器にすべての殻を破る。
・新たな地域・新たな業界で市場を広げる。
・新たな夢を実現する製品を開発する。
・新たなビジネスを創り出す。
・ナンバーワンの業務品質にする。
・どんな変化も得意に出来る企業体質にする。
また、当社グループは持続的な成長のために、中長期的に重視すべき目標と経営指標を定めています。
① フリー・キャッシュ・フローを重視した経営をする。
② ROE 10%以上を目標とする。
③ 営業利益率を重視した経営をする。
(3) 経営環境及び対処すべき課題等
① 経営環境
当連結会計年度における世界経済は、急激な資源価格の高騰や、中国のロックダウンの影響などにより低迷しましたが、徐々に経済活動が活発化し、回復の兆しがみられました。一方、年度末にかけて金融引き締めの影響を受け、景気の後退が懸念される状況となりました。
日本経済は、製造業では、部品材料の供給が制約されながらも設備投資が堅調に推移し、景気は緩やかに回復しつつあります。
そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は堅調に推移しました。
これらの前提のもとに翌連結会計年度(2024年3月期)は売上収益131,100百万円、営業利益16,600百万円、税引前当期利益16,800百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益12,500百万円を予想としています。
② 対処すべき課題等
このような経営環境のもと、当社グループでは、現在、第9次中期経営計画の達成に向けて、次の取り組みを推進しています。
当連結会計年度の取り組みに対する主な成果は次のとおりです。
さらに、持続的成長を課題とする取り組みは次のとおりです。
新型コロナウイルス感染拡大を課題とする取り組みは次のとおりです。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
山洋電気グループは、当社グループが持つ技術と強みを活かし、企業理念に掲げる「すべての人々の幸せを目指し、人々とともに夢を実現する」社会の創造を目指します。
当社グループは、社会課題の解決に真摯に向き合い、これまでにない新製品の開発や、世の中にないサービスを提供していくことで、新たな価値の創出と持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
当社グループでは、代表取締役を委員長とする企業行動規範委員会を設置し、企業理念および企業行動規範に基づいた行動と判断ができる社員の育成が、当社グループの持続的な事業の成長と社会課題の解決を実現するものと位置付けております。この委員会では、企業理念に基づいた行動と判断のできる人材を育成するため、グループ全体への敷衍活動、およびそのモニタリングとして、年に2回の全社教育および自己点検の場を設けることで、持続的に事業の成長と社会課題の解決が図られる仕組みを構築しています。
(2)リスク管理
危機管理委員会は代表取締役を委員長として、リスクの特定、評価、管理、対策立案とその実行をおこなっております。また危機発生時には危機のレベルに応じた対策本部を設置し適切に対処します。
ここで特定・管理されるリスクは、当社グループの事業継続上のリスクとして捉えられ、定期的に取締役会へ報告されます。
(人的資本強化の基本的な考え方)
当社グループは社員一人ひとりが、仕事や会社生活を通じて、自己実現を図れる会社であることを目指しています。そして、社員が生き生きと働き、それぞれの能力を最大限に発揮することこそが、当社グループの中長期的な成長と社会貢献につながると考えます。
当社グループでは、社員の採用活動や人事考課、管理職への登用などにおいて、多様性を前提とするのではなく、1990年代より、国籍・人種・出身・性別・年齢・宗教・学歴・信条・個人的な嗜好などによる何らの差別をせず、すべての社員を等しく処遇し、能力と成績を公平公正に評価してきました。公平・公正な評価を監視するために人事評価監査委員会を設置しています。
当社グループでは、グローバルな経営を推進するため、現地の人材を積極的に各国の経営層や管理職に登用しています。現在、各国拠点のうち2/3において、現地の人材が代表者を務めています。さらに、そのうちの約半数を女性が占めています。なお、女性を積極的に管理職・経営職に登用するという逆差別はせず、すべての社員を何らの差別もなく公平に評価しています。
当社グループでは、グループ会社共通の価値観を浸透させるとともに、企業価値の向上を実現するため、個々の専門性をじゅうぶんに活かせる組織体制を構築しています。当社グループはグローバルに事業を展開しており、様々な国籍や文化を持つ社員が就業しています。また、グループ経営を強化し、企業風土の変革や新たな価値の創造を推進する人材の育成に向け、教育訓練を体系的、かつ継続的におこなっています。
しかしながら、将来において、計画どおりの人材が確保できない場合には、当社グループの競争力は低下し、長期的には事業展開を滞らせ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(ダイバーシティ&インクルージョン)
当社グループでは国籍・人種・出身・性別・年齢・宗教・学歴・信条・個人的な嗜好などによって、何らの差別もなく、すべての社員を等しく処遇し、能力と成績を公平公正に評価しています。社員の採用にあたってもこの方針を厳守しています。今後も、この方針を誇りをもって堅持し、社員が安心して働ける環境の整備を推進してまいります。
(ワークライフバランスの推進)
ワークライフバランスの実現をめざし、社員が無理なく、安心して働けるように、さまざまな取り組みをおこなっています。
例えば、適正な労働管理を徹底することで、長時間労働の防止や有給休暇取得の向上を推進しています。また、フレックスタイム制度や在宅勤務、時差出勤などを取り入れることで、社員が効率的に柔軟な働き方ができる環境を整えています。
当社グループでは、環境に関する課題を分析し、環境への取り組み状況の進捗管理および推進をおこなう機関として、取締役が委員長を務める環境対策委員会が中心となって活動しています。さらに当社グループの事業の継続に影響をおよぼす可能性のある気候変動リスクについては、代表取締役が委員長を務める危機管理委員会において、リスクの特定、評価、管理、対策の立案とその実行をおこなっています。取締役会へは事業に大きな影響を及ぼす事項が報告されます。
(主な事業リスクに対する戦略)
当社グループにおける気候変動の顕在化のリスクとしては、炭素税導入や製品の原材料・電力価格の高騰などによる製造コスト増加、また自然災害による工場設備の損傷や、社員への被害により生産活動そのものに影響を受ける、もしくはその対策のための費用の発生といったものが想定されます。
一方で、環境負荷を低減した製品、再生エネルギー普及やBCP対策の推進に寄与する技術や製品など、当社が活躍できる市場が広がることで売上増加の機会にもなり得ます。
これらのリスクと機会は、当社の事業戦略や財務に直接的な影響を及ぼします。
当社グループでは、気候変動リスクを含む事業継続上のあらゆるリスクを的確に把握し、リスク顕在化の防止および損失の最小化を図ることを目的とし、危機管理委員会を設置しています。危機管理委員会は代表取締役を委員長として、リスクの特定、評価、管理、対策の立案とその実行をおこなっています。また危機発生時には危機のレベルに応じた対策本部を設置し、適切に対処します。
ここで特定・管理されるリスクは、当社グループの事業継続上のリスクとして捉えられ、定期的に取締役会へ報告されます。
当社では、気候変動に係る指標として、生産活動におけるCO2排出量、製品ライフサイクルアセスメントにおけるCO2排出量、環境適合設計製品の売上比率などにおいて、目標設定および実績の評価をおこなっています。当社グループのCO2排出量を2030年度に46%削減(2017年度比)、2050年度までに実質ゼロとする中長期目標(注)を策定しております。これらは取締役が委員長を務める環境対策委員会において実行されています。
引き続き、気候変動問題への取り組みに注力するとともに、TCFDの枠組みに基づき、気候変動に係るリスクおよび収益獲得の機会が当社の事業活動や収益等に与える影響について、タイムリーな情報の開示に努めてまいります。
(注) 山洋電気株式会社、山洋電気テクノサービス株式会社および山洋電気ITソリューション株式会社を対象と
しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、当社グループの経営成績、および財務状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する記載は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1)景気変動のリスクについて
当社グループは主にクーリングシステム、パワーシステム、サーボシステムの製品を生産、販売しています。当社グループの製品は、主に日本およびフィリピンで生産され、国内、および北米、ヨーロッパ、東アジア、東南アジアへ販売しています。当社グループの主要な販売市場である工作機械・ロボット・半導体製造装置などの業界は景気動向の影響を受けやすく、国内外の景気が低迷した場合、企業収益の悪化にともなう設備投資の抑制などにより受注が減少する可能性があります。
当社グループは、幅広い分野の販売市場を開拓し、グローバルな事業展開をすることにより、事業構造の強化を目指していますが、国内外の景気が低迷し、予測の範囲を大幅に超えて受注が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)急速な技術革新のリスクについて
当社グループが事業を展開する市場においては、急速な技術革新、顧客のニーズの変化などによって、既存の製品、サービスの陳腐化のスピードが速まっており、競合他社に対する当社グループ製品の優位性が損なわれるリスクが存在します。
このような技術環境のなかで、当社グループは、設計開発活動の充実、生産技術の向上、生産活動の効率化、品質管理の徹底などにより、業界No.1の性能、品質、信頼性を有する製品の製造に取り組んでいますが、当社グループが、技術および顧客のニーズの変化に適切に対処できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)グローバル展開におけるリスクについて
当社グループは、「グローバル化」を中期経営計画の施策の一つとしていますが、海外市場で事業を拡大するにあたっては、進出先地域における地政学的要因、言語、習慣、法制、税制などの規制に起因する様々な潜在的なリスクが存在します。
新たな地域で事業を展開するにあたっては、該当地域についてじゅうぶんな調査をおこない、事業展開後も現地の情勢に常時留意していますが、当社グループが、これらのリスクの顕在化に適切に対処できない場合、また、これらの変化に対処するために多大な費用を負担しなければならない場合には、当社グループのグローバル展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)ガバナンス体制のリスクについて
当社グループは、経営の透明性の確保やコーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、経営環境の変化に迅速に対処できる体制を構築、維持することを重要な施策としています。しかしながら、事業の急速な拡大や変化、もしくはコーポレート・ガバナンス体制の構築時には想定外であった社会環境の変化など、様々な要因により、体制の機能が低下する可能性があります。
当社グループがこのような状況に適切に対処できず、正常なコーポレート・ガバナンス体制の維持が困難となり、企業価値が毀損し、社会的信用が失墜するというような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報システムのリスクについて
当社グループは、事業上の重要情報および役職員や顧客などの個人情報を保有しています。当該情報の漏洩を防ぐため、情報管理を徹底し、社員教育を定期的におこなっていますが、不測の事態によって情報の漏洩が発生する可能性があります。
また、情報システムへのサイバー攻撃対策やITガバナンスの強化などを実施していますが、想定を超える攻撃やインフラの障害などによって、重要なデータの消滅、改竄、漏洩、システムダウンなどが発生する可能性があります。
その結果、情報の流出によって被害を受けた関係者への補償、企業価値の毀損、社会的信用の失墜というような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)雇用のリスクについて
当社グループでは、グループ会社共通の価値観を浸透させるとともに、多様性を尊重し、企業価値の向上を実現するため、個々の専門性をじゅうぶんに活かせる組織体制を構築しています。当社グループはグローバルに事業を展開しており、様々な国籍や文化を持つ社員が就業しています。また、グループ経営を強化し、企業風土の変革や新たな価値の創造を推進する人材の育成に向け、教育訓練を体系的、かつ継続的におこなっています。
しかしながら、将来において、計画どおりの人材の確保ができない、あるいは専門性の高い人材の育成ができない場合には、当社グループの競争力は低下し、長期的には事業展開を滞らせ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)自然災害のリスクについて
当社グループは、生産・販売・調達・研究開発などの拠点を世界各国に置き、グローバルに事業を展開しています。このようななかで、巨大台風の襲来、大地震、河川の氾濫、火山の噴火にともなう降灰、感染症の流行などが発生した場合、当社グループの社員および施設が被災し、事業活動が中断、生産および出荷が遅延する可能性があります。
また、インフラの寸断やサプライチェーンの混乱による部品の供給不足、物流の停滞、および市場の混乱が生じる可能性があります。当社グループでは、自然災害などによる拠点での被災を想定して、危機管理委員会を設置し、社員安否確認システムの運用、防災計画、事業継続計画の策定などによって、人命の安全確保、事業の維持継続、被害・損失の最小化、社会的信用の維持に努めています。しかしながら、自然災害などによる被害を完全に回避できるものではなく、そのような状況においては、事業活動の縮小など、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産のリスクについて
当社グループでは、製品の開発およびサービスの提供のなかで、競合他社に対する優位性を保つため、新たな技術やノウハウを蓄積し、知的財産権の保有に努めていますが、一部の地域では法的な制約のためにその権利がじゅうぶんに保有されない場合があり、第三者による予期せぬ不正使用の結果、当社グループの信頼を損ねるような取引・行為がなされる可能性があります。
また、当社グループでは、他社の権利を侵害しないように製品の開発、およびサービスの提供を進めていますが、見解の相違などの理由により、他社の知的財産権を侵害していると看做され、当社グループが事業遂行上重要な技術を使用できず、適切な製品の開発やサービスの提供ができなくなる可能性や、多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
いずれの場合においても、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製造物責任リスクについて
当社グループは、厳格な品質管理体制を構築し、国内外の顧客に対して均一で高品質な製品やサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が生じた場合、その欠陥に起因した損害に対して当社グループが賠償責任を負う可能性があり、またその欠陥に対処するために多額の費用が発生する可能性があります。さらに、当該問題に関する報道などにより、当社グループの企業価値が毀損し、社会的な信用を失墜する事態に陥り、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)調達のリスクについて
当社グループは、日本および海外から多くの部品や原材料を調達しており、予測の範囲を超える市況変動があった場合には、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、部品・原材料の市況変動に左右されない体制の維持のために、調達先の分散、製品設計の変更、代替部品の評価、購入部品から社内生産への変換などを推進するとともに、財政状態に大きな影響を与えるような市況の変動が生じた場合には、適宜、販売価格への反映をおこなっていますが、これらの施策を実施できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)為替リスク
当社グループでは、為替レートの変動による財政状態への影響を最小限に抑えるため、外貨建資産・負債のバランスを考慮しながら部品・原材料の調達および販売活動をおこなっていますが、連結財務諸表作成の際に各会計年度の平均レートを用いて円換算をおこなっており、円換算時の為替レートによって換算後の価値が変動することから、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度における世界経済は、急激な資源価格の高騰や、中国のロックダウンの影響などにより低迷しましたが、徐々に経済活動が活発化し、回復の兆しがみられました。一方、年度末にかけて金融引き締めの影響を受け、景気の後退が懸念される状況となりました。
日本経済は、製造業では、部品材料の供給が制約されながらも設備投資が堅調に推移し、景気は緩やかに回復しつつあります。
そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は堅調に推移しました。
その結果、当連結会計年度における連結売上収益は120,803百万円(前年同期比19.5%増)となり、連結営業利益は13,421百万円(前年同期比22.3%増)、連結税引前当期利益は14,226百万円(前年同期比20.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は11,410百万円(前年同期比26.6%増)となりました。
受注高は127,996百万円(前年同期比14.7%減)、受注残高は81,925百万円(前年同期比9.6%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
①日本
日本には、当社および連結子会社の山洋工業株式会社、山洋電気テクノサービス株式会社、山洋電気ITソリューション株式会社があります。セグメント売上収益は118,762百万円(前年同期比18.1%増)となり、セグメント利益は6,960百万円(前年同期比24.8%増)となりました。
②北米
北米には、連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上収益は25,206百万円(前年同期比65.6%増)となり、セグメント利益は2,290百万円(前年同期比76.5%増)となりました。
③ヨーロッパ
ヨーロッパには、連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上収益は8,296百万円(前年同期比42.7%増)となり、セグメント利益は499百万円(前年同期比59.0%増)となりました。
④東アジア
東アジアには、連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司、山洋電氣(香港)有限公司、台灣山洋電氣股份有限公司、SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.、上海山洋電气技術有限公司、山洋電气貿易(深圳)有限公司、中山市山洋電气有限公司、山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司および山洋電气(天津)貿易有限公司があります。セグメント売上収益は19,004百万円(前年同期比5.8%増)となり、セグメント利益は1,642百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
⑤東南アジア
東南アジアには、連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.、SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。
セグメント売上収益は45,962百万円(前年同期比33.4%増)となり、セグメント利益は2,527百万円(前年同期比7.4%増)となりました。

また、事業部門別の営業概況は次のとおりです。
①クーリングシステム事業
クーリングシステム製品「San Ace」は、年度末にかけて需給調整の影響が見られたものの、EV用急速充電器や一部の電源装置、5G基地局などの通信機器、半導体製造装置、サーバやストレージなど幅広い業界からの需要が堅調に推移しました。
その結果、売上収益は43,292百万円(前年同期比37.0%増)、受注高45,951百万円(前年同期比19.6%減)、受注残高34,665百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
②パワーシステム事業
パワーシステム製品「SANUPS」は、災害対策用を中心に、生産設備や社会インフラ向けの需要が増加しました。また、半導体製造装置、医療機関向けの需要は堅調に推移しました。一方、再生可能エネルギー向けの需要は、投資の先送りを受け低調でした。
その結果、売上収益は7,423百万円(前年同期比0.5%増)、受注高7,613百万円(前年同期比11.0%減)、受注残高3,192百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
③サーボシステム事業
サーボシステム製品「SANMOTION」は、EV、リチウム電池の生産設備、ウェハ搬送ロボット向けの需要が増加しました。また、射出成形機、工作機械、ロボット向けの需要も堅調に推移しました。 一方、半導体製造装置向けの需要は前連結会計年度に引き続き堅調に推移していたものの、年度末にかけて減退が見られました。また、中国市場の景気減退の影響により、電子部品実装機、金属加工機向けの需要は低調でした。
その結果、売上収益は63,988百万円(前年同期比14.3%増)、受注高68,431百万円(前年同期比11.9%減)、受注残高42,076百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
④電気機器販売事業
半導体業界、医療機器向けの需要の増加により、産業用電気機器、制御機器、および電気材料の販売は増加しました。一方、太陽光発電向けの需要は低調でした。
その結果、売上収益は4,881百万円(前年同期比5.3%増)、受注高4,689百万円(前年同期比10.9%減)、受注残高1,424百万円(前年同期比11.9%減)となりました。
⑤電気工事事業
主要顧客である鉄鋼業界からの需要は堅調に推移しました。一方、電気工事の需要は従来の水準に回復するまでには至らず、低調でした。
その結果、売上収益は1,216百万円(前年同期比18.9%減)、受注高1,311百万円(前年同期比8.1%減)、受注残高566百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、資産合計は15,204百万円の増加、負債合計は2,642百万円の増加、資本合計は12,561百万円の増加となりました。
資産の主な変動要因は、棚卸資産の増加7,836百万円、営業債権及びその他の債権の増加4,928百万円、現金及び現金同等物の増加1,770百万円によるものです。
負債の主な変動要因は、営業債務及びその他の債務の増加3,121百万円、借入金(非流動負債)の減少1,826百万円、借入金(流動負債)の増加1,577百万円によるものです。
資本の主な変動要因は、利益剰余金の増加10,432百万円、その他の資本の構成要素の増加2,089百万円によるものです。

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、20,548百万円となり、前連結会計年度末より1,770百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、8,258百万円(前連結会計年度は8,234百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期利益14,226百万円、棚卸資産の増加6,757百万円、減価償却費及び償却費6,014百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、4,422百万円(前連結会計年度は4,826百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,182百万円、無形資産の取得による支出844百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、2,675百万円(前連結会計年度は622百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,006百万円、配当金の支払額1,509百万円によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、内部振替前の数値によっています。
2 金額は、販売価格によっています。
3 上記金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や状況に照らし合理的と考えられる前提に基づき、会計上の見積りを実施しています。
なお、当社グループで採用する個々の項目は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの第9次中期経営計画は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。この計画のもと、当連結会計年度の財政状態および経営成績等は次のとおりです。
① 連結財政状態の分析
(資産)
流動資産は、棚卸資産の増加や、営業債権及びその他の債権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて15,406百万円増加しました。非流動資産は、有形固定資産が減少したことにより前連結会計年度末に比べて202百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて15,204百万円増加の143,871百万円となりました。
(負債)
流動負債は、営業債務の増加や、運転資金需要のための借入金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて4,991百万円増加しました。非流動負債は、借入金の返済による減少や、退職給付に係る負債が減少したことにより前連結会計年度末に比べて2,349百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べて2,642百万円増加の50,654百万円となりました。
(資本)
当期利益の計上、および配当金の支払により利益剰余金は10,432百万円増加しました。また、保有する金融資産の公正価値変動等により、その他の資本の構成要素が2,089百万円増加しました。その結果、資本合計は前連結会計年度末に比べて12,561百万円増加の93,217百万円となりました。
② 連結経営成績の分析
当連結会計年度は、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は堅調に推移しました。その結果、当連結会計年度の連結売上収益は120,803百万円となり、前連結会計年度に比べ19,679百万円増加しました。
また、販売費及び一般管理費につきましては、人件費や試験研究費が増加しました。その結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は17,896百万円となり、前連結会計年度に比べ3,151百万円増加しました。
以上から、連結営業利益は前連結会計年度に比べ22.3%増の13,421百万円、連結税引前当期利益は前連結会計年度に比べ20.7%増の14,226百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ26.6%増の11,410百万円となりました。
セグメントごとの売上収益に関する分析は次のとおりです。
(日本)
日本では、半導体製造装置を中心としたファクトリーオートメーション市場からの需要が好調でした。また、EVやリチウムイオン電池の生産設備向けの需要は堅調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ18.1%増の118,762百万円となりました。
(北米)
北米では、通信装置、サーバ関連の市場からの需要が旺盛でした。また、半導体製造装置や医療機器向けの需要は堅調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ65.6%増の25,206百万円となりました。
(ヨーロッパ)
ヨーロッパでは、半導体関連装置、ファクトリーオートメーション市場からの需要が好調でした。また、EV用急速充電器や医療機器向けの需要は堅調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ42.7%増の8,296百万円となりました。
(東アジア)
東アジアでは、サーバ、電源装置向けの需要は堅調に推移しました。一方、中国市場の需要は回復が進まず、低調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ5.8%増の19,004百万円となりました。
(東南アジア)
東南アジアでは、食品機械や医療機器、インドネシア市場における社会インフラ向けの需要が増加しました。また、受注の増加を受けて、SANYO DENKI PHILIPPINES,INC.の生産量が大幅に増加しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ33.4%増の45,962百万円となりました。
また、翌連結会計年度(2024年3月期)の予想につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3) 経営環境及び対処すべき課題等 ① 経営環境」に記載のとおりです。
③ 資本の財源および資金の流動性の分析
当連結会計年度の資本の財源の分析は以下のとおりです。
(フリー・キャッシュ・フロー)
当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを重視した経営をおこなっています。
当社グループのキャッシュ・フロー関連の指標は、次のとおりです。
(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
当社グループは、第9次中期経営計画に掲げた目標の達成に向け、生産能力の増強を目的とした設備投資をおこないました。営業活動により獲得した現金、および金融機関からの計画的な資金調達によって、企業活動に必要な資金をじゅうぶんに確保しています。
当社グループでは、今後も資本の健全性や、成長のための投資との最適なバランスを勘案したうえで、内部留保の確保および株主還元の充実に努める方針です。
(ROE)
当社グループは、中長期的に重視すべき経営指標の目標値として、ROE10%以上を目標とした経営をおこなっています。当連結会計年度につきましては、当期利益の増加にともない、前連結会計年度の11.9%から上昇し、13.1%となりました。
(営業利益率)
当社グループは、グローバル企業として「世界のトップブランド」の構築を目標としており、トップブランドにふさわしい企業グループとなることを目指して、営業利益率を重視した経営をおこなっています。当連結会計年度における営業利益率は、次のとおりです。
(3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2021年4月から期間を5年とする「第9次中期経営計画」をスタートさせました。計画の目的、重要方針、行動指針および重視すべき経営指標と目標値については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
該当事項はありません。
当社グループは、営業部門と設計開発部門が一体となり、お客さまが新たに価値創造ができる製品の開発をおこなうことを基本方針としています。
研究開発活動は、「地球環境を守るための技術」、「人の健康と安全を守るための技術」、「新しいエネルギーの活用と省エネルギーのための技術」への貢献をめざし、3つの事業部において積極的に推進しています。
研究開発の体制は、当社テクノロジーセンターを主要な拠点とし、市場ニーズの先取りやお客さまの要求に即応できるよう、設計開発部門をグループ制とするなど、課題ごとのチーム編成が容易となる体制としています。
無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
なお、研究開発費のセグメントはすべて日本で計上されています。
また、事業部門別の研究開発活動は、次のとおりです。
(クーリングシステム事業)
クーリングシステム製品「San Ace」においては、次のような開発に取り組みました。
医療機器、計測機器、アミューズメント機器など、人の傍らで使用される装置では、とりわけ静かなファンが求められています。これらの要望に応えるため、業界トップの低騒音ファン「San Ace」 9RAタイプを4機種ラインアップしておりましたが、9RAタイプのラインアップを拡充するため、80/140mm角×38mm厚の2機種を新たに開発しました。
また、通信基地局、急速充電器、監視カメラなど、屋外で使用される装置の高性能化にともない、小型の防水ファンには今まで以上に高い性能が求められるようになりました。これらの要望に応えるため、業界トップの高風量、高静圧、保護等級IP68を実現した、40mm角×20/28mm厚の防水ファン「San Ace 40W」9WPAタイプを開発しました。
一方、工場設備で使用される制御盤や植物工場など、ACファンが好まれる用途においては、防水・防塵性能を有する高風量の耐環境ファンが求められています。これらの要望に応えるため、ACDCコンバータを搭載した、業界トップの高風量、高静圧を有する120mm角×38mm厚のACDCファン「San Ace 120AD」9ADAタイプと、保護等級IP68を有する「San Ace 120AD」9ADAWタイプを開発しました。
同様に、当社独自のサイズである160mm×51mm厚ACファンが使用されている、制御盤、産業機器、空調機器などの用途では、低消費電力や低騒音、防水機能、PWM制御機能、入力電圧のワイドレンジ仕様が求められています。このような市場の要望に応えるため、同サイズのACDCファン「San Ace 160AD」9ADタイプと、保護等級IP56を有する「San Ace 160AD」9ADWタイプを開発しました。
空気汚染や新型コロナウイルスの蔓延などにより、きれいな空気を求める社会的な要望が高まっています。人が多く集まる施設などでは、感染症対策として、今後も大型の空気清浄機の需要が高まると予想されます。このような市場の要望に応えるため、当社がこれまでに蓄積した冷却ファンの技術と高効率の流路設計技術を活かして、広い空間を集塵し、除菌・脱臭もできる空気清浄機「San Ace Clean Air」を開発しました。
このように、さまざまな市場からの要望に応えるため、世界トップの性能と安心してご使用いただける高信頼性を確保しつつ、さらなる高性能化と耐環境性能を実現した冷却ファンを開発するとともに、当社の技術を活かした新分野の製品開発にも取り組みました。
当事業部門における研究開発費は529百万円です。


(パワーシステム事業)
パワーシステム製品「SANUPS」においては、次のような開発に取り組みました。
無停電電源装置(UPS)では、常時インバータ給電方式の単相200V系UPS「SANUPS A11Nシリーズ」を開発しました。この製品の特長は拡張性、高信頼および高効率です。5kVAのユニットを最大4台組み合わせることで、出力容量を20kVAまで拡張することができます。組み合わせたユニットのうち、1台を予備ユニットとして使用する並列冗長運転も可能であり、電力の安定供給に寄与します。また、従来の製品に対して電力の損失を15%以上低減し、電力変換効率94%以上(最大95.1%)を達成しました。電気料金およびCO2排出量の削減にも寄与します。
また、無停電電源装置(UPS)をネットワークに接続するための周辺機器として、新しい「LANインタフェースカード」を開発しました。UPSのギガビットEthernetへの接続、高度なセキュリティ機能の要求、有線LAN以外の接続によるUPS監視の実現、PCを接続しないままでUPSの動作情報を取得できるなど、使いやすい機能を備えています。
通信速度が従来品の10倍となる1ギガビット環境のネットワークに直接接続することができ、収集したデータの高速でのダウンロード、アップロードが可能です。また、USBポートにWi-FiアダプタやUSBメモリを接続することにより、無線LAN機能によるUPS監視や、USBメモリへUPS故障履歴などのデータを保存できます。さらに、コンピュータを遠隔制御するための機能の向上(OpenSSHの搭載)、ネットワーク通信を暗号化してサーバをシャットダウンする機能の追加(REST APIによるサーバのシャットダウン機能)、スクリプト実行機能の拡充などにより、高度なセキュリティ環境や、複雑な手順が必要なサーバのシャットダウンが求められる環境でも利用できるようになりました。
当事業部門における研究開発費は694百万円です。

(サーボシステム事業)
サーボシステム製品「SANMOTION」においては、次のような開発に取り組みました。
ACサーボシステム製品では、出力30W~1.5kWまでの「SANMOTION G」シリーズを開発しました。「強く」て「やさしい」サーボシステムをコンセプトに、サーボモータ、保持ブレーキ、エンコーダ、およびサーボアンプを「SANMOTION R」シリーズから一新しました。本製品は、サーボ性能が大幅に向上し、信頼性をより高め、機械装置を高速かつ高精度で力強く制御できるため、厳しい環境でも、安心してご使用いただけます。また、省エネルギー化、小型、高効率を実現するとともに使いやすさを追求した「地球環境」と「人」にやさしい製品です。
リニアサーボモータでは、「SANMOTION リニアサーボモータ コア付フラットタイプ」を開発しました。本製品は、推力特性の向上による高加速での駆動を実現するとともに、エネルギー効率を大幅に向上しました。そのため、機械装置のサイクルタイムを短縮することができ、生産性の向上に貢献するとともに、発熱(損失)低減による高精度化に貢献します。
また、2相ステッピングシステム「SANMOTION F2」と5相ステッピングシステム「SANMOTION F5」に、それぞれ「ハイパワーモデル」と「ベーシックモデル」の新製品を開発しました。ハイパワーモデルは、小型・高出力を特長としており、高トルクでモータを駆動でき、機械装置のサイクルタイムを短縮できます。ベーシックモデルは、従来品との互換性を維持しながらも、小型・軽量化を図った製品です。いずれのモデルもモータ回転中の振動を大幅に低減しており、機械装置の高性能化と低振動化に貢献します。
当事業部門における研究開発費は2,252百万円です。

