文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、建設事業を通じて、自然環境と調和した豊かな社会づくりに貢献するとともに、つねに創造と技術の向上に努め、時代の変化に即応して柔軟な発想と進取の行動で新たな事業に挑戦することにより、社業の躍進を図ってまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
今後の見通しにつきましては、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、上昇を続ける原材料価格や供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。また、建設業界におきましては、物価上昇の背景から民間企業の建設投資計画は増勢が鈍化し、公共投資につきましては、底堅く推移していくことが見込まれますが、慢性的な建設技能労働者不足等により、業界を取り巻く環境は厳しさを増していくものと予想されます。
このような状況の下、当社では「3カ年経営計画」に掲げる、営業力の強化、バランスの取れた受注構成へのシフト、DX推進による生産性の向上及び働きやすい環境づくりの推進を通じて「持続的成長と企業価値の向上」、「変化に強い事業・収益基盤の構築」に向け積極的に取り組んでまいります。具体的な施策といたしましては、精力的な営業活動により新規顧客を獲得することやデジタル技術の有効活用、また従業員の働きがいを追求し、活躍できる職場環境の整備を通じて人材の確保と育成に注力することで業容の拡大を図ってまいります。
「3カ年経営計画」については以下のとおりであります。
①基本方針
a 持続的成長と企業価値の向上
b 品質と安全で信頼性の確立
c 変化に強い事業・収益基盤の構築
d 従業員が生き生きと活躍できる職場環境の整備
②具体的指針
a 営業力の強化
b 品質不良事案の撲滅
c 重大な災害・事故の撲滅
d バランスの取れた受注構成へのシフト
e DX推進による生産性の向上
f 関連事業開発の探索
g 働きやすい環境づくりの推進
h 財務体質の強化と株主還元
i 企業グループの収益力の向上
③目標数値(2025年3月期 連結ベース)
売上高 48,600百万円
売上総利益 4,840百万円
営業利益 2,600百万円
経常利益 2,550百万円
当社は、サステナビリティに関して、建設事業(建築・土木)を通じた社会課題解決(地球温暖化リスクへの対応や循環型社会の形成など)への貢献と、企業としての持続的成長の両立を図ることが重要であると考えており、環境マネジメントシステムに沿ったガバナンス及びリスク管理を推進するとともに、人的資本、多様性に関する各種取組みを進めております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、ISO14001に則った環境マネジメントシステムにおいて、環境方針を掲げ、安全品質環境部を中心に維持管理しており、取締役社長はその改善を指示する責任と権限を有しております。また、マネジメントレビューを通じ、環境マネジメントシステムの有効性を評価しております。
当社は、環境方針に定める基本理念である「人と自然のやさしい関係を創造する」に基づき、当社が手がける建築物の設計及び施工並びに土木・鉄道構造物の施工のすべての段階に関して、サステナビリティへの取組みを踏まえた次の①~③の環境保全活動の推進と管理を行っております。
①環境マネジメントシステムを実行・維持し、継続的な改善を図り、汚染の可能性を予知したうえで積極的に予防対策を行っております。
②環境に関する法規制及び当社が同意したその他の要求事項を把握し、手順化したうえで厳格に順守しております。
③環境に影響を及ぼす全関係者(協力業者を含める)に環境に関する教育を行い、方針の周知と意識向上を図っております。
また、地球温暖化リスクや循環型社会の形成に対応するため下記事項を重点とした取組みを実施するとともに、必要に応じて同業他社ともサステナビリティに関する情報交換を行っております。
・ 省資源、省エネルギーの推進
・ 建設副産物の減量、再利用の促進(グリーン調達の促進)
・ 施工地域に則した個別環境保全活動
(2)人的資本、多様性に関する取組み
建設業における事業の根幹は人材であり、人が工事を受注し、安全かつ高品質にその工事を成し遂げることの繰り返しにより事業が成立します。事業の各プロセスが好循環に機能するためには、最重要の経営資源である人材の量的確保と質の向上が必要不可欠であります。当社では、人材に関する各種取組み(人材の多様性を含む。)を推進しておりますが、特に「人材の量的確保と質の向上」に資することを企図して「人材の確保と育成」「働きがいの追求」に関する取組みに注力しています。
①「人材の確保と育成」に関する戦略、指標及び目標
現在、当社においては、人材育成レベルの向上と標準化、コミュニケーションの活性化を目的に、技術系若年社員を対象とした企業内学校である「NTアカデミー」を展開しておりますが、それをさらに拡充させる中で、対象となる従業員の階層や取扱うカリキュラムをそれぞれ広げることで、総合的な教育システムへと発展させ、人材の質的向上を図ってまいります。あわせて、資格取得支援制度の充実にも取組むこととし、当社が事業運営上取得を推奨している資格について、全社員の保有率75%以上の維持(2022年度実績75.7%)を目指してまいります。
さらに「人材育成に積極的に取り組む会社」であることを社内外にPRし、当社の認知度を向上させることや求職者の志望度を高めることにより、採用チャネルの拡大と合わせて人材の量的確保を図ってまいります。
②「働きがいの追求」に関する戦略、指標及び目標
従業員エンゲージメントの向上を図るため、働きがいを高める施策を展開してまいります。具体的には、働きがいの主要素である働きやすさの実現に向け、現場・本社の働き方の見直しやDXの推進を通じて業務の効率化を推進し、時間外労働を削減するとともに生産性の向上を図るなど、働きやすい職場環境を整備することによって、離職率5%以下(過去5年平均実績3.6%)を維持してまいります。
また、人事処遇制度を見直すことによって、建設業として成長するうえで必須となる事業の各プロセス間の連携強化を図るとともに、それらに携わる従業員のやりがいを引き出し、挑戦する風土への改革を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場動向
当社グループでは工事原価管理体系の見直し等により受注量の減少にも耐えうる経営基盤の構築を進めておりますが、受注環境の悪化等、建設市場が著しく縮小した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 信用リスク
当社グループは、売上債権及び貸付金等の貸倒による損失に備えて、過去の貸倒実績率等に基づき貸倒引当金を計上しております。また、受注審査制度のもと、取引先の信用力や支払条件等の受注審査基準を設定するなど、与信リスクの最小化を図っております。しかしながら、取引先の信用不安等が顕在化した場合、貸倒引当金を超える貸倒損失が発生する可能性があります。
(3) 建設資材価格及び労務単価の高騰等
建設資材及び労務外注の調達価格の高騰や調達遅れなど、工事着工後の状況変化を請負金額に反映することが困難な場合には、工事原価の上昇による利益率の低下など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 瑕疵担保責任(契約不適合責任)
施工物の品質管理には万全を期しておりますが、万が一、重大な瑕疵が発生した場合には顧客からの信頼を失うとともに、瑕疵担保責任(契約不適合責任)により損害賠償が生じることもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 重大事故の発生
安全管理には万全を期しておりますが、万が一、人身や施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人材の確保
労働人口の減少や建設業界における人手不足が顕著になる中、新規・中途採用の停滞や離職者の増加などにより、人材の確保に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率にもとづいて算出されており、前提条件の変更や実績との差額が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は総合設立型の企業年金基金に加入しておりますが、運用環境の悪化や基金制度の変更等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制
建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、これらの法令の改廃や新設、適用基準の変更等があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 法令違反、訴訟等のリスク
当社グループでは、コンプライアンス意識の醸成のために定期的に啓蒙活動を行うなど、コンプライアンス経営の維持、推進に努めております。一方で、重大な不正・不法行為が発生した場合や訴訟等の法的手続等の対象となる場合などは、その結果によって当社グループの業績及び信用等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害等のリスク
想定外の大規模地震やそれに伴う津波の発生、台風等による風水害等の自然災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止又は事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかに持ち直しているものの、
長期化しているロシア・ウクライナ情勢や世界的な物価の上昇と金融引締め等が続いており、先行き不透明な状況
のまま推移いたしました。
この間、建設業界におきましては、公共投資は補正予算の効果もあり底堅い動きとなった一方、建設技能労働者
不足の問題に加え、建設資材価格の高騰等が深刻になり、引き続き厳しい経営環境となりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前期比14.0%増の424億1百万円、営業利益は前期比4.5%減の18億44百万円、経常利益は前期比2.4%減の18億24百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比44.7%増の18億96百万円となりました。
また、資産合計は、前期比7.4%増の348億56百万円、負債合計は、前期比3.2%増の204億2百万円、純資産合計は前期比14.1%増の144億53百万円となり、自己資本比率は前期比2.4ポイント増の41.5%、1株当たり純資産額は前期比61.84円増の501.37円となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は連結損益計算書における営業利益と対応しております。
(建設事業)
売上高は前期繰越工事高が増加したこと等により、前期比14.1%増の421億36百万円となり、セグメント利益は売上高が増加したものの、建設資材価格の高騰等による利益率の低下により、前期比3.8%減の18億25百万円となりました。
(不動産事業)
売上高は不動産賃貸収入が減少したこと等により、前期比1.5%減の2億76百万円となり、セグメント利益は修繕費の増加等により、前期比20.2%減の48百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ24億10百万円増加し、78億29百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権及び契約資産の増加や契約負債の減少があったものの、仕入債務の増加や解決金の支払がなかったこと等により、前連結会計年度16億円のプラスから18億24百万円のプラスとなり、2億23百万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の売却による収入が増加したこと等により、前連結会計年度33百万円のマイナスから7億11百万円のプラスとなり、7億44百万円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の返済額が減少したこと等により、前連結会計年度5億51百万円のマイナスから1億25百万円のマイナスとなり、4億26百万円の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(注) 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っておりません。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去前で記載しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため生産の実績は記載しておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
b 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c 完成工事高
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
d 次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
(資産の部)
資産合計は、有価証券及び未成工事支出金が減少したものの、現金預金、受取手形・完成工事未収入金等及び契約資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ24億10百万円増の348億56百万円となりました。
(負債の部)
負債合計は、契約負債及び電子記録債務が減少したものの、支払手形・工事未払金等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ6億28百万円増の204億2百万円となりました。
(純資産の部)
純資産合計は、配当金の支払いにより利益剰余金が86百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益18億96百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ17億82百万円増の144億53百万円となりました。
この結果、1株当たり純資産額は前連結会計年度末439.53円から61.84円増の501.37円となりました。
b 経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ52億11百万円増の424億1百万円となりました。このうち、完成工事高は前期繰越工事高が増加したこと等により前連結会計年度に比べ52億15百万円増の421億29百万円、不動産事業売上高は賃貸収入が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ3百万円減の2億71百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ28百万円増の40億23百万円となりました。このうち、完成工事総利益は完成工事高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ41百万円増の39億41百万円となりましたが、完成工事総利益率につきましては、建設資材価格の高騰等により、前連結会計年度に比べ1.2ポイント減少しております。また、不動産事業総利益は修繕費の増加等により、前連結会計年度に比べ12百万円減の82百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、売上総利益が増加したものの、販売費及び一般管理費が増加したことにより、前連結会計年度に比べ86百万円減の18億44百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、営業外費用が減少したものの、営業利益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ44百万円減の18億24百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益等)
経常利益が減少したものの、特別損失が減少したこと及び固定資産売却益3億13百万円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ5億86百万円増の18億96百万円となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度45.46円から20.34円増の65.80円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、建設事業に係る運転資金であります。
c 財務政策
当社グループの事業活動の維持に必要な資金を確保するため、自己資金のほか、金融機関からの借入により資金調達を行っております。
運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結し、余裕を持った当座貸越枠を確保しております。また、長期条件の借入については、将来の金利上昇リスクをヘッジするため、主に固定金利での調達を行っております。
なお、当連結会計年度における借入金残高は44億13百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特記事項はありません。
特記事項はありません。