当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。「3 事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針
①企業理念について
当社は2005年の創立100周年を機に、これまで当社が事業を営んできた基盤となる考えを整理し、グループ企業理念として定めました。その後、理念の浸透に向け、行動指針の制定などを進めてまいりましたが、2017年10月に発覚した当社グループにおける品質不適切行為を契機として、あらためて当社グループの存在意義とは何かを各職場で議論し、その結果を集約して、2020年5月に「KOBELCOが実現したい未来」「KOBELCOの使命・存在意義」を新たに定めるとともに、既に制定していた「KOBELCOの3つの約束」「KOBELCOの6つの誓い」と併せて体系化し、改めてグループ企業理念として制定いたしました。
グループ企業理念は、当社グループのあらゆる事業活動の基盤となるものであり、当社グループは、このグループ企業理念のもと、お客様、お取引先様、株主様・投資家様、地域社会の皆様、グループ社員などあらゆるステークホルダーの皆様から信頼いただきながら、社会や環境への貢献を通じた持続的な企業価値向上を目指してまいります。
<グループ企業理念>
②KOBELCOグループのマテリアリティ(中長期的な重要課題)
当社グループは、当社グループが持つ「個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづける。」ことで持続的に成長し続け、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」を実現することをグループ企業理念に掲げ、サステナビリティ経営の推進に取り組んでおりますが、より効果的に推進するため、「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」の策定にあたって、様々な社会課題の中から、経営資源を重点的に投入する中長期的な重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。
当社グループの事業活動のなかでカーボンニュートラルに挑戦し、達成を目指すとともに、当社グループの技術・製品・サービスを通じてCO₂排出削減に貢献し、グリーン社会の実現に貢献することは、経営上の重要課題であると同時に素材・機械・エンジニアリングといった多様な知的資産と多様な人材をもつ当社グループにとっての大きなビジネスチャンスでもあると考えています。
また、当社グループが創業以来提供し続けてきた技術・製品・サービスは、安全・安心なまちづくり・ものづくりの環境をご提供し、当社グループのお客様を通じて様々な分野で社会課題の解決に貢献しており、これからも当社グループが取り組むべき重要課題です。
そして、多様な人材が活躍できる環境を整備し、コンプライアンス、人権、品質など持続的成長を支えるガバナンスを追求することも、当社グループにとっては重要課題です。
当社グループは、当社グループが取り組むべき重要課題に果敢に挑戦し続けることで、当社グループを取り巻くステークホルダーの皆様にとってかけがえのない存在でありつづけるとともに、企業価値の向上を目指してまいります。
*S+3E:Safety + Energy Security, Economic Efficiency, Environment
*DX:デジタルトランスフォーメーション
③当社グループの企業構造と事業領域
当社グループは、1905年(明治38年)に鋳鍛鋼メーカーとしてスタートし、機械事業、鉄鋼の圧延、銅、エンジニアリング、建設機械、アルミ、溶接とその事業を徐々に広げてまいりました。110年を超える歴史の中で、社会のニーズに応え、選択と拡大を進めてきた結果、現在、鉄鋼やアルミなどの素材、鋳鍛鋼やアルミ鋳鍛などの素形材、溶接材料などからなる「素材系事業」、産業用機械、エンジニアリング、建設機械からなる「機械系事業」、そして「電力事業」の3つの事業領域で事業を展開しています。
当社グループが提供する製品・サービスは、輸送機、電機、建設・土木、産業機械、社会インフラなどあらゆる産業の基礎資材となっています。当社グループは、独自の技術をもとにした代替困難な素材や部材、省エネルギーや環境に配慮した様々な機械製品やエンジニアリング技術等、当社グループ独自の多彩な製品群を幅広いお客様に供給することで、競争優位性を生みだしています。また、電力事業では、極めて重要な社会的インフラである電力の供給という公共性の高いサービスを提供しており、当社グループは社会的にも大きな責任を担っているものと考えています。
素材系事業、機械系事業のいずれにおいても、競合メーカーが国内外に多数存在します。
素材系事業においては、国内外の高炉メーカー、電炉メーカー、アルミメーカーなどが競合先として存在しますが、当社グループは、鉄鋼、アルミといった様々な素材と、その圧延・鋳造・鍛造技術を活用した鋳鍛鋼、アルミ鋳鍛といった多様な素形材、加えて溶接材料・溶接技術を有する当社グループの特長を活かしたソリューション提案をお客様に行うことにより、輸送機関連の分野などで競争優位性の維持・強化を目指しています。
また、機械系事業においても、産業用機械、エンジニアリング、建設機械のそれぞれの製品・サービス毎に国内外に競合先が存在しますが、機械においては、例えば、当社は、スクリュ・ターボ・レシプロの全ての圧縮機タイプを持つ数少ないメーカーの一つであり、お客様の用途に合わせて最適な圧縮機を提供することで競争力の維持・強化に繋げています。エンジニアリングにおいては、例えば、当社グループの持つ天然ガスを還元剤とした直接還元製鉄法(MIDREX®プロセス)が直接還元鉄の生産において世界シェア60%以上を占めています。またMIDREX®プロセスと鉄鋼の高炉操業技術を融合し、高炉工程でのCO₂排出量を大幅に削減できる技術の実証に成功するなど、継続的な技術改良への取組みを進め、加えて、天然ガスの代わりに水素を還元剤とした低炭素製鉄の実証を進めるなど、技術革新にも挑戦する中で、競争優位性の維持を図っています。建設機械においては、油圧ショベルとクレーン事業に特化する中で、静音性・省エネ技術で高い評価をいただいており、これらの技術をさらに発展させるとともにDXの活用などで競争力強化に取り組んでいます。
電力事業においては、神戸市に石炭火力発電所を、栃木県真岡市にはガス火力発電所を有しており、いずれも現在、実用化されている発電技術の中で最高効率の発電設備を導入し、省エネルギー法で定められた発電効率基準を満たすことにより、国内の火力発電所の高効率化・環境負荷低減に寄与します。
<当社の組織図>
<お客様分野別にみる当社グループの特長ある技術・製品・サービス 例>
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お客様 |
当社グループ 技術・製品・サービス |
主な用途、使用分野 |
事業セグメント |
||||||
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鉄鋼アルミ |
素形材 |
溶接 |
機械 |
エンジニアリング |
建設機械 |
電力 |
|||
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自動車 |
自動車用弁ばね用線材 |
自動車エンジン部品 |
○ |
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高張力鋼板(ハイテン) |
ボディ・シート骨格部品など |
○ |
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自動車用アルミパネル材 |
ボディ外板材など |
○ |
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鉄粉 |
各種駆動部品など |
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○ |
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自動車サスペンション用アルミ鍛造品 |
足回り部品 |
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○ |
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自動車用アルミ押出・加工品 |
バンパー、骨格材など |
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○ |
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自動車端子・コネクタ用銅合金 |
電装部品 |
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○ |
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銅めっきなしソリッドワイヤ(SEワイヤ) |
部材接合 |
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|
○ |
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スラグ低減溶接プロセス |
足回り部品接合 |
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○ |
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樹脂用混練製造粒装置 |
バンパー等向け樹脂ペレット製造 |
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○ |
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シートメタル成形プレス |
ボディ骨格等の複雑形状プレス加工 |
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○ |
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真空成膜装置 |
エンジン部品コーティング |
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○ |
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ゴム混練機 |
タイヤ・ゴム製品製造 |
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○ |
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マルチ・自動車解体機 |
自動車リサイクル |
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○ |
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航空機 |
航空機エンジン部品向けチタン |
航空機エンジンケース部品など |
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○ |
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航空機用ギアボックス |
航空機部品 |
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○ |
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等方圧加圧装置 |
航空機部品 |
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○ |
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造船 |
クランクシャフト |
船舶用エンジン部品 |
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○ |
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フラックス入りワイヤ |
船舶組立・部材接合 |
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|
○ |
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造船大組立ロボットシステム |
船舶組立・部材接合 |
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○ |
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LNG燃料船向け圧縮機 |
LNG燃料船燃料供給装置 |
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|
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○ |
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鉄道 |
鉄道車両用アルミ型材 |
鉄道車両ボディ・床材など |
|
○ |
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食品容器 |
アルミ缶・ボトル缶材 |
飲料用容器 |
○ |
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|
|
|
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電機・エレクトロニクス |
アルミディスク材 |
記憶装置 |
○ |
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|
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|
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精密加工用アルミ合金厚板 |
半導体製造装置 |
○ |
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半導体用リードフレーム |
半導体 |
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○ |
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建築土木 |
ロングライフ塗装用鋼板「エコビュー®」 |
橋梁等構造物 |
○ |
|
|
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高耐食めっき鋼板 KOBEMAG® |
建築資材 |
○ |
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|
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フラックス入りワイヤ |
建設資材接合 |
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|
○ |
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REGARC™搭載鉄骨溶接ロボット |
建設資材接合 |
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|
○ |
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油圧ショベル |
土木工事 |
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|
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|
〇 |
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メインブーム兼用型建物解体専用機「NEXT」 |
建造物解体 |
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|
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|
〇 |
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テレスコピッククローラクレーンTK-Gシリーズ |
建築・土木工事 |
|
|
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|
|
〇 |
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「ホルナビ」(ICT建機) |
建築・土木工事 |
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|
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|
〇 |
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お客様 |
当社グループ 技術・製品・サービス |
主な用途、使用分野 |
事業セグメント |
||||||
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鉄鋼アルミ |
素形材 |
溶接 |
機械 |
エンジニアリング |
建設機械 |
電力 |
|||
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社会・産業インフラ、環境・エネルギー |
都市交通システム |
新交通 |
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|
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○ |
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神戸発電所、真岡発電所 |
電力供給 |
|
|
|
|
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|
○ |
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木質バイオマス発電 |
電力供給 |
|
|
|
|
○ |
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|
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下水道バイオガス都市ガス導管注入設備 |
ガス供給 |
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|
|
|
○ |
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|
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|
水処理設備 |
上下水道処理、用水・排水処理、汚泥処理・純水・超純水製造設備など |
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|
|
|
○ |
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水素ステーション向けコンプレッサーユニット「HyAC」 |
水素ステーション |
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|
|
○ |
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ストーカ式焼却炉、流動床式ガス化溶融炉 |
廃棄物処理 |
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|
○ |
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汎用圧縮機「エメロード」 |
産業用圧縮空気/ガスの供給 |
|
|
|
○ |
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|
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スクリュ式非汎用圧縮機 |
産業用圧縮空気/ガスの供給 |
|
|
|
○ |
|
|
|
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MIDREX®プロセス |
直接還元鉄製造 |
|
|
|
|
○ |
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低合金用溶接材料 |
石油精製リアクター・発電用ボイラー材 |
|
|
○ |
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|
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マイクロチャネル熱交換器(DCHE) |
天然ガス関連設備、水素ステーション部品 |
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|
○ |
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LNG関連機器 |
ガス供給関連設備 |
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|
○ |
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|
ヒートポンプ |
産業用エネルギー供給 |
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|
○ |
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|
<当社グループの事業のサプライチェーン概要>
④グループ中期経営計画について
<当社グループを取り巻く事業環境>
当社グループを取り巻く事業環境は、足下の地政学リスクに関する変化等はあるものの、中長期の事業環境を見据えると、コロナ禍を契機とした産業構造の変化に加え、カーボンニュートラルの実現に向けた社会変革、さらに、DXの進展等が予想されることに変わりはなく、いずれも、事業構造変革と新たな収益獲得の機会として、積極的に取り組んでいく必要があります。
<KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)>
2021年5月公表の中期経営計画では、当社グループの重要な課題、当社グループを取り巻く事業環境を踏まえ、「安定収益基盤の確立」、「カーボンニュートラルへの挑戦」の2つを最重要課題といたしました。
まず、この中期経営計画の期間を「素材系を中心とする収益力強化」などの取組みを更に深化させ、当社グループとして「安定収益基盤を確立」する期間と位置付け、新規電力プロジェクトの立上げが完遂し、収益貢献がフルに寄与する2023年度にROIC(投下資本収益率)5%以上の収益レベルを確保し、さらに、将来の姿として、ROIC8%以上を安定的に確保し、持続的に成長する企業グループを目指します。
また、鉄鋼と電力事業における「カーボンニュートラルへの挑戦」は、多様な技術と人材を競争力の源泉として幅広い事業を営む当社グループの強みを活かし社会に貢献できる新たなビジネスチャンスと捉え、グループ一丸となって取り組んでまいります。
加えて、これらを実現するための、経営体制の見直しや、多様な人材の活躍推進など、経営基盤を強化する施策にも引き続き取り組んでまいります。
なお、2つの最重要課題と経営基盤強化の進捗については、「(2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
①経営環境
素材系事業は、自動車、造船、電気機械、建築・土木、IT、飲料容器などを主な需要分野としており、販売数量・価格は、これら需要分野の動向、経済情勢等の影響を受けます。機械系事業は、建築・土木、産業機械、石油化学、廃棄物処理関連などを主な需要分野としており、受注件数や販売台数及び受注高は、国内外の公共投資・民間設備投資の動向、経済情勢等の影響を受けます。電力需要については、気象状況や景気動向に左右されるほか、当社の売電量は定期点検の実施回数等によっても変動します。
また、原材料価格の変動や資機材等の取引関係の重大な変更、為替レートの変動があった場合にも、各事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
国内経済は、経済活動が徐々に正常化しつつありますが、長期化する世界的な半導体不足に加えて、原料・資材、エネルギー価格の高止まりなどの影響から、先行きは不透明な状況が続いております。また、海外経済についても、ウクライナ情勢をめぐる世界経済の混乱の長期化や諸物価高騰を受けた金融引き締め、さらには米国で金融不安が発生するなど、景気減速懸念が生じており、需要動向やコスト面における不確実性は高まっている状況です。
当社グループの主要な事業領域の需要動向については、経済活動の正常化のスピードに応じて需要予測に影響が生じる一方で、中長期的にはカーボンニュートラルの実現に向けて、低CO₂高炉鋼材など、新たな需要が喚起されることが期待されます。主要な需要分野については、次のとおりとみております。
自動車分野については、半導体不足による自動車各社の減産調整は長期化しているものの、中長期的には世界の自動車需要は伸長が見込まれます。また近年、自動車メーカーは、カーボンニュートラル対応として、電動化比率の目標引き上げによる走行時のCO₂削減に加え、製造時・廃棄時を含むライフサイクルアセスメントの観点でのCO₂削減(素材使用量の低減、低CO₂素材の採用、リサイクル性重視など)といった、新たなニーズも急速に高まりつつあります。車体軽量化による走行時の排出CO₂削減や製造時の素材使用量低減に貢献できる、超ハイテン、アルミ板、アルミサスペンションなどの素材・部材に加え、電動化に重要となる磁性材料や銅板、チタン箔なども中長期的な成長が期待できます。
造船分野については、カーボンニュートラルの潮流加速に伴い、航行時のCO₂排出量削減にむけて、重油からLNG、更に中長期的には水素やアンモニアへの燃料転換に関する技術開発が進むものと想定され、環境対応船へのシフトに伴い、当社の厚板、溶接、鋳鍛鋼事業での需要が期待されます。
航空機分野は、旅客需要の回復に伴い中型機を中心に需要は堅調に回復すると想定され、当社のチタン事業での需要が期待されます。また、中長期的には燃費向上の観点からの技術開発は引き続き進むと考えており、軽量化のためのチタン、アルミなどの素材、部材への需要が期待されます。
建築・土木分野は、経済活動の正常化に伴い、需要は堅調に推移すると想定され、当社の建設用資材向けの鋼材での需要が期待されます。
建設機械分野については、中国での不動産規制の強化による投資減速の長期化に加えて、北米や欧州などでも景気減速懸念により需要は低迷するものと見ており、当社の建設機械事業が影響を受けます。一方で、DX技術を使った省力化や建設現場のテレワークシステムであるK-DIVE CONCEPTなどの開発が加速しており、同技術の開発が今後の優位性向上に大きく寄与するものと考えております。
石油精製、石油化学分野については、カーボンニュートラルに向けた事業環境の変化に加えて、ウクライナ情勢の影響により原油価格が不安定になったこともあり、石油メジャーの開発・設備投資案件への影響などが想定され、不透明な状況が続くものと見ております。一方で、中長期的には水素やアンモニアへのエネルギー転換が進むものと想定され、機械系事業での需要が期待されます。
産業機械分野については、EV関連向けの設備投資が堅調に推移しております。加えて、省エネルギー・省人化の観点から、当社の溶接ロボットや圧縮機の分野での需要は中長期的にも期待できます。
還元鉄分野については、中国を中心とした鉄鋼設備の過剰感は解消されていないものの、中東・北アフリカ等の一部地域では還元鉄プラントの潜在的な需要があります。加えて、カーボンニュートラルに向けて高炉製鉄法に比べCO₂排出量が少ない直接還元製鉄法への関心が増大傾向にあります。
水処理及び廃棄物処理の環境関連分野については、水処理では自然災害に対する国土強靭化政策、廃棄物処理では基幹改良ニーズが引き続き堅調であるなど、国内公共投資は概ね現状の水準で推移するものと認識しております。
IT分野では、当社グループは半導体製造装置向け材料などを扱っており、半導体関連は在庫調整により一時的に需要は低迷しておりますが、周期的な需要の変動はあるものの、データセンターや第5世代移動通信システム(5G)対応のスマートフォン向けの半導体などを中心に、中長期的には成長する分野と見ております。
飲料用容器では、気象状況の影響を受けますが、低アルコール飲料向けなどを中心に底堅い需要が続くものと見ており、当社のアルミ板への需要が期待できます。
電力需要については、経済活動の正常化により、中長期的に安定推移していくものとみております。
②対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は「①経営環境」に記載のとおり、当面は先行きが不透明な状況が続くものと想定されます。こうした状況のもと、当社の対処すべき課題は以下のとおりと考えております。
<安定収益基盤の確立>
2023年度にROIC5%以上の収益レベルを確保し、将来的にROIC8%以上を目指すための「安定収益基盤を確立」するために、中期経営計画で掲げた5つの重点施策、具体的には「鋼材事業の収益基盤強化」、「新規電力プロジェクトの円滑な立上げと安定稼働」、「素材系事業の戦略投資の収益貢献」、「不採算事業の再構築」、「機械系事業の収益安定化と成長市場への対応」に着実に取り組んでおります。また、原料・資材、エネルギー価格等の変動費だけでなく、人件費等固定費も含めてコストは上昇局面にあることから、コストアップ分の販売価格への転嫁を引き続き着実に実行してまいります。
鋼材事業の収益基盤強化については、長期的に鋼材内需が縮小していくとの想定のもと、加古川製鉄所の粗鋼生産量6.3百万トン前提での安定収益確保、さらに6.0百万トンでも黒字が確保できる体制の構築を目指しており、鉄鋼メタルスプレッドの改善に着実に取り組んでおります。引き続き、固定費及び変動費の更なる削減、特殊鋼線材・ハイテン等高付加価値品へのシフト(品種構成改善)、海外事業の収益貢献に取り組んでまいります。なお、カーボンニュートラルの実現を踏まえた将来の鋼材生産の上工程設備の在り方については、並行して検討を進めてまいります。
新規電力プロジェクトについては、予定どおり2022年2月から神戸発電所3号機が、さらに2023年2月から神戸発電所4号機が営業運転を開始いたしました。これにより、電力事業としては400億円/年程度の収益貢献が期待できることから、引き続き安定稼働に取り組んでまいります。
自動車軽量化戦略推進の中で行ってきた素材系事業の戦略投資案件については、アルミ系事業を中心に、需要拡大時期の後ろ倒し、ものづくり力の課題等に加えて、原料・資材、エネルギー価格等の変動費だけでなく、人件費等固定費も含めてコストは上昇局面にある中で、価格転嫁に遅れが生じたこと等により、収益力が大きく低下しております。コストアップ分の販売価格への転嫁を着実に進め、早期に収益に貢献するよう取り組んでまいります。
不採算事業の再構築については、需要環境や産業構造が変化している鋳鍛鋼事業、チタン事業及び国内外ともに競合が激化しているクレーン事業について、不採算品種からの撤退や要員削減等の合理化を予定どおり進め、黒字化を達成するとともに、一定の収益性を確保しました。
機械系事業については、社会インフラ、水素・再生エネルギー関連、MIDREX®等のCO₂削減をはじめとした環境貢献メニューの引き合いは増加傾向にあります。2021年11月に実施した(株)神鋼環境ソリューションの完全子会社化や、2022年1月に開始した三浦工業(株)によるコベルコ・コンプレッサ(株)の株式取得を伴う汎用圧縮機事業に関する資本業務提携などの効果を早期に発揮し、グループ内連携を促進しながら積極的に受注に取り組んでまいります。加えて、水素・再生エネルギー関連や廃棄物処理等の環境貢献メニューに関する当社独自技術の開発も推進してまいります。建設機械事業については、中国における市場環境の変化を踏まえ、グローバルな視点で最適な供給体制を目指すべく、グローバル生産・供給体制の再編を着実に実行し、収益安定化と生産コストの低減を進めてまいります。また、建設業界の働き方変革等へのソリューションを提供する「コト」ビジネスの収益化、現場設置ノウハウの提供等の建設機械周辺ビジネスの事業化も進めてまいります。
コストアップ分の販売価格への転嫁については、原料・資材、エネルギー価格等の変動費だけでなく、人件費等固定費も含めてコストは上昇局面にあり、素材系事業、建設機械事業を中心に大幅なコストアップが生じております。引き続きコスト削減をはじめとする収益改善や安定生産に取り組むとともに、コストアップ分の販売価格への転嫁を着実に実行することで、「安定収益基盤の確立」を進めてまいります。
<カーボンニュートラルへの挑戦>
カーボンニュートラルへの移行や社会変革はグローバルで明確な潮流となっておりますが、当社グループとしては、内部・外部環境において、リスクと機会、双方の要因を抱えている中、2050年のカーボンニュートラルへ挑戦し、その移行の中で企業価値の向上を図ることが目指すべき将来像と考えております。
リスクの最小化に対しては、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、当社独自技術の開発推進、外部の革新技術の活用等により、CO₂削減に果敢に取り組んでまいります。機会の最大化には、MIDREX®、自動車軽量化・電動化への素材供給等、CO₂排出削減に貢献する多様なメニューと多様な技術の融合を可能にする強みを活かし、これらメニューの需要拡大をビジネスチャンスとしてしっかり捕捉してまいります。
当社グループとしては、まず、生産プロセスにおいて、2030年で2013年度比30~40%のCO₂を削減し、2050年でのカーボンニュートラル実現に挑戦し、達成を目指してまいります。
特に、製鉄プロセスについては、既存技術(省エネ技術、スクラップ、AI操炉®等)の追求と革新技術に加え、2021年2月に公表した当社独自技術である高炉でのMIDREX®技術の活用により、業界をリードし、他社との差別化も図っており、2022年5月に公表した国内初の低CO₂高炉鋼材“Kobenable Steel”の販売も開始しております。今後は、グリーンスチールの更なる認知度向上と市場拡大に向けた取組みを推進してまいります。
また、2022年10月に世界初となる100%水素を還元剤とするMIDREX H2TM直接還元鉄プラントを受注するとともに、2023年3月には還元に利用する天然ガスを最大100%まで水素に置き換えることができるMIDREX FlexTM直接還元鉄プロセスが世界で初めて採用されるなど、当社グループの保有するMIDREX®技術をはじめ、自動車軽量化・電動化に寄与する素材・部品供給等、多様な技術を通じて世界のカーボンニュートラルの実現に貢献し、そのCO₂排出削減貢献量として、2030年で6,100万トン、2050年で1億トン以上を目指してまいります。
電力事業においては、神戸発電所の蒸気をもとにした周辺地域への熱・水素供給による地域全体でのエネルギー利用の高効率化、電力事業とエンジニアリング事業の連携によるバイオマス燃料(下水汚泥、食品残渣)の混焼の取組みを強化し、また、アンモニア混焼の取組みも実用化に向けた検討を進めてまいります。そして、2050年に向けて、神戸の石炭火力発電所で、アンモニア混焼率拡大、アンモニア専焼に挑戦するとともに、真岡発電所では、カーボンニュートラル都市ガスの最大活用に取り組み、カーボンニュートラルの達成を目指してまいります。
なお、上記取組みは「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動 ①ガバナンスとリスク管理」に記載の体制に基づき推進してまいります。
<経営基盤領域の強化>
「安定収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」を実現するために、経営体制の見直しに加えて、DX戦略の推進や、多様な人材の活躍推進、「KOBELCO TQM」等の横串を通した活動を通じて、経営基盤強化にも継続的に取り組んでおります。
経営体制については、取締役会の構成・諮問機関の見直しによる取締役会のモニタリング機能の強化、委員会体系・執行役員制度の見直しや本社部門の組織改正による執行側の体制強化等の経営体制の見直しを2021年4月から実施しており、この体制のもと、着実に実効性の向上に取り組んでおります。
DX戦略の推進については、ICT・AI分野の技術開発・事業適用を強化・加速するため、2021年4月に「デジタルイノベーション技術センター」を新設するとともに、当社グループのDXに対する戦略を統括的に立案・実行する「DX戦略委員会」を設置しました。また、2021年12月にKOBELCOグループの「デジタルトランスフォーメーション戦略」を公表し、2022年1月には経済産業省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」としての認定を取得いたしました。さらに、建設機械事業においては、2022年12月より重機の遠隔操作システムと、操縦履歴・遠隔重機データを活用することで、人・重機・現場を常時つなぎ、建設現場のDXを可能にする「K-DIVE®サービス」の提供を開始するとともに、2023年4月よりクレーン施工計画の策定支援アドインソフト「K-D2 PLANNER®」の一般販売も開始いたしました。今後もDXの取組みをより体系的、かつ戦略的に強化・加速してまいります。
また、多様な技術と同様に、当社グループの強みである素材系、機械系、電力事業の幅広い事業領域で有する多様な人材が、その能力を十分に発揮し、活躍できるよう、人事制度の変革、人材育成の強化、ダイバーシティ&インクルージョンの取組み(人材の多様性を認め、受け入れて活かすこと)、働き方変革を推進してまいります。
さらに、2018年度に活動を開始した「信頼回復プロジェクト」を2021年4月に「信頼向上プロジェクト」に再構築し、引き続き品質ガバナンスの向上と信頼向上に取り組んでおりますが、このプロジェクトにおける「KOBELCO TQM」活動を通じて、製品・サービスの品質だけでなく、業務・組織・安全管理を含むマネジメントといった企業活動における品質全般の向上に、引き続き取り組んでまいります。
<事業管理指標について>
当社グループは、収益評価に偏った経営を改め、持続可能な企業価値向上を実現することを目的に、「安全」、「品質」、「環境・防災」、「コンプライアンス(法令・契約遵守)」、「社員意識(人材確保・育成)」、「お客様満足度」、「経済性(ROIC)」の7つの事業管理指標を設定し、2019年4月より運用を開始しております。7つの指標のうち6つが非財務指標ですが、そのどれもが企業存続の前提条件に繋がるものであり、今中期においても、財務指標だけでなく非財務指標もモニタリングしながら、組織の隅々まで健全な内部統制が機能し、リスクの早期把握と適切な対応を可能とする体制構築を図ってまいります。
(ご参考)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の設定背景・方針
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2023年度達成目標 |
目標指標設定背景・方針 |
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ROIC(税引後事業利益/投下資本) 5%以上 |
当社は、2019年度より個別事業の評価方法の指標として投下資本利益率(ROIC)を導入し、事業へ投下した資金に対するリターンと資本コストを意識した経営管理を進めており、ROICは当社グループの中期経営計画目標としても相応しい指標であると判断し、設定しました。 |
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D/Eレシオ (有利子負債/自己資本) 0.7倍以下 |
安定した成長を実現する為には、財務が健全であることが必須であることから、成長投資と財務規律との最適なバランスを考慮したD/Eレシオを重要な指標として位置付けています。 |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
①ガバナンス
(ⅰ)サステナビリティ経営の推進体制
サステナビリティ経営の推進においては、重要課題について経営審議会の補佐機関であるサステナビリティ推進委員会を中心にマネジメントサイクルを回すことを基本としつつ、積極的な情報開示とESG外部評価やSDGs等の推進ツールも活用しながら、取締役会によるモニタリングも行う体制としております。
(ⅱ)サステナビリティ推進委員会体制と機能
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委員長(責任者): |
取締役執行役員 永良 哉 |
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取締役会への報告: |
1回程度/四半期 |
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開催頻度: |
1回程度/四半期 |
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機能: |
サステナビリティに関わる当社グループの課題の抽出/サステナビリティ推進活動のスケジュールの作成/グループ中期経営計画への提言/サステナビリティ推進活動のモニタリング及び提言/イニシアティブへの参画等の表明・発信と取組みの推進/環境、社会、ガバナンスに関わる外部評価等への対応
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(ⅲ)グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進
当社グループは、事業活動を支える「経営基盤領域」と、事業成長を実現する「価値創造領域」とに分けて、グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進を行っております。「KOBELCOが実現したい未来」を見据え、「KOBELCOの使命・存在意義」を果たすことにより、持続的に成長し、中長期的な企業価値向上を追求してまいります。
②戦略
グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営をより効果的に推進するために、「価値創造領域」「経営基盤領域」における機会やリスク等も踏まえ、経営資源を重点的に投入する中長期的な重要課題(マテリアリティ)を特定しております。詳細については「
③リスク管理
全社規程「リスク管理規程」に則り、国際規格である「COSO」を参照しながら当社グループの持続的発展及び企業価値向上を妨げる要因を抽出し、対策を講じる活動を行っております。全社的なリスク管理の対象として、当社グループ及びステークホルダーの皆様に重大な影響を及ぼし、グループを横断した対応が必要なリスクを「トップリスク」「重要リスク」として選定しております。この「トップリスク」「重要リスク」には人権・安全管理・気候変動・自然災害といったESGリスクが含まれます。
④指標と目標
サステナビリティ経営をより効果的に推進するために特定した「KOBELCOグループのマテリアリティ(中長期的な重要課題)」に関する指標及び目標、並びに実績については、「KOBELCOグループ統合報告書2022」の16頁、17頁をご参照ください。
なお、2022年度の実績については、2023年9月発行予定の統合報告書及びESGデータブックの中で開示を予定しております。
(2)気候変動
[基本的な考え]
当社グループはCO₂削減への取組みを経営上の最重要課題であると認識しており、2021年5月にはKOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)の中で、2050年のカーボンニュートラルへ挑戦し、カーボンニュートラルへの移行の中で企業価値の向上を目指すことを表明しました。
当社グループはこれからもCO₂削減を通じて、「KOBELCOが実現したい未来」である「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現に貢献していきます。
①ガバナンスとリスク管理
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気候関連リスク及び機会に係る課題を専門的に取り扱う組織として、サステナビリティ推進委員会(委員長:取締役執行役員)のもとにCO₂削減推進部会を設置し、気候変動に関する戦略的な検討を行うこととし、気候関連のリスクと機会について全社横断的に検討・活動を行っています。 CO₂削減推進部会の検討結果や活動成果は、サステナビリティ推進委員会を通じて四半期に一度、取締役会へ報告を行ったうえで、取締役会の監督・指導を受けており、取締役会が気候変動に関わるリスクに対して直接ガバナンスを行う体制としています。 |
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②戦略
当社グループでは、国際エネルギー機関(IEA)等が提示する社会シナリオ、(一社)日本鉄鋼連盟や(一社)日本アルミニウム協会等の業界団体が策定・公表している長期ビジョンや、国のエネルギー政策等を考慮し、中長期的な気候関連のリスクと機会の分析を進めています。また、その分析により、当社グループ実行項目の適正性を評価しています。
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<気候関連リスク> 今後、カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動に関する環境規制の強化等が当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。また、近年、洪水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動による災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混乱等が予想されます。 |
<気候関連機会> 気候関連問題の国際的な関心の高まりを背景に、CO₂排出量が少ない製品・サービスへの需要が増加しており、自動車軽量化やMIDREX®プロセスといった当社グループのCO₂削減貢献メニューの需要が中長期的に増加することが期待されます。 |
③リスクと機会への対応(研究開発)
(ⅰ)生産プロセスにおけるCO₂削減
製鉄プロセスのCO₂削減に向けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する事業に鉄鋼他社とともに参画し、実用化に向けて技術開発を推進しています。その一つ「製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」は国の「グリーンイノベーション(GI)基金事業」に採択されており、2050年のカーボンニュートラルに向けた取組みを推進しています。
(ⅱ)技術・製品・サービスによるCO₂排出削減貢献
既存の削減貢献メニューである自動車軽量化に貢献する素材・部品、ヒートポンプ等では、更なるCO₂削減効果の追求を目的として、継続的な技術開発を進めています。また、新たなCO₂削減貢献技術・製品・サービスの開発にも積極的に取り組んでおり、MIDREX H2™(100%水素直接還元)等の開発を進めています。
④シナリオ分析
将来の気候関連のリスクと機会を把握するため、中期(2030年)及び長期(2050年)におけるシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)が公表する2℃シナリオ(SDS)、1.5℃シナリオ(Net Zero by 2050)、IPCC第6次評価報告書の4℃シナリオを用いており、それに加えて(一社)日本鉄鋼連盟や(一社)日本アルミニウム協会等、当社グループ所属の業界団体が公表する長期ビジョンも参照して分析・評価を実施しています。なお、電力事業については、日本国のエネルギー政策と密接に関係するため、日本政府のエネルギー政策をベースとしてシナリオ分析を実施しています。また、外部環境の変化も踏まえ、定期的にリスクと機会の分析・評価の見直しを行っています。
(ⅰ)ビジネスへの影響
当社グループのCO₂排出量の90%以上は製鉄プロセスに由来するため、鉄鋼業の中長期的な動向は当社グループのビジネスに最も大きな影響を与えます。(一社)日本鉄鋼連盟の「長期温暖化対策ビジョン『ゼロカーボン・スチールへの挑戦』」によると、経済成長と1人当たりの鉄鋼蓄積量には一定の相関があり、また人口が増えれば鉄鋼の蓄積総量は拡大することが示されています。したがって、今後、世界の経済成長と人口増加により鉄鋼の需要は増加し続けると予測されます。
鉄鋼の生産は、天然資源(鉄鉱石)からの生産(主に高炉、直接還元鉄)と、スクラップの再利用(主に電炉)による生産に大別することができ、(一社)日本鉄鋼連盟の予測によれば鉄鋼の蓄積総量の拡大によりスクラップの再利用が大きく増加することが見込まれています。一方で、スクラップの再利用だけでは鋼材需要を満たすことはできず、天然資源(鉄鉱石)からの生産も引き続き現在と同程度必要となることが予測されています。
気候変動への対応やその情報開示に対する関心が高まる中、鉄鋼業においてもCO₂削減への取組みの重要性は今後も高まることが見込まれています。そのため、政府・地方自治体の皆様、投資家様、お客様等のステークホルダーの皆様から、自社設備からのCO₂排出量の削減への取組みと、CO₂削減貢献メニューの拡販に対する関心等がさらに増加するものと予測しています。
(ⅱ)リスクと機会
当社グループは、主力事業の一つとして鉄鋼製品の生産・販売を行っており、エネルギー多消費型の素材産業に該当します。当社グループのCO₂排出量は16.1百万t(2021年度、Scope1,2)であり、日本の製造業の中でも上位に位置しています。そのことから、カーボンプライシングをはじめとする将来の気候変動に係る政策、法令・規制の動向は、経営に重大な影響を与える可能性がある移行リスクと認識しています。
また、物理的リスクとして地球温暖化の進行により、大気中の水蒸気が増加することで降水量が増加し、大雨や台風による被害が激甚化する傾向があることが各種研究機関や気象庁等から報告されています。当社グループでも、近年の台風や大雨の激甚化による生産停止やサプライチェーン混乱のリスクが顕在化しつつあり、気候変動に伴う台風や洪水等の自然災害の激甚化は、生産活動の停止につながる経営に重大な影響を与える可能性があるリスクと認識しています。
当社グループでは、全社のリスク管理規程上、「気候関連規制」と「自然災害への備え、復旧」を事象発生時の影響が特に重大と予想されるリスクである「トップリスク」に位置付け、リスク管理の強化を図っています。
一方で機会に関しては、気候関連問題の国際的な関心の高まりを背景に、CO₂排出量が少ない製品・サービスへの需要が増加しており、自動車軽量化に貢献する素材・部品やMIDREX®といった当社グループのCO₂削減貢献メニューの需要が中長期的に増加することが期待されます。
⑤指標と目標
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<指標A 生産プロセスにおけるCO₂削減> |
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[目標] 当社グループは2021年5月に2050年のカーボンニュートラルへ挑戦し、カーボンニュートラルへの移行の中で企業価値の向上を目指すことを表明しました。また、中期的な目標として2030年目標を設定しています。 |
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[CO₂排出量の実績] 日本の鉄鋼業はオイルショックを契機として1970年代以降1990年代までに、工程の連続化や工程省略等による省エネルギーや排熱回収設備の設置によるエネルギーの有効利用を進めてきました。1990年代以降も排熱回収設備の増強や設備の高効率化を進め、廃棄物資源の有効利用の対策にも取り組み、近年では高効率ガスタービン発電設備の導入等を行ってきました。 当社グループでも、積極的な設備投資により、様々な省エネルギー・CO₂削減対策を講じてきました。例えば、2009年度から2014年度にかけて、加古川製鉄所に高炉ガスを利用した高効率ガスタービン発電設備を導入し、CO₂排出量を大幅に削減しました。 2021年度のCO₂排出量は、前年度と比較して、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和されたことで生産量が回復したことに伴い増加し、削減率は2013年度比16%になりました。 製鉄プロセスにおいては、MIDREX®プロセスで製造したHBI(還元鉄)を高炉に多量に装入し、高炉工程でのCO₂排出量を約20%削減できることを実証試験で確認・完了しました。今後も引き続き、このHBI装入技術やAI操炉技術をさらに追求し、高炉でのCO₂排出量を削減して2030年度の目標達成に向けて取り組んでいきます。また、2050年カーボンニュートラルに向けては、「既存の高炉を活かしたCO₂削減」と「大型電炉での高級鋼製造」の複線アプローチで検討を進め達成を目指します。 |
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[エネルギー起源CO₂排出量の実績] 当社グループは2021年度、グループ全体で16.1百万tのCO₂を排出しました。そのうち、約94%が鉄鋼アルミ関連事業、約3%が素形材関連事業、約2%が電力事業で排出されています。 |
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<指標B 技術・製品・サービスによるCO₂削減>
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[目標] 当社グループは、独自の技術・製品・サービスを通じて、社会の様々な分野でCO₂排出削減に貢献しています。当社グループはCO₂排出削減貢献量について、2030年目標、2050年ビジョンを設定しています。 排出削減に貢献する技術・製品・サービスについては、 排出削減貢献量を社内認定する制度を設けています。なお、認定における計算式については、国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門IDEAラボ田原聖隆ラボ長にご指導いただいています。
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[CO₂排出削減貢献の実績]
CO₂削減推進部会において承認された当社グループの技術・製品・サービスによる2021年度のCO₂排出削減貢献量は4,491万tと推計しています。
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(注)1.「(2)気候変動」に関する詳細データは、「KOBELCOグループESGデータブック2022」14頁から28頁をご参照ください。
2.指標A、指標Bの2022年度の実績については、2023年9月発行予定の統合報告書及びESGデータブックの中で開示を予定しております。
(3)人的資本多様性
①当社グループの人事戦略
当社グループは、企業としての社会的責任を果たし、新たな価値を創造するために、グループ企業理念を理解し実践できる人材を育成することが重要だと考えております。
幅広い事業分野を有する当社グループにおいて、多様な背景、価値観、技術を持った人材を有し、時代・社会の変化の中で、社会への貢献とその実現に向けて果敢に挑戦することは、更なる強みの強化につながると考え、最大限活躍できる環境を整備してまいります。
②人事施策・取組み
(ⅰ)組織の多様性を高める
<ダイバーシティ&インクルージョン>
多様な背景や価値観を持つ人たちが職場で十分に力を発揮し、組織全体の成長力を高めることにより、活力ある事業展開につながると考えております。D&I推進の目指す姿と基本方針を設定し、活動を加速させております。
(ⅱ)一人ひとりの成長・挑戦を促す
<人材育成>
育成はOJT(On the Job Training)を教育の中心とする一方、これを補完する各種育成施策も効果的に実施しております。内容は毎年見直しており、特に中期経営計画期間では「選択型・自主獲得型教育へのシフト・定着」を目標に掲げ、取組みを進めております。
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選択型・自主獲得型教育へのシフト・定着(管理職・総合職) 脱炭素化やDX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとする外部環境の変化やライフスタイル・働き方の多様化が進む中、当社グループでは個人の変化・成長を後押しするため、従来のような全員一律・階層別の教育のウエイトを減らし『自律自走』を合言葉に選択型・自主獲得型教育へのシフトを進めております。 2022年度より、階層毎に求められる能力を整理し、それと紐づけた研修を紹介することで、一人ひとりの成長に向けた取組計画の策定を支援しております。 今後は「いつでも・どこでも学べる」動画教材サービスの導入や、キャリア教育の拡充による社員のキャリアプランニング支援等を予定しております(動画教材サービスは2022年7月より導入済み)。 |
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技能職の人材育成 競争力の源泉となる「ものづくり力」の維持・向上のため、職場におけるOJTを基本に、階層別・職種別の各種教育プログラムを整備しております。入社5年目までの若手社員については、毎年、加古川の研修センターに集合し、業務に必要な知識や技能の教育を行っております。また、毎年の技能競技大会の開催、技能検定の取得促進等により、技能レベルの向上に取り組んでおります。 職場の要となる管理監督者には、安全、環境、品質等の基礎知識は当然ながら、マネジメントやコミュニケーションに特化した教育プログラムを準備し、よりよい職場環境の構築に向けた研修を行っております。今後も、社内外の環境変化に応じて、都度、教育内容・体系の見直しを行ってまいります。 |
技能競技大会の様子 |
(ⅲ)活躍できる環境を整備する
<働き方変革活動>
当社グループの働き方変革活動は、優秀な人材の確保・定着や職場のコミュニケーションの充実に向けた時間創出、働きやすい職場環境づくりを目的として様々な活動をこれまで進めてきました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、多くの社員の働き方や価値観が変化しましたが、引き続き業務特性や状況に応じた柔軟な働き方が選択でき、生産性向上につながる環境整備を推進してまいります。
<人権尊重の取組み>
当社グループは、グローバルに事業展開する企業グループとして、国連で採択された人権保護の「国際人権章典」を尊重し、人権尊重が重要な社会的責任である姿勢を明確に示すために、2019年10月に児童労働や強制労働の防止を含む「KOBELCOグループ人権基本方針」を制定し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範に基づいた企業活動を進めております。
2021年3月には、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名し、加盟企業として活動に取り組んでおります。引き続き、人権の保護、不当な労働の排除等の原則に賛同する企業としてその実現に向けて努力を継続し、人権侵害問題を発生させない取組みを強化してまいります。
<安全衛生>
「安全・衛生・健康は経営の基盤であり、全ての事業活動に優先する」という基本理念のもと、安全で安心して働くことのできる活気あふれた職場の実現に向けて、関係法令の遵守は当然のこと、様々な安全衛生活動を行っております。

③指標と目標
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指標 |
目標 |
2021年度 実績 (注) |
2022年度 実績 (注) |
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新卒採用女性比率 |
2023年度:a.総合職事務系 50%以上 b.総合職技術系 15%以上 c.基幹職技能系 15%以上 |
a.35% b.6% c.8% |
a.48% b.10% c.8% |
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女性管理職比率 |
2023年度:2020年度比2倍(5.4%) |
2.8% |
3.0% |
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障がい者雇用率 |
2.3%(法定雇用率) |
2.56% |
2.64% |
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外国籍社員数 |
- |
76人 |
74人 |
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育児のための特別休暇取得率 (男性社員) |
2023年度:100% |
78.5% |
88.0% |
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10年未満離職率 |
15%未満 |
19.5% |
20.0% |
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時間外労働時間 |
- |
17.2h (月・人) |
16.5h (月・人) |
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年次有給休暇取得日数 |
平均15日/年・人 |
13.9日 |
17.0日 |
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総実労働時間 |
2,000h/年未満 |
2,057h |
2,050h |
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社員意識調査の実施継続 |
- |
継続中 |
継続中 |
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人権に関する社員研修の受講率 |
- |
76.4% |
79.9% |
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休業災害度数率(社員) |
0.10以下 |
0.29 |
0.21 |
(注)当社グループの人事戦略のもと、グループ各社において課題に応じた指標と目標を設定していることから、代表として提出会社における指標と目標を記載しております。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、下記の(1)事業環境の変化及び(2)グループ経営全般に重大な影響を及ぼす事項のとおりであります。
当社グループでは、事業推進上想定される事業環境変化に伴うリスクについては、経営者の意見を踏まえて、事業部門又は本社部門が中心となってリスク対策に取り組んでいます。また、事故や災害、法令違反等、グループ経営全般に重大な影響を及ぼすリスクを経営者の意見を踏まえて抽出しています。
リスクマネジメント体制としては、全体の管理者である全社総括責任者として社長、全社リスク管理統括責任者として内部統制・監査部総括役員を置き、個々のリスクのグループ横断的な管理活動の推進者として担当役員(リスクオーナー)、リスク対策実行責任者には事業部門長や本社担当役員を指名することにより、全社的なリスク管理体制を構築しています。また、経営審議会の補佐機関として設置したリスクマネジメント委員会では、リスクマネジメント全般に関する基本方針の立案・評価、リスクマネジメントの重要課題に関する具体方針の立案、「トップリスク」「重要リスク」のリスク対策実行計画の評価、全社リスク管理計画の立案・評価などを行っています。委員長には全社リスク管理統括責任者、また、委員には全リスクオーナーを指名しています。リスクマネジメント委員会の活動状況は定期的に経営審議会へ報告し、経営審議会での議論結果を踏まえてリスクオーナーへの指示を行います。
なお、経済安全保障リスクやウクライナ情勢を含む地政学的リスクへの対応など複数のリスクに跨る場合には、リスクマネジメント委員会の下でグループ横断的な対応を検討しています。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「第2 事業の状況」の他の項目、「第5 経理の状況」の注記事項、その他においても記載しておりますので、併せてご参照ください。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境の変化
①主要市場の経済状況等
当社グループの国内向け販売は、自動車、造船、電気機械、建築・土木、IT、飲料容器、産業機械などを主な需要分野としております。海外向け販売は、当連結会計年度の売上高の31.7%であり、最大の需要国である中国を含むアジア地域が、海外売上高の過半を占めております。
当社グループは鉄鋼やアルミなどの素材、鋳鍛鋼やアルミ鋳鍛などの素形材、溶接材料などからなる素材系事業と産業用機械、エンジニアリングや建設機械といった機械系事業、さらに電力事業と複数のビジネスドメインを持つことで、安定性を担保するとともに、たゆまぬ技術開発を行って競争力の維持を図っておりますが、当社グループの業績は、これらの需要分野の動向、需要地域における経済情勢等により、売上高や受注高の減少の影響を受けることに加え、お客様の財政状態の悪化による債権回収の遅延等の影響を受ける可能性があります。また、海外の各需要地域における地政学的リスク、各地域における事業の監督や調整の困難さ、労働問題、関税、輸出入規制、通商・租税その他の法的規制の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各製品市場において、国内外の競合各社との厳しい競争状態にあり、競合各社による当社製品よりも高性能な製品開発や迅速な新製品の導入等、その状況次第では売上高や受注高の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②製品需給・価格の変動
当社グループは各製品の市場及び地域的な市場において競合他社との競争を行っております。経済市況や市場動向の変化、地政学的リスク、法規制及び競争環境の変化等を受けて需要家の事業戦略や購買方針に当社グループの想定を超えて変更が発生する場合、売上高や受注高の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
特に鉄鋼事業において中国における過剰生産能力問題が十分な解決に至っておらず、過剰供給に起因する国際市場での厳しい競争は国内外での鋼材の需給状況や製品価格の変動の原因となっております。当社グループの国内鋼材販売の形態は、大きくは製品数量・規格等を直接お客様との間で取り決めて出荷する「紐付き」と、お客様が不特定の状態で出荷する「店売り」とに分かれますが、当社の場合ほとんどが「紐付き」であります。鋼材の需給状況が変動した場合、「店売り」価格の方がより敏感に連動するものの、最終的には「紐付き」価格も影響を受けることになります。また、鋼材販売数量のおおよそ25%を占める輸出鋼材の販売数量・価格についても、各需要地域における鋼材需給等により影響を受けます。これらの変動が想定を超えて発生する場合、売上高の減少や収益の悪化等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
機械系事業においては、汎用品、受注生産品ともに、その製品需給が当社グループの想定以上に急激に変動する可能性があり、価格については、特に海外市場向けの製品について、通貨価値の変動等により影響を受ける可能性があります。これらの急激な変動を受け、売上高の減少、契約キャンセルによる損失の発生、債権回収の遅延等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③原材料等の価格変動等
当社グループが調達している鉄鉱石、石炭、合金鉄・非鉄金属、スクラップ等の鉄鋼原料価格及びそれらの輸送に関わる海上運賃等は、国際的な市況、為替相場、法規制、自然災害、地政学的リスク等により影響を受けます。特に、鉄鉱石及び石炭については、大きな消費国となった中国における需給状況と世界的にも限られた原産国や供給者の供給能力が、国際市況に与える影響が大きくなっています。調達先の分散や調達先との関係強化などを通じてこれらの安定調達に努め、また、原材料等の価格変動の製品価格への転嫁にも努めておりますが、原材料価格・運賃が大幅に変動する場合には、コストの変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、アルミ、銅につきましては、地金価格の変動は基本的にお客様に転嫁する仕組みとなっております。しかしながら、地金価格の市況が短期間に大きく変動した場合には、会計上の在庫評価影響などによって、当社グループの業績に一時的に影響が生じる可能性があります。
さらに、当社グループは、耐火物等の副資材、機械製造関連と設備投資関連の資材及び電装品、油圧機器、内燃機器等の資機材を外部調達しており、価格変動を抑える取り組みはしているものの、これら資機材の価格が変動する場合、機械製造コストや設備投資コストの変動につながり、当社グループの業績に影響を及ぼします。
④サプライチェーンにおけるリスク
当社グループのサプライチェーンにおいて、調達先の分散や調達先との関係強化などを通じて原材料や資機材等の安定調達に努めておりますが、調達先との取引関係に重大な変更があった場合や、災害や事故、地政学的リスク等による混乱が生じた場合、売上高の減少やコストの増加等によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループではCSR調達基本方針を策定し、お取引先の皆様と社会的責任を共有し、“責任あるサプライチェーンの構築”に向けた取り組みを推進しておりますが、サプライチェーンで法令違反や人権・労働等に関する問題が発生した場合には、調達や生産への影響に加えて、当社グループの信頼の毀損に繋がり、売上高の減少によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)グループ経営全般に重大な影響を及ぼす事項
①労災、設備事故等
当社グループの生産設備の中には、鉄鋼の高炉、転炉など高温、高圧での操業を行っている設備があります。また、高熱の生産物、可燃性のガス、化学薬品等を取り扱っている事業所もあります。日常的に、高温高圧部分や可動部の多い設備の取扱い、高所での作業、危険物の取扱いがあるなど、従業員の労働環境としても、労働災害の主要な原因となる、「転落・墜落」や「挟まれ・巻き込まれ」、「飛来・落下」等の事象が他業種に比べ発生しやすい環境にあります。対人・対物を問わず、安全や防災に関する法令を遵守し、事故の防止対策には万全を期しておりますが、万一重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの生産活動等に支障をきたし、生産量減少に伴う売上の減少や破損設備の復旧に伴う費用の発生、事故に関連する補償の実施等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②自然災害、パンデミック、戦争・テロ
当社グループの国内外の製造拠点等においては、大規模地震や台風等の自然災害、感染症等の大規模流行、戦争やテロ、暴動に対して発生時の損害を最小限に抑えるため、緊急対応策の準備、連絡体制の整備、定期的な見直しや訓練の実施等を行っております。しかし、これら大規模災害等により直接的に被害を受ける、もしくは物流網や供給網の混乱、インフラの障害等により事業活動に支障が生じた場合には、売上高や受注高の減少、生産コストの上昇や復旧コストの発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症等のパンデミックへの対策として、感染者が増加した場合には、事業継続のため、勤務体制の見直しや補助人員の確保等を行うこととしています。加えて、政府が発出する要請事項や市中感染状況を踏まえ、事業活動継続と感染リスク抑制の両面の観点より、当社グループ全体に対して感染予防のための行動ガイドラインや関連する通達を適宜発信し、感染予防・感染拡大防止の周知・徹底を図っております。しかしながら、当社グループの事業所において大規模な感染が発生して事業運営が一時的に困難になる場合や、国内・海外ともに需要家の活動水準が低下し、製品需要の大幅な下振れが発生する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③品質に関するリスク
当社グループは、品質不適切行為を踏まえ、品質ガバナンス体制を再構築するなどの活動を鋭意遂行し、信頼の回復に努めてまいりました。2021年度からはお客様からの更なる信頼回復と向上、不適切事案の風化防止などを目的とした「信頼向上プロジェクト」を設置し、これまでのプロジェクト体制を再編しました。社長直下に、各事業のマネジメントを強化し、お客様や社会に役立つために課題を設定し、全員参加でこれを達成することを目的にした「KOBELCO TQM推進会議」と、お客様との接点を強化する活動や現場への信頼回復・向上活動の意義浸透を推進する「お客様信頼向上会議」を設置して活動を進めております。
JIS等の規格を基に社内で設定した基準のもと、製品の品質と信頼性の維持向上に努めておりますが、万一、品質ガバナンス体制に運用上の問題が発生した場合や製品に品質上の欠陥が発生した場合、訴訟もしくはその他のクレームによる費用の発生や、販売量の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④環境規制、気候関連規制等の影響
鉄鋼やアルミ、銅を中心に、その生産活動の過程において廃棄物、副産物等が発生します。当社グループでは、国内外の法規制に則った適切な対応に努めておりますが、関連法規制に違反するような事象が発生した場合、原状回復や対策実施に多額の費用が発生する可能性があります。また、関連法規制の強化等によって、過去に売却した工場跡地等であっても土壌汚染の浄化のための費用が発生するなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはCO2排出量が多いと指摘される鉄鋼事業や電力事業を主要な事業として営んでおり、CO2削減関係の重要事項は経営に重要な影響を与えうることから、全社横断的に検討・活動を行っております。しかし、今後CO2等の排出に関連して規制や税の賦課が導入された場合には、鉄鋼や電力を中心に当社グループの事業活動が制約を受け、売上高の減少やコストの増加等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、CO2削減への取組の詳細は「第2 事業の状況」、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「(2)気候変動」をご参照ください。
⑤法令・公的規制
当社グループは、国内、海外において多岐にわたる分野で事業活動を行っており、その遂行にあたっては、当社グループが展開している様々な事業に関連する法令(安全保障貿易管理、独占禁止、贈収賄規制などに関するもの)、その他の公的規制や社会規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行うことを指針としております。しかしながら、法令違反等を理由として罰金等を科される状況が発生した場合には、当社グループの業績や社会的信用力に影響を及ぼす可能性があります。
⑥訴訟等のリスク
当社グループは国内、海外において多岐にわたる分野で事業活動を行っており、その遂行にあたってはそれぞれの国の法令や公的規制、社会規範を遵守することを指針としております。万一これらに反する事象が発生し、訴訟等が提起された場合もしくは、すでに提起された訴訟等において当社グループに不利な判断がなされた場合には、損害賠償等の関連する費用の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、国内外において多岐にわたるJV契約や受注契約、購買契約、技術契約、電力供給契約、プロジェクトファイナンス関連契約などを締結しております。これらの契約の締結に際し、当社グループに不利もしくは履行不能な条件が無いか、必要条件の欠落が無いかなど、社内で十分な審査を行うよう努めております。しかし、契約締結後に当初想定できなかった経済環境の変化や契約内容の検討不足、予測できない商務的もしくは技術的なトラブルが発生し、契約相手との間でペナルティーの支払い、追加費用の発生、事業上の制約の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦人材確保に関するリスク
当社グループは、事業の維持・成長に必要な人材の確保のために、多様な背景を持つ社員一人ひとりが持てる能力や専門性を最大限発揮し、活き活きと働くことが出来るよう、職場環境の整備や人材育成の取組を進めています。しかし、今後、少子化や人材の流動化の加速、また労働市場の需給バランスの変化などによって人材の確保が想定どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧財務リスク
a)為替レートの変動
当社グループの外貨建取引は主として米ドル建で行われております。当社グループは、短期的な対応として為替予約等を実施しておりますが、変動リスクを完全に排除することは困難であり、為替レートの変動は、外貨建取引に関わる損益の変動や海外子会社の業績の変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b)金利率の変動等
当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は5,905億円(電力プロジェクトファイナンスを含めると8,618億円)であります。当社グループは新規の長期借入金・社債等に関し、固定金利での調達や金利スワップ契約等を実施しておりますが、中長期的な金融情勢の変化等による金利率及びその他の条件の変動等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
c)融資・債務保証等
当社グループは、関係会社等に対して融資等、及び関係会社やお客様等における一部の金融機関借入等に対して債務保証等を行っております。将来、これらの融資等の回収が滞ったり、債務保証等の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
d)棚卸資産の価値下落
当社グループが保有している棚卸資産について、収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。なお、見積りの前提は、「第2 事業の状況」、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 重要な会計方針及び見積り」をご参照ください。
e)投資有価証券の価値変動等
当社グループが保有する投資有価証券の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は2,046億円であります。上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績に影響を及ぼします。
加えて、年金資産のうち退職給付信託を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計算上の差異が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。退職給付信託を除く年金資産については、年金制度の予定利率や財政状態を勘案した上で、元本毀損リスクの極力低い安全性資産中心の運用を行うよう努めております。
f)繰延税金資産の計上
当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。なお、見積りの前提は、「第2 事業の状況」、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 重要な会計方針及び見積り」をご参照ください。
g)固定資産の価値下落
当社グループが保有している固定資産について、時価の下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。なお、詳細な内容については「第2 事業の状況」、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 重要な会計方針及び見積り」をご参照ください。
h)資金調達
当社グループは、主に銀行借入、社債発行及びコマーシャル・ペーパーの発行等により事業活動に必要な資金を確保しております。従って、景気の後退や金融環境の悪化、当社グループの信用低下等により、資金調達が想定どおりの条件で適時に実施できない場合には、事業計画の変更や資金調達コストの上昇等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは業界の二酸化炭素削減方針に従って、二酸化炭素削減の対応策を講じておりますが、昨今の二酸化炭素排出企業に対する厳しいダイベストメントの動向次第では、その影響を受け、資金調達が想定どおり行えなくなる可能性があります。
⑨中期経営計画の実現等
当社グループは、実践すべき最優先課題を「安定収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」とし、2021年5月に「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」を策定、公表しております。本計画は、策定時点で入手可能な情報による判断及び仮定に基づいており、判断や仮定に内在する不確定性及び今後の事業運営や内外の状況変化による変動可能性など様々な要因によって、計画した成果が得られない可能性があります。
⑩知的財産権の保護及び第三者の権利侵害
当社グループでは保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・意匠権等の取得や技術情報の秘密管理)に努めております。しかし、第三者により製品や技術等が模倣されたり、意図せぬ技術流失が発生した場合、当社グループの製品や技術等が陳腐化するなどの影響が発生し、売上高の減少等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは、製品等の開発やエンジニアリング、製造、使用及び販売、その他の事業活動によって、第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行い、必要に応じて実施許諾を受ける等の措置を講じております。しかし、第三者からの知的財産権、その他の権利の侵害に関して紛争が生じた場合、紛争に関連する製品等の製造・販売等の差し止めや多額の損害賠償金・和解金の支払い等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑪情報セキュリティ
当社グループは事業活動において顧客情報・個人情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の秘密情報を保有しており、グローバルに様々なシステムを構築し事業活動を行っております。当社グループはサイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しかし、顧客情報・個人情報等の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合や、第三者に不正使用された場合、サイバー攻撃等によるシステム障害が発生した場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失、社会的信用の低下等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在では予測できない上記以外の事象の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の進行などによる物価上昇が継続しましたが、経済活動の正常化が進み、個人消費や企業の生産活動を中心に持ち直しの傾向となりました。海外経済は、米国や欧州でインフレや金融引き締めの影響により経済活動が抑制されたことなどから、回復のペースが鈍化し、中国ではゼロコロナ政策に伴う活動制限などにより、本格的な回復には至らない状況となりました。また、半導体不足やサプライチェーンの混乱等の影響により、自動車生産の回復が遅れるなど、当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況が続きました。
このような中、当社はKOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)に掲げる「安定収益基盤の確立」に向けた重点施策を着実に実行するとともに、引き続きものづくり力の強化や販売価格の改善に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,899億円増収の2兆4,725億円となり、営業利益は、鉄鋼メタルスプレッドが大幅に改善したものの、素材系事業や建設機械における販売数量の減少、固定費を中心としたコストの増加、在庫評価益の縮小などにより、前連結会計年度比12億円減益の863億円となりましたが、経常利益は、エンジン認証問題に関する補償金収入の増加などにより、前連結会計年度比136億円増益の1,068億円となりました。特別損益は、建設機械の中国事業における事業整理損や固定資産の減損損失を計上したことなどから87億円の損失となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比124億円増益の725億円となりました。
当連結会計年度のセグメント毎の状況は、次のとおりであります。
<素材系事業>
[鉄鋼アルミ]
(鉄鋼)
鋼材の販売数量は、自動車向けの需要が減少したことなどから、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、鋼材市況の上昇や原料価格上昇分の転嫁などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比21.1%増の9,097億円となりました。経常利益は、販売数量の減少や固定費を中心としたコストの増加、在庫評価益の縮小による減益要因がある一方、販売価格の改善が大幅に進展したことなどにより、前連結会計年度比144億円増益の490億円となりました。
(アルミ板)
アルミ板の販売数量は、飲料用缶材向けの需要の伸び悩みなどにより、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、販売価格に転嫁される地金価格が上昇したことなどにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比19.3%増の1,954億円となりました。経常損益は、販売数量の減少や調達コスト上昇分の販売価格への転嫁遅れなどにより、前連結会計年度比99億円悪化の70億円の損失となりました。
鉄鋼アルミ全体では、売上高は、前連結会計年度比20.8%増の1兆1,051億円となり、経常利益は、前連結会計年度比44億円増益の419億円となりました。
[素形材]
素形材の販売数量は、造船向け需要を取り込んだ鋳鍛鋼や一般産業向け需要が回復したチタンで前連結会計年度を上回りました。一方、自動車向けの需要が減少したことから、アルミ押出、銅板、鉄粉は前連結会計年度を下回りました。
この結果、売上高は、前年度に銅管事業を譲渡した影響もあり、前連結会計年度比16.7%減の2,777億円となり、経常利益は、固定費を中心としたコストの増加や、銅管事業における在庫評価益の剥落などにより、前連結会計年度比42億円減益の9億円となりました。
[溶接]
溶接材料の販売数量は、東南アジア向けの需要が減少したことから、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、調達コスト上昇分の転嫁などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比15.0%増の884億円となり、経常利益は、前連結会計年度比0億円増益の28億円となりました。
<機械系事業>
[機械]
受注高は、石油化学やエネルギー分野を中心に堅調に推移したことから、前連結会計年度比20.7%増の2,493億円となり、受注残高は2,147億円となりました。
売上高は、前連結会計年度比12.0%増の1,869億円となり、経常利益は、売上高の増加や、堅調な需要を受けた受注採算の改善などにより、前連結会計年度比17億円増益の143億円となりました。
[エンジニアリング]
受注高は、還元鉄関連事業や廃棄物処理関連事業で複数の大型案件を受注した前連結会計年度に比べ、24.4%減の1,575億円となり、受注残高は3,711億円となりました。
売上高は、前連結会計年度比7.0%増の1,452億円となる一方、経常利益は、還元鉄関連事業を中心とした案件構成差などにより、前連結会計年度比35億円減益の41億円となりました。
[建設機械]
油圧ショベルの販売台数は、インフラ投資の減退により需要が減少した中国での減少に加え、部品の調達不足影響を受けた日本や欧州、北米でも減少したことから、前連結会計年度を下回りました。クローラクレーンの販売台数は、エンジン認証問題を受けた北米での減少により、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、調達コスト上昇分の転嫁や、為替相場がドル、ユーロに対して円安となった影響などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.7%増の3,817億円となり、経常利益は、販売台数の減少や、調達コスト上昇分の販売価格への転嫁遅れによる減益要因がある一方、円安による輸出採算の改善やエンジン認証問題に関する補償金収入の増加などにより、前連結会計年度比2億円増益の123億円となりました。
<電力事業>
[電力]
販売電力量は、神戸発電所3号機(2022年2月に営業運転開始)及び4号機(2023年2月に営業運転開始)の稼働により、前連結会計年度を上回りました。電力単価は発電用石炭価格の上昇により、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比195.2%増の3,243億円となり、経常利益は、神戸発電所3号機及び4号機の稼働などにより、前連結会計年度比113億円増益の245億円となりました。
<その他>
売上高は、前連結会計年度比4.5%減の275億円となり、経常利益は、前連結会計年度比7億円減益の63億円となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、原料価格の上昇等により棚卸資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,460億円増加し2兆8,747億円となりました。また、負債については、原料価格の上昇により支払手形及び買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ406億円増加し1兆8,970億円となりました。また、純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,053億円増加し9,776億円となりました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
|
目標指標推移 |
|||||
|
目標指標 |
目標 (2023年度) |
2019年度 (実績) |
2020年度 (実績) |
2021年度 (実績) |
2022年度 (実績) |
|
ROIC (税引後事業利益/投下資本) |
5%以上 |
0.9% |
1.1% |
4.7% |
4.9% |
|
D/Eレシオ(注1) (有利子負債/自己資本) |
0.7倍以下 |
1.19倍 (注2) |
1.11倍 (注3) |
0.80倍 (注4) |
0.65倍
|
(注)1.プロジェクトファイナンスを含まない
2.2020年度分借入金の前倒し調達(621億円)含む
前倒し調達除く2019年度D/Eレシオ:1.10倍
3.2021年度分借入金の前倒し調達(1,862億円)含む
前倒し調達除く2020年度D/Eレシオ:0.84倍
4.2022年度分借入金の前倒し調達(1,011億円)含む
前倒し調達除く2021年度D/Eレシオ:0.68倍
(4)グループ中期経営計画の進捗
当社グループは、「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」で、「安定収益基盤の確立」、「カーボンニュートラルへの挑戦」の2つを最重要課題とし、新規電力プロジェクトの立上げが完遂し、収益貢献がフルに寄与する2023年度にROIC(投下資本収益率)5%以上の収益レベルを確保し、さらに、将来の姿として、ROIC8%以上を安定的に確保し、持続的に成長する企業グループを目指しております。
中期経営計画の2年目となる2022年度の経済環境は、国内経済は経済活動の正常化などを背景に、持ち直しの動きが見られましたが、海外経済は米国や欧州でのインフレや金融引き締めの影響などにより、回復のペースが鈍化しました。また、半導体不足やサプライチェーンの混乱等の影響により、自動車生産の回復が遅れるなど、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続きました。
このような中、コスト削減をはじめとする収益改善や、ものづくり力の強化による安定生産に取り組むとともに、販売価格の改善に努めてまいりました。この結果、2022年度の経常利益は1,068億円、ROICは4.9%となりました。目標とする2023年度ROIC5%以上の収益レベルの確保に向けて、引き続き「安定収益基盤の確立」のために中期経営計画で掲げた5つの重点施策である、「鋼材事業の収益基盤強化」、「新規電力プロジェクトの円滑な立上げと安定稼働」、「素材系事業の戦略投資の収益貢献」、「不採算事業の再構築」、「機械系事業の収益安定化と成長市場への対応」に着実に取り組むとともに、変動費に加えて人件費など固定費も含めたコストアップ分の販売価格への転嫁を早期かつ着実に実行してまいります。
(5)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における下記セグメントの生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
区分 |
生産数量(千トン) |
|||
|
前連結会計年度(2021年4月~ 2022年3月) |
当連結会計年度(2022年4月~ 2023年3月) |
差異 |
前期比 (%) |
||
|
鉄鋼アルミ |
粗鋼 |
6,667 |
6,248 |
△419 |
△6.3 |
|
アルミ板 |
356 |
349 |
△7 |
△2.0 |
|
|
素形材 |
アルミ押出 |
41 |
40 |
△2 |
△3.7 |
|
銅板 |
60 |
55 |
△5 |
△8.7 |
|
|
銅管 |
76 |
- |
△76 |
△100.0 |
|
(注)1.粗鋼には、高砂製作所の電炉の生産数量を含めております。
2.2022年3月31日付で(株)コベルコ マテリアル銅管等を連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会計年度の素形材において銅管の生産実績はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における下記セグメントの受注実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
区分 |
受注高(百万円) |
|||
|
前連結会計年度(2021年4月~2022年3月) |
当連結会計年度(2022年4月~2023年3月) |
差異 |
前期比 (%) |
||
|
機械 |
国内 |
73,175 |
82,661 |
9,486 |
13.0 |
|
海外 |
133,446 |
166,646 |
33,200 |
24.9 |
|
|
合計 |
206,622 |
249,308 |
42,686 |
20.7 |
|
|
エンジニアリング |
国内 |
151,719 |
120,869 |
△30,849 |
△20.3 |
|
海外 |
56,801 |
36,677 |
△20,124 |
△35.4 |
|
|
合計 |
208,521 |
157,546 |
△50,974 |
△24.4 |
|
|
セグメントの名称 |
区分 |
受注残高(百万円) |
|||
|
前連結会計 年度末 (2022年3月) |
当連結会計 年度末 (2023年3月) |
差異 |
前期比 (%) |
||
|
機械 |
国内 |
34,875 |
48,966 |
14,090 |
40.4 |
|
海外 |
122,146 |
165,762 |
43,616 |
35.7 |
|
|
合計 |
157,022 |
214,729 |
57,706 |
36.8 |
|
|
エンジニアリング |
国内 |
269,500 |
283,065 |
13,565 |
5.0 |
|
海外 |
73,558 |
88,061 |
14,503 |
19.7 |
|
|
合計 |
343,058 |
371,127 |
28,068 |
8.2 |
|
c.販売実績
当連結会計年度におけるセグメント毎の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
||||
|
前連結会計年度 (2021年4月~ 2022年3月) |
当連結会計年度 (2022年4月~ 2023年3月) |
差異 |
前期比 (%) |
||
|
|
鉄鋼 |
751,062 |
909,704 |
158,642 |
21.1 |
|
|
アルミ板 |
163,847 |
195,462 |
31,615 |
19.3 |
|
鉄鋼アルミ |
914,909 |
1,105,166 |
190,257 |
20.8 |
|
|
素形材 |
333,261 |
277,765 |
△55,495 |
△16.7 |
|
|
溶接 |
76,924 |
88,429 |
11,505 |
15.0 |
|
|
機械 |
166,847 |
186,915 |
20,068 |
12.0 |
|
|
エンジニアリング |
135,661 |
145,224 |
9,563 |
7.0 |
|
|
建設機械 |
371,631 |
381,781 |
10,149 |
2.7 |
|
|
電力 |
109,866 |
324,369 |
214,503 |
195.2 |
|
|
その他 |
28,812 |
27,513 |
△1,299 |
△4.5 |
|
|
調整額 |
△55,331 |
△64,657 |
△9,326 |
- |
|
|
合計 |
2,082,582 |
2,472,508 |
389,926 |
18.7 |
|
(注)1.当連結会計年度において、電力における販売実績が著しく増加しております。詳細については、「(1)経営成績の状況」をご覧ください。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (2021年4月~2022年3月) |
当連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) |
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金額 (百万円) |
割合 (%) |
金額 (百万円) |
割合 (%) |
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神鋼商事(株) |
277,119 |
13.3 |
292,648 |
11.8 |
(6)資本の財源及び資金の流動性に関する情報
①資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略
「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」における財務戦略の基本方針は、新規の設備投資・投融資を厳選した上で、投資キャッシュ・フローを営業キャッシュ・フローの範囲内とし、2023年度末のD/Eレシオの目標を0.7倍以下とすることとしております。また、運転資金改善等の活動を継続して進めるとともに、営業キャッシュ・フローの下振れリスクに備えて、モニタリング強化による投資案件の精査・厳選、事業用資産の売却・流動化、政策保有株式売却等のバックアップ策の検討・準備を進めることとしております。
本方針のもと、設備投資・投融資委員会を通じた新規設備投資・投融資の厳選、事業ポートフォリオ管理委員会によるキャッシュ・フローのモニタリングを継続するとともに、ROIC管理を通じた投下資本の管理強化に取り組みました。
その結果、D/Eレシオ(プロジェクトファイナンスを除く)は前連結会計年度の0.68倍から改善し0.65倍となり、目標である0.7倍以下を引き続き堅持しました。
引き続き、新規の設備投資・投融資案件の厳選に取り組むとともに、ROIC管理の強化を通じて、運転資金の改善を図ることで、財務規律の維持・向上を推進してまいります。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容です。投資活動については、設備老朽化に伴う更新投資や事業伸張・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投融資が主な内容です。
今後、将来見込まれる成長分野での資金需要や、最新の市場環境及び受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行う一方、必要な設備投資や研究開発投資等を継続してまいります。
②当連結会計年度の実績
a.プロジェクトファイナンスを除くキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローに係る収入が698億円、投資活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△700億円、財務活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△1,035億円となりました。
以上の結果、フリーキャッシュ・フローは△2億円の支出となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ977億円減少の1,454億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
鉄鋼における販売価格改善の進展などにより、税金等調整前当期純利益が増益となった一方、原料市況高騰に伴い棚卸資産が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて当連結会計年度の運転資金は悪化いたしました。
この結果、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1,118億円収入が減少し、698億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
大型戦略投資の支払いがあった前年同期に比べて設備投資の支払いが減少したことや固定資産売却による収入が増加したことなどから、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて549億円支出が減少し、△700億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の返済等による支出が減少したことから、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて168億円支出が減少し、△1,035億円となりました。
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(単位:億円) |
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2021年度 |
2022年度 |
差異 |
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営業キャッシュ・フロー |
1,816 |
698 |
△1,118 |
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投資キャッシュ・フロー |
△1,250 |
△700 |
549 |
|
フリーキャッシュ・フロー |
566 |
△2 |
△568 |
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財務キャッシュ・フロー |
△1,203 |
△1,035 |
168 |
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(うち、株主還元) |
(△72) |
(△177) |
(△104) |
|
株主還元後のフリーキャッシュ・フロー |
494 |
△179 |
△673 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
2,432 |
1,454 |
△977 |
(ご参考)
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プロジェクトファイナンスを含むキャッシュ・フロー |
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(単位:億円) |
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2021年度 |
2022年度 |
差異 |
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営業キャッシュ・フロー |
1,688 |
1,196 |
△491 |
|
投資キャッシュ・フロー |
△1,615 |
△972 |
642 |
|
フリーキャッシュ・フロー |
72 |
224 |
151 |
|
財務キャッシュ・フロー |
△691 |
△855 |
△164 |
|
(うち、株主還元) |
(△72) |
(△177) |
(△104) |
|
株主還元後のフリーキャッシュ・フロー |
0 |
46 |
46 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
2,605 |
2,033 |
△571 |
b.プロジェクトファイナンスを除く有利子負債の状況
有利子負債は、借入金の返済等により前連結会計年度から646億円減少の5,905億円となり、株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、551億円増加の8,382億円となりました。
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることなどから、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要があり、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、返済期限が1年以内のものが1,417億円、返済期限が1年を超えるものが4,487億円となっております。
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(単位:億円) |
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2021年度 |
2022年度 |
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有利子負債(注2) |
6,551 |
5,905 |
|
有利子負債(注3) (プロジェクトファイナンスを含む) |
9,084 |
8,618 |
|
株主資本 |
7,831 |
8,382 |
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D/Eレシオ (プロジェクトファイナンスを除く) |
0.80倍 (注1) |
0.65倍
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(注1)2022年度分借入金の前倒し調達(1,011億円)含む
前倒し調達除く2021年度D/Eレシオ:0.68倍
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(注2)当連結会計年度末現在の有利子負債の内訳 |
(単位:億円) |
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合計 |
1年内 |
1年超 |
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短期借入金 |
327 |
327 |
- |
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長期借入金 |
5,118 |
1,080 |
4,037 |
|
社債 |
459 |
9 |
450 |
|
合計 |
5,905 |
1,417 |
4,487 |
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(注3)当連結会計年度末現在の有利子負債の内訳(プロジェクトファイナンスを含む) |
(単位:億円) |
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合計 |
1年内 |
1年超 |
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短期借入金 |
327 |
327 |
- |
|
|
長期借入金 |
7,831 |
1,364 |
6,466 |
|
|
社債 |
459 |
9 |
450 |
|
|
合計 |
8,618 |
1,701 |
6,916 |
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(7)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用しております。
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、連結貸借対照表上の資産及び負債の計上額、並びに、連結損益計算書上の収益及び費用の計上額に影響を与えるような会計上の見積りを行う必要があります。会計上の見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境等に変化が生じた場合には、見積りと将来の実績が異なることがあります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、経営者が当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は次のとおりです。
[棚卸資産の評価]
当社グループは、販売目的で保有する棚卸資産について、期末における正味売却価額が取得原価より下落している場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価との差額を簿価の切り下げ額として当期の費用に計上しております。連結貸借対照表の「棚卸資産」は、収益性の低下に基づく簿価切り下げ額200億円を差し引いて計上しております。
正味売却価額については、期末前後における販売実績を基に、製品や原材料の価格動向等を踏まえて将来における売却価額を見積って算定しております。
また、滞留棚卸資産について、合理的に算定された価額によることが困難な場合には、帳簿価額を処分見込価額まで切り下げる方法等により収益性の低下の事実を適切に反映しております。
経営者は、棚卸資産の正味売却価額の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、経済情勢が大きく変化し、製品や原材料の価格等の仮定に大きな変化が生じた場合、将来の棚卸資産の簿価切り下げ額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[受注契約に係る収益及び損失の評価]
当社グループは、主に素形材の鋳鍛鋼品、機械及びエンジニアリングにおける受注契約のうち、履行義務が一定期間にわたり充足される工事契約については、主として顧客に提供する履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に応じて収益を認識し、連結貸借対照表の「流動資産」の「契約資産」に260億円計上しております。 また、受注契約について工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額を、「受注工事損失引当金」として、連結貸借対照表の「流動負債」に87億円計上しております。
進捗度は見積総原価に対する累積実績発生原価の割合で算出しております。見積総原価については、案件毎に労務費や資機材の調達価格等の費用を直近の工事スケジュールや過去の実績、調達先との交渉状況等から想定して算定しております。
受注工事損失引当金の算定については、原則、一つの契約を一つの案件とし、案件単位で引当金の計上要否を判定しますが、同一と見なされる案件が複数の契約に分かれている場合や、本体とその据付工事等の関連の深い複数の契約を前後して受注した場合等においては、複数の契約を一つの案件とみなして判定します。
経営者は、工事契約における進捗度に応じた収益の認識及び受注工事損失引当金の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、工期や調達価格の仮定及び輸入する資機材の調達価格に影響を与える為替の前提条件等に大きな変化が生じた場合、見積総原価の変動により進捗度が変動することに伴って、工事契約における進捗度に応じた収益の認識及び受注工事損失引当金の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[貸倒引当金]
当社グループは、将来の債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等の特定の債権については、個別に回収可能性を検討しその回収不能見込額を、連結貸借対照表の「流動資産」の「貸倒引当金」に△48億円、「固定資産」の「投資その他の資産」の「貸倒引当金」に△202億円計上しております。
特定の債権について回収不能見込額を見積るにあたっては、直近の回収状況や取引先の経営状況等を総合的に判断しております。
経営者は、貸倒引当金の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、経済情勢や金融機関の貸出姿勢等により、債務者の財政状態に大きな変化が生じた場合、回収不能見込額が変動し将来の貸倒引当金の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[固定資産の減損]
当社グループは、固定資産について営業損益が継続してマイナスとなるなど、減損の兆候があると判断された場合には、将来キャッシュ・フローを基に回収可能性を見積り、減損損失の認識の要否を判定し、資産グループから生じる将来キャッシュ・フロー総額が固定資産の帳簿価額を下回っている場合には減損損失を認識しております。
当社グループにおいて、当連結会計年度に減損損失を44億円計上しており、その内訳は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) 6 減損損失」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の固定資産の帳簿価額1兆1,036億円(有形固定資産1兆660億円、無形固定資産375億円)には、減損の兆候があるものの減損損失を認識しなかった資産グループが複数存在しますが、そのうち主な資産グループは次のとおりであります。
<建設機械>
建設機械における当社の子会社であるコベルコ建機(株)の事業用固定資産について、海外における競合の激化、鋼材等の調達コストの増加、部品供給不足による減産等の影響により営業損益が継続してマイナスとなったことから、減損の兆候があると判断しております。将来の事業計画においては、販売単価の改善、建設投資の増加に基づく販売地域での需要の拡大やマーケットシェアの拡大による販売台数の増加等を、主要な仮定として織り込んでおります。このような仮定の下で策定した事業計画を基に見積った割引前将来キャッシュ・フロー総額が固定資産の帳簿価額611億円を上回ることから、減損損失は認識しておりません。
経営者は将来のキャッシュ・フローは合理的であると判断しておりますが、見積り時に設定した仮定と実際の結果に大きな乖離が見られるなど、見積りの前提に大きな変化が生じ、将来のキャッシュ・フローが下振れした場合、減損損失を認識する可能性があります。
[繰延税金資産]
当社グループは、将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金等のうち、将来課税所得を減算する可能性が高いと見込まれるものに対して、連結貸借対照表の「固定資産」の「投資その他の資産」の「繰延税金資産」に466億円を計上しております。
当社グループでは、中期経営計画や予算等の経営者が妥当と判断した事業計画に基づき将来の一定期間の課税所得を見積り、また将来減算一時差異については個別に解消見込み時期を判断し、一定期間に解消が見込まれると見積られる将来減算一時差異等に係る繰延税金資産については回収可能性が高いと判断しております。また、事業計画を策定するにあたっては、主要事業における需要や販売価格の予測等を、主要な仮定として織り込んでおります。
経営者は、繰延税金資産の算定に用いられる見積りは合理的であると考えていますが、世界的な半導体不足の長期化等が与える需要分野への影響に加えて、原料・資材、エネルギー価格の上昇に対する販売価格への転嫁遅れ等により、将来の課税所得が想定から大きく変動し繰延税金資産の回収可能性が大きく変動する場合や、税率の改正がある場合、将来の繰延税金資産の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[退職給付に係る資産、負債]
当社グループは、退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債について、割引率、退職率、死亡率、予想昇給率、年金資産の長期期待運用収益率等の計算基礎を用いた数理計算により見積っており、連結貸借対照表の「固定資産」の「投資その他の資産」の「退職給付に係る資産」に220億円、「固定負債」の「退職給付に係る負債」に713億円計上しております。
特に割引率や長期期待運用収益率は重要な前提条件となりますが、割引率は、年度末における国債もしくは高格付社債の利回りに基づき、また長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオや、過去の運用実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して、決定しております。
経営者は、年金数理計算上用いられる前提条件は適切であると考えていますが、前提条件に大きな変化が生じた場合、将来の退職給付資産及び退職給付負債の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
採用している退職給付制度の概要や年金資産の主な内訳、主要な数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(退職給付会計関係)」に記載のとおりです。
[製品保証引当金]
当社グループは、主に素形材の鋳鍛鋼品・チタン製品、機械、エンジニアリング及び建設機械において、製品販売後及び工事引渡後の保証費用の支出に備えるため、売上高に対する過去の実績率に基づいて算定した将来の負担見積額の他、保証費用を支払う可能性が高い特定案件については、案件毎の将来の負担見積額を、連結貸借対照表の「流動負債」の「製品保証引当金」に174億円計上しております。
実績率については、売上高に対する過去の保証費用の支出額の割合に基づき算定しております。また、特定案件については、出荷した製品の不具合の内容を調査して、修復に係る費用を見積るとともに、不具合が当社の製品に起因しているか否かを判断し、契約等に基づき当社グループが負担する可能性が高いと判断される保証費用の支出額を算定しております。
経営者は、製品保証引当金の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、予期せぬ重大な不具合が発生した場合や、不具合の修復に係る費用が想定から大きく変動した場合等には、将来の製品保証引当金の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1) その他の経営上の重要な契約
1)United States Steel Corp.との契約
1990年3月に、当社はUSX Corp.(現 United States Steel Corp.)と米国において溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売に関する合弁事業契約を締結し、合弁会社「PRO-TEC Coating Company(現PRO-TEC Coating Company,LLC)」を設立いたしました。2010年12月に同契約を改定し、既存事業に加え、高張力冷延鋼板の製造・販売に関する合弁事業も行うことといたしました。
2017年9月には、同契約を再度改定し、現有の製造設備に加え、新たに溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を1基増設いたしました。
2)鞍鋼股份有限公司との契約
2013年10月に、当社は鞍鋼股份有限公司と中国において自動車用冷延ハイテンの製造・販売に関する合弁事業契約を締結し、2014年8月に、合弁会社「鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司」を設立いたしました。
3)Millcon Steel Public Company Ltd.との契約
2016年2月に、当社はMillcon Steel Public Company Ltd.とタイにおいて線材の圧延・販売に関する合弁事業契約を締結し、合弁会社「Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.」を設立いたしました。
4)Novelis Korea Ltd.との契約
2017年5月に、当社はNovelis Inc.の100%子会社であるNovelis Korea Ltd.と韓国においてアルミ板圧延品を製造する合弁事業契約を締結し、2017年9月に、合弁会社「Ulsan Aluminum, Ltd.」を設立いたしました。
5)電力供給事業に関する契約
当社の連結子会社である(株)コベルコパワー神戸、(株)コベルコパワー真岡、(株)コベルコパワー神戸第二における電力供給事業に係る契約は次のとおりであります。
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契約会社 |
相手会社 |
契約内容 |
契約期間 |
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(株)コベルコパワー神戸 (連結子会社) |
関西電力(株) |
電力受給に関する契約 (石炭火力発電140万kW [1、2号機各70万kW]) |
2017年4月1日から 2029年3月31日まで (1号機の受給開始の日から12年間) |
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(株)コベルコパワー真岡 (連結子会社) |
金融機関等16社 |
電力供給事業の事業資金に関する限度貸出契約(2023年3月31日現在の借入残高480億円) |
2016年3月31日から 2031年3月31日まで (借入金返済期限) |
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(株)コベルコパワー真岡 (連結子会社) |
(株)ニジオ |
電力供給に関する契約 (ガス火力発電124.8万kW [62.4万kW2基]) |
2014年9月29日から 2034年12月31日まで (後発機の受給開始の日から15年間) |
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(株)コベルコパワー神戸第二 (連結子会社) |
金融機関等12社 |
電力供給事業の事業資金に関する限度貸出契約(2023年3月31日現在の借入残高2,232億円) |
2018年8月31日から 2036年3月31日まで (借入金返済期限) |
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(株)コベルコパワー神戸第二 (連結子会社) |
関西電力(株) |
電力供給に関する契約 (石炭火力発電130万kW [65万kW2基]) |
2015年3月31日から 2052年1月31日まで (先発機の受給開始の日から30年間) |
6)日本製鉄(株)との契約
当社は、事業競争力の強化を目的に日本製鉄(株)と提携関係にありますが、これに係る契約は次のとおりであります。
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契約会社 |
相手会社 |
契約内容 |
契約期間 |
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(株)神戸製鋼所 (当社) |
日本製鉄(株) |
スラブ取引に関する合意書 |
2005年6月17日から 2033年5月14日まで |
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(株)神戸製鋼所 (当社) |
日本製鉄(株) |
提携施策の検討継続及び買収提案を受けた場合の対応に関する覚書 |
2022年11月14日から 2027年11月14日まで 但し、5年毎の自動更新条項あり |
当社グループ(当社及び連結子会社)は、幅広い技術分野での高度な技術力を源泉として、当社グループならではの顧客価値を実現する製品の創出と、それに必要な「ものづくり力」の強化を中心に取り組み、また拡販のための技術支援、ソリューション提案など多くの成果をあげております。
2050年のカーボンニュートラル達成に向け、「ハイブリッド型水素ガス供給システム」の検討を進め、実証設備を建設した上で、2023年4月から当社高砂製作所内で実証試験を開始します。今後、工場の脱炭素化に向けた手段の一つとして、主要な熱エネルギー消費設備である工業炉・ボイラー等でのCO₂フリー水素の利用が期待されています。当社グループが提案するハイブリッド型水素ガス供給システムは、中小規模の事業者様にとって導入のカギとなる「安定かつ安価な水素づくり」に対するソリューションを提供するもので、機械事業部門の気化器、(株)神鋼環境ソリューションの水電解式水素製造装置、エンジニアリング事業部門の運転マネジメント技術といった、三つの製品・技術より構成されています。なお、本システム実証の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による「水素社会構築技術開発事業」における調査委託及び助成事業に採択されています。※
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「水素社会構築技術開発事業」採択案件
a.「熱によるエネルギー消費が主体の工場の脱炭素化に向けた水素利活用モデルに関する調査」
b.「液化水素冷熱の利用を可能とする中間媒体式液体水素気化器の開発」
技術開発本部では、①カーボンニュートラルやデジタル化に関する先進技術の開発、②新規事業創出活動の加速、③既存事業の競争力向上、の3点に注力します。特に、将来の成長分野・新規分野への取組みを強化することで、KOBELCOの事業ポートフォリオ変革に挑戦していきます。また、開発した技術を積極的にグループ内に水平展開していくことで、複合経営ならではのシナジーを追求していきます。
2022年10月1日に、国立大学法人大阪大学産業科学研究所(以下、阪大産研)と「KOBELCO未来協働研究所」を設立しました。本協働研究所は、当社グループの多様な技術と阪大産研のAIの知見を掛け合わせて「ものづくりを革新するソリューション」の共創と社会実装に取り組む、産学連携のオープンイノベーションの場です。「人がシステムと共に成長しながら、創造性豊かにイキイキと活躍できる“ものづくりの世界”の実現」をビジョンに掲げ、広範な産業における課題解決と、新規事業創出による企業価値向上を目指していきます。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、
主な事業の種類別セグメント毎の研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
[鉄鋼アルミ]
鉄鋼アルミでは、特殊鋼線材、自動車用高強度鋼、ディスク用アルミ板などの戦略製品の差別化による拡販と生産性・歩留まり向上による収益改善のための技術開発に注力しています。また、CO₂排出量削減に直接貢献できる技術開発にも引き続き取り組んでおります。
鉄鋼では、高炉工程におけるCO₂排出量を大幅に削減した低CO₂高炉鋼材「Kobenable Steel」を国内で初めて商品化しました。本商品は、2021年2月16日に公表した「KOBELCOグループの製鉄工程におけるCO₂低減ソリューション」に基づくものであり、エンジニアリング事業部門のミドレックス技術(天然ガスを使った還元鉄製鉄法)を用いて製造したHBI(熱間成形還元鉄)を加古川製鉄所の高炉に多量に装入することで、高炉からのCO₂排出量を大幅に削減できる技術を活用したものです。低CO₂高炉鋼材「Kobenable Steel」を社会に先駆けてご提供することにより、グリーン社会の実現に貢献していきます。
この「Kobenable Steel」が、日産自動車(株)の2023年1月以降の量産車及び(株)IHI、三菱地所(株)、鹿島建設(株)による「(仮称)豊洲4-2街区開発計画B棟(東京都江東区豊洲)」の新築工事に採用されることが決まりました。今回の採用では、製造時のCO₂排出量をマスバランス方式により100%削減した「Kobenable Premier」を使用する予定です。
また、加古川製鉄所において、UDトラックス開発のレベル4自動運転技術を搭載した大型トラック「クオン」を用いて自動搬送の実証実験を2022年に実施しました。重さ約17トンのスラグを積み、複数の異なる地点を自動搬送し、所定内での停止・搬送物の積み下ろしといった複雑な運行作業も自動で行いました。今回の実証実験で得た知見を活用し、自動運転技術を通した製造現場のDXを推進し、生産の効率化や人手不足などの課題解決を目指します。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
[素形材]
素形材では、今中期の研究開発方針として、①将来においても事業の中核をなす製品の探索と製品開発への経営資源の選択と集中、②DX推進によるものづくり基盤の強化、③カーボンニュートラルに向けた技術開発の推進、を掲げ、各々の方針に対して、以下の取組みに重点を置いて研究開発活動を推進しております。
①コロナ禍やロシアウクライナ問題に端を発する世界的なサプライチェーンの変化に対応すべく、半導体向けのアルミ加工品や、航空機向けのチタン鍛造品に関連する研究開発に取り組んでおります。
②サスペンションの生産能力最大化(ものづくり力強化)に向けて、生産工程の自動化などの研究開発に取り組んでおります。
③アルミをはじめとするリサイクル・資源循環比率の向上に資する研究開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
[溶接]
溶接では、「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」の実現を目指し、突出した単一の技術もしくは複数技術の組合せにより、お客様の溶接に関する課題解決を図ります。溶接材料と溶接プロセス・溶接機器・ロボットによる「溶接ソリューション」を提供する企業として、引き続き特徴ある製品の開発に注力しています。
溶接システムでは、新型多関節型ロボットARCMAN™ A60、新型ハイエンド溶接電源SENSARC™ RA500及びNEW REGARC™プロセスを搭載した、新・鉄骨溶接システムを開発しました。溶接品質をしっかり確保しながらも、NEW REGARC™の性能を最大限に活かす溶接施工条件の開発により溶接時間を短縮し、加えて、改良した周辺機器により非溶接時間も短縮することで、従来比10%以上のサイクルタイム短縮を実現しています。溶接技能者不足、溶接の自動化を課題にする国内外の建築鉄骨市場向けに、専用ワイヤFAMILIARC™ MG-56R(A)との組合せによる生産性向上を提案してまいります。
また、9%Ni鋼製LNGタンク用Ni基合金フラックス入りワイヤPREMIARC™ DW-N609SV、PREMIARC™ DW-N709SPで立向姿勢の自動溶接を可能にする小型可搬型ロボットKI-700を開発しました。タッチセンシングによる開先形状検知機能、検知した開先形状から最適な積層パターン及び溶接条件を自動生成する機能を有します。Ni基合金モードを搭載したデジタル溶接電源SENSARC™ AB500との組合せにより、難易度の高い9%Ni鋼の溶接でオペレータの技量に依らず安定した品質の溶接を行うことが可能です。さらに人手では不可能な長尺の連続溶接による高能率化にも寄与します。
ARCMAN™ Offline-Teaching Systemは、ARCMAN™と同じソフトを使用することで動作を正確に表現することができるオフラインティーチングソフトです。この度、新機能として従来では確認の難しかったケーブルの干渉や巻き付きを簡単かつ高速で確認することのできる「ケーブルシミュレーション機能」を開発しました。溶接品質低下や自動化を阻害する要因となっていたワイヤ送給ケーブルのワーク等への絡まりなどをPC上にてシミュレーションで確認、改善することが可能となります。ライン停止時間の短縮、実機での溶接確認作業の負荷軽減及び優れた溶接品質の確保に貢献することで、溶接ロボットシステムの更なる生産性向上に貢献してまいります。
溶接材料では、HT780MPa級鋼の溶接後熱処理に対応した被覆アーク溶接棒「TRUSTARC™ LB-80LSR」を開発しました。溶接金属部の組織制御のため化学成分を最適化し、従来困難であった溶接熱処理後の優れた機械的性質を実現しています。欧州北海でのCO₂回収・貯留プロジェクトにて建造される舶置液化CO₂タンクの要求事項に対応し、溶接部に同製品が採用されました。今後も世界各国のエネルギー産業に向け、気候変動問題の解決に貢献する製品の提案に積極的に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
[機械]
機械では、「2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献する」をキーワードに、オンリーワン・ナンバーワン技術や商品を創出することで独自性を徹底追求するとともに、マーケット及び生産の両面から更なるグローバル化を推進し、世界トップレベルの「ものづくり」の実現を目指しています。
カーボンニュートラルに関わる事業活動や新事業創出活動をさらに加速させる目的の下、2022年4月1日付けで「新事業推進本部」を新設しました。カーボンニュートラルに関わる事業活動や新事業創出活動をさらに加速させる目的の下、新事業を担う開発・技術・営業の専任部署を統合することで、目まぐるしく変化する事業環境への対応力を高め、既存の枠にとらわれないイノベーション創出に取り組んでまいります。
産業機械関連分野では、日本理化学工業(株)向けに積層型多流路反応器(製品名:SMCR Stacked Multi-Channel Reactor)を納入し、運転を開始しました。SMCRは当社の50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する技術を活かし、2012年に開発した小型反応器の一種です。ステンレスのプレートに幅1~2㎜の微細な流路を加工・積層し拡散接合※1をすることで流路の本数を増やし、コンパクトでありながら工業規模での大容量生産に対応可能としています。従来、医薬品・ファインケミカル分野の製造プロセスにおいては「バッチ生産」が主流でしたが、近年は省エネルギー性や生産効率の観点から「連続生産」が志向されています。日本理化学工業(株)では連続生産方式を積極的に導入されており、今回SMCRの特長である大容量で高効率、かつコンパクトである点を評価頂いたことで採用に至りました。
また、アークイオンプレーティング装置(AIP※2)において、従来品と比較し、生成する皮膜の長寿命化を達成した「AIP-iX」シリーズを開発しました。切削工具向けの代表的な皮膜であるAlCrN(窒化アルミクロム)は、コーティング皮膜中のAlの含有量が多いほど耐酸化性に優れ、高速切削や高切込みなどの難加工条件に適していますが、Alの含有量が多くなりすぎると(概ね65at%以上※3)、皮膜構造が高硬度な立方晶から六方晶へと変化し硬度が低下するという課題がありました。この課題に対し「AIP-iX」では、新開発した装置や成膜プロセスにより、皮膜の金属元素のうちAl含有率が70at%以上であっても立方晶を維持し、硬質なAlCrN皮膜のコーティングが可能となったことで、性能に特化したハイエンド工具と比較して約1.5倍の寿命向上を確認しました。来春より「AIP-iX」の販売を開始し、世界中の切削工具の寿命向上並びに機械加工の高速化へ貢献いたします。
圧縮機関連分野では、2022年7月4日に三浦工業(株)(以下、三浦工業)と船舶向けに搭載する舶用バイナリー発電システム(以下、舶用バイナリー発電)の技術ライセンス契約(開発・製造・販売)を締結しました。三浦工業とは主機エンジンに供給する高温の過給機からの排熱を利用した舶用バイナリー発電の共同開発を行い、実船搭載での海上試験を2017年に実施しました。また、当社ではこれを含む計4隻の長期実船運用試験を行い、実際の運用における性能や耐久性において確認を行ってきました。ライセンスを受けた三浦工業は舶用バイナリー発電について、2025年頃の販売開始を目指します。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
※1 溶接など接合方法の一種。材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧する事で、原子レベルで結びつける接合方法。一般的な溶接とは違い母材を溶かす事なく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の接合に適する。
※2 AIP(Arc Ion Plating)は物理蒸着と呼ばれる薄膜形成技術であるPVD(Physical Vapor Deposition)の一種で、真空中のアーク放電によって材料を蒸発・イオン化させて、母材に薄膜をコーティングする技術。耐摩耗性、低摩擦化等の特性を母材に付与することが可能で、工具や金型、機械部品などに用いられる。
※3 at%は物質に含まれる原子の数の比率。65at%は100個の原子があればそのうち65個を占めることを意味する。
[エンジニアリング]
エンジニアリングでは、循環型社会、脱炭素社会の実現に向け、将来の成長が見込まれる分野における独自プロセス・技術の開発、更なる差別化、競争力強化に向けた開発を推進しております。
廃棄物処理関連分野では、大栄環境(株)、DINS関西(株)、三菱ガス化学(株)、三菱化工機(株)との5社にて提案した「廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業」が、環境省の「令和4年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択され、国内初となる当該実証事業を開始しました。世界では海洋プラスチック問題が社会問題化するなど環境保護等の観点から、プラスチックのリサイクル方法確立の必要性が急速に高まっており、本事業はこれまで廃棄されていたプラスチックについて、ケミカルリサイクルによる資源循環システム構築を目指すものです。
還元鉄関連分野では、天然ガスを還元剤とするMIDREX NG™に加え、天然ガスを最大100%まで柔軟に水素に置き換えることが出来るMIDREX Flex™や、水素を100%還元剤として用いるMIDREX H2™の競争力維持・強化に向けた開発を継続しております。こうした開発の成果として、MIDREX Flex™はドイツthyssenkrupp社から、MIDREX H2™はスウェーデン・H2グリーンスチール社から、それぞれ世界初となる商業機を受注しました。
水処理関連分野では、汚泥燃料化をはじめとするバイオマス・下水汚泥のエネルギー化技術の多様化を推進しております。
水素事業においては、グリーン水素需要の高まりを見据え、水電解式水素発生装置の大型化や次世代技術の開発を加速しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
[建設機械]
建設機械では、主力製品である油圧ショベル、クローラクレーンなどの安全性向上、省エネ性向上、排ガス対応・騒音低減などの環境対応に加え、建設リサイクル機械・金属リサイクル機械の開発に取り組んでおります。クラウドやAI、IoT等の先進テクノロジーの活用により「建設現場のテレワーク化」を実現し、深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保などを目指しています。
ショベルでは、コベルコ建機(株)(以下、コベルコ建機)は、2022年12月5日より重機ショベルの遠隔操作と稼働データを用いた現場改善ソリューションが実現できるK-DIVEサービスの提供を開始しました。本サービスでは、コックピットにモーションシート、音のフィードバック、可動式メインカメラ、よそ見検知機能などの機能を搭載しており、安全で快適な現場作業を行うことが可能となります。K-DIVEは多様な人を集め・活かし・育てる現場を作ることで「人」を起点に組織を活性化し、経営効率を上げ、お客様の業界全体を変えていくという未来像のもと、「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」をコンセプトとしています。建設機械の遠隔操作とマッチングサービスを融合させることで、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに、建設現場での施工が可能となり、深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保が可能になる未来の実現を目指しています。
また、コベルコ建機は2022年11月16日~17日にオーストリアのウィーンで開催された、解体業界のための国際的なネットワーク構築と教育を目的として毎年開催されるイベントであるWORLD DEMOLITION SUMMIT 2022において、Innovation Awardを受賞しました。今回、2021年4月1日より販売を開始した超大型建物解体専用機「SK1300DLC」の分解・組立性と搬送性を向上し、最大ピン高さと先端アタッチ最大装着可能質量のバランスを高次元で達成した革新性が、専門家によって構成される審査委員会に評価されました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
[その他]
(株)コベルコ科研では、エネルギー、自動車、エレクトロニクス、土木・建築、環境など広範囲にわたる分析・試験技術を蓄積するとともに、高度で先端的な評価・解析技術の開発を進めています。
受託試験研究事業では、カーボンニュートラルやDXなどの成長分野での事業拡大とソリューションビジネス強化に向けた技術開発に取り組んでおります。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で、高精度なホットディスク法を用いた溶融アルミニウムの熱伝導率評価技術を確立しました。これまで測定できなかった材料の熱伝導率や比熱などの物性値を得ることにより、金属材料の鋳造や溶接に関するシミュレーションの精度向上が期待されます。
特殊溶解材料事業では、ディスプレイ向けや半導体デバイス向けのスパッタリングターゲット材の開発や、高付加価値の特殊合金素材の開発・商品化に向けて取り組んでおります。特殊溶解材料事業において、電子放出源向けの新材料としてCeIr2を開発しました。イリジウム(Ir)とセリウム(Ce)を原料として化合物化したものであり、一般的な電子放出源と比較し同等以上の電子放出効率と、低温域での動作という特徴を有しています。人工衛星等の電気推進機のコスト低減や長寿命化、X線CT装置の高解像度化や検査時間短縮、金属3Dプリンターの高出力化などに寄与することが期待されます。
半導体検査・測定装置事業では、半導体ウェハ向け装置の更なる高精度化・高機能化のための開発に取り組んでいます。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、